JP2003197898A - プレーナ型半導体装置 - Google Patents

プレーナ型半導体装置

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JP2003197898A
JP2003197898A JP2001391815A JP2001391815A JP2003197898A JP 2003197898 A JP2003197898 A JP 2003197898A JP 2001391815 A JP2001391815 A JP 2001391815A JP 2001391815 A JP2001391815 A JP 2001391815A JP 2003197898 A JP2003197898 A JP 2003197898A
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region
semiconductor device
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junction region
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JP2001391815A
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Junichi Ishida
純一 石田
Akihiko Shibukawa
昭彦 渋川
Toru Kamiyama
徹 神山
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Shindengen Electric Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Shindengen Electric Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ガードリング領域近傍における空乏層の水平
方向の広がりやすくして、主接合領域の隅部近傍の電界
を十分に緩和させ、アバランシェ電流の当該隅部への集
中を防止することにより、耐圧を向上させたプレーナ型
半導体装置を提供することを目的すること。 【解決手段】 ガードリング領域11aを、その端部が
主接合領域12と接するようにかつ同じ深さを持つよう
に形成する。また、ガードリング領域11bは、ガード
リング領域11aと所定間隔をおいて形成する。さら
に、ガードリング領域11a,bは、不純物であるホウ
素の濃度が約5E15〜2E16/cmの範囲とす
る。なお、ガードリング領域11aと主接合領域12と
を部分的に重なり合うように形成しても良い。また、ガ
ードリング領域11aとガードリング領域11bとは、
接した、あるいは部分的に重なり合って形成しても良
い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する分野】本発明は、半導体装置、特に高耐
圧を必要とするプレーナ型半導体装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】電力用スイッチング素子として利用され
る、バイポーラ・トランジスタ、IGBT、ダイオード
などは、数百ボルトあるいはそれ以上の高耐圧を要求さ
れるものが多い。また、このような半導体装置は、いわ
ゆるプレーナ型の構成を有することが多い。
【0003】図9は、従来技術に係るプレーナ型半導体
装置の第1の事例を示す断面図である。図9において、
110はプレーナ型半導体装置、111はガードリング
群、111a〜cはガードリング領域、112は主接合
領域、113はN層、114はN層、115はシリ
コン酸化膜、116はアノード電極膜、117はカソー
ド電極膜、118は隅部、120はシリコン基板であ
る。
【0004】図9に示したプレーナ型半導体装置110
は、PN接合型のダイオードの構成を有するものであ
る。シリコン基板120は、不純物濃度の高いN型、す
なわちNに形成されている。また、Nのシリコン基
板120の一方の表面全面にエピタキシャル成長により
層113を積層形成している。そして、シリコン基
板120の一方の表面、すなわちN層113の表面に
は、該表面の所定位置に注入したP型の不純物を拡散す
ることによって、主接合領域112およびガードリング
領域111a〜cを同じ表面不純物濃度に形成してい
る。ガードリング領域111a〜cは、主接合領域11
2を取り囲むように所定間隔で形成されており、全体と
してガードリング群111を形成している。なお、ガー
ドリング群111は、プレーナ型半導体装置110に必
要とされる耐圧によっては4個以上形成されることもあ
る。
