JP2003195032A - 液晶配向フィルム、その製造方法、光学フィルムおよび画像表示装置 - Google Patents
液晶配向フィルム、その製造方法、光学フィルムおよび画像表示装置Info
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Abstract
から得られる液晶配向層により形成された液晶配向フィ
ルムであって、液晶配向層に相分離が生じていない液晶
配向フィルムおよびその製造方法を提供すること。 【解決手段】 液晶ポリマーと液晶モノマーを少なくと
も含んだ混合物を成膜後、液晶状態で配向した後、液晶
モノマーを重合させることで得られる液晶配向層からな
る液晶配向フィルムであって、液晶配向層が相分離して
いないことを特徴とする液晶配向フィルム。
Description
およびその製造方法に関する。また本発明は当該液晶配
向フィルムを少なくとも1つ用いた光学フィルムに関す
る。当該液晶配向フィルムは単独でまたは他のフィルム
と組み合わせて、位相差板、視角補償フィルム、光学補
償フィルム、楕円偏光フィルム等の光学フィルムとして
使用できる。さらに本発明は、上記光学フィルムを用い
た液晶表示装置、有機EL表示装置、PDPなどの画像
表示装置に関する。
は、液晶ポリマーを液晶温度範囲で配向した後、ガラス
転移温度以下に冷却する方法がこれまでに知られてい
る。かかる液晶配向フィルムの作製方法は、原料が液晶
ポリマーであるため、塗工液にした状態での成膜性が高
く、加工性が良好であるという特徴を有する。しかし、
液晶ポリマーは、一般的に低分子液晶化合物に比較して
配向しにくく、配向後の耐久性も、その液晶ポリマーの
ガラス転移温度への依存が大きいため、液晶ポリマーに
より得られる液晶配向フィルムが、高耐久性と高い配向
性を両立することは一般的に困難である。
した後、紫外線などにより重合、架橋を行って液晶配向
フィルムを作製する方法が知られている。液晶モノマー
は、低分子化合物であるために、配向性は比較的に良好
である。また、液晶モノマーのなかで多官能の反応基を
持った液晶モノマーなどを用いると、重合、架橋後に形
成される膜は耐熱性が高く、強度も高くなるという特長
を有する。しかし、液晶モノマーを塗工液として成膜し
ようとしても、均一な膜を形成しにくく、結晶析出など
外観的にも不具合が発生しやすいという問題がある。ま
た、塗工液の粘度も低すぎて扱いにくいといった、フィ
ルム化する際の加工性の悪さの問題もある。
だ混合物を成膜し、その後に液晶状態で配向、固定化し
た後、液晶モノマーを重合、架橋させることにより液晶
配向フィルムを作製する方法がある。しかし、液晶ポリ
マーと液晶モノマーを含んだ混合物により形成される液
晶配向層は相分離が生じて、液晶ポリマーと液晶モノマ
ーの両者の特長を発揮できない。
ーと液晶モノマーを含んだ混合物から得られる液晶配向
層により形成された液晶配向フィルムであって、液晶配
向層に相分離が生じていない液晶配向フィルムおよびそ
の製造方法を提供することを目的とする。さらには、当
該液晶配向フィルムを用いた光学フィルム、当該光学フ
ィルムを用いた画像表示装置を提供することを目的とす
る。
を達成すべく、鋭意研究した結果、以下に示す液晶配向
フィルムおよびその製造方法により、上記課題を解決で
きることを見出し、本発明を完成するに至った。
モノマーを少なくとも含んだ混合物を成膜後、液晶状態
で配向した後、液晶モノマーを重合させることで得られ
る液晶配向層からなる液晶配向フィルムであって、液晶
配向層が相分離していないことを特徴とする液晶配向フ
ィルム、に関する。
液晶配向層は、液晶ポリマーと液晶モノマーの混合物か
ら形成されるが、液晶モノマーを重合した後にも、液晶
ポリマーと液晶モノマーの混合物を相分離なく均一に液
晶配向しており、液晶ポリマーと液晶モノマーの両者の
特長を効果的に発揮させることができ、加工性や耐久性
などの両立を達成することが可能になる。なお、液晶配
向層が相分離していないとは、液晶配向層が光学顕微鏡
の表面観察やTEM断面観察等を行って数百〜数千倍に
拡大して観察したときに、1μmを超える大きさのドメ
インが見えない状態をいう。ドメインの大きさは小さい
ほど好ましく、500nm以下、さらには300nm以
下、特に100nm以下であるのが好ましい。
マーと液晶モノマーが、少なくとも30℃の温度域にお
いて、同じ液晶性温度範囲を有することが好ましい。
分離なく液晶配向させるためには、液晶ポリマーと液晶
モノマーの液晶温度範囲の近いものを混合することがよ
く、好ましくは少なくとも30℃、より好ましくは少な
くとも50℃の同じ液晶温度範囲をもつ液晶ポリマーと
液晶モノマーを混合することが好ましい。液晶ポリマー
と液晶モノマーの混合物の液晶温度範囲は、液晶ポリマ
ーまたは液晶モノマーの液晶温度範囲とは異なる液晶温
度範囲に変化するが、広範囲に共通の液晶温度範囲を有
する液晶ポリマーと液晶モノマーを混合することで、混
合物としての液晶温度範囲が広がり、当該混合物として
液晶性を示す温度で配向させることで、液晶層を均一に
相分離なく形成することができる。またその後に液晶モ
ノマーを重合させた場合にも配向性を損なうことなく、
相分離のない液晶配向フィルムを形成することができ
る。
己支持性フィルムとなり得る。
リマーとしては、配向しやすいため重量平均分子量が5
