JP2003192924A - 射出成形体 - Google Patents

射出成形体

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JP2003192924A JP2002333813A JP2002333813A JP2003192924A JP 2003192924 A JP2003192924 A JP 2003192924A JP 2002333813 A JP2002333813 A JP 2002333813A JP 2002333813 A JP2002333813 A JP 2002333813A JP 2003192924 A JP2003192924 A JP 2003192924A
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liquid crystalline
injection
crystalline polymer
polymer
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JP2002333813A
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Harufumi Murakami
治史 村上
Kazuhito Kobayashi
和仁 小林
Ayako Uda
亜矢子 右田
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Polyplastics Co Ltd
Original Assignee
Polyplastics Co Ltd
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29KINDEXING SCHEME ASSOCIATED WITH SUBCLASSES B29B, B29C OR B29D, RELATING TO MOULDING MATERIALS OR TO MATERIALS FOR MOULDS, REINFORCEMENTS, FILLERS OR PREFORMED PARTS, e.g. INSERTS
    • B29K2105/00Condition, form or state of moulded material or of the material to be shaped
    • B29K2105/0079Liquid crystals

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  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 異方性溶融相を形成しない熱可塑性樹脂
(A)と異方性溶融相を形成し得る液晶性ポリマー
(B)との熱可塑性樹脂組成物からなる機械的強度に優
れた薄肉成形品となり得る射出成形体を提供する。 【解決手段】 熱可塑性樹脂(A)99〜50重量%と
液晶性ポリマー(B)1〜50重量%からなる組成物
で、加工温度条件下での(A)のメルトフロー値が0.
15〜100、(B)の流動開始温度が80〜210
℃、かつ、前記液晶性ポリマー(B)の加工温度でせん
断速度1200sec−1のときの粘度比(Aη/B
η)が0.1以上であり、(B)が平均アスペクト比6
以上の繊維状で(A)のマトリックス相に分散した射出
成形体であり、前記射出成形体を無負荷で(B)の融点
以上で加熱処理後、冷却させたときに、(B)の重量平
均粒径が10〜40μm、かつその80重量%以上が粒
径0.5〜60μmにあるように、熱可塑性樹脂(A)
のマトリックス相に島状にミクロ分散していることを特
徴とする射出成形体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は異方性溶融相を形成
しない熱可塑性樹脂(A)と異方性溶融相を形成し得る
液晶性ポリマー(B)との熱可塑性樹脂組成物からなる
射出成形体に関する。
【0002】
【従来の技術・発明が解決しようとする課題】異方性溶
融相を形成し得る液晶性ポリマーは、高強度、高剛性、
高耐熱性、易成形性といった数多くの特性を有する熱可
塑性樹脂であるが、分子鎖配向方向と垂直方向では成形
収縮率や機械的物性が異なり、更に高価格といった、商
業上の不利もある。一方、ポリオレフィン系(共)重合
体、スチレン系(共)重合体、ポリアミド系(共)重合
体、ポリアクリレート、ポリアセタール(共)重合体を
1種または2種以上用いた熱可塑性樹脂は比較的安価で
摺動性あるいは衝撃特性に優れているが、耐熱性や剛性
等の物性が劣るという不利がある。特に薄肉のハウジン
グに使用するには、製造時の溶融樹脂の流動性や成形品
の剛性が不足するため、どうしても設計上肉厚にせざる
を得ないので、昨今の電気、電子、通信機器分野での小
型軽量化に対応するには限界があった。そこで、液晶性
ポリマーと前記熱可塑性樹脂の利点を活かし、両者の持
つ欠点を補うためにこれらを混合して使用する試みが行
われている。特開平5−70700号公報や特開平5−
112709号公報に記載されているように、まず液晶
性ポリマーと前記熱可塑性樹脂が共に溶融する温度に於
いて延伸しながら押し出すことによって、予め液晶性ポ
リマーがアスペクト比(長さ/太さ)の大きな繊維状で
存在するように成形用素材を調製し、成形品を成形する
際には、その成形用素材を液晶性ポリマーが溶融しない
で前記熱可塑性樹脂のみが溶融する温度で成形すること
によって補強効果を持つ繊維状液晶性ポリマーを含有す
る成形体を作製する方法が考えられた。しかし、これら
の方法に於いては、予め延伸しながら押し出し、更にロ
ーラー等により溶融押出物を伸張させて液晶性ポリマー
を繊維状に配向した状態の組成物にしておき、次いで射
