JP2003200245A - 遠心鋳造管の挿口部冷却方法及び冷却装置 - Google Patents
遠心鋳造管の挿口部冷却方法及び冷却装置Info
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- JP2003200245A JP2003200245A JP2001395693A JP2001395693A JP2003200245A JP 2003200245 A JP2003200245 A JP 2003200245A JP 2001395693 A JP2001395693 A JP 2001395693A JP 2001395693 A JP2001395693 A JP 2001395693A JP 2003200245 A JP2003200245 A JP 2003200245A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 遠心鋳造において、注湯終了後の鋳造管の挿
し口部冷却を強化して、鋳造サイクルタイムを短縮し、
鋳造管の生産性向上を図る。 【解決手段】 遠心鋳造装置5の鋳造台車11の挿口部
13側の端部近傍に、噴射方向が、回転鋳型6の挿口側
の方向に向けられた冷却スプレーノズル14が配設さ
れ、しかも当該冷却スプレーノズル14は、鋳造台車1
1の移動走行中であっても回転鋳型6の挿口側の方向に
向けて、冷却媒体の噴射を継続し得るような鋳造管10
の挿口部冷却装置を構成する。スプレーノズル14とし
て2流体スプレーノズルを用い、2流体は、冷却水と圧
縮空気とからなり、冷却水ミスト15を形成させる。
し口部冷却を強化して、鋳造サイクルタイムを短縮し、
鋳造管の生産性向上を図る。 【解決手段】 遠心鋳造装置5の鋳造台車11の挿口部
13側の端部近傍に、噴射方向が、回転鋳型6の挿口側
の方向に向けられた冷却スプレーノズル14が配設さ
れ、しかも当該冷却スプレーノズル14は、鋳造台車1
1の移動走行中であっても回転鋳型6の挿口側の方向に
向けて、冷却媒体の噴射を継続し得るような鋳造管10
の挿口部冷却装置を構成する。スプレーノズル14とし
て2流体スプレーノズルを用い、2流体は、冷却水と圧
縮空気とからなり、冷却水ミスト15を形成させる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、遠心鋳造設備で
鋳鉄管を製造するに際し、遠心鋳造装置の鋳型へ溶湯を
注入する工程において、鋳造サイクルタイムを短縮して
鋳造管の生産性向上を図るために、注湯終了後の鋳造管
の挿し口部冷却を強化する技術に関するものである。
鋳鉄管を製造するに際し、遠心鋳造装置の鋳型へ溶湯を
注入する工程において、鋳造サイクルタイムを短縮して
鋳造管の生産性向上を図るために、注湯終了後の鋳造管
の挿し口部冷却を強化する技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、遠心鋳造装置で鋳造管を鋳造する
場合には、図2に例示するように、所定量の溶湯を所定
の温度に保持する保持炉(図示省略)から、溶湯を配湯
用取鍋1に払い出し、配湯用取鍋1から指定された遠心
鋳造装置5に近接して設置されている定置取鍋3に溶湯
2aを補給し、定置取鍋3から注湯用取鍋としての三角
取鍋4へ、遠心鋳造装置5に設けられた鋳型6へ注湯す
べき1回分の溶湯2bを出湯し、三角取鍋4から注湯ト
ラフ7のシュート(本明細書で「注湯シュート」とい
う)8を経由し、トラフ本体9から溶湯2cを、鋳型6
へ注入し、鋳造管10を遠心鋳造する。ここで、鋳型6
は、鋳造台車11上にあって軸芯線が水平に対して僅か
な傾斜角θを有し、水冷されつつ、鋳型回転装置12に
より軸芯線を中心として高速で回転している。このよう
に、トラフ本体9を回転鋳型5の内部に挿入して溶湯2
cを注入する。注入終了後、鋳型6の水冷及び回転を継
続しつつ、トラフ本体9を鋳型6から抜き出す。次い
で、水冷鋳型の冷却作用により、鋳造管10が冷却さ
れ、その外表面が鋳型6内面から離れて、鋳造管10を
鋳型6内から引抜可能となった時点で速やかに、管引抜
