JP2003194606A - 熱式流量計 - Google Patents

熱式流量計

Info

Publication number
JP2003194606A
JP2003194606A JP2001390432A JP2001390432A JP2003194606A JP 2003194606 A JP2003194606 A JP 2003194606A JP 2001390432 A JP2001390432 A JP 2001390432A JP 2001390432 A JP2001390432 A JP 2001390432A JP 2003194606 A JP2003194606 A JP 2003194606A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fluid
temperature
flow
heat
physical property
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2001390432A
Other languages
English (en)
Inventor
Katsuhide Kikuchi
克英 菊地
Shinji Houchiyou
伸次 庖丁
Atsushi Ogino
温 荻野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Soken Inc
Original Assignee
Nippon Soken Inc
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Soken Inc, Toyota Motor Corp filed Critical Nippon Soken Inc
Priority to JP2001390432A priority Critical patent/JP2003194606A/ja
Publication of JP2003194606A publication Critical patent/JP2003194606A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)
  • Measuring Volume Flow (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】構造の簡素化を図りコスト上昇を抑制すること
ができる熱式流量計を提供する。 【解決手段】流体が流れる管体11は流体の流れ方向と
直交する方向において一様な断面円形に形成されてい
る。管体11には複数の抵抗素子13,14が配置され
ている。抵抗素子13,14の線径は互いに異なる値に
設定されており、流体に対する放熱量が異なる値とな
る。制御回路18は抵抗素子13,14の放熱量の差に
基づいて流体の種別を判別するとともに、その放熱量差
及び流体の種別に基づいて流体の流量を算出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、流体流路内に発熱
体を設け、その発熱体の放熱量に基づいて流路内を流れ
る流体の種別と流体の流量とを同時に計測できるように
した熱式流量計に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、流路内に発熱線を設け、その
発熱線の放熱量に基づいて流体の流量を計測するように
した熱式流量計が知られている。このような熱式流量計
として、特開平5−180670号公報に開示される混
合ガスの計測装置が提案されている。この計測装置で
は、混合ガスの同一流路内に、混合ガスの流速が相違す
る複数の測定部を設け、各測定部には発熱線を設けて発
熱線の放熱量に基づいて混合ガスの流量及び含有される
ガスの濃度を計測するようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
計測装置においては、混合ガスの流速が相違する複数の
測定部を設けるには、流体の流れ方向と直交する方向に
おける流路の断面積が異なる値となるように流体流路を
形成しなければならず、流体流路の構造が複雑になりコ
スト上昇を招いていた。
【0004】本発明は、上記実情に鑑みてなされたもの
であって、その目的は、構造の簡素化を図ってコスト上
昇を抑制しつつ、流体の流量及び流体の種別を計測する
ことができる熱式流量計を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】以下、上記目的を達成す
るための手段及びその作用効果について記載する。請求
項1に記載の発明は、流体流路内に複数の発熱体を設
け、各発熱体の放熱量の差に基づいて前記流体流路を流
れる流体の種別を判別するとともに、前記各発熱体の放
熱量差及び流体の種別に基づいて前記流体の流量を算出
