JP2003195947A - 微小変位装置 - Google Patents

微小変位装置

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JP2003195947A
JP2003195947A JP2001399432A JP2001399432A JP2003195947A JP 2003195947 A JP2003195947 A JP 2003195947A JP 2001399432 A JP2001399432 A JP 2001399432A JP 2001399432 A JP2001399432 A JP 2001399432A JP 2003195947 A JP2003195947 A JP 2003195947A
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Japan
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displacement
rigid body
point
micro
actuator
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JP2001399432A
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English (en)
Inventor
Hiroyuki Yamamiya
広之 山宮
Mineo Mizumura
峯夫 水村
Mitsuo Yamaguchi
三雄 山口
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SIGMAKOKI Co Ltd
Original Assignee
SIGMAKOKI Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 圧電アクチュエータの作用方向と略々平行に
移動部が移動し、かつ変位拡大部は、一平面に配置され
るので、力点及び支点連結部が互いに干渉して所望のて
こ比を得ることができず、特にZ方向変位部を薄くでき
ない。 【解決手段】 固定部35と移動部36とを平行平板の
撓み梁41a,41bにて連結し、固定部及び移動部と
の間に、作用点連結部42及び支点連結部43により変
位拡大部37を連結する。固定部35に結合固定部46
を結合し、変位拡大部37に結合拡大部49を連結し、
結合固定部に一端を固定した圧電アクチュエータ50
に、結合拡大部の屈曲部49aに螺合した調整スクリュ
ー7の先端を当接して力点とする。該力点と支点連結部
43とが異なる平面にて近接配置されると共に、力点の
Fy方向の変位により、作用点連結部42を介して移動
部をFz方向に変位する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体の製造、光
ファイバーの接続、高倍率顕微鏡等の微小範囲の位置決
めを必要とする分野において用いられる微小変位装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、位置決め装置は、ネジ機構が用
いられるが、近時、超精密加工、半導体の製造、バイオ
テクノロジー、光ファイバーの接続等の分野では、μm
オーダ、サブμmオーダ、更にはnmオーダの微小範囲
の位置決めが求められており、該微小範囲の変位装置と
しては、ピエゾ素子等の圧電アクチュエータが用いられ
ている。
【0003】上記圧電アクチュエータの変位量は、一定
の微小量からなるため、該圧電アクチュエータの変位量
では、所望の変位量を得ることができず、このため、例
えば特公平7−1457号公報及び特公平7−1458
号公報に示されるように、圧電アクチュエータの変位
を、複数のてこからなる変位拡大機構を介して移動部に
伝達し、所定変位量を得る微小変位装置が提案されてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記微小変位装置は、
固定側剛体部及び移動側剛体部を、それぞれ薄肉の弾性
ヒンジで連結した2個の梁又は全長に亘り可撓性を有す
る平行平板(以下、これらを撓み梁という)にて連結
し、これら両剛体部及び両撓み梁で囲まれた空間内にお
ける同一平面に、上記圧電アクチュエータ(微小変位ア
クチュエータ)及び変位拡大機構(変位変更手段)を配
置している。従って、上記圧電アクチュエータは、その
変位方向が上記撓み梁の長手方向と交差する方向に配置
され、このため、該微小変位装置は、薄型に構成しよう
としても、圧電アクチュエータの長さに規定されて、充
分にコンパクトな構造とすることができない。
【0005】特に、XY方向微小変位装置上に、Z方向
微小変位装置を配置し、XYZ方向の微小変位を可能と
するXYZ微小変位装置にあっては、Z方向微小変位装
置の上下方向を薄く構成する必要があり、上記圧電アク
チュエータの長さ(変位方向)に規定されない、薄い構
造の微小変位装置の現出が望まれている。
【0006】また、上記変位拡大機構は、支点となる連
結部、作用点となる連結部及び圧電アクチュエータ又は
伝達部材に連係して力点となる連結部を同一平面上に配
置することになり、上記支点、作用点及び力点となる連
結部分が同一平面内にて干渉しないように所定間隔を存
して配置する必要がある。
【0007】従って、支点及び力点となる連結・連係部
分が所定間隔以下に近づけて配置することが困難である
ため、上記変位拡大機構のてこ比が規制され、1個当り
のてこ倍率を充分にとれず、所望の拡大比(変倍比)を
得るためには、てこを何段にも重ねる必要があり、変位
拡大機構、ひいては微小変位装置のコンパクト化を困難
にしていると共に、変位拡大機構のヒンジ数が多くなる
ことによるエネルギー損の増大により、圧電アクチュエ
ータのエネルギが移動部の移動に有効に用いられない。
【0008】そこで、本発明は、微小変位アクチュエー
タ及び/又は変位変更手段の配置を工夫し、もって上述
した課題を解決した微小変位装置を提供することを目的
とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る本発明は
(例えば図5,図6,図8,図9参照)、相対移動自在
に支持された少なくとも2個の剛体部(35,46)
(36)と、前記2個の剛体部に相対変位を生じる微小
変位アクチュエータ(50)と、を備えてなる微小変位
装置において、前記2個の剛体部にそれぞれ連結される
と共に前記微小変位アクチュエータに連係し、前記2個
の剛体部の内の一方(35)に連結する連結部(43,
43’)を支点とし、他方(36)に連結する連結部
(42)を作用点とし、前記微小変位アクチュエータ
(50)との連係部(7)を力点として、前記一方の剛
体部との間で前記微小変位アクチュエータが前記力点に
生じる変位を、変倍して前記作用点から前記他方の剛体
部へ伝達する変位変更手段(37,37’,49)を備
え、前記力点(7b)に前記微小変位アクチュエータ
(50)から作用する変位方向(Fy)と、前記作用点
(42)から前記他方の剛体部(36)に作用する変位
方向(Fz)とが、略々90度異なる、ことを特徴とす
る微小変位装置にある。
【0010】請求項2に係る本発明は、前記変位変更手
段(37,37’,49)は、剛体からなり、前記微小
変位アクチュエータの長手方向と略々平行に延びる第1
の剛体部(37,37’,49)と、該第1の剛体部と
略々直交する方向に延びる第2の剛体部(49a)と、
を有し、前記第1の剛体部を、前記作用点となる連結部
(42)にて前記他方の剛体部に連結し、前記第2の剛
体部を、前記力点となる連係部(7b)にて前記微小変
位アクチュエータ(50)に連係してなる、請求項1記
載の微小変位装置にある。
【0011】請求項3に係る本発明は、前記2個の剛体
部(36)(35)は、互いに平行に配置された梁(4
1a,41b)にて連結・支持され、前記一方の剛体部
に対して前記他方の剛体部を平行に変位してなり、これ
ら梁の長手方向と前記微小変位アクチュエータ(50)
の変位方向とが略々平行である、請求項1又は2記載の
微小変位装置にある。
【0012】なお、上記梁は、略々全長に亘り可撓性を
有する薄肉平板からなる梁を含むことは勿論、両端部分
に回転対偶(いわゆる弾性ヒンジ)を有する剛体からな
る梁を含むものである。
【0013】請求項4に係る本発明は、前記一方の剛体
部(35,36)に前記微小変位アクチュエータ(5
0)の基端部(50a)を固定し、該一方の剛体部(4
6)に臨んで、前記微小変位アクチュエータの先端部
(50b)が当接して力点となる前記連係部(7b)を
配置してなる、請求項1ないし3のいずれか記載の微小
変位装置にある。
【0014】請求項5に係る本発明は(例えば図5,図
6,図8,図9参照)、相対移動自在に支持された少な
くとも2個の剛体部(35,46)(36)と、前記2
個の剛体部に相対変位を生じる微小変位アクチュエータ
(50)と、を備えてなる微小変位装置において、前記
2個の剛体部にそれぞれ連結されると共に前記微小変位
アクチュエータに連係し、前記2個の剛体部の内の一方
(35)に連結する連結部(43,43’)を支点と
し、他方(36)に連結する連結部(42)を作用点と
し、前記微小変位アクチュエータ(50)との連係部
(7)(49a)を力点として、前記一方の剛体部との
間で前記微小変位アクチュエータが前記力点に生じる変
位を、変倍して前記作用点から前記他方の剛体部へ伝達
する変位変更手段(37,37’,49)を備え、該変
位変更手段における前記力点(7,49a)、前記支点
(43,43’)及び作用点(42)となる連係部又は
連結部の少なくとも2個を、異なる平面に配置してな
る、ことを特徴とする微小変位装置にある。
【0015】なお、上記平面とは、該平面と直交する方
向にある幅を有しており、上記異なる平面とは、ある幅
を有する平面(空間)に力点、支点及び作用点の一部が
配置され、それと異なる平面(空間)に他の部分が配置
されることを意味する。
【0016】請求項6に係る本発明は、前記力点となる
連係部(7,49a)と、前記支点となる連結部(4
3,43’)とを、異なる平面にて近接して配置し、前
記変位変更手段(37,37’,49)が、変位拡大機
構として機能してなる、請求項5記載の微小変位装置に
ある。
【0017】請求項7に係る本発明は、前記2個の剛体
部(35,46)(36)と、これら剛体部を相対移動
自在に連結・支持する梁(41a,41b)と、前記変
位変更手段の一部分(37,37’)とを、一体物とし
て設け、前記一方の剛体部(35)に固定される結合剛
体部(46)と、該結合剛体部に一端が固定される前記
微小変位アクチュエータ(50)と、前記変位変更手段
の一部(37,37’)に固定される他の部分(49)
とを、前記一体物に隣接して並設してなる、請求項5又
は6のいずれか記載の微小変位装置にある。
【0018】請求項8に係る本発明は、前記力点となる
連係部は、前記変位変更手段に貫通・螺合された調整ス
クリューの先端(7a)当接部である、請求項1ないし
7のいずれか記載の微小変位装置にある。
【0019】請求項9に係る本発明は(例えば図5参
照)、前記作用点となる連結部(42)は、前記剛体部
(36)の相対移動方向に延びる薄肉平板からなり、前
記支点となる連結部(43)は、前記互いに直交する方
向に延びる2個の薄肉平板(43a)からなる、請求項
1ないし8のいずれか記載の微小変位装置にある。
【0020】請求項10に係る本発明は(例えば図8参
照)、前記作用点となる連結部(42)は、前記剛体の
相対移動方向に延びる薄肉平板からなり、前記支点とな
る連結部は、前記一方の剛体部(35)に植設されたピ
ン(43’)である、請求項1ないし8のいずれか記載
の微小変位装置にある。
【0021】なお、上記カッコ内の符号は、図面と対照
するためのものであるが、これは、実施の形態との対応
を容易にして理解の迅速化を図る便宜的なものであり、
これにより請求項の構成に何等影響を及ぼすものではな
い。
【0022】
【発明の効果】請求項1に係る本発明によると、変位変