000〜50000程度のものが使用されるが、この程
度の分子量では得られる液晶配向フィルムは自己支持性
フィルムにならないことが多いい。一般に分子量が低
く、架橋していない液晶ポリマーの場合は、硬くてもろ
いために自己支持性フィルムは得られない。本発明の液
晶配向フィルムは、液晶ポリマーとともに、液晶モノマ
ーの重合物により形成されており、自己支持性フィルム
が得られる。なお、自己支持性フィルムとは数μm
(0. 1〜20μm)厚程度の液晶配向層からなる液晶
配向フィルムを形成した場合に、この液晶配向層単独で
1cm2 程度のフィルムが得られること意味する。液晶
配向フィルムが自己支持性フィルムであれば、ある配向
基材上に成膜、形成された液晶配向フィルムを、別のフ
ィルム等に粘着剤などで容易に転写することが可能にな
り、取扱いが容易である。
マーを少なくとも含んだ混合物を成膜後、当該混合物と
して液晶状態を示す温度で配向した後、液晶モノマーを
重合させることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに
記載の液晶配向層が相分離していない液晶配向フィルム
の製造方法、に関する。
が、少なくとも1つ用いられていることを特徴とする光
学フィルム、に関する。さらには、前記光学フィルムを
適用した画像表示装置、に関する。
は、ネマチック性、コレステリック性またはスメクチッ
ク性の液晶配向を示す主鎖型、側鎖型またはこれらの複
合型の各種骨格のポリマーを特に制限なく使用できる。
位等からなるメソゲン基を結合した構造を有する縮合系
のポリマー、たとえば、ポリエステル系、ポリアミド
系、ポリカーボネート系、ポリエステルイミド系などの
ポリマーがあげられる。メソゲン基となる前記芳香族単
位としては、フェニル系、ビフェニル系、ナフタレン系
のものがあげられ、これら芳香族単位は、シアノ基、ア
ルキル基、アルコキシ基、ハロゲン基等の置換基を有し
ていてもよい。
リレート系、ポリメタクリレート系、ポリシロキサン
系、ポリマロネート系の主鎖を骨格とし、側鎖に環状単
位等からなるメソゲン基を有するものがあげられる。メ
ソゲン基となる前記環状単位としては、たとえば、ビフ
ェニル系、フェニルベンゾエート系、フェニルシクロヘ
キサン系、アゾキシベンゼン系、アゾメチン系、アゾベ
ンゼン系、フェニルピリミジン系、ジフェニルアセチレ
ン系、ジフェニルベンゾエート系、ビシクロへキサン
系、シクロヘキシルベンゼン系、ターフェニル系等があ
げられる。なお、これら環状単位の末端は、たとえば、
シアノ基、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン基等の
置換基を有していてもよい。
も屈曲性を付与するスペーサ部を介して結合していても
よい。スペーサー部としては、ポリメチレン鎖、ポリオ
キシメチレン鎖等があげられる。スペーサー部を形成す
る構造単位の繰り返し数は、メソゲン部の化学構造によ
り適宜に決定されるがポリメチレン鎖の繰り返し単位は
0〜20、好ましくは2〜12、ポリオキシメチレン鎖
の繰り返し単位は0〜10、好ましくは1〜3である。
子カイラル剤を含有させたり、ポリマー成分中にキラル
成分を導入することによりコレステリック系液晶ポリマ
ーとすることができる。
が重量平均分子量が2千〜10万程度のものが好まし
い。液晶ポリマーの重量平均分子量が大きくなると、液
晶としての配向性、特にラビング配向膜等を介した場合
におけるモノドメイン化に乏しくなって液晶ポリマーが
均一な配向状態を形成しにくくなる傾向があることから
ことから、液晶ポリマーの重量平均分子量は、5万以下
とするのがより好ましい。また、液晶ポリマーの重量平
均分子量が小さくなると非流動層としての成膜性に乏し
くなる傾向があることから、液晶ポリマーの重量平均分
子量は、2.5千以上とするのがより好ましい。
リック性またはスメクチック性の液晶配向を示す各種骨
格を有し、かつ末端に、アクリロイル基、メタクリロイ
ル基、ビニル基等の不飽和二重結合やエポキシ基等の重
合性官能基を少なくとも1つ有する液晶性化合物であ
る。得られる液晶配向フィルムの耐久性を向上させるに
は、液晶モノマーとして重合性官能基を2つ以上有する
ものを用い、重合とともに架橋させるのが好ましい。な
お、ネマチック性、コレステリック性またはスメクチッ
ク性の液晶配向を示す各種骨格は液晶ポリマーと同様の
ものを例示できる。
は、特に制限されず、得られる液晶配向フィルムの耐久
性等を考慮して適宜に決定されるが、通常、液晶ポリマ
ーと液晶モノマー(重量比)=5:95〜95:5程度
が好ましく、特に20:80〜80:20が好ましい。
剤を含有する。重合開始剤は、液晶モノマーの重合方法
に応じたものが適宜に選択される。液晶モノマーの重合
方法としては、たとえば、紫外線重合があげられ、この
場合には光重合開始剤が用いられる。光重合開始剤とし
ては、たとえば、チバスペシャルティケミカルズ社製の
イルガキュア(Irgacure)907,同184、
同651、同369などを例示できる。光重合開始剤の
添加量は、液晶モノマーの種類、液晶ポリマーと液晶モ
ノマーの配合比等を考慮して、配向性を乱さない程度に
加えられる。通常、液晶モノマー100重量部に対し
て、0.5〜30重量部程度が好ましい。特に3重量部
以上が好ましい。
