JP2003194018A - 整流案内羽根入りエルボ及びキャビテーショントンネル - Google Patents

整流案内羽根入りエルボ及びキャビテーショントンネル

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JP2003194018A
JP2003194018A JP2001392958A JP2001392958A JP2003194018A JP 2003194018 A JP2003194018 A JP 2003194018A JP 2001392958 A JP2001392958 A JP 2001392958A JP 2001392958 A JP2001392958 A JP 2001392958A JP 2003194018 A JP2003194018 A JP 2003194018A
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straightening
elbow
flow
guide vanes
straightening guide
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Ryosuke Mito
良介 三戸
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 整流案内羽根を経た後の流速分布が均一な一
様流を得ることができる整流案内羽根入りエルボと、こ
の整流案内羽根入りエルボを備えたキャビテーショント
ンネルとの提供を目的とする。 【解決手段】 各整流案内羽根23を互いに等しい迎角
を有するブロック23A,23B,23Cに3分割し、
これらブロック23A,23B,23C内の各整流案内
羽根23が、中央位置に配置されたブロック23B内の
各整流案内羽根23の迎角を基準として、外側のブロッ
ク23C内では各整流案内羽根23の迎角が小さくな
り、内側のブロック23A内では各整流案内羽根23の
迎角が大きくなるように配置する構成を採用した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、曲がり流路を形成
し、該曲がり流路から流れ出る流体の流れを一様に整え
る整流案内羽根を有する整流案内羽根入りエルボと、こ
の整流案内羽根入りエルボを備えたキャビテーショント
ンネルとに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の整流案内羽根入りエルボを備えた
キャビテーショントンネルの一例を、図8の平断面図を
参照して以下に説明する。同図に示すキャビテーション
トンネルは、内部を水流が循環する回流型であり、水流
を形成する回流ポンプ1と、該回流ポンプ1の周囲を覆
うとともに円形断面流路をなすポンプ収容胴2と、該ポ
ンプ収容胴2の下流側に接続され、円形断面流路から四
角断面流路に徐々に流路断面形状を変化させる異形胴3
と、該異形胴3の下流側に接続されて水流を略直角に曲
げる整流案内羽根入りエルボ4と、該整流案内羽根入り
エルボ4の下流側に接続された直管胴5と、該直管胴5
の下流側に接続されて水流を略直角に曲げる整流案内羽
根入りエルボ6と、該整流案内羽根入りエルボ6の下流
側に接続されて流路断面積を絞って水流を加速させる縮
流胴7と、該縮流胴7の下流側に接続され、船体模型等
の計測対象物(図示せず)が収容される計測胴8と、該
計測胴8の下流側に接続されて水流を減速させる拡散胴
9と、該拡散胴9の下流側に接続されて水流を略直角に
曲げる整流案内羽根入りエルボ10と、該整流案内羽根
入りエルボ10の下流側に接続されてさらに水流を減速
させる拡散胴11と、該拡散胴11の下流側に接続され
て水流を略直角に曲げる整流案内羽根入りエルボ12
と、該整流案内羽根入りエルボ12の下流側及び前記ポ
ンプ収容胴2間に接続され、四角断面流路から円形断面
流路に徐々に流路断面形状を変化させる異形胴13とを
備えて構成されている。
【0003】そして、このキャビテーショントンネルに
おいては、回流ポンプ1によって送り出された水流W
が、紙面右回りに循環するものとなっている。この時の
水流Wは、各整流案内羽根入りエルボ4,6,10,1
2を通過する度に略直角に流れが曲げられるが、その際
に水流Wに生じる圧力損失の低減を目的として、各整流
案内羽根入りエルボ4,6,10,12の内部には、整
流案内羽根が装備されている。
【0004】この従来の整流案内羽根について、整流案
内羽根入りエルボ10を例として、図9を参照しながら
以下に説明する。同図に示すように、整流案内羽根入り
エルボ10は、曲がり流路を形成するエルボ15と、該
エルボ15内に互いに平行をなすように配置された複数
枚の整流案内羽根16とを備えて構成されている。エル
ボ15は、略L字形の底壁15aと、該底壁15aの内
側に立設された内壁15bと、底壁15aの外側に立設
された外壁15cと、これら内壁15b及び外壁15c
の上端縁に接続された上壁(図示略)とを備え、これら
によって四角形流路断面を持つ直角流路を形成するよう
になっている。
【0005】各整流案内羽根16は、平断面形状が円弧
形状をなし、なおかつ、同図の紙面垂直方向に高さ寸法
を持つ円弧板となっている。これら整流案内羽根16
は、水流Wの流入角と等しい迎角を持った状態で、か
つ、互いに平行をなすように配置固定されている。そし
て、エルボ15内に流れ込んだ水流Wは、各整流案内羽
根16の曲面形状に沿って徐々に流れの向きを変えてい
き、ついには略直角に曲がった状態で流れ出ていく。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記説明の
従来の整流案内羽根入りエルボ10は、以下に説明する
問題を有していた。すなわち、各整流案内羽根16を通
過した後の水流Wは、いずれの個所においても流速が均
一となる一様流であることが望ましいが、CFD計算
(数値流体力学計算)を用いてこれを検証してみると、
図8に示すように、流速一様領域が外側に向かって膨ら
むような偏りを生じるとともに、さらにその下流側で流
れの淀み領域が発生することが確認された。このような
流速一様領域の偏りや淀み領域が発生すると、回流ポン