更手段の力点に微小変位アクチュエータから作用する変
位方向と、作用点から他方の剛体部に作用する変位方向
とが、略々90度異なるので、微小変位アクチュエータ
の長手方向に規定されることなく、微小変位装置をコン
パクト、特に薄く構成することができる。
【0023】請求項2に係る本発明によると、変位変更
手段は、第1の剛体部と、該第1の剛体部と略々直交す
る第2の剛体部とを有するので、上述した力点方向と作
用点方向とを略々90度異ならせることを容易に行わせ
ることができ、かつ第1の剛体部と微小変位アクチュエ
ータの長手方向とを略々平行に配置して、微小変位装置
をコンパクト、特に薄く構成することができる。
【0024】請求項3に係る本発明によると、2個の剛
体部を連結・支持する平行梁の長手方向が、微小変位ア
クチュエータの変位方向(長手方向)と略々平行に配置
されるので、微小変位装置は、その変位方向に対して薄
く構成することができ、単軸、又はXY方向に付加した
Z方向の微小変位装置として、更にはXYZ方向の微小
変位装置に適用して、コンパクト化を可能とすることが
でき、特にXYZ方向変位装置の上方にZ方向変位部を
設けてXYZ方向変位装置を構成する場合、該Z方向変
位部に上記微小変位装置を適用して、変位方向であるZ
方向に対して薄く構成して、コンパクトな微小変位装置
を提供することができる。
【0025】請求項4に係る本発明によると、固定側と
なる一方の剛体部に微小変位アクチュエータの基端部を
固定すると共に、該一方の剛体部に臨んで、上記アクチ
ュエータの先端部が当接して力点となる連係部を配置し
たので、微小変位装置をコンパクトに構成し得ると共に
製造が容易となる。
【0026】請求項5に係る本発明によると、変位変更
手段は、力点、支点及び作用点の少なくとも2個を異な
る平面に配置されるので、これら2個は互いに干渉する
ことなく近接して配置することが可能となり、大きなて
こ比を得ることができ、コンパクトな構成にて、微小変
位アクチュエータと移動側となる一方の剛体部との間で
所望の変倍を得ることができる。
【0027】請求項6に係る本発明によると、力点とな
る連係部と、支点となる連結部とを、異なる平面に近接
して配置し、コンパクトな構成にて、拡大比の大きなて
こからなる変位拡大機構を得ることができ、例えばXY
Z方向微小変位装置におけるZ方向変位部に適用して、
コンパクトな微小変位装置を得ることができる。
【0028】請求項7に係る本発明によると、一体物と
して構成した2個の剛体部撓み梁及び変位変更手段の一
部と、微小変位アクチュエータ、それを固定する結合剛
体部及び上記変位変更手段の他の部分とを隣接して並設
し、簡単な製造方法にて異なる平面からなる変位変更手
段を有する微小変位装置を得ることができる。
【0029】請求項8に係る本発明によると、変位変更
手段に螺合した調整スクリュー先端を微小変位アクチュ
エータに当接して力点としたので、調整スクリューの手
動操作により大体の位置決め調整ができ、この状態で微
小変位アクチュエータにより微小範囲での位置調整を行
って、使い勝手のよい微小変位装置を得ることができ
る。
【0030】請求項9に係る本発明によると、一方の連
結部を移動方向に延びる薄肉平板にて形成し、他方の連
結部を互いに直交する方向に延びる2個の薄肉平板とし
たので、拡大変更手段を、回動支点となる連結部も含め
てすべて薄肉平板により構成し、放電加工機により1ブ
ロックから成形することが可能となる。
【0031】請求項10に係る本発明によると、回動支
点となる連結部を、一方の剛体部に植設されたピンとす
るので、該回動支点、ひいては変位変更部の剛性を高め
て信頼性を向上することができる。
【0032】
【発明の実施の形態】以下、図面に沿って、本発明の実
施の形態について説明する。図1及び図2は、本発明に
係るXYZ方向の微小変位装置(位置決め装置)の組立
てられた状態での外観を示す図で、該微小変位装置1
は、平面視略々正方形からなり、基台に固定又は載置さ
れる基盤2と、微細動を要求される移動部材に連結され
る移動ステージ3とを有しており、該移動ステージ3
は、X,Y,Zの3方向に微小変位(位置決め)し得
る。なお、移動ステージ3は、平面視(図1(a)参
照)略々矩形状(角部分が切欠かれている)からなり、
上面3a、各辺において直交する方向に垂下する各側面
3b,3c,3d,3eを有しており、側面3bにX方
向移動確認装置10(図2(b)参照)、側面3cにY
方向移動確認装置11及びZ方向移動確認装置12が設
けられている。該移動ステージ3を粗動して、大体の位
置決めをするX方向調整スクリュー5、Y方向調整スク
リュー6、Z方向調整スクリュー7がそれぞれ設けられ
ている。なお、これら調整スクリューは、図示のように
単純な調整ネジでもよく、また周知のマイクロメータで
もよい。また、13は、コントローラ等に接続する端子
である。
【0033】図3は、XY方向の変位部分を示す図で、
図1及び2において、Z方向変位部分及び移動ステージ
3を取り外した図であり、また端子等の説明に不要な部
分は省略してある。該XY変位部分Iは、1個の金属ブ
ロックをワイヤカット放電加工機により加工して構成さ
れた固定部15、X方向変位拡大部(変位変更手段)1
6、X方向移動部17、Y方向変位拡大部(変位変更手
段)18、Y方向移動部24を有しており、これら各部
は剛体部からなる。
【0034】固定部15は、前記基盤2にネジ14(図
7(b)参照)にて固定されており、一側面(図中右側
面)に開口する圧電アクチュエータ収納部15a及びX
方向移動部17側に開口する凹部15bを有している。
該固定部15とX方向移動部17とは、左右側面部に離
れて配置された平行な2個の撓み梁19a,19bにて
互に連結されており、これら撓み梁19a,19bは、
薄肉平板からなりかつ固定部及びX方向移動部に一体に
形成されて連結されている。従って、X方向移動部17
は、固定部15に対して、上記平行な撓み梁19a,1
9bが撓み変形することによりX方向に平行に移動し得
る。
【0035】前記収納部15aには、所定数のピエゾ素
