JP2003197938A - 微結晶シリコン太陽電池及びその製造方法 - Google Patents

微結晶シリコン太陽電池及びその製造方法

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靖之 小林
Yoshimichi Yonekura
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 導電率を損なうことなく広バンドギャップで
ある高効率の薄膜シリコン太陽電池及びその製造方法を
提供する。 【解決手段】 透明な絶縁性基板上に、少なくとも透明
電極膜、p型、i型、n型の微結晶シリコン層および裏
面電極膜が積層形成された薄膜シリコン太陽電池におい
て、p型微結晶シリコン層とi型微結晶シリコン層との
間のp/i界面およびその近傍部位に炭素を含有するシ
リコン層を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、pin構造の微結
晶シリコン層を含む太陽電池及びその製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、pin構造を有する微結晶シリコ
ン太陽電池は、プラズマCVD装置を用いて次のように
製造される。先ず、透明な絶縁性基板の上に透明電極を
形成した後に、SiH4を主ガス、H2を希釈ガス、B2
6をドーピングガスとしてp型の微結晶シリコン層
(p層)を形成する。次に、p層の上にSiH4を主ガ
ス、H2を希釈ガスとして実質的に真性のi型の微結晶
シリコン層(i層)を形成する。さらに、SiH4を主
ガス、H2を希釈ガス、PH3をドーピングガスとしてn
型の微結晶シリコン層(n層)を形成した後に、酸化イ
ンジウム錫、酸化亜鉛、アルミニウム等の導電体からな
る裏面電極を形成し、これが太陽電池となる。
【0003】ところで、発電効率を向上させるために
は、導電性半導体層かつ窓材であるp層は、開放電圧す
なわち光照射時の発生電圧が増大して出力が増大するた
め及び光吸収を低減するために広バンドギャップである
こと、および抵抗損失低減のために高導電率であること
が望ましい。
【0004】なお、微結晶と一概に称しているが、一般
に微結晶シリコンは、結晶シリコンと非晶質(アモルフ
ァス)シリコンの混合物をあらわす。ここでは、ラマン
分光スペクトルにより微結晶シリコンスペクトルのピー
ク(520cm-1)を少しでも有するものを「微結晶」に含め
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来のシリコ
ン系太陽電池においては、単にp層を広バンドギャップ
化したとしても、p層の導電率が大きく損なわれ、短絡
電流が低下するので、その結果として発電効率が低下し
てしまう。このように従来の太陽電池ではバンドギャッ
プを拡げると導電率が低下し、逆に導電率を高めるとバ
ンドギャップが狭くなるので、バンドギャップと導電率
とは二律背反の関係にある。このため発電効率が低レベ
ルにとどまっているのが現状である。太陽電池の効率の
向上はユーザーから強く要望されており、高効率の太陽
電池を開発し実用化することが急務となってきている。
【0006】本発明は上記の課題を解決するためになさ
れたものであって、導電率を損なうことなく広バンドギ
ャップである高効率の微結晶シリコン太陽電池及びその
製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明に係る微結晶シリ
コン太陽電池は、透明な絶縁性基板上に、透明電極膜、
p型、i型、n型の微結晶シリコン層および裏面電極膜
が積層形成された微結晶シリコン太陽電池において、前
記p型微結晶シリコン層と前記i型微結晶シリコン層と
の間のp/i界面およびその近傍部位に炭素を含有する
シリコン層を有することを特徴とする。
【0008】p層とi層との間に炭素含有シリコン層を
挿入すると、界面近傍のみ広バンドギャップ化して開放
電圧が増大する。また、炭素含有シリコン層は、薄く、
また結晶性が余り損なわれないので、p層として炭化シ