リマーと液晶モノマー混合物を成膜後、当該混合物とし
て液晶状態を示す温度で配向させ、さらにその配向状態
を維持した状態で液晶モノマーを重合させることにより
製造することができる。
を、配向能を有する面を備えた基材の配向能を有する面
(配向膜)上に塗工することにより行う。
種のものを使用でき、たとえば、透明な基材上にポリイ
ミドやポリビニルアルコール等からなる薄膜を形成して
それをラビングする方法により形成したもの、透明なフ
ィルムを延伸処理した延伸フィルム、シンナメート骨格
やアゾベンゼン骨格を有するポリマーまたはポリイミド
に偏光紫外線を照射したもの等を用いることができる。
記混合物を配向させる温度で変化しないものであれば特
に制限はなく、たとえば、単層または積層の各種プラス
チックフィルムやガラス板、金属等を使用できる。プラ
スチックフィルムは配向させる温度で変化しないもので
あれば特に制限はなく、たとえば、ポリエチレンテレフ
タレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル
系ポリマー、ジアセチルセルロース、トリアセチルセル
ロース等のセルロース系ポリマー、ポリカーボネート系
ポリマー、ポリメチルメタクリレート等のアクリル系ポ
リマー等の透明ポリマーからなるフィルムがあげられ
る。またポリスチレン、アクリロニトリル・スチレン共
重合体等のスチレン系ポリマー、ポリエチレン、ポリプ
ロピレン、環状ないしノルボルネン構造を有するポリオ
レフィン、エチレン・プロピレン共重合体等のオレフィ
ン系ポリマー、塩化ビニル系ポリマー、ナイロンや芳香
族ポリアミド等のアミド系ポリマー等の透明ポリマーか
らなるフィルムもあげられる。さらにイミド系ポリマ
ー、スルホン系ポリマー、ポリエーテルスルホン系ポリ
マー、ポリエーテルエーテルケトン系ポリマー、ポリフ
ェニレンスルフィド系ポリマー、ビニルアルコール系ポ
リマー、塩化ビニリデン系ポリマー、ビニルブチラール
系ポリマー、アリレート系ポリマー、ポリオキシメチレ
ン系ポリマー、エポキシ系ポリマーや前記ポリマーのブ
レンド物等の透明ポリマーからなるフィルムなどもあげ
られる。これらのなかでも水素結合性が高く、光学フィ
ルムとして用いられるトリアセチルセルロース、ポリカ
ーボネート、ノルボルネンポリオレフィン等のプラスチ
ックフィルムが賞用される。
媒に溶解した溶液を用いる溶液塗工方法または当該混合
物を溶融して溶融塗工する方法が挙げられるが、この中
でも溶液塗工方法が好ましい。
しては、液晶ポリマーおよび液晶モノマー等の種類によ
り異なり一概には言えないが、通常、クロロホルム、ジ
クロロメタン、ジクロロエタン、テトラクロロエタン、
トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、クロロベ
ンゼンなどのハロゲン化炭化水素類、フェノール、パラ
クロロフェノールなどのフェノール類、ベンゼン、トル
エン、キシレン、メトキシベンゼン、1,2−ジメトキ
ベンゼンなどの芳香族炭化水素類、その他、アセトン、
酢酸エチル、tert−ブチルアルコール、グリセリ
ン、エチレングリコール、トリエチレングリコール、エ
チレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリ
コールジメチルエーテル、エチルセルソルブ、ブチルセ
ルソルブ、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリド
ン、ピリジン、トリエチルアミン、テトラヒドロフラ
ン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジ
メチルスルホキシド、アセトニトリル、ブチロニトリ
ル、二硫化炭素、シクロヘキサノンなどを用いることが
できる。溶液の濃度は、混合物の溶解性や最終的に目的
とする液晶配向層の膜厚に依存するため一概には言えな
いが、通常3〜50重量%、好ましくは7〜30重量%
の範囲である。
前記混合物の溶液を、配向膜に塗工する方法としては、
例えば、ロールコート法、グラビアコート法、スピンコ
ート法、バーコート法などを採用することができる。塗
工後、溶媒を除去し、液晶層を形成させる。溶媒の除去
条件は、特に限定されず、溶媒をおおむね除去でき、液
晶層が流動したり、流れ落ちたりさえしなければ良い。
通常、室温での乾燥、乾燥炉での乾燥、ホットプレート
上での加熱などを利用して溶媒を除去する。
からなる液晶層の厚さは、目的とする光学特性によって
適宜に決定されるが、通常0. 1〜20μm程度の範囲
で調整するのが好ましい。
向は、たとえば、液晶ポリマーと液晶モノマーの混合物
として液晶状態を示す温度において、熱処理により行
う。当該熱処理温度は、液晶ポリマーと液晶モノマーの
共通する液晶性温度範囲の温度域、である。熱処理方法
としては、上記の乾燥方法と同様の方法で行うことがで
きる。熱処理温度は、前記混合物により適宜に調整す
る。また熱処理時間は、熱処理温度および前記混合物に
より異なるため一概には言えないが、通常10秒〜2時
間、好ましくは20秒〜30分の範囲で選択される。
手段を採用できるが、たとえば、光照射による光重合性
法を採用できる。光照射は、たとえば、紫外線照射によ
り行う。紫外線照射条件は、十分に反応を促進するため
に、不活性気体雰囲気中とすることが好ましい。高圧水
