JP2003197506A - 位置検出方法、露光方法及びデバイス製造方法 - Google Patents

位置検出方法、露光方法及びデバイス製造方法

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JP2003197506A
JP2003197506A JP2001395942A JP2001395942A JP2003197506A JP 2003197506 A JP2003197506 A JP 2003197506A JP 2001395942 A JP2001395942 A JP 2001395942A JP 2001395942 A JP2001395942 A JP 2001395942A JP 2003197506 A JP2003197506 A JP 2003197506A
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mark
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wafer
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JP2001395942A
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Shoji Kawakubo
昌治 川久保
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Nikon Corp
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Nikon Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 スループットを低下させることなく、高精度
な位置検出を行なうことができる位置検出方法を提供す
る。 【解決手段】 最初のn枚の基板について、該基板上の
複数の区画領域のうちの一部の複数の第1特定区画領域
それぞれの基準点に形成された第1マーク及び周辺部に
形成された第1マークより外側にある第2マークとをそ
れぞれ検出し(ステップ407)、両マークの検出結果
を用いて各第1特定区画領域における両マークの位置関
係を算出する(ステップ409)。そして第(n+1)
枚目以降の各基板については、該基板上の複数の区画領
域のうちの一部の複数の第2特定区画領域それぞれに形
成された第2マークを検出し(ステップ423)、該検
出結果とこれに対応する位置関係とを用いて複数の区画
領域でそれぞれ所定点との位置合わせに用いられる位置
情報を算出する(ステップ425、427)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、位置検出方法、露
光方法及びデバイス製造方法に係り、さらに詳しくは、
複数枚の基板について、各基板上の複数の区画領域でそ
れぞれ所定点との位置合わせに用いられる位置情報を検
出する位置検出方法、該位置検出方法を利用して露光を
行なう露光方法、及び該露光方法を利用したデバイス製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、半導体素子(CPU、DRA
M等)、撮像素子(CCD等)及び液晶表示素子、薄膜
磁気ヘッド等を製造するためのリソグラフィ工程では、
マスク又はレチクル(以下、「レチクル」と総称する)
に形成されたパターンを投影光学系を介して、レジスト
等が塗布されたウエハ又はガラスプレート等の基板(以
下、適宜「ウエハ」ともいう)上に転写する種々の露光
装置が用いられている。
【0003】ところで、半導体素子等を製造する際の露
光工程では、通常、ウエハ上に多層の回路パターンを重
ね合わせて転写するが、各層間での重ね合わせ精度が悪
いと、半導体素子等は所定の回路特性を満足することが
できず、不良品となり製品歩留まりの低下を招くことが
ある。従って、各層間での重ね合わせ精度は非常に重要
であり、精度良く重ね合わせて転写するためには、重ね
合わせの対象となるパターンが既に形成されているウエ
ハ上の領域(ショット領域)の位置情報を正確に検出す
ることが必要である。
【0004】そこで、露光工程では、ウエハ上の複数の
ショット領域の各々に予めアライメントマークを付設し
ておき、ステージ座標系(一般に、ウエハステージの位
置を計測するレーザ干渉計の測長軸で規定される)上に
おけるそのアライメントマークの位置(座標値)を検出
し、しかる後、このアライメントマークの位置情報と既
知のレチクルパターンの投影位置情報(これは事前に測
定される)とに基づいてウエハ上の1つのショット領域
をレチクルパターンに対して位置合わせ(位置決め)す
る、いわゆるウエハアライメントが行われる。
【0005】投影露光装置では、ウエハアライメント方
式として、スループットとの兼ね合いから、ウエハ上の
いくつかのショット領域のみのアライメントマークを検
出してショット領域の配列の規則性を求めることで、各
ショット領域を位置合わせするグローバル・アライメン
ト方式が主に使用されている。特に現在では、例えば特
開昭61─44429号公報、特開昭62─84516
号公報などに開示されるように、ウエハ上のショット領
域の配列の規則性を統計的手法によって精密に特定する
エンハンスト・グローバル・アライメント(EGA)方
式が主流となっている。
【0006】このEGA方式とは、1枚のウエハにおい
て予め特定ショット領域として選択された複数個(3個
以上必要であり、通常7〜15個程度)のショット領域
のみの位置座標を計測し、これらの計測値から統計演算
処理(最小二乗法等)を用いてウエハ上の全てのショッ
ト領域の位置座標(ショット領域の配列)を算出した
後、この算出したショット領域の配列に従ってウエハス
テージをステッピングさせていくものである。このEG
A方式は計測時間が短くて済み、ランダムな計測誤差に
対して平均化効果が期待できるという長所がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記EGA方式のウエ
ハアライメントによると、ウエハの回転誤差や線形伸縮
などに起因するショット領域の配列誤差は精度良く補正
される。また、ショット領域の回転誤差、線形伸縮及び
直交度誤差などのショット領域に関する誤差成分が存在
しても、それらが各ショット領域でほぼ同一であれば、
ショット領域の配列の規則性は維持されるため、上記統
計演算処理の結果にオフセットを付加することによりシ
ョット領域の配列誤差は精度良く補正される。すなわ
ち、ショット領域の位置情報を正確に求めることができ
る。しかしながら、上記ショット領域に関する誤差成分
がショット領域によって異なる場合には、ショット領域
の配列の規則性が担保されず、上記統計演算処理によっ
て求められるショット領域の位置座標に含まれる誤差
は、ショット領域によって異なることがある。このよう
な場合は、オフセットによる補正では配列誤差を補正し
きれずに残留誤差が存在することがある。
【0008】このことは、特に重ね合わせの対象となる
前層までのパターンを転写するのに用いた露光装置とは
異なる露光装置を用いてレチクルパターンを前層までの
パターンに重ね合わせて転写する際に生じる可能性があ
る。
【0009】また、将来的に、半導体素子はさらに高集
積化し、これに伴い、露光装置に要求される位置決め精
度はますます厳しくなることは確実である。さらに、露
光装置の有効利用や生産性の向上のため、異なる露光装
置を用いて基板上の異なる層の露光を行なう可能性は高
く、そして、将来の露光装置に許容されるトータルオー
バーレイ誤差を考慮すれば、上記の残留誤差に起因する
重ね合わせ誤差も無視できなくなってきている。
【0010】本発明は、かかる事情の下になされたもの
で、その第1の目的は、スループットを低下させること
なく、高精度な位置検出を行なうことができる位置検出
方法を提供することにある。
【0011】また、本発明の第2の目的は、高精度な露
光を行なうことができる露光方法を提供することにあ
る。
【0012】また、本発明の第3の目的は、高集積度の
デバイスの生産性を向上させることができるデバイス製
造方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、複数枚の基板(W)について、各基板上の複数の区
画領域でそれぞれ所定点との位置合わせに用いられる位
置情報を検出する位置検出方法であって、最初のn枚
(nは自然数)の基板のうちの少なくとも1枚につい
て、該基板上に形成された複数の区画領域のうちの少な
くとも一部の複数の第1特定区画領域それぞれの基準点
に形成された第1マークと前記第1特定区画領域それぞ
れの周辺部に形成された前記第1マークより外側にある