出成形等により成形体を得るときは液晶性ポリマーの融
点以下の成形温度で成形する。あるいは初めから成形体
を作製する場合には、型に樹脂組成物を充填する際にか
なり大きな剪断力をかけ、液晶性ポリマーを配向させな
ければならない。従って前者の場合には、流動性が悪く
なったり、成形条件が狭くなり、また剛性も十分に満足
できるものではない。後者の場合には、成形品形状にか
なり影響されると共に、場所により充分に配向しないた
め強度不足となる。また、前記熱可塑性樹脂とブレンド
する液晶性ポリマーの融点が高すぎ、加工時に熱可塑性
樹脂が分解を起こす場合があり、本来有している熱可塑
性樹脂の利点が活かされていなかった。
【0003】
【課題を解決するための手段】本発明者等は上記問題点
に鑑み、薄肉成形材料として優れた特性を有する素材を
鋭意探索、検討を行ったところ、熱可塑性樹脂(A)と
液晶性ポリマー(B)をその射出成形の際に溶融粘度条
件を特定すること、及び熱可塑性樹脂の融点を考慮し比
較的低流動開始温度をもつ液晶性ポリマーを使用するこ
とにより容易に液晶性ポリマーが繊維化し、従来にない
極めて高い補強効果を発現すること、従って得られる成
形品の性状が特異であり、特に機械的強度に優れた薄肉
成形品となり得ることを見い出し、本発明を完成するに
至った。
【0004】すなわち本発明によれば、ポリオレフィン
系(共)重合体、スチレン系(共)重合体、ポリアミド
系(共)重合体、ポリアクリレート、ポリアセタール
(共)重合体を一種または二種以上用いた熱可塑性樹脂
(A)99〜50重量%と液晶性ポリマー(B)1〜5
0重量%(両者の合計100重量%)からなる熱可塑性
樹脂組成物の加工温度条件下で前記熱可塑樹脂(A)の
メルトフロー値が0.15〜100であり、前記液晶性
ポリマー(B)の流動開始温度が80〜210℃で、か
つ、前記液晶性ポリマー(B)の流動開始温度以上の加
工温度でせん断速度1200sec-1のときの熱可塑性
樹脂(A)と液晶性ポリマー(B)の粘度比(Aη/B
η)が0.1以上である熱可塑性樹脂組成物からなり、
液晶性ポリマーが平均アスペクト比6以上の繊維状で熱
可塑性樹脂(A)のマトリックス相に分散した射出成形
体であり、かつ前記射出成形体を無負荷で前記液晶性ポ
リマー(B)の融点以上の温度条件下の加熱処理を経て
冷却させたときに、液晶性ポリマー(B)が、重量平均
粒径10〜40μmの範囲にあり、かつその80重量%
以上が粒径0.5〜60μmの範囲にあるように、熱可
塑性樹脂(A)のマトリックス相に島状にミクロ分散し
ている射出成形体を提供する。また、熱可塑性樹脂
(A)の融点若しくは軟化点が210℃以下である前記
発明の射出成形体を提供する。熱可塑性樹脂(A)がポ
リアセタール樹脂である前記発明の射出成形体を提供す
る。熱可塑性樹脂(A)がポリオレフィン系(共)重合
体である前記発明の射出成形体を提供する。熱可塑性樹
脂(A)がスチレン系(共)重合体である前記発明の射
出成形体を提供する。また、前記発明において熱可塑性
樹脂(A)がポリアミド系(共)重合体である射出成形
体を提供する。本発明は、前記発明において液晶性ポリ
マー(B)が、芳香族ヒドロキシカルボン酸/脂肪族ジ
オール/芳香族ジカルボン酸の構成単位からなる射出成
形体を提供する。液晶性ポリマー(B)が、芳香族ヒド
ロキシカルボン酸/エチレングリコール/テレフタル酸
の構成単位からなり、芳香族ヒドロキシカルボン酸の含
有量が、30〜70モル%である前記発明の射出成形体
を提供する。前記発明において芳香族ヒドロキシカルボ
ン酸が、p−ヒドロキシ安息香酸である射出成形体を提
供する。芳香族ヒドロキシカルボン酸が、p−ヒドロキ
シ安息香酸と6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸からなる
前記発明の射出成形体を提供する。
【0005】本発明が適用される熱可塑性樹脂(A)と
しては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ4
−メチル−1−ペンテン等のポリオレフィン系(共)重
合体、ABS樹脂、AES、AS、PS等のスチレン系
(共)重合体、ポリアミド系(共)重合体、ポリアクリ
レート、ポリアセタール(共)重合体およびこれらの樹
脂を主体とする樹脂等が挙げられ、一種又は二種以上を
混合して用いてもよい。これら熱可塑性樹脂が好ましい
理由としては、例えばポリオレフィン系(共)重合体で
は非常に安価な割に物性的にバランスがとれており、ま
た、スチレン系(共)重合体では成形収縮率が小さく、
また、ポリアミド系(共)重合体では比較的耐熱性がよ
く、またポリアセタール系(共)重合体では摺動特性が
よい等の点が挙げられ、通常このような(共)重合体
は、融点若しくは軟化点が210℃以下である。更にこ
れら熱可塑性樹脂(A)を詳しく説明する。
【0006】本発明におけるポリアセタール樹脂とは、
オキシメチレン単位−(OCH2)−を主たる構成単位
とする高分子化合物で、ポリオキシメチレンホモポリマ
ー、又はオキシメチレン基を主たる繰り返し単位とし、
これ以外に他の構成単位、例えばエチレンオキサイド、
1,3−ジオキソラン、1,4−ブタンジオール、ホル
マール等のコモノマー単位を少量含有するコポリマー、
ターポリマー、ブロックポリマーのいずれでもよく、ま
た、分子が線状のみならず分岐、架橋構造を有するもの
であってもよい。また、他の有機基を導入した公知の変
性ポリオキシメチレンであってもよい。また、その重合
度に関しても特に制限はなく、成形加工性を有するも
の、例えば190℃、2160g加重下でのメルトフロ
ー(MFR)値が0.15〜100g/10分、好まし
くは0.5〜50g/10分であればよい。
【0007】本発明におけるポリオレフィン系(共)重
