JP2003194970A - 輪列を有する時計及び輪列装置 - Google Patents

輪列を有する時計及び輪列装置

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JP2003194970A
JP2003194970A JP2001390277A JP2001390277A JP2003194970A JP 2003194970 A JP2003194970 A JP 2003194970A JP 2001390277 A JP2001390277 A JP 2001390277A JP 2001390277 A JP2001390277 A JP 2001390277A JP 2003194970 A JP2003194970 A JP 2003194970A
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Japan
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gear
shaft portion
wheel
filler
resin
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JP2001390277A
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English (en)
Inventor
Morinobu Endo
守信 遠藤
Tetsuo Uchiyama
哲夫 内山
Kouichirou Shigejiyou
幸一郎 重城
Kazutoshi Takeda
和俊 竹田
Masahito Takenaka
雅人 竹中
Shigeo Suzuki
重男 鈴木
Takeshi Tokoro
毅 所
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Seiko Instruments Inc
Original Assignee
Seiko Instruments Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 軸受部に保油処理をすることなしに、潤滑油
が拡散するおそれが少ない、輪列を有する時計及び輪列
装置を提供する。 【解決手段】 アナログ電子時計のムーブメント100
は、電池120、回路ブロック116、時モータ21
0、時表示輪列220、分モータ240、分表示輪列2
50、秒モータ270、秒表示輪列280を備える。秒
ロータ276の上軸部、秒伝え車282の上軸部、秒車
284の上軸部284aを回転可能に支持する輪列受1
12の軸受部と、秒ロータ276の下軸部、秒伝え車2
82の下軸部を回転可能に支持する地板102の軸受部
には、潤滑油が注油される。地板102、輪列受112
は、ベースレジンを熱可塑性樹脂として、このベースレ
ジンにカーボンフィラーを充填したフィラー入り樹脂で
形成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、駆動源及び輪列を
有する時計、例えば、アナログ電子時計、機械式時計な
どに関する。また、本発明は、計測器、印刷機、映像機
器、録音機器、記録機器などに適用できる歯車及び支持
部材を含む輪列装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、モータを駆動させることにより回
転する輪列を含む時計、例えば、アナログ電子時計にお
いては、ステップモータを構成するロータを駆動させる
ことにより輪列を回転させている。ロータは、ロータ磁
石と、ロータかな(ロータにおいて、ロータ磁石以外の
部分をいう、以下同じ)とを含む。例えば、ロータか
な、五番車、四番車、三番車、分車などの歯車が輪列を
構成する。
【0003】また、従来、ぜんまいの力により回転する
輪列を含む装置、例えば、機械式時計においては、ぜん
まいを含む香箱の回転により輪列を回転させている。例
えば、香箱車、二番車、三番車、四番車、がんぎ車など
の歯車が輪列を構成する。歯車は歯車部および軸部を有
する。地板、輪列受、二番受などの支持部材には軸受部
が設けられる。軸受部により歯車の軸部を回転可能に支
持する。
【0004】地板、輪列受、二番受は、支持部材を構成
する。地板、輪列受、二番受は、黄銅などの金属、又
は、ポリカーボネートなどのいわゆるエンジニアリング
プラスチックで形成される。或いは、軸受部は、穴石及
び/又はほぞ枠を、地板の本体(地板体)、輪列受の本
体(輪列受体)、二番受の本体(二番受体)とは別個に
形成して、この穴石及び/又はほぞ枠を地板体、輪列受
体、二番受体に固定するように構成されている。
【0005】軸受部には、潤滑油が注油される。したが
って、地板、輪列受、二番受には保油処理が行われる。
保油処理は、濡れ性が低いフッ素系樹脂(テフロン(登
録商標))、ステアリン酸などの被膜を地板、輪列受、
二番受の表面にコーティングすることにより行われる。
また、ロータ、五番車、四番車、三番車、二番車、三番
車、四番車、がんぎ車などにも保油処理が行われる。
【0006】このような保油処理を行うことにより、軸
受部の表面の濡れ性を低減させ、潤滑油の接触角を所定
の値に保持することができる。したがって、保油処理に
より、軸受部に注油した潤滑油が拡散することを防止す
ることができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、黄銅又はプラ
スチックで形成された地板、輪列受、二番受などに保油
処理を行う場合、また、ロータ、五番車、四番車、三番
車、二番車、三番車、四番車、がんぎ車などに保油処理
を行う場合、保油処理設備を準備し、保油処理工程を行
うことが必要であるので、生産コストを増加させる要因
となっていた。
【0008】また、保油処理は、地板、輪列受、二番
受、歯車などの表面にフッ素系樹脂の被膜を形成するの
で、装置のメインテナンスのために地板、輪列受、二番
受、歯車などを洗浄すると、保油性能が著しく低下し、
潤滑油が拡散するおそれが増大する課題があった。
【0009】さらに、一定期間、時計を使用すると、潤
滑油が飛散して、軸受部に注油された潤滑油の油量が減
少する。このような場合、油膜が必要とされる箇所に、
適正な油膜を形成することができなくなり、軸部、軸受
部が著しく摩耗するおそれが発生する。このため、地
板、輪列受、二番受、歯車などを樹脂で形成する場合、
ポリアセタールなどの摺動特性が良い材料を使用する
か、或いは、フッ素化合物をベース樹脂に混合した特殊
グレードの樹脂を使用する必要があった。しかしなが
ら、摺動特性が良い材料を使用する場合、樹脂のコスト
が高いという課題があった。また、フッ素化合物をベー
ス樹脂に混合した特殊グレードの樹脂を使用する場合、
特殊グレードの樹脂は使用量が少なく、特殊グレードの
樹脂を汎用樹脂に混ぜると性能が変化するので、樹脂の
リサイクル性が悪くなるという課題があった。
【0010】
【発明の目的】本発明の目的は、軸受部に保油処理をす
ることなしに、潤滑油が拡散するおそれが少ない、輪列
を有する時計及び輪列装置を提供することにある。
【0011】本発明の他の目的は、汎用樹脂をベース樹
脂として使用して、低コストで、樹脂のリサイクル性が
よく、摺動特性がよい軸部、軸受部を含む部品を備え
た、輪列を有する時計及び輪列装置を提供することにあ
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、駆動源及び輪
列を有する時計において、駆動源を構成するモータ及び
/又はぜんまいと、モータの回転により回転するように
構成された歯車、及び/又は、ぜんまいを駆動源として
回転するように構成された歯車とを備えるように構成し
た。この歯車は、歯車部および軸部を有する。本発明の
時計は、歯車の軸部を回転可能に支持する軸受部を含む
支持部材を備え、支持部材は、ベースレジンを熱可塑性
樹脂として、このベースレジンにカーボンフィラーを充
填したフィラー入り樹脂で形成され、軸受部には、潤滑
油が注油される。
【0013】本発明の時計では、支持部材は、該支持部