子を積層して微小変位アクチュエータを構成する圧電ア
クチュエータ20がその一端を該収納部の底面に固定し
て配置されており、また前記凹部15bには、固定部1
5とX方向移動部17とに亘って板ばね21がその両端
を固定されてかつ所定量偏倚されて配置されている。ま
た、前記一体ブロックからなる固定部15及びX方向移
動部17の一側方(図面右側)の外側には、X方向変位
拡大部16が配置されている。該X方向変位拡大部16
は、固定部15との間で一体に形成されている薄肉平板
の撓み梁からなる連結部22と、X方向移動部17との
間で一体に形成されている同じく薄肉平板の撓み梁から
なる連結部23とによりそれぞれ固定部及びX方向移動
部17に連結されており、かつその一端部にネジ孔が貫
通されて前記X方向調整スクリュー5が螺合している。
該スクリュー5の操作ノブ5aは外方に突出して位置し
ており、かつその先端5bは前記圧電アクチュエータ2
0の他端に当接している。
【0036】従って、前記圧電アクチュエータ20及び
X方向変位拡大部16は、2個の剛体部からなる固定部
15及びX方向移動部17と、これらを連結する撓み梁
19a,19bとにより囲まれた空間部Cの外側に配置
されている。また、前記X方向変位拡大部16は、前記
一方の撓み梁19aの外側を覆うように略々平行に配置
されており、また前記薄肉の両連結部22,23は、上
記変位拡大部の長手方向と直交する方向に延びて、それ
ぞれ回動支点を構成しており、従って固定部側連結部2
2が支点、X方向移動部側連結部23が作用点、そして
圧電アクチュエータ20に当接する調整スクリュー5部
分が力点となって、上記変位拡大部16は、拡大てこ機
構を構成している。なお、前記板ばね21は、固定部1
5に対してX方向移動部17を矢印X1方向に付勢して
おり、従って作用点連結部23を介してX方向変位拡大
部16を、支点連結部22を中心に時計方向に回転付勢
し、力点であるスクリュー5の先端5bが、常に圧電ア
クチュエータ20に当接するように付勢している。
【0037】一方、前記X方向移動部17は、前記固定
部の収納部15aに対して直交する方向に延びて一側面
(図中上側面)にて開口する圧電アクチュエータ収納部
17aと、Y方向移動部24用の凹部17bを有してお
り、かつ該X方向移動部17とY方向移動部24とは、
該Y方向移動部を挟むように配置された平行な2個の撓
み梁25a,25bにて互に連結されている。これら撓
み梁25a,25bは、先に説明した撓み梁19aと同
様に、薄肉平板からなりかつX方向及びY方向移動部に
一体に形成されて連結されており、かつ前記撓み梁19
a,19bとは直交する方向に延びている。従って、Y
方向移動部24は、X方向移動部17に対して、上記平
行な撓み梁25a,25bが撓み変形することによりY
方向に平行に移動し得る。なお、上記X方向移動部17
は、上述したように、X方向に対して固定部15に対し
て移動部を構成するが、Y方向に対しては、Y方向移動
部24に対する固定部となる。
【0038】前記収納部17aには、先のX方向と同様
な所定数のピエゾ素子を積層した圧電(微小変位)アク
チュエータ26がその一端を該収納部の底面に固定され
て配置されており、また上記凹部17bにはY方向移動
部24が配置されている。更に、X方向移動部17とY
方向移動部24との間には板ばね27がその両端が固定
されてかつ所定量偏倚されて配置されており、かつ該板
ばね27は先の板ばね21とその付勢方向が直交する向
きに配置されている。また、一体ブロックからなる前記
X方向移動部17及びY方向移動部24の一側方(図面
上側)には前記Y方向変位拡大部18が配置されてい
る。
【0039】従って、前記圧電アクチュエータ26及び
Y方向変位拡大部18は、2個の剛体部からなるX方向
移動部17及びY方向移動部部24と、これらを連結す
る撓み梁25a,25bとにより囲まれた空間部Cの外
側に配置されている。また、該Y方向変位拡大部18
は、前記一方の撓み梁25aの外側を覆うように略々平
行に配置されており、X方向移動部17との間で一体に
形成されている薄肉の連結部29と、Y方向移動部24
との間で一体に形成されている薄肉の連結部30とによ
りそれぞれX方向移動部17及びY方向移動部24に連
結されている。更に、該変位拡大部18の一端部にネジ
孔が貫通されて前記Y方向調整スクリュー6が螺合して
おり、該スクリューの操作部6aが外方に突出して位置
しており、かつその先端部6bは前記圧電アクチュエー
タ26の他端に当接している。前記薄肉の両連結部2
9,30は上記変位拡大部18の長手方向と直交する方
向に延びて回動支点を構成しており、従ってX方向移動
部側連結部30が支点、Y方向移動部側連結部29が作
用点、そして圧電アクチュエータ26に当接する調整ス
クリュー6部分が力点となって、上記変位拡大部18は
拡大てこ機構を構成している。
【0040】なお、上記板ばね21は、X方向移動部1
7に対してY方向移動部24を矢印Y1方向に付勢して
おり、従って作用点連結部29を介して変位拡大部18
を、支点連結部30を中心に時計方向に回動付勢して、
調整スクリュー6の先端6bが圧電アクチュエータ26
の他端に常に当接するように付勢している。また、前述
したように、XY方向とも、一方の撓み梁19a,25
aは、その外側を変位拡大部16,18に覆われて保護
されているが、他方の撓み梁19b,25bは、固定部
15、X方向移動部17のに内部に設けられて、外から
のダメージを受けることはない。
【0041】ついで、上述したXY方向部分Iの作用に
ついて説明する。X方向の粗動変位調整(位置決め)
は、X方向調整スクリュー5をノブ5aにて回転するこ
とにより行われ、この際、圧電アクチュエータ20は電
圧が供給されていない状態では一定長さに維持されてい
るので、上記スクリューの進退に基づき、X方向変位拡
大部16が支点連結部22を中心に回動して、平行撓み
梁19a,19bにて支持されているX方向移動部17
を、作用点連結部23を介して固定部15に対してX方
向に移動する。
【0042】同様に、Y方向の粗動位置調整(位置決