合体としては、エチレン、プロピレン、ブテン、ヘキセ
ン、オクテン、ノネン、デセン、ドデセン等のα−オレ
フィンの単独重合体、またはこれらの二種以上からなる
ランダム、ブロック、またはグラフト共重合体、または
これらに1,4−ヘキサジエン、ジシクロペンタジエ
ン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、2,5−ノル
ボナジエン等の非共役ジエン、ブタジエン、イソプレ
ン、ピペリレン等の共役ジエン成分、アクリル酸、メタ
クリル酸等のα,β−不飽和酸またはそのエステル等の
誘導体、アクリロニトリル、スチレン、α−メチルスチ
レン等の芳香族ビニル化合物、または酢酸ビニル等のビ
ニルエステル、ビニルメチルエーテル等のビニルエーテ
ルやこれらのビニル系化合物の誘導体等のコモノマー成
分の内一種以上を含んでなるランダム、ブロック、また
はグラフト共重合体等が挙げられ、その重合度、側鎖や
分岐の有無や程度、共重合組成比等の如何を問わない。
【0008】本発明におけるスチレン系(共)重合体と
しては、スチレンを主体とし、ラジカル重合反応、ある
いはイオン重合反応により得られるものであり、工業的
には塊状重合、溶液重合、懸濁重合、乳化重合等により
得られるものがいずれも使用できる。また、その性質を
大幅に損なわない範囲で、スチレンを主体とし、その他
のビニル化合物、ジエン系化合物等の反応性モノマーを
共重合するか、ゴム成分を導入したものであってもよ
い。特にポリスチレン、ポリα−メチルスチレンあるい
はこれらを主体とし、アクリル酸、メタクリル酸、また
はそれらのエステル、アクリロニトリル、ブタジエン、
塩化エチレン等との共重合体も好ましく用いられ、その
重合度、側鎖や分岐の有無や程度、共重合組成比等の如
何を問わない。具体的には、PS、HIPS、AS、A
ES、ABS、MBS等が挙げられる。
【0009】本発明におけるポリアミド系(共)重合体
としては、ω−アミノ酸またはω−ラクタムから得れる
ポリアミド、またはジアミンやm−キシレンジアミンと
アジピン酸、セバシン酸、ドデカンジオン酸、シクロヘ
キサンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸等の
ジカルボン酸から得られる単独または共重合体、更に
は、混合重合体等である。好ましいポリアミドとして
は、ナイロン6、ナイロン11、ナイロン12、ナイロ
ン46、ナイロン66等のホモポリアミド、およびアジ
ピン酸/テレフタル酸/ヘキサメチレンジアミン、アジ
ピン酸/1,4−シクロヘキサンジカルボン酸/ヘキサ
メチレンジアミン、アジピン酸/1,3−シクロヘキサ
ンジカルボン酸/ヘキサメチレンジアミン、テレフタル
酸/イソフタル酸/ヘキサメチレンジアミン/パラアミ
ノシクロヘキシルメタン等の共重合ポリアミドが挙げら
れる。
【0010】なお、熱可塑性樹脂に対し、核剤、カーボ
ンブラック等の顔料、酸化防止剤、安定剤、可塑剤、滑
剤、離型剤および難燃剤等の添加剤を添加して、所望の
特性を付与した熱可塑性樹脂も本発明の熱可塑性樹脂の
範囲に含まれる。
【0011】本発明における液晶性ポリマー(B)とし
ては、流動開始温度が80〜210℃である光学異方性
溶融相を形成し得る性質を有する溶融加工性ポリマーを
指す。異方性溶融相の性質は、直交偏光子を利用した慣
用の偏光検査法により確認することが出来る。より具体
的には、異方性溶融相の確認は、Leitz偏光顕微鏡
を使用し、Leitzホットステージに載せた溶融試料
を窒素雰囲気下で40倍の倍率で観察することにより実
施できる。本発明に適用できる液晶性ポリマーは直交偏
光子の間で検査したときに、たとえ溶融静止状態であっ
ても偏光は通常透過し、光学的に異方性を示す。
【0012】前記のような液晶性ポリマー(B)として
は、芳香族ポリエステルまたは芳香族ポリエステルアミ
ド、芳香族ポリエステルまたは芳香族ポリエステルアミ
ドを同一分子鎖中に部分的に含むポリエステルが挙げら
れる。
【0013】本発明に適用できる液晶性ポリマー(B)
としての芳香族ポリエステルまたは芳香族ポリエステル
アミドとしては、芳香族ヒドロキシカルボン酸、芳香族
アミノカルボン酸、芳香族ヒドロキシアミン、芳香族ジ
アミンの群から選ばれた少なくとも1種以上の化合物を
構成成分として有する芳香族ポリエステル、芳香族ポリ
エステルアミドである。より具体的には、(1)主とし
て芳香族ヒドロキシカルボン酸、およびその誘導体の1
種または2種以上からなるポリエステル;(2)主とし
て(a)芳香族ヒドロキシカルボン酸およびその誘導体の
1種または2種以上と、(b)芳香族ジカルボン酸、脂環
族ジカルボン酸およびその誘導体の1種または2種以上
と、(c)芳香族ジオール、脂環族ジオール、脂肪族ジオ
ールおよびその誘導体の少なくとも1種または2種以
上、とからなるポリエステル;(3)主として(a)芳香
族ヒドロキシカルボン酸およびその誘導体の1種または
2種以上と、(b)芳香族ヒドロキシアミン、芳香族ジア
ミンおよびその誘導体の1種または2種以上と、(c)芳
香族ジカルボン酸、脂環族ジカルボン酸およびその誘導
体の1種または2種以上、とからなるポリエステルアミ
ド;(4)主として(a)芳香族ヒドロキシカルボン酸、
芳香族アミノカルボン酸およびその誘導体の1種または
2種以上と、(b)芳香族ヒドロキシアミン、芳香族ジア
ミンおよびその誘導体の1種または2種以上と、(c)芳
香族ジカルボン酸、脂環族ジカルボン酸およびその誘導
体の1種または2種以上と、(d)芳香族ジオール、脂環
族ジオール、脂肪族ジオールおよびその誘導体の少なく
とも1種または2種以上、とからなるポリエステルアミ
ド等が挙げられる。さらに上記の構成成分に必要に応じ
分子量調整剤を併用してもよい。これらは60℃でペン
タフルオロフェノールに濃度0.1重量%で溶解したと