材の本体と、該本体と別個に構成された軸受部材とを含
み、前記軸受部を前記軸受部材に設けるように構成する
こともできる。
【0014】また、本発明は、駆動源及び輪列を有する
時計において、駆動源を構成するモータ及び/又はぜん
まいと、モータの回転により回転するように構成された
歯車、及び/又は、前記ぜんまいを駆動源として回転す
るように構成された歯車とを備えるように構成した。こ
の歯車は、歯車部および軸部を有する。本発明のこの時
計は、歯車の軸部を回転可能に支持する軸受部を含む支
持部材を備え、歯車の少なくとも軸部は、ベースレジン
を熱可塑性樹脂として、このベースレジンにカーボンフ
ィラーを充填したフィラー入り樹脂で形成され、軸受部
には、潤滑油が注油される。
【0015】さらに、本発明は、駆動源及び輪列を有す
る時計において、駆動源を構成するモータ及び/又はぜ
んまいと、モータの回転により回転するように構成され
た歯車、及び/又は、前記ぜんまいを駆動源として回転
するように構成された歯車とを備えるように構成した。
この歯車は、歯車部および軸部を有する。本発明のこの
時計は、歯車の軸部を回転可能に支持する軸受部を含む
支持部材を備え、支持部材は、ベースレジンを熱可塑性
樹脂として、このベースレジンにカーボンフィラーを充
填したフィラー入り樹脂で形成され、歯車の少なくとも
軸部は、ベースレジンを熱可塑性樹脂として、このベー
スレジンにカーボンフィラーを充填したフィラー入り樹
脂で形成され、軸受部には、潤滑油が注油される。
【0016】さらに、本発明は、歯車及び支持部材を含
む輪列装置において、歯車部および軸部を有する歯車
と、歯車の軸部を回転可能に支持する軸受部を含む支持
部材とを備えるように構成した。この支持部材は、ベー
スレジンを熱可塑性樹脂として、このベースレジンにカ
ーボンファイバーをフィラーとして充填したフィラー入
り樹脂で形成され、軸受部には、潤滑油が注油される。
【0017】本発明の輪列装置の支持部材は、該支持部
材の本体と、該本体と別個に構成された軸受部材とを含
み、前記軸受部を前記軸受部材に設けることもできる。
【0018】さらに、本発明は、歯車及び支持部材を含
む輪列装置において、歯車部および軸部を有する歯車
と、歯車の軸部を回転可能に支持する軸受部を含む支持
部材とを備えるように構成した。この支持部材は、ベー
スレジンを熱可塑性樹脂として、このベースレジンにカ
ーボンファイバーをフィラーとして充填したフィラー入
り樹脂で形成され、歯車の少なくとも軸部は、ベースレ
ジンを熱可塑性樹脂として、このベースレジンにカーボ
ンファイバーをフィラーとして充填したフィラー入り樹
脂で形成され、軸受部には、潤滑油が注油される。
【0019】さらに、本発明は、歯車及び支持部材を含
む輪列装置において、歯車部および軸部を有する歯車
と、歯車の軸部を回転可能に支持する軸受部を含む支持
部材とを備えるように構成した。この歯車の少なくとも
軸部は、ベースレジンを熱可塑性樹脂として、このベー
スレジンにカーボンファイバーをフィラーとして充填し
たフィラー入り樹脂で形成され、軸受部には、潤滑油が
注油される。
【0020】本発明においては、前記ベースレジンが、
ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリカー
ボネート、ポリアセタール(ポリオキシメチレン)、ポ
リアミド、変性ポリフェニレンエーテル、ポリブチレン
テレフタレート、ポリフェニレンサルファイド、ポリエ
ーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミドからなる群
から選択されるのが好ましい。また、本発明において
は、前記カーボンフィラーは、単層カーボンナノチュー
ブ、多層カーボンナノチューブ、気相成長炭素繊維、ナ
ノグラファイバー、カーボンナノホーン、カップスタッ
ク型カーボンナノチューブ、単層フラーレン、多層フラ
ーレン、および、前記カーボンフィラーのうちのいずれ
かにボロン(ホウ素)をドープした混入物からなる群か
ら選択されるのが好ましい。
【0021】
【発明の効果】本発明の輪列を有する時計及び輪列装置
においては、軸受部に保油処理をすることなしに、潤滑
油が拡散するおそれを少なくすることができる。
【0022】また、本発明の輪列を有する時計及び輪列
装置は、軸部及び軸受部の耐久性能がよく、メインテナ
ンスが容易である。
【0023】さらに、本発明の輪列を有する時計及び輪
列装置は、軸部及び軸受部を構成する部品に汎用樹脂を
ベース樹脂として使用しているので、低コストであり、
樹脂のリサイクル性がよい。また、本発明の輪列を有す
る時計及び輪列装置では、ベースレジンにカーボンファ
イバーをフィラーとして充填したフィラー入り樹脂で軸
部及び軸受部を形成しているので、カーボンファイバー
がもつ摺動性能により、潤滑油が少なくなったときで
も、軸部及び軸受部に摩耗が発生しにくい。
【0024】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を図
面に基づいて説明する。 (1)第1の実施の形態 最初に、本発明の第1の実施の形態を説明する。この本
発明の第1の実施の形態は、輪列を有する時計、すなわ
ち、アナログ電子時計である。しかしながら、本発明の
輪列装置は、アナログ電子時計に限定されるものでな
く、計測器、印刷機、映像機器、録音機器、記録機器な
どに適用することができる。
【0025】図1〜図4を参照すると、本発明のアナロ
グ電子時計の第1の実施の形態において、アナログ電子
時計のムーブメント(機械体)100は、ムーブメント
の基板を構成する地板102を有する。巻真110が、
地板102の巻真案内穴に回転可能に組み込まれる。文
字板104(図2に仮想線で示す)がムーブメント10
0に取付けられる。ムーブメント100は、巻真110
の軸線方向の位置を決めるための切換ばね166を備え
る。ムーブメント100の「表側」には、電池120、
回路ブロック116、時モータ210、時表示輪列22
0、分モータ240、分表示輪列250、秒モータ27
0、秒表示輪列280などが配置される。地板102、
輪列受112、二番受114は支持部材を構成する。時
モータ210の回転により時表示輪列220が回転し
て、時針230により現在の時刻のうちの「時」を表示
するように構成される。分モータ240の回転により分
表示輪列250が回転して、分針260により現在の時
刻のうちの「分」を表示するように構成される。秒モー
タ270の回転により秒表示輪列280が回転して、秒
針290により現在の時刻のうちの「秒」を表示するよ
うに構成される。
【0026】IC118と水晶振動子122とが、回路
ブロック116に取り付けられる。回路ブロック116
は、絶縁板160を介してスイッチばね162により、
地板102および輪列受112に対して固定される。切
換ばね166は、スイッチばね162に一体形成され
る。電池120はアナログ電子時計の動力源を構成す
る。アナログ電子時計の動力源として、充電可能な二次
電池を用いることもできるし、充電可能なコンデンサを
用いることもできる。水晶振動子122は、アナログ電
子時計の源振を構成し、例えば、32,768ヘルツで
発振する。
【0027】図1、図2を参照すると、秒モータ270
は、秒コイルブロック272と、秒ステータ274と、
秒ロータ276とを含む。秒コイルブロック272が秒
モータ駆動信号を入力すると、秒ステータ274が磁化
して、秒ロータ276を回転させる。秒ロータ276
は、例えば、1秒ごとに180度回転するように構成さ
れる。秒ロータ276は、上軸部276aと、下軸部2
76bと、かな部276cと、ロータ磁石276dとを
含む。上軸部276aと、下軸部276bと、かな部2
76cは、炭素鋼などの金属で形成される。秒ロータ2
76の回転に基づいて、秒伝え車282の回転を介して
秒車284が回転するように構成される。秒伝え車28
2は、上軸部282aと、下軸部282bと、かな部2
82cと、歯車部282dとを含む。かな部276cは
歯車部282dと噛み合うように構成される。上軸部2
82aと、下軸部282bと、かな部282cは、炭素