め)はY方向調整スクリュー6をノブ6aにて回動する
ことにより行われ、先端6bが圧電アクチュエータ26
に当接して固定状態にあるので、Y方向変位拡大部18
が支点連結部30を中心に回動して、平行撓み梁25
a,25bにて支持されているY方向移動部24を、作
用点29を介してX方向移動部17に対してY方向に移
動する。これにより、固定部15と一体の基盤2に対し
て、後述するZ方向変位部を介して前記Y方向移動部2
4とXY方向に一体の移動ステージ3が、上記調整スク
リュー5,6によりX方向及びY方向に粗動位置調整さ
れる。
【0043】該粗動位置調整された状態で、コントロー
ラにより圧電アクチュエータ20,26に所定電圧を供
給する。該圧電アクチュエータは、その供給電圧と変位
との間に所定関係を備えており、上記所定電圧の印加に
より所定の微小変位を生ずる。この状態では、調整スク
リュー5,6は所定螺合状態に保持されており、かつ上
述したように、板ばね(付勢手段)21,27によりス
クリューの先端5b,6bと圧電アクチュエータ20,
26の先端とは常に当接した状態にあり、上述した圧電
アクチュエータ20,26の微小変位は、それぞれX方
向変位拡大部16及びY方向変位拡大部18の力点であ
るスクリュー部分に作用し、これら変位拡大部16,1
8は、支点連結部22,30を支点として、作用点連結
部23,29に変位を拡大して作用する。一例として、
圧電アクチュエータ20,26の最大変位が約17[μ
m]であり、上記変位拡大部16,19によるてこ比に
より、5〜11倍に拡大されて、作用点での変位は、8
5〜187[μm]となる。
【0044】そして、上述した調整スクリュー5,6に
よる粗動と同様に、上記圧電アクチュエータ16に基づ
く変位拡大部16の作用点連結部23の変位は、平行な
2個の撓み梁19a,19bにより固定部15に対して
平行支持されているX方向移動部17をX方向に移動
し、また上記圧電アクチュエータ26に基づく変位拡大
部18の作用点連結部29の変位は、平行な2個の撓み
梁25a,25bによりX方向移動部に対して平行支持
されているY方向移動部24をY方向に移動し、これに
より該Y方向移動部にZ方向変位部を介して連動されて
いる移動ステージ3が、X方向及びY方向に所定量微小
変位する。
【0045】ついで、図4ないし図6に沿って、本発明
の要部となるZ方向変位部分について説明する。該Z方
向変位部分IIは、図4に示すように、前記XY変位部分
Iの上部において長手方向をY軸方向に向けて配置され
ており、図5(a)に示す拡大変位・移動部Aと、図5
(b)に示す駆動部Bの2部分からなる。上記拡大変位
・移動部Aは、1個の金属ブロックを放電加工により加
工された一体物からなる固定部35、Z方向移動部36
及びZ方向変位拡大部(変更手段)37を有しており、
上記各部は剛体部からなる。そして、上記固定部35
は、前述したY方向移動部24にネジ39(図2(b)
参照、ネジ孔を図3に39a,39aに示す)により固
定されており、またZ方向移動部36は、ネジ40(図
2(b)参照、図5(a)に1点鎖線でまた図4及び図
6(a)にネジ孔40a,40aを示す)により移動ス
テージ3に固定されている。
【0046】そして、上記固定部35及びZ方向移動部
36は、一体に形成されかつ上下方向に隔てられて配置
された薄肉平板からなる平行の2個の撓み梁41a,4
1bにより互に連結されている。従って、Z方向移動部
36は、固定部35に対して上下方向即ちZ方向に、上
記互に平行な2個の撓み梁41a,41bが撓み変形す
ることにより移動(変位)し得る。また、固定部35と
移動部36との間には、両端が固定されてかつ所定量偏
倚されて板ばね44が配置されている。なお、上記固定
部35は、Y方向移動部24に一体に固定されており、
該Y方向移動部24は、Y方向に対してはX方向移動部
17を固定部として移動部となるが、Z方向に対して
は、Z方向移動部36に対する固定部となる。
【0047】また、前記Z方向変位拡大部37は、上記
固定部35、移動部36及び2個の平行撓み梁41a,
41bに囲まれて配置されており、かつその両端部がそ
れぞれ一体に形成されている薄肉からなる連結部(弾性
ヒンジ)42,43にて連結されている。一方の連結部
42は上下方向に延びており、従って該連結部42は、
上下方向(Z方向)には一体に移動し、左右方向(Y方
向)に対して相対移動を許容する。他方の連結部43
は、短いが水平方向(Y方向)に延びる部分43aと、
上下方向(Z方向)に延びる部分43bとからなり、従
って該連結部43は、上方向(Z方向)及び左右方向
(Y方向)の移動を制限し、概ね回動支点となる。
【0048】一方、駆動部Bは、前記固定部35とネジ
45,45(図5(a)にネジ孔45a,45aを示
す)により一体に結合されている結合固定部46と、前
記拡大変位部37にネジ47,47(図5(a)にネジ
孔47a,47aを示す)により一体に結合されている
結合拡大変位部49と、を有し、これら各部は剛体部か
らなる。上記結合固定部46の一端にて上方に延びてい
る突出部46aには、前述と同様な複数個のピエゾ素子
を積層して構成される圧電アクチュエータ50の一端5
0aが固定されている。また、上記結合拡大変位部49
の他端にて上方に延びている突出部49aには前記Z方
向調整スクリュー7がその操作ノブ7aを前記Y方向調
整スクリュー6と同じ側にて外方に突出して螺合されて
いる。該スクリューの先端7bは、前記圧電アクチュエ
ータ50の他端50bに当接し、かつ前述と同様に、板
ばね44により該当接が常に保持されている。
【0049】そして、図6に示すように、上記拡大変位
移動部Aと駆動部Bとは、互に並設して一体に結合され
ている。従って、上記変位拡大部37は、2方向連結部
43が回動支点となり、他方の連結部42が作用点とな
る。また、上記圧電アクチュエータ50に当接するスク
リューの先端7bは力点となるが、該力点は、上記作用
点及び回動支点を有する空間とはX方向にずれた、異な
る空間に配置されている。即ち、該Z方向変位拡大部3
7(49)は、その回動支点43と力点7b(49a)