プ1に流れ込む水流Wに乱れが生じてキャビテーション
を起こすことによる騒音を発生させたり、または、計測
胴8に流れ込む水流Wに乱れを生じて計測精度に悪影響
を及ぼすなどの不具合を生じる恐れがある。
【0007】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
であり、整流案内羽根を経た後の流速分布が均一な一様
流を得ることができる整流案内羽根入りエルボと、この
整流案内羽根入りエルボを備えたキャビテーショントン
ネルとの提供を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するために以下の手段を採用した。すなわち、請求項
1に記載の整流案内羽根入りエルボは、曲がり流路が形
成されたエルボと、前記曲がり流路の内部に備えられた
少なくとも3枚以上の整流案内羽根とを有する整流案内
羽根入りエルボにおいて、前記各整流案内羽根が、前記
曲がり流路の中央位置に配置された第1の中央整流案内
羽根の迎角を基準として、前記第1の中央整流案内羽根
よりも外側では、迎角が小さくなり、前記第1の中央整
流案内羽根よりも内側では、迎角が大きくなるように配
置されていることを特徴とする。
【0009】上記請求項1に記載の整流案内羽根入りエ
ルボによれば、各整流案内羽根を通過する際の流体の、
第1の中央整流案内羽根よりも内側領域を流れるもの
は、迎角の大きい整流案内羽根により、第1の中央整流
案内羽根近傍を流れる流れよりも小さい曲率で流れが曲
げられるようになる。また、第1の中央整流案内羽根よ
りも外側領域を流れるものは、迎角の小さい整流案内羽
根により、第1の中央整流案内羽根近傍を流れる流れよ
りも大きい曲率で流れが曲げられるようになる。これに
より、各整流案内羽根を通過したあとの一様流の流れ
が、従来のように曲がり流路の外側に向かって偏る編流
を形成するのを防ぐことができるようになる。
【0010】請求項2に記載の整流案内羽根入りエルボ
は、曲がり流路が形成されたエルボと、前記曲がり流路
の内部に備えられた複数枚の整流案内羽根とを有する整
流案内羽根入りエルボにおいて、前記各整流案内羽根
を、互いに等しい迎角を有する第1のブロックに複数分
割し、これら第1のブロック内の各整流案内羽根が、前
記各第1のブロックのうち、前記曲がり流路の中央位置
に配置された第1の中央ブロック内の各整流案内羽根の
迎角を基準として、前記第1の中央ブロックよりも外側
の第1のブロック内では、前記各整流案内羽根の迎角が
小さくなり、前記第1の中央ブロックよりも内側の第1
のブロック内では、前記各整流案内羽根の迎角が大きく
なるように配置されていることを特徴とする。
【0011】上記請求項2に記載の整流案内羽根入りエ
ルボによれば、各第1のブロックを通過する際の流体
の、第1の中央ブロックよりも内側の第1のブロックを
流れるものは、迎角の大きい整流案内羽根により、第1
の中央ブロックを流れる流れよりも小さい曲率で流れが
曲げられるようになる。また、第1の中央ブロックより
も外側領域を流れるものは、迎角の小さい整流案内羽根
により、第1の中央ブロックを流れる流れよりも大きい
曲率で流れが曲げられるようになる。これにより、各整
流案内羽根を通過したあとの一様流の流れが、従来のよ
うに曲がり流路の外側に向かって偏る編流を形成するの
を防ぐことができるようになる。また、整流案内羽根の
枚数が比較的多い場合には、本発明のように複数ブロッ
ク(第1のブロック)にまとめて各ブロック間の迎角を
変えるようにした方が、一枚毎に迎角を調整する場合に
比較して製造容易とすることができるようになる。
【0012】請求項3に記載の整流案内羽根入りエルボ
は、請求項1または請求項2に記載の整流案内羽根入り
エルボにおいて、前記各整流案内羽根の迎角をαとした
場合に、前記基準では、前記エルボ内を流れる流体の流
入角に等しいα=0°とし、該基準よりも内側では、0
°<α≦+5°の範囲内とし、該基準よりも外側では、
0°>α≧−5°の範囲内とすることを特徴とする。
【0013】上記請求項3に記載の整流案内羽根入りエ
ルボによれば、基準とする整流案内羽根の迎角と、その
他の整流案内羽根の迎角との差が過度に開きすぎると、
隣接する翼間のスロート面積が大きく異なり、翼列出口
での速度分布の歪みが増大、または、翼面の流れが剥離
するという問題を生じる恐れがある。この問題を生じる
ことなく確実に一様流を得るには、各整流案内羽根の迎
角αを、曲がり流路内の位置に応じて上述の範囲内に設
定するのが好ましい。
【0014】請求項4に記載の整流案内羽根入りエルボ
は、曲がり流路が形成されたエルボと、前記曲がり流路
の内部に備えられた整流案内羽根とを有する整流案内羽
根入りエルボにおいて、前記整流案内羽根が、一対の壁
面間に支持される円弧形状板であり、前記各壁面に近い
壁面近傍部分と、これら壁面近傍部分間に位置する中央
部分とに区分した場合に、前記中央部分の迎角が、前記
各壁面近傍部分よりも大きくされ、前記各隔壁面近傍部
分の迎角が、前記エルボ内を流れる流体の流入角に等し
くされていることを特徴とする。
【0015】上記請求項4に記載の整流案内羽根入りエ
ルボによれば、整流案内羽根を通過する際の流れのう
ち、各壁面に沿って流れるものは、境界層の形成により
流速が落ちやすい傾向にあるが、本発明では、各壁面近
傍部分の迎角を流入角に等しくしているため、ここを通
過する際の圧力損失を低く抑えられるようになる。ま
た、各壁面近傍部分間に位置する中央部分では、境界層
の影響を受けにくいので流速が他の個所に比較して速く
なりやすい傾向にあるが、本発明では、ここを流れる流
体の流入角よりも迎角を大きくしているため、圧力損失
を増して流速を落とすことができるようになる。このよ
うに、整流案内羽根を支える一方の壁面から他方の壁面
に向かう方向において、整流案内羽根を通過した後の流
体の速度差を小さくすることができる。
【0016】請求項5に記載の整流案内羽根入りエルボ
は、請求項4に記載の整流案内羽根入りエルボにおい
て、前記各整流案内羽根の迎角をβとした場合に、前記
各壁面近傍部分では、前記エルボ内を流れる流体の流入
角に等しいβ=0°とし、前記中央部分では、0°<β
≦+5°の範囲内とすることを特徴とする。
【0017】上記請求項5に記載の整流案内羽根入りエ