きに、0.5以上好ましくは2.0〜10.0dl/g
の対数粘度(I.V.)を有するものが使用され、オリ
ゴマー領域を含んでいてもよい。
【0014】本発明に適用できる前記液晶性ポリマー
(B)を構成する具体的化合物の例としては、p−ヒド
ロキシ安息香酸、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸等の
芳香族ヒドロキシカルボン酸、アミノ安息香酸等の芳香
族アミノカルボン酸、2,6−ジヒドロキシナフタレ
ン、1,4−ジヒドロキシナフタレン、4,4’−ジヒ
ドロキシビフェニル、ハイドロキノン、レゾルシン、下
記一般式[1]および下記一般式[2]で表される化合
物等の芳香族ジオール;エチレングリコール、1,4−
ブタンジオール等に代表される脂肪族グリコール;テレ
フタル酸、イソフタル酸、4,4’−ジフェニルジカル
ボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸および下記一
般式[3]で表される化合物等の芳香族ジカルボン酸;
p−アミノフェノール,p−フェニレンジアミン等の芳
香族アミン類が挙げられる。
【0015】
【化1】
【0016】本発明が適用される特に好ましい液晶性ポ
リマー(B)としては、流動開始温度80〜210℃の
点から芳香族ヒドロキシカルボン酸およびエチレングリ
コール、テレフタル酸を構成単位とする芳香族ポリエス
テルである。この場合、芳香族ヒドロキシカルボン酸の
含有量は、30〜70モル%、好ましくは35〜55モ
ル%、特に好ましくは40〜45モル%である。さら
に、芳香族ヒドロキシカルボン酸がp−ヒドロキシ安息
香酸、若しくはp−ヒドロキシ安息香酸と6−ヒドロキ
シ−2−ナフトエ酸の混合構成であることが好ましい。
また、特に後者の場合、p−ヒドロキシ安息香酸と6−
ヒドロキシ−2−ナフトエ酸の比率が50:50〜7
0:30が好ましく、特にその比率が55:45〜6
5:35が好ましい。本発明の液晶性ポリマー(B)
は、前記組成のいずれかによって得られる物質の重合度
がオリゴマー領域を含んでいてもよい。
【0017】本発明の射出成形体を構成する熱可塑性樹
脂組成物は、前記熱可塑性樹脂(A)と前記液晶性ポリ
マー(B)からなるものである。熱可塑性樹脂(A)と
液晶性ポリマー(B)の組成割合としては、前者が99
〜50重量%、好ましくは95〜60重量%、後者が1
〜50重量%、好ましくは5〜40重量%(両者の合計
は100重量%)である。液晶性ポリマー(B)の組成
割合が1〜50重量%の範囲にあれば、マトリックス相
が反転することが無く、また液晶性ポリマー(B)によ
る熱可塑性樹脂(A)の補強が可能となる。またその組
成物を無負荷で液晶性ポリマーの融点以上の温度条件下
で加熱処理させて常温まで冷却させ、得られる組成物を
観察したときに、前記液晶性ポリマー(B)が熱可塑性
樹脂(A)のマトリックス相に島状にミクロ分散してい
ることが必要である。そしてその液晶性ポリマー(B)
の分散状態が、重量平均粒径10〜40μmの範囲、特
に好ましくは15〜30μmの範囲にあり、液晶性ポリ
マー(B)の80重量%以上が0.5〜60μmの範
囲、好ましくは5〜50μmの範囲にあるものである。
前記加熱処理は液晶性ポリマー(B)が球形以外の形状
で分散していても観察しやすい球形にさせるための手段
であり、加熱処理温度としては液晶性ポリマー(B)の
融点以上であればよいが、液晶性ポリマーの溶融および
球状化を完全にするため、好ましくは融点よりも10℃
以上高い温度で、かつ20秒以上放置すること、特に3
0秒〜3分放置することが好ましい。球形以外の形状の
分散物が残っている場合は、加熱処理時間を延ばしても
よいが、加熱処理時間が長くなると熱可塑性樹脂(A)
と液晶性ポリマー(B)との組み合わせによっては溶融
した球状の液晶性ポリマー(B)が凝集してそのミクロ
分散状態が変化する虞があるので、前記加熱処理時間を
延長しないで球形に換算した粒径を用いることが好まし
い。
【0018】前記の様な加熱処理を経て冷却したとき
に、液晶性ポリマー(B)が熱可塑性樹脂(A)のマト
リックス相に島状にミクロ分散した熱可塑性樹脂組成物
を製造するには、両者を前記組成割合で配合し、混練す
ればよい。通常、押出機で混練し、ペレット状に押し出
し、次の射出成形に用いるが、この様な押出機による混
練に限定されるものではない。前記混練方法としては、
通常の熱可塑性樹脂の混練押出に使用される一軸、二軸
押出機が使用されるが、前記した分散状態の熱可塑性樹
脂組成物を得るには、(1)液晶性ポリマー(B)の流
動開始温度以上の加工温度、せん断速度1200sec
-1で測定した時の熱可塑性樹脂(A)と液晶性ポリマー
(B)との溶融粘度比(Aη/Bη)を、0.1以上、
好ましくは0.1以上6以下にする方法、(2)混練押
出を繰り返す方法、(3)配合する液晶性ポリマー
(B)を予めの細粉粒化しておく方法等があり、適宜選
択したり、2種類の方法を併用したりすることができ
る。これらの中では、容易に前記のようなミクロ分散状
熱可塑性樹脂組成物を得られる観点から、溶融粘度比
(Aη/Bη)を0.1以上にする。溶融粘度が0.1
以下では、マトリックス(熱可塑性樹脂)相の粘度が低
すぎ、液晶性ポリマー(B)に十分なせん断応力、伸張
応力がかからず、液晶性ポリマーが繊維化しにくい。粘
度比が6を越えた場合、液晶性ポリマー(B)は繊維化
するが、熱可塑性樹脂(A)の粘度が高くなるため、繊
維化した液晶性ポリマーの繊維径が太くなり補強作用の
効率が悪くなったり、成形時に流動性が劣る等の問題が
発生する場合があり好ましくない。なお、液晶性ポリマ
ー(B)の流動開始温度とは、液晶性ポリマー(B)を
加熱昇温させていった際に、外力によって流動性を示す
温度で後記の方法により測定される。