リコン膜を製膜する場合のような導電率の著しい減少は
生じない。本発明に係る微結晶シリコン太陽電池の製造
方法は、透明な絶縁性基板上に、透明電極膜、p型、i
型、n型の微結晶シリコン層および裏面電極膜を積層形
成する微結晶シリコン太陽電池の製造方法であって、透
明電極膜をもつ基板上にp型微結晶シリコン層を形成し
た後に、容器内を排気し、該容器内に炭素含有ガスを少
なくとも含む原料ガスを導入するとともに、放電電極に
所定周波数の高周波電力を印加して該放電電極と基板と
の間にプラズマを生成させ、前記p型微結晶シリコン層
の表面をプラズマに曝露し、プラズマ中の炭素を前記p
型微結晶シリコン層の表面に作用させ、炭素を含有する
シリコン層を形成し、次いで、該炭素含有シリコン層の
上に実質的に真性のi型微結晶シリコン層を形成するこ
とを特徴とする。
【0009】炭素含有ガスにはエチレン(C24)やア
セチレン(C22)のような不飽和炭化水素ガスを用い
ることが好ましい。不飽和炭化水素は、二重結合や三重
結合をもつのでプラズマ中で容易に解離し、下地のシリ
コンとの反応速度が大きいので生産性が著しく増大する
からである。
【0010】また、炭素含有ガスを希釈する希釈ガスと
して水素、アルゴン、キセノン、又はそれらの任意の混
合ガスを用いる。水素は、シリコン膜の表面の結合を切
断して活性化させる作用によりシリコンと炭素の反応を
促進させる。アルゴン及びキセノンは、そのイオンエネ
ルギーにより炭素を膜の内部に注入する作用がある。す
なわち炭化シリコン層の膜厚を増加させる作用を有す
る。
【0011】炭素含有シリコン層の膜厚を1〜20nm
とすることが好ましい。この膜厚が1nmを下回ると、
広バンドギャップ化の効果が不十分になるからであり、
膜厚が20nmを上回ると、導電率が低下するからであ
る。
【0012】下地層としてのp型微結晶シリコン層には
濃度1019〜1021原子/cm3のボロンがドープされ
ていることが望ましい。Bドープ濃度が1019原子/
cm3を下回るとp型の導電性が発現しなくなる。一
方、Bドープ濃度が1021原子/cm3を超えると余剰ボ
ロンが結晶化を阻害する不都合を生じるからである。
【0013】p型微結晶シリコン層の表面が炭素活性種
を含むプラズマに曝露されている間に、基板に1kV以
下の負のバイアス電圧を印加することが好ましい。負の
バイアス電圧が1kVを上回ると、シリコン層の深部ま
で希釈ガスが侵入、残存して導電性を阻害するからであ
る。バイアス電圧は、直流でも交流でもよく、交流の場
合は、周期的に負の1kV以下のバイアスが印加できれ
ばよい。バイアス電圧の交流周波数は、プラズマ発生高
周波電力と干渉しないために、プラズマ発生高周波電力
周波数の十分の一以下とする。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、添付の図面を参照して本発
明の種々の好ましい実施の形態について説明する。先ず
本発明の微結晶シリコン太陽電池の製造に用いるプラズ
マCVD装置について図1を用いて説明する。
【0015】プラズマCVD装置1は、ガス供給管8お
よび排気管13がそれぞれ連通する真空容器10内に導
電板3、絶縁板4、ヒータ5およびプラズマ生成ユニッ
ト6を備えている。導電板3、絶縁板4、ヒータ5およ
びプラズマ生成ユニット6は、接地された容器10から
それぞれ電気的に絶縁されている。排気管13は真空ポ
ンプ14の吸い込み側に連通し、容器10の内圧が1×
10−7Torr以下の高真空状態になるまで排気可能
になっている。
【0016】ガス供給管8は、一端側がガス供給ユニッ
ト9に連通し、他端側が容器10内のプラズマ生成ユニ
ット6に連通している。ガス供給ユニット9は異なるガ
ス種をそれぞれ収容する複数のガス供給源を内蔵してい
る。各ガス供給源は開閉弁、圧力調整弁、マスフローコ
ントローラ(MFC)を具備している。これらの弁およ
びMFCの動作は制御器12がそれぞれ制御するように
なっている。すなわち制御器12が各弁及びMFCの電
源回路に信号を送ると、ガス供給ユニット9からシラン
(SiH4)、水素(H2)、ジボラン(B26)、エチ