銀紫外ランプが代表的に用いられる。メタハライドUV
ランプや白熱管などの別種ランプを使用することもでき
る。なお、紫外線照射時の液晶層表面温度が液晶温度範
囲内になるように、コールドミラー、水冷その他の冷却
処理あるいはライン速度を速くするなどして適宜に調整
する。
分離が生じていないものである。なお、相分離が生じて
いるか否かの確認は、光学顕微鏡による表面観察や、T
EM断面観察により行うことができる。
は、前記基板とともに用いることができ、また基板から
剥離して、光学フィルムとして用いることができる。さ
らには別の光学フィルムに転写して用いることもでき
る。前記液晶配向フィルムは単独でまたは他のフィルム
と組み合わせて、位相差板、視角補償フィルム、光学補
償フィルム、楕円偏光フィルム等の光学フィルムとして
使用できる。以下これらについて説明する。
る光学フィルムには偏光板が用いられる。偏光板は、通
常、偏光子の片側または両側に保護フィルムを有するも
のである。偏光子は、特に制限されず、各種のものを使
用できる。偏光子としては、たとえば、ポリビニルアル
コール系フィルム、部分ホルマール化ポリビニルアルコ
ール系フィルム、エチレン・酢酸ビニル共重合体系部分
ケン化フィルム等の親水性高分子フィルムに、ヨウ素や
二色性染料等の二色性物質を吸着させて一軸延伸したも
の、ポリビニルアルコールの脱水処理物やポリ塩化ビニ
ルの脱塩酸処理物等のポリエン系配向フィルム等があげ
られる。これらのなかでもポリビニルアルコール系フィ
ルムを延伸して二色性材料(沃素、染料)を吸着・配向
したものが好適に用いられる。偏光子の厚さも特に制限
されないが、5〜80μm程度が一般的である。
で染色し一軸延伸した偏光子は、たとえば、ポリビニル
アルコールをヨウ素の水溶液に浸漬することによって染
色し、元長の3〜7倍に延伸することで作製することが
できる。必要に応じてホウ酸やヨウ化カリウムなどの水
溶液に浸漬することもできる。さらに必要に応じて染色
の前にポリビニルアルコール系フィルムを水に浸漬して
水洗してもよい。ポリビニルアルコール系フィルムを水
洗することでポリビニルアルコール系フィルム表面の汚
れやブロッキング防止剤を洗浄することができるほか
に、ポリビニルアルコール系フィルムを膨潤させること
で染色のムラなどの不均一を防止する効果もある。延伸
はヨウ素で染色した後に行っても良いし、染色しながら
延伸してもよし、また延伸してからヨウ素で染色しても
よい。ホウ酸やヨウ化カリウムなどの水溶液中や水浴中
でも延伸することができる。
いる保護フィルムには、透明性、機械的強度、熱安定
性、水分遮蔽性、等方性などに優れるものが好ましい。
前記保護フィルムの材料としては、例えばポリエチレン
テレフタレートやポリエチレンナフタレート等のポリエ
ステル系ポリマー、ジアセチルセルロースやトリアセチ
ルセルロース等のセルロース系ポリマー、ポリメチルメ
タクリレート等のアクリル系ポリマー、ポリスチレンや
アクリロニトリル・スチレン共重合体(AS樹脂)等の
スチレン系ポリマー、ポリカーボネート系ポリマーなど
があげられる。また、ポリエチレン、ポリプロピレン、
シクロ系ないしはノルボルネン構造を有するポリオレフ
ィン、エチレン・プロピレン共重合体の如きポリオレフ
ィン系ポリマー、塩化ビニル系ポリマー、ナイロンや芳
香族ポリアミド等のアミド系ポリマー、イミド系ポリマ
ー、スルホン系ポリマー、ポリエーテルスルホン系ポリ
マー、ポリエーテルエーテルケトン系ポリマー、ポリフ
ェニレンスルフィド系ポリマー、ビニルアルコール系ポ
リマー、塩化ビニリデン系ポリマー、ビニルブチラール
系ポリマー、アリレート系ポリマー、ポリオキシメチレ
ン系ポリマー、エポキシ系ポリマー、あるいは前記ポリ
マーのブレンド物などが保護フィルムを形成するポリマ
ーの例としてあげられる。その他、アクリル系やウレタ
ン系、アクリルウレタン系やエポキシ系、シリコーン系
等の熱硬化型ないし紫外線硬化型樹脂などをフィルム化
したものなどがあげられる。保護フィルムの厚さは、一
般には500μm以下であり、1〜300μmが好まし
い。特に5〜200μmとするのが好ましい。
などの点より、トリアセチルセルロース等のセルロース
系ポリマーが好ましい。特にトリアセチルセルロースフ
ィルムが好適である。なお、偏光子の両側に保護フィル
ムを設ける場合、その表裏で同じポリマー材料からなる
保護フィルムを用いてもよく、異なるポリマー材料等か
らなる保護フィルムを用いてもよい。前記偏光子と保護
フィルムとは通常、水系粘着剤等を介して密着してい
る。水系接着剤としては、ポリビニルアルコール系接着
剤、ゼラチン系接着剤、ビニル系ラテックス系、水系ポ
リウレタン、水系ポリエステル等を例示できる。
層や反射防止処理、スティッキング防止や、拡散ないし
アンチグレアを目的とした処理を施したものを用いるこ
とができる。
止などを目的に施されるものであり、例えばアクリル
系、シリコーン系などの適宜な紫外線硬化型樹脂による
硬度や滑り特性等に優れる硬化皮膜を保護フィルムの表
面に付加する方式などにて形成することができる。反射
防止処理は偏光板表面での外光の反射防止を目的に施さ
れるものであり、従来に準じた反射防止膜などの形成に
より達成することができる。また、スティッキング防止
処理は隣接層との密着防止を目的に施される。
光が反射して偏光板透過光の視認を阻害することの防止