第2マークとをそれぞれ検出し、その検出結果として得
られる前記各マークの実測位置情報をそれぞれ用いて前
記各第1特定区画領域について前記第1マークの位置と
第2マークの位置との位置関係を算出する第1工程と;
前記複数枚の基板のうち少なくとも第(n+1)枚目以
降の各基板について、該基板上に形成された複数の区画
領域のうちの少なくとも一部の複数の第2特定区画領域
それぞれに形成された前記第2マークを検出し、該第2
マークの実測位置情報とこれに対応する前記位置関係と
を用いて複数の区画領域でそれぞれ所定点との位置合わ
せに用いられる位置情報を算出する第2工程と;を含む
位置検出方法である。
【0014】これによれば、最初のn枚の基板のうちの
少なくとも1枚についてのみ、第1特定区画領域に形成
された第1マークと第2マークとをそれぞれ検出し、第
1特定区画領域毎に両マークの位置関係を算出する。そ
して、少なくとも第(n+1)枚目以降の各基板につい
ては、第2特定区画領域に形成された第2マークを検出
し、該第2マークの実測位置情報とこれに対応する位置
関係とを用いて位置情報を算出する。
【0015】例えば、第1マークが区画領域の中心部に
形成され、第2マークが区画領域の4隅の少なくとも1
つに形成されていると、両マークの検出位置に及ぼす区
画領域に関する誤差成分の影響は第2マークのほうが第
1マークよりも大きい。そこで、第1マークの検出位置
に基づいて前記統計演算処理を行なえば、区画領域に関
する誤差成分が区画領域によって異なる場合であっても
精度良く区画領域の配列座標を求めることができる。し
かしながら、通常、基準点に形成される第1マークは第
2マークに比べて非常に小さい場合が多く、精度良くそ
の実測位置情報を得るには多大の時間を要し、スループ
ットを低下させてしまう。そこで、例えば最初のn枚の
基板のうちの少なくとも1枚についてのみ、第1マーク
の実測位置情報を精度良く求めて第1マークと第2マー
クとの位置関係を算出し、少なくとも(n+1)枚目以
降の各基板については、通常と同じ計測条件で、第2マ
ークの位置のみを計測するとともに、第1工程で得られ
た両マークの位置関係を用いて第2マークの実測位置情
報を補正し、その補正結果を用いて所定点との位置合わ
せに用いられる位置情報を算出している。従って、スル
ープットを低下させることなく、従来よりも精度良く区
画領域の位置検出を行なうことが可能である。
【0016】この場合において、請求項2に記載の位置
検出方法の如く、前記最初のn枚の基板のうち少なくと
も前記第1マークが検出される基板では、前記第1マー
クの実測位置情報を用いて複数の区画領域でそれぞれ前
記所定点との位置合わせに用いられる位置情報を算出す
ることとすることができる。
【0017】上記請求項1及び2に記載の各位置検出方
法において、前記第1特定区画領域と前記第2特定区画
領域とは異なっていても良いが、請求項3に記載の位置
検出方法の如く、前記第1特定区画領域と前記第2特定
区画領域とは、同一であるとしても良い。
【0018】上記請求項1〜3に記載の各位置検出方法
において、請求項4に記載の位置検出方法の如く、前記
最初のn枚の基板のうち少なくとも2枚の基板でそれぞ
れ前記第1及び第2マークが検出され、前記第1工程で
は、前記位置関係を、前記少なくとも2枚の基板でそれ
ぞれ得られた前記第1マークの複数の実測位置情報と前
記第2マークの複数の実測位置情報とを用いた統計演算
により算出することとすることができる。
【0019】上記請求項1〜4に記載の各位置検出方法
において、請求項5に記載の位置検出方法の如く、前記
第2工程では、前記少なくとも第(n+1)枚目以降の
各基板について、該基板上の複数の第2マークを検出し
て得られる、少なくとも3つの第2特定区画領域の実測
位置情報をこれに対応する前記位置関係を用いて補正し
た補正後実測位置情報と対応する設計位置情報とを用い
て統計演算により前記複数の区画領域でそれぞれ所定点
との位置合わせに用いられる位置情報を算出することと
しても良い。
【0020】上記請求項1〜4に記載の各位置検出方法
において、請求項6に記載の位置検出方法の如く、前記
第2工程では、前記少なくとも第(n+1)枚目以降の
各基板について、該基板上の複数の第2マークを検出し
て得られる、少なくとも3つの第2特定区画領域の実測
位置情報と、前記第2特定区画領域の設計位置情報を対
応する前記位置関係を用いて補正した補正後設計位置情
報とを用いて統計演算により前記複数の区画領域でそれ
ぞれ所定点との位置合わせに用いられる位置情報を算出
することとしても良い。
【0021】上記請求項1〜4に記載の各位置検出方法
において、請求項7に記載の位置検出方法の如く、前記
第2工程では、前記少なくとも第(n+1)枚目以降の
各基板について、該基板上の複数の第2マークを検出し
て得られる、少なくとも3つの第2特定区画領域の実測
位置情報と、これに対応する設計位置情報とを用いて統
計演算により前記複数の区画領域でそれぞれ所定点との
位置合わせに用いられる位置情報を算出するためのモデ
ル式の第1の誤差パラメータを算出し、前記第2特定区
画領域に対応する前記位置関係を用いて統計演算により
前記モデル式の第2の誤差パラメータを算出し、前記第
1の誤差パラメータと前記第2の誤差パラメータの差を
最終的な誤差パラメータとして、前記モデル式と前記各
区画領域の設計位置情報とに基づいて、前記複数の区画
領域でそれぞれ所定点との位置合わせに用いられる位置
情報を算出することとしても良い。
【0022】上記請求項1〜7に記載の各位置検出方法
において、前記第1マーク及び前記第2マークとして
は、種々のものが考えられるが、請求項8に記載の位置
検出方法の如く、前記第1マークは測定機用のマークで
あり、前記第2マークはアライメントマークであること
とすることができる。
【0023】なお、請求項1〜7では複数枚(例えばk
枚(2≦kなる整数))の基板のうち、最初のn枚(n
<kなる自然数)の基板の少なくとも1枚で第1及び第
2マークの両方を検出し、少なくとも第(n+1)枚目
以降の各基板では第2マークを検出するものとしたが、
nが複数のときに最初のn枚の基板のうちm(1≦m<
nなる自然数)枚目の基板で第1及び第2マークの両方
を検出するときは(m+1)枚目以降の各基板で第2マ
ークを検出するだけでも良い。また、最初のn枚の基板
のうち2枚以上の基板でそれぞれ第1及び第2マークの
両方を検出するときは、その2枚以上の基板以外で、か
つその2枚以上の基板のうち最初に第1及び第2マーク
の両方が検出される基板よりも後の各基板では第2マー
クを検出するだけで良い。さらに、最初のn枚の基板の
うち第1及び第2マークの両方を検出する基板は何枚目
でも良いし、何枚でも良いが、少なくとも1枚目の基板
を含むことが望ましい。また、複数枚の基板でそれぞれ
第1及び第2マークの両方を検出するとき、例えばm枚
目及び(m+1)枚目のようにその複数枚の基板が連続
していなくても良い。
【0024】請求項9に記載の発明は、複数枚の基板
(W)上の複数の区画領域を順次露光して前記各基板上
の各区画領域に所定のパターンを形成する露光方法であ
って、前記複数枚の基板のそれぞれについて、請求項1
〜8のいずれか一項に記載の位置検出方法に従って、各
基板上の複数の区画領域でそれぞれ所定点との位置合わ
せに用いられる位置情報を検出し、前記検出結果に基づ
いて前記各基板上の各区画領域を露光基準位置に順次移
動した後、当該各区画領域を露光することを特徴とする
露光方法である。
【0025】これによれば、露光に際して、請求項1〜
8のいずれか一項に記載の位置検出方法に従って、各基
板上の複数の区画領域でそれぞれ所定点との位置合わせ
に用いられる位置情報を精度良く検出することができる
ため、基板の位置制御を精度良く行なうことが可能とな
り、スループットを低下させることなく、結果的にパタ
ーンを精度良く基板上に転写することが可能となる。
【0026】請求項10に記載の発明は、請求項9に記
載の露光方法を用いるリソグラフィ工程を含むことを特
徴とするデバイス製造方法である。
【0027】これによれば、リソグラフィ工程で、請求
項9に記載の露光方法により、パターンを精度良く基板
上に転写することができるので、結果的に高集積度のデ
バイスの生産性(歩留まりを含む)を向上させることが
可能となる。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を図1
〜図7に基づいて説明する。
【0029】図1には、本発明に係る位置検出方法及び
露光方法の実施に好適な露光装置100の概略構成が示
されている。この露光装置100は、ステップ・アンド
・スキャン方式の走査型投影露光装置、すなわち、いわ
ゆるスキャニング・ステッパである。
【0030】この露光装置100は、照明系IOP、マ