するようにした熱式流量計において、前記流体の流れ方
向と直交する方向における前記流体流路の断面積が一定
の値を有するものとするとともに、前記各発熱体を互い
に伝熱特性の異なる形態としたことを特徴とする。
【0006】流体流路を流れる流体によって複数の発熱
体の伝熱特性が異なっていれば、各発熱体の放熱量差に
基づいて流体の種別を判別することができるとともに、
各発熱体の放熱量差及び流体の種別に基づいて流体の流
量を算出することができる。このとき、各発熱体の放熱
量は、流体の物性値(熱伝導率、定圧比熱)と、流体の
流速と、発熱体の伝熱特性とに依存する。従って、流体
流路内に設けられた複数の発熱体の放熱量を異なる値に
するには、各発熱体の配置位置における流体の流速を相
違させるか、又は各発熱体を互いに伝熱特性の異なる形
態のものとすればよい。
【0007】この点に関して、上記の構成では流体流路
は流体の流れ方向と直交する方向における断面積が一定
であるため、各発熱体の配置位置における流体の流速は
一様となり、流体流路の構造を簡素化することができ
る。このとき、複数の発熱体を互いに伝熱特性の異なる
形態のものとすることにより、複数の発熱体の放熱量を
異なる値にすることができる。よって、熱式流量計の構
造を簡素化してコスト上昇を抑制することができる。
【0008】請求項2に記載の発明は、請求項1におい
て、前記流体流路内を通過する流体の温度を検出する検
出手段と、前記複数の発熱体の温度をそれぞれ前記流体
の温度よりも所定温度だけ高い温度に制御する制御手段
と、前記制御手段により前記複数の発熱体に加えられる
熱流を求める熱流検出手段と、予め求められた前記熱
流、流体の温度、発熱体の温度及び流量の相関を参照す
ることにより、少なくとも1つの発熱体の熱流と流体の
温度及び発熱体の温度に基づいて前記流体の流量を求め
る流量算出手段と、予め求められた前記複数の発熱体に
対応した熱流と流体の温度及び発熱体の温度及び流体の
第1物性値の相関を参照することにより前記熱流検出手
段により求められた複数の発熱体に対応した熱流と流体
の温度及び複数の発熱体に対応した発熱体の温度に基づ
いて前記流体の第1物性値を求める第1物性値算出手段
とを備えることを特徴とする。
【0009】上記構成によれば、予め求められた複数の
発熱体の熱流、流体の温度、発熱体の温度及び流量の相
関を参照することにより、少なくとも1つの発熱体の熱
流と流体の温度及び発熱体の温度に基づいて流体の流量
を求めることができる。また、予め求められた複数の発
熱体に対応した熱流と流体の温度及び発熱体の温度及び
流体の第1物性値の相関を参照することにより、求めら
れた複数の発熱体に対応した熱流と流体の温度及び複数
の発熱体に対応した発熱体の温度に基づいて流体の第1
物性値を求めることができる。
【0010】請求項3に記載の発明は、請求項1におい
て、前記流体流路内を通過する流体の温度を検出する検
出手段と、前記複数の発熱体の温度をそれぞれ前記流体
の温度よりも所定温度だけ高い温度に制御する制御手段
と、前記制御手段により前記複数の発熱体に加えられる
熱流を求める熱流検出手段と、予め求められた前記複数
の発熱体に対応した熱流と流体の温度及び複数の発熱体
に対応した発熱体の温度及び流体の第1物性値の相関を
参照することにより前記熱流検出手段により求められた
複数の発熱体に対応した熱流と流体の温度及び複数の発
熱体に対応した発熱体の温度に基づいて前記流体の第1
物性値を求める第1物性値算出手段と、予め求められた
前記熱流、流体の温度、発熱体の温度、流体の第1物性
値及び流量の相関を参照することにより少なくとも1つ
の発熱体の熱流と流体の温度、発熱体の温度及び流体の
第1物性値に基づいて前記流体の流量を求める流量算出
手段とを備えることを特徴とする。
【0011】上記構成によれば、予め求められた複数の
発熱体に対応した熱流と流体の温度及び複数の発熱体に
対応した発熱体の温度及び流体の第1物性値の相関を参
照することにより、求められた複数の発熱体に対応した
熱流と流体の温度及び複数の発熱体に対応した発熱体の
温度に基づいて流体の第1物性値を求めることができ
る。また、予め求められた複数の発熱体に対応した熱
流、流体の温度、発熱体の温度、流体の第1物性値及び
流量の相関を参照することにより、少なくとも1つの発
熱体の熱流と流体の温度、発熱体の温度及び流体の第1
物性値に基づいて流体の流量を求めることができる。従
って、流体流路を流れる流体の種類及び組成のいずれか
の変化により該流体の第1物性値が変化しても、精度よ
く流体の流量を検出することができる。
【0012】請求項4に記載の発明は、請求項3におい
て、予め求められた流体の第1物性値と、流体の種類及
び組成のいずれかとの相関を参照することにより前記算
出された前記流体の第1物性値に基づいて流体の種類及
び組成のいずれかを算出する組成算出手段を備えること
を特徴とする。