とが、回動支点の軸方向に所定量ずれて配置されてお
り、これにより、同一平面上に位置するものに比して、
支点と力点とを近づけて配置することが可能となり、コ
ンパクトな構成にて所定量拡大した、てこ比を得ること
ができる。
【0050】なお、上記平面とは、図5(a)(b)及
び図6(a)に示すように、該平面と直交する方向に所
定幅を有する平面(空間)を意味しており、図5(a)
に示す作用点連結部42及び支点連結部43と、力点と
なるスクリュー7及びその螺合部分49aが異なる平面
(空間)に位置することを意味し、これら平面空間は、
図に示すように、完全に異なる空間でも、一部幅方向に
オーバラップする空間も含む。また、図4に示すよう
に、該一体に組立てられたZ方向変位部分IIは、XY方
向変位部分Iの略々中央部分上部にその長手方向をY方
向として配置され、かつ移動ステージ3がその上方に被
せられている。
【0051】また、上記一体に固定されている変位拡大
部(37,49)は、圧電アクチュエータ50の長手方
向に略々平行に延びる(第1の)剛体部(37,49)
と、該剛体部と一体に形成されかつ略々90度座屈され
た突出部(第2の剛体部)49aとを有しており、該突
出部49aに前記アクチュエータ50の先端が当接(連
係)して力点を構成している。
【0052】ついで、上記Z方向変位部分IIの作用につ
いて説明する。Z方向の位置調整(位置決め)は、XY
方向と同様に、大体の調整(粗動調整)に関してはZ方
向調整スクリュー7を人手にて調整することにより行わ
れ、微小範囲の調整(微動調整)に関しては圧電アクチ
ュエータ50に所定電圧を印加することにより行われ
る。
【0053】調整スクリュー7又は圧電アクチュエータ
50は、その長手方向に変位し(Fy方向)、力点とな
るスクリュー先端7bを介してZ方向変位拡大部37,
49の突出部(第2剛体部)49aに矢印Fy方向の力
を作用し、これにより該突出部49aは、支点となる連
結部43を中心に略々矢印Fy方向に変位する。そし
て、上記支点連結部43を中心として変位拡大部の回動
は、作用点連結部42を介してZ方向移動部(他方の剛
体部)36に、上記矢印Fyと略々直交する方向(矢印
Fz)の変位(力)として作用する。
【0054】一方、上記圧電アクチュエータ50等によ
るZ方向変位拡大部37,49の力点49aの移動は、
該力点と異なる平面における支点連結部43を中心に上
記変位拡大部37を回動して、作用点連結部42に移動
量を拡大して作用する。そして、該作用点42の移動
は、2個の平行撓み梁41a,41bにより固定部35
に対して支持されているZ方向移動部36をZ方向に移
動する。なお、板ばね44は、固定部35に対してZ方
向移動部36を矢印Z1方向に付勢し、更に連結点42
を介して変位拡大部37,49を支点連結部43を中心
に反時計方向(図5(a))に付勢し、これによりスク
リュー7の先端7bが圧電アクチュエータ50の他端に
常に接触するように付勢している。
【0055】従って、前述したように、基盤2に固定さ
れている固定部15に対して、X方向調整スクリュー5
及び/又は圧電アクチュエータ20によりX方向移動部
17がX方向に移動し、更に該X方向移動部17に対し
て、Y方向調整スクリュー6及び/又は圧電アクチュエ
ータ26によりY方向移動部24がY方向に移動し、そ
して該Y方向移動部19に対して、上述したように、Z
方向調整スクリュー7及び/又は圧電アクチュエータ5
0によりZ方向移動部36がZ方向に移動する。これに
より、該Z方向移動部36に固定されている移動ステー
ジ3が、X,Y,Z方向に移動する。なお、上述した調
整スクリュー5,6,7のノブ5a,6a,7aによる
移動ステージ3の移動は、ノブの手動操作と相俟って目
視で確認することは可能であるが、圧電アクチュエータ
20,26,50による微小範囲での移動ステージ3の
移動は、目視で確認することは困難である。
【0056】ついで、目視による移動確認装置につい
て、図7及び図2に沿って説明する。基盤2に固定され
ている固定部15の上面には、図7(a),(b),
(c)に示すように、2側面に平行にL型ブラケット6
0,61がそれぞれネジ62,63により固定されてい
る。X方向に平行する一方の側面(移動ステージ3の側
面3b側)に平行面を有するブラケット60には、所定
角度θ傾けて固定側部材となる枠65が固定されてお
り、Y方向に平行する一方の側面(移動ステージ3の側
面3c側)に平行面61aを有するブラケット61に
は、同様に、所定角度θ傾けて固定側部材となる2個の
枠66,67が固定されている。一方、上記各固定枠6
1,66,67に対応する移動ステージ3の側面3b,
3cには、図2に示すように、それぞれ各固定枠に対向
して移動側部材となる切欠き窓69,70,71が形成
されている。
【0057】そして、前記各固定枠61,66,67及
び窓69,70,71には、それぞれ等間隔、例えば
0.1[mm]にエッチング等にて形成された格子10
a,10b,11a,11b,12a,12bが配設さ
れている。従って、互に対向する各格子10aと10
b,11aと11b,12aと12bは、所定角度θ傾
斜して対向配置されるため、上記格子と直交する方向に
正弦波状のモアレ縞を現出する。該モアレ縞の波長L
は、上記格子のピッチをPとし、上記所定角度をθとす
ると、L=P/θとなり、角度θの値を小さく取ること
によって、モアレ縞の移動量は、格子の移動量よりも拡
大された大きな移動量となって目視される。例えば、上
記角度θを5度とすると、モアレ縞の移動量は、格子の
移動量の略々11倍となって目視される。
【0058】上記枠65と窓69に配置された格子10
a,10bは、垂直方向に設けられていると共に、X方
向に移動する側の側面3bに配置されており、従って移
動ステージ3のX方向の動きにより、上記モアレ縞が拡
大して移動して、X方向の移動確認装置10を構成し、
また上記枠66と窓70に配置された格子11a,11
bも、垂直方向に設けられていると共に、Y方向に移動
する側の側面3cに配置されており、従って移動ステー