レン(C24)、アルゴン(Ar)等のガスが所定の組
合せと所定の流量でガス供給管8に供給されるようにな
っている。複数種のガスはガス供給管8内にて合流し、
ガス供給管8を通ってプラズマ生成ユニット6の底部に
導入されるようになっている。
【0017】真空容器10内には基板ホルダとしての導
電板3、絶縁板4、ヒータ5およびプラズマ生成ユニッ
ト6が設けられている。導電板3は絶縁板4を介してヒ
ータ5に取り付けられ、これに基板2が保持されるよう
になっている。ヒータ5は図示しない電源に接続されて
いる。ヒータ5は基板2を最高400℃の温度まで加熱
する能力を備えている。
【0018】導電板3は、基板2を機械的に保持するた
めのメカニカルクランプ(図示せず)を備えている。こ
の導電板3は直流電源15の負極側に接続されている。
制御器12が電源15に信号を送ると、導電板3に例え
ば100Vの負のバイアス電圧が印加されるようになっ
ている。
【0019】プラズマ生成ユニット6のフレーム上部に
は格子状(梯子型)の放電電極7が取り付けられてい
る。放電電極7は導電板3に保持された基板2と対向配
置されている。ガス供給ユニット9からのガスは、プラ
ズマ生成ユニット6の底部に導入され、放電電極7を構
成する電極棒の間を通り抜け、基板2に向かって流れる
ようになっている。
【0020】放電電極7は複数の給電点を介して高周波
電源11に接続されている。高周波電源11は制御器1
2により制御され、電極7に所定周波数の高周波電力を
印加するようになっている。
【0021】(実施例1)実施例1の太陽電池について
図3を用いて説明する。太陽電池20は、ガラス基板2
の上に透明電極膜21、p型微結晶シリコン層22、炭
素含有シリコン層27(以下、炭素混入層という)2
7、実質的に真性のi型微結晶シリコン層23、n型微
結晶シリコン層24、透明電極膜25、裏面電極膜26
がこの順に積層されてなるものである。
【0022】透明電極膜21は、ガラス基板2の上に直
接又は二酸化珪素(SiO)バリヤ層を介して積まれる
酸化錫(SnO2)層と酸化亜鉛(ZnO)層との二層
構造をなすものである。酸化亜鉛(ZnO)層は、次の
p型微結晶シリコン層22の製膜時に酸化錫(Sn
2)層が還元されるのを防止する機能を有するもので
ある。上層の酸化錫(SnO2)層は図示しない外部負
荷の負極に接続されている。
【0023】層22,27,23,24は発電機能をも
つpin構造に該当する部分である。このうちp型微結
晶シリコン層22は、p型の微結晶シリコン膜(μc-p
-Si)からなり、膜厚が10〜50nm、ボロン(B)
ドープ量が1019〜1021原子/cm3である。
【0024】炭素混入層27は、炭素を最大50原子%
含み、膜厚が1〜20nmである。炭素混入層27の膜
厚は、炭素含有ガスプラズマ曝露処理のガス種、バイア
ス電圧、処理時間により制御されるが、1〜20nmの
範囲とすることが望ましい。炭素混入層27の膜厚が1
nmを下回ると、トンネル電流により広バンドギャップ
の効果が得られなくなるからである。一方、炭素混入層
27の膜厚が20nmを上回ると、導電率が低下するか
らである。本実施例では、アルゴンで希釈したエチレン
(C24)を原料ガスとして用いて、最終的に炭素混入
層27の膜厚を4nmとした。
【0025】実質的に真性のi型微結晶シリコン層23
は、平均結晶粒径が0.1μmの不純物ドープしない微
結晶シリコン膜(μc-Si)からなり、膜厚が1.5μm
である。
【0026】n型微結晶シリコン層24は、膜厚が40
nm、リン(P)ドープ量が10 〜1021原子/c
3である。
【0027】透明電極膜25はインジウム錫酸化物(I
TO)からなる。
【0028】裏面電極膜26は、アルミニウム(Al)
からなり、外部負荷に接続され、ガラス基板2の側から
入射した光を全反射するようになっている。
【0029】(製造方法)次に、図2を参照して実施例
1の太陽電池の製造方法について説明する。
【0030】本実施例の太陽電池20は、図1に示すプ
ラズマCVD装置、図示しない熱CVD装置及びスパッ