等を目的に施されるものであり、例えばサンドブラスト
方式やエンボス加工方式による粗面化方式や透明微粒子
の配合方式などの適宜な方式にて保護フィルムの表面に
微細凹凸構造を付与することにより形成することができ
る。前記表面微細凹凸構造の形成に含有させる微粒子と
しては、例えば平均粒径が0.5〜50μmのシリカ、
アルミナ、チタニア、ジルコニア、酸化錫、酸化インジ
ウム、酸化カドミウム、酸化アンチモン等からなる導電
性のこともある無機系微粒子、架橋又は未架橋のポリマ
ー等からなる有機系微粒子などの透明微粒子が用いられ
る。表面微細凹凸構造を形成する場合、微粒子の使用量
は、表面微細凹凸構造を形成する透明樹脂100重量部
に対して一般的に2〜50重量部程度であり、5〜25
重量部が好ましい。アンチグレア層は、偏光板透過光を
拡散して視角などを拡大するための拡散層(視角拡大機
能など)を兼ねるものであってもよい。
止層、拡散層やアンチグレア層等は、保護フィルムその
ものに設けることができるほか、別途光学層として透明
保護層とは別体のものとして設けることもできる。
偏光板または円偏光板として用いることができる。前記
楕円偏光板または円偏光板について説明する。これらは
位相差板により直線偏光を楕円偏光または円偏光に変え
たり、楕円偏光または円偏光を直線偏光に変えたり、あ
るいは直線偏光の偏光方向を変える。特に、直線偏光を
円偏光に変えたり、円偏光を直線偏光に変える位相差板
としては、いわゆる1/4 波長板(λ/4 板とも言う)
が用いられる。1/2 波長板(λ/2 板とも言う)は、
通常、直線偏光の偏光方向を変える場合に用いられる。
(STN)型液晶表示装置の液晶層の複屈折により生じ
た着色(青又は黄)を補償(防止)して、前記着色のな
い白黒表示する場合などに有効に用いられる。更に、三
次元の屈折率を制御したものは、液晶表示装置の画面を
斜め方向から見た際に生じる着色も補償(防止)するこ
とができて好ましい。円偏光板は、例えば画像がカラー
表示になる反射型液晶表示装置の画像の色調を整える場
合などに有効に用いられ、また、反射防止の機能も有す
る。
の複屈折による着色や視角等の補償を目的としたものな
どを使用することができ、また使用目的に応じた適宜な
位相差を有する2種以上の位相差板を積層して位相差等
の光学特性を制御することができる。位相差板として
は、ポリカーボネート、ノルボルネン系樹脂、ポリビニ
ルアルコール、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレー
ト、ポリプロピレンやその他のポリオレフィン、ポリア
リレート、ポリアミドの如き適宜なポリマーからなるフ
ィルムを延伸処理してなる複屈折性フィルムや液晶ポリ
マーなどの液晶材料からなる配向フィルム、液晶材料の
配向層をフィルムにて支持したものなどがあげられる。
して広視野角偏光板として用いられる。視角補償フィル
ムは、液晶表示装置の画面を、画面に垂直でなくやや斜
めの方向から見た場合でも、画像が比較的鮮明にみえる
ように視野角を広げるためのフィルムである。
に二軸延伸処理や直交する二方向に延伸処理等された複
屈折を有するフィルム、傾斜配向フィルムのような二方
向延伸フィルムなどが用いられる。傾斜配向フィルムと
しては、例えばポリマーフィルムに熱収縮フィルムを接
着して加熱によるその収縮力の作用下にポリマーフィル
ムを延伸処理又は/及び収縮処理したものや、液晶ポリ
マーを斜め配向させたものなどが挙げられる。視角補償
フィルムは、液晶セルによる位相差に基づく視認角の変
化による着色等の防止や良視認の視野角の拡大などを目
的として適宜に組み合わせることができる。
より、液晶ポリマーの配向層、特にディスコティック液
晶ポリマーの傾斜配向層からなる光学的異方性層をトリ
アセチルセルロースフィルムにて支持した光学補償位相
差板が好ましく用いうる。
については特に限定はないが、例えば反射板や半透過板
などの液晶表示装置等の形成に用いられることのある光
学層を1層または2層以上用いることができる。特に、
楕円偏光板または円偏光板に、更に反射板または半透過
反射板が積層されてなる反射型偏光板または半透過型偏
光板、あるいは偏光板に更に輝度向上フィルムが積層さ
れてなる偏光板があげられる。
もので、視認側(表示側)からの入射光を反射させて表
示するタイプの液晶表示装置などを形成するためのもの
であり、バックライト等の光源の内蔵を省略できて液晶
表示装置の薄型化を図りやすいなどの利点を有する。反
射型偏光板の形成は、必要に応じ透明保護層等を介して
偏光板の片面に金属等からなる反射層を付設する方式な
どの適宜な方式にて行うことができる。
じマット処理した保護フィルムの片面に、アルミニウム
等の反射性金属からなる箔や蒸着膜を付設して反射層を
形成したものなどがあげられる。また前記保護フィルム
に微粒子を含有させて表面微細凹凸構造とし、その上に
微細凹凸構造の反射層を有するものなどもあげられる。
前記した微細凹凸構造の反射層は、入射光を乱反射によ
り拡散させて指向性やギラギラした見栄えを防止し、明
暗のムラを抑制しうる利点などを有する。また微粒子含
有の保護フィルムは、入射光及びその反射光がそれを透
過する際に拡散されて明暗ムラをより抑制しうる利点な
ども有している。保護フィルムの表面微細凹凸構造を反
映させた微細凹凸構造の反射層の形成は、例えば真空蒸