【0013】上記構成によれば、予め求められた流体の
第1物性値と、流体の種類及び組成のいずれかとの相関
を参照することにより算出された流体の第1物性値に基
づいて流体の種類及び組成のいずれかを確実に検出する
ことができる。
【0014】請求項5に記載の発明のように、流体の第
1物性値として流体の熱伝導率を採用することが好適で
ある。請求項6に記載の発明は、請求項4において、予
め求められた流体の第2物性値と、流体の種類及び組成
のいずれかとの相関を参照することにより前記算出され
た前記流体の種類及び組成のいずれかに基づいて前記流
体の第2物性値を算出する第2物性値算出手段を備え、
前記流量算出手段は、予め求められた前記熱流、流体の
温度、発熱体の温度、第1物性値、第2物性値及び流量
の相関を参照することにより少なくとも1つの発熱体の
熱流、流体の温度、発熱体の温度、前記算出された第1
物性値及び前記算出された第2物性値に基づいて前記流
体の流量を求めることを特徴とする。
【0015】上記構成によれば、予め求められた流体の
第2物性値と予め求められた流体の種類及び組成のいず
れかとの相関を参照することにより、求められた流体の
種類及び組成のいずれかに基づいて流体の第2物性値を
求めることができる。また、予め求められた複数の発熱
体に対応した熱流、流体の温度、発熱体の温度、流体の
第1物性値、第2物性値及び流量の相関を参照すること
により、少なくとも1つの発熱体の熱流と流体の温度、
発熱体の温度、流体の第1物性値及び第2物性値に基づ
いて流体の流量を求めることができる。従って、流体流
路を流れる流体の種類及び組成のいずれかが変化して該
流体の第1物性値及び第2物性値のいずれかが変化して
も、精度よく流体の流量を検出することができる。
【0016】請求項7に記載の発明のように、流体の第
2物性値として流体の定圧比熱を採用することが好まし
い。請求項8に記載の発明は、請求項1〜7のいずれか
において、前記複数の発熱体は発熱線であり、これら発
熱線の線径が互いに異なることを特徴とする。
【0017】上記構成によれば、複数の発熱体を発熱線
とするとともに、複数の発熱線を互いに異なる線径のも
のとすることにより、容易に発熱線の伝熱特性を異なる
ものとすることができる。
【0018】請求項9に記載の発明は、請求項1〜7の
いずれかにおいて、前記複数の発熱体は基板上に形成さ
れた薄膜抵抗素子であり、これら薄膜抵抗素子の膜厚、
大きさ、形状及びパターンのいずれかが異なることを特
徴とする。
【0019】上記構成によれば、複数の発熱体を基板上
に形成された薄膜抵抗素子とするとともに、複数の薄膜
抵抗素子の膜厚、大きさ、形状及びパターンのいずれか
を異なるものとすることにより、容易に発熱線の伝熱特
性を異なるものとすることができるとともに、熱式流量
計の小型化を図ることができる。
【0020】請求項10に記載の発明は、請求項1〜9
のいずれかにおいて、前記各発熱体は、前記流体の流れ
に直交する方向において、互いに異なる高さ位置に配置
されていることを特徴とする。
【0021】従って、上記構成によれば、複数の発熱体
を、流体の流れに直交する方向において互いに異なる高
さ位置に配置することにより、各発熱体の放熱による他
の発熱体の放熱量への影響を抑制することができ、測定
精度を向上することができる。
【0022】請求項11に記載の発明は、請求項1〜1
0のいずれかにおいて、前記各発熱体は、前記流体の流
れ方向において、互いに異なる位置に配置されているこ
とを特徴とする。
【0023】従って、上記構成によれば、複数の発熱体
を、流体の流れ方向において互いに異なる位置に配置す
ることにより、各発熱体の放熱による他の発熱体の放熱
量への影響を抑制することができ、測定精度を向上する
ことができる。
【0024】
【発明の実施の形態】(第1実施形態)以下、本発明を
具体化した第1実施形態を図1〜図3に基づいて説明す
る。
【0025】図1,図2に示すように、熱式流量計10
は流体流路としての管体11を備えている。管体11は
同管体11内を流れる流体としての気体の流れ方向と直
交する方向における断面積が一定になる一様な断面円形
に形成されている。ここでは管体11が円形の例を示し
たが、これに限定されるものではなく、気体の流れ方向
と直交する方向における断面積が一定であればよい。ま
た、管体11内の流速は一様となるのが望ましいため、
上流に整流器等を設置し、管体11内の流速を一様にす
るとよい。
【0026】管体11には、1つの温度検出素子12
と、発熱体としての複数(この場合には2つ)の抵抗素
子13,14がそれぞれ一対の支柱15,16,17を
介して配置されている。これらの抵抗素子13,14
は、温度により抵抗値が変化することに基づいて自身の
温度を検出することができ、電流を流すことによりジュ
ール熱により素子温度を上げることができるものであ
る。温度検出素子12及び複数の抵抗素子13,14
