JP2003192894A - ポリイミド樹脂組成物溶液およびフィルム状接着剤 - Google Patents

ポリイミド樹脂組成物溶液およびフィルム状接着剤

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JP2003192894A
JP2003192894A JP2001398787A JP2001398787A JP2003192894A JP 2003192894 A JP2003192894 A JP 2003192894A JP 2001398787 A JP2001398787 A JP 2001398787A JP 2001398787 A JP2001398787 A JP 2001398787A JP 2003192894 A JP2003192894 A JP 2003192894A
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JP2001398787A
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Hiroyuki Yasuda
浩幸 安田
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Sumitomo Bakelite Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Bakelite Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低温でフィルム形成が可能なポリイミド樹脂
組成物物溶液、及び、それを用いた、低温短時間で接着
が可能で優れた接着力を有するフィルム状接着剤を提供
すること。 【解決手段】 芳香族テトラカルボン酸二無水物と、ジ
アミノポリシロキサン、及び芳香族ジアミンもしくは脂
肪族ジアミンとを、フェニルエーテル及び共沸用溶媒か
らなる反応溶媒中で重合させて得られたポリイミド樹脂
溶液(A)、エポキシ化合物(B)、シランカップリン
グ剤(C)、及びシアネート化合物(D)を含んでなる
ポリイミド樹脂組成物溶液。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリイミド樹脂組
成物溶液およびフィルム状接着剤に関するものである。
詳しくは、電子部品用接着剤に用いられるポリイミド樹
脂組成物溶液に関するものであり、更には、特に回路基
板材料や半導体実装材料として金属、積層板、プリント
回路基板に対して接着性に優れたフィルム状接着剤に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】有機溶媒に可溶なポリイミド樹脂は、従
来、テトラカルボン酸二無水物とジアミンとを、室温に
て有機溶媒中で反応させ、ポリアミド酸溶液としてか
ら、更に加熱もしくは化学的に閉環することにより得ら
れていた。
【0003】しかし、上記の方法では、テトラカルボン
酸二無水物および前駆体であるポリアミド酸が、N−メ
チル−2−ピロリドン等の沸点の高い極性有機溶媒中に
しか溶解性を示さないため、これらの溶剤中でしかポリ
イミド樹脂を製造できなかった。フィルム材として、こ
の樹脂を用いる場合には、高沸点溶媒を完全に除去する
ために高温で長時間の熱処理か、または低沸点の溶媒に
置換する必要があった。
【0004】フィルム材としてこの樹脂を用いるには、
ポリイミド樹脂の溶媒を完全に除去するために150℃
〜250℃という高温の熱処理が必要であり、低温での
熱処理によってポリイミド樹脂フィルムを製造すること
はできなかった。そのため、ポリイミド樹脂フィルムの
耐熱性を上げるため、このポリイミド樹脂の溶液にエポ
キシ樹脂等、熱硬化性成分を混合したフィルムの製造を
試みた際、高温の熱処理となるためフィルム製造過程で
熱硬化性成分がすべて反応してしまい、フィルム状接着
剤としての接着性を損なってしまうなど問題点があっ
た。この問題を回避するため、前記ポリイミドを製造す
る溶媒を完全に低沸点の溶剤に置換し、低温での熱処理
によるポリイミド樹脂フィルムの製造が可能なポリイミ
ド樹脂溶液を製造することは可能であるが、ポリイミド
を製造する際に用いた沸点の高い溶剤が大量の廃液とな
ってしまうといった問題点があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記ポリイ
ミド樹脂を用いたフィルム接着剤の問題点に鑑み、鋭意
検討の結果なされたもので、低温でフィルム形成が可能
なポリイミド樹脂組成物物溶液、及び、それを用いた、
低温短時間で接着が可能で、さらに加熱処理することに
より、高温時のフィルムの弾性率が増大し、優れた接着
力を有するフィルム状接着剤を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】即ち本発明は、芳香族テ