ジ3のY方向の動きにより、上記モアレ縞が拡大して移
動して、Y方向の移動確認装置11を構成する。更に、
上記枠67と窓71に配置された格子12a,12b
は、水平方向に設けられており、かつ移動ステージのZ
方向移動に関してはどの側面でも同じであるが、配置効
率及びスペース効率からみて、Y方向確認装置と同じ側
面3cに配置され、従って移動ステージ3のZ方向の動
きにより上記モアレ縞が拡大して移動して、Z方向の移
動確認装置12を構成する。
【0059】上記構成により、圧電アクチュエータ2
0,26,50に基づき移動ステージ3が微小範囲にて
X,Y,Z方向に移動すると、前記各方向の移動確認装
置10,11,12のモアレ縞が目視にて充分に確認で
きるように拡大して移動し、これにより、移動ステージ
3が、X方向、Y方向、Z方向に実際に移動しているこ
とを目視により確認できる。もし、圧電アクチュエータ
への電圧印加によっても、該圧電アクチュエータに対応
する移動確認装置のモアレ縞の移動が目視できない場
合、該移動方向の圧電アクチュエータ又はその配線等に
異常があることが直ちに確認できる。
【0060】ついで、図8及び図9に沿って、Z方向変
位部分の一部変更した実施の形態について説明する。な
お、本実施の形態は、Z方向変位拡大部37の回動支点
43が異なり、他の部分は、図5,図6に示したものと
実質的に同じなので、同一符号を付して説明を省略す
る。
【0061】本Z方向変形部分II’も、図8(a)
(b)に示すように、拡大変位移動部Aと、駆動部Bと
からなり、図9に示すように、これら両部が互いに並設
して一体に結合されている。拡大変位・移動部Aは、1
個の金属ブロックを放電加工により形成された一体物か
らなる固定部35、Z方向移動部36及びZ方向変位拡
大部(変更手段)37’を有しており、これら各部は剛
体部からなり、かつ固定部35及びZ方向移動部36
は、薄肉平板からなる2個の平行な撓み梁41a,41
bにより連結されている。前記変位拡大部37’におい
て、その作用点となる連結部42は先のものと同様に、
垂直方向に延びる薄肉平板により一体に連結して構成さ
れているが、回動支点となる連結部は、該図8(a)に
示す平面にあってはZ方向移動部35と連結されていな
い。
【0062】一方、駆動部Bは、前記固定部35とネジ
45,45により一体に結合さている結合固定部46
と、前記変位拡大部37’にネジ47,47により結合
されている結合変位拡大部49とを有しており、結合固
定部46の一端にて上方に延びている突出部46aに
は、積層ピエゾ素子からなる圧電アクチュエータ50の
一端が固定されている。
【0063】また、前記結合変位拡大部49は、前記ネ
ジ47にて固定された点から図中右方向に延びており、
該結合変位拡大部49と、前記変位拡大部37’とはX
軸方向に異なる平面に配置されている。そして、前記固
定部35に形成されたピン孔43’c(図8(a)参
照)にはピン43’が植設されており、該ピン43’
に、前記変位拡大部49の延長部49bが回動自在に支
持されている。更に、該延長部の端は上方に屈曲して突
出部49aを形成しており、該突出部49aにはZ方向
調整スクリュー7が貫通・螺合して、その先端7aが前
記圧電アクチュエータ50の他端に当接している。
【0064】従って、一体からなる変位拡大部37’と
結合変位拡大部49は、固定部35に植設されたピン4
3’により回動自在に支持されており、該回動支点4
3’の固定部連結点は、固定部35、即ち図8(a)に
示す平面にある。一方、力点となるスクリュー7b部分
は、圧電アクチュエータ50と同一平面である図8
(b)に示す平面にある。即ち、変位拡大部49は、そ
の支点となる連結部43’と力点となる連結部7(49
a)とが異なる平面にあって、互いに近接して位置して
いる。
【0065】以上構成に基づき、調整スクリュー7又は
圧電アクチュエータ50による矢印Fy方向の力は、変
位拡大部(結合変位拡大部39)37’,49の力点と
なる突出部(第2の剛体部)49aを矢印Fy方向に移
動し、更に変位拡大部は、ピン43’からなる支点連結
部を中心に回動して、作用点連結部42に、矢印Fz方
向に移動量を拡大して作用する。該作用点42の移動
は、2個の平行撓み梁41a,41bにより固定部35
に対して支持されているZ方向移動部36を矢印Fz
(Z)方向に移動する。なお、先の実施の形態による連
結点43(図5(a)参照)は、水平方向薄肉平板43
b及び垂直方向薄肉平板43aからなる2方向撓み梁に
より回動支点としているが、このため水平(左右)方向
及び垂直(上下)方向、特に上下方向の支持に対して剛
性が不足する虞れがあるが、本実施の形態によるピン4
3’は、固定部36に対して植設されて充分な剛性を備
えている。
【0066】また、上述した異平面連結点による変位拡
大機構(部)は、Z方向微小変位装置に適用した実施の
形態について説明したが、これに限らず、X,Y,Z方
向微小変位装置及びθx,θy方向の微小変位装置に適
用してもよく、更に単軸方向のみの変位装置、又はXY
方向の変位装置、θx又はθy方向のみの変位装置にも
同様に適用できる。また、前記変位拡大機構は、てこ比
を拡大として用いているが、これは、圧電アクチュエー
タのストロークの増大及び更に微小な変位(サブμmオ
ーダ、nmオーダ)の位置決めの要求等により、てこ比
を縮小するように用いてもよく、要はてこ機構による位
置変更手段であればよい。また、前記2個の剛体部3
5,36は、薄肉平板からなる撓み梁41a,41bで
連結・支持したが、これに限らず、切欠き部からなる回
転対偶(弾性ヒンジ)と剛体からなる梁とで連結・支持
してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るXYZ方向微小変位装置を示す図
で、(a)は背面図、(b)は平面図。
【図2】同じく微小変位装置を示す図で、(a)正面
図、(b)は側面図。
【図3】XY方向変位部分を示す平面図。
【図4】移動ステージを取外した状態の微小変位装置の
正面図。
【図5】Z方向変位部分を示す正面図で、(a)は拡大
