JP2003200005A - 懸濁粒子の凝集方法及び凝集器 - Google Patents

懸濁粒子の凝集方法及び凝集器

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JP2003200005A
JP2003200005A JP2002113027A JP2002113027A JP2003200005A JP 2003200005 A JP2003200005 A JP 2003200005A JP 2002113027 A JP2002113027 A JP 2002113027A JP 2002113027 A JP2002113027 A JP 2002113027A JP 2003200005 A JP2003200005 A JP 2003200005A
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container
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suspended particles
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Hironori Muraki
弘則 村木
Hiroyuki Aida
寛幸 会田
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Sumitomo Densetsu Co Ltd
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Sumitomo Densetsu Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 汚濁液中の懸濁粒子を効率良く凝集させる効
果の持続性にも優れた凝集方法と凝集器を提供する。 【解決手段】 陽イオンを発生させる多孔質体12をカ
ートリッジケース11に充填して筒状フィルタ10を形
成し、そのフィルタ10を汚濁液の出入口2、3を有す
る容器1内に充填し、容器1内に導入した汚濁液をフィ
ルタ10を透過させ、その汚濁液中に溶け出した多孔質
体を電解質として汚濁液中の懸濁粒子を効率良く凝集さ
せるようにした。陽イオンを発生させる物質は多孔質体
に限定されない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、切削、研削、切
断などに用いられる水溶性或いは油性のクーラント液や
加工部品の洗浄排液、生物処理排水など、懸濁粒子を含
む各種汚濁液の浄化に用いる懸濁粒子凝集器に関する。
【0002】
【従来の技術】各種廃液中に含まれる汚濁物質は、濾材
で捕捉できないものが多く、濾過法では効率的な除去が
難しい。このため、一般的な水処理では中和処理などの
前処理を行って粒子とし、それを凝集剤を加えて凝集さ
せ、粒子が凝集してできるフロック(綿状物)を大きく
して沈降させるなどの方法で除去している。
【0003】疎水性コロイド粒子の凝集は、粒子表面に
存在する電荷(凝集阻害因子)と反対符号のイオンを加
える方法でなされる。
【0004】電解質を加えると、粒子間の反発ポテンシ
ャルが減少し、相対的に粒子間の引力が上回り、粒子が
互いに引き寄せられて凝集することはDLVO理論とし
て知られ、また、イオンによる凝集はイオンの価数が大
きいほど低濃度で起こることはシュルツハーディの法則
として知られている。
【0005】ところで、冒頭で述べたクーラント液など
は、循環させて繰り返し使用され、濾過器で濾過されて
いるが、濾過器で捕捉できない粒子が残る。ところが、
工場内で使用する関係上、種々の制約を受け、一般的水
処理で行っている沈殿槽による凝集沈殿除去が行えな
い。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】そこで、この発明は、
汚濁液中の懸濁粒子を沈殿槽を用いずに凝集させて濾過
による汚濁液の浄化を可能ならしめることを課題として
いる。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、この発明においては、汚濁液中に陽イオンを流出さ
せて液中の懸濁粒子を凝集させる方法を採る。