【0005】また、シリコン基板120の一方の表面の
主接合領域112上には、アノード電極膜116が形成
される。くわえて、シリコン基板120の一方の表面の
ガードリング群111上には、シリコン酸化膜115が
形成される。また、シリコン基板120の他方の表面の
ほぼ全面にカソード電極膜117が形成される。なお、
アノード電極膜116はアルミニウム(Al)、カソー
ド電極膜117はチタン(Ti)などによって形成され
ることが多い。
【0006】以上のプレーナ型半導体装置110によれ
ば、アノード電極膜116およびカソード電極膜117
に逆バイアスとなる電圧が印加されると、主接合領域1
12からN層113に向けて空乏層が広がり始める。
この空乏層がガードリング領域111aに到達すると、
空乏層の端部とガードリング領域111aは同電位とな
る。そして、電圧をさらに増加すると、空乏層がガード
リング領域111b、111cを越えて水平方向に大き
く広がる。したがって、主接合領域112付近の電界、
特に主接合領域112の隅部118、すなわち主接合領
域112とN層113との境界面の曲率の大きい部分
の近傍の電界が緩和され、プレーナ型半導体装置110
に高い耐圧を持たせることができる。また、主接合領域
112とガードリング群111とは、表面不純物濃度が
同じなので、同一の工程で形成することが可能である。
【0007】ところで、上述のようなプレーナ型半導体
装置においては、上述の空乏層をシリコン基板120の
一方の表面に沿って、すなわち水平方向に十分に広がる
ようにするために、ガードリング領域同士の間隔を十分
に確保する必要がある。ところが、ガードリング領域を
形成するためのスペースは、上記の一方の表面において
かなりの面積を占めており、プレーナ型半導体装置の小
型化を妨げる要因となっている。
【0008】しかしながら、ガードリング領域を形成す
る間隔を狭めるあるいは無くすと、主接合領域112と
ガードリング群111との電位差が小さくなり、シリコ
ン基板120の表面付近の空乏層が分断されずに連続的
に広がりやすくなり、空乏層を水平方向に広げる作用が
弱まる。空乏層の水平方向への広がりが十分でない場合
には、シリコン基板120の電界緩和が十分得られず、
必要とされる耐圧以下でブレークダウンを引き起こす可
能性がある。
【0009】また、以上の例のように、ガードリング領
域同士を離隔したプレーナ型半導体装置のほかに、例え
ば特開平2−186675号のプレーナ型半導体装置の
ように、ガードリング領域同士を部分的に重ね合わせた
ものがある。
【0010】図10は、従来技術に係るプレーナ型半導
体装置の第2の事例を示す断面図である。図10におい
て、210はプレーナ型半導体装置、211はガードリ
ング群、211a〜dはガードリング領域、212は主
接合領域、213はN層、214はN層、215は
シリコン酸化膜、216はアノード電極膜、217はカ
ソード電極膜、218は隅部、220はシリコン基板で
ある。
【0011】プレーナ型半導体装置210は、図9に示
したプレーナ型半導体装置110と同様に、PN接合型
のダイオードの構成を有する。また、シリコン基板22
0はNに形成され、シリコン基板220の一方の表面
全面にエピタキシャル成長によりN層213を積層形
成している。さらに、N層213の表面には、主接合
領域212およびガードリング領域211a〜dを形成
している。さらに、ガードリング領域211a〜dから
なるガードリング群211は、主接合領域212の周囲
を取り囲むように、かつ主接合領域212よりも浅く形
成している。また、主接合領域212と比較して、表面
不純物濃度を相当程度低くしている。くわえて、ガード
リング領域211aは、隣に位置する主接合領域212
およびガードリング領域211bと部分的に重なり合っ
ている。同様に、ガードリング領域211bはガードリ
ング領域211aおよびガードリング211cと、ガー
ドリング領域211cはガードリング領域211bおよ
びガードリング211dと部分的に重なり合っている。
【0012】以上のプレーナ型半導体装置210によれ
ば、ガードリング領域211a〜dを形成するためのス
ペースを縮小することが可能となる。くわえて、ガード
リング領域211a〜d同士を部分的に重なり合わせる
構成にしたことにより、ガードリング領域211a〜d
のそれぞれの重なり幅の取り方によって、ガードリング
領域211aよりもガードリング領域211b〜dの表
面不純物濃度を低くすることができる。したがって、す
べてのガードリング領域を同一の工程で形成できるとい
う利点がある。
【0013】しかし、プレーナ型半導体装置210の構
成では、ガードリング領域211a〜dを形成するため
の不純物のドーズ量が非常に少ないので、ガードリング
領域211a〜dを深く形成することができない。そこ