作業に入る。管の引抜きは、鋳造管10の受口部内面部
をチャッキング爪で捕捉して、鋳造管10の受口方向に
所定の引抜装置で引き抜くことにより行う。
場合には、図2に例示するように、所定量の溶湯を所定
の温度に保持する保持炉(図示省略)から、溶湯を配湯
用取鍋1に払い出し、配湯用取鍋1から指定された遠心
鋳造装置5に近接して設置されている定置取鍋3に溶湯
2aを補給し、定置取鍋3から注湯用取鍋としての三角
取鍋4へ、遠心鋳造装置5に設けられた鋳型6へ注湯す
べき1回分の溶湯2bを出湯し、三角取鍋4から注湯ト
ラフ7のシュート(本明細書で「注湯シュート」とい
う)8を経由し、トラフ本体9から溶湯2cを、鋳型6
へ注入し、鋳造管10を遠心鋳造する。ここで、鋳型6
は、鋳造台車11上にあって軸芯線が水平に対して僅か
な傾斜角θを有し、水冷されつつ、鋳型回転装置12に
より軸芯線を中心として高速で回転している。このよう
に、トラフ本体9を回転鋳型5の内部に挿入して溶湯2
cを注入する。注入終了後、鋳型6の水冷及び回転を継
続しつつ、トラフ本体9を鋳型6から抜き出す。次い
で、水冷鋳型の冷却作用により、鋳造管10が冷却さ
れ、その外表面が鋳型6内面から離れて、鋳造管10を
鋳型6内から引抜可能となった時点で速やかに、管引抜
作業に入る。管の引抜きは、鋳造管10の受口部内面部
をチャッキング爪で捕捉して、鋳造管10の受口方向に
所定の引抜装置で引き抜くことにより行う。
【0003】鋳造管10を鋳型6から引き抜き、鋳型6
及び注湯トラフ7を整備した後、引き続き、次の鋳造管
の鋳造サイクルに入る。こうして、注湯開始から1本の
鋳造管を鋳造し、次の注湯開始までの所要時間を鋳造サ
イクルタイムという。鋳造サイクルタイムは鋳造管の生
産能率を表わす重要な指標である。
及び注湯トラフ7を整備した後、引き続き、次の鋳造管
の鋳造サイクルに入る。こうして、注湯開始から1本の
鋳造管を鋳造し、次の注湯開始までの所要時間を鋳造サ
イクルタイムという。鋳造サイクルタイムは鋳造管の生
産能率を表わす重要な指標である。
【0004】注湯後の鋳造管の冷却は、一般に、水冷鋳
型の冷却水により行われる。ここで、最後尾に注湯され
て形成された鋳造管の挿口部は、冷却が最も遅くから始
まる。更に、この鋳造管の挿口の鋳造は、注湯の最終期
に相当するので、注湯温度が低下傾向にある。そこで、
従来、溶湯の注入流量(単位時間当たりの鋳型6への溶
湯2cの注入量)を増やして挿口の管厚を確保するよう
にコントロールすると共に、注湯温度を高精度に管理す
ることが行なわれている。それにもかかわらず、挿口の
管厚を中央部管厚と同一にすることは事実上困難であ
り、挿口では管厚確保のため、通常、中央部よりも1,
2mm程度厚くなる。
型の冷却水により行われる。ここで、最後尾に注湯され
て形成された鋳造管の挿口部は、冷却が最も遅くから始
まる。更に、この鋳造管の挿口の鋳造は、注湯の最終期
に相当するので、注湯温度が低下傾向にある。そこで、
従来、溶湯の注入流量(単位時間当たりの鋳型6への溶
湯2cの注入量)を増やして挿口の管厚を確保するよう
にコントロールすると共に、注湯温度を高精度に管理す
ることが行なわれている。それにもかかわらず、挿口の
管厚を中央部管厚と同一にすることは事実上困難であ
り、挿口では管厚確保のため、通常、中央部よりも1,
2mm程度厚くなる。
【0005】このように、鋳造管の挿口部は、注湯の最
終期に注入されると共に、しかも管厚が厚めとなってい
るので、鋳造管の中で最も冷却が遅延する部位である。
従って、鋳造管の他の部分では、鋳造終了時には、鋳型
の冷却水による鋳型の冷却作用の進行により、鋳造管の
外表面は内面鋳型から収縮・剥離しているが、挿口部に
おいては冷却・収縮が遅れ、未だ鋳造管が鋳型内面に接
している。そのため、鋳造管10の鋳型6からの引抜に
際しては、引抜抵抗が大きく、引抜作業に移るのが遅れ
る。
終期に注入されると共に、しかも管厚が厚めとなってい
るので、鋳造管の中で最も冷却が遅延する部位である。
従って、鋳造管の他の部分では、鋳造終了時には、鋳型
の冷却水による鋳型の冷却作用の進行により、鋳造管の
外表面は内面鋳型から収縮・剥離しているが、挿口部に