は、管体11内において気体の流れに直交する方向にお
いて互いに異なる高さ位置に配置されるとともに、気体
の流れ方向において互いに異なる位置に配置されてい
る。これにより、抵抗素子13,14の放熱により温度
検出素子12や他の抵抗素子の放熱量への影響を与えな
いようにすることができる。又、抵抗素子13,14
は、ボビンに電熱線を巻いた形状のもの、又は所定長の
電熱線を用いることができる。抵抗素子13,14の電
熱線の線径は互いに異なる値に設定されている。このよ
うに抵抗素子13,14の線径を異なる値に設定するこ
とにより、放熱量に影響を与える外表面積が異なる値と
なって抵抗素子13,14の伝熱特性が異なる値とな
る。又、抵抗素子13,14の電熱線の線径は同一であ
っても、表面にコーティング等の保護材を施して、見か
け上、線径が異なるように構成したものでもよい。この
ように保護材を設けた抵抗素子の場合にも、線径を異な
る値に設定することにより、放熱量に影響を与える外表
面積が異なる値となって各抵抗素子の伝熱特性を異なる
値にすることができる。保護材を設けた抵抗素子の場合
には、その保護材の形状、大きさ及び材質のいずれかを
異なるように形成しても、各抵抗素子の伝熱特性を異な
る値にすることができる。
【0027】温度検出素子12は、抵抗素子13,14
と同様の構成のものでもよいし、熱起電力を利用したも
のでもよく、制御回路18を介して管体11内を流れる
気体の温度を測定する。
【0028】制御回路18は抵抗素子13,14に制御
電流を流すことにより、温度検出素子12によって検出
された気体の温度よりも所定値ΔT1,ΔT2だけ高い
温度を保持するように制御する。制御回路18は抵抗素
子13,14に供給する電力に基づいて抵抗素子13,
14の放熱量P1,P2を求める。
【0029】一般に、熱式流量計における気体の流量と
放熱量との関係は、以下の式(1)にて求めることがで
きる。
【0030】
【数1】 P=ΔT(A・G1/2+B) …(1) B=λl A=l{(2πλCp・d)/S}1/2 但し、(Cp・d・G)/(λ・S)>0.08の場合であ
る。
【0031】なお、P:放熱量 A,B:定数 λ:熱伝導率 l:電熱線の長さ S:流路の断面積 G:質量流量 Cp:定圧比熱 ΔT:流体と電熱線との温度差 d:電熱線の線径 ここで、抵抗素子13,14の放熱量P1,P2につい
て上記式(1)が成立する。
【0032】
【数2】 P1=ΔT1・l1[{(2πλCp・d1)/S}1/2・G1/2+λ]…(2) P2=ΔT2・l2[{(2πλCp・d2)/S}1/2・G1/2+λ]…(3) 但し、l1,l2及びd1,d2は抵抗素子13,14
の長さ及び線径である。l1は抵抗素子13の長さであ
り、d1は抵抗素子13の線径である。l2は抵抗素子
14の長さであり、d2は抵抗素子14の線径である。
【0033】上記式(2),(3)において、抵抗素子
13,14の電熱線の長さl1,l2及び抵抗素子1
3,14の線径d1,d2、抵抗素子13と流体との温
度差ΔT1、抵抗素子14と流体との温度差ΔT2、管
体11の断面積Sは既知である。従って、式(2),
(3)よりなる連立方程式を計測された放熱量P1,P
2の値に基づいて流体の熱伝導率λについて解くことが
できる。
【0034】
【数3】λ={2(d2・X−d1・Y)±Z1/2}/2
(d2−d1) なお、 X=P1/(ΔT1・l1) Y=P2/(ΔT2・l2) Z=4{(d2・X−d1・Y)2−(d2−d1)(d2・
2−d1・Y2)} ここで、制御回路18は、例えば図3に示すように、種
々の気体に関して気体の種別あるいは組成と第1物性値
としての熱伝導率λとの関係、熱伝導率λと第2物性値
としての定圧比熱Cpとの関係を記憶している。従っ
て、制御回路18は算出した気体の熱伝導率λの値に基
づいて気体の種別あるいは組成を判別することができる
とともに、定圧比熱Cpの値を求めることができる。そ
して、熱伝導率λと定圧比熱Cpとを上式(2),
(3)に代入することにより、管体11を流れる気体の
質量流量を算出することができる。従って、本実施形態
の方法により、流体の種類及び組成によらずに流体の質
量流量を計測することができ、流体の種類を判別するこ
とができる。
【0035】今、管体11内を空気と二酸化炭素との混
合気が流れる場合にも、その混合比に応じて混合気の熱
伝導率及び定圧比熱が変化する。そこで、図3に示され
るように、空気と二酸化炭素とにおける熱伝導率及び定
圧比熱と流体温度(温度検出素子12の検出値)との関
係を予め求めておく。算出した混合気の熱伝導率に基づ
いて流体の混合比と定圧比熱の値とを求めることができ
る。そして、上記のようにして求めた熱伝導率λ及び定
圧比熱Cpを上記式(2)又は式(3)に代入すること
により、流体(混合気)の質量流量Gを求めることがで
きる。