で、不純物のドーズ量を多くした上で不純物を拡散すれ
ば、所定の表面不純物濃度のガードリング領域211a
〜dを深く形成することが可能にはなる。しかし、そう
すると、ガードリング領域同士が重なり合う部分の表面
不純物濃度が必要以上に高くなるという副次的な問題が
発生することにある。また、この構成では、プレーン
(平坦)接合に比して約85%の耐圧しか得られない。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述の課題
を鑑みて、ガードリング領域近傍における空乏層の水平
方向の広がりやすくして、主接合領域の隅部近傍の電界
を十分に緩和させ、アバランシェ電流の当該隅部への集
中を防止することにより、耐圧を向上させたプレーナ型
半導体装置を提供することを目的としている。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の手段として、本発明は、第1導電型の半導体基板に、
前記半導体基板の一方の表面から第2導電型の不純物を
選択的に注入し、該不純物を前記半導体基板の一方の表
面から所定深さまで拡散させて形成してなる主接合領域
と、前記半導体基板の一方の表面から第2導電型の不純
物を複数箇所に選択的に注入し、該不純物を拡散させて
形成してなる複数個のガードリング領域とを設けてなる
プレーナ型半導体装置において、複数個の前記ガードリ
ング領域は、前記不純物を前記所定深さにまたは前記所
定深さよりも深く拡散させて形成してなるとともに、前
記主接合領域よりも表面不純物濃度が低くかつ該表面不
純物濃度が約5E15〜2E16/cmの範囲になる
ように形成してなり、前記主接合領域に最も近い前記ガ
ードリング領域は、前記主接合領域と接するまたは部分
的に重なり合うように形成されてなることを特徴とする
ものとした。
【0016】上記の構成によれば、ガードリング領域
を、主接合領域と同じ深さ、または主接合領域よりも深
く形成するので、主接合領域の隅部近傍における電界を
緩和するのに好適な深さとなる。また、ガードリング領
域の表面不純物濃度を、主接合領域よりも低くかつ約5
15〜2E16/cmの範囲になるように形成する
ので、一般的なプレーナ型半導体装置において、主接合
領域との表面不純物濃度の差を一定程度確保でき、プレ
ーナ型半導体装置に電圧を印加したときに、半導体基板
の表面近くに発生する空乏層を水平方向に十分に広げる
ことが可能となる。さらに、主接合領域に最も近いガー
ドリング領域を主接合領域と接するまたは部分的に重な
り合うようにするので、ガードリング領域を形成するた
めのスペースを縮小することが可能となる。くわえて、
ガードリング領域の表面不純物濃度を上述の範囲にする
ことによって、ガードリング領域内において空乏化され
ない領域ができ、半導体基板の表面付近の空乏層をこの
ガードリング領域で分断することが可能になる。したが
って、主接合領域に最も近いガードリング領域を主接合
領域と接するまたは部分的に重なり合うように形成して
も、プレーナ型半導体装置に電圧を印加したときに、主
接合領域に最も近いガードリング領域において接合面の
曲率を実効的に大きくして電界を弱める効果がある。
【0017】また、本発明は、第1導電型の半導体基板
に、前記半導体基板の一方の表面から第2導電型の不純
物を選択的に注入し、該不純物を前記半導体基板の一方
の表面から所定深さまで拡散させて、表面不純物濃度が
約5E15〜2E16/cm の範囲になるように形成
してなる主接合領域と、前記半導体基板の一方の表面か
ら第2導電型の不純物を前記主接合領域内に注入し、該
不純物を拡散させて前記主接合領域内に包含されるよう
に形成してなるオーミック接合領域と、前記半導体基板
の一方の表面から第2導電型の不純物を複数箇所に選択
的に注入し、該不純物を拡散させて形成してなる複数個
のガードリング領域とを設けてなるプレーナ型半導体装
置において、複数個の前記ガードリング領域は、前記不
純物を前記所定深さまで拡散させるとともに、前記主接
合領域と表面不純物濃度が同じになるように形成され、
前記主接合領域に最も近い前記ガードリング領域は、前
記主接合領域と接するまたは部分的に重なり合うように
形成されてなることを特徴とするものとした。
【0018】上記の構成によれば、先に述べた構成と同
様に、半導体基板の表面近くに発生する空乏層を水平方
向に十分に広げることが可能になるとともに、主接合領
域内にオーミック接合領域を形成するので、主接合領域
とガードリング領域とを同一の工程で形成することが可
能になる。
【0019】なお、上記の各構成において、複数個の前
記ガードリング領域は、互いに接してなるようにでき
る。このようにすれば、ガードリング領域を形成するた
めのスペースを縮小することが容易に実現できる。