おいては冷却・収縮が遅れ、未だ鋳造管が鋳型内面に接
している。そのため、鋳造管10の鋳型6からの引抜に
際しては、引抜抵抗が大きく、引抜作業に移るのが遅れ
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、注湯
終了時点から鋳造管の引抜開始までの所要時間につい
て、従来、鋳造管挿口部の冷却方法として、回転鋳型の
ジャケットに冷却水を通水することにより行なう鋳型冷
却により、鋳型を介して鋳造管の挿口部を冷却するとい
う方法になっている。従来は、鋳造管挿口部の冷却は、
このように鋳型を介しての冷却だけに依存しており、そ
の他には冷却手段を持っていなかった。
終了時点から鋳造管の引抜開始までの所要時間につい
て、従来、鋳造管挿口部の冷却方法として、回転鋳型の
ジャケットに冷却水を通水することにより行なう鋳型冷
却により、鋳型を介して鋳造管の挿口部を冷却するとい
う方法になっている。従来は、鋳造管挿口部の冷却は、
このように鋳型を介しての冷却だけに依存しており、そ
の他には冷却手段を持っていなかった。
【0007】そこで、本発明者は、鋳造管の注湯終了
後、その挿口部の冷却を速やかに開始すると共に、冷却
を強化することにより、次工程の管引抜操作に速やかに
入り得る方法の開発を本発明の課題とした。
後、その挿口部の冷却を速やかに開始すると共に、冷却
を強化することにより、次工程の管引抜操作に速やかに
入り得る方法の開発を本発明の課題とした。
【0008】かくして、この発明の目的は、上記課題を
解決することにより、遠心鋳造装置による鋳造管の製造
において、鋳造サイクルタイムを短縮することにより、
鋳造管の生産性向上を図り得る遠心鋳造管の挿口部冷却
方法及び冷却装装置を提供することにある。
解決することにより、遠心鋳造装置による鋳造管の製造
において、鋳造サイクルタイムを短縮することにより、
鋳造管の生産性向上を図り得る遠心鋳造管の挿口部冷却
方法及び冷却装装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記問題
を解決するため鋭意試験・研究を重ねた結果、下記知見
を得た。鋳造サイクルタイムを短縮するためには、鋳造
終了後、鋳造管の挿口部を速やかに効果的に冷却し、挿
口部が鋳型内壁から離れて、鋳造管の引抜作業が開始で
きるようにすることが効果的である。その手段として、
鋳造終了後、注湯トラフが鋳型内から引き出されて、鋳
造管の挿口部が露出したら直ちに、当該挿口部を直接強
制冷却することが望ましい。そして、冷却媒体として冷
却水ミストを用い、その挿口部を冷却することにより、
割れ等の成品品質を損なうことなく、且つ効率的に冷却
することができる。そして、鋳造台車の鋳造管挿口部側
の適切な位置に冷却ノズルを設け、ノズル噴射口を当該
挿口部に向けて取りつければ、至近距離から挿口部を安
定して直接冷却でき、しかも鋳造台車が移動走行中にあ
ってもその冷却を適宜継続することに着眼した。
を解決するため鋭意試験・研究を重ねた結果、下記知見
を得た。鋳造サイクルタイムを短縮するためには、鋳造
終了後、鋳造管の挿口部を速やかに効果的に冷却し、挿
口部が鋳型内壁から離れて、鋳造管の引抜作業が開始で
きるようにすることが効果的である。その手段として、
鋳造終了後、注湯トラフが鋳型内から引き出されて、鋳
造管の挿口部が露出したら直ちに、当該挿口部を直接強
制冷却することが望ましい。そして、冷却媒体として冷
却水ミストを用い、その挿口部を冷却することにより、
割れ等の成品品質を損なうことなく、且つ効率的に冷却
することができる。そして、鋳造台車の鋳造管挿口部側
の適切な位置に冷却ノズルを設け、ノズル噴射口を当該
挿口部に向けて取りつければ、至近距離から挿口部を安
定して直接冷却でき、しかも鋳造台車が移動走行中にあ
ってもその冷却を適宜継続することに着眼した。
【0010】この発明は、上記知見によりなされたもの
であり、その要旨は次の通りである。
であり、その要旨は次の通りである。
【0011】請求項1記載の遠心鋳造管の挿口部冷却方
法は、遠心鋳造装置の回転鋳型に溶湯の注入を終了後、