【0008】また、陽イオンを発生させる物質を容器に
収納し、その容器内に汚濁液を接触通過させ、この汚濁
液中に前記物質を溶出させて液中の懸濁粒子を凝集させ
る方法を採る。
【0009】前者の方法での陽イオン流出は、陽イオン
を発生させる物質を汚濁液中に溶け出させる方法や、電
極或いは磁石を用いて汚濁液中の原子に電荷を与える方
法などで行える。
【0010】後者の方法に用いる陽イオン発生物質は、
好ましいものとして、アルカリ土類金属やアルミニウ
ム、具体的には、マグネシウム、酸化マグネシウム、水
酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、酸化カルシウ
ム、水酸化カルシウム、炭酸カルシウム、アルミニウ
ム、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウムなどが挙げ
られる。これ等の物質は1種類でもよいし、複数種を混
合して用いてもよい。
【0011】また、その物質の形態は、顆粒、錠剤、ペ
レット、球、チップ、リボン、箔、線材などが表面積や
汚濁液との接触面積を大きくとれて好ましい。
【0012】これ等の物質が多孔質であると表面積が更
に広がり、より高い凝集効果が望める。
【0013】この発明では、上述した如き物質を容器に
収納し、その容器に懸濁粒子を含む汚濁液の出入口を設
けて容器内の物質に汚濁液を接触通過させるようにした
懸濁粒子凝集器や、多孔質酸化マグネシウム又はそれを
水と反応させた多孔質水酸化マグネシウムの顆粒、ペレ
ット、チップ又はそれ等の混合物をカートリッジケース
に充填して筒状フィルタを形成し、そのフィルタを、汚
濁液の出入口を有する容器に、懸濁粒子を含む汚濁液が
筒状フィルタを透過して流れるように充填して成る懸濁
粒子凝集器、多孔質酸化マグネシウム又はそれを水と反
応させた多孔質水酸化マグネシウムの顆粒、ペレット、
球、チップ又はそれ等の混合物を、汚濁液の出入口を有
する容器内に、懸濁粒子を含む汚濁液が接触して流れる
ように充填、保持して成る懸濁粒子凝集器も併せて提供
する。
【0014】これ等の凝集器は、汚濁液の導入路を容器
の入口と出口に選択的につなぐ第1切替弁と、汚濁液の
流出路を容器の出口と入口に選択的につなぐ第2切替弁
を附属させると、凝集動作を続行しながらの逆洗(液の
流れを反転させて行う目詰まり解消のための洗浄)が可
能になる。
【0015】凝集器に収納する陽イオン発生物質は、サ
イズが例えば250μm程度と極端に小さいと、物質間
の隙間が狭くなり過ぎる。また、その物質の流出防止
(保持)のために物質のサイズよりも更に目の細かい糸
巻きフィルタなどを併用する必要があり、物質間の隙間
やフィルタの目が詰まり易くなる。その目詰まりが起こ
ると物質やそれを充填したカートリッジの交換を余儀な
くされ、凝集器の連続使用に支障をきたす。さらに、小
さい物質は強度的にも弱く、早く溶けてしまう虞れもあ
り、頻繁な補充が必要になる。従って、物質が小さ過ぎ
るのは好ましくない。
【0016】また、目詰まり防止や物質を長持ちさせる
ため保護用充填剤を混ぜると有用な物質の絶対量が減
り、凝集効果の持続時間が短くなる。物質の溶解に伴っ
て溶解して欲しくない成分も溶出し、それが液中に蓄積
する問題もあり、従って、保護用充填材を用いるのもあ
まり好ましくない。
【0017】
【作用】この発明の方法によれば、汚濁液中の懸濁粒子
を液中に流出させた陽イオンの働きで凝集させる。凝集
して出来るフロックはペーパーフィルタなどで濾し取る
ことができるので、循環させながら繰り返し使用する液
体についても浄化度を高めて有効使用期間を延ばすこと
が可能になる。
【0018】また、この発明の凝集器は、汚濁液を容器
内の陽イオン発生物質に接触させて通過させる。このと
き、陽イオン発生物質が例えば酸化マグネシウム(マグ
ネシア:MgO)であったとすると、その酸化マグネシ
ウムが水と反応して水酸化マグネシウム(Mg(OH)
2 )が生じ、これが電解質として働いて被処理液中の懸
濁粒子を凝集させる。
【0019】酸化マグネシウムは、溶解性が小さいが、
これをフィルタ材として使用すると、被処理液がイオン
価の高まった隘路を通過し、懸濁粒子同士の接触機会が
増えて凝集が進む。従って、少ない量で優れた凝集効果