着方式、イオンプレーティング方式、スパッタリング方
式等の蒸着方式やメッキ方式などの適宜な方式で金属を
透明保護層の表面に直接付設する方法などにより行うこ
とができる。
接付与する方式に代えて、その透明フィルムに準じた適
宜なフィルムに反射層を設けてなる反射シートなどとし
て用いることもできる。なお反射層は、通常、金属から
なるので、その反射面が保護フィルムや偏光板等で被覆
された状態の使用形態が、酸化による反射率の低下防
止、ひいては初期反射率の長期持続の点や、保護層の別
途付設の回避の点などより好ましい。
射層で光を反射し、かつ透過するハーフミラー等の半透
過型の反射層とすることにより得ることができる。半透
過型偏光板は、通常液晶セルの裏側に設けられ、液晶表
示装置などを比較的明るい雰囲気で使用する場合には、
視認側(表示側)からの入射光を反射させて画像を表示
し、比較的暗い雰囲気においては、半透過型偏光板のバ
ックサイドに内蔵されているバックライト等の内蔵光源
を使用して画像を表示するタイプの液晶表示装置などを
形成できる。すなわち、半透過型偏光板は、明るい雰囲
気下では、バックライト等の光源使用のエネルギーを節
約でき、比較的暗い雰囲気下においても内蔵光源を用い
て使用できるタイプの液晶表示装置などの形成に有用で
ある。
偏光板は、通常液晶セルの裏側サイドに設けられて使用
される。輝度向上フィルムは、液晶表示装置などのバッ
クライトや裏側からの反射などにより自然光が入射する
と所定偏光軸の直線偏光または所定方向の円偏光を反射
し、他の光は透過する特性を示すもので、輝度向上フィ
ルムを偏光板と積層した偏光板は、バックライト等の光
源からの光を入射させて所定偏光状態の透過光を得ると
共に、前記所定偏光状態以外の光は透過せずに反射され
る。この輝度向上フィルム面で反射した光を更にその後
ろ側に設けられた反射層等を介し反転させて輝度向上フ
ィルムに再入射させ、その一部又は全部を所定偏光状態
の光として透過させて輝度向上フィルムを透過する光の
増量を図ると共に、偏光子に吸収させにくい偏光を供給
して液晶表示画像表示等に利用しうる光量の増大を図る
ことにより輝度を向上させうるものである。すなわち、
輝度向上フィルムを使用せずに、バックライトなどで液
晶セルの裏側から偏光子を通して光を入射した場合に
は、偏光子の偏光軸に一致していない偏光方向を有する
光は、ほとんど偏光子に吸収されてしまい、偏光子を透
過してこない。すなわち、用いた偏光子の特性によって
も異なるが、およそ50%の光が偏光子に吸収されてし
まい、その分、液晶画像表示当に利用しうる光量が減少
し、画像が暗くなる。輝度向上フィルムは、偏光子に吸
収されるような偏光方向を有する光を偏光子に入射させ
ずに輝度向上フィルムで一旦反射させ、更にその後ろ側
に設けられた反射層等を介して反転させて輝度向上フィ
ルムに再入射させることを繰り返し、この両者間で反
射、反転している光の偏光方向が偏光子を通過し得るよ
うな偏光方向になった偏光のみを、輝度向上フィルムは
透過させて偏光子に供給するので、バックライトなどの
光を効率的に液晶表示装置の画像の表示に使用でき、画
面を明るくすることができる。
誘電体の多層薄膜や屈折率異方性が相違する薄膜フィル
ムの多層積層体の如き、所定偏光軸の直線偏光を透過し
て他の光は反射する特性を示すもの、コレステリック液
晶ポリマーの配向フィルムやその配向液晶層をフィルム
基材上に支持したものの如き、左回り又は右回りのいず
れか一方の円偏光を反射して他の光は透過する特性を示
すものなどの適宜なものを用いうる。
透過させるタイプの輝度向上フィルムでは、その透過光
をそのまま偏光板に偏光軸を揃えて入射させることによ
り、偏光板による吸収ロスを抑制しつつ効率よく透過さ
せることができる。一方、コレステリック液晶層の如く
円偏光を透過するタイプの輝度向上フィルムでは、その
まま偏光子に入射させることもできるが、吸収ロスを抑
制する点よりその円偏光を位相差板を介し直線偏光化し
て偏光板に入射させることが好ましい。なお、その位相
差板として1/4波長板を用いることにより、円偏光を
直線偏光に変換することができる。
として機能する位相差板は、例えば波長550nmの淡
色光に対して1/4波長板として機能する位相差層と他
の位相差特性を示す位相差層、例えば1/2波長板とし
て機能する位相差層とを重畳する方式などにより得るこ
とができる。従って、偏光板と輝度向上フィルムの間に
配置する位相差板は、1層又は2層以上の位相差層から
なるものであってよい。
反射波長が相違するものの組み合わせにして2層又は3
層以上重畳した配置構造とすることにより、可視光領域
等の広い波長範囲で円偏光を反射するものを得ることが
でき、それに基づいて広い波長範囲の透過円偏光を得る
ことができる。
の如く、偏光板と2層又は3層以上の光学層とを積層し
たものからなっていてもよい。従って、上記の反射型偏
光板や半透過型偏光板と位相差板を組み合わせた反射型
楕円偏光板や半透過型楕円偏光板などであってもよい。
偏光板又は反射型偏光板と位相差板を適宜な組合せで積
層したものである。かかる楕円偏光板等は、(反射型)
偏光板と位相差板の組合せとなるようにそれらを液晶表
示装置の製造過程で順次別個に積層することよって形成
することができるが、予め積層して楕円偏光板等の光学
フィルムとしたのものは、品質の安定性や積層作業性等