速やかに鋳造管の挿口部に対して冷却媒体を噴射させ
て、その挿口部を強制冷却することに特徴を有するもの
である。
法は、遠心鋳造装置の回転鋳型に溶湯の注入を終了後、
速やかに鋳造管の挿口部に対して冷却媒体を噴射させ
て、その挿口部を強制冷却することに特徴を有するもの
である。
【0012】請求項2記載の遠心鋳造管の挿口部冷却方
法は、請求項1記載の発明において、上記冷却媒体の上
記挿口部に対する噴射冷却が、注湯トラフが上記回転鋳
型から抜き出された直後に開始することに特徴を有する
ものである。
法は、請求項1記載の発明において、上記冷却媒体の上
記挿口部に対する噴射冷却が、注湯トラフが上記回転鋳
型から抜き出された直後に開始することに特徴を有する
ものである。
【0013】請求項3記載の遠心鋳造管の挿口部冷却方
法は、請求項1又は請求項2記載の発明において、上記
の噴射された冷却媒体が、冷却水ミストであることに特
徴を有するものである。
法は、請求項1又は請求項2記載の発明において、上記
の噴射された冷却媒体が、冷却水ミストであることに特
徴を有するものである。
【0014】請求項4記載の遠心鋳造管の挿口部冷却装
置は、遠心鋳造装置の鋳造台車の挿口側端部近傍に、冷
却媒体の噴射方向が、回転鋳型の挿口側の方向に向けら
れた冷却スプレーノズルが配設され、しかも当該冷却ス
プレーノズルは、上記鋳造台車の移動走行中であっても
上記回転鋳型の挿口側の方向に向けて、上記冷却媒体の
噴射を継続し得るように構成されていることに特徴を有
するものである。
置は、遠心鋳造装置の鋳造台車の挿口側端部近傍に、冷
却媒体の噴射方向が、回転鋳型の挿口側の方向に向けら
れた冷却スプレーノズルが配設され、しかも当該冷却ス
プレーノズルは、上記鋳造台車の移動走行中であっても
上記回転鋳型の挿口側の方向に向けて、上記冷却媒体の
噴射を継続し得るように構成されていることに特徴を有
するものである。
【0015】請求項5記載の遠心鋳造管の挿口部冷却装
置は、請求項4記載の発明において、上記スプレーノズ
ルが2流体スプレーノズルであり、当該2流体が、冷却
水と圧縮空気であることに特徴を有するものである。
置は、請求項4記載の発明において、上記スプレーノズ
ルが2流体スプレーノズルであり、当該2流体が、冷却
水と圧縮空気であることに特徴を有するものである。
【0016】
【発明の実施の形態】次に、この発明に係る遠心鋳造管
の挿口部冷却方法及び冷却装置の実施形態を説明する。
の挿口部冷却方法及び冷却装置の実施形態を説明する。
【0017】図1に、この発明の望ましい実施形態にお
ける挿口部冷却装置の概略側面部分縦断面図を示す。溶
湯が鋳造台車11上に配設された鋳型6に注入され、挿
口部13までの注湯が終了したら、トラフ本体(図示省
略、図2、符号9参照)を同図中X方向に後退させ、鋳
造管の挿口部13が露出して図1の右方から臨めるよう
になったら、直ちに、冷却ノズル14から冷却水ミスト
15を当該挿口部13の内側面に向けて噴射させ、これ
を強制冷却する。冷却ノズル14には、冷却水供給配管
16及び圧縮空気供給配管17が接続されており、冷却
水ミスト15の噴射開始及び停止操作用の自動開閉弁
(図示省略)がそれぞれの供給配管16、17の途中に
設けられている。自動開閉弁は電磁弁がよい。冷却媒体
としては、冷却ミスト15の使用が挿口部13を緩冷却
することにより、強制冷却された部分にクラック等の品
質欠陥が発生するのを防止する。冷却水ミスト15の噴
射開始は、トラフ本体を鋳型内部から引き抜いた直後に
開始する。従って、鋳型6は未だ鋳型回転装置12によ
り回転中であり、しかも鋳型の冷却水が水冷ジャケット
18を流したまま行なう。冷却ノズル14が鋳造台車1
1に、ノズル保持具19で固定されているので、注湯終
了後、鋳造台車11が走行移動しても、所定時間強制冷
却を継続することができる。冷却ノズル14は鋳造台車
11の所定の位置に固定されており、また冷却水ミスト
15の噴射方向も一定にしてある。このように、冷却水
ミスト15の噴射方向は一定であっても、鋳型6の回転
と共に鋳造管10も回転しているので、適正な噴射角を
持たせることにより、挿口部13の一定長さ範囲を均一