【0036】上記のように構成された本実施形態によれ
ば、以下のような効果が得られる。 ・ 本実施形態の熱式流量計10では管体11は流体
(気体)の流れ方向と直交する方向における断面積が一
定となる一様な断面円形状をなすため、各抵抗素子1
3,14の配置位置における流体の流速は一様となり、
管体(流体流路)11の構造を簡素化することができ
る。このとき、複数の抵抗素子13,14を異なる線径
のものとすることにより、複数の抵抗素子13,14の
放熱量を異なる値にすることができる。よって、熱式流
量計10の構造を簡素化してコスト上昇を抑制すること
ができる。
【0037】・ 本実施形態の熱式流量計10では流体
(気体)の熱伝導率を算出することができ、それにより
流体の種類及び組成を判別することができる。また、流
体の種類や組成、流体温度により熱伝導率、定圧比熱の
値が変化しても、算出した熱伝導率に基づいて定圧比熱
を算出することができ、流体の流量を精度良く算出する
ことができる。
【0038】・ 本実施形態の熱式流量計10では複数
の抵抗素子13,14を、管体11内において流体(気
体)の流れに直交する方向において互いに異なる高さ位
置に配置するとともに、流体の流れ方向において互いに
異なる位置に配置している。そのため、抵抗素子13,
14の放熱による他の抵抗素子の放熱量への影響を抑制
することができ、測定精度を向上することができる。
【0039】(第2実施形態)次に、本発明を具体化し
た第2実施形態を図4に基づいて説明する。本実施形態
の熱式流量計20は、シリコン基板22上に温度検出素
子23、発熱体として複数の抵抗素子24,25を形成
した流量検出デバイス21を流体流路としての管体26
内に配置している。管体26は同管体26内を流れる流
体としての気体の流れ方向と直交する方向における断面
積が一定に形成されている。
【0040】温度検出素子23及び抵抗素子24,25
はシリコン基板22上に製膜された白金をエッチング処
理することにより形成されている。抵抗素子24,25
は、温度により抵抗値が変化することに基づいて自身の
温度を検出することができ、電流を流すことによりジュ
ール熱により素子温度を上げることができるものであ
る。抵抗素子24,25は、それらの発熱が互いに他の
抵抗素子24,25や温度検出素子23に影響を与えな
いように配置されている。
【0041】また、抵抗素子24,25はほぼ同様のパ
ターンに形成されているが、抵抗素子25のパターン幅
は抵抗素子24のパターン幅よりも大きく形成されてい
る。このように抵抗素子24,25のパターン幅を異な
る値に設定することにより、放熱量に影響を与える外表
面積が異なる値となって抵抗素子24,25の伝熱特性
が異なる値となる。なお、抵抗素子24,25はパター
ン幅を含んでパターンが同一であっても、表面にコーテ
ィング等の保護膜を施して、見かけ上、両抵抗素子のパ
ターン幅が異なるように構成したものでもよい。このよ
うに保護膜を設けた抵抗素子の場合にも、パターン幅を
異なる値に設定することにより、放熱量に影響を与える
外表面積が異なる値となって各抵抗素子の伝熱特性を異
なる値にすることができる。
【0042】温度検出素子23は抵抗素子24,25と
ほぼ同様のパターンに構成してもよいし、抵抗素子2
4,25のパターンとは異なるパターンであってもよ
く、制御回路18を介して管体26内を流れる気体の温
度を測定する。
【0043】制御回路18は抵抗素子24,25に制御
電流を流すことにより、温度検出素子23によって検出
された気体の温度よりも所定値ΔT1,ΔT2だけ高い
温度を保持するように制御する。制御回路18は抵抗素
子24,25に供給する電力に基づいて抵抗素子24,
25の放熱量P1,P2を求める。本実施形態において
も、第1実施形態と同様に抵抗素子24,25に対応す
る放熱量P1,P2について前記式(1)が成立すると
ともに、前記式(2),(3)が成立する。
【0044】ここで、抵抗素子24,25の熱線の長さ
及び抵抗素子24,25のパターン幅、抵抗素子24と
流体との温度差ΔT1、抵抗素子25と流体との温度差
ΔT2、管体26の断面積Sは既知である。従って、式
(2),(3)よりなる連立方程式を計測された放熱量
P1,P2の値に基づいて流体の熱伝導率λについて解
くことができる。
【0045】従って、管体26に流す流体の種類と熱伝
導率との関係、熱伝導率と定圧比熱との関係を予め求め
ておけば、算出した流体の熱伝導率に基づいて流体の種
類と定圧比熱の値とを求めることができる。そして、求
めた熱伝導率λ及び定圧比熱Cpを上記式(2)又は式
(3)に代入することにより、流体の質量流量Gを求め
ることができる。従って、本実施形態の方法により、流
体の種類及び組成によらずに流体の質量流量を計測する
ことができ、流体の種類を判別することができる。
【0046】なお、実施形態は上記に限定されず、次の