が得られる。
【0020】また、多孔質酸化マグネシウムは、それ自
身が多数の細孔を有し、表面積を大きくしているので、
そのサイズを大きくして流出防止用の目の細かいフィル
タの併用を不要となすことができ、通路抵抗を増大させ
る目詰まりを起こし難い。これに加え、水等に対する溶
解性が小さいことが逆に利点となり、充填剤を加えなく
ても長持ちする。そのため充填剤の添加による有用な電
解質の絶対量の減少、充填剤が被処理液中に溶けて蓄積
することによる産廃処理の問題も解決できる。陽イオン
発生物質は減量分を補充すればよい。充填剤などの無効
成分を含んでいないため、有効成分が流出しきることに
よる交換は不要である。
【0021】このほか、多孔質酸化マグネシウムなどは
それ自体に強度があるので、被処理液の流れを反転させ
て行う目詰まり解消のための逆洗も可能になる。強度の
弱い凝集剤を用いたものはその逆洗ができない。また、
一般的な濾過法では逆洗時には濾過がなされないが、こ
の発明の凝集器は逆洗中も凝集がなされ、稼動率低下が
起こらない。先に述べた第1切替弁と第2切替弁を附属
させた凝集器は、その逆洗が行える。
【0022】酸化マグネシウムに代えて先に挙げた水酸
化マグネシウムなどの他の物質を用いる場合の作用、効
果もほぼ同じである。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施形態を図1
乃至図8に基づいて説明する。
【0024】図1に、この発明の凝集方法の第1実施形
態を示す。図中21は、ポンプ22を有する汚濁液(被
処理液)の通路であり、この液通路の前段に電荷注入装
置23が設けられ、ポンプ22の吐出側に凝集器20が
組込まれている。また、液通路21には、凝集器20を
通過した汚濁液の一部をポンプ22の吸入側に戻すリタ
ーン路24が設けられている。
【0025】この図1の方法では、電極や磁石を用いた
電荷注入装置23から液通路21を流れる汚濁液に先ず
電荷を注入して液の分子集団(クラスター)を小さく
し、液中の懸濁粒子間の距離を短くする。また、同時に
懸濁粒子に電荷を与えることで粒子間の反発ポテンシャ
ルを減少させ、粒子を凝集し易くする。そして、電荷の
与えられた汚濁液を凝集器20に導く。
【0026】凝集器20には、陽イオン発生物質が収納
されており、その物質が接触通過する汚濁液中に溶け出
す。そのために陽イオンによる凝集作用がより高まって
液中の懸濁粒子が凝集する。凝集器20を通過した汚濁
液は後段に待機させた濾過器(図示せず)に導かれ、粒
子が凝集してできたフロックがペーパーフィルタなどで
濾し取られる。
【0027】凝集器20に通す汚濁液は、実験では通過
流速を高めると、陽イオン発生物質の溶解速度が早くな
り、凝集器内での目詰まりも生じ難くなるなどの好結果
が得られている。
【0028】ところが、後段の濾過器の処理能力が低い
と、通過流速を早めることが制限される。図1の方法
は、濾過器の処理能力を越える分をリターン路24に流
して循環させるようにしており、濾過器の能力による規
制を受けずに凝集器20内での流速を上げることができ
る。
【0029】図2の方法は、液通路21に凝集器20を
迂回するバイパス路25を設け、凝集器20を通過した
汚濁液と、迂回した汚濁液を混合器26でミキシングし
て送り出す。凝集器20の能力(液通過量)が濾過器の
能力よりも小さくなるケースも考えられ、その場合には
この方法が有効である。
【0030】必要に応じて、図3に示すように、凝集器
20を通過した汚濁液の流れを緩めるバッファタンク2
7を設けてもよい。このバッファタンク27があると、
バッファタンク無しの場合よりも粒子が良く凝集する。
【0031】凝集器20に収納する陽イオン発生物質
は、既に述べたものが好ましい。その物質の形態は、先
に述べた形態の中から適当なものを選んで用いることが
できる。この物質は、望むらくは表面積の広い多孔質体
がよい。
【0032】図4は、凝集器20の第1実施形態であ
る。この凝集器20は、容器1内にカートリッジ式筒状
フィルタ10を装填して成る。
【0033】容器1は、汚濁液の出入口2、3を有す
る。また、内部にフィルタ10のホルダ4を有する。
【0034】図示のフィルタ10は、カートリッジケー
ス11の内筒11aと外筒11b間に陽イオンを発生す