鋼などの金属で形成される。歯車部282dは黄銅など
の金属で形成される。
【0028】秒車284は1分間に1回転するように構
成される。秒車284は、上軸部284aと、そろばん
玉部284bと、歯車部284dとを含む。かな部28
2cは歯車部284dと噛み合うように構成される。上
軸部284aと、そろばん玉部284bは、炭素鋼など
の金属で形成される。歯車部284dは黄銅などの金属
で形成される。秒針290が秒車284に取付けられ
る。秒車284を、アナログ電子時計の中心に配置して
もよいし、アナログ電子時計の中心とは異なる位置に配
置してもよい。秒針290は秒表示部材を構成する。秒
表示部材として、秒針を用いてもよいし、円盤を用いて
もよいし、花又は幾何学的形状を含む他の形状の表示部
材を用いてもよい。秒表示輪列220は秒伝え車282
と秒車284とを含む。秒ロータ276、秒伝え車28
2は、地板102と輪列受112に対して、回転可能に
支持される。秒車284は、二番受114に設けられた
中心パイプ126と輪列受112に対して、回転可能に
支持される。すなわち、秒ロータ276の上軸部276
aと、秒伝え車282の上軸部282aと、秒車284
の上軸部284aは、輪列受112に対して、回転可能
に支持される。また、秒ロータ276の下軸部276b
と、秒伝え車282の下軸部282bは、地板102に
対して、回転可能に支持される。
【0029】秒ロータ276の上軸部276aを回転可
能に支持する輪列受112の軸受部と、秒伝え車282
の上軸部282aを回転可能に支持する輪列受112の
軸受部と、秒車284の上軸部284aを回転可能に支
持する輪列受112の軸受部には、潤滑油が注油され
る。秒ロータ276の下軸部276bを回転可能に支持
する地板102の軸受部と、秒伝え車282の下軸部2
82bを回転可能に支持する地板102の軸受部には、
潤滑油が注油される。この潤滑油は、精密機械用油であ
るのが好ましく、いわゆる時計油であるのが特に好まし
い。このような時計油の一例として、メービス社より入
手可能な「メービスA(商標)」が挙げられる。
【0030】輪列受112のそれぞれの軸受部、地板1
02のそれぞれの軸受部には、潤滑油の保持性能を高め
るために、円錐状、円筒状、又は、円錐台状の油溜め部
を設けるのが好ましい。油溜め部を設けると、潤滑油の
表面張力により油が拡散するのを効果的に阻止すること
ができる。
【0031】日車170が地板102に対して回転可能
に支持される。日車押え172が日車170を地板10
2に対して支持する。日車170の歯先部と地板102
との接触部には、潤滑油を注油するのが好ましい。この
潤滑油は、精密機械用油であるのが好ましく、いわゆる
時計油であるのが特に好ましい。
【0032】地板102、輪列受112は、ベースレジ
ンを熱可塑性樹脂として、このベースレジンにカーボン
フィラーを充填したフィラー入り樹脂で形成される。地
板102、輪列受112をフィラー入り樹脂で形成する
と、フィラーにより潤滑油を効果的に保持することがで
きるので、軸受部に保油処理をすることなしに、潤滑油
が拡散するおそれを少なくすることができる。したがっ
て、本発明の輪列を有する時計及び輪列装置は、軸部及
び軸受部の耐久性能がよく、メインテナンスが容易であ
る。
【0033】本発明で用いられるベースレジンは、一般
的には、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、
ポリカーボネート、ポリアセタール(ポリオキシメチレ
ン)、ポリアミド、変性ポリフェニレンエーテル、ポリ
ブチレンテレフタレート、ポリフェニレンサルファイ
ド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミド
である。すなわち、本発明においては、前記ベースレジ
ンは、いわゆる汎用エンジニアリングプラスチック、又
は、いわゆるスーパーエンジニアリングプラスチックで
あるのがよい。なお、本発明においては、ベースレジン
として、上記以外の汎用エンジニアリングプラスチッ
ク、又は、スーパーエンジニアリングプラスチックを用
いることもできる。本発明に用いられるベースレジン
は、熱可塑性樹脂であるのが好ましい。
【0034】本発明で用いられるカーボンフィラーは、
一般的には、単層カーボンナノチューブ、多層カーボン
ナノチューブ、気相成長炭素繊維、ナノグラファイバ
ー、カーボンナノホーン、カップスタック型カーボンナ
ノチューブ、単層フラーレン、多層フラーレン、前記カ
ーボンフィラーのうちのいずれかにボロンをドープした
混入物である。
【0035】カーボンフィラーは、フィラー入り樹脂の
全体重量に対して、0.1重量%〜30重量%含有され
るのが好ましい。或いは、カーボンフィラーは、フィラ
ー入り樹脂の全体体積に対して、0.2体積%〜60体
積%含有されるのが好ましい。
【0036】単層カーボンナノチューブは、直径が0.
4nm〜2nmであり、アスペクト比(長さ/直径)が
10〜1000であるのが好ましく、アスペクト比が5
0〜100であるのが特に好ましい。単層カーボンナノ
チューブは、円筒形状又は円錐台形状を有した六角形の
網状に形成され、単層構造である。単層カーボンナノチ
ューブは、「SWNT」として入手できる。
【0037】多層カーボンナノチューブは、直径が2n
m〜100nmであり、アスペクト比が10〜1000
であるのが好ましく、アスペクト比が50〜100であ
るのが特に好ましい。多層カーボンナノチューブは、円
筒形状又は円錐台形状を有した六角形の網状に形成さ
れ、多層構造である。多層カーボンナノチューブは、
「MWNT」として日機装から入手できる。
【0038】このようなカーボンナノチューブについて
は、P.G.コリンズなどによる「カーボンナノチュー
ブ、急展開する電子応用」(「日経サイエンス」200
1年3月号、第52〜62頁)、「ナノ材料の挑戦」
(「日経メカニカル」2001年12月号、第36〜5
7頁)などに説明されている。また、炭素繊維を含む樹
脂組成物の構成と製造方法は、例えば、特開2001−
200096号公報に開示されている。
【0039】気相成長炭素繊維は、直径が50nm〜2
00nmであり、アスペクト比が10〜1000である
のが好ましく、アスペクト比が50〜100であるのが
特に好ましい。気相成長炭素繊維は、円筒形状又は円錐
台形状を有した六角形の網状に形成され、多層構造であ
る。気相成長炭素繊維は、「VGCF」として昭和電工
から入手できる。気相成長炭素繊維は、例えば、特開平
5−321039号公報、特開平7−150419号公
報、特公平3−61768号公報などに開示されてい
る。
【0040】ナノグラファイバーは、外径が2nm〜5
00nmであり、アスペクト比が10〜1000である
のが好ましく、アスペクト比が50〜100であるのが
特に好ましい。ナノグラファイバーは、ほぼ中実な円筒
形状を有する。ナノグラファイバーは、伊勢電子から入
手できる。
【0041】カーボンナノホーンは、直径が2nm〜5
00nmであり、アスペクト比が10〜1000である
のが好ましく、アスペクト比が50〜100であるのが
特に好ましい。カーボンナノホーンは、六角形の網状に
なったカップ形状を有する。
【0042】カップスタック型カーボンナノチューブ
は、前記カーボンナノホーンをカップ状に積層した形状
を有し、アスペクト比が10〜1000であるのが好ま
しく、アスペクト比が50〜100であるのが特に好ま
しい。
【0043】フラーレンは、炭素クラスターを母体とす
る分子であり、CASの定義では、20個以上の炭素原
子がそれぞれ隣接する3原子と結合している、閉じた球
形状をもつ分子である。単層フラーレンは、サッカーボ
ールのような形状を有する。単層フラーレンは、直径が
0.1nm〜500nmであるのが好ましい。単層フラ
ーレンの組成は、C60〜C540であるのが好まし
い。単層フラーレンは、例えば、C60、C70、C1
20である。C60の直径は、約0.7nmである。多
層フラーレンは、前述した単層フラーレンが同心状に積
層された入れ子形状を有する。多層フラーレンは、直径
が0.1nm〜1000nmであるのが好ましく、直径
が1nm〜500nmであるのが特に好ましい。多層フ