ルボによれば、各壁面近傍部分の迎角と中央部分の迎角
との差が過度に開きすぎると、逆に、中央部分の流速が
各壁面近傍部分の流速よりも遅くなり、一様流の形成が
困難になるという問題を生じる恐れがある。この問題を
生じることなく確実に一様流を得るには、整流案内羽根
の各部位の迎角βを上述の範囲内に設定するのが好まし
い。
【0018】請求項6に記載の整流案内羽根入りエルボ
は、曲がり流路が形成されたエルボと、前記曲がり流路
の内部に備えられた少なくとも3枚以上の整流案内羽根
とを有する整流案内羽根入りエルボにおいて、前記各整
流案内羽根が、前記曲がり流路の中央位置に配置された
第2の中央整流案内羽根の転向角を基準として、前記第
2の中央整流案内羽根よりも外側では、転向角が小さく
なり、前記第2の中央整流案内羽根よりも内側では、転
向角が大きくなることを特徴とする。
【0019】上記請求項6に記載の整流案内羽根入りエ
ルボによれば、各整流案内羽根を通過する際の流体の、
第2の中央整流案内羽根よりも内側領域を流れるもの
は、転向角の大きい整流案内羽根により、第2の中央整
流案内羽根近傍を流れる流れよりも小さい曲率で流れが
曲げられるようになる。また、第2の中央整流案内羽根
よりも外側領域を流れるものは、転向角の小さい整流案
内羽根により、第2の中央整流案内羽根近傍を流れる流
れよりも大きい曲率で流れが曲げられるようになる。こ
れにより、各整流案内羽根を通過したあとの一様流の流
れが、従来のように曲がり流路の外側に向かって偏る編
流を形成するのを防ぐことができるようになる。
【0020】請求項7に記載の整流案内羽根入りエルボ
は、曲がり流路が形成されたエルボと、前記曲がり流路
の内部に備えられた複数枚の整流案内羽根とを有する整
流案内羽根入りエルボにおいて、前記各整流案内羽根
を、互いに等しい転向角を有する第2のブロックに複数
分割し、これら第2のブロック内の各整流案内羽根が、
前記各第2のブロックのうち、前記曲がり流路の中央位
置に配置された第2の中央ブロック内の各整流案内羽根
の転向角を基準として、前記第2の中央ブロックよりも
外側の第2のブロック内では、転向角が小さく、前記第
2の中央ブロックよりも内側の第2のブロック内では、
転向角が大きいことを特徴とする。
【0021】上記請求項7に記載の整流案内羽根入りエ
ルボによれば、各第2のブロックを通過する際の流体
の、第2の中央ブロックよりも内側の第2のブロックを
流れるものは、転向角の大きい整流案内羽根により、第
2の中央ブロックを流れる流れよりも小さい曲率で流れ
が曲げられるようになる。また、第2の中央ブロックよ
りも外側領域を流れるものは、転向角の小さい整流案内
羽根により、第2の中央ブロックを流れる流れよりも大
きい曲率で流れが曲げられるようになる。これにより、
各整流案内羽根を通過したあとの一様流の流れが、従来
のように曲がり流路の外側に向かって偏る編流を形成す
るのを防ぐことができるようになる。また、整流案内羽
根の枚数が比較的多い場合には、本発明のように複数ブ
ロック(第2のブロック)にまとめて各ブロック間の転
向角を変えるようにした方が、一枚毎に迎角を調整する
場合に比較して製造容易とすることができるようにな
る。
【0022】請求項8に記載の整流案内羽根入りエルボ
は、請求項6または請求項7に記載の整流案内羽根入り
エルボにおいて、前記基準をγ1とした場合の前記各整
流案内羽根の転向角γが、該基準よりも内側では、γ1
<γ≦γ1+10°の範囲内とし、該基準よりも外側で
は、γ1>γ≧γ1−10°の範囲内とすることを特徴
とする。
【0023】上記請求項8に記載の整流案内羽根入りエ
ルボによれば、基準とする整流案内羽根の転向角と、そ
の他の整流案内羽根の転向角との差が過度に開きすぎる
と、隣接する翼間のスロート面積が大きく異なり、翼列
出口での速度分布の歪みが増大、または、翼面の流れが
剥離するという問題を生じる恐れがある。この問題を生
じることなく確実に一様流を得るには、各整流案内羽根
の転向角γを、曲がり流路内の位置に応じて上述の範囲
内に設定するのが好ましい。
【0024】請求項9に記載のキャビテーショントンネ
ルは、請求項1〜請求項8のいずれかに記載の整流案内
羽根入りエルボが備えられていることを特徴とする。上
記請求項9に記載のキャビテーショントンネルによれ
ば、その整流案内羽根入りエルボを経た流れを、均一な
流速分布を有する一様流とすることができるので、回流
を起こすポンプがキャビテーションを生じて騒音を起こ
すなどの従来の問題を解決することができるようにな
る。
【0025】
【発明の実施の形態】本発明の整流案内羽根入りエルボ
及びキャビテーショントンネルの各実施形態を、図面を
参照しながら以下に説明するが、本発明がこれらのみに
限定解釈されるものでないことは勿論である。なお、各
実施形態の説明においては、本発明の整流案内羽根入り
エルボを、キャビテーショントンネルの曲流部に適用し
た場合を例に説明するものとする。
【0026】[第1実施形態]まず、図1〜図3を参照
しながら本発明の第1実施形態の説明を以下に行う。こ
こで、図1は、本実施形態の整流案内羽根入りエルボ
を、キャビテーショントンネルの曲流部に適用した場合
を示す図であって、図8のA部に相当する平断面図であ
る。また、図2は、同整流案内羽根入りエルボ内に設置
される各整流案内羽根の説明に用いる用語の定義を説明
するための平断面図である。また、図3は、同実施形態
の各整流案内羽根のうち、代表的な3枚をピックアップ
して比較した平断面図である。
【0027】本実施形態のキャビテーショントンネル
は、従来の技術において図8を用いて説明したものと同
様に、内部を流れる水流が循環する回流型であり、水流
を形成する回流ポンプ1と、該回流ポンプ1の周囲を覆
うとともに円形断面流路をなすポンプ収容胴2と、該ポ
ンプ収容胴2の下流側に接続され、円形断面流路から四
角断面流路に徐々に流路断面形状を変化させる異形胴3
と、該異形胴3の下流側に接続されて水流を略直角に曲
げる整流案内羽根入りエルボ4と、該整流案内羽根入り
エルボ4の下流側に接続された直管胴5と、該直管胴5
の下流側に接続されて水流を略直角に曲げる整流案内羽
根入りエルボ6と、該整流案内羽根入りエルボ6の下流
側に接続されて流路断面積を絞って水流を加速させる縮