【0020】また、上記の各構成において、複数個の前
記ガードリング領域は、互いに部分的に重なり合ってな
るようにできる。このようにすれば、プレーナ型半導体
装置においてさほどの耐圧を必要としない場合に、ガー
ドリング領域を形成するためのスペースを大幅に縮小す
ることが容易に実現できる。
【0021】さらに、上記の各構成において、複数個の
前記ガードリング領域は、前記半導体基板の一方の表面
の周縁部に向かうに従って互いの間隔が順次拡大してな
るようにできる。このようにすれば、ガードリング領域
を離隔して形成する構成と部分的に重ね合わせる構成と
の中間的な作用が得られる。さらに、表面の周縁部に近
いガードリング領域の間隔をこの内側のガードリング領
域の間隔よりも広くしているので、空乏層が表面の周縁
部に近いガードリング領域よりも外側に広がりやすくな
る。
【0022】くわえて、前記半導体基板は、白金を添加
してなるとともに、複数個の前記ガードリング領域を覆
うシリコン酸化膜を形成してなるようにできる。このよ
うにすれば、半導体基板とシリコン酸化膜との界面電荷
がわずかに負電荷となるようにでき、空乏層が水平方向
に広がりやすくなる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の第1の実施の形
態に係るプレーナ型半導体装置を図面に基づいて詳細に
説明する。図1は、本発明の第1の実施の形態に係るプ
レーナ型半導体装置を示す断面図である。図1におい
て、10はプレーナ型半導体装置、11はガードリング
群、11a,bはガードリング領域、12は主接合領
域、13はN 層、14はN層、15はシリコン酸化
膜、16はアノード電極膜、17はカソード電極膜、1
8は隅部、20はシリコン基板、M、N、P、Qは空乏
層の境界である。
【0024】図1に示したプレーナ型半導体装置10
は、PN接合型のダイオードの構成を有するものの一例
を示している。シリコン基板20は、不純物濃度の高い
N型、すなわちN基板に形成されており、さらに白金
(Pt)をドープし、基板全体に拡散させている。ま
た、シリコン基板20の他方の表面、すなわち後述する
カソード電極膜17を形成する側と反対側の表面に、エ
ピタキシャル成長によりN 層13を積層形成してい
る。なお、シリコン基板20は、アンチモン(Sb)イ
オンなどのN型不純物をドープして形成する。また、N
型不純物を薄くドープしたN基板にリンをドープする
などして、N層を積層形成することにより、シリコン
基板20にN層13を積層したものと同様のものを得
ることができる。
【0025】また、N層13の表面には、主接合領域
12およびガードリング領域11a,bを形成してい
る。ガードリング領域11aは、その端部が主接合領域
12と接するように形成されている。ガードリング領域
11bは、ガードリング領域11aと所定間隔をおいて
形成されており、これらでガードリング群11をなして
いる。さらに、ガードリング領域11a,bは、不純物
であるホウ素の濃度が約5E15〜2E16/cm
範囲となるようにしているが、最も好ましくは約1E
16/cmである。この濃度範囲は、後述するよう
に、半導体基板20の表面近くに発生する空乏層を水平
方向に広げるのに好適な濃度である。これに対して、主
接合領域12のホウ素の濃度は、5E15〜2E19
cmとなるようにしているが、この範囲に限定される
ものではない。
【0026】なお、ガードリング領域11aとガードリ
ング領域11bとの間隔は、不純物の拡散深さの1.8
〜2.0倍とすることが好ましいが、この幅よりも狭く
することもできる。また、後述するように、ガードリン
グ領域11aと主接合領域12とを部分的に重ね合わせ
て形成することもできる。さらに、ガードリング領域1
1aとガードリング領域11bとを接するように形成す
る、あるいはガードリング領域11aとガードリング領
域11bとを部分的に重ね合わせるように形成すること
もできる。また、ガードリング領域11a,bを主接合
領域12よりも深く形成することもできる。さらに、プ
レーナ型半導体装置10に求められる耐圧などに応じ
て、ガードリング領域11bの外側、すなわち主接合領
域12とは反対側に、別のガードリング領域を形成して
も良い。この場合、3番目のガードリング領域とガード
リング領域11bとの間隔、または3番目以降のガード
リング領域同士の間隔は、ガードリング領域11aとガ
ードリング領域11bと同じにしても良いし、後述する
ように、異なる間隔にしても良い。
【0027】また、主接合領域12およびガードリング
領域11a,bの形成は、それぞれ別々の工程におい
て、N層13の表面からホウ素イオンを選択的に注入
した後、注入したホウ素イオンを加熱拡散する方法によ
る。さらに、N層13の表面上には、主接合領域12