スクとしてのレチクルRを保持するレチクルステージR
ST、レチクルステージRSTを駆動するレチクルステ
ージ駆動系29、レチクルRに形成されたパターンの像
を感光剤(フォトレジスト)が塗布された基板としての
ウエハW上に投影する投影光学系PL、ウエハWを保持
して2次元平面(XY平面内)を移動するXYステージ
20、XYステージ20を駆動するウエハステージ駆動
系22、及びこれらの制御系等を備えている。この制御
系は、装置全体を統括制御する主制御装置28を中心と
して構成されている。
【0031】前記照明系IOPは、KrFエキシマレー
ザやArFエキシマレーザなどから成る光源と、オプテ
ィカルインテグレータ(フライアイレンズ、内面反射型
インテグレータ、又は回折光学素子など)を含む照度均
一化光学系、照明視野絞りとしてのレチクルブライン
ド、リレーレンズ系及びコンデンサレンズ系等(いずれ
も図示省略)を含む照明光学系とから構成されている。
【0032】照明系IOPによると、光源で発生した露
光光としての照明光(以下、「照明光IL」と呼ぶ)
は、照度均一化光学系により照度分布がほぼ均一な光束
に変換される。照度均一化光学系から射出された照明光
ILは、リレーレンズ系を介してレチクルブラインドに
達する。このレチクルブラインドの開口を通過した光束
は、リレーレンズ系、コンデンサレンズ系を通過してレ
チクルステージRST上に保持されたレチクルR上の矩
形スリット状の照明領域を均一な照度分布で照明する。
【0033】前記レチクルステージRSTは、照明系I
OPの図1における下方に配置されている。このレチク
ルステージRST上には不図示のバキュームチャック等
を介してレチクルRが吸着保持されている。レチクルス
テージRSTは、Y軸方向(図1における紙面左右方
向)、X軸方向(図1における紙面直交方向)及びθz
方向(XY面に直交するZ軸回りの回転方向)に微小駆
動可能であるとともに、所定の走査方向(ここではY軸
方向とする)に指定された走査速度で駆動可能となって
いる。
【0034】レチクルステージRST上にはレチクルレ
ーザ干渉計(以下、「レチクル干渉計」という)21か
らのレーザビームを反射する移動鏡15が固定されてお
り、レチクルステージRSTの移動面内の位置はレチク
ル干渉計21によって、例えば0.5〜1nm程度の分
解能で常時検出される。ここで、実際には、レチクルス
テージRST上にはY軸方向に直交する反射面を有する
移動鏡とX軸方向に直交する反射面を有する移動鏡とが
設けられ、これらの移動鏡に対応してレチクルY干渉計
とレチクルX干渉計とが設けられているが、図1ではこ
れらが代表的に移動鏡15、レチクル干渉計21として
示されている。なお、例えば、レチクルステージRST
の端面を鏡面加工して反射面(移動鏡15の反射面に相
当)を形成しても良いし、あるいはY軸方向と直交する
反射面(移動鏡)の代わりにコーナーキューブ型ミラー
を用いても良い。ここで、レチクルY干渉計とレチクル
X干渉計の一方、例えばレチクルY干渉計は、測長軸を
2軸有する2軸干渉計であり、このレチクルY干渉計の
計測値に基づきレチクルステージRSTのY位置に加
え、θz方向の回転も計測できるようになっている。
【0035】前記レチクル干渉計21からのレチクルス
テージRSTの位置情報は主制御装置28に送られ、主
制御装置28はこのレチクルステージRSTの位置情報
に基づいてレチクルステージ駆動系29を介してレチク
ルステージRSTを駆動する。
【0036】前記レチクルRは、一例として、マスク基
板としてのガラス基板の中央部にパターン領域が形成さ
れ、パターン領域のX軸方向の両側には、少なくとも1
対のレチクルアライメントマーク(いずれも図示省略)
が形成されている。
【0037】前記投影光学系PLは、レチクルステージ
RSTの図1における下方に、その光軸AXpの方向が
XY面に直交するZ軸方向となるように配置されてい
る。この投影光学系PLとしては、ここでは両側テレセ
ントリックな縮小系であって、Z軸方向の共通の光軸A
Xpを有する複数枚のレンズエレメントから成る屈折光
学系が用いられている。また、前記レンズエレメントの
うちの特定の複数枚は微動可能となっており、主制御装
置28からの指令に基づいて、図示しない結像特性補正
コントローラによってその移動が制御され、投影光学系
PLの結像特性(光学特性の一部)、例えば倍率、ディ
ストーション、コマ収差、及び像面湾曲などを調整でき
るようになっている。さらに結像特性補正コントローラ
は、光源の制御パラメータ(印加電圧など)を調整し
て、光源から発振される露光光ILの波長を所定範囲内
でシフトさせることで、投影光学系PLの結像特性を調
整可能となっている。
【0038】前記XYステージ20は、実際には不図示
のベース上をY軸方向に移動するYステージと、このY
ステージ上をX軸方向に移動するXステージとで構成さ
れているが、図1ではこれらがXYステージ20として
示されている。このXYステージ20上にウエハテーブ
ル18が搭載され、このウエハテーブル18上に不図示
のウエハホルダを介してウエハWが真空吸着等によって
保持されている。
【0039】前記XYステージ20は、走査方向(Y軸
方向)の移動のみならず、ウエハW上の複数のショット
領域を前記照明領域と共役な投影光学系PLの視野内の
投影領域に位置させることができるように、走査方向に
直交する非走査方向(X軸方向)にも移動可能に構成さ
れている。そして、ウエハW上の各ショット領域を走査
(スキャン)露光する動作と、次ショットの露光のため
の走査開始位置(加速開始位置)まで移動する動作とを
繰り返すステップ・アンド・スキャン動作を行う。
【0040】前記ウエハテーブル18は、ウエハWを保
持するウエハホルダをZ軸方向及びXY面に対する傾斜
方向に微小駆動するものである。このウエハテーブル1
8の上面には、移動鏡24が設けられており、この移動
鏡24にレーザビームを投射して、その反射光を受光す
ることにより、ウエハテーブル18のXY面内の位置を
計測するレーザ干渉計26が移動鏡24の反射面に対向
して設けられている。なお、実際には、移動鏡はX軸に
直交する反射面を有するX移動鏡と、Y軸に直交する反
射面を有するY移動鏡とが設けられ、これに対応してレ
ーザ干渉計もX方向位置計測用のXレーザ干渉計とY方
向位置計測用のYレーザ干渉計とが設けられているが、
図1ではこれらが代表して移動鏡24、レーザ干渉計2
6として図示されている。なお、例えば、ウエハテーブ
ル18の端面を鏡面加工して反射面(移動鏡24の反射
面に相当)を形成しても良い。また、Xレーザ干渉計及
びYレーザ干渉計は測長軸を複数有する多軸干渉計であ
り、ウエハテーブル18のX、Y位置の他、回転(ヨー
イング(Z軸回りの回転であるθz回転)、ピッチング
(X軸回りの回転であるθx回転)、ローリング(Y軸
回りの回転であるθy回転))も計測可能となってい
る。従って、以下の説明ではレーザ干渉計26によっ
て、ウエハテーブル18のX、Y、θz、θy、θxの
5自由度方向の位置が計測されるものとする。なお、こ
のようにして計測されるX座標及びY座標よりなる座標
系(X,Y)を、以下ではステージ座標系とも呼ぶ。
【0041】レーザ干渉計26の計測値は主制御装置2
8に供給され、主制御装置28はこのレーザ干渉計26
の計測値をモニタしつつ、ウエハステージ駆動系22を
介してXYステージ20を駆動することにより、ウエハ
テーブル18の位置制御が行われる。
【0042】また、ウエハテーブル18上には、その表
面がウエハWの表面と同じ高さになるように基準板FP
が固定されている。この基準板FPの表面には、後述す
るアライメント検出系のいわゆるベースライン計測等に
用いられる基準マークを含む各種の基準マークが形成さ
れている。
【0043】また、投影光学系PLの鏡筒の側面には、
オフ・アクシス方式のアライメント検出系ASが取り付
けられている。このアライメント検出系ASとしては、
例えば、ハロゲンランプ等を光源とする波長帯域幅の広
い光で照明し、CCDカメラなどで撮像したウエハW上
のアライメントマーク(又は基準板FP上の基準マー
ク)の画像データを画像処理してマーク位置を計測する
FIA(Field Image Alignment)系のオフアクシス・
アライメントセンサが用いられている。なお、アライメ
ント検出系ASは画像処理方式に限られるものではな
く、例えばアライメントマークを回折格子とし、コヒー
レントビームの照射によって回折格子から発生する同次
数の回折光を基準格子に照射し、この基準格子から発生
する光を検出する方式などでも良い。
【0044】アライメント制御装置16は、アライメン
ト検出系ASからの情報をA/D変換するとともに、レ
ーザ干渉計26の計測値を参照してマーク位置を検出す
る。この検出結果はアライメント制御装置16から主制
御装置28に供給されるようになっている。