流胴7と、該縮流胴7の下流側に接続され、船体模型等
の計測対象物(図示せず)が収容される計測胴8と、該
計測胴8の下流側に接続されて水流を減速させる拡散胴
9と、該拡散胴9の下流側に接続されて水流を略直角に
曲げる整流案内羽根入りエルボ10と、該整流案内羽根
入りエルボ10の下流側に接続されてさらに水流を減速
させる拡散胴11と、該拡散胴11の下流側に接続され
て水流を略直角に曲げる整流案内羽根入りエルボ12
と、該整流案内羽根入りエルボ12の下流側及び前記ポ
ンプ収容胴2間に接続され、四角断面流路から円形断面
流路に徐々に流路断面形状を変化させる異形胴13とを
備えて構成されている。
【0028】そして、本実施形態のキャビテーショント
ンネルは、各整流案内羽根入りエルボ4,6,10,1
2がの構造が特に特徴的となっているので、従来の整流
案内羽根入りエルボと区別するために新たな符号20を
付与して以下に説明するものとする。なお、4個所と
も、おおよそ同一構成であるため、図8のA部に相当す
る個所を代表として説明する。
【0029】図1に示すように、本実施形態の整流案内
羽根入りエルボ20は、直角に曲がる曲がり流路21が
内部に形成されたエルボ22と、曲がり流路21の内部
に配置された例えば12枚の整流案内羽根23とを備え
て構成されている。エルボ22は、略L字形の底壁22
aと、該底壁22aの内側に立設された内壁22bと、
底壁22aの外側に立設された外壁22cと、これら内
壁22b及び外壁22cの上端縁に接続された上壁(図
示略)とを備え、これらによって四角形流路断面を持つ
直角流路を形成するようになっている。
【0030】各整流案内羽根23は、同図に示す平断面
形状が、曲がり流路21の内側から外側に向かって凸と
なる円弧形状をなし、なおかつ、同図の紙面垂直方向に
高さ寸法を持つ円弧板となっている。そして、図2に示
すように、各整流案内羽根23は、その円弧の延在方向
を幅方向とし、紙面垂直方向を高さ方向とした場合に、
幅方向の全長cの中央位置かつ板厚中央位置に、シャフ
ト23aが高さ方向に貫通するように通されており、該
シャフト23aの両端が、前記底壁22a及び前記上壁
に支持されるようになっている。そして、このシャフト
23aを中心とする軸線回りに回転することで、迎角を
調整することが可能となっている。なお、迎角が設定さ
れた後は、図示されない固定手段によって、その迎角が
一定に固定されるものとなっている。
【0031】なお、以下の説明においては、各整流案内
羽根23の凹曲面23b側を腹側、凸曲面23c側を背
側として説明を行う。また、水流Wの流れ方向に対する
前縁23xの中心線がなす角度を迎角αとし、この前縁
23xの中心線と後縁23yの中心線とがなす角度を1
80°から差し引いた角度を転向角γと定義して説明を
行うものとする。ちなみに、図2の整流案内羽根23の
場合は、水流Wの流入角に迎角が等しい迎角α=0°で
あり、なおかつ、転向角γ=90°となっている。
【0032】そして、本実施形態では、図1及び図3に
示すように、各整流案内羽根23が、互いに等しい迎角
を有する3つのブロック23A,23B,23C(第1
のブロック)に分割されている。ブロック23Bは、曲
がり流路21の中央位置に配置された中央ブロックであ
り、また、ブロック23Aは、ブロック23Bよりも流
路内側に配置された内側ブロックであり、また、ブロッ
ク23Cは、ブロック23Bよりも外側に配置された外
側ブロックとなっている。なお、全ての整流案内羽根2
3は、等しい転向角γを備えた同一形状を有している。
【0033】ブロック23A内には、例えば4枚の整流
案内羽根23が、互いに平行をなすように配置されてい
る。同様に、ブロック23B,23C内にも、例えば4
枚の整流案内羽根34が、互いに平行をなすようにそれ
ぞれ配置されている。そして、各ブロック23A,23
B,23C間で各整流案内羽根23を比較した場合、迎
角αが異なったものとなっている。
【0034】すなわち、図3に示すように、ブロック2
3B(第1の中央ブロック)内の各整流案内羽根23が
有する、水流Wの流入角に等しい迎角α=0°を基準と
して、ブロック23A(内側ブロック)内では、迎角α
が相対的に大きい正の値を有し、ブロック23C(外側
ブロック)内では、迎角αが相対的に小さい負の値を有
するように迎角調整がなされたものとなっている。より
具体的に言うと、ブロック23Bの迎角α=0°を基準
として、この基準よりも内側のブロック23Aでは、0
°<α≦+5°の範囲内であり、前記基準よりも外側の
ブロック23Cでは、0°>α≧−5°の範囲内とされ
ている。
【0035】以上説明の構成を有する整流案内羽根入り
エルボ20内に流れ込んだ水流Wは、各整流案内羽根2
3の曲面形状に沿って徐々に流れの向きを変えていき、
ついには略直角に曲がった状態で流れ出ていく。この
時、各ブロック23A,23B,23Cを通過する際の
水流Wの、内側のブロック23Aを通って流れるもの
は、その迎角の大きい各整流案内羽根23により、中央
のブロック23Bを流れる流れよりも小さい曲率で流れ
が曲げられるようになる。また、外側のブロック23C
を通って流れるものは、その迎角の小さい各整流案内羽
根23により、中央のブロック23Bを流れる流れより
も大きい曲率で流れが曲げられるようになる。これによ
り、全整流案内羽根23を通過したあとの全体的な一様
流の流れが、従来のように曲がり流路の外側に向かって
偏る編流を形成するのを防ぐことができるようになる。
【0036】以上説明のように、本実施形態の整流案内
羽根入りエルボ20は、各整流案内羽根23を互いに等
しい迎角αを有する3つのブロック23A,23B,2
3Cに分割し、これらブロック23A,23B,23C
内の各整流案内羽根23が、各ブロック23A,23
B,23Cのうち、中央位置に配置されたブロック23
B内の各整流案内羽根23の迎角α=0°を基準とし
て、外側のブロック23C内では各整流案内羽根23の
迎角αが小さくなり、内側のブロック23A内では各整
流案内羽根23の迎角αが大きくなるように配置する構
成を採用した。この構成によれば、各整流案内羽根23
を通過したあとの一様流の流れが、従来のように曲がり
流路21の外側に向かって偏る編流を形成することなく