タリング装置を用いて次の手順(1)〜(14)で作製し
た。
【0031】(1)透明の絶縁性基板2として、無色透明
のソーダライムガラス(青板ガラス)を用いた。このガ
ラス基板2上に、熱CVDにより、二酸化珪素(SiO
)バリヤ層と酸化錫(SnO2)の第一の透明電極膜
を、引き続きスパッタリングにより酸化亜鉛(ZnO)
の第二の透明電極膜21を形成した(工程S1)。
【0032】(2)次に、基板2をプラズマCVD装置の
導電板3に密着するようにセットした後、真空ポンプ1
4により容器10の内圧が5×10-7Torr以下になるま
で真空排気した。ヒータ5に通電し、基板2を例えば所
定温度に加熱し、温度を十分安定させた。なお、基板2
の加熱温度は所定温度のみに限定されるものではなく、
太陽電池の設計条件に応じて100〜300℃の範囲で
種々変更することが可能である。
【0033】(3)次に、微結晶p層22製膜用の反応ガ
スとしてシラン(SiH4)、水素(H2)及びジボラン
(B26)を容器10内に導入した。ガス流量は、Si
4:3〜5sccm、H2:300〜500sccm、B26
0.005〜0.10sccmとした。ここで、結晶性に優
れた微結晶p層22を得るためには、B26の流量は
0.1sccm以下にする必要がある。なお、反応ガスは、
成分ごとに別々に容器10内に導入してもよいし、容器
10の外部で予め混合しておいて容器10内に一括に導
入してもよい。
【0034】(4)原料ガス導入後、制御器12により容
器10の内圧を0.5Torrに制御した。ここで容器10
内の制御圧力は0.5Torrのみに限定されるものではな
く、太陽電池の設計条件に応じて0.2〜2.0Torrの
範囲で種々変更することが可能である。容器10内の温
度及び圧力を十分安定させた後、高周波電源11からイ
ンピーダンス整合器(図示せず)を介して、電極7に高
周波電力を供給することによりプラズマを生成し、微結
晶p層22を製膜した(工程S2)。
【0035】(5)ここで、高周波電源11の周波数は、
10MHz未満の場合、微結晶化する製膜条件が極めて
狭くなるという不具合が生じるため、周波数は10MH
z以上であることが望ましい。引き続きこの状態で微結
晶p層22の膜厚が30nmとなるように所定時間製膜
した。
【0036】(6)次に、高周波電力及び原料ガスの供給
を停止し、容器10内を一旦真空排気した後、炭素混入
層27形成用の炭素含有ガスとしてアルゴン(Ar)で
希釈したエチレン(C24)ガスを容器10内に導入し
た。ここで、各ガスの流量は、C24:2〜20sccm、
Ar:0〜200sccmとした。
【0037】(7)次に、炭素含有ガスを導入した後、制
御器12により容器10の内圧を0.15Torrに制御し
た。ここで、容器内の圧力は0.15Torrのみに限定さ
れるものではなく、プラズマが生成する範囲で種々変更
することが可能である。また、直流電源15から導電板
3に通電し、基板2に100Vの負のバイアス電圧を印
加した。なお、本実施例ではバイアス電圧を100Vの
負電圧としたが、これを超える高いバイアス電圧(例え
ば1kV)を印加することでも本発明の効果を得られ
る。また、バイアス電圧は、交流でもよく、周期的に負
のバイアスが印加できれば良い。バイアス電圧の交流周
波数は、プラズマ発生高周波電力と干渉しないために、
プラズマ発生高周波周波数の十分の一以下とすることが
望ましい。基板2の温度及び容器10内の圧力を十分安
定させた後、高周波電源11から整合器を介して、電極
7に10MHz以上の周波数の高周波電力を供給してプ
ラズマを生成させ、p型微結晶シリコン層22の表面を
炭素活性種を含むプラズマに曝露し、炭素を含むシリコ
ンからなる炭素混入層27に改質した(工程S3)。
【0038】(8)引き続きこの状態で炭素混入層27の
膜厚が4nmとなるように所定時間処理した。
【0039】(9)次に、高周波電力及び炭素含有ガスの
供給を停止し、容器10内を一旦真空排気した後に、実
質的に真性の微結晶i層23の原料ガスとしてシラン
(SiH4)及び水素(H2)を導入し、微結晶p層22
