JP2003197979A - 発光素子 - Google Patents

発光素子

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洋美 古賀
Seiichi Takahashi
誠一 高橋
Akihiro Kato
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  • Luminescent Compositions (AREA)
  • Led Device Packages (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 電力の省エネルギー効果を高めるべくLED
チップをパルス駆動した場合でも点滅感を感じさせるこ
となく連続発光させることができる発光素子の提供を目
的とする。 【解決手段】 陰極リード11を接続するダイボンディ
ングカップ12上に、主発光ピーク波長が420nm以
下で紫色から紫外光を発光するLEDチップ13を配置
する。このLEDチップ13の周囲を被覆するように、
ダイボンディングカップ12内に長残光特性を有する蛍
光物質を含む被覆材14を充填するとともに、LEDチ
ップ13とボンディングワイヤー15で接続する陽極リ
ード16、陰極リード線11とともに全体を樹脂レンズ
17で砲弾型に形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、LEDチップの発
光を蛍光物質の励起光源として発光する発光素子に係
り、特に省エネルギー効果を図るべくLEDチップを間
欠的なパルス駆動させた場合でも点滅感や明滅感を感じ
させることなく連続発光させることができる発光素子に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、LEDチップの発光を蛍光物質の
励起光源とする発光素子としては、LEDチップの周囲
に、LEDチップの発光により励起されて発光する蛍光
物質を配置するものが存在している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この従
来の発光素子にあっては、LEDチップが消灯すると当
然のことながら短残光性である蛍光物質は励起されなく
なって発光が消滅し、すなわち発光素子が消灯するもの
であった。そのため、電力の省エネルギー効果を高める
べくLEDチップを間欠的なパルス駆動させた場合に
は、発光素子は点滅してしまい、点滅することなく安定
した状態で一定した明るさが望ましい表示には用いるこ
とができなかった。
【0004】そこで本発明は、電力の省エネルギー効果
を高めるべくLEDチップをパルス駆動した場合でも点
滅感や明滅感を感じさせることなく連続発光させること
ができる発光素子の提供を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の発光素子は、LEDチップ表面に蛍光物質
を含む被覆材を被着させ、このLEDチップの発光で上
記蛍光物質を励起して発光させる発光素子において、蛍
光物質は長残光特性を有することを特徴とするものであ
る。
【0006】また、LEDチップは、その主発光ピーク
波長が420nm以下であることを特徴とするものであ
る。
【0007】また、長残光特性を有する蛍光物質は、希
士類付活二価金属アルミン酸塩、希士類付活二価金属ホ
ウ素置換アルミン酸塩、Eu付活及び希士類等共付活ケ
イ酸塩又はEu付活希土類酸硫化物であることを特徴と
するものである。
【0008】また、被覆材は、長残光特性を有する蛍光
物質と合成樹脂又は無機結合材との容量比で10〜40
0%の範囲で混合して成ることを特徴とするものであ
る。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の発光素子について以下に
説明する。本発明の発光素子は、使用する主ピーク発光
波長が420nm以下の紫から青紫の色の光を発光する
LEDチップの表面に、このLEDチップの発光で励起
され発光する長残光特性を有する蛍光物質を含む被覆材
を被着したものである。
【0010】長残光特性を有する蛍光物質としては、以
下のものを使用することができる。 1.希土類付活二価金属アルミン酸塩で構成されたも
の。 具体的には、MAl24で表される化合物を母結晶と
し、付活剤及び共付活剤として各種希土類を用いたも
の。但し、Mは、Ca、Sr及びBaからなる群から選
ばれた少なくとも一種の金属単体または化合物であり、
MにはMgを添加することもできる。例えば、SrAl
2O4:Eu,Dyである。 2.希土類付活二価金属ホウ素置換アルミン酸塩で構成
された組成のもの。 具体的には、MO(Al、B)23で表される化合物を
母結晶とし、付活剤としてEu2+、Pr、Nd、Dy
及びSmからなる群から選ばれた少なくとも1種の二価
金属酸化物を用いたもの。但し、MOは、MgO、Ca
O、ZnOからなる群から選ばれた少なくとも1種の二
価金属酸化物である。 3.Eu付活及び希土類等共付活ケイ酸塩で構成された
もの。 具体的には、MO、nSiO2:Eu、M′で表される
化合物。但し、Mは、Ca、Sr及びBaからなる群か
ら選ばれた少なくとも一種の金属単体または化合物であ
る。M′は共付活剤であり、Pr、Nd、Dy、Er、
Ho、V、Nb及びTaからなる群から選ばれた少なく
とも一種の金属である。 4.Eu付活希土類酸硫化物で構成されたもの。 具体的には、M22S:Euで表される化合物を母結晶
とし、付活剤としてEuを用いたもの。但し、Mは、
Y,La及びGdからなる群から選ばれた少なくとも一
種の金属である。例えば、Y22S:Euである。
【0011】これらの長残光特性を有する蛍光体と短残
光特性の蛍光体との比較は、表1に示すとおりである。
本発明の長残光特性を有する蛍光体として、Y22S:
Eu及びSrAl24:Eu,Dyを用い、短残光特性
の蛍光体としてはZnS:Cuを用いた。そしてこれら
の蛍光体を含む被覆材を、定格順方向電圧が+3.7
V、定格電流が20mAのLEDチップで、主発光ピー
ク波長が395nmの紫色から紫外光を発光するLED
チップの表面に被着した上で、これをその定格の+3.
7V、20mAで、かつ矩形波(1:1)の30〜60