トラカルボン酸二無水物と、一般式(1)で表されるジ
アミノポリシロキサン、及び芳香族ジアミンもしくは脂
肪族ジアミンとを、一般式(2)で表されるフェニルエ
ーテル及び共沸用溶媒として該フェニルエーテルと相溶
性のある非極性溶媒を反応溶媒全体に対し、50重量%
以下で含有する反応溶媒中で重合させて得られた一般式
(3)で表される繰り返し単位と一般式(4)で表され
る繰り返し単位とを有するポリイミド樹脂溶液(A)1
00重量部、1分子中に少なくとも2個以上のエポキシ
基を有するエポキシ化合物(B)0.01〜200重量
部、シランカップリング剤(C)0.01〜50重量
部、及びシアネート化合物(D)0.01〜100重量
部を含んでなるポリイミド樹脂組成物溶液であり、好ま
しくは前記フェニルエーテルがアニソールであるポリイ
ミド樹脂組成物溶液である。更に本発明は、前記ポリイ
ミド樹脂組成物溶液を、支持体の片面または両面に流延
塗布した後、150℃以下で塗工乾燥することによって
得られるフィルム状接着剤である。
【0007】
【化5】
【0008】
【化6】
【0009】
【化7】
【0010】
【化8】
【0011】式中、R1,R2は炭素数1〜4で二価の脂
肪族基または芳香族基、R3,R4,R5,およびR6は一
価の脂肪族基または芳香族基、R7は水素原子または炭
素原子数1〜6の1価の炭化水素基であり、R8は炭素
原子数1〜6の1価の炭化水素基、R9,R10は四価の
脂肪族基または芳香族基、R11は二価の脂肪族または芳
香族基を表し、kは1〜100の整数である。m、nの
割合は各成分合計100モル%中、mが5〜95モル
%、nが5〜95モル%である。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明に用いる一般式(1)で表
されるジアミノポリシロキサンとしては、1,3−ビス
(3−アミノプロピル)テトラメチルシロキサンやα,
ω−ビス(3−アミノプロピル)ポリジメチルシロキサ
ン等が挙げられる。これらは一般式(2)で表されるフ
ェニルエーテルに溶解するものであれば良い。
【0013】本発明に用いる芳香族もしくは脂肪族ジア
ミンとしては、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミ
ノビフェニル、4,6−ジメチル−m−フェニレンジア
ミン、2,5−ジメチル−p−フェニレンジアミン、
2,4−ジアミノメシチレン、4,4’−メチレンジ−
o−トルイジン、4,4’−メチレンジアミン−2,6
−キシリジン、4,4’−メチレン−2,6−ジエチル
アニリン、2,4−トルエンジアミン、m−フェニレン
ジアミン、p−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミ
ノジフェニルプロパン、3,3’−ジアミノジフェニル
プロパン、4,4’−ジアミノジフェニルエタン、3,
3’−ジアミノジフェニルエタン、4,4’−ジアミノ
ジフェニルメタン、3,3’−ジアミノジフェニルメタ
ン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,
3’−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4’−ジア
ミノジフェニルスルフォン、3,3’−ジアミノジフェ
ニルスルフォン、4,4’−ジアミノジフェニルエ−テ
ル、3,3’−ジアミノジフェニルエ−テル、ベンジジ
ン、3,3’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジメチ
ル−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジメト
キシベンジジン、ビス(p−アミノシクロヘキシル)メ
タン、ビス(p−β−アミノ−t−ブチルフェニル)エ
−テル、ビス(p−β−メチル−δ−アミノペンチル)
ベンゼン、p−ビス(2−メチル−4−アミノペンチ
ル)ベンゼン、1,5−ジアミノナフタレン、2,6−
ジアミノナフタレン、2,4−ビス(β−アミノ−t−
ブチル)トルエン、2,4−ジアミノトルエン、m−キ
シレン−2,5−ジアミン、p−キシレン−2,5−ジ
アミン、m−キシリレンジアミン、p−キシリレンジア
ミン、2,6−ジアミノピリジン、2,5−ジアミノピ
リジン、2,5−ジアミノ−1,3,4−オキサジアゾ
−ル、1,4−ジアミノシクロヘキサン、ピペラジン、
メチレンジアミン、エチレンジアミン、テトラメチレン
ジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジ
アミン、2,5−ジメチルヘキサメチレンジアミン、3
−メトキシヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジ
アミン、2,5−ジメチルヘプタメチレンジアミン、3
−メチルヘプタメチレンジアミン、4,4−ジメチルヘ
プタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナ
メチレンジアミン、5−メチルノナメチレンジアミン、
デカメチレンジアミン、1,3−ビス(3−アミノフェ
ノキシ)ベンゼン、2,2−ビス[4−(4−アミノフ
ェノキシ)フェニル]プロパン、1,3−ビス(4−ア
ミノフェノキシ)ベンゼン、ビス−4−(4−アミノフ
ェノキシ)フェニルスルフォン、ビス−4−(3−アミ
ノフェノキシ)フェニルスルフォンなどを挙げることが
できる。中でも、2,2−ビス[4−(4−アミノフェ
ノキシ)フェニル]プロパン、1,3−ビス(3−アミ
ノフェノキシ)ベンゼンが、フェニルエーテルへの溶解
性に関して好ましい。上記のジアミンは、単独で用いて
も良く、2種類以上を組み合わせて用いても良い。
【0014】上記ジアミノポリシロキサンと芳香族もし
くは脂肪族ジアミンとの反応比率は、特に規定しない
が、ジアミノポリシロキサンの反応比率が、ジアミノポ
リシロキサンと芳香族もしくは脂肪族ジアミンの総モル
数に対し、好ましくは5〜95モル%である。5モル%
より低いと、得られるポリイミド樹脂のフェニルエーテ
ルへの溶解性が低下し、作業上問題が生じる可能性があ
る。95モル%より高いとフィルムのガラス転移温度が
著しく低下し、フィルムとしての強度が保てない可能性
がある。
【0015】本発明に用いる芳香族テトラカルボン酸二
無水物としては、3,3',4,4'−ビフェニルテトラカ
ルボン酸二無水物、3,3',4,4'−ベンゾフェノンテ
トラカルボン酸二無水物、ピロメリット酸二無水物、
4,4'−オキシジフタル酸二無水物、エチレングリコー
ルビストリメリット酸二無水物などが挙げられる。中で
も、4,4'−オキシジフタル酸二無水物が、得られるポ
リイミド樹脂のフェニルエーテルへの溶解性に関して好
ましい。上記の芳香族テトラカルボン酸二無水物は、単
独で用いても良く、2種類以上を組み合わせて用いても
良い。
【0016】本発明のポリイミド樹脂組成物の重縮合反
応における酸成分とアミン成分の当量比は、得られるポ
リイミド樹脂の分子量を決定する重要な因子である。ま
た、ポリマーの分子量と物性、特に数平均分子量と機械
的性質の間に相関があり、数平均分子量が大きいほど機
械的性質が優れている。従って、実用的に優れた強度を
得るためには、ある程度高分子量であることが必要であ
る。
【0017】本発明に用いるポリイミド樹脂の製造で
は、酸成分とアミン成分の当量比rが 0.900 ≦ r ≦ 1.06 さらには、 0.975 ≦ r ≦ 1.025 の範囲にあることが、機械的強度および耐熱性の両面か
ら好ましい。ただし、r=[全酸成分の当量数]/[全
アミン成分の当量数]である。rが0.900未満で
は、分子量が低くてフィルムとした場合脆くなる恐れが
ある。また1.06を越えると、未反応のカルボン酸が
加熱時に脱炭酸して、ガス発生や発泡の原因となり好ま
しくないことがある。ポリイミド樹脂の分子量制御のた
めに、ジカルボン酸無水物あるいはモノアミンを添加し
ても良い。
【0018】本発明に用いる反応溶媒は、一般式(2)
で表されるフェニルエーテルである。
【0019】ここで、一般式(2)で表されるフェニル
エーテルの代表的なものとして、アニソール、フェネト
ール、メトキシトルエン等が挙げられるが、より低温の
熱処理でポリイミド樹脂フィルムが得られることから、
アニソールが最も好ましい。
【0020】この時、共沸用溶媒として上記のフェニル
エーテルと相溶性のある非極性溶媒を混合して使用して
も良い。前記非極性溶媒としては、トルエン、キシレ
ン、ソルベントナフサなどの芳香族炭化水素が好まし
い。混合溶媒における非極性溶媒の割合は、50重量%
以下であることが必要である。これは非極性溶媒が50
重量%を越える場合は、溶媒の溶解力が低下し、原料で
あるジアミノポリシロキサンと芳香族もしくは脂肪族ジ
アミン、又はポリイミド樹脂が析出する恐れがある。
【0021】本発明に用いるポリイミド樹脂溶液(A)
を得る方法の一例としては、まず、ジアミノポリシロキ
サンと芳香族もしくは脂肪族ジアミンとを、フェニルエ
ーテルを主とする反応溶媒中に仕込み、70〜80℃程
度に加熱し、ジアミノポリシロキサンと芳香族もしくは
脂肪族ジアミンを溶解させる(A液)。さらに、別の反
応器に芳香族テトラカルボン酸二無水物を、フェニルエ
ーテルを主とする溶媒中に仕込み、還流が起きるまで加
熱昇温を行う(B液)。引き続き、前記A液を、還流中
のB液内に添加して、ポリアミド化と脱水閉環反応を短
時間で進行させ、一般式(3)で表される繰り返し単位
と一般式(4)で表される繰り返し単位とを有するポリ
イミド樹脂の溶液が得られる。イミド化反応によって生
じた水は閉環反応を妨害するため、ディーン・スターク
(Dean−Stark)管などの装置を使用して系外
に排出する。
【0022】本発明に用いるエポキシ化合物(B)は、