と実質的に同じ要領により、膜厚1500nmの微結晶
i層23を製膜した(工程S4)。
【0040】(10)この後、高周波電力及び原料ガスの
供給を停止し、容器10内を真空排気した後、微結晶n
層の原料ガスとしてシラン(SiH4),水素(H2)及
びフォスフィン(PH3)を導入し、微結晶p層22と実
質的に同じ要領により、膜厚40nmの微結晶n層24
を製膜した(工程S5)。
【0041】(11)工程S5までで得られた積層体をプ
ラズマCVD装置1から搬出し、これをスパッタリング
装置に搬入して微結晶n層24の上に膜厚100nmの
インジウム錫酸化物(ITO)からなる透明電極膜2
5、及び膜厚300nmのアルミニウム(Al)からな
る裏面電極膜26を形成した(工程S6)。これにより
製品としての微結晶シリコン太陽電池20を得た。
【0042】(比較例)比較例1として、図1に示すプ
ラズマCVD装置を用いて、実施例1に対し、炭素含有
ガスプラズマに曝露する工程(図2のS3)を実施せ
ず、他工程は実施例1と同条件で、比較例1のサンプル
を作製した。
【0043】比較例2として、実施例1においてp−S
i層を製膜して炭素含有ガスプラズマ曝露(図2のS3
及びS4)の代わりに、炭素を含有するp層(p−SiC
層)を下記の条件で製膜し、他工程は実施例1と同条件
で、比較例2のサンプルを作製した。
【0044】1)p−SiC層の製膜条件 圧力;0.5Torr ガス流量;SiH4/H2/B26/C24 3sccm/300sccm/0.02sccm/1sccm 膜厚;20nm Bドープ濃度;1020原子/cm3 (評価結果)上記実施例1の太陽電池20に、模擬太陽光
(スペクトル:AM1.5、照射強度:100mW/c
2、照射温度:室温)を照射して、その発電特性を評価
した。実施例1の太陽電池は、比較例1と比較して、開
放電圧が1.10倍、発電効率が1.16倍に向上した。
一方、比較例2は、比較例1と比較して開放電圧は1.
03倍に向上したが、発電効率は0.76倍に低下し
た。比較例1に対して、開放電圧が向上したのは、炭素
ガス含有プラズマに曝露することにより、p層のi層側
界面が炭化し、広バンドギャップしたためである。比較
例2に対して、効率が増大したのは、両方ともp層は広
バンドギャップであるが、比較例2がp層の導電率が小
さいためシリーズ抵抗が増大して短絡電流が減少したの
に対し、実施例1は高導電率であったためである。な
お、実施例1ではシングルpin構造の太陽電池の場合
について説明したが、本発明はこれのみに限定されるも
のではなく、アモルファスセルと微結晶セルとを直列に
積層するタンデム型のpin構造太陽電池にも適用する
ことができる。
【0045】また、上記実施例では微結晶シリコンpi
n構造の太陽電池の場合について説明したが、本発明は
これのみに限定されるものではなく、p層の一部を微結
晶炭化珪素(SiC)に置き換えた太陽電池にも本発明
を適用することは可能である。
【0046】
【発明の効果】本発明によれば、広バンドギャップであ
り、しかも高導電率でもある微結晶シリコン太陽電池が
提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】プラズマCVD装置を模式的に示す内部透視断
面図。
【図2】本発明の実施形態に係る微結晶シリコン太陽電
池の製造方法を示すフローチャート。
【図3】太陽電池を示す概略断面図。
【符号の説明】
1…プラズマCVD装置、 2…基板、 3…導電板、 4…絶縁板、 5…ヒータ、 6…プラズマ生成ユニット、 7…放電電極、 8…ガス供給管、 9…ガス供給ユニット、 10…真空容器、 11…高周波電源、 12…制御器、 13…排気管、 14…ポンプ、 15…直流電源、 20…太陽電池、 21,25…透明電極膜、 22…p型微結晶シリコン膜(p層)、 23…i型微結晶シリコン膜(i層)、 24…n型微結晶シリコン膜(n層)、 26…裏面電極膜(Al)、 27…炭素含有シリコン層。