に優れて液晶表示装置などの製造効率を向上させうる利
点がある。
ることもできる。粘着剤層は、液晶セルへの貼着に用い
ることができる他、光学層の積層に用いられる。前記光
学フィルムの接着に際し、それらの光学軸は目的とする
位相差特性などに応じて適宜な配置角度とすることがで
きる。
いが、例えばアクリル系重合体、シリコーン系ポリマ
ー、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアミド、ポリエ
ーテル、フッ素系やゴム系などのポリマーをベースポリ
マーとするものを適宜に選択して用いることができる。
特に、アクリル系粘着剤の如く光学的透明性に優れ、適
度な濡れ性と凝集性と接着性の粘着特性を示して、耐候
性や耐熱性などに優れるものが好ましく用いうる。
剥がれ現象の防止、熱膨張差等による光学特性の低下や
液晶セルの反り防止、ひいては高品質で耐久性に優れる
液晶表示装置の形成性などの点より、吸湿率が低くて耐
熱性に優れる粘着層が好ましい。
類、特に、粘着性付与樹脂や、ガラス繊維、ガラスビー
ズ、金属粉、その他の無機粉末等からなる充填剤や顔
料、着色剤、酸化防止剤などの粘着層に添加されること
の添加剤を含有していてもよい。また微粒子を含有して
光拡散性を示す粘着層などであってもよい。
付設は、適宜な方式で行いうる。その例としては、例え
ばトルエンや酢酸エチル等の適宜な溶剤の単独物又は混
合物からなる溶媒にベースポリマーまたはその組成物を
溶解又は分散させた10〜40重量%程度の粘着剤溶液
を調製し、それを流延方式や塗工方式等の適宜な展開方
式で偏光板上または光学フィルム上に直接付設する方
式、あるいは前記に準じセパレータ上に粘着層を形成し
てそれを偏光板上または光学フィルム上に移着する方式
などがあげられる。
重畳層として偏光板や光学フィルムの片面又は両面に設
けることもできる。また両面に設ける場合に、偏光板や
光学フィルムの表裏において異なる組成や種類や厚さ等
の粘着層とすることもできる。粘着層の厚さは、使用目
的や接着力などに応じて適宜に決定でき、一般には1〜
500μmであり、5〜200μmが好ましく、特に1
0〜100μmが好ましい。
までの間、その汚染防止等を目的にセパレータが仮着さ
れてカバーされる。これにより、通例の取扱状態で粘着
層に接触することを防止できる。セパレータとしては、
上記厚さ条件を除き、例えばプラスチックフィルム、ゴ
ムシート、紙、布、不織布、ネット、発泡シートや金属
箔、それらのラミネート体等の適宜な薄葉体を、必要に
応じシリコーン系や長鏡アルキル系、フッ素系や硫化モ
リブデン等の適宜な剥離剤でコート処理したものなど
の、従来に準じた適宜なものを用いうる。
成する偏光子や透明保護フィルムや光学フィルム等、ま
た粘着層などの各層には、例えばサリチル酸エステル系
化合物やべンゾフェノール系化合物、ベンゾトリアゾー
ル系化合物やシアノアクリレート系化合物、ニッケル錯
塩系化合物等の紫外線吸収剤で処理する方式などの方式
により紫外線吸収能をもたせたものなどであってもよ
い。
各種装置の形成などに好ましく用いることができる。液
晶表示装置の形成は、従来に準じて行いうる。すなわち
液晶表示装置は一般に、液晶セルと光学フィルム、及び
必要に応じての照明システム等の構成部品を適宜に組立
てて駆動回路を組込むことなどにより形成されるが、本
発明においては本発明による光学フィルムを用いる点を
除いて特に限定はなく、従来に準じうる。液晶セルにつ
いても、例えばTN型やSTN型、π型などの任意なタ
イプのものを用いうる。
ムを配置した液晶表示装置や、照明システムにバックラ
イトあるいは反射板を用いたものなどの適宜な液晶表示
装置を形成することができる。その場合、本発明による
光学フィルムは液晶セルの片側又は両側に設置すること
ができる。両側に光学フィルムを設ける場合、それらは
同じものであってもよいし、異なるものであってもよ
い。さらに、液晶表示装置の形成に際しては、例えば拡
散板、アンチグレア層、反射防止膜、保護板、プリズム
アレイ、レンズアレイシート、光拡散板、バックライト
などの適宜な部品を適宜な位置に1層又は2層以上配置
することができる。
(有機EL表示装置)について説明する。一般に、有機
EL表示装置は、透明基板上に透明電極と有機発光層と
金属電極とを順に積層して発光体(有機エレクトロルミ
ネセンス発光体)を形成している。ここで、有機発光層
は、種々の有機薄膜の積層体であり、例えばトリフェニ
ルアミン誘導体等からなる正孔注入層と、アントラセン
等の蛍光性の有機固体からなる発光層との積層体や、あ
るいはこのような発光層とペリレン誘導体等からなる電
子注入層の積層体や、またあるいはこれらの正孔注入
層、発光層、および電子注入層の積層体等、種々の組み
合わせをもった構成が知られている。
とに電圧を印加することによって、有機発光層に正孔と
電子とが注入され、これら正孔と電子との再結合によっ
て生じるエネルギーが蛍光物資を励起し、励起された蛍
光物質が基底状態に戻るときに光を放射する、という原
理で発光する。途中の再結合というメカニズムは、一般
のダイオードと同様であり、このことからも予想できる
ように、電流と発光強度は印加電圧に対して整流性を伴
う強い非線形性を示す。
での発光を取り出すために、少なくとも一方の電極が透
明でなくてはならず、通常酸化インジウムスズ(IT