ように変更してもよい。 ・ 上記第1実施形態では2つの抵抗素子13,14を
気体の流れ方向において異なる位置に配置したが、抵抗
素子13を同一円周上に配置するようにしてもよい。な
お、この場合には抵抗素子13,14の放熱が他の抵抗
素子の放熱量に影響を与えないことを満たせばよい。こ
の場合においては、気体が各抵抗素子13,14に到達
する時間が同一となるため、気体の組成や流速が急変す
る場合には特に有効である。
【0047】・ 上記各実施形態では2つの抵抗素子を
設けたが、3つ以上の抵抗素子を設けてもよい。このよ
うに構成すれば、気体の熱伝導率λを算出するためのデ
ータ量が多くなり、測定精度を向上することができる。
【0048】・ 上記各実施形態の熱式流量計10,2
0を、例えば内燃機関の吸気管あるいは排気管内の気体
の測定に用いたり、プロパンガス等の他の単一組成又は
複数組成ガスの検出に用いたりすること。
【0049】・ 上記各実施形態において、管体11,
26を所定長さの継手のように構成し、温度検出素子、
複数の抵抗素子及び制御回路を設けた熱式流量計ユニッ
トとしてもよい。
【0050】・ 上記各実施形態では熱式流量計10,
20を気体の流量の計測に使用するようにしたが、液体
の流量の計測に使用するようにしてもよい。次に、上記
実施形態から把握できる他の技術的思想を、以下に記載
する。
【0051】(イ) 請求項1〜7のいずれかにおい
て、前記複数の発熱体は発熱線及びそれらの表面を覆う
保護材で構成され、それら保護材の形状、大きさ及び材
質のいずれかが異なることを特徴とする熱式流量計。
【0052】(ロ) 請求項1〜7のいずれかにおい
て、前記複数の発熱体は基板上に形成された薄膜抵抗素
子及びそれらの表面を覆う保護膜で構成され、それら保
護膜の膜厚、大きさ、形状及び材料のいずれかが異なる
ことを特徴とする熱式流量計。
【0053】(ハ) 請求項1〜7のいずれかにおい
て、前記複数の発熱体の少なくとも1つは基板上に形成
された薄膜抵抗素子であり、他の発熱体は発熱線である
ことを特徴とする熱式流量計。
【0054】(ニ) 請求項1〜11及び上記(イ),
(ロ),(ハ)のいずれかにおいて、前記流体流路は所
定長さを有する管体である熱式流量計。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を具体化した第1実施形態の熱式流量計
を示す正断面図。
【図2】同じく熱式流量計の側断面図。
【図3】熱伝導率及び定圧比熱と気体温度との関係を示
す説明図。
【図4】第2実施形態の熱式流量計を示す構成図。
【符号の説明】
11,21…管体(流体流路)、12,23…温度検出
素子、13,14,24,25…抵抗素子、15,1
6,17…支柱、18…制御回路。
フロントページの続き (72)発明者 庖丁 伸次 愛知県西尾市下羽角町岩谷14番地 株式会 社日本自動車部品総合研究所内 (72)発明者 荻野 温 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車 株式会社内 Fターム(参考) 2F035 AA02 AA06 EA04 EA07 EA08 3G084 DA04 FA08

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】流体流路内に複数の発熱体を設け、各発熱
    体の放熱量の差に基づいて前記流体流路を流れる流体の
    種別を判別するとともに、前記各発熱体の放熱量差及び
    流体の種別に基づいて前記流体の流量を算出するように
    した熱式流量計において、 前記流体の流れ方向と直交する方向における前記流体流
    路の断面積が一定の値を有するものとするとともに、前
    記各発熱体を互いに伝熱特性の異なる形態としたことを
    特徴とする熱式流量計。
  2. 【請求項2】請求項1において、 前記流体流路内を通過する流体の温度を検出する検出手
    段と、 前記複数の発熱体の温度をそれぞれ前記流体の温度より
    も所定温度だけ高い温度に制御する制御手段と、 前記制御手段により前記複数の発熱体に加えられる熱流
    を求める熱流検出手段と、 予め求められた前記熱流、流体の温度、発熱体の温度及
    び流量の相関を参照することにより、少なくとも1つの
    発熱体の熱流と流体の温度及び発熱体の温度に基づいて
    前記流体の流量を求める流量算出手段と、 予め求められた前記複数の発熱体に対応した熱流と流体
    の温度及び発熱体の温度及び流体の第1物性値の相関を
    参照することにより前記熱流検出手段により求められた
    複数の発熱体に対応した熱流と流体の温度及び複数の発
    熱体に対応した発熱体の温度に基づいて前記流体の第1
    物性値を求める第1物性値算出手段とを備えることを特
    徴とする熱式流量計。