からガードリング領域11bに跨るようにシリコン酸化
膜15、主接合領域12上にアノード電極膜16を形成
している。また、シリコン基板20のN層14側の表
面全体には、カソード電極膜17を形成している。な
お、これらの構成のほかに、チャネルストッパ領域、パ
ッシベーション膜などを適宜設けることができる。な
お、アノード電極膜116は、アルミニウム(Al)、
また、カソード電極膜117は、チタン(Ti)やバナ
ジウム(V)、クロム(Cr)、あるいはこれらのいず
れかとニッケル(Ni)との合金などによって形成する
ことが好ましい。
【0028】以上の構成によれば、ガードリング領域1
1a,bを主接合領域12と同じ深さに形成したので、
主接合領域12の隅部18、すなわち主接合領域12と
層13との境界面の曲率の大きい部分と、空乏層の
境界Nとの距離を大きくなるので、隅部18における電
界の緩和することができる。なお、ガードリング領域1
1a,bを主接合領域12よりも深く形成した場合は、
上記の距離をさらに大きくすることが可能であるが、ホ
ウ素の濃度を上記の濃度範囲内において高くする必要が
あり、またホウ素イオンの加熱拡散時間を長くする必要
がある。
【0029】また、ガードリング領域11a,bの表面
不純物濃度を、主接合領域12よりも低くかつ約5E
15〜2E16/cmの範囲になるように形成したの
で、主接合領域12との表面不純物濃度の差を確保でき
る。特に、この濃度範囲においては、プレーナ型半導体
装置10に電圧を印加したときに、ガードリング領域1
1a,b内に空乏層の境界P,Qで示される空乏化され
ない領域が形成されやすくなる。このような空乏化され
ない領域は、主接合領域とガードリング領域、あるいは
ガードリング領域同士の間隔を広げることによって発生
しやすくなるが、この実施の形態においては、不純物濃
度を上記範囲にしたことにより、これらの間隔を従来技
術に係るプレーナ型半導体装置よりも狭くしても、この
ような領域を容易に発生させることができる。
【0030】図8は、本発明の実施の形態に係るガード
リング領域と従来技術に係るガードリング領域との耐圧
を比較した図である。なお、図8において、「図9に示
したガードリング領域」については、表面不純物濃度を
一般的なガードリング領域でしばしば採用される2E
18〜2E19/cmの範囲とし、「図9に示したガ
ードリング領域」については、特開平2−186675
号の記載例のように、単位面積当たりの不純物総量を約
1.87E12/cmとした。また、本発明の第1の
実施の形態に係るガードリング領域においては、表面不
純物濃度を約1E 16/cmとした。そして、シミュ
レーションによりこれらの耐圧を比較した。その結果
は、図8に示したとおりである。すなわち、本発明の第
1の実施の実施の形態に係るガードリング領域11a,
bにおいては、ガードリング領域同士が部分的に重なり
合う(ガードリング領域間隔がマイナス)、あるいはガ
ードリング領域同士が接する(ガードリング領域間隔が
ゼロ)状態となっても、図9に示したガードリング領域
で得られる最高レベルの耐圧を持つものとなる。また、
図10に示したガードリング領域に対しては、ガードリ
ング領域の間隔に関係なく、本発明の第1の実施の実施
の形態に係るガードリング領域11a,bの方が耐圧の
面ではるかに優れていることが分かる。
【0031】また、プレーナ型半導体装置10におい
て、ガードリング領域11aを主接合領域12と接する
ように形成したので、プレーナ型半導体装置に電圧を印
加したときに、主接合領域12の隅部18に対する電界
集中が起こりにくくなる。くわえて、ガードリング領域
を形成するためのスペースを縮小することが可能とな
る。
【0032】また、シリコン基板20に白金(Pt)を
ドープして基板全体に拡散させているので、半導体基板
20とシリコン酸化膜15との界面電荷が、白金をドー
プしないときに正電荷であるのに対し、わずかに負電荷
となるようにできる。したがって、半導体基板の表面近
くに発生する空乏層を水平方向に十分に広げることが可
能になる。
【0033】次に、本発明の第2の実施の形態に係るプ
レーナ型半導体装置を図面に基づいて詳細に説明する。
図2は、本発明の第2の実施の形態に係るプレーナ型半
導体装置を示す断面図である。図2において、19はオ
ーミック接合領域である。その他の符号は、図1と同じ
ものを示している。
【0034】本発明の第2の実施の形態に係るプレーナ
型半導体装置10おいては、ガードリング領域11a,
bと主接合領域12との表面不純物濃度を同じものとし
ている。また、主接合領域12内にオーミック接合領域
19を形成している。オーミック接合領域19は、表面
不純物濃度を主接合領域12よりも高くすることによ
り、アノード電極膜16とのオーミック接合をなしてい