ラーレンの組成は、C60〜C540であるのが好まし
い。多層フラーレンは、例えば、C60の外側にC70
を配置し、このC70の更に外側にC120を配置した
構造であるのが好ましい。このような多層フラーレン
は、例えば、垣内孝宏などによる「オニオン構造フラー
レンの多量生成および潤滑材への適用」(「精密工学会
誌」、vol. 67、No. 7、2001年)に説明されて
いる。
【0044】更に、前記カーボンフィラーは、前記カー
ボンフィラー(単層カーボンナノチューブ、多層カーボ
ンナノチューブ、気相成長炭素繊維、ナノグラファイバ
ー、カーボンナノホーン、カップスタック型カーボンナ
ノチューブ、単層フラーレン、多層フラーレン)のうち
のいずれかにボロン(ホウ素)をドープして作ることも
できる。前記カーボンフィラーにボロン(ホウ素)をド
ープする方法は、例えば、特開2001−200096
号公報などに記載されている。特開2001−2000
96号公報に記載されている方法では、気相法により製
造した炭素繊維とボロン(ホウ素)をヘンシェルミキサ
ータイプの混合機により混合し、この混合物を高周波炉
などにおいて約2300度で熱処理している。そして、
熱処理した前記混合物を粉砕機により粉砕する。次に、
ベース樹脂と前記混合物の粉砕物を所定の割合で配合
し、押出機により溶融混練してペレットを製造する。
【0045】図1〜図4を参照すると、電池マイナス端
子170が地板102に取り付けられる。電池マイナス
端子170は、回路ブロック116のマイナスパターン
を介して電池120の陰極とIC118のマイナス入力
部Vssとを導通させる。電池押え172がスイッチば
ね162に取り付けられる。電池押え172およびスイ
ッチばね162は、回路ブロック116のプラスパター
ンを介して電池120の陽極とIC118のプラス入力
部Vddとを導通させる。
【0046】図1、図3を参照すると、分モータ240
は、分コイルブロック242と、分ステータ244と、
分ロータ246とを含む。分コイルブロック242が分
モータ駆動信号を入力すると、分ステータ244が磁化
して、分ロータ246を回転させる。分ロータ246
は、例えば、20秒ごとに180度回転するように構成
される。分ロータ246は、上軸部246aと、下軸部
246bと、かな部246cと、ロータ磁石246dと
を含む。上軸部246aと、下軸部246bと、かな部
246cは、炭素鋼などの金属で形成される。
【0047】分ロータ246の回転に基づいて一番分伝
え車252が回転し、一番分伝え車252の回転に基づ
いて二番分伝え車254を介して分車256が回転する
ように構成される。一番分伝え車252は、上軸部25
2aと、下軸部252bと、かな部252cと、歯車部
252dとを含む。かな部246cは歯車部252dと
噛み合うように構成される。上軸部252aと、下軸部
252bと、かな部252cは、炭素鋼などの金属で形
成される。歯車部252dは黄銅などの金属で形成され
る。二番分伝え車254は、上軸部254aと、下軸部
254bと、かな部254cと、歯車部254dとを含
む。かな部252cは歯車部254dと噛み合うように
構成される。上軸部254aと、下軸部254bと、か
な部254cは、炭素鋼などの金属で形成される。歯車
部254dは黄銅などの金属で形成される。分車256
は、筒状部256aと、歯車部256dとを含む。かな
部254cは歯車部256dと噛み合うように構成され
る。筒状部256aは、炭素鋼などの金属で形成され
る。歯車部256dは黄銅などの金属で形成される。
【0048】分車256は1時間に1回転するように構
成される。分針260が分車256に取付けられる。分
車256の回転中心は秒車284の回転中心と同じであ
る。分針260は分表示部材を構成する。分表示部材と
して、分針を用いてもよいし、円盤を用いてもよいし、
花又は幾何学的形状を含む他の形状の表示部材を用いて
もよい。
【0049】分表示輪列250は一番分伝え車252
と、二番分伝え車254と、分車256とを含む。分ロ
ータ246、一番分伝え車252、二番分伝え車254
は、地板102と輪列受112に対して、回転可能に支
持される。分車256は、二番受114に設けられた中
心パイプ126の外周部に接触して、回転可能に支持さ
れる。すなわち、分ロータ246の上軸部246aと、
一番分伝え車252の上軸部252aと、二番分伝え車
254の上軸部254aは、輪列受112に対して、回
転可能に支持される。また、分ロータ246の下軸部2
46bと、一番分伝え車252の下軸部252bと、二
番分伝え車254の下軸部254bは、地板102に対
して、回転可能に支持される。
【0050】分ロータ246の上軸部246aを回転可
能に支持する輪列受112の軸受部と、一番分伝え車2
52の上軸部252aを回転可能に支持する輪列受11
2の軸受部と、二番分伝え車254の上軸部254aを
回転可能に支持する輪列受112の軸受部には、潤滑油
が注油される。分ロータ246の下軸部246bの軸受
部と、一番分伝え車252の下軸部252bを回転可能
に支持する地板102の軸受部と、二番分伝え車254
の下軸部254bを回転可能に支持する地板102の軸
受部には、潤滑油が注油される。この潤滑油は、精密機
械用油であるのが好ましく、いわゆる時計油であるのが
特に好ましい。輪列受112のそれぞれの軸受部、地板
102のそれぞれの軸受部には、潤滑油の保持性能を高
めるために、円錐状、円筒状、又は、円錐台状の油溜め
部を設けるのが好ましい。
【0051】図1、図4を参照すると、時モータ210
は、時コイルブロック212と、時ステータ214と、
時ロータ216とを含む。時コイルブロック212が時
モータ駆動信号を入力すると、時ステータ214が磁化
して、時ロータ216を回転させる。時ロータ216
は、例えば、20分ごとに180度回転するように構成
される。時ロータ216は、上軸部216aと、下軸部
216bと、かな部216cと、ロータ磁石216dと
を含む。上軸部216aと、下軸部216bと、かな部
216cは、炭素鋼などの金属で形成される。
【0052】時ロータ216の回転に基づいて、一番時
伝え車222が回転する。一番時伝え車222の回転に
基づいて、二番時伝え車224の回転を介して時車22
6が回転するように構成される。一番時伝え車222
は、上軸部222aと、下軸部222bと、かな部22
2cと、歯車部222dとを含む。かな部216cは歯
車部222dと噛み合うように構成される。上軸部22
2aと、下軸部222bと、かな部222cは、炭素鋼
などの金属で形成される。歯車部222dは黄銅などの
金属で形成される。二番時伝え車224は、上軸部22
4aと、下軸部224bと、かな部224cと、歯車部
224dとを含む。かな部222cは歯車部224dと
噛み合うように構成される。上軸部224aと、下軸部
224bと、かな部224cは、炭素鋼などの金属で形
成される。歯車部224dは黄銅などの金属で形成され
る。時車226は、筒状部226aと、歯車部226d
とを含む。かな部224cは歯車部226dと噛み合う
ように構成される。時車226は黄銅などの金属で形成
される。
【0053】時車226は12時間に1回転するように
構成される。時針230が時車226に取付けられる。
時車226の回転中心は分車256の回転中心と同じで
ある。したがって、時車226の回転中心と、分車25
6の回転中心と、秒車284の回転中心とは同じであ
る。
【0054】時針230は時表示部材を構成する。時表
示部材として、時針を用いてもよいし、円盤を用いても
よいし、花又は幾何学的形状を含む他の形状の表示部材
を用いてもよい。
【0055】時表示輪列220は一番時伝え車222
と、二番時伝え車224と、時車226とを含む。時ロ
ータ216、一番時伝え車222、二番時伝え車224
は、地板102と輪列受112に対して、回転可能に支
持される。時車226は、分車256の外周部に接触し
て、回転可能に支持される。
【0056】すなわち、時ロータ216の上軸部216
aと、一番時伝え車222の上軸部222aと、二番時
伝え車224の上軸部224aは、輪列受112に対し