  3. 【請求項3】請求項1において、 前記流体流路内を通過する流体の温度を検出する検出手
    段と、 前記複数の発熱体の温度をそれぞれ前記流体の温度より
    も所定温度だけ高い温度に制御する制御手段と、 前記制御手段により前記複数の発熱体に加えられる熱流
    を求める熱流検出手段と、 予め求められた前記複数の発熱体に対応した熱流と流体
    の温度及び複数の発熱体に対応した発熱体の温度及び流
    体の第1物性値の相関を参照することにより前記熱流検
    出手段により求められた複数の発熱体に対応した熱流と
    流体の温度及び複数の発熱体に対応した発熱体の温度に
    基づいて前記流体の第1物性値を求める第1物性値算出
    手段と、 予め求められた前記熱流、流体の温度、発熱体の温度、
    流体の第1物性値及び流量の相関を参照することにより
    少なくとも1つの発熱体の熱流と流体の温度、発熱体の
    温度及び流体の第1物性値に基づいて前記流体の流量を
    求める流量算出手段とを備えることを特徴とする熱式流
    量計。
  4. 【請求項4】請求項3において、 予め求められた流体の第1物性値と、流体の種類及び組
    成のいずれかとの相関を参照することにより前記算出さ
    れた前記流体の第1物性値に基づいて流体の種類及び組
    成のいずれかを算出する組成算出手段を備えることを特
    徴とする熱式流量計。
  5. 【請求項5】請求項2〜4のいずれかにおいて、 前記第1物性値は流体の熱伝導率であることを特徴とす
    る熱式流量計。
  6. 【請求項6】請求項4において、 予め求められた流体の第2物性値と、流体の種類及び組
    成のいずれかとの相関を参照することにより前記算出さ
    れた前記流体の種類及び組成のいずれかに基づいて前記
    流体の第2物性値を算出する第2物性値算出手段を備
    え、 前記流量算出手段は、予め求められた前記熱流、流体の
    温度、発熱体の温度、第1物性値、第2物性値及び流量
    の相関を参照することにより少なくとも1つの発熱体の
    熱流、流体の温度、発熱体の温度、前記算出された第1
    物性値及び前記算出された第2物性値に基づいて前記流
    体の流量を求めることを特徴とする熱式流量計。
  7. 【請求項7】請求項6において、 前記第2物性値は流体の定圧比熱であることを特徴とす
    る熱式流量計。
  8. 【請求項8】請求項1〜7のいずれかにおいて、 前記複数の発熱体は発熱線であり、これら発熱線の線径
    が互いに異なることを特徴とする熱式流量計。
  9. 【請求項9】請求項1〜7のいずれかにおいて、 前記複数の発熱体は基板上に形成された薄膜抵抗素子で
    あり、これら薄膜抵抗素子の膜厚、大きさ、形状及びパ
    ターンのいずれかが異なることを特徴とする熱式流量
    計。
  10. 【請求項10】請求項1〜9のいずれかにおいて、 前記各発熱体は、前記流体の流れに直交する方向におい
    て、互いに異なる高さ位置に配置されていることを特徴
    とする熱式流量計。
  11. 【請求項11】請求項1〜10のいずれかにおいて、 前記各発熱体は、前記流体の流れ方向において、互いに
    異なる位置に配置されていることを特徴とする熱式流量
    計。
JP2001390432A 2001-12-21 2001-12-21 熱式流量計 Withdrawn JP2003194606A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001390432A JP2003194606A (ja) 2001-12-21 2001-12-21 熱式流量計

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001390432A JP2003194606A (ja) 2001-12-21 2001-12-21 熱式流量計

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003194606A true JP2003194606A (ja) 2003-07-09

Family

ID=27598361

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001390432A Withdrawn JP2003194606A (ja) 2001-12-21 2001-12-21 熱式流量計

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003194606A (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009270840A (ja) * 2008-04-30 2009-11-19 Hitachi Ltd 熱式流量計