る。その他の構成は、本発明の第1の実施の形態に係る
ものと同じである。
【0035】以上の構成によれば、本発明の第1の実施
の形態に係るプレーナ型半導体装置と同様の作用効果が
得られるとともに、ガードリング領域11a,bと主接
合領域12との表面不純物濃度が同じであるので、これ
らの領域を同一工程で形成できるという利点がある。な
お、オーミック接合領域19として、アルミニウムでア
ノード電極膜16を形成し、このアノード電極膜16を
シンターして、ごく浅いオーミック接合を形成すること
もできる。このようにすれば、比較的短時間の工程で良
好なオーミック接合を得ることができる。
【0036】さらに、本発明の第3の実施の形態に係る
プレーナ型半導体装置を図面に基づいて詳細に説明す
る。図3は、本発明の第3の実施の形態に係るプレーナ
型半導体装置を示す断面図である。図3において用いた
符号は、それぞれ図1と同じものを示している。
【0037】本発明の第3の実施の形態に係るプレーナ
型半導体装置10おいては、ガードリング領域11aと
ガードリング領域11bとを互いに接するように形成し
ている。その他の構成は、本発明の第1の実施の形態に
係るものと同じである。
【0038】以上の構成によれば、本発明の第1の実施
の形態に係るプレーナ型半導体装置と同様の作用効果が
得られるとともに、ガードリング領域11aとガードリ
ング領域11bとを接した状態に形成するので、ガード
リング領域を形成するためのスペースをさらに縮小でき
る利点がある。
【0039】続けて、本発明の第4の実施の形態に係る
プレーナ型半導体装置を図面に基づいて詳細に説明す
る。図4は、本発明の第4の実施の形態に係るプレーナ
型半導体装置を示す断面図である。図4において用いた
符号は、それぞれ図1と同じものを示している。
【0040】本発明の第4の実施の形態に係るプレーナ
型半導体装置10おいては、ガードリング領域11aと
主接合領域12とを部分的に重ね合わせて形成してい
る。その他の構成は、本発明の第1の実施の形態に係る
ものと同じである。
【0041】以上の構成によれば、本発明の第1の実施
の形態に係るプレーナ型半導体装置と同様の作用効果が
得られるとともに、アバランシェ電流が主接合領域11
2の隅部18に集中することをさらに抑制可能である。
また、ガードリング領域11aと主接合領域12とを接
するように形成する場合に較べて、ガードリング領域1
1a形成の工程管理が容易になる。くわえて、ガードリ
ング領域を形成するためのスペースをさらに縮小するこ
とが可能となる。しかしながら、空乏層を水平方向に十
分に広げる効果はやや弱まるので、ガードリング領域1
1a,bを形成する際のホウ素イオンのドーズ量などを
調整して、必要となる耐圧が確実に確保できるようにす
ることが望ましい。
【0042】さらに、本発明の第5の実施の形態に係る
プレーナ型半導体装置を図面に基づいて詳細に説明す
る。図5は、本発明の第5の実施の形態に係るプレーナ
型半導体装置を示す断面図である。図5において、11
c,dはガードリング領域である。その他の符号は、そ
れぞれ図1と同じものを示している。
【0043】本発明の第5の実施の形態に係るプレーナ
型半導体装置10においては、ガードリング領域11a
〜dを、これらの領域の間隔がプレーナ型半導体装置1
0の周縁部に近づくにしたがって順次広がるように形成
している。すなわち、ガードリング領域11aとガード
リング領域11bとの間隔よりもガードリング領域11
bとガードリング領域11cの間隔がやや広く、さらに
ガードリング領域11bとガードリング領域11cとの
間隔よりもガードリング領域11cとガードリング領域
11dの間隔がやや広くなるように形成している。
【0044】以上の構成によれば、本発明の第1の実施
の形態に係るプレーナ型半導体装置と同様の作用効果が
得られるとともに、プレーナ型半導体装置10に電圧を
印加したときに、空乏層がガードリング領域11dのガ
ードリング領域よりも外側に広がりやすくなる。なお、
図5においては、ガードリング領域11aと主接合領域
12とを部分的に重ね合わせて形成した構成を示してい
るが、ガードリング領域11aと主接合領域12とを接
するように形成することも可能である。
【0045】続けて、本発明の第6の実施の形態に係る
プレーナ型半導体装置を図面に基づいて詳細に説明す
る。図6は、本発明の第6の実施の形態に係るプレーナ
型半導体装置を示す断面図である。11c,dはガード
リング領域を示している。その他の符号は、それぞれ図
1と同じものを示している。
【0046】本発明の第6の実施の形態に係るプレーナ
型半導体装置10おいては、ガードリング領域11a〜
dを形成する深さを主接合領域12よりも深くしてい
る。その他の構成は、本発明の第5の実施の形態に係る