正しく流れるため、これら整流案内羽根23の下流側に
おいて、壁面22cに沿って生じる境界層による淀み域
を最小限にとどめることができるようになる。したがっ
て、各整流案内羽根23を経た後の流速分布が均一な一
様流を得ることが可能となる。
【0037】また、本実施形態の整流案内羽根入りエル
ボ20は、各整流案内羽根23の迎角αを、前記基準と
なる中央のブロック23Bでは、水流Wの流入角に等し
いα=0°とし、内側のブロック23Aでは、0°<α
≦+5°の範囲内とし、外側のブロック23Cでは、0
°>α≧−5°の範囲内とする構成を採用した。この構
成によれば、確実に、各整流案内羽根23を経た後の流
れを、均一な流速分布を有する一様流とすることが可能
になる。
【0038】そして、本実施形態のキャビテーショント
ンネルは、上記整流案内羽根入りエルボ20を備えた構
成を採用した。この構成によれば、その整流案内羽根入
りエルボ20を経た流れを、均一な流速分布を有する一
様流とすることができるので、前記回流ポンプ1がキャ
ビテーションを生じて騒音を起こすなどの従来の問題を
解決することが可能となる。
【0039】なお、本実施形態の整流案内羽根入りエル
ボ20では、各ブロック23A,23B,23C毎に迎
角αを設定するものとしたが、これに限らず、各整流案
内羽根23の1枚毎に迎角αを設定するものとしても良
い。すなわち、各整流案内羽根23を、曲がり流路21
の中央位置に配置された整流案内羽根23(中央整流案
内羽根。全枚数が奇数であれば1枚、偶数であれば2
枚。)の迎角を基準として、この基準の整流案内羽根2
3よりも外側では、前記外壁22cに近づくにしたがっ
て徐々に迎角が小さくなり、一方、前記基準の整流案内
羽根23よりも内側では、前記内壁22bに近づくにし
たがって徐々に迎角が大きくなるように配置しても良
い。しかしながら、本実施形態のように整流案内羽根2
3の枚数が比較的多い場合には、複数のブロック23
A,23B,23C(第1のブロック)にまとめて各ブ
ロック23A,23B,23C間で迎角αを変えるよう
にした方が、一枚毎に迎角を調整する場合に比較して製
造容易となり、整流案内羽根入りエルボ20を低コスト
で製造することが可能であるため、より好ましいと言え
る。
【0040】[第2実施形態]次に、本発明の整流案内
羽根入りエルボを備えたキャビテーショントンネルの第
2実施形態についての説明を、図4及び図5を参照しな
がら以下に説明するものとする。ここで、図4は、本実
施形態の整流案内羽根入りエルボ内に設置される整流案
内羽根を示す斜視図であり、また、図5は、同整流案内
羽根の形状を説明するための平面図である。なお、本実
施形態は、上記第1実施形態に比較して、各整流案内羽
根の形状ならびに迎角が特に異なっているので、この相
違点を中心として以下に説明するものとし、その他につ
いては、上記第1実施形態に同じであるとして説明を省
略する。また、第1実施形態の整流案内羽根23と区別
するために、本実施形態の整流案内羽根には新たな符号
33を付して説明を行うものとする。
【0041】本実施形態の整流案内羽根33は、前記底
壁22a及び前記上壁間(一対の壁面間)に支持される
円弧形状板であり、底壁22a及び前記上壁に近い壁面
近傍部分33aと、これら壁面近傍部分33a間に位置
する中央部分33bとの3つに区分した場合に、中央部
分33bの迎角βが、各壁面近傍部分33aの迎角βよ
りも大きくされ、各隔壁面近傍部分33aの迎角βが、
前記エルボ22内を流れる水流Wの流入角に等しくされ
ている。さらに言うと、各部での迎角βが、各壁面近傍
部分33aでは、流入角に等しいβ=0°であり、中央
部分33bでは、0°<β≦+5°の範囲内に設定され
ている。また、本実施形態の整流案内羽根33は、複数
枚(例えば12枚)が、互いに平行をなすように並列配
置されたものとなっている
【0042】そして、従来では、各整流案内羽根33を
通過する水流Wの流れのうち、前記底壁22a及び前記
上壁に沿って流れるものは、壁面に生じる境界層の形成
により流速が落ちやすい傾向にあるが、本実施形態の整
流案内羽根入りエルボでは、各壁面近傍部分33aの迎
角βを流入角に等しい0°にしているため、ここを通過
する際の圧力損失を低く抑えられるようになる。また、
従来では、各壁面近傍部分33a間に位置する中央部分
33bでは、境界層の影響を受けにくいので流速が他の
個所に比較して速くなりやすい傾向にあるが、本実施形
態では、ここを流れる水流Wの流入角よりも迎角βを大
きくしているため、圧力損失を増して流速を落とすこと
ができるようになる。このように、各整流案内羽根33
の高さ方向において、各整流案内羽根33を通過した後
の水流Wの速度差を小さくすることができる。
【0043】以上説明のように、本実施形態の整流案内
羽根入りエルボは、各整流案内羽根33が、前記底壁2
2a及び前記上壁に近い壁面近傍部分33aと、これら
壁面近傍部分33a間に位置する中央部分33bとに区
分した場合に、中央部分33bの迎角βが、各壁面近傍
部分33aよりも大きくされ、各隔壁面近傍部分33a
の迎角βが、水流Wの流入角に等しい0°に設定する構
成を採用した。この構成によれば、各整流案内羽根33
の高さ方向において、各整流案内羽根33を通過した後
の水流Wの速度差を小さくすることができるので、各整
流案内羽根33を経た後の流れを、流速分布が均一な一
様流とすることが可能となる。
【0044】また、本実施形態の各整流案内羽根入りエ
ルボは、各整流案内羽根33の迎角βを、各壁面近傍部
分33aでは、水流Wの流入角に等しいβ=0°とし、
中央部分33bでは、0°<β≦+5°の範囲内とする
構成を採用した。この構成によれば、確実に、各整流案
内羽根33を経た後の流れを、均一な流速分布を有する
一様流とすることが可能になる。
【0045】[第3実施形態]次に、本発明の整流案内
羽根入りエルボを備えたキャビテーショントンネルの第
3実施形態についての説明を、図6及び図7を参照しな
がら以下に説明するものとする。ここで、図6は、本実
施形態の整流案内羽根入りエルボを示す図であって、図
8のA部に相当する平断面図である。また、図7は、同
整流案内羽根の形状を説明するための平面図である。な
お、本実施形態は、上記第1実施形態に比較して、各整