に冷却することができる。但し、冷却ノズル14並びに
冷却水供給用配管16及び圧縮空気配管17は、鋳型6
の軸芯線近傍から外れた位置に設け、トラフ本体の移動
を妨げないようにする。
ける挿口部冷却装置の概略側面部分縦断面図を示す。溶
湯が鋳造台車11上に配設された鋳型6に注入され、挿
口部13までの注湯が終了したら、トラフ本体(図示省
略、図2、符号9参照)を同図中X方向に後退させ、鋳
造管の挿口部13が露出して図1の右方から臨めるよう
になったら、直ちに、冷却ノズル14から冷却水ミスト
15を当該挿口部13の内側面に向けて噴射させ、これ
を強制冷却する。冷却ノズル14には、冷却水供給配管
16及び圧縮空気供給配管17が接続されており、冷却
水ミスト15の噴射開始及び停止操作用の自動開閉弁
(図示省略)がそれぞれの供給配管16、17の途中に
設けられている。自動開閉弁は電磁弁がよい。冷却媒体
としては、冷却ミスト15の使用が挿口部13を緩冷却
することにより、強制冷却された部分にクラック等の品
質欠陥が発生するのを防止する。冷却水ミスト15の噴
射開始は、トラフ本体を鋳型内部から引き抜いた直後に
開始する。従って、鋳型6は未だ鋳型回転装置12によ
り回転中であり、しかも鋳型の冷却水が水冷ジャケット
18を流したまま行なう。冷却ノズル14が鋳造台車1
1に、ノズル保持具19で固定されているので、注湯終
了後、鋳造台車11が走行移動しても、所定時間強制冷
却を継続することができる。冷却ノズル14は鋳造台車
11の所定の位置に固定されており、また冷却水ミスト
15の噴射方向も一定にしてある。このように、冷却水
ミスト15の噴射方向は一定であっても、鋳型6の回転
と共に鋳造管10も回転しているので、適正な噴射角を
持たせることにより、挿口部13の一定長さ範囲を均一
に冷却することができる。但し、冷却ノズル14並びに
冷却水供給用配管16及び圧縮空気配管17は、鋳型6
の軸芯線近傍から外れた位置に設け、トラフ本体の移動
を妨げないようにする。
【0018】なお、冷却ノズル14からの冷却水ミスト
15の噴射方向へ、少なくとも手動でよいから調整可能
に構成しておく。鋳造管の内径により、その噴射方向を
調整できれば一層望ましいからである。また、冷却ノズ
ル14を複数個配設することにより、冷却効果を一層高
めることができ、適宜そのように構成する。
15の噴射方向へ、少なくとも手動でよいから調整可能
に構成しておく。鋳造管の内径により、その噴射方向を
調整できれば一層望ましいからである。また、冷却ノズ
ル14を複数個配設することにより、冷却効果を一層高
めることができ、適宜そのように構成する。
【0019】上述したように、注湯終了後、速やかに挿
口部13の冷却を開始してこれを強制冷却すると共に、
鋳型6の冷却水による間接冷却も継続することができる
ので、挿口部13の冷却及び収縮を強化することができ
る。従って、鋳型6内面と挿口部13外周面との剥離タ
イミングを早めることができるので、鋳造管10の鋳型
6からの引抜操作を早期に開始することができる。従
来、鋳造管10と鋳型6とが接触しているために、鋳造
管の引抜作業に入ることが制約されていた原因となって
いた箇所は、この挿口部13である。よって、上述した
挿口部の冷却を実施することにより、この発明の最大の
目的である、鋳造サイクルタイムの短縮に大きく寄与す
る。例えば、従来方法による挿口部冷却を行なった場合
(比較例)と、この発明による挿口部冷却を行なった場
合(実施例)とで、鋳造サイクルタイムを比較すると、
実施例においては、比較例におけるよりも5秒短縮さ
れ、これは鋳造サイクルタイムが10%短縮されたこと
に相当する。
口部13の冷却を開始してこれを強制冷却すると共に、
鋳型6の冷却水による間接冷却も継続することができる
ので、挿口部13の冷却及び収縮を強化することができ
る。従って、鋳型6内面と挿口部13外周面との剥離タ
イミングを早めることができるので、鋳造管10の鋳型
6からの引抜操作を早期に開始することができる。従
来、鋳造管10と鋳型6とが接触しているために、鋳造
管の引抜作業に入ることが制約されていた原因となって