JP2009281838A (ja) * 2008-05-21 2009-12-03 Ricoh Co Ltd 雰囲気測定装置
US7677097B2 (en) 2007-05-29 2010-03-16 Hitachi, Ltd. Heating resistor-type gas flowmeter
JP2017505439A (ja) * 2014-01-23 2017-02-16 ベルキン ビーブイBerkin B.V. 媒体の少なくとも一つの性状を判定するための流量測定システム及び方法
US9923250B2 (en) 2013-06-04 2018-03-20 Denso Corporation Heat quantity control device
KR102037787B1 (ko) * 2018-07-10 2019-10-29 한국생산기술연구원 대류형 유량 센서 및 이를 이용한 유량 측정 방법
JP2020013720A (ja) * 2018-07-19 2020-01-23 アイシン精機株式会社 燃料電池システム、原燃料ガスの流量測定方法および原燃料ガスのガス種特定方法

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7677097B2 (en) 2007-05-29 2010-03-16 Hitachi, Ltd. Heating resistor-type gas flowmeter
JP2009270840A (ja) * 2008-04-30 2009-11-19 Hitachi Ltd 熱式流量計
JP2009281838A (ja) * 2008-05-21 2009-12-03 Ricoh Co Ltd 雰囲気測定装置
US9923250B2 (en) 2013-06-04 2018-03-20 Denso Corporation Heat quantity control device
JP2017505439A (ja) * 2014-01-23 2017-02-16 ベルキン ビーブイBerkin B.V. 媒体の少なくとも一つの性状を判定するための流量測定システム及び方法
KR102037787B1 (ko) * 2018-07-10 2019-10-29 한국생산기술연구원 대류형 유량 센서 및 이를 이용한 유량 측정 방법
JP2020013720A (ja) * 2018-07-19 2020-01-23 アイシン精機株式会社 燃料電池システム、原燃料ガスの流量測定方法および原燃料ガスのガス種特定方法
JP7119690B2 (ja) 2018-07-19 2022-08-17 株式会社アイシン 燃料電池システム、原燃料ガスの流量測定方法および原燃料ガスのガス種特定方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4787251A (en) Directional low differential pressure transducer
JP3175887B2 (ja) 測定装置
US7587938B2 (en) Thermal type flow meter including a secondary heating device to suppress heat transfer
JP2000507706A (ja) 拡大した流量測定範囲を有する質量流量トランスデューサ
US20040261520A1 (en) Mass flowmeter
JP2003194606A (ja) 熱式流量計
JP2796174B2 (ja) 流量計
JP2006010322A (ja) 熱式流量計
JPH0469521A (ja) 流量計
JP2003090750A (ja) 流量及び流速測定装置
JP2867125B2 (ja) 流量計
JP3193241B2 (ja) 計測装置
JP2004077338A (ja) センサ、液膜測定装置、液体の流れる設備
JP2004069667A (ja) 液体用熱式質量流量計
KR101889161B1 (ko) 열식 질량 유량계
JP3192912B2 (ja) 流量計
JP3398251B2 (ja) 流量計
JPS60230019A (ja) ガス流量検出装置
JP4081639B2 (ja) 液体用熱式質量流量計
JP3353069B2 (ja) 気体の濃度及び速度の同時測定法、及び測定用プローブ
JP2003254807A (ja) 熱式センサおよびその設置方法ならびにマスフローメータ
JPS59105520A (ja) 熱式質量流量計
JP3802222B2 (ja) 感熱式流速センサ
JPH085426A (ja) 流量計
JP3864165B2 (ja) 熱式流量計

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20050301