【0045】さらに、本実施形態の露光装置100で
は、図示は省略されているが、レチクルRの上方に、例
えば特開平7−176468号公報等に開示される、投
影光学系PLを介してレチクルR上のレチクルマーク又
はレチクルステージRST上の基準マーク(共に図示省
略)と基準板FP上のマークとを同時に観察するための
露光波長を用いたTTR(Through The Reticle)アラ
イメント系から成る一対のレチクルアライメント顕微鏡
が設けられている。これらのレチクルアライメント顕微
鏡の検出信号は、アライメント制御装置16を介して主
制御装置28に供給されるようになっている。
【0046】主制御装置28は、CPU(中央演算処理
装置)、メモリ(ROM、RAM)、各種インターフェ
ース等からなるいわゆるマイクロコンピュータ(又はワ
ークステーション)を含んで構成され、露光動作が的確
に行われるように、例えば、レチクルRとウエハWの同
期走査、ウエハWのステッピング、露光タイミング等を
統括して制御する。また、主制御装置28は、記憶装置
27と接続されており、記憶装置27に対して各種デー
タの記憶や読み出しができるようになっている。
【0047】次に、前述のようにして構成された露光装
置100による露光処理動作について、図2のフローチ
ャートを用いて説明する。図2のフローチャートは、主
制御装置28のCPUによって実行される一連の処理ア
ルゴリズムに対応している。
【0048】ここでは、複数枚(k枚(2≦kなる整
数))のウエハとして1ロットのウエハW(例えば、
k=1〜25)上に、一例として第2層目のパターンを
転写するものであり、前提条件として、各ウエハW
には、例えば、図3(A)に示されるように、第1層目
のパターンが転写された複数(例えばN個)のショット
領域SAがすでに形成されているものとする。また、本
実施形態では、各ショット領域SAには、一例として図
3(B)に示されるように、ショット領域SAの図3
(B)における紙面右上の隅に第2マークとしてのアラ
イメントマークAMが、ショット領域SAの中心近傍の
基準点に第1マークとしての測定機用のマーク(測定機
マーク)SMがそれぞれ形成されているものとする。そ
して、両マークともX座標値とY座標値とを同時に検出
できる2次元マークである。さらに、ロット内(k枚の
ウエハW)の最初のn(1≦n<k)枚のウエハのう
ち、後述するサンプルショット領域で測定機マークSM
を検出すべき少なくとも1枚のウエハを、本実施形態で
はn=2として最初のn枚のウエハの全て、すなわち1
枚目のウエハWと2枚目のウエハWとでそれぞれ測
定機マークSMを検出するものとする。
【0049】図2のステップ401では、不図示のレチ
クルローダを用いてレチクルステージRST上に指定さ
れたレチクルRをロードする。ここでは、一例として、
レチクルRには第2層目用のパターンが形成されている
ものとする。
【0050】ステップ403では、不図示のウエハロー
ダを用いてロット先頭のウエハWをウエハテーブル1
8上にロードする。そして、ロードしたウエハがロット
先頭から何枚目であるかを示すカウンタkに1をセット
する。
【0051】ステップ405では、例えば、前述のレチ
クルアライメント顕微鏡により投影光学系PLを介して
少なくとも一対のレチクルアライメントマークとこれに
対応して基準板FPの表面に形成されている少なくとも
一対の基準マークとの相対位置を検出する。そして、そ
のときのレチクル干渉計21及びレーザ干渉計26の測
定値とから、レチクル干渉計21の測長軸によって規定
されるレチクルステージ座標系と、レーザ干渉計26の
測長軸によって規定されるウエハステージ座標系との関
係を求める。すなわち、このようにして、レチクルアラ
イメントを行なう。
【0052】ステップ407では、ウエハW上の各シ
ョット領域の設計上の配列座標に基づいて、ウエハW
上の第1特定区画領域として予め選択した3つ以上のシ
ョット領域(「サンプルショット領域」又は「アライメ
ントショット領域」とも呼ばれる)を、ウエハステージ
駆動系22を介してアライメント検出系ASの直下に順
次位置決めしつつ、サンプルショット領域に付設された
測定機マークSM及びアライメントマークAMの位置情
報をアライメント検出系ASの検出中心を基準として検
出する。ここでは、測定機マークSMは、位置決め用の
マークでないため、一般的にアライメントマークAMに
比べて非常に小さい。そこで、測定機マークSMの位置
情報を精度良く検出するために、例えば、通常のウエハ
アライメント時に比べてアライメント検出系ASの倍率
や検出感度を高くしたり、検出回数(画像取込回数)を
増やして各検出結果の平均値を最終の検出結果とすると
いったことが行なわれる。また、場合によっては、検出
に先立って、投影光学系PLの光軸方向に関するウエハ
の位置が最良フォーカス位置となるようにウエハテ
ーブル18を調整することも行なわれる。以下、両マー
クの検出された位置情報を実測位置情報といい、両マー
クの設計上の位置情報を設計位置情報という。なお、第
3層目以降のレチクルパターンを各ショット領域に重ね
て転写するときは、前層までの少なくとも一層(例えば
レチクルパターンを最も精度良く重ね合わせるべき層)
へのパターン転写時に使用したEGA計算結果も設計位
置情報として含むものとする。
【0053】ステップ409では、各サンプルショット
領域におけるアライメントマークAMの位置補正情報算
出処理を行なう。ここでは、図4のフローチャートを用
いて位置補正情報算出処理について説明する。図4のフ
ローチャートは、主制御装置28のCPUによって実行
される一連の処理アルゴリズムに対応している。
【0054】図4のステップ501では、サンプルショ
ット領域毎に、両マークの実測位置情報に基づいて、両
マークの位置関係として、例えば両マークの位置座標の
差(以下、便宜上「実測マーク差」という)を次の
(1)式及び(2)式により求める。
【0055】DMMx=AMMx-SMMx ……(1)
【0056】DMMy=AMMy-SMMy ……(2)
【0057】ここで、DMMx及びDMMyは、それぞ
れX軸方向及びY軸方向に関する実測マーク差である。
また、SMMx及びSMMyは、それぞれ測定機マーク
SMの実測位置のX座標値及びY座標値であり、AMM
x及びAMMyは、それぞれアライメントマークAMの
実測位置のX座標値及びY座標値である。
【0058】ステップ503では、サンプルショット領
域毎に、両マークの設計位置情報に基づいて、設計上の
両マークの位置座標の差(以下、便宜上「設計マーク
差」という)を次の(3)式及び(4)式により求め
る。
【0059】DDMx=ADMx-SDMx ……(3)
【0060】DDMy=ADMy-SDMy ……(4)
【0061】ここで、DDMx及びDDMyは、それぞ
れX軸方向及びY軸方向に関する設計マーク差である。
また、SDMx及びSDMyは、それぞれ測定機マーク
SMの設計上のX座標値及びY座標値であり、ADMx
及びADMyは、それぞれアライメントマークAMの設
計上のX座標値及びY座標値である。
【0062】ステップ505では、サンプルショット領
域毎に、次の(5)式及び(6)式により、アライメン
トマークAMの位置補正量を算出し、位置補正情報とし
て記憶装置27に記憶する。すなわち、サンプルショッ
ト領域毎に位置補正情報が求められる。
【0063】Mx=DMMx-DDMx ……(5)
【0064】My=DMMy-DDMy ……(6)
【0065】ここで、Mx及びMyは、それぞれアライ
メントマークAMのX軸方向及びY軸方向に関する位置
補正量である。これで位置補正情報算出処理を終了す
る。
【0066】位置補正情報算出処理が終了すると、図2
のステップ411に移行し、各サンプルショット領域に
おける測定機マークSMの実測位置情報に基づいて、前
述したEGA方式で行われている統計処理方法により全
てのショット領域の配列座標を算出する、いわゆるEG
A演算を行う。ここで、EGA演算について簡単に説明
する。
【0067】先ず、m(m≧3なる整数)個のサンプル
ショット領域の設計上の配列座標を(X、Y)(t
=1、2、……、m)とし、設計上の配列座標からの位
置ずれ(ΔX、ΔY)について次の(7)式で示さ
れるような線形モデルを仮定する。
【0068】
【数1】
【0069】さらに、各サンプルショット領域に付設さ
れたマーク(ここでは、測定機マークSM)の実測位置
情報とそれに対応する設計位置情報とから位置ずれ(Δ
、Δy )を求める。この位置ずれ(Δx 、Δ
)と上記線形モデル(7)式で仮定される設計上
の位置ずれ(ΔX、ΔY)との残差の二乗和Eは、
次の(8)式で表される。
【0070】
【数2】
【0071】そこで、この(8)式を最小にするような
誤差パラメータa、b、c、d、e、fを求め、該誤差