O)などの透明導電体で形成した透明電極を陽極として
用いている。一方、電子注入を容易にして発光効率を上
げるには、陰極に仕事関数の小さな物質を用いることが
重要で、通常Mg−Ag、Al−Liなどの金属電極を
用いている。
て、有機発光層は、厚さ10nm程度ときわめて薄い膜
で形成されている。このため、有機発光層も透明電極と
同様、光をほぼ完全に透過する。その結果、非発光時に
透明基板の表面から入射し、透明電極と有機発光層とを
透過して金属電極で反射した光が、再び透明基板の表面
側へと出るため、外部から視認したとき、有機EL表示
装置の表示面が鏡面のように見える。
表面側に透明電極を備えるとともに、有機発光層の裏面
側に金属電極を備えてなる有機エレクトロルミネセンス
発光体を含む有機EL表示装置において、透明電極の表
面側に偏光板を設けるとともに、これら透明電極と偏光
板との間に位相差板を設けることができる。
て金属電極で反射してきた光を偏光する作用を有するた
め、その偏光作用によって金属電極の鏡面を外部から視
認させないという効果がある。特に、位相差板を1 /4
波長板で構成し、かつ偏光板と位相差板との偏光方向の
なす角をπ/4 に調整すれば、金属電極の鏡面を完全に
遮蔽することができる。
る外部光は、偏光板により直線偏光成分のみが透過す
る。この直線偏光は位相差板により一般に楕円偏光とな
るが、とくに位相差板が1 /4 波長板でしかも偏光板と
位相差板との偏光方向のなす角がπ/4 のときには円偏
光となる。
薄膜を透過し、金属電極で反射して、再び有機薄膜、透
明電極、透明基板を透過して、位相差板に再び直線偏光
となる。そして、この直線偏光は、偏光板の偏光方向と
直交しているので、偏光板を透過できない。その結果、
金属電極の鏡面を完全に遮蔽することができる。
実施例等について説明する。各例で用いた液晶ポリマ
ー、液晶モノマーは以下の通りである。液晶ポリマー、
液晶モノマーの例と液晶温度範囲は、ホットプレート
(加熱ステージ)付き偏光顕微鏡観察により測定した値
である。液晶ポリマーのg:ガラス転移温度(℃)、
n:ネマティック液晶温度範囲、i:等方相転移温度
(℃)であり、液晶モノマーのCr:結晶化温度
(℃)、n:ネマティック液晶温度範囲、i:等方相転
移温度(℃)である。
i):
i)
i)
i)
i)
び光重合開始剤(チバスペシャリフィケミカルズ社製,
イルガキュア907)0.75を、シクロヘキサノン7
0gに溶解して塗工液を調製した。当該塗工液を、トリ
アセチルセルロースフイルム上に0.1μm厚のポリビ
ニルアルコール配向膜層を形成し、レーヨン布でラビン
グ処理した表面に、バーコーターで塗工した。次いで、
表1に示す液晶温度において、5分間加熱処理後、紫外
線300mJ/cm2 照射して、液晶モノマーを重合、
架橋させ、液晶配向フィルムを得た。
を表1に示すように変えたこと以外は実施例1と同じ条
件で液晶配向フィルムを得た。
0g用い、光重合開始剤を使用せず、紫外線照射もなし
としたこと以外は実施例1と同じ条件で液晶配向フィル
ムを得た。
0g用いたこと以外は実施例1と同じ条件で液晶配向フ
ィルムを得た。
ィルムについて以下の評価を行った。結果を表1に示
す。
した配向状態を偏光顕微鏡などで観察し、以下の基準で
評価した。○:モノドメインであり良好。×:マルチド
メインあり。
の基準で評価した。○:良好。×:ムラ、ブツがある。
微鏡、TEM断面観察で行い、以下の基準で評価した。
○:相分離なし。×:1μmを超えるドメインがあり相
分離している。
いては、セロハンテープによる剥離で1cm2 以上の自
己支持性フィルムが得られるか否かを確認した。○:得
られる。×:得られない。
Claims (6)
- 【請求項1】 液晶ポリマーと液晶モノマーを少なくと
も含んだ混合物を成膜後、液晶状態で配向した後、液晶
モノマーを重合させることで得られる液晶配向層からな
る液晶配向フィルムであって、液晶配向層が相分離して
いないことを特徴とする液晶配向フィルム。 - 【請求項2】 液晶ポリマーと液晶モノマーが、少なく
とも30℃の温度域において、同じ液晶性温度範囲を有
することを特徴とする請求項1記載の液晶配向フィル
ム。 - 【請求項3】 前記液晶配向層が自己支持性フィルムと
なり得ることを特徴とする請求項1または2記載の液晶
配向フィルム。 - 【請求項4】 液晶ポリマーと液晶モノマーを少なくと
も含んだ混合物を成膜後、当該混合物として液晶状態を
示す温度で配向した後、液晶モノマーを重合させること
を特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の液晶配向
層が相分離していない液晶配向フィルムの製造方法。 - 【請求項5】 請求項1〜3のいずれかに記載の液晶配
向フィルムが、少なくとも1つ用いられていることを特
徴とする光学フィルム。 - 【請求項6】 請求項5記載の光学フィルムを適用した
画像表示装置。
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2001
- 2001-12-25 JP JP2001391291A patent/JP3866099B2/ja not_active Expired - Lifetime
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