【0019】前記の様な熱可塑性樹脂組成物を製造する
には、両者を前記組成割合で配合し、混練すればよい。
通常、押出機で混練し、ペレット状に押し出しし、射出
成形等に用いるが、このような押出機による混練に限定
されるものではない。
【0020】本発明にかかる前記熱可塑性樹脂組成物と
しては、加熱処理を経て冷却したときに、前記のような
程度に液晶性ポリマー(B)がミクロ分散されているこ
とが必要であり、前記特開平5−112709号公報や
特開平5−70700号公報に開示されているように組
成物の中で液晶性ポリマー(B)が繊維化されていても
差し支えはないが、そのような繊維化は必要ではない。
従って、前記公報にあるような、押出機の後の溶融時に
施されるロール伸張による配向繊維化は不要である。本
発明においては、液晶性ポリマー(B)が前記分散状態
にある熱可塑性樹脂組成物を後記条件で射出成形するこ
とにより、ミクロ分散されている各液晶性ポリマー
(B)の粒子が容易にアスペクト比が大きい状態で繊維
化するため、射出成形体の内部に均一に繊維が形成さ
れ、同一液晶性ポリマー(B)の組成割合で公知方法に
より得られる成形体と比べて、容易に高強度、高剛性を
発現することとなる。
【0021】次に射出成形方法について説明する。前記
のような液晶性ポリマー(B)が熱可塑性樹脂(A)の
マトリックス相にミクロ分散された熱可塑性樹脂組成物
を用いて、以下に説明する射出成形条件を採用すること
が、本発明にかかる射出成形方法の特徴である。射出成
形条件の第一は、射出時の熱可塑性樹脂組成物の温度
(加工温度)を液晶性ポリマー(B)の流動開始温度以
上、好ましくは流動開始温度より10℃高い温度以上と
することである。この温度条件により、射出成形時に、
流動状態にある熱可塑性樹脂組成物が射出成形機の金型
キャビティに通じるゲートを通過する際、島状にミクロ
分散している液晶性ポリマー(B)が熱可塑性樹脂
(A)のマトリックス相中で延伸され、十分繊維化され
る。すなわち、この繊維化により、前記分散状態が十分
機能を発揮し、高剛性、高強度を有する射出成形体が得
られるのである。島状に分散している液晶性ポリマー
(B)がミクロ分散していない場合、繊維化される液晶
性ポリマー(B)の数が少なくなり、高剛性、高強度を
有する射出成形体が得られないことがあり、液晶性ポリ
マー(B)が島状にミクロ分散していることは重要な要
件である。前記樹脂温度の上限は、省エネルギーおよび
熱可塑性樹脂組成物の熱分解を防ぐ観点から、好ましく
は液晶性ポリマー(B)の熱分解温度以下、特に好まし
くは液晶性ポリマー(B)の融点プラス50℃以下に抑
える。本発明での加工温度とは、成形機等の樹脂加工機
の設定温度である。但し、設定温度が液晶開始温度以下
であっても、樹脂温度が液晶開始温度以上であれば本発
明に含まれる。
【0022】射出成形条件の第二は、前記ゲートを通過
する溶融熱可塑性樹脂組成物の速度である。このゲート
の通過速度が500m/分以上、好ましくは1,000
m/分以上、さらに好ましくは3,000m/分以上で
ある。この条件を満たして射出成形することにより、前
記温度条件と相俟って、前記通過時の延伸による液晶性
ポリマー(B)の繊維化が十分達成されることとなる。
ゲートの通過速度は大きいほど好ましいが、上限として
通常の成形機の性能等から100,000m/分以下で
あることが好ましく、高速射出成形機を用いれば、10
0,000m/分以上でも可能である。
【0023】なお、前記射出成形に用いる金型として
は、ゲートの断面積SGに対するランナーの断面積SR
比SR/SGが3〜150の範囲、特に6〜120の範囲
にあることが液晶性ポリマー(B)の繊維化を促進し、
マトリックス相中に生じる繊維のアスペクト比を上げる
ことができるので、特に好ましい。なお、ゲートおよび
ランナーの断面積とは、ゲートの種類により図1に示す
ようにそれぞれ定義される。図にない形状のゲートも同
様に定義できる。図1(a)のサイドゲートおよびフィ
ルムゲート、図1(b)のオーバーラップゲートの場合
は、断面積SX>SYのときはSG=SYであり、SX<SY
のときはSG=SXであり、SX=SYのときはSG=SX
Yである。図1(c)のピンゲートの場合は、断面積
X>S YのときはSR=SXであり、SX<SYのときはS
R=SYであり、SX=SYのときはSR=SX=SYであ
る。図1(d)のダイレクトゲートの場合は、円錐型ラ
ンナーの円錐底面の面積をSRと、また円錐底面の真下
に形成される仮想の円柱外周面の面積をSGとする。さ
らに図1(e)のディスクゲートの場合は、図の円錐底
面の面積をSRと、またダイレクトゲートの場合と同様
に図のゲートに形成される仮想円柱の外周面の面積をS
Gとする。
【0024】射出成形時の樹脂圧は前記ゲートを通過す
る溶融熱可塑性樹脂組成物の速度条件を満たすように適
宜設定されるが、通常300〜2,000Kg/c
2、好ましくは500〜1,500Kg/cm2の範囲
である。
【0025】前記熱可塑性樹脂組成物、すなわちポリオ
レフィン系(共)重合体、スチレン系(共)重合体、ポ
リアミド系(共)重合体、ポリアクリレート、ポリアセ
タール(共)重合体を一種または二種以上用いた熱可塑
性樹脂(A)99〜50重量%と液晶性ポリマー(B)
1〜50重量%(両者の合計100重量%)からなる熱
可塑性樹脂組成物の加工温度条件下で前記熱可塑性樹脂
(A)のメルトフロー値が0.15〜100であり、前
記液晶性ポリマー(B)の流動開始温度が80〜210
℃で、かつ、前記液晶性ポリマー(B)の流動開始温度
以上の加工温度でせん断速度1200sec-1のときの
熱可塑性樹脂(A)と液晶性ポリマー(B)の粘度比
(Aη/Bη)が0.1以上である熱可塑性樹脂組成物
を射出成形して得られる射出成形体は、液晶性ポリマー