パラメータa〜fと設計上の配列座標とに基づいて、ウ
エハ上の全てのショット領域の配列座標を算出する。
【0072】上述の如くして全てのショット領域の配列
座標が算出されると、ステップ413に移行し、露光処
理を行なう。ここでは、図5のフローチャートを用いて
露光処理について説明する。図5のフローチャートは、
主制御装置28のCPUによって実行される一連の処理
アルゴリズムに対応している。
【0073】図5のステップ521では、ショット領域
の配列番号を示すカウンタjに1をセットし、最初のシ
ョット領域を露光対象領域とする。
【0074】ステップ523では、ウエハWの位置が
ウエハW上の露光対象領域を露光するための加速開始
位置となるようにXYステージ20を移動するととも
に、レチクルRの位置が加速開始位置となるようにレチ
クルステージRSTを移動する。
【0075】ステップ525では、レチクルステージR
STとXYステージ20の相対走査を開始する。そして
両ステージがそれぞれの目標走査速度に達し、等速同期
状態に達すると、照明系IOPからの照明光ILによっ
てレチクルRのパターン領域が照明され始め、走査露光
が開始される。上記の相対走査は、レーザ干渉計26及
びレチクル干渉計21の計測値をモニタしつつ、ウエハ
ステージ駆動系22及びレチクルステージ駆動系29を
制御することにより行われる。そして、レチクルRのパ
ターン領域の異なる領域が照明光ILで逐次照明され、
パターン領域全面に対する照明が完了することにより走
査露光が終了する。これにより、レチクルRのパターン
が投影光学系PLを介してウエハW上の露光対象領域
に縮小転写される。
【0076】ステップ527では、カウンタjを参照
し、全てのショット領域に露光が行われたか否かを判断
する。ここでは、j=1、すなわち、最初のショット領
域に対して露光が行なわれたのみであるので、ステップ
527での判断は否定され、ステップ529に移行す
る。
【0077】ステップ529では、カウンタjの値をイ
ンクリメント(+1)して、次のショット領域を露光対
象領域とし、ステップ523に戻る。
【0078】以下、ステップ527での判断が肯定され
るまで、ステップ523→525→527→529の処
理、判断を繰り返す。
【0079】ウエハW上の全てのショット領域へのパ
ターンの転写が終了すると、カウンタjの値はNとな
り、ステップ527での判断が肯定され、露光処理を終
了する。
【0080】露光処理が終了すると、図2のステップ4
15に移行し、不図示のウエハローダにウエハW(こ
こではk=1)のアンロードを指示する。これにより、
ウエハWは、不図示のウエハローダにより、ウエハテ
ーブル18上からアンロードされた後、不図示のウエハ
搬送系により、露光装置100にインラインにて接続さ
れている不図示のコータ・デベロッパに搬送される。
【0081】ステップ417では、カウンタkの値をイ
ンクリメント(+1)するとともに、不図示のウエハロ
ーダを用いて次のウエハWをウエハテーブル18上に
ロードする。
【0082】ステップ419では、カウンタkの値を参
照して、最初のn枚(この場合2枚)のウエハへのパタ
ーンの転写が終了したか否かを判断する。ここでは、k
=2、すなわち、最初のウエハWに転写されたのみで
あるので、ステップ419での判断は否定され、ステッ
プ407に戻る。
【0083】以下、ステップ419での判断が肯定され
るまで、ステップ407からステップ419までの処
理、判断を繰り返す。
【0084】最初のn枚のウエハへのパターンの転写が
終了すると、ステップ419での判断が肯定され、ステ
ップ421に移行する。
【0085】ステップ421では、n枚のウエハについ
てそれぞれ算出された位置補正情報を記録装置27から
読み出し、サンプルショット領域毎に統計演算処理(例
えば、平均化)を行い、新たな位置補正情報とする。
【0086】ステップ423では、ウエハW上の各シ
ョット領域の設計上の配列座標に基づいて、ウエハW
上の第2特定区画領域としてのサンプルショット領域を
アライメント検出系ASの直下に順次位置決めしつつ、
サンプルショット領域に付設されたアライメントマーク
AMの位置をアライメント検出系ASの検出中心を基準
として検出し、アライメントマークAMの実測位置情報
を求める。なお、本実施形態では、一例として第1特定
区画領域と第2特定区画領域とは同一である。また、こ
こでは、測定機マークSMの検出は行なわないので、ア
ライメント検出系ASの設定条件は、通常のウエハアラ
イメント時と同程度で良い。
【0087】ステップ425では、サンプルショット領
域毎に、対応する位置補正情報を用いて、次の(9)式
及び(10)式により、アライメントマークAMの実測
位置情報を補正する。
【0088】HMx=AMMx-Mx ……(9)
【0089】HMy=AMMy-My ……(10)
【0090】ここで、AMMx及びAMMyはそれぞれ
実測されたアライメントマークAMのX座標値及びY座
標値であり、Mx及びMyはそれぞれ対応するX軸方向
及びY軸方向に関する位置補正量である。また、HMx
及びHMyは補正後のアライメントマークAMのX座標
値及びY座標値である。
【0091】ステップ427では、上述の如くして補正
された各サンプルショット領域のアライメントマークA
Mの実測位置情報(補正後実測位置情報)と対応する設
計位置情報とを用いて前記EGA演算を行い、ウエハ上
の全てのショット領域の配列座標を算出する。
【0092】すなわち、先ず、サンプルショット領域毎
に、アライメントマークAMの補正された実測位置情報
と対応する設計位置情報とから位置ずれ(Δx 、Δ
)を算出する。そして、上記(8)式を最小にする
ような誤差パラメータa、b、c、d、e、fを求め、
該誤差パラメータa〜fと設計上の配列座標とに基づい
て、ウエハ上の全てのショット領域の配列座標を算出す
る。
【0093】ステップ429では、ステップ413と同
様にして露光処理を行なう。
【0094】ステップ431では、不図示のウエハロー
ダにウエハWのアンロードを指示する。これにより、
ウエハWは、不図示のウエハローダにより、ウエハテ
ーブル18上からアンロードされた後、不図示のウエハ
搬送系により、露光装置100にインラインにて接続さ
れている不図示のコータ・デベロッパに搬送される。
【0095】ステップ433では、カウンタkの値を参
照して、ロットの全ウエハへのパターンの転写が終了し
たか否かを判断する。転写されていないウエハが残って
いる場合は、ステップ433での判断は否定され、ステ
ップ435に移行する。
【0096】ステップ435では、カウンタkの値をイ
ンクリメント(+1)するとともに、不図示のウエハロ
ーダを用いて次のウエハWをウエハテーブル18上に
ロードする。そして、ステップ423に戻る。
【0097】以下、ステップ433での判断が肯定され
るまで、ステップ423からステップ435までの処
理、判断を繰り返す。
【0098】全てのウエハへのパターンの転写が終了す
ると、ステップ433での判断が肯定され、処理を終了
する。
【0099】以上の説明から明らかなように、本実施形
態では、図2のステップ407及び409の処理が第1
工程に対応し、ステップ423〜427の処理が第2工
程に対応している。
【0100】また、本実施形態によると、複数枚のウエ
ハについて、各ウエハW上に形成された複数のショッ
ト領域に、レチクルパターンを重ね合わせて転写するに
際して、最初のn枚のウエハについては、ウエハW
のサンプルショット領域に形成された測定機マークSM
及びアライメントマークAMの位置情報をそれぞれ実測
し、両マークの位置関係を求めている。
【0101】そして、第(n+1)枚目以降の各ウエハ
については、サンプルショット領域におけるアライメン
トマークAMの位置情報のみを実測するとともに、該実
測位置情報を上記位置関係を用いて補正し、その補正さ
れたアライメントマークAMの実測位置情報と設計位置
情報とを用いてEGA演算を行い、ショット領域の配列
座標を算出している。
【0102】従って、ショット領域によってショット領
域に関する転写誤差成分が異なる場合であっても、スル
ープットを低下させることなく、ショット領域の配列座
標を精度良く検出することができ、結果として、精度良
く各ショット領域にパターンを重ね合わせて転写するこ
とが可能となる。
【0103】なお、上記実施形態では、ショット領域の
配列座標を算出するに際して、第(n+1)枚目以降の
ウエハについては、アライメントマークAMの実測位置
情報を対応する位置補正情報に基づいて補正し(図2の
ステップ425)、該補正された実測位置情報と対応す
る設計位置情報とを用いてEGA演算を行っている(図
2のステップ427)が、これに限定されるものではな
い。
【0104】例えば、アライメントマークAMの設計位