変位・移動部、(b)は駆動部を示す。
【図6】組立てられたZ変位部分を示し、(a)は平面
図、(b)は平面図、(c)は背面図。
【図7】移動ステージ及びZ方向変位部分を取外した状
態の微小変位装置を示す図で、(a)は正面図、(b)
は右側面図、(c)は正面図。
【図8】Z方向変位部分を示す一部変更した実施の形態
であり、(a)は拡大変位・移動部、(b)は、駆動部
を示す。
【図9】図8に係る組立てられたZ方向部分を示す正面
図。
【符号の説明】
1 微小変位装置 7 調整スクリュー 35 (一方の)剛体部(固定部) 36 (他方の)剛体部(Z方向移動部) 37,37’ 変位変更手段(変位拡大部) 41a,41b 連結支持部(撓み梁) 42 連結部(作用点) 43,43’ 連結部(支点) 46 結合剛体部(固定部) 49 変位変更手段(結合変位拡大部) 50 微小変位(圧電)アクチュエータ 49a,7b 力点となる連係部
フロントページの続き (72)発明者 山口 三雄 東京都墨田区緑1−19−9 シグマ光機株 式会社東京本社ビル内 Fターム(参考) 2F078 CA01 CA10 CB09 CB10 CB14 CB18 CC02 CC03 5H303 AA05 AA06 DD14 QQ01 QQ08

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 相対移動自在に支持された少なくとも2
    個の剛体部と、前記2個の剛体部に相対変位を生じる微
    小変位アクチュエータと、を備えてなる微小変位装置に
    おいて、 前記2個の剛体部にそれぞれ連結されると共に前記微小
    変位アクチュエータに連係し、前記2個の剛体部の内の
    一方に連結する連結部を支点とし、他方に連結する連結
    部を作用点とし、前記微小変位アクチュエータとの連係
    部を力点として、前記一方の剛体部との間で前記微小変
    位アクチュエータが前記力点に生じる変位を、変倍して
    前記作用点から前記他方の剛体部へ伝達する変位変更手
    段を備え、 前記力点に前記微小変位アクチュエータから作用する変
    位方向と、前記作用点から前記他方の剛体部に作用する
    変位方向とが、略々90度異なる、 ことを特徴とする微小変位装置。
  2. 【請求項2】 前記変位変更手段は、剛体からなり、前
    記微小変位アクチュエータの長手方向と略々平行に延び
    る第1の剛体部と、該第1の剛体部と略々直交する方向
    に延びる第2の剛体部と、を有し、 前記第1の剛体部を、前記作用点となる連結部にて前記
    他方の剛体部に連結し、前記第2の剛体部を、前記力点
    となる連係部にて前記微小変位アクチュエータに連係し
    てなる、 請求項1記載の微小変位装置。
  3. 【請求項3】 前記2個の剛体部は、互いに平行に配置
    された梁にて連結・支持され、前記一方の剛体部に対し
    て前記他方の剛体部を平行に変位してなり、 これら梁の長手方向と前記微小変位アクチュエータの変
    位方向とが略々平行である、 請求項1又は2記載の微小変位装置。
  4. 【請求項4】 前記一方の剛体部に前記微小変位アクチ
    ュエータの基端部を固定し、該一方の剛体部に臨んで、
    前記微小変位アクチュエータの先端部が当接して力点と
    なる前記連係部を配置してなる、 請求項1ないし3のいずれか記載の微小変位装置。
  5. 【請求項5】 相対移動自在に支持された少なくとも2
    個の剛体部と、前記2個の剛体部に相対変位を生じる微
    小変位アクチュエータと、を備えてなる微小変位装置に
    おいて、 前記2個の剛体部にそれぞれ連結されると共に前記微小
    変位アクチュエータに連係し、前記2個の剛体部の内の
    一方に連結する連結部を支点とし、他方に連結する連結
    部を作用点とし、前記微小変位アクチュエータとの連係
    部を力点として、前記一方の剛体部との間で前記微小変
    位アクチュエータが前記力点に生じる変位を、変倍して
    前記作用点から前記他方の剛体部へ伝達する変位変更手
    段を備え、 該変位変更手段における前記力点、前記支点及び作用点
    となる連係部又は連結部の少なくとも2個を、異なる平
    面に配置してなる、 ことを特徴とする微小変位装置。
  6. 【請求項6】 前記力点となる連係部と、前記支点とな
    る連結部とを、異なる平面にて近接して配置し、 前記変位変更手段が、変位拡大機構として機能してな
    る、 請求項5記載の微小変位装置。
  7. 【請求項7】 前記2個の剛体部と、これら剛体部を相
    対移動自在に連結・支持する梁と、前記変位変更手段の
    一部分とを、一体物として設け、 前記一方の剛体部に固定される結合剛体部と、該結合剛
    体部に一端が固定される前記微小変位アクチュエータ
    と、前記変位変更手段の一部に固定される他の部分と
    を、前記一体物に隣接して並設してなる、 請求項5又は6記載の微小変位装置。
  8. 【請求項8】 前記力点となる連係部は、前記変位変更
    手段に貫通・螺合された調整スクリューの先端当接部で
    ある、 請求項1ないし7のいずれか記載の微小変位装置。
  9. 【請求項9】 前記作用点となる連結部は、前記剛体部
    の相対移動方向に延びる薄肉平板からなり、前記支点と
    なる連結部は、前記互いに直交する方向に延びる2個の
    薄肉平板からなる、 請求項1ないし8のいずれか記載の微小変位装置。
  10. 【請求項10】 前記作用点となる連結部は、前記剛体
    の相対移動方向に延びる薄肉平板からなり、前記支点と
    なる連結部は、前記一方の剛体部に植設されたピンであ
    る、 請求項1ないし8のいずれか記載の微小変位装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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