(B)が平均アスペクト比6以上、好ましくは8以上の
繊維状で熱可塑性樹脂(A)のマトリックス相に分散し
ている。またこの繊維状に分散している成形体を無負荷
で前記液晶性ポリマー(B)の融点以上の温度条件下の
加熱処理を経て繊維状液晶性ポリマー(B)を緩和さ
せ、常温まで冷却させたときに液晶性ポリマー(B)が
重量平均粒径10〜40μmの範囲にありかつその80
重量%以上が粒径0.5〜60μmの範囲にあるように
熱可塑性樹脂(A)のマトリックス相に島状にミクロ分
散していることが大きな特徴である。この場合の加熱処
理温度や保持時間も本発明の熱可塑性樹脂組成物の場合
と同様である。先に説明した本発明にかかる熱可塑性樹
脂組成物を無負荷で前記液晶性ポリマー(B)の融点以
上の温度条件下の加熱処理を経て冷却させたときに観察
される液晶性ポリマー(B)の分散状態自体は、前記射
出成形条件下で再混練しゲートを通過させても、通常殆
ど変化しないので、射出成形体を前記のように加熱処理
させて液晶性ポリマー(B)の分散状態を観察すること
により、本発明にかかる射出成形体であること、および
その原料として前記熱可塑性樹脂組成物を使用したかど
うかを容易に判別することができる。
【0026】このように本発明の射出成形体は、それに
含まれる液晶性ポリマー(B)が繊維状で含まれ補強作
用を有することとなるため、補強のために通常配合され
る充填剤は必要ないが、用途によっては本発明の効果を
阻害しない範囲で、公知の繊維状、粉粒状、板状又は中
空状の充填剤を配合してもよい。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、実施例により本発明を具体
的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものでは
ない。なお、射出成形体の評価方法等は以下の通りであ
る。
【0028】(メルトフロー値)ASTM D1238
−89Eに従い、加工温度でのメルトフロー値(g/1
0分)を測定した。
【0029】(流動開始温度)毛細管型レオメーター
((株)島津製作所製フローテスターCFT−500
型)を用い、4℃/minの昇温速度で加熱溶融された
サンプル樹脂を100Kg/cm2の加重下で、内径1
mm、長さ10mmのノズルから押し出したときに、該
溶融粘度が48,000ポイズを示す温度で表した。
【0030】(曲げ弾性率)ASTM D790に従
い、1/32インチの厚さの曲げ試験片の曲げ弾性率
(Kg/cm2)を測定した。
【0031】(繊維状液晶性ポリマーの平均アスペクト
比)曲げ弾性率の測定で用いた試験片を流動方向に平行
な面が出るように切削した後、断面を鏡面研磨し、その
表面を電子顕微鏡により観察して評価した。任意に選ん
だ繊維化している液晶性ポリマー50本の太さと長さを
測定した。なお、長さについては、表面上で観察できる
部分の長さを繊維の長さとした。結果は、平均アスペク
ト比8以上のものを○で、平均アスペクト比8〜6のも
のを△、平均アスペクト比6未満のものを×で表した。
【0032】(液晶性ポリマー(B)の分散粒子径)溶
融混練後のペレットあるいは成形後の試験片の一部を窒
素気流中で液晶性ポリマーの融点より10℃高い温度ま
で加熱し、3分間その温度で保持し、その後常温まで冷
却した。加熱処理し冷却した後のサンプルの切断面を電
子顕微鏡により観察して評価した。任意に選んだ液晶性
ポリマーの粒子50個の径を測定し、重量平均粒子径を
求めた。
【0033】(溶融粘度)各樹脂のペレット若しくは粉
状体を東洋精機製キャピログラフを用い、1200se
-1のせん断応力下での溶融粘度を各熱可塑性樹脂組成
物の加工温度にて測定した。
【0034】(ビカット軟化点)JIS K6870に
準じて測定した。
【0035】(実施例1)ポリアセタール樹脂(ポリプ
ラスチックス(株)製、M25−44(MI=2.
5)、融点165℃)と液晶性ポリエステル(ユニチカ
(株)製、ロッドランLC3000)との混合比が7:
3の樹脂を配合し、30mmの2軸押出機にて樹脂温度
190℃で溶融混練し、ペレット化した。次いで、該ペ
レットを射出成形機(サイドゲート)にて成形温度19
0℃で試験片を成形し、機械的物性、溶融粘度、液晶性
ポリエステルの平均アスペクト比を評価した。結果を表
−1に示す。なお、成形前のペレットの無負荷で溶融し
たものの液晶性ポリエステルの分散粒子径は、重量平均
で25(μm)であり、また分散粒子の80重量%以上
が粒径5〜45(μm)の範囲にあった。成形条件は以
下の通りである。 (1)ランナー断面積SR/ゲート断面積SG:9.3 (2)ゲート通過速度:1200(m/分) (3)射出圧力:800(Kg/cm2) (4)射出速度:5.8(m/分)
【0036】(実施例2)ポリアセタール樹脂(ポリプ
ラスチックス(株)製、M90−44(MI=9.
0)、融点165℃)と液晶性ポリエステル(ユニチカ
(株)製、ロッドランLC3000)との混合比が7:
3の樹脂を配合し、30mmの2軸押出機にて樹脂温度
190℃で溶融混練し、ペレット化した。次いで、該ペ
レットを射出成形機(サイドゲート)にて成形温度19
0℃で試験片を成形し、機械的物性、溶融粘度、液晶性
ポリエステルの平均アスペクト比を評価した。結果を表
−1に示す。なお、成形前のペレットの無負荷で溶融し
たものの液晶性ポリエステルの分散粒子径は、重量平均
で30(μm)であり、また分散粒子の80重量%以上
が粒径5〜45(μm)の範囲にあった。成形条件は以
下の通りである。 (1)ランナー断面積SR/ゲート断面積SG:9.3 (2)ゲート通過速度:1200(m/分) (3)射出圧力:800(Kg/cm2) (4)射出速度:5.8(m/分)
【0037】(実施例3)ポリアセタール樹脂(ポリプ
ラスチックス(株)製、M90−44(MI=9.