て、回転可能に支持される。また、時ロータ216の下
軸部216bと、一番時伝え車222の下軸部222b
と、二番時伝え車224の下軸部224bは、地板10
2に対して、回転可能に支持される。
【0057】時ロータ216の上軸部216aを回転可
能に支持する輪列受112の軸受部と、一番時伝え車2
22の上軸部222aを回転可能に支持する輪列受11
2の軸受部と、二番時伝え車224の上軸部224aを
回転可能に支持する輪列受112の軸受部には、潤滑油
が注油される。時ロータ216の下軸部216bの軸受
部と、一番時伝え車222の下軸部222bを回転可能
に支持する地板102の軸受部と、二番時伝え車224
の下軸部224bを回転可能に支持する地板102の軸
受部には、潤滑油が注油される。この潤滑油は、精密機
械用油であるのが好ましく、いわゆる時計油であるのが
特に好ましい。輪列受112のそれぞれの軸受部、地板
102のそれぞれの軸受部には、潤滑油の保持性能を高
めるために、円錐状、円筒状、又は、円錐台状の油溜め
部を設けるのが好ましい。
【0058】時車226が回転することにより、日回し
車(図示せず)が回転するように構成される。日回し車
は、時車226の回転により1日に1回転するように設
けられる。日回し車に設けられた日回しつめ(図示せ
ず)が、日車170を、1日に1歯づつ送るように構成
される。
【0059】変形例として、秒ロータ276の少なくと
も上軸部276a及び下軸部276b(或いは、秒ロー
タ276のロータかな全体)、秒伝え車282の少なく
とも上軸部282a及び下軸部282bは、ベースレジ
ンを熱可塑性樹脂として、このベースレジンにカーボン
フィラーを充填したフィラー入り樹脂で形成することが
できる。秒ロータ276の上軸部276a及び下軸部2
76b及びかな部276c、秒伝え車282の全体を、
前記フィラー入り樹脂で形成するのが好ましい。秒ロー
タ276、秒伝え車282をフィラー入り樹脂で形成す
ると、フィラーにより潤滑油を効果的に保持することが
できるので、軸部に保油処理をすることなしに、潤滑油
が拡散するおそれを少なくすることができる。
【0060】また、変形例として、分ロータ246の少
なくとも上軸部246a及び下軸部246b(或いは、
分ロータ246のロータかな全体)、一番分伝え車25
2の少なくとも上軸部252a及び下軸部252b、二
番分伝え車254の少なくとも上軸部254a及び下軸
部254bは、ベースレジンを熱可塑性樹脂として、こ
のベースレジンにカーボンフィラーを充填したフィラー
入り樹脂で形成することができる。分ロータ246の上
軸部246a及び下軸部246b及びかな部246c、
一番分伝え車252の全体、二番分伝え車254の全体
を、前記フィラー入り樹脂で形成するのが好ましい。分
ロータ246、一番分伝え車252、二番分伝え車25
4をフィラー入り樹脂で形成すると、フィラーにより潤
滑油を効果的に保持することができるので、軸部に保油
処理をすることなしに、潤滑油が拡散するおそれを少な
くすることができる。
【0061】また、変形例として、時ロータ216の少
なくとも上軸部216a及び下軸部216b(或いは、
時ロータ216のロータかな全体)、一番時伝え車22
2の少なくとも上軸部222a及び下軸部222b、二
番時伝え車224の少なくとも上軸部224a及び下軸
部224bは、ベースレジンを熱可塑性樹脂として、こ
のベースレジンにカーボンフィラーを充填したフィラー
入り樹脂で形成することができる。時ロータ216の上
軸部246a及び下軸部246b及びかな部246c、
一番時伝え車222の全体、二番時伝え車224の全体
を、前記フィラー入り樹脂で形成するのが好ましい。時
ロータ216、一番時伝え車222、二番時伝え車22
4をフィラー入り樹脂で形成すると、フィラーにより潤
滑油を効果的に保持することができるので、軸部に保油
処理をすることなしに、潤滑油が拡散するおそれを少な
くすることができる。
【0062】上記の各変形例においては、地板102お
よび輪列受112は、前記フィラー入り樹脂で形成する
のが好ましいけれども、地板102及び/又は輪列受1
12は、金属、フィラー入り樹脂でないプラスチックで
形成してもよい。ただし、この構成では、地板102お
よび輪列受112には、前述した保油処理を施す必要が
ある。この構成でも、ロータおよび伝え車などの歯車は
前記フィラー入り樹脂で形成されているので、潤滑油を
効果的に保持することができる。 (2)第2の実施の形態 次に、本発明の第2の実施の形態を説明する。この本発
明の第2の実施の形態は、輪列を含む機械式時計であ
る。
【0063】図5〜図7を参照すると、機械式時計にお
いて、機械式時計のムーブメント(機械体)300は、
ムーブメントの基板を構成する地板302を有する。巻
真310が、地板302の巻真案内穴302aに回転可
能に組み込まれる。文字板304(図26に仮想線で示
す)がムーブメント300に取付けられる。
【0064】一般に、地板の両側のうちで、文字板のあ
る方の側をムーブメントの「裏側」と称し、文字板のあ
る方の側と反対側をムーブメントの「表側」と称する。
ムーブメントの「表側」に組み込まれる輪列を「表輪
列」と称し、ムーブメントの「裏側」に組み込まれる輪
列を「裏輪列」と称する。
【0065】おしどり390、かんぬき392、かんぬ
きばね394、裏押さえ396を含む切換装置により、
巻真310の軸線方向の位置を決める。きち車312が
巻真310の案内軸部に回転可能に設けられる。巻真3
10が、回転軸線方向に沿ってムーブメントの内側に一
番近い方の第1の巻真位置(0段目)にある状態で巻真
310を回転させると、つづみ車の回転を介してきち車
312が回転する。丸穴車314が、きち車312の回
転により回転する。角穴車316が、丸穴車314の回
転により回転する。角穴車316が回転することによ
り、香箱車320に収容されたぜんまい322を巻き上
げる。二番車324が、香箱車320の回転により回転
する。がんぎ車330が、四番車328、三番車32
6、二番車324の回転を介して回転する。香箱車32
0、二番車324、三番車326、四番車328は表輪
列を構成する。
【0066】表輪列の回転を制御するための脱進・調速
装置は、てんぷ340と、がんぎ車330と、アンクル
342とを含む。てんぷ340は、てん真340aと、
てん輪340bと、ひげぜんまい340cとを含む。二
番車324の回転に基づいて、筒かな350が同時に回
転する。筒かな350に取付けられた分針352が
「分」を表示する。筒かな350には、二番車324に
対するスリップ機構が設けられる。筒かな350の回転
に基づいて、日の裏車の回転を介して、筒車354が回
転する。筒車354に取付けられた時針356が「時」
を表示する。
【0067】ひげぜんまい340cは、複数の巻き数を
もったうずまき状(螺旋状)の形態の薄板ばねである。
ひげぜんまい340cの内端部は、てん真340aに固
定されたひげ玉340dに固定され、ひげぜんまい34
0cの外端部は、てんぷ受366に固定されたひげ持受
370に取り付けたひげ持370aを介してねじ締めに
より固定される。
【0068】緩急針368が、てんぷ受366に回転可
能に取付けられている。ひげ受1340とひげ棒134
2が、緩急針368に取付けられている。ひげぜんまい
340cの外端部に近い部分は、ひげ受1340とひげ
棒1342との間に位置する。てんぷ340は、地板3
02及びてんぷ受366に対して回転可能なように支持
される。
【0069】香箱車320は、香箱歯車320dと、香
箱真320f、ぜんまい322とを備える。香箱真32
0fは、上軸部320aと、下軸部320bとを含む。
香箱真320fは、炭素鋼などの金属で形成される。香
箱歯車320dは黄銅などの金属で形成される。
【0070】二番車324は、上軸部324aと、下軸
部324bと、かな部324cと、歯車部324dと、
そろばん玉部324hとを含む。かな部324cは香箱
歯車320dと噛み合うように構成される。上軸部32
4aと、下軸部324bと、そろばん玉部324bは、
炭素鋼などの金属で形成される。歯車部324dは黄銅
などの金属で形成される。