置情報を対応する位置補正情報に基づいて補正し、アラ
イメントマークAMの実測位置情報と対応する補正され
た設計位置情報とを用いてEGA演算を行い、ショット
領域の配列座標を算出しても良い。また、アライメント
マークAMの実測位置情報と対応する設計位置情報とを
用いてEGA演算により得られる上記(7)式における
誤差パラメータと、位置補正情報を用いてEGA演算に
より得られる誤差パラメータとの差から新たな誤差パラ
メータを求め、該誤差パラメータを用いてショット領域
の配列座標を算出しても良い。
【0105】ここで、アライメントマークAMの設計位
置情報を補正して、ショット領域の配列座標を求める場
合について説明する。
【0106】先ず、サンプルショット領域毎に、対応す
る位置補正情報を用いて、次の(11)式及び(12)
式により、アライメントマークAMの設計位置情報を補
正する。
【0107】DMx=ADMx+Mx ……(11)
【0108】DMy=ADMy+My ……(12)
【0109】ここで、ADMx及びADMyはそれぞれ
設計上のアライメントマークAMのX座標値及びY座標
値である。また、DMx及びDMyはそれぞれアライメ
ントマークAMの補正後の設計上のX座標値及びY座標
値である。
【0110】そして、各サンプルショット領域における
アライメントマークAMの実測位置情報と対応する上述
の如くして補正された設計位置情報(補正後設計位置情
報)とを用いて前記EGA演算を行い、ウエハ上の全て
のショット領域の配列座標を算出する。すなわち、サン
プルショット領域毎に、アライメントマークAMの実測
位置情報と対応する補正された設計位置情報とから位置
ずれ(Δx 、Δy )を算出する。そして、上記
(8)式を最小にするような誤差パラメータa、b、
c、d、e、fを求め、該誤差パラメータa〜fと設計
上の配列座標とに基づいて、ウエハ上の全てのショット
領域の配列座標を算出する。
【0111】次に、新たな誤差パラメータa〜fを用い
てショット領域の配列座標を求める場合について説明す
る。
【0112】先ず、各サンプルショット領域におけるア
ライメントマークAMの実測位置情報と対応する設計位
置情報とを用いてEGA演算を行い、上記(7)式にお
ける誤差パラメータa〜fを求める。便宜上、ここで得
られた誤差パラメータ(第1の誤差パラメータ)をそれ
ぞれa1、b1、c1、d1、e1、f1とする。
【0113】次に、各アライメントマークAMの位置補
正情報と対応する設計位置情報とを用いてEGA演算を
行い、上記(7)式における誤差パラメータa〜fを求
める。便宜上、ここで得られた誤差パラメータ(第2の
誤差パラメータ)をa2、b2、c2、d2、e2、f
2とする。
【0114】そして、次の(13)式〜(18)式によ
り、新たな誤差パラメータa、b、c、d、e、fを求
め、該誤差パラメータa〜fと設計上の配列座標とに基
づいて、ウエハ上の全てのショット領域の配列座標を算
出する。
【0115】a=a1−a2 ……(13)
【0116】b=b1−b2 ……(14)
【0117】c=c1−c2 ……(15)
【0118】d=d1−d2 ……(16)
【0119】e=e1−e2 ……(17)
【0120】f=f1−f2 ……(18)
【0121】さらに、ショット領域の配列座標を算出す
るに際して、第(n+1)枚目以降のウエハについて
は、アライメントマークAMの実測位置情報と対応する
位置関係とから、測定機マークSMの位置を推定し、該
推定された測定機マークSMの位置情報と対応する測定
機マークSMの設計位置情報とを用いてEGA演算を行
っても良い。
【0122】なお、上記実施形態では、ロット先頭から
n枚目までの各ウエハについて、両マークの位置関係を
求めているが、これに限定されるものではなく、ロット
先頭(1枚目)のウエハのみで両マークの位置関係を求
め、該位置関係を用いて2枚目以降のウエハにおけるシ
ョット領域の配列座標を算出しても良い。これにより、
スループットを向上させることができる。
【0123】また、ロット先頭のウエハのみで両マーク
の位置関係を求め、ロット先頭からn枚目までの各ウエ
ハについては、測定機マークSMの実測位置情報を用い
てショット領域の配列座標を算出し、第(n+1)枚目
以降のウエハについては、アライメントマークAMの実
測位置情報とこれに対応する位置関係とを用いてショッ
ト領域の配列座標を算出しても良い。
【0124】さらに、上記実施形態では、ロット先頭か
らn枚目までの各ウエハにおいて、ウエハ毎に両マーク
の実測位置情報を用いて両マークの位置関係を求めてい
るが、これに限定されるものではなく、例えばロット先
頭からn枚目までの各ウエハにおける両マークの実測位
置情報を統計演算して両マークの位置関係を求めても良
い。
【0125】また、上記実施形態では、k枚のウエハW
のうち、最初のn枚のウエハでそれぞれ測定機マーク
SM及びアライメントマークAMを検出しているが、測
定機マークSM及びアライメントマークAMの両方を検
出すべきウエハは、最初のn枚のウエハの少なくとも1
枚で良く、最初のn枚のウエハの何枚目であっても、何
枚であっても良い。但し、測定機マークSM及びアライ
メントマークAMの両方を検出すべきウエハは、歩留ま
りなどを考慮すると、少なくとも1枚目のウエハを含む
ことが望ましい。
【0126】さらに、上記実施形態では、k枚のウエハ
のうち少なくとも第(n+1)枚目以降の各ウエハで
は、アライメントマークAMのみを検出するものとした
が、最初のn枚のウエハのうちm(1≦m<nなる自然
数)枚目のウエハで測定機マークSM及びアライメント
マークAMの両方を検出するときは、(m+1)枚目以
降の各ウエハでアライメントマークAMのみを検出する
だけでも良い。なお、m≧2であるとき、(m−1)枚
目までのウエハでは各サンプルショット領域で測定機マ
ークSMのみを検出してEGA方式にて各ショット領域
の座標値を決定すると良い。
【0127】また、最初のn枚のウエハのうち2枚以上
のウエハでそれぞれ測定機マークSM及びアライメント
マークAMの両方を検出するときは、その2枚以上のウ
エハ以外で、かつその2枚以上のウエハのうち最初に測
定機マークSM及びアライメントマークAMの両方が検
出されるウエハよりも後の各ウエハではアライメントマ
ークAMのみを検出するだけで良い。なお、最初のn枚
のウエハのうち測定機マークSM及びアライメントマー
クAMの両方が検出されないウエハでは、各サンプルシ
ョット領域で測定機マークSMのみを検出してEGA方
式にて各ショット領域の座標値を決定すると良い。ま
た、最初のn枚のウエハのうち2枚以上のウエハでそれ
ぞれ測定機マークSM及びアライメントマークAMの両
方を検出するとき、例えばm枚目及び(m+1)枚目の
ようにその2枚以上のウエハが連続していなくても良
い。
【0128】なお、上記実施形態では、任意に選択した
3つ以上のショット領域をサンプルショット領域とし、
各サンプルショット領域において両マークの位置関係を
求めているが、これに限定されるものではない。
【0129】例えば、重ね合わせの対象となる層が他の
走査型投影露光装置(スキャニング・ステッパ)を用い
て露光され、該露光装置に設けられたウエハの位置計測
などに用いられる測長システムが、レーザ光の干渉を利
用したものであり、X反射鏡(X移動鏡)で反射される
レーザ光により、走査露光時におけるウエハのX方向の
位置が計測され、その位置情報に基づいてウエハのX方
向の位置が制御される場合について説明する。なお、Y
方向を行方向、X方向を列方向とする。
【0130】ここで、上記X移動鏡が平坦ではなく、一
例として図6(A)に誇張して示されるような形状に変
形し、いわゆるミラー曲がりが存在していると、ウエハ
のX方向の位置が誤って制御され、図6(B)に示され
るように、各ショット領域に直交度誤差が生じる。各シ
ョット領域を配列Bi,j(i=1、2、・・・、j=
1、2、・・・)で表記すると、図6(B)に示される
ように、同じ行に配置されたショット領域(例えばB
1,2とB1,5)を比較すると、直交度誤差はほぼ同
様であるが、異なる行に配置されたショット領域(例え
ばB2,5とB ,5)を比較すると、直交度誤差が異
なる場合がある。これは、同じ行に配置された各ショッ
ト領域では、それぞれX移動鏡の反射面上の同一部分で
反射されたレーザ光によりウエハのX方向の位置情報が
計測されているのに対し、異なる行に配置された各ショ
ット領域では、それぞれX移動鏡の反射面上の異なる部
分で反射されたレーザ光によりウエハのX方向の位置情
報が計測されているためである。このような場合には、
同一行に配置されたショット領域では、両マークの位置
関係はほぼ同一であるため、行毎に両マークの位置関係
を求めても良い。
【0131】また、上記他の走査型投影露光装置におけ
る測長システムが測長軸を複数有する多軸干渉計を備え