る多孔質体12を充填し、充填部の両端を蓋11c、1
1dで塞いでなる。内筒11aと外筒11bは多数の目
孔を有する材料で形成されており、汚濁液が多孔質体1
2の充填部を通って内筒11aの内側から外筒11bの
外側に、或いはそれとは反対向きに透過して流れること
ができる。
【0035】容器1内のホルダ4は、受け座4aと支軸
4bと押え板4cを有し、フィルタ10を、その中心孔
に支軸4bを通して受け座4a上にセットし、支軸4b
に螺合させるナットで押え板4cを締付けてフィルタ1
0を固定する。なお、受け座4a及び押え板4cとフィ
ルタ10との間は、図示しないシール材で水密封止され
る。
【0036】カートリッジケース11に充填する多孔質
体12は、顆粒(焼成品が好ましい)、多孔質体の粉末
とバインダを混合し、それを任意形状に成形して焼成
し、焼成によりバインダを飛ばして得られるペレットや
球(これは表面積の大きなものが好ましい)、多孔質体
製品の廃材などを粉砕して得られるチップ、リボンや箔
状物などを用いる。
【0037】集合した多孔質体を焼結して得られるセラ
ミックス多孔質体のペレットや廃材などを粉砕したチッ
プであってもよく、また、顆粒とペレットを混合した
り、多孔質体の顆粒とペレットを混合したり、不溶性の
濾材、例えばステンレスファイバや他の物質の繊維状
物、粒子、ペレットなどと混合して用いることも制限さ
れない。
【0038】なお、多孔質体のサイズは、顆粒や球の場
合、粒径0.5〜5mm程度、ペレットやチップの場
合、断面の対辺が0.5〜5mm程度で長さが1〜5m
m、リボンや箔は幅15mm以下、長さ50mm以下、
線材は直径1mm以下、長さ50mm以下程度が適当と
思われる。但し、ここで挙げたサイズに限定されるもの
ではない。球は真球に限定されない。ペレットは中空、
中実のどちらでもよく、その断面形状も任意に定めてよ
い。
【0039】カートリッジケースは、図示の2重円筒状
のものに限定されない。一重の筒の中に多孔質体を充填
し、筒の上下の開口をネット等で塞いで充填した多孔質
体を流出しないように保持するものであってもよい。ま
た、図5に示すように内筒11aと外筒11bを目孔の
無い材料で形成し、そのケース11の上下に液の出入口
を設けて多孔質体12に対する汚濁液の接触通過経路を
長くしたり、接触通過経路の途中にバッファタンク的な
働きをする空間を介在したりすることもできる。
【0040】図6は、第3実施形態の凝集器であって、
容器1を管路の途中に組み込むヘッド部5と、それにね
じ結合させるシエル6とで構成し、図1と同様の構造の
フィルタ10をヘッド部5とシエル6との間に液密に挟
み込んで装填している。フィルタ10の中心に形成され
る通路7Aと、フィルタ外周とシエル6との間に形成さ
れる通路7Bがそれぞれ出入口2、3に連通し、汚濁液
がフィルタ10を透過して通路7A、7Bのどちらか一
方から他方に流れ、その間に液中の懸濁粒子に凝集力が
働いて懸濁粒子が凝集する。
【0041】なお、懸濁粒子が凝集してできるフロック
は、ペーパフィルタ等で濾し取って脱水後、産廃処理す
るが、沈殿槽の設置が可能ならフィルタを通過した汚濁
液と共に沈殿槽に導入して沈殿させることもできる。
【0042】図7は、出入口2、3を有する容器1内に
多孔質体保持用の下ネット8を張り、その下ネット8
と、押え具として機能させる着脱自在の上ネット9との
間に多孔質体12を充填保持して凝集器20を形成し、
その凝集器のフィルタ部13を通って汚濁液が流れるよ
うにした第4実施形態である。この凝集器20は、凝集
剤として用いる多孔質体の取扱い性に難があるが、懸濁
粒子の凝集に関しては、図4、図5の凝集器と同様の効
果が得られる。
【0043】図8は、逆洗機能を付与した第5実施形態
である。凝集器20自体は、図4〜図7に示したような
ものが用いられる。その凝集器20の容器の出入口2、
3につなぐ管路14、15にそれぞれ分岐管14a、1
4b、15a、15bを伴わせ、分岐管14a、15a
を第1切替弁16に、分岐管14b、15bを第2切替
弁17に各々接続している。
【0044】第1切替弁16は、汚濁液の導入路18を
分岐管14a、15aに選択的に接続し、第2切替弁1
7は、汚濁液の流出路19を分岐管14b、15bに選
択的に接続する。その第1、第2切替弁16、17によ