Hzの電源周波数で点滅駆動させて光を発光したとき
に、これらの発光素子が点滅して見えるか(×)、軽い
点滅(明滅)して見えるか(△)、または点灯したまま
に見えるか(○)を目視で確認したものである。
【表1】
【0012】このように、本発明の長残光特性を有する
蛍光体を用いた発光素子にあっては、35Hzでは軽い
点滅(明滅)があるものの40Hz以上では完全に点灯
したままに見えるのに対し、短残光特性の蛍光体を被着
させたLEDチップでは、40Hzまでは点滅して見
え、50Hzでやっと点灯して見えるという結果であ
り、本発明の長残光特性を有する蛍光体の効果が明らか
になった。
【0013】図1は、本発明の発光素子の第1の実施例
を示している。この発光素子10は、陰極リード11を
接続するダイボンディングカップ12上に、主発光ピー
ク波長が420nm以下で紫色から紫外光を発光するL
EDチップ13を配置し、LEDチップ13の周囲を被
覆するようにダイボンディングカップ12内に被覆材1
4を充填するとともに、LEDチップ13とボンディン
グワイヤー15で接続する陽極リード16、上記陰極リ
ード線11とともに全体を樹脂レンズ17で砲弾型に形
成したものである。
【0014】この被覆材14は、上述した長残光特性を
有する蛍光物質と合成樹脂又は無機結合材とを容量比で
10〜400%の範囲で混合するか、合成樹脂又は無機
結合材の表面に蛍光物質を被着させるものとする。蛍光
物質と合成樹脂又は無機結合材とを混合させる場合に、
容量比が10%未満では蛍光物質が不足して輝度が低く
なり、また400%を越えると蛍光物質の発光が他の蛍
光物質に吸収される作用により必ずしも輝度が増加しな
い問題が生じ、これらのことから本発明の10〜400
%の範囲とすることで高輝度の発光が得られるものであ
る。また、合成樹脂又は無機結合材の表面に蛍光物質を
被着させる場合には、蛍光物質を密に被着させることで
も蛍光物質の発光が吸収されることなく高輝度の発光が
得られるものである。
【0015】図2は、同じく本発明の発光素子の第2の
実施例であるチップ型の発光素子を示すものである。こ
の発光素子20は、基板21上に陰極リード22を接続
するダイボンディングカップ23を配置し、ダイボンデ
ィングカップ23上にLEDチップ24を配置する。L
EDチップ24の周囲を被覆するようにダイボンディン
グカップ23内に被覆材25を充填するとともに、陰極
リード22と、LEDチップ24とボンディングワイヤ
ー26で接続する陽極リード27を基板21に沿って下
方に配置するとともに、基板21上面を樹脂レンズ28
で凸状に形成したものである。この被覆材25は、上記
第1の実施例の被覆材と同一のものを使用する。
【0016】このような構成からなる本発明の発光素子
にあっては、LEDチップを発光させると、その420
nm以下の発光が被覆材内の長残光特性を有する蛍光物
質を励起して各種可視光を発光するとともに、LEDチ
ップを消灯してもこの蛍光物質は減衰しながらも一定程
度の時間発光を継続するものである。
【0017】尚、上述した各実施例にあっては、凹部状
のダイボンディングカップの底部にLEDチップを配置
した上でダイボンディングカップ内に被覆材を充填する
構成について説明したが、勿論これに限定されることは
なく、特に図示しないが、平板上にLEDチップを載せ
これを被覆するように凸状に被覆材を盛り上げること
で、発光量が増加し高輝度が得られるようにしてもよい
ものである。
【0018】
【発明の効果】以上詳述した如く、本発明の発光素子に
よれば、LEDチップ表面に蛍光物質を含む被覆材を被
着させこのLEDチップの発光で上記蛍光物質を励起し
て発光させる発光素子において、蛍光物質は長残光特性
を有することで、LEDチップを間欠的に点滅させた場
合でも消灯時に蛍光物質が残光することにより点滅感や
明滅感を感じさせることのない連続発光が可能となり、
好適な省エネルギー効果を発揮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の発光素子の第1の実施例を示す説明図
である。
【図2】本発明の発光素子の第2の実施例を示す説明図
である。
【符号の説明】
10 発光素子 11 陰極リード 12 ダイボンディングカップ 13 LEDチップ 14 被覆材 15 ボンディングワイヤー 16 陽極リード 17 樹脂レンズ 20 発光素子 21 基板 22 陰極リード 23 ダイボンディングカップ 24 LEDチップ 25 被覆材 26 ボンディングワイヤー 27 陽極リード 28 樹脂レンズ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 加藤 陽弘 東京都世田谷区三軒茶屋2−46−3 岡谷 電機産業株式会社東京事業所内 Fターム(参考) 4H001 XA05 XA08 XA12 XA13 XA14 XA16 XA20 XA30 XA38 XA39 XA56 XA57 XA64 YA23 YA41 YA59 YA60 YA62 YA63 YA66 YA67 YA68 YA73 5F041 AA12 DA17 DA43 EE25

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 LEDチップ表面に蛍光物質を含む被覆
    材を被着させ、このLEDチップの発光で上記蛍光物質
    を励起して発光させる発光素子において、蛍光物質は長
    残光特性を有することを特徴とする発光素子。
  2. 【請求項2】 LEDチップは、その主発光ピーク波長
    が420nm以下であることを特徴とする請求項1記載
    の発光素子。
  3. 【請求項3】 長残光特性を有する蛍光物質は、希士類
    付活二価金属アルミン酸塩、希士類付活二価金属ホウ素
    置換アルミン酸塩、Eu付活及び希士類等共付活ケイ酸
    塩又はEu付活希土類酸硫化物であることを特徴とする
    請求項1記載の発光素子。
  4. 【請求項4】 被覆材は、長残光特性を有する蛍光物質
    と合成樹脂又は無機結合材との容量比で10〜400%
    の範囲で混合して成ることを特徴とする請求項1記載の
    発光素子。
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