流案内羽根の形状ならびに迎角が特に異なっているの
で、この相違点を中心として以下に説明するものとし、
その他については、上記第1実施形態に同じであるとし
て説明を省略する。また、第1実施形態の整流案内羽根
23と区別するために、本実施形態の整流案内羽根には
新たな符号43を付して説明を行うものとする。
【0046】本実施形態の整流案内羽根入りエルボは、
その各整流案内羽根43が、互いに等しい転向角γを有
する3つのブロック43A,43B,43C(第2のブ
ロック)に分割されている。ブロック43Bは、曲がり
流路21の中央位置に配置された中央ブロックであり、
また、ブロック43Aは、ブロック43Bよりも流路内
側に配置された内側ブロックであり、また、ブロック4
3Cは、ブロック43Bよりも外側に配置された外側ブ
ロックとなっている。なお、全ての整流案内羽根43
は、等しい迎角α=0°を備えている。
【0047】ブロック43A内には、例えば4枚の整流
案内羽根43が、互いに平行をなすように配置されてい
る。同様に、ブロック43B,43C内にも、例えば4
枚の整流案内羽根43が、互いに平行をなすようにそれ
ぞれ配置されている。そして、各ブロック43A,43
B,43C間で各整流案内羽根43を比較した場合、転
向角γが異なったものとなっている。
【0048】すなわち、各ブロック43A,43B,4
3Cのうち、前記曲がり流路21の中央位置に配置され
たブロック43B(第2の中央ブロック)内の各整流案
内羽根43の転向角γ=γ1を基準として、外側のブロ
ック43C内では、各整流案内羽根43の転向角γが小
さく、内側のブロック43C内では、各整流案内羽根4
3の転向角γが大きくなっている。さらに言うと、各ブ
ロック43A,43B,43C毎の転向角γが、中央の
ブロック43Aの転向角γを基準とした場合に、内側の
ブロック43Aでは、γ1<γ≦γ1+10°の範囲内
とし、外側のブロック43Cでは、γ1>γ≧γ1−1
0°の範囲内となっている。
【0049】以上説明の構成を有する本実施形態の整流
案内羽根入りエルボによれば、各ブロック43A,43
B,43Cを通過する際の水流Wの、中央のブロック4
3Bよりも内側のブロック43Aを流れるものは、転向
角γの大きい整流案内羽根43により、ブロック43B
を流れる流れよりも小さい曲率で流れが曲げられるよう
になる。また、中央のブロック43Bよりも外側のブロ
ック43Cを流れるものは、転向角γの小さい整流案内
羽根43により、ブロック43Bを流れる流れよりも大
きい曲率で流れが曲げられるようになる。これにより、
各整流案内羽根43を通過したあとの一様流の流れが、
従来のように曲がり流路の外側に向かって偏る編流を形
成するのを防ぐことができるようになる。
【0050】以上説明のように、本実施形態の整流案内
羽根入りエルボは、各整流案内羽根43を、互いに等し
い転向角を有するブロック43A,43B,43Cに3
分割し、これらブロック43A,43B,43C内の各
整流案内羽根43が、ブロック43A,43B,43C
のうち、曲がり流路21の中央位置に配置されたブロッ
ク43B内の各整流案内羽根43の転向角γを基準とし
て、外側のブロック43C内では各整流案内羽根43の
転向角γが小さく、内側のブロック43A内では各整流
案内羽根43の転向角γが大きい構成を採用した。この
構成によれば、各整流案内羽根43を通過したあとの一
様流の流れが、従来のように曲がり流路の外側に向かっ
て偏る編流を形成することなく正しく流れるため、これ
ら整流案内羽根43の下流側において、流路壁面に沿っ
て生じる境界層による淀み域を最小限にとどめることが
できるようになる。したがって、各整流案内羽根43を
経た後の流速分布が均一な一様流を得ることが可能とな
る。
【0051】また、本実施形態の整流案内羽根入りエル
ボは、各ブロック43A,43B,43C毎の転向角γ
が、中央のブロック43Aの転向角γを基準とした場合
に、内側のブロック43Aでは、γ1<γ≦γ1+10
°の範囲内とし、外側のブロック43Cでは、γ1>γ
≧γ1−10°の範囲内とする構成を採用した。この構
成によれば、確実に、各整流案内羽根43を経た後の流
れを、均一な流速分布を有する一様流とすることが可能
になる。
【0052】なお、本実施形態の整流案内羽根入りエル
ボでは、各ブロック43A,43B,43C毎に転向角
γを設定するものとしたが、これに限らず、各整流案内
羽根43の1枚毎に転向角γを設定するものとしても良
い。すなわち、各整流案内羽根43を、曲がり流路21
の中央位置に配置された整流案内羽根43(中央整流案
内羽根。全枚数が奇数であれば1枚、偶数であれば2
枚。)の転向角を基準として、この基準の整流案内羽根
43よりも外側では、前記外壁22cに近づくにしたが
って徐々に転向角が小さくなり、一方、前記基準の整流
案内羽根43よりも内側では、前記内壁22bに近づく
にしたがって徐々に転向角が大きくなるように配置して
も良い。しかしながら、本実施形態のように整流案内羽
根43の枚数が比較的多い場合には、複数のブロック4
3A,43B,43C(第2のブロック)にまとめて各
ブロック43A,43B,43C間で転向角γを変える
ようにした方が、一枚毎に転向角を調整する場合に比較
して製造容易となり、整流案内羽根入りエルボを低コス
トで製造することが可能であるため、より好ましいと言
える。
【0053】なお、上記第1実施形態〜第3実施形態に
おいては、本発明の整流案内羽根入りエルボをキャビテ
ーショントンネルに適用する場合を例に説明したが、風
洞装置等、その他の用途に適用しても良いことは勿論で
ある。また、上記第1実施形態〜第3実施形態において
は、整流案内羽根入りエルボ内に装備される各整流案内
羽根の枚数を12枚としたが、これに限らず、3枚〜1
1枚、もしくは13枚以上としても良い。
【0054】
【発明の効果】本発明の請求項1に記載の整流案内羽根
入りエルボは、各整流案内羽根を、中央配置された第1
の中央整流案内羽根の迎角を基準として、外側では迎角
が小さくなり、内側では迎角が大きくなるように配置す
る構成を採用した。この構成によれば、各整流案内羽根
を通過したあとの一様流の流れが、従来のように曲がり
流路の外側に向かって偏る編流を形成することなく正し
く流れるため、これら整流案内羽根の下流側において、