いた箇所は、この挿口部13である。よって、上述した
挿口部の冷却を実施することにより、この発明の最大の
目的である、鋳造サイクルタイムの短縮に大きく寄与す
る。例えば、従来方法による挿口部冷却を行なった場合
(比較例)と、この発明による挿口部冷却を行なった場
合(実施例)とで、鋳造サイクルタイムを比較すると、
実施例においては、比較例におけるよりも5秒短縮さ
れ、これは鋳造サイクルタイムが10%短縮されたこと
に相当する。
【0020】
【発明の効果】この発明によれば、遠心鋳造における注
湯作業が終了後、速やかに挿口部の冷却を開始すること
ができ、しかも任意の所定時間この冷却を継続させるこ
とができる。更に、この挿口部冷却は、鋳型の冷却水に
よる挿口部冷却と並行して行なうことができる。そのた
め、鋳型からの鋳造管を引抜くことが可能となる時期が
早まり、鋳造サイクルタイムが短縮される。その結果、
遠心鋳造操業における鋳造管の生産能率の向上に寄与す
る。この発明によれば、このような遠心鋳造管の挿口部
冷却方法及び冷却装置を提供することができ、工業上有
益な効果がもたらされる。
湯作業が終了後、速やかに挿口部の冷却を開始すること
ができ、しかも任意の所定時間この冷却を継続させるこ
とができる。更に、この挿口部冷却は、鋳型の冷却水に
よる挿口部冷却と並行して行なうことができる。そのた
め、鋳型からの鋳造管を引抜くことが可能となる時期が
早まり、鋳造サイクルタイムが短縮される。その結果、
遠心鋳造操業における鋳造管の生産能率の向上に寄与す
る。この発明によれば、このような遠心鋳造管の挿口部
冷却方法及び冷却装置を提供することができ、工業上有
益な効果がもたらされる。
【図1】この発明の望ましい実施形態を説明する挿口部
冷却装置の概略側面部分縦断面図である。
冷却装置の概略側面部分縦断面図である。
【図2】従来の遠心鋳造設備による鋳造管の鋳造工程概
要図の例である。
要図の例である。
1 配湯用取鍋
2a、2b、2c 溶湯
3 定置取鍋
4 三角取鍋
5 遠心鋳造装置
6 鋳型
7 注湯トラフ
8 注湯シュート
9 トラフ本体
10 鋳造管
11 鋳造台車
12 鋳型回転装置
13 挿口部
14 冷却ノズル
15 冷却ミスト
16 冷却水供給配管
17 圧縮空気供給配管
18 受口部
19 ノズル保持具
フロントページの続き
(72)発明者 笠原 信一
東京都千代田区内神田一丁目8番1号 日
本鋳鉄管株式会社内
(72)発明者 石川 勝
東京都千代田区内神田一丁目8番1号 日
本鋳鉄管株式会社内
Claims (5)
- 【請求項1】 遠心鋳造装置の回転鋳型に溶湯の注入を
終了後、速やかに鋳造管の挿口部に対して冷却媒体を噴
射させて、当該挿口部を強制冷却することを特徴とする
遠心鋳造管の挿口部冷却方法。 - 【請求項2】 前記冷却媒体の前記挿口部に対する噴射
冷却は、注湯トラフが前記回転鋳型から抜き出された直
後に開始することを特徴とする、請求項1記載の遠心鋳
造管の挿口部冷却方法。 - 【請求項3】 前記の噴射された冷却媒体は、冷却水ミ
ストであることを特徴とする、請求項1又は請求項2記
載の遠心鋳造管の挿口部冷却方法。 - 【請求項4】 遠心鋳造装置の鋳造台車の挿口側端部近
傍に、冷却媒体の噴射方向が、回転鋳型の挿口側の方向
に向けられた冷却スプレーノズルが配設され、しかも当
該冷却スプレーノズルは、前記鋳造台車の移動走行中で
あっても前記回転鋳型の挿口側の方向に向けて、前記冷
却媒体の噴射を継続し得るように構成されていることを
特徴とする遠心鋳造管の挿口部冷却装置。 - 【請求項5】 前記スプレーノズルは2流体スプレーノ
ズルであり、当該2流体は、冷却水と圧縮空気であるこ
とを特徴とする、請求項4記載の遠心鋳造管の挿口部冷
却装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001395693A JP2003200245A (ja) | 2001-12-27 | 2001-12-27 | 遠心鋳造管の挿口部冷却方法及び冷却装置 |
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