0)、融点165℃)と液晶性ポリエステル(ユニチカ
(株)製、ロッドランLC3000)との混合比が7:
3の樹脂を配合し、30mmの2軸押出機にて樹脂温度
190℃で溶融混練し、ペレット化した。次いで、該ペ
レットを射出成形機(ピンゲート)にて成形温度190
℃で試験片を成形し、機械的物性、溶融粘度、液晶性ポ
リエステルの平均アスペクト比を評価した。結果を表−
1に示す。なお、成形前のペレットの無負荷で溶融した
ものの液晶性ポリエステルの分散粒子径は、重量平均で
30(μm)であり、また分散粒子の80重量%以上が
粒径5〜45(μm)の範囲にあった。成形条件は以下
の通りである。 (1)ランナー断面積SR/ゲート断面積SG:25 (2)ゲート通過速度:2850(m/分) (3)射出圧力:1200(Kg/cm2) (4)射出速度:5.8(m/分)
【0038】(実施例4)ポリアセタール樹脂(ポリプ
ラスチックス(株)製、M270−44(MI=27.
0)、融点165℃)と液晶性ポリエステル(ユニチカ
(株)製、ロッドランLC3000)との混合比が7:
3の樹脂を配合し、30mmの2軸押出機にて樹脂温度
190℃で溶融混練し、ペレット化した。次いで、該ペ
レットを射出成形機(サイドゲート)にて成形温度19
0℃で試験片を成形し、機械的物性、溶融粘度、液晶性
ポリエステルの平均アスペクト比を評価した。結果を表
−1に示す。なお、成形前のペレットの無負荷で溶融し
たものの液晶性ポリエステルの分散粒子径は、重量平均
で30(μm)であり、また分散粒子の80重量%以上
が粒径5〜45(μm)の範囲にあった。成形条件は以
下の通りである。 (1)ランナー断面積SR/ゲート断面積SG:9.3 (2)ゲート通過速度:1200(m/分) (3)射出圧力:800(Kg/cm2) (4)射出速度:5.8(m/分)
【0039】(比較例1)ポリアセタール樹脂(ポリプ
ラスチックス(株)製、M90−44(MI=9.
0)、融点165℃)と液晶性ポリエステル(ポリプラ
スチックス(株)製、ベクトラA950)パウダーとの
混合比が7:3の樹脂を配合し、30mmの2軸押出機
にて樹脂温度190℃で溶融混練し、ペレット化した。
次いで、該ペレットを射出成形機(サイドゲート)にて
成形温度190℃で試験片を成形し、機械的物性、溶融
粘度、液晶性ポリエステルの平均アスペクト比を評価し
た。結果を表−1に示す。なお、成形前のペレットの液
晶性ポリエステルの分散粒子径(加熱処理しないで観
察)は、形状が複雑で一定しておらず評価不能であっ
た。成形条件は以下の通りである。 (1)ランナー断面積SR/ゲート断面積SG:9.3 (2)ゲート通過速度:1200(m/分) (3)射出圧力:800(Kg/cm2) (4)射出速度:5.8(m/分)
【0040】(実施例5)ポリプロピレン樹脂(三井石
油化学工業(株)製、ハイポールJ600(MI=7.
0)、融点160℃)と液晶性ポリエステル(ユニチカ
(株)製、ロッドランLC3000)との混合比が7:
3の樹脂を配合し、30mmの2軸押出機にて樹脂温度
230℃で溶融混練し、ペレット化した。次いで、該ペ
レットを射出成形機(サイドゲート)にて成形温度23
0℃で試験片を成形し、機械的物性、溶融粘度、液晶性
ポリエステルの平均アスペクト比を評価した。結果を表
−1に示す。なお、成形前のペレットの無負荷で溶融し
たものの液晶性ポリエステルの分散粒子径は、重量平均
で25(μm)であり、また分散粒子の80重量%以上
が粒径5〜45(μm)の範囲にあった。成形条件は以
下の通りである。 (1)ランナー断面積SR/ゲート断面積SG:9.3 (2)ゲート通過速度:1200(m/分) (3)射出圧力:800(Kg/cm2) (4)射出速度:5.8(m/分)
【0041】(実施例6)ポリプロピレン樹脂(三井石
油化学工業(株)製、ハイポールJ900(MI=4
0.0)、融点160℃)と液晶性ポリエステル(ユニ
チカ(株)製、ロッドランLC3000)との混合比が
7:3の樹脂を配合し、30mmの2軸押出機にて樹脂
温度230℃で溶融混練し、ペレット化した。次いで、
該ペレットを射出成形機(サイドゲート)にて成形温度
230℃で試験片を成形し、機械的物性、溶融粘度、液
晶性ポリエステルの平均アスペクト比を評価した。結果
を表−1に示す。なお、成形前のペレットの無負荷で溶
融したものの液晶性ポリエステルの分散粒子径は、重量
平均で30(μm)であり、また分散粒子の80重量%
以上が粒径5〜45(μm)の範囲にあった。成形条件
は以下の通りである。 (1)ランナー断面積SR/ゲート断面積SG:9.3 (2)ゲート通過速度:1200(m/分) (3)射出圧力:800(Kg/cm2) (4)射出速度:5.8(m/分)
【0042】(実施例7)ポリスチレン樹脂(三井東圧
化学(株)製、トーポレックス500(MI=4.