る管路の切替えで凝集器20内での汚濁液の流れが実線
矢印と点線矢印で示すように反転し、フィルタの逆洗が
なされる。この逆洗時にも汚濁液中の懸濁粒子の凝集が
なされ、従って、凝集器の稼動率低下は起こらず、定期
的な逆洗や適当なタイミングでの逆洗を実施して凝集を
続けながらフィルタの目詰まりを効果的に防止すること
ができる。
【0045】なお、この発明の凝集器は、複数個を直列
につないで用いることもできる。その場合、フロックは
段々と成長していくので、フィルタの目の粗さを下流側
に位置するものほど粗くすると目詰まりが起こり難い。
但し、汚濁液中に粗粒子が含まれ、その粗粒子の濾し取
りが凝集用フィルタによって併せてなされる場合にはそ
の方法は逆効果となりかねないので注意を要する。
【0046】フィルタ10の厚さや、多孔質体の寸法、
フィルタの目の粗さは、凝集しようとする懸濁粒子に合
わせて自由に設定してよい。
【0047】以上挙げた実施形態の凝集器は、多孔質体
12として多孔質酸化マグネシウムを用いたが、これに
限定されない。マグネシウム、水酸化マグネシウム、炭
酸マグネシウム、酸化カルシウム、水酸化カルシウム、
炭酸カルシウム、アルミニウム、酸化アルミニウム、水
酸化アルミニウムも陽イオン発生物質であり、これ等の
物質を用いてもよい。物質が多孔質体であることも必須
ではない。
【0048】以下に凝集効果の確認試験結果を記す。
【0049】図9(a)に示すように、タンク28内の
テスト液をポンプ22で汲み上げ、そのテスト液をペー
パーフィルタ29で濾過するテストと、ポンプ22で汲
み上げたテスト液をこの発明の凝集器20に通し、その
後にペーパーフィルタ29で濾過するテストを行った。
実験条件は以下の通りである。 実験条件 テスト液:水道水にアルミナ研磨粉(粒径0.1〜1μm)を加え た液 ペーパーフィルタ:公称濾過能力2〜3μm 凝集器の凝集剤:水酸化マグネシウム 循環流量:30リットル/min 循環液量:50リットル 図9(a)の方法によるテスト結果を表1に、図9
(b)の方法によるテスト結果を表2に各々示す。各表
の固形物量は液中の残存量を示す。
【0050】
【表1】
【0051】
【表2】
【0052】このテスト結果から、陽イオンを発生させ
る凝集器が汚濁液の浄化に効果を奏することが判る。
【0053】
【発明の効果】以上述べたように、この発明の凝集方法
は、汚濁液中に陽イオンを流出させて液中の懸濁粒子を
凝集させるので、従来フィルタを通り抜けていた微小な
粒子もフィルタによる捕捉が可能になり、濾過、再使用
を繰り返すクーラント液を始めとした各種液体の浄化率
を沈殿槽を用いずに高めて液体の定期的な交換を不要
(液の補充は必要)となすことができる。
【0054】酸化マグネシウムや水酸化マグネシウムな
どの陽イオン発生物質を容器に収納した凝集器は、汚濁
液中に物質を適度に溶出させることができ、工作機械な
どに用いられている液体の循環供給装置に懸濁粒子の凝
集機能を与えることを可能ならしめる。
【0055】中でも多孔質体を凝集剤(陽イオン発生物
質)にして凝集用フィルタを形成したものは、サイズが
大きく、かつ表面積の大きな凝集剤でイオン価の高い隘
路を無数に生じさせて被処理液中の懸濁粒子を効果的に
凝集させることができる。
【0056】また、凝集剤の表面積が大きくそのサイズ
を大きくして目の細かい流出防止用のフィルタを不要と
なすことができ、目詰まりを起こし難く、目詰まりに起
因したフィルタ交換、設備の運転効率低下をなくせる。
【0057】また、充填剤を加えなくても凝集剤が長持
ちし、充填剤の添加による有効成分の絶対量の減少、そ
れによる凝集性能の低下、充填剤の使用による産廃処理
の問題を無くせる。
【0058】凝集剤、即ち、陽イオン発生物質の溶解に
伴う減量はそれの補充によって補える。酸化マグネシウ
ムなどは溶解性の小さい物質であるので、頻繁な補充は
不要であり、維持、管理の面でも有利になる。
【0059】さらに、使用する陽イオン発生物質のサイ
ズや表面積、フィルタの厚さなどを変えたり、種類の異
なる物質を混合したりして凝集性能を凝集目的の粒子に
合わせてコントロールすることができ、効率の良い凝集
が行える。
【0060】このほか、酸化マグネシウムや水酸化マグ
ネシウムなどはそれ自身が強度を有しているので逆洗を