【0071】三番車326は、上軸部326aと、下軸
部326bと、かな部326cと、歯車部326dとを
含む。かな部326cは歯車部324dと噛み合うよう
に構成される。上軸部326aと、下軸部326bは、
炭素鋼などの金属で形成される。歯車部326dは黄銅
などの金属で形成される。
【0072】四番車328は、上軸部328aと、下軸
部328bと、かな部328cと、歯車部328dとを
含む。かな部328cは歯車部326dと噛み合うよう
に構成される。上軸部328aと、下軸部328bは、
炭素鋼などの金属で形成される。歯車部328dは黄銅
などの金属で形成される。
【0073】がんぎ車330は、上軸部330aと、下
軸部330bと、かな部330cと、歯車部330dと
を含む。かな部330cは歯車部328dと噛み合うよ
うに構成される。上軸部330aと、下軸部330b
は、炭素鋼などの金属で形成される。歯車部330dは
鉄などの金属で形成される。
【0074】アンクル342は、アンクル体342d
と、アンクル真342fとを備える。アンクル真342
fは、上軸部342aと、下軸部342bとを含む。ア
ンクル体342dは、ニッケルなどの金属で形成され
る。アンクル真342fは炭素鋼などの金属で形成され
る。
【0075】香箱車320は、地板302及び香箱受3
60に対して回転可能なように支持される。すなわち、
香箱真320fの上軸部320aは、香箱受360に対
して回転可能なように支持される。香箱真320fの下
軸部320bは、地板302に対して、回転可能に支持
される。
【0076】二番車324、三番車326、四番車32
8、がんぎ車330は、地板302及び輪列受362に
対して回転可能なように支持される。すなわち、二番車
324の上軸部324a、三番車326の上軸部326
a、四番車328の上軸部328a、がんぎ車330の
上軸部330aは、輪列受362に対して回転可能なよ
うに支持される。また、二番車324の下軸部324
b、三番車326の下軸部326b、四番車328の下
軸部328b、がんぎ車330の下軸部330bは、地
板302に対して、回転可能に支持される。
【0077】アンクル342は、地板302及びアンク
ル受364に対して回転可能なように支持される。すな
わち、アンクル342の上軸部342aは、アンクル受
364に対して回転可能なように支持される。アンクル
342の下軸部342bは、地板302に対して、回転
可能に支持される。
【0078】香箱真320fの上軸部320aを回転可
能に支持する香箱受360の軸受部と、二番車324の
上軸部324aを回転可能に支持する輪列受362の軸
受部と、三番車326の上軸部326aを回転可能に支
持する輪列受362の軸受部と、四番車328の上軸部
328aを回転可能に支持する輪列受362の軸受部
と、がんぎ車330の上軸部330aを回転可能に支持
する輪列受362の軸受部と、アンクル342の上軸部
342aを回転可能に支持するアンクル受364の軸受
部には、潤滑油が注油される。秒ロータ276の下軸部
276bを回転可能に支持する地板102の軸受部と、
香箱真320fの下軸部320bを回転可能に支持する
地板302の軸受部と、二番車324の下軸部324b
を回転可能に支持する地板302の軸受部と、三番車3
26の下軸部326bを回転可能に支持する地板302
の軸受部と、四番車328の下軸部328bを回転可能
に支持する地板302の軸受部と、がんぎ車330の下
軸部320bを回転可能に支持する地板302の軸受部
と、アンクル342の下軸部342bを回転可能に支持
する地板302の軸受部には、潤滑油が注油される。こ
の潤滑油は、精密機械用油であるのが好ましく、いわゆ
る時計油であるのが特に好ましい。
【0079】地板302のそれぞれの軸受部、香箱受3
60の軸受部、輪列受362のそれぞれの軸受部には、
潤滑油の保持性能を高めるために、円錐状、円筒状、又
は、円錐台状の油溜め部を設けるのが好ましい。油溜め
部を設けると、潤滑油の表面張力により油が拡散するの
を効果的に阻止することができる。
【0080】地板302、香箱受360、輪列受36
2、アンクル受364は、ベースレジンを熱可塑性樹脂
として、このベースレジンにカーボンフィラーを充填し
たフィラー入り樹脂で形成される。地板302、香箱受
360、輪列受362、アンクル受364をフィラー入
り樹脂で形成すると、フィラーにより潤滑油を効果的に
保持することができるので、軸受部に保油処理をするこ
となしに、潤滑油が拡散するおそれを少なくすることが
できる。
【0081】本発明の第2の実施の形態において、地板
302、香箱受360、輪列受362、アンクル受36
4に用いられるフィラー入り樹脂は、本発明の第1の実
施の形態で地板102、輪列受162に用いられるフィ
ラー入り樹脂と同じものである。したがって、上述した
本発明の第1の実施形態におけるフィラー入り樹脂、ベ
ースレジン、カーボンフィラーに関する説明をここに準
用することとする。
【0082】変形例として、三番車326の少なくとも
上軸部326a及び下軸部326b、四番車328の少
なくとも上軸部328a及び下軸部328bは、ベース
レジンを熱可塑性樹脂として、このベースレジンにカー
ボンフィラーを充填したフィラー入り樹脂で形成するこ
とができる。三番車326の全体、四番車328の全体
を、前記フィラー入り樹脂で形成するのが好ましい。三
番車326、四番車328をフィラー入り樹脂で形成す
ると、フィラーにより潤滑油を効果的に保持することが
できるので、軸部に保油処理をすることなしに、潤滑油
が拡散するおそれを少なくすることができる。
【0083】上記の変形例においては、地板302およ
び輪列受362は、前記フィラー入り樹脂で形成するの
が好ましいけれども、地板302及び/又は輪列受36
2は、金属、フィラー入り樹脂でないプラスチックで形
成してもよい。ただし、この構成では、地板302およ
び輪列受362には、前述した保油処理を施す必要があ
る。この構成でも、三番車326、四番車328は前記
フィラー入り樹脂で形成されているので、潤滑油を効果
的に保持することができる。 (3)第3の実施の形態 次に、本発明の第3の実施形態について説明する。
【0084】以下の説明は、主として、本発明の第3の
実施形態が、本発明の第1の実施形態と異なる点につい
て行う。したがって、以下に記載されている内容以外の
箇所は、上述した本発明の第1の実施形態についての説
明をここに準用することとする。
【0085】図8を参照すると、アナログ電子時計にお
いて、アナログ電子時計のムーブメント(機械体)40
0は、ムーブメントの基板を構成する地板402を有す
る。
【0086】秒ロータ276、秒伝え車282は、地板
402と輪列受412に対して、回転可能に支持され
る。すなわち、秒ロータ276の上軸部276aは、輪
列受412に設けられた秒ロータ上ほぞ枠476aに対
して回転可能なように支持される。秒伝え車282の上
軸部282aは、輪列受412に設けられた秒伝え上ほ
ぞ枠482aに対して回転可能なように支持される。秒
車284の上軸部284aは、輪列受412に設けられ
た秒上ほぞ枠484aに対して回転可能なように支持さ
れる。また、秒ロータ276の下軸部276bは、地板
402に設けられた秒ロータ下ほぞ枠476bに対し
て、回転可能に支持される。秒伝え車282の下軸部2
82bは、地板402に設けられた秒伝え下ほぞ枠48
2bに対して、回転可能に支持される。
【0087】上記以外のロータ及び歯車の上軸部は、輪
列受412に設けられたそれぞれのほぞ枠(図示せず)
に対して、回転可能に支持される。また、上記以外のロ
ータ及び歯車の下軸部は、地板402に設けられたそれ
ぞれのほぞ枠(図示せず)に対して、回転可能に支持さ
れる。
【0088】地板402、輪列受412は黄銅などの金
属で形成される。或いは、地板402、輪列受412は
ポリカーボネートなどのプラスチックで形成されてもよ
い。
【0089】それぞれのほぞ枠は、本発明の第1の実施
の形態で地板102、輪列受162に用いられるフィラ
ー入り樹脂で形成される。
【0090】それぞれのほぞ枠の軸受部には、潤滑油の
保持性能を高めるために、円錐状、円筒状、又は、円錐