少なくとも1分子中に2個のエポキシ基を有し、ポリイ
ミド樹脂(A)との相溶性を有するものであれば、特に
限定されるものではないが、ポリイミド樹脂(A)を合
成する際に使用する溶媒への溶解性が良好なものが好ま
しい。例として、ビスフェノールA型のジグリシジルエ
ーテル、ビスフェノールF型のジグリシジルエーテル、
ビスフェノールA−エピクロルヒドリン型エポキシ化合
物、ジフェニルエーテル型エポキシ化合物、フェノール
ノボラック型エポキシ化合物、クレゾールネボラック型
エポキシ化合物、ビフェニル型エポキシ化合物、水添ビ
スフェノールA型エポキシ化合物等が挙げられる。
【0023】また、本発明のポリイミド樹脂組成物溶液
におけるエポキシ化合物(B)の含有量は、ポリイミド
樹脂(A)100重量部(固形分)に対して0.01〜
200重量部である。含有量が0.01未満であると、
加熱処理をした際、高温時のフィルムの弾性率が無添加
時と比較し上昇せず、接着力が低下する恐れがある。含
有量が200重量部を超えるとエポキシ化合物の樹脂特
性の影響を受け、ポリイミド樹脂の特性である耐熱性や
機械強度が損なわれる恐れがある。
【0024】本発明に用いるシランカップリング剤
(C)は、ポリイミド樹脂(A)やエポキシ化合物
(B)との相溶性や、ポリイミド樹脂(A)を合成する
際に使用する溶媒への溶解性が良好なものが好ましい。
例として、ビニルトリクロルシラン、ビニルトリエトキ
シシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシ
ラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、
γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、N−β
(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラ
ン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチル
ジメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシ
ラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシ
シラン等が挙げられ、N−フェニル−γ−アミノプロピ
ルトリメトキシシランが接着性の面で好ましい。
【0025】本発明のポリイミド樹脂組成物溶液におけ
るシランカップリング剤(C)の含有量は、ポリイミド
樹脂(A)100重量部(固形分)に対して0.01〜
50重量部以下である。0.01未満であると、十分な
接着特性が得られなくなる恐れがある。50重量部を越
えると、ポリイミド樹脂同士の架橋が起きやすくなり、
ポリイミド樹脂組成物溶液を調製した際、溶液がゲル化
しやすくなる恐れがあり、またフィルム状接着剤にした
際、熱圧着した時、被着体に対する濡れ性が低下し、接
着力が低下する恐れがある。
【0026】本発明に用いるシアネート化合物(D)
は、シアネート基を有する有機化合物であれば、特に限
定されるものではないが、ポリイミド樹脂(A)を合成
する際に使用する溶媒への溶解性が良好なものが好まし
い。例として、ビスフェノールAジシアネート、ビス
(4−シアネートフェニル)エーテルなどが挙げられ
る。
【0027】本発明のポリイミド樹脂組成物溶液におけ
るシアネート化合物(D)の含有量は、ポリイミド樹脂
(A)100重量部(固形分)に対して0.01〜10
0重量部以下である。含有量が0.01未満であると、
シアネート化合物の影響が低く、加熱処理をした際、高
温時のフィルムの弾性率が無添加時と比較し上昇せず、
接着力が上がらない。含有量が200重量部を超えると
シアネート化合物の樹脂特性の影響を受け、フィルム状
接着剤にした際、ポリイミド樹脂の特性である機械強度
が損なわれる恐れがある。
【0028】本発明のポリイミド樹脂組成物溶液は、ポ
リイミド樹脂(A)にエポキシ化合物(B)及びシラン
カップリング剤(C)及びシアネート化合物(D)を添
加し混合することにより得られる。本発明のポリイミド
樹脂組成物溶液には、上記成分の他に、表面平滑性を出
すための平滑剤、レベリング剤、脱泡剤などの各種添加
剤を必要に応じて添加することができる。また、ポリイ
ミド樹脂溶液中の溶剤の蒸発速度を調節するために、均
一に溶解する範囲で芳香族炭化水素系溶剤を使用するこ
とができる。
【0029】本発明においてポリイミド樹脂組成物溶液
は、接着剤として用いられ、これを用いて、フィルム状
接着剤とするには、上記で得られたポリイミド樹脂溶液
を、例えば、ロールや金属シート、又は、ポリエステル
シートなどの離型シートの上に、フローコーター、ロー
ルコーターなどにより、流延あるいは塗布して、樹脂層
からなるフィルムを形成させ、加熱乾燥後、剥離してポ
リイミド樹脂フィルムとすることができる。この際の加