0)、ビカット軟化点86℃)と液晶性ポリエステル
(ユニチカ(株)製、ロッドランLC3000)との混
合比が7:3の樹脂を配合し、30mmの2軸押出機に
て樹脂温度190℃で溶融混練し、ペレット化した。次
いで、該ペレットを射出成形機(サイドゲート)にて成
形温度190℃で試験片を成形し、機械的物性、溶融粘
度、液晶性ポリエステルの平均アスペクト比を評価し
た。結果を表−1に示す。なお、成形前のペレットの無
負荷で溶融したものの液晶性ポリエステルの分散粒子径
は、重量平均で25(μm)であり、また分散粒子の8
0重量%以上が粒径5〜45(μm)の範囲にあった。
成形条件は以下の通りである。 (1)ランナー断面積SR/ゲート断面積SG:9.3 (2)ゲート通過速度:1200(m/分) (3)射出圧力:800(Kg/cm2) (4)射出速度:5.8(m/分)
【0043】(実施例8)ポリアミド樹脂(宇部興産
(株)製、UBEナイロン6(1013B)、融点21
0℃)と液晶性ポリエステル(ユニチカ(株)製、ロッ
ドランLC3000)との混合比が7:3の樹脂を配合
し、30mmの2軸押出機にて樹脂温度230℃で溶融
混練し、ペレット化した。次いで、該ペレットを射出成
形機(サイドゲート)にて成形温度230℃で試験片を
成形し、機械的物性、溶融粘度、液晶性ポリエステルの
平均アスペクト比を評価した。結果を表−1に示す。な
お、成形前のペレットの無負荷で溶融したものの液晶性
ポリエステルの分散粒子径は、重量平均で30(μm)
であり、また分散粒子の80重量%以上が粒径5〜45
(μm)の範囲にあった。成形条件は以下の通りであ
る。 (1)ランナー断面積SR/ゲート断面積SG:9.3 (2)ゲート通過速度:1200(m/分) (3)射出圧力:800(Kg/cm2) (4)射出速度:5.8(m/分)
【0044】
【表1】
【0045】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明に
より、従来同種の技術では得られなかった分散された繊
維状液晶性ポリマーを含む熱可塑性樹脂射出成形体が提
供できることとなった。この射出成形体は、極めて高剛
性、高強度であるという特徴を有するので、特に薄肉成
形体に応用することが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【図1】ゲートとランナーの断面積の説明図である。
フロントページの続き Fターム(参考) 4F071 AA14 AA22 AA31 AA40 AA43 AA54 AA88 AF14 BB05 4J002 BB001 BC021 BG031 CB001 CF042 CF182 CL001

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリオレフィン系(共)重合体、スチレ
    ン系(共)重合体、ポリアミド系(共)重合体、ポリア
    クリレート、ポリアセタール(共)重合体を一種または
    二種以上用いた熱可塑性樹脂(A)99〜50重量%と
    液晶性ポリマー(B)1〜50重量%(両者の合計10
    0重量%)からなる熱可塑性樹脂組成物の加工温度条件
    下で前記熱可塑樹脂(A)のメルトフロー値が0.15
    〜100であり、前記液晶性ポリマー(B)の流動開始
    温度が80〜210℃で、かつ、前記液晶性ポリマー
    (B)の流動開始温度以上の加工温度でせん断速度12
    00sec-1のときの熱可塑性樹脂(A)と液晶性ポリ
    マー(B)の粘度比(Aη/Bη)が0.1以上である
    熱可塑性樹脂組成物からなり、液晶性ポリマー(B)が
    平均アスペクト比6以上の繊維状で熱可塑性樹脂(A)
    のマトリックス相に分散した射出成形体であり、かつ前
    記射出成形体を無負荷で前記液晶性ポリマー(B)の融
    点以上の温度条件下の加熱処理を経て冷却させたとき
    に、液晶性ポリマー(B)が、重量平均粒径10〜40
    μmの範囲にあり、かつその80重量%以上が粒径0.
    5〜60μmの範囲にあるように、熱可塑性樹脂(A)
    のマトリックス相に島状にミクロ分散していることを特
    徴とする射出成形体。
  2. 【請求項2】 熱可塑性樹脂(A)の融点若しくは軟化
    点が210℃以下であることを特徴とする請求項1記載
    の射出成形体。
  3. 【請求項3】 熱可塑性樹脂(A)がポリアセタール樹
    脂であることを特徴とする請求項1又は2記載の射出成
    形体。
  4. 【請求項4】 熱可塑性樹脂(A)がポリオレフィン系
    (共)重合体であることを特徴とする請求項1又は2記
    載の射出成形体。
  5. 【請求項5】 熱可塑性樹脂(A)がスチレン系(共)
    重合体であることを特徴とする請求項1又は2記載の射
    出成形体。
  6. 【請求項6】 熱可塑性樹脂(A)がポリアミド系
    (共)重合体であることを特徴とする請求項1又は2記
    載の射出成形体。
  7. 【請求項7】 液晶性ポリマー(B)が、芳香族ヒドロ
    キシカルボン酸/脂肪族ジオール/芳香族ジカルボン酸
    の構成単位からなることを特徴とする請求項1〜6のい
    ずれかに記載の射出成形体。
  8. 【請求項8】 液晶性ポリマー(B)が、芳香族ヒドロ
    キシカルボン酸/エチレングリコール/テレフタル酸の
    構成単位からなり、芳香族ヒドロキシカルボン酸の含有
    量が、30〜70モル%であることを特徴とする請求項
    1〜6のいずれかに記載の射出成形体。
  9. 【請求項9】 芳香族ヒドロキシカルボン酸が、p−ヒ
    ドロキシ安息香酸であることを特徴とする請求項8記載
    の射出成形体。
  10. 【請求項10】 芳香族ヒドロキシカルボン酸が、p−
    ヒドロキシ安息香酸と6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸
    からなることを特徴とする請求項9記載の射出成形体。
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