台状の油溜め部を設けるのが好ましい。油溜め部を設け
ると、潤滑油の表面張力により油が拡散するのを効果的
に阻止することができる。
【0091】本発明の第3の実施の形態において、ほぞ
枠に用いられるフィラー入り樹脂は、本発明の第1の実
施の形態で地板102、輪列受162に用いられるフィ
ラー入り樹脂と同じものである。したがって、上述した
本発明の第1の実施形態におけるフィラー入り樹脂、ベ
ースレジン、カーボンフィラーに関する説明をここに準
用することとする。
【0092】それぞれのほぞ枠の軸受部には、潤滑油が
注油される。この潤滑油は、精密機械用油であるのが好
ましく、いわゆる時計油であるのが特に好ましい。 (4)第4の実施の形態 次に、本発明の第4の実施形態について説明する。
【0093】以下の説明は、主として、本発明の第4の
実施形態が、本発明の第2の実施形態と異なる点につい
て行う。したがって、以下に記載されている内容以外の
箇所は、上述した本発明の第2の実施形態についての説
明をここに準用することとする。
【0094】図9を参照すると、機械式時計において、
機械式時計のムーブメント(機械体)500は、ムーブ
メントの基板を構成する地板502を有する。
【0095】香箱車320は、地板502及び香箱受5
60に対して回転可能なように支持される。すなわち、
香箱真320fの上軸部320aは、香箱受560に設
けられた香箱上ほぞ枠520aに対して回転可能なよう
に支持される。香箱真320fの下軸部320bは、地
板502に設けられた香箱下ほぞ枠520bに対して、
回転可能に支持される。
【0096】二番車324、三番車326、四番車32
8、がんぎ車330は、地板502及び輪列受562に
対して回転可能なように支持される。すなわち、二番車
324の上軸部324aは、輪列受562に設けられた
二番上ほぞ枠524aに対して回転可能なように支持さ
れる。三番車326の上軸部326aは、輪列受562
に設けられた三番上ほぞ枠526aに対して回転可能な
ように支持される。四番車328の上軸部328aは、
輪列受562に設けられた四番上ほぞ枠528aに対し
て回転可能なように支持される。がんぎ車330の上軸
部330aは、輪列受562に設けられたがんぎ上ほぞ
枠530aに対して回転可能なように支持される。ま
た、二番車324の下軸部324bは、地板502に設
けられた二番下ほぞ枠524bに対して回転可能なよう
に支持される。三番車326の下軸部326bは、地板
502に設けられた三番下ほぞ枠526bに対して回転
可能なように支持される。四番車328の下軸部328
bは、地板502に設けられた四番下ほぞ枠528aに
対して回転可能なように支持される。がんぎ車330の
下軸部330bは、地板502に設けられたがんぎ下ほ
ぞ枠530bに対して回転可能なように支持される。
【0097】アンクル(図示せず)は、地板502及び
アンクル受(図示せず)に対して回転可能なように支持
される。すなわち、アンクルの上軸部は、アンクル受に
設けられたアンクル上ほぞ枠(図示せず)に対して回転
可能なように支持される。アンクルの下軸部は、地板5
02に設けられたアンクル下ほぞ枠(図示せず)に対し
て回転可能なように支持される。
【0098】地板502、香箱受560、輪列受56
2、アンクル受は黄銅などの金属で形成される。或い
は、地板502、香箱受560、輪列受562、アンク
ル受はポリカーボネートなどのプラスチックで形成され
てもよい。
【0099】それぞれのほぞ枠は、本発明の第1の実施
の形態で地板102、輪列受162に用いられるフィラ
ー入り樹脂で形成される。
【0100】それぞれのほぞ枠の軸受部には、潤滑油の
保持性能を高めるために、円錐状、円筒状、又は、円錐
台状の油溜め部を設けるのが好ましい。油溜め部を設け
ると、潤滑油の表面張力により油が拡散するのを効果的
に阻止することができる。
【0101】本発明の第4の実施の形態において、ほぞ
枠に用いられるフィラー入り樹脂は、本発明の第1の実
施の形態で地板102、輪列受162に用いられるフィ
ラー入り樹脂と同じものである。したがって、上述した
本発明の第1の実施形態におけるフィラー入り樹脂、ベ
ースレジン、カーボンフィラーに関する説明をここに準
用することとする。
【0102】それぞれのほぞ枠の軸受部には、潤滑油が
注油される。この潤滑油は、精密機械用油であるのが好
ましく、いわゆる時計油であるのが特に好ましい。 (5)他の実施の形態 上述した本発明の実施の形態においては、複数のモータ
及び複数の輪列を含むアナログ電子時計の実施形態と、
1つのぜんまい及び輪列を含む機械式時計の実施形態に
ついて本発明を説明したけれども、本発明は、1つのモ
ータ及び1つの歯車を含むアナログ電子時計に適用する
こともできるし、1つのモータ及び複数の輪列を含むア
ナログ電子時計に適用することもできるし、複数のぜん
まい及び複数の輪列を含む機械式時計に適用することも
できるし、モータ及び輪列を含み、ぜんまい及び輪列を
含む時計に適用することもできる。
【0103】上述した本発明の実施の形態においては、
ベースレジンは、一般的には、ポリスチレン、ポリエチ
レンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリアセター
ル(ポリオキシメチレン)、ポリアミド、変性ポリフェ
ニレンエーテル、ポリブチレンテレフタレート、ポリフ
ェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、
ポリエーテルイミドであるとしたけれども、他のプラス
チック、例えば、ポリスルホン、ポリエーテルスルホ
ン、ポリエチレン、ナイロン6、ナイロン66、ナイロ
ン12、ポリプロピレン、ABS樹脂、AS樹脂などの
熱可塑性樹脂も、ベースレジンとして使用することがで
きる。また、ベースレジンとして、上記の熱可塑性樹脂
を2種以上混合して使用してもよい。さらに、本発明で
用いられるベースレジンに、添加剤(酸化防止剤、潤滑
剤、可塑剤、安定剤、充填剤、溶剤など)を配合しても
よい。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の第1の実施形態において、ム
ーブメントを表側から見た概略形状を示す平面図である
(図1では、一部の部品を省略している)。
【図2】図2は、本発明の第1の実施形態において、秒
モータから秒針の部分を示す概略部分断面図である。
【図3】図3は、本発明の第1の実施形態において、分
モータから分針の部分を示す概略部分断面図である。
【図4】図4は、本発明の第1の実施形態において、時
モータから時針の部分を示す概略部分断面図である。
【図5】図5は、本発明の第2の実施形態において、ム
ーブメントの表側の概略形状を示す平面図である(図5
では、一部の部品を省略し、受部材は仮想線で示してい
る)。
【図6】図6は、本発明の第2の実施形態において、香
箱からアンクルの部分を示す概略部分断面図である。
【図7】図7は、本発明の第2の実施形態において、が
んぎ車からてんぷの部分を示す概略部分断面図である。
【図8】図8は、本発明の第3の実施形態において、秒
モータから秒針の部分を示す概略部分断面図である。
【図9】図9は、本発明の第4の実施形態において、香
箱からアンクルの部分を示す概略部分断面図である。
【符号の説明】
100 ムーブメント(機械体) 102 地板 112 輪列受 114 二番受 216 時ロータ 222 一番時伝え車 224 二番時伝え車 226 時車 246 分ロータ 252 一番分伝え車 254 二番分伝え車 256 分車 276 秒ロータ 282 秒伝え車 284 秒車 300 ムーブメント(機械体) 302 地板 320 香箱車 324 二番車 326 三番車 328 四番車 330 がんぎ車 360 香箱受 362 輪列受 364 アンクル受