流路を形成する壁面に沿って生じる境界層による淀み域
を最小限にとどめることができるようになる。したがっ
て、各整流案内羽根を経た後の流速分布が均一な一様流
を得ることが可能となる。
【0055】また、請求項2に記載の整流案内羽根入り
エルボは、各整流案内羽根を互いに等しい迎角を有する
第1のブロックに複数分割し、これら第1のブロック内
の各整流案内羽根が、各第1のブロックのうち、中央位
置に配置された第1の中央ブロック内の各整流案内羽根
の迎角を基準として、外側の第1のブロック内では各整
流案内羽根の迎角が小さくなり、内側の第1のブロック
内では各整流案内羽根の迎角が大きくなるように配置す
る構成を採用した。この構成によれば、各整流案内羽根
を通過したあとの一様流の流れが、従来のように曲がり
流路の外側に向かって偏る編流を形成することなく正し
く流れるため、これら整流案内羽根の下流側において、
流路を形成する壁面に沿って生じる境界層による淀み域
を最小限にとどめることができるようになる。したがっ
て、各整流案内羽根を経た後の流速分布が均一な一様流
を得ることが可能となる。また、整流案内羽根の枚数が
比較的多い場合には、本発明のように複数ブロック(第
1のブロック)にまとめて各ブロック間の迎角を変える
ようにした方が、一枚毎に迎角を調整する場合に比較し
て製造容易となり、整流案内羽根入りエルボを低コスト
で製造することが可能となる。
【0056】また、請求項3に記載の整流案内羽根入り
エルボは、請求項1または請求項2に記載の整流案内羽
根入りエルボにおいて、各整流案内羽根の迎角をαとし
た場合に、前記基準では、流体の流入角に等しいα=0
°とし、該基準よりも内側では、0°<α≦+5°の範
囲内とし、該基準よりも外側では、0°>α≧−5°の
範囲内とする構成を採用した。この構成によれば、確実
に、各整流案内羽根を経た後の流れを、均一な流速分布
を有する一様流とすることが可能になる。
【0057】また、請求項4に記載の整流案内羽根入り
エルボは、整流案内羽根が、一対の壁面間に支持される
円弧形状板であり、各壁面に近い壁面近傍部分と、これ
ら壁面近傍部分間に位置する中央部分とに区分した場合
に、中央部分の迎角が、各壁面近傍部分よりも大きくさ
れ、各隔壁面近傍部分の迎角が、流体の流入角に等しく
されている構成を採用した。この構成によれば、整流案
内羽根を支える一方の壁面から他方の壁面に向かう方向
において、整流案内羽根を通過した後の流体の速度差を
小さくすることができるので、各整流案内羽根を経た後
の流れを、流速分布が均一な一様流とすることが可能と
なる。
【0058】また、請求項5に記載の整流案内羽根入り
エルボは、請求項4に記載の整流案内羽根入りエルボに
おいて、各整流案内羽根の迎角をβとした場合に、各壁
面近傍部分では、流体の流入角に等しいβ=0°とし、
中央部分では、0°<β≦+5°の範囲内とする構成を
採用した。この構成によれば、確実に、整流案内羽根を
経た後の流れを、均一な流速分布を有する一様流とする
ことが可能になる。
【0059】また、請求項6に記載の整流案内羽根入り
エルボは、各整流案内羽根が、中央位置に配置された第
2の中央整流案内羽根の転向角を基準として、外側では
転向角が小さくなり、内側では転向角が大きくなる構成
を採用した。この構成によれば、各整流案内羽根を通過
したあとの一様流の流れが、従来のように曲がり流路の
外側に向かって偏る編流を形成することなく正しく流れ
るため、これら整流案内羽根の下流側において、流路を
形成する壁面に沿って生じる境界層による淀み域を最小
限にとどめることができるようになる。したがって、各
整流案内羽根を経た後の流速分布が均一な一様流を得る
ことが可能となる。
【0060】また、請求項7に記載の整流案内羽根入り
エルボは、各整流案内羽根を、互いに等しい転向角を有
する第2のブロックに複数分割し、これら第2のブロッ
ク内の各整流案内羽根が、前記各第2のブロックのう
ち、曲がり流路の中央位置に配置された第2の中央ブロ
ック内の各整流案内羽根の転向角を基準として、外側の
第2のブロック内では転向角が小さく、内側の第2のブ
ロック内では転向角が大きい構成を採用した。この構成
によれば、各整流案内羽根を通過したあとの一様流の流
れが、従来のように曲がり流路の外側に向かって偏る編
流を形成することなく正しく流れるため、これら整流案
内羽根の下流側において、流路を形成する壁面に沿って
生じる境界層による淀み域を最小限にとどめることがで
きるようになる。したがって、各整流案内羽根を経た後
の流速分布が均一な一様流を得ることが可能となる。ま
た、整流案内羽根の枚数が比較的多い場合には、本発明
のように複数ブロック(第2のブロック)にまとめて各
ブロック間の迎角を変えるようにした方が、一枚毎に転
向角を調整する場合に比較して製造容易となり、整流案
内羽根入りエルボを低コストで製造することが可能とな
る。
【0061】また、請求項8に記載の整流案内羽根入り
エルボは、請求項6または請求項7に記載の整流案内羽
根入りエルボにおいて、前記基準をγ1とした場合の前
記各整流案内羽根の転向角γが、該基準よりも内側で
は、γ1<γ≦γ1+10°の範囲内とし、該基準より
も外側では、γ1>γ≧γ1−10°の範囲内とする構
成を採用した。この構成によれば、確実に、各整流案内
羽根を経た後の流れを、均一な流速分布を有する一様流
とすることが可能になる。
【0062】また、請求項9に記載のキャビテーション
トンネルは、請求項1〜請求項8のいずれかに記載の整
流案内羽根入りエルボを備えた構成を採用した。この構
成によれば、その整流案内羽根入りエルボを経た流れ
を、均一な流速分布を有する一様流とすることができる
ので、回流を起こすポンプがキャビテーションを生じて
騒音を起こすなどの従来の問題を解決することが可能と
なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の整流案内羽根入りエルボを、キャビ
テーショントンネルの曲流部に適用した場合の第1実施
形態を示す図であって、図8のA部に相当する平断面図
である。
【図2】 同整流案内羽根入りエルボ内に設置される各
整流案内羽根の説明に用いる用語の定義を説明するため
の平断面図である。
【図3】 同実施形態の各整流案内羽根のうち、代表的