ものと同じである。
【0047】以上の構成によれば、本発明の第6の実施
の形態に係るプレーナ型半導体装置と同様の作用効果が
得られるとともに、ガードリング領域11a〜dを深く
形成した分だけ空乏層が下方向に広がりやすくなり、主
接合領域12の隅部18と空乏層の境界Nとの距離を大
きくなるので、主接合領域12の隅部18における電界
をさらに緩和することができる。
【0048】さらに、本発明の第7の実施の形態に係る
プレーナ型半導体装置を図面に基づいて詳細に説明す
る。図7は、本発明の第7の実施の形態に係るプレーナ
型半導体装置を示す断面図である。図7において、11
c,dはガードリング領域、21はベース領域、22は
エミッタ領域、23はエミッタ電極膜、24はベース電
極膜、25はコレクタ電極膜、26はシリコン酸化膜で
ある。その他の符号は、それぞれ図1と同じものを示し
ている。
【0049】本発明の第7の実施の形態に係るプレーナ
型半導体装置10は、バイポーラトランジスタの構成を
有するものである。すなわち、N層13の表面から所
定の深さの範囲にP型のベース領域21を形成し、さら
にベース領域21内にN型のエミッタ領域22を形成し
ている。また、ガードリング領域11aをベース領域2
1と部分的に重なり合うように形成している。くわえ
て、ガードリング領域11aの外側にガードリング領域
11b,cを形成している。なお、ガードリング領域1
1a〜cの表面不純物濃度は、約1E16/cmとす
ることが最も好ましいが、5E15〜2E16/cm
の範囲の濃度とすればほぼ同様の作用効果が得られる。
また、エミッタ領域22にはエミッタ電極膜23、ベー
ス領域21上にはベース電極膜24、N層14上には
コレクタ25電極膜をそれぞれ形成している。さらに、
エミッタ電極膜23とベース電極膜24との間には、こ
れらを分離絶縁するシリコン絶縁膜26を形成してい
る。
【0050】また、この実施の形態に係るプレーナ型半
導体装置10の不純物拡散領域の製造方法は、概ね以下
に述べるものとなる。すなわち、シリコン基板20に対
して、コレクタ25電極膜を形成する側の面から不純物
を長時間熱拡散することにより、N層14を形成す
る。次に、N層13の表面に対して選択的にホウ素イ
オンの注入を行い、熱拡散処理によりガードリング領域
11a〜cを形成する。さらに、同様の工程によって、
ベース領域21およびエミッタ領域22を形成する。こ
のとき、ベース領域21は、ガードリング領域11aと
重なり合うように形成する。なお、エミッタ領域22
は、リンイオンなどのN型不純物によって形成されるこ
とは言うまでもない。また、この他にも、チャネルスト
ッパ領域などの拡散領域を形成することもできる。
【0051】以上の構成によれば、バイポーラトランジ
スタの構成を有するプレーナ型半導体装置においても、
本発明の第1の実施の形態に係るプレーナ型半導体装置
と同様の作用効果が得られる。なお、ガードリング領域
11aは、ベース領域21と接するように形成すること
ができる。また、ガードリング領域11a〜c同士も、
互いに接する、または部分的に重なり合うように形成す
ることも可能である。
【0052】なお、以上の本発明の実施の形態に係るプ
レーナ型半導体装置においては、ダイオードおよびバイ
ポーラトランジスタの構成を有するものを事例として取
り上げたが、IGBTなど他の構成を有する半導体装置
にも好ましく適用することができる。また、これらの実
施の形態における各領域および層とは極性が反対のプレ
ーナ型半導体装置に対しても適用することが可能であ
る。
【0053】
【発明の効果】このように本発明によれば、プレーナ型
半導体装置において、ガードリング領域近傍における空
乏層の水平方向の広がりやすくして、主接合領域の隅部
近傍の電界を十分に緩和させ、アバランシェ電流の当該
隅部への集中を防止することにより、耐圧を向上させる
ことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施の形態に係るプレーナ型
半導体装置を示す断面図である。
【図2】 本発明の第2の実施の形態に係るプレーナ型
半導体装置を示す断面図である。
【図3】 本発明の第3の実施の形態に係るプレーナ型
半導体装置を示す断面図である。
【図4】 本発明の第4の実施の形態に係るプレーナ型
半導体装置を示す断面図である。
【図5】 本発明の第5の実施の形態に係るプレーナ型
半導体装置を示す断面図である。
【図6】 本発明の第6の実施の形態に係るプレーナ型
半導体装置を示す断面図である。
【図7】 本発明の第7の実施の形態に係るプレーナ型
半導体装置を示す断面図である。
【図8】 本発明の実施の形態に係るガードリング領域
と従来技術に係るガードリング領域との耐圧を比較した
図である。