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F16C 33/10 F16C 33/10 D 33/20 33/20 A G04B 13/02 G04B 13/02 Z 31/08 31/08 Z (72)発明者 竹田 和俊 宮城県仙台市青葉区上愛子字松原45−1 株式会社エスアイアイ・マイクロパーツ内 (72)発明者 竹中 雅人 千葉県千葉市美浜区中瀬1丁目8番地 セ イコーインスツルメンツ株式会社内 (72)発明者 鈴木 重男 千葉県千葉市美浜区中瀬1丁目8番地 セ イコーインスツルメンツ株式会社内 (72)発明者 所 毅 千葉県千葉市美浜区中瀬1丁目8番地 セ イコーインスツルメンツ株式会社内 Fターム(参考) 2F001 AA06 AC01 AG06 AG07 3J011 AA07 BA02 BA06 DA01 DA02 JA01 JA02 KA02 KA03 LA04 MA02 MA12 RA03 SA05 SC02 SC03 SC12 SC13 SC14 SC15 SE10 4J002 BC031 BE061 CF061 CF071 CG001 CH071 CH091 CL001 CM041 CN011 DA01 FA04 FA05 GM00 GM02 GM05

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 駆動源及び輪列を有する時計において、 駆動源を構成するモータ及び/又はぜんまいと、 前記モータの回転により回転するように構成された歯
    車、及び/又は、前記ぜんまいを駆動源として回転する
    ように構成された歯車とを備え、前記歯車は、歯車部お
    よび軸部を有しており、 前記歯車の軸部を回転可能に支持する軸受部を含む支持
    部材を備え、 前記支持部材は、ベースレジンを熱可塑性樹脂として、
    このベースレジンにカーボンフィラーを充填したフィラ
    ー入り樹脂で形成され、 前記軸受部には、潤滑油が注油されるように構成され
    る、ことを特徴とする時計。
  2. 【請求項2】 前記支持部材は、該支持部材の本体と、
    該本体と別個に構成された軸受部材とを含み、前記軸受
    部は前記軸受部材に設けられることを特徴とする請求項
    1に記載の時計。
  3. 【請求項3】 駆動源及び輪列を有する時計において、 駆動源を構成するモータ及び/又はぜんまいと、 前記モータの回転により回転するように構成された歯
    車、及び/又は、前記ぜんまいを駆動源として回転する
    ように構成された歯車とを備え、前記歯車は、歯車部お
    よび軸部を有しており、 前記歯車の軸部を回転可能に支持する軸受部を含む支持
    部材を備え、 前記歯車の少なくとも軸部は、ベースレジンを熱可塑性
    樹脂として、このベースレジンにカーボンフィラーを充
    填したフィラー入り樹脂で形成され、 前記軸受部には、潤滑油が注油されるように構成され
    る、ことを特徴とする時計。
  4. 【請求項4】 駆動源及び輪列を有する時計において、 駆動源を構成するモータ及び/又はぜんまいと、 前記モータの回転により回転するように構成された歯
    車、及び/又は、前記ぜんまいを駆動源として回転する
    ように構成された歯車とを備え、前記歯車は、歯車部お
    よび軸部を有しており、 前記歯車の軸部を回転可能に支持する軸受部を含む支持
    部材を備え、 前記支持部材は、ベースレジンを熱可塑性樹脂として、
    このベースレジンにカーボンフィラーを充填したフィラ
    ー入り樹脂で形成され、 前記歯車の少なくとも軸部は、ベースレジンを熱可塑性
    樹脂として、このベースレジンにカーボンフィラーを充
    填したフィラー入り樹脂で形成され、 前記軸受部には、潤滑油が注油されるように構成され
    る、ことを特徴とする時計。
  5. 【請求項5】 前記ベースレジンが、ポリスチレン、ポ
    リエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリア
    セタール(ポリオキシメチレン)、ポリアミド、変性ポ
    リフェニレンエーテル、ポリブチレンテレフタレート、
    ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケ
    トン、ポリエーテルイミドからなる群から選択されるこ
    とを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に
    記載の時計。
  6. 【請求項6】 前記カーボンフィラーは、単層カーボン
    ナノチューブ、多層カーボンナノチューブ、気相成長炭
    素繊維、ナノグラファイバー、カーボンナノホーン、カ
    ップスタック型カーボンナノチューブ、単層フラーレ
    ン、多層フラーレン、および、前記カーボンフィラーの
    うちのいずれかにボロン(ホウ素)をドープした混入物
    からなる群から選択されることを特徴とすることを特徴
    とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の時
    計。
  7. 【請求項7】 歯車及び支持部材を含む輪列装置におい
    て、 歯車部および軸部を有する歯車と、 前記歯車の軸部を回転可能に支持する軸受部を含む支持
    部材とを備え、 前記支持部材は、ベースレジンを熱可塑性樹脂として、
    このベースレジンにカーボンファイバーをフィラーとし
    て充填したフィラー入り樹脂で形成され、 前記軸受部には、潤滑油が注油されるように構成され
    る、ことを特徴とする輪列装置。
  8. 【請求項8】 前記支持部材は、該支持部材の本体と、
    該本体と別個に構成された軸受部材とを含み、前記軸受
    部は前記軸受部材に設けられることを特徴とする請求項
    7に記載の輪列装置。
  9. 【請求項9】 歯車及び支持部材を含む輪列装置におい
    て、 歯車部および軸部を有する歯車と、 前記歯車の軸部を回転可能に支持する軸受部を含む支持
    部材とを備え、 前記支持部材は、ベースレジンを熱可塑性樹脂として、
    このベースレジンにカーボンファイバーをフィラーとし
    て充填したフィラー入り樹脂で形成され、 前記歯車の少なくとも軸部は、ベースレジンを熱可塑性
    樹脂として、このベースレジンにカーボンファイバーを
    フィラーとして充填したフィラー入り樹脂で形成され、 前記軸受部には、潤滑油が注油されるように構成され
    る、ことを特徴とする輪列装置。
  10. 【請求項10】 歯車及び支持部材を含む輪列装置にお
    いて、 歯車部および軸部を有する歯車と、 前記歯車の軸部を回転可能に支持する軸受部を含む支持
    部材とを備え、 前記歯車の少なくとも軸部は、ベースレジンを熱可塑性
    樹脂として、このベースレジンにカーボンファイバーを
    フィラーとして充填したフィラー入り樹脂で形成され、 前記軸受部には、潤滑油が注油されるように構成され
    る、ことを特徴とする輪列装置。
  11. 【請求項11】 前記ベースレジンが、ポリスチレン、
    ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリ
    アセタール(ポリオキシメチレン)、ポリアミド、変性
    ポリフェニレンエーテル、ポリブチレンテレフタレー
    ト、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテ
    ルケトン、ポリエーテルイミドからなる群から選択され
    ることを特徴とする請求項7から請求項10のいずれか
    1項に記載の輪列装置。
  12. 【請求項12】 前記カーボンフィラーは、単層カーボ
    ンナノチューブ、多層カーボンナノチューブ、気相成長
    炭素繊維、ナノグラファイバー、カーボンナノホーン、
    カップスタック型カーボンナノチューブ、単層フラーレ
    ン、多層フラーレン、および、前記カーボンフィラーの
    うちのいずれかにボロン(ホウ素)をドープした混入物
    からなる群から選択されることを特徴とする請求項7か
    ら請求項11のいずれか1項に記載の輪列装置。
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