な3枚をピックアップして比較した平断面図である。
【図4】 本発明の整流案内羽根入りエルボ内に設置さ
れる整流案内羽根の第2実施形態を示す斜視図である。
【図5】 同整流案内羽根の形状を説明するための平面
図である。
【図6】 本発明の整流案内羽根入りエルボの第3実施
形態を示す図であって、図8のA部に相当する平断面図
である。
【図7】 同整流案内羽根の形状を説明するための平面
図である。
【図8】 従来の整流案内羽根入りエルボを備えたキャ
ビテーショントンネルを示す平断面図である。
【図9】 同整流案内羽根入りエルボ内に設置される各
整流案内羽根を示す図であって、図8のA部拡大図であ
る。
【符号の説明】
20・・・整流案内羽根入りエルボ 21・・・曲がり流路 22・・・エルボ 23,33,43・・・整流案内羽根 23A,23B,23C・・・第1のブロック 23B・・・第1の中央ブロック 33a・・・壁面近傍部分 33b・・・中央部分 43A,43B,43C・・・第2のブロック 43B・・・第2の中央ブロック W・・・水流(流体)

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 曲がり流路が形成されたエルボと、前
    記曲がり流路の内部に備えられた少なくとも3枚以上の
    整流案内羽根とを有する整流案内羽根入りエルボにおい
    て、 前記各整流案内羽根は、前記曲がり流路の中央位置に配
    置された第1の中央整流案内羽根の迎角を基準として、
    前記第1の中央整流案内羽根よりも外側では、迎角が小
    さくなり、前記第1の中央整流案内羽根よりも内側で
    は、迎角が大きくなるように配置されていることを特徴
    とする整流案内羽根入りエルボ。
  2. 【請求項2】 曲がり流路が形成されたエルボと、前
    記曲がり流路の内部に備えられた複数枚の整流案内羽根
    とを有する整流案内羽根入りエルボにおいて、 前記各整流案内羽根を、互いに等しい迎角を有する第1
    のブロックに複数分割し、 これら第1のブロック内の各整流案内羽根は、前記各第
    1のブロックのうち、前記曲がり流路の中央位置に配置
    された第1の中央ブロック内の各整流案内羽根の迎角を
    基準として、前記第1の中央ブロックよりも外側の第1
    のブロック内では、前記各整流案内羽根の迎角が小さく
    なり、前記第1の中央ブロックよりも内側の第1のブロ
    ック内では、前記各整流案内羽根の迎角が大きくなるよ
    うに配置されていることを特徴とする整流案内羽根入り
    エルボ。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載の整流
    案内羽根入りエルボにおいて、 前記各整流案内羽根の迎角をαとした場合に、前記基準
    では、前記エルボ内を流れる流体の流入角に等しいα=
    0°とし、該基準よりも内側では、0°<α≦+5°の
    範囲内とし、該基準よりも外側では、0°>α≧−5°
    の範囲内とすることを特徴とする整流案内羽根入りエル
    ボ。
  4. 【請求項4】 曲がり流路が形成されたエルボと、前
    記曲がり流路の内部に備えられた整流案内羽根とを有す
    る整流案内羽根入りエルボにおいて、 前記整流案内羽根は、一対の壁面間に支持される円弧形
    状板であり、前記各壁面に近い壁面近傍部分と、これら
    壁面近傍部分間に位置する中央部分とに区分した場合
    に、 前記中央部分の迎角が、前記各壁面近傍部分よりも大き
    くされ、 前記各隔壁面近傍部分の迎角が、前記エルボ内を流れる
    流体の流入角に等しくされていることを特徴とする整流
    案内羽根入りエルボ。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の整流案内羽根入りエ
    ルボにおいて、 前記各整流案内羽根の迎角をβとした場合に、前記各壁
    面近傍部分では、前記エルボ内を流れる流体の流入角に
    等しいβ=0°とし、前記中央部分では、0°<β≦+
    5°の範囲内とすることを特徴とする整流案内羽根入り
    エルボ。
  6. 【請求項6】 曲がり流路が形成されたエルボと、前
    記曲がり流路の内部に備えられた少なくとも3枚以上の
    整流案内羽根とを有する整流案内羽根入りエルボにおい
    て、 前記各整流案内羽根は、前記曲がり流路の中央位置に配
    置された第2の中央整流案内羽根の転向角を基準とし
    て、前記第2の中央整流案内羽根よりも外側では、転向
    角が小さくなり、前記第2の中央整流案内羽根よりも内
    側では、転向角が大きくなることを特徴とする整流案内
    羽根入りエルボ。
  7. 【請求項7】 曲がり流路が形成されたエルボと、前
    記曲がり流路の内部に備えられた複数枚の整流案内羽根
    とを有する整流案内羽根入りエルボにおいて、 前記各整流案内羽根を、互いに等しい転向角を有する第
    2のブロックに複数分割し、 これら第2のブロック内の各整流案内羽根は、前記各第
    2のブロックのうち、前記曲がり流路の中央位置に配置
    された第2の中央ブロック内の各整流案内羽根の転向角
    を基準として、前記第2の中央ブロックよりも外側の第
    2のブロック内では、転向角が小さく、前記第2の中央
    ブロックよりも内側の第2のブロック内では、転向角が
    大きいことを特徴とする整流案内羽根入りエルボ。
  8. 【請求項8】 請求項6または請求項7に記載の整流
    案内羽根入りエルボにおいて、 前記基準をγ1とした場合の前記各整流案内羽根の転向
    角γが、該基準よりも内側では、γ1<γ≦γ1+10
    °の範囲内とし、該基準よりも外側では、γ1>γ≧γ
    1−10°の範囲内とすることを特徴とする整流案内羽
    根入りエルボ。
  9. 【請求項9】 請求項1〜請求項8のいずれかに記載
    の整流案内羽根入りエルボが備えられていることを特徴
    とするキャビテーショントンネル。
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