フロントページの続き (72)発明者 米倉 義道 神奈川県横浜市金沢区幸浦一丁目8番地1 三菱重工業株式会社基盤技術研究所内 Fターム(参考) 5F051 AA04 AA16 CA05 CA16 CA35 CA36 CA40 CB15 DA04 FA02 FA03 FA04 FA18 GA03

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明な絶縁性基板上に、少なくとも透明
    電極膜、p型、i型、n型の微結晶シリコン層および裏
    面電極膜が積層形成された微結晶シリコン太陽電池にお
    いて、前記p型微結晶シリコン層と前記i型微結晶シリ
    コン層との間のp/i界面およびその近傍部位に炭素を
    含有するシリコン層を有することを特徴とする微結晶シ
    リコン太陽電池。
  2. 【請求項2】 前記炭素含有シリコン層は、膜厚が1〜
    20nmであることを特徴とする請求項1記載の太陽電
    池。
  3. 【請求項3】 前記炭素含有シリコン層は、前記p型微
    結晶シリコン層の表面を、炭素含有ガスを含むプラズマ
    に曝露することにより形成されることを特徴とする請求
    項1記載の太陽電池。
  4. 【請求項4】 前記p型微結晶シリコン層は、濃度10
    19〜1021原子/cm3のボロンがドープされているこ
    とを特徴とする請求項1記載の太陽電池。
  5. 【請求項5】 透明な絶縁性基板上に、少なくとも透明
    電極膜、p型、i型、n型の非晶質シリコン層、p型、
    i型、n型の微結晶シリコン層および裏面電極膜が積層
    形成されたタンデム型薄膜シリコン太陽電池において、
    前記p型微結晶シリコン層と前記i型微結晶シリコン層
    との間のp/i界面およびその近傍部位に炭素を含有す
    るシリコン層を有することを特徴とする微結晶シリコン
    太陽電池。
  6. 【請求項6】 前記炭素含有シリコン層は、膜厚が1〜
    20nmであることを特徴とする請求項5記載の太陽電
    池。
  7. 【請求項7】 前記炭素含有シリコン層は、前記p型微
    結晶シリコン層の表面を、炭素含有ガスを含むプラズマ
    に曝露することにより形成されることを特徴とする請求
    項5記載の太陽電池。
  8. 【請求項8】 前記p型微結晶シリコン層は、濃度10
    19〜1021原子/cmのボロンがドープされてい
    ることを特徴とする請求項5記載の太陽電池。
  9. 【請求項9】 透明な絶縁性基板上に、少なくとも透明
    電極膜、p型、i型、n型の微結晶シリコン層および裏
    面電極膜を積層形成する微結晶シリコン太陽電池若しく
    はp型、i型、n型の微結晶を含むタンデム型薄膜シリ
    コン太陽電池の製造方法であって、 p型微結晶シリコン層を形成した後に、容器内を排気
    し、該容器内に炭素含有ガスを少なくとも含む原料ガス
    を導入するとともに、放電電極に所定周波数の高周波電
    力を印加して該放電電極と基板との間にプラズマを生成
    させ、前記p型微結晶シリコン層の表面をプラズマに曝
    露し、プラズマ中の炭素を前記p型微結晶シリコン層の
    表面に作用させ、炭素を含有するシリコン層を形成し、
    次いで、該炭素含有シリコン層の上にi型微結晶シリコ
    ン層を形成することを特徴とする微結晶シリコン太陽電
    池若しくはp型、i型、n型の微結晶を含むタンデム型
    薄膜シリコン太陽電池の製造方法。
  10. 【請求項10】 前記p型微結晶シリコン層の表面が炭
    素活性種を含むプラズマに曝露されている間に、基板に
    負のバイアス電圧を印加することを特徴とする請求項5
    記載の方法。
  11. 【請求項11】 前記炭素含有ガスは、不飽和炭化水素
    ガスからなることを特徴とする請求項5記載の方法。
  12. 【請求項12】 前記p型微結晶シリコン層には濃度1
    19〜1021原子/cm3のボロンがドープされている
    ことを特徴とする請求項5記載の方法。
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