行え、逆洗中も凝集がなされるので、フィルタの目詰ま
りを稼動率低下を生じさせずにより確実に防止すること
も可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の凝集方法の一例を示す線図
【図2】凝集方法の他の例を示す線図
【図3】バッファタンクを付加した例を示す線図
【図4】この発明の凝集器の実施形態を示す断面図
【図5】他の実施形態の断面図
【図6】更に他の実施形態の断面図
【図7】更に他の実施形態の断面図
【図8】逆洗機能を付与した凝集器の回路図
【図9】(a)効果の確認試験の比較方法を示す図 (b)効果の確認試験の発明方法を示す図
【符号の説明】
1 容器 2、3 出入口 4 ホルダ 5 ヘッド部 6 シエル 7A、7B 通路 8 下ネット 9 上ネット 10 フィルタ 11 カートリッジケース 11a 内筒 11b 外筒 12 多孔質体 13 フィルタ部 14、15 管路 14a、14b、15a、15b 分岐管 16 第1切替弁 17 第2切替弁 18 導入路 19 流出路 20 凝集器 21 液通路 22 ポンプ 23 電荷注入装置 24 リターン路 25 バイパス路 26 混合器 27 バッファタンク
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4D015 BA03 BA04 BA17 BA21 BA28 BB05 CA02 CA06 CA20 DA09 DA19 DA23 DA24 DA25 DC04 EA02

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 汚濁液中に陽イオンを流出させて液中の
    懸濁粒子を凝集させる懸濁粒子の凝集方法。
  2. 【請求項2】 陽イオンを発生させる物質を容器に収納
    し、その容器内に汚濁液を接触通過させ、この汚濁液中
    に前記物質を溶出させて液中の懸濁粒子を凝集させる懸
    濁粒子の凝集方法。
  3. 【請求項3】 前記物質として、マグネシウム、酸化マ
    グネシウム、水酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、
    酸化カルシウム、水酸化カルシウム、炭酸カルシウム、
    アルミニウム、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム
    の中から選ばれたもの又はそれ等の混合物を用いる請求
    項2記載の懸濁粒子の凝集方法。
  4. 【請求項4】 前記物質の形態が、顆粒、錠剤、ペレッ
    ト、球、チップ、リボン、箔、線材のいずれかである請
    求項2又は3記載の懸濁粒子の凝集方法。
  5. 【請求項5】 前記物質が多孔質物質である請求項2乃
    至4のいずれかに記載の懸濁粒子の凝集方法。
  6. 【請求項6】 汚濁液中に溶出する陽イオン発生物質を
    容器に収納し、その容器に懸濁粒子を含む汚濁液の出入
    口を設けて容器内の物質に汚濁液を接触通過させるよう
    にした懸濁粒子凝集器。
  7. 【請求項7】 多孔質酸化マグネシウム又はそれを水と
    反応させた多孔質水酸化マグネシウムの顆粒、ペレッ
    ト、チップ又はそれ等の混合物をカートリッジケースに
    充填して筒状フィルタを形成し、そのフィルタを、汚濁
    液の出入口を有する容器に、懸濁粒子を含む汚濁液が筒
    状フィルタを透過して流れるように充填して成る懸濁粒
    子凝集器。
  8. 【請求項8】 多孔質酸化マグネシウム又はそれを水と
    反応させた多孔質水酸化マグネシウムの顆粒、ペレッ
    ト、球、チップ又はそれ等の混合物を、汚濁液の出入口
    を有する容器内に、懸濁粒子を含む汚濁液が接触して流
    れるように充填、保持して成る懸濁粒子凝集器。
  9. 【請求項9】 汚濁液の導入路を容器の入口と出口に選
    択的につなぐ第1切替弁と、汚濁液の流出路を容器の出
    口と入口に選択的につなぐ第2切替弁を附属させた請求
    項6、7又は8に記載の懸濁粒子凝集器。
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