ており、Y軸に直交する反射面を有するY反射鏡(Y移
動鏡)で反射されるレーザ光により、走査露光時にウエ
ハWのヨーイング(Z軸回りの回転であるθz回転)を
計測し、その計測結果に基づいてウエハWのヨーイング
を補正する場合について説明する。ここで、Y移動鏡に
ミラー曲がりが存在すると、走査露光時にウエハWのヨ
ーイングを補正しようとして誤った補正を行い、各ショ
ット領域に回転誤差が生じる。一例として図7に示され
るように、同じ列に配置されたショット領域を比較する
と、ショット領域の回転誤差はほぼ同様であるが、異な
る列に配置されたショット領域を比較すると、ショット
領域の回転誤差が異なる場合がある。これは、同じ列に
配置された各ショット領域では、転写誤差へのミラー曲
がりの影響はほぼ同様であるが、異なる列に配置された
ショット領域では、転写誤差へのミラー曲がりの影響が
必ずしも同様ではないためである。このような場合は、
同一列に配置されたショット領域では、両マークの位置
関係はほぼ同一であるため、列毎に両マークの位置関係
を求めても良い。
【0132】さらに、上記実施形態では、ショット領域
に形成された1つの測定機マークを用いる場合について
説明しているが、これに限定されるものではなく、複数
個の測定機マークを用いても良い。この場合は、各測定
機マークとアライメントマークとの位置関係をそれぞれ
求めると、該位置関係毎にアライメントマークの位置補
正情報が得られる。そこで、各位置補正情報を統計演算
し、得られた位置補正情報に基づいてEGA演算を行う
ことにより、更に精度良くショット領域の配列座標を求
めることができる。
【0133】また、上記実施形態では、ショット領域に
形成されたアライメントマークが1つの場合について説
明しているが、これに限定されるものではなく、複数個
のアライメントマークが形成されていても良い。この場
合は、測定機マークと各アライメントマークとの位置関
係をそれぞれ求めると、該位置関係毎にアライメントマ
ークの位置補正情報が得られる。そこで、各位置補正情
報を統計演算し、得られた位置補正情報に基づいてEG
A演算を行うことにより、更に精度良くショット領域の
配列座標を求めることができる。
【0134】さらに、上記実施形態では、ロット先頭か
らn枚目までのウエハにおけるサンプルショット領域
と、第(n+1)枚目以降のウエハにおけるサンプルシ
ョット領域とが同一である場合について説明している
が、これに限定されるものではない。また、サンプルシ
ョット領域の数が異なっていても良い。特に、ロット先
頭からn枚目までのウエハでは、両マークの位置関係を
精度良く求めるために、サンプルショット領域の数を、
通常のEGA演算で使用するサンプルショット領域の数
より増やしても良い。そこで、予め図示しない入力装置
を介してサンプルショット領域の数を任意に設定できる
ようにしても良い。なお、この際に、両マークの位置関
係を求めるウエハ数(上記実施形態では、nの値)や、
アライメント検出系ASの前述の設定情報等が任意に設
定できるようにしても良い。
【0135】なお、上記実施形態では、サンプルショッ
ト領域の基準点に形成されたマークとして測定機マーク
を用いた場合について説明しているが、これに限定され
るものではない。
【0136】さらに、上記実施形態では、アライメント
検出系ASを用いて両マークの位置関係を検出している
が、これに限定されるものではなく、例えば、図示しな
い測定装置を用いても良い。
【0137】また、上記実施形態では、測定機マークS
Mの検出時とアライメントマークAMの検出時とで、ア
ライメント検出系ASの設定条件(倍率、検出感度、増
幅率及び検出回数など)を異ならせているが、これに限
定されるものではなく、例えばアライメントマークAM
の大きさなどによっては、アライメント検出系ASの設
定条件を両マークの検出時に同一としても良い。
【0138】さらに、上記実施形態では、上記(7)式
及び(8)式を用いるEGA方式を採用しているが、E
GA方式はこれに限定されるものではなく、例えば座標
値を算出すべきショット領域と各サンプルショット領域
との距離に応じた重み係数を用いるEGA方式、あるい
は各サンプルショット領域で複数のアライメントマーク
を検出して各ショット領域の回転誤差や倍率誤差などの
ショットファクターを考慮して座標値を決定する多点E
GA方式などでも良い。また、アライメント方式はEG
A方式に限られるものではなく、例えば各ショット領域
の設計位置情報とベースライン量とに基づいてアライメ
ント検出系ASに対して各ショット領域のアライメント
マークを位置決めするとともに、アライメント検出系A
Sによって検出されるアライメントマークAMの位置ず
れ量を前述と同様に統計演算し、前述の座標値の代わり
に各ショット領域毎のオフセット量を求める方式でも良
い。
【0139】また、上記実施形態では、本発明がステッ
プ・アンド・スキャン方式の走査型露光装置に適用され
た場合について説明したが、本発明の適用範囲がこれに
限定されないのは勿論である。すなわち、ステップ・ア
ンド・リピート方式、ステップ・アンド・スティッチ方
式、ミラープロジェクション・アライナー、及びフォト
リピータなどにも好適に適用することができる。さら
に、投影光学系PLは、屈折系、反射屈折系、及び反射
系のいずれでもよいし、縮小系、等倍系、及び拡大系の
いずれでも良い。
【0140】さらに、本発明が適用される露光装置の光
源は、KrFエキシマレーザやArFエキシマレーザに
限らず、F2レーザ(波長157nm)、あるいは他の
真空紫外域のパルスレーザ光源であっても良い。この
他、露光用照明光として、例えば、DFB半導体レーザ
又はファイバーレーザから発振される赤外域、又は可視
域の単一波長レーザ光を、例えばエルビウム(又はエル
ビウムとイッテルビウムの両方)がドープされたファイ
バーアンプで増幅し、非線形光学結晶を用いて紫外光に
波長変換した高調波を用いても良い。
【0141】また、本発明は、半導体素子の製造に用い
られる露光装置だけでなく、液晶表示素子、プラズマデ
ィスプレイなどを含むディスプレイの製造に用いられ
る、デバイスパターンをガラスプレート上に転写する露
光装置、薄膜磁気へッドの製造に用いられる、デバイス
パターンをセラミックウエハ上に転写する露光装置、撮
像素子(CCDなど)、マイクロマシン、及びDNAチ
ップなどの製造に用いられる露光装置などにも適用する
ことができる。
【0142】《デバイス製造方法》次に、上で説明した
露光装置及び露光方法をリソグラフィ工程で使用したデ
バイスの製造方法の実施形態を説明する。
【0143】図8には、デバイス(ICやLSI等の半
導体チップ、液晶パネル、CCD、薄膜磁気ヘッド、D
NAチップ、マイクロマシン等)の製造例のフローチャ
ートが示されている。図8に示されるように、まず、ス
テップ301(設計ステップ)において、デバイスの機
能・性能設計(例えば、半導体デバイスの回路設計等)
を行い、その機能を実現するためのパターン設計を行
う。引き続き、ステップ302(マスク製作ステップ)
において、設計した回路パターンを形成したマスクを製
作する。一方、ステップ303(ウエハ製造ステップ)
において、シリコン等の材料を用いてウエハを製造す
る。
【0144】次に、ステップ304(ウエハ処理ステッ
プ)において、ステップ301〜ステップ303で用意
したマスクとウエハを使用して、後述するように、リソ
グラフィ技術によってウエハ上に実際の回路等を形成す
る。次いで、ステップ305(デバイス組立ステップ)
において、ステップ304で処理されたウエハを用いて
デバイス組立を行う。このステップ305には、ダイシ
ング工程、ボンディング工程、及びパッケージング工程
(チップ封入)等の工程が必要に応じて含まれる。
【0145】最後に、ステップ306(検査ステップ)
において、ステップ305で作製されたデバイスの動作
確認テスト、耐久性テスト等の検査を行う。こうした工
程を経た後にデバイスが完成し、これが出荷される。
【0146】図9には、半導体デバイスの場合におけ
る、上記ステップ304の詳細なフロー例が示されてい
る。図9において、ステップ311(酸化ステップ)に
おいてはウエハの表面を酸化させる。ステップ312
(CVDステップ)においてはウエハ表面に絶縁膜を形
成する。ステップ313(電極形成ステップ)において
はウエハ上に電極を蒸着によって形成する。ステップ3
14(イオン打込みステップ)においてはウエハにイオ
ンを打ち込む。以上のステップ311〜ステップ314
それぞれは、ウエハ処理の各段階の前処理工程を構成し
ており、各段階において必要な処理に応じて選択されて
実行される。
【0147】ウエハプロセスの各段階において、上述の
前処理工程が終了すると、以下のようにして後処理工程
が実行される。この後処理工程では、まず、ステップ3