【図9】 従来技術に係るプレーナ型半導体装置の第1
の事例を示す断面図である。
【図10】 従来技術に係るプレーナ型半導体装置の第
2の事例を示す断面図である。
【符号の簡単な説明】
10 プレーナ型半導体装置 11 ガードリング群 11a ガードリング領域 11b ガードリング領域 11c ガードリング領域 11d ガードリング領域 12 主接合領域 13 N層 14 N層 15 シリコン酸化膜 16 アノード電極膜 17 カソード電極膜 18 隅部 19 オーミック接合領域 20 シリコン基板 21 ベース領域 22 エミッタ領域 23 エミッタ電極膜 24 ベース電極膜 25 コレクタ電極膜 26 シリコン酸化膜 110 プレーナ型半導体装置 111 ガードリング群 111a ガードリング領域 111b ガードリング領域 111c ガードリング領域 112 主接合領域 113 N層 114 N層 115 シリコン酸化膜 116 アノード電極膜 117 カソード電極膜 118 隅部 120 シリコン基板 210 プレーナ型半導体装置 211 ガードリング群 211a ガードリング領域 211b ガードリング領域 211c ガードリング領域 211d ガードリング領域 212 主接合領域 213 N層 214 N層 215 シリコン酸化膜 216 アノード電極膜 217 カソード電極膜 218 隅部 220 シリコン基板

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1導電型の半導体基板に、 前記半導体基板の一方の表面から第2導電型の不純物を
    選択的に注入し、該不純物を前記半導体基板の一方の表
    面から所定深さまで拡散させて形成してなる主接合領域
    と、 前記半導体基板の一方の表面から第2導電型の不純物を
    複数箇所に選択的に注入し、該不純物を拡散させて形成
    してなる複数個のガードリング領域とを設けてなるプレ
    ーナ型半導体装置において、 複数個の前記ガードリング領域は、前記不純物を前記所
    定深さにまたは前記所定深さよりも深く拡散させて形成
    してなるとともに、前記主接合領域よりも表面不純物濃
    度が低くかつ該表面不純物濃度が約5E15〜2E16
    /cmの範囲になるように形成してなり、 前記主接合領域に最も近い前記ガードリング領域は、前
    記主接合領域と接するまたは部分的に重なり合うように
    形成されてなることを特徴とするプレーナ型半導体装
    置。
  2. 【請求項2】 第1導電型の半導体基板に、 前記半導体基板の一方の表面から第2導電型の不純物を
    選択的に注入し、該不純物を前記半導体基板の一方の表
    面から所定深さまで拡散させて、表面不純物濃度が約5
    15〜2E16/cmの範囲になるように形成して
    なる主接合領域と、 前記半導体基板の一方の表面から第2導電型の不純物を
    前記主接合領域内に注入し、該不純物を拡散させて前記
    主接合領域内に包含されるように形成してなるオーミッ
    ク接合領域と、 前記半導体基板の一方の表面から第2導電型の不純物を
    複数箇所に選択的に注入し、該不純物を拡散させて形成
    してなる複数個のガードリング領域とを設けてなるプレ
    ーナ型半導体装置において、 複数個の前記ガードリング領域は、前記不純物を前記所
    定深さまで拡散させるとともに、前記主接合領域と表面
    不純物濃度が同じになるように形成され、 前記主接合領域に最も近い前記ガードリング領域は、前
    記主接合領域と接するまたは部分的に重なり合うように
    形成されてなることを特徴とするプレーナ型半導体装
    置。
  3. 【請求項3】 複数個の前記ガードリング領域は、互い
    に接してなることを特徴とする請求項1または請求項2
    に記載のプレーナ型半導体装置。
  4. 【請求項4】 複数個の前記ガードリング領域は、互い
    に部分的に重なり合ってなることを特徴とする請求項1
    または請求項2に記載のプレーナ型半導体装置。
  5. 【請求項5】 複数個の前記ガードリングは、前記半導
    体基板の一方の表面の周縁部に向かうに従って互いの間
    隔が順次拡大してなることを特徴とする請求項1または
    請求項2に記載のプレーナ型半導体装置。
  6. 【請求項6】 前記半導体基板は、白金を添加してなる
    とともに、複数個の前記ガードリング領域を覆うシリコ
    ン酸化膜を形成してなることを特徴とする請求項1ない
    し請求項5のいずれか1項に記載のプレーナ型半導体装
    置。
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