15(レジスト形成ステップ)において、ウエハに感光
剤を塗布する。引き続き、ステップ316(露光ステッ
プ)において、前述した露光装置及び露光方法によって
マスクの回路パターンをウエハに転写する。次に、ステ
ップ317(現像ステップ)においては露光されたウエ
ハを現像し、ステップ318(エッチングステップ)に
おいて、レジストが残存している部分以外の部分の露出
部材をエッチングにより取り去る。そして、ステップ3
19(レジスト除去ステップ)において、エッチングが
済んで不要となったレジストを取り除く。
【0148】これらの前処理工程と後処理工程とを繰り
返し行うことによって、ウエハ上に多重に回路パターン
が形成される。
【0149】以上説明した本実施形態のデバイス製造方
法を用いれば、露光工程(ステップ316)において、
前記の露光装置100及び上で説明した露光方法を用い
て重ね合わせ精度良く露光が行なわれるので、微細パタ
ーンを有するデバイスの歩留まりを向上させることがで
き、その生産性を向上させることができる。
【0150】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る位置
検出方法によると、スループットを低下させることな
く、高精度な位置検出を行なうことができるという効果
がある。
【0151】また、本発明に係る露光によると、高精度
な露光を行なうことができるという効果がある。
【0152】また、本発明に係るデバイス製造方法によ
ると、高集積度のデバイスの生産性を向上させることが
できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施形態に係る露光装置の構成を概略的に示
す図である。
【図2】本発明に係る露光方法の一実施形態を説明する
ためのフローチャートである。
【図3】図3(A)はウエハ上に形成されたショット領
域を説明するための図であり、図3(B)は各ショット
領域に付設された測定機マーク及びアライメントマーク
の一例を説明するための図である。
【図4】図2のステップ409の詳細を説明するための
フローチャートである。
【図5】図2のステップ413の詳細を説明するための
フローチャートである。
【図6】図6(A)及び図6(B)はそれぞれX移動鏡
の変形によるショット直交度誤差を説明するための図で
ある。
【図7】Y移動鏡の変形によるショット領域の回転誤差
を説明するための図である。
【図8】本発明に係るデバイス製造方法の実施形態を説
明するためのフローチャートである。
【図9】図8のステップ304における処理のフローチ
ャートである。
【符号の説明】
100…露光装置、W…ウエハ(基板)。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数枚の基板について、各基板上の複数
    の区画領域でそれぞれ所定点との位置合わせに用いられ
    る位置情報を検出する位置検出方法であって、 最初のn枚(nは自然数)の基板のうちの少なくとも1
    枚について、該基板上に形成された複数の区画領域のう
    ちの少なくとも一部の複数の第1特定区画領域それぞれ
    の基準点に形成された第1マークと前記第1特定区画領
    域それぞれの周辺部に形成された前記第1マークより外
    側にある第2マークとをそれぞれ検出し、その検出結果
    として得られる前記各マークの実測位置情報をそれぞれ
    用いて前記各第1特定区画領域について前記第1マーク
    の位置と第2マークの位置との位置関係を算出する第1
    工程と;前記複数枚の基板のうち少なくとも第(n+
    1)枚目以降の各基板について、該基板上に形成された
    複数の区画領域のうちの少なくとも一部の複数の第2特
    定区画領域それぞれに形成された前記第2マークを検出
    し、該第2マークの実測位置情報とこれに対応する前記
    位置関係とを用いて複数の区画領域でそれぞれ所定点と
    の位置合わせに用いられる位置情報を算出する第2工程
    と;を含む位置検出方法。
  2. 【請求項2】 前記最初のn枚の基板のうち少なくとも
    前記第1マークが検出される基板では、前記第1マーク
    の実測位置情報を用いて複数の区画領域でそれぞれ前記
    所定点との位置合わせに用いられる位置情報を算出する
    ことを特徴とする請求項1に記載の位置検出方法。
  3. 【請求項3】 前記第1特定区画領域と前記第2特定区
    画領域とは、同一であることを特徴とする請求項1又は
    2に記載の位置検出方法。
  4. 【請求項4】 前記最初のn枚の基板のうち少なくとも
    2枚の基板でそれぞれ前記第1及び第2マークが検出さ
    れ、 前記第1工程では、前記位置関係を、前記少なくとも2
    枚の基板でそれぞれ得られた前記第1マークの複数の実
    測位置情報と前記第2マークの複数の実測位置情報とを
    用いた統計演算により算出することを特徴とする請求項
    1〜3のいずれか一項に記載の位置検出方法。
  5. 【請求項5】 前記第2工程では、前記少なくとも第
    (n+1)枚目以降の各基板について、該基板上の複数
    の第2マークを検出して得られる、少なくとも3つの第
    2特定区画領域の実測位置情報をこれに対応する前記位
    置関係を用いて補正した補正後実測位置情報と対応する
    設計位置情報とを用いて統計演算により前記複数の区画
    領域でそれぞれ所定点との位置合わせに用いられる位置
    情報を算出することを特徴とする請求項1〜4のいずれ
    か一項に記載の位置検出方法。
  6. 【請求項6】 前記第2工程では、前記少なくとも第
    (n+1)枚目以降の各基板について、該基板上の複数
    の第2マークを検出して得られる、少なくとも3つの第
    2特定区画領域の実測位置情報と、前記第2特定区画領
    域の設計位置情報を対応する前記位置関係を用いて補正
    した補正後設計位置情報とを用いて統計演算により前記
    複数の区画領域でそれぞれ所定点との位置合わせに用い
    られる位置情報を算出することを特徴とする請求項1〜
    4のいずれか一項に記載の位置検出方法。
  7. 【請求項7】 前記第2工程では、前記少なくとも第
    (n+1)枚目以降の各基板について、該基板上の複数
    の第2マークを検出して得られる、少なくとも3つの第
    2特定区画領域の実測位置情報と、これに対応する設計
    位置情報とを用いて統計演算により前記複数の区画領域
    でそれぞれ所定点との位置合わせに用いられる位置情報
    を算出するためのモデル式の第1の誤差パラメータを算
    出し、 前記第2特定区画領域に対応する前記位置関係を用いて
    統計演算により前記モデル式の第2の誤差パラメータを
    算出し、 前記第1の誤差パラメータと前記第2の誤差パラメータ
    の差を最終的な誤差パラメータとして、前記モデル式と
    前記各区画領域の設計位置情報とに基づいて、前記複数
    の区画領域でそれぞれ所定点との位置合わせに用いられ
    る位置情報を算出することを特徴とする請求項1〜4の
    いずれか一項に記載の位置検出方法。
  8. 【請求項8】 前記第1マークは測定機用のマークであ
    り、 前記第2マークはアライメントマークであることを特徴
    とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の位置検出方
    法。
  9. 【請求項9】 複数枚の基板上の複数の区画領域を順次
    露光して前記各基板上の各区画領域に所定のパターンを
    形成する露光方法であって、 前記複数枚の基板のそれぞれについて、請求項1〜8の
    いずれか一項に記載の位置検出方法に従って、各基板上
    の複数の区画領域でそれぞれ所定点との位置合わせに用
    いられる位置情報を検出し、 前記検出結果に基づいて前記各基板上の各区画領域を露
    光基準位置に順次移動した後、当該各区画領域を露光す
    ることを特徴とする露光方法。
  10. 【請求項10】 請求項9に記載の露光方法を用いるリ
    ソグラフィ工程を含むことを特徴とするデバイス製造方
    法。
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US9588436B2 (en) 2004-01-05 2017-03-07 Nikon Corporation Exposure apparatus, exposure method, and device producing method

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