熱処理は、150℃以下で行われ、好ましくは50〜1
50℃、より好ましくは50〜120℃で行われる。1
50℃を超える温度で加熱処理すると、エポキシ樹脂
等、硬化成分が架橋してしまう恐れがある。熱処理時間
については、通常0.1〜1時間程度で良く、低温短時
間で完全に溶剤を除去することが可能であり、フィルム
状接着剤を熱圧着した際、残存溶剤による発泡を抑制す
ることができる。
【0030】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳細に説明
するが、本発明は、何らこれらに限定されるものではな
い。なお、実施例および比較例における略号は以下の通
りである。 PI:ポリイミド NMP:N−メチル−2−ピロリドン Ep−A:クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(日本
化薬(株)製、商品名EOCN−1020−80、エポ
キシ当量200) Ep−B:水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂(東都
化成(株)製、商品名ST5080、エポキシ当量63
0) Si−A:N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメト
キシシラン(信越化学(株)製、商品名:KBM57
3) C−A:4,4’−エチリデンビスフェニレンシアネー
ト(旭化成エポキシ(株)製、商品名:Arocy L
−10)
【0031】(PI−Aの合成)三角フラスコに、アニ
ソール438.50gを入れ、さらに1,3−ビス(3
−アミノフェノキシ)ベンゼン43.85g(0.15
モル)とα,ω−ビス(3−アミノプロピル)ポリジメ
チルシロキサン(平均分子量837)(式(1)におい
てk=9)125.55g(0.15モル)を投入し、
70℃に加熱し、溶解するまで撹拌を行った(A液)。
【0032】次に、乾燥窒素ガス導入管、冷却器、温度
計、滴下ロート、攪拌機を備えた三口フラスコに、アニ
ソール120.55g、トルエン228.35gを入
れ、窒素ガスを流した。次に、酸成分である4,4’−
オキシジフタル酸二無水物93.07g(0.30モ
ル)を投入し、トルエンを満たしたディーン・スターク
管をフラスコに装着し、油浴にて系を還流が発生するま
で加熱した。次に、前記A液を滴下ロートに投入し、フ
ラスコ内に1時間かけて滴下した。その間に発生する水
は、ディーン・スターク管を用いて系外に除いた。3時
間加熱した後、冷却し、目的とするポリイミド樹脂の溶
液を得た。得られたポリイミド樹脂は、東ソー株式会社
製GPC測定装置を用いて、ポリスチレン換算で測定の
ところ、Mw=76100であった。
【0033】(PI−Bの合成)酸無水物成分として
2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)パーフ
ルオロプロパン二無水物13.2g(0.03モル)と
3,3’−4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無
水物(0.07モル)、及び溶剤としてγ−ブチロラク
トン66gとアニソール84gを仕込み、これにジアミ
ン成分として、1,1’−3,3’−テトラメチル−
1,3−ビス(3−アミノプロピル)ジシロキサン7.
5g(0.03モル)、2,2−ビス[4−(4−アミ
ノフェノキシ)フェニル]プロパン28.7g(0.0
7モル)とを溶解したγ−ブチロラクトン溶液96.2
gを、反応系の温度が50〜60℃となるように加熱し
つつ、徐々に添加した。以上の仕込みにおいて、溶剤は
最終的にγ−ブチロラクトン60重量%、アニソール4
0重量%となるように調製した。滴下終了後、更に室温
で10時間撹拌し、次にフラスコに水分受容器付き還流
冷却器を取り付けた後、反応系を150℃に昇温し、4
時間反応させて脱水閉環を行い、目的とする褐色透明の
ポリイミド溶液B(PI−B)を得た。得られたポリイ
ミド樹脂は、東ソー株式会社製GPC測定装置を用い
て、ポリスチレン換算で測定のところ、Mw=4400
0であった。
【0034】(PI−Cの合成)乾燥窒素ガス導入管、
冷却器、温度計、攪拌機を備えた三口フラスコにNMP
を454.35gを入れ、窒素ガスを流した。次にアミ
ン成分であるAPB 58.47g(0.200モル)
とAPPS−9、251.10g(0.300モル)を
投入し、均一になるまで撹拌した。均一に溶解後、系を
氷水浴で20℃に保ちながら、酸成分であるODPA1
55.11g(0.500モル)を粉末状のまま10分
間かけて添加し、その後2時間撹拌を続けポリアミド酸
溶液を得た。この間フラスコは20℃を保った。その
後、窒素ガス導入管と冷却器を外し、トルエンを満たし
たディーン・スターク管をフラスコに装着し、系にトル
エン113.59gを添加した。氷水浴から油浴に替え
て系を加熱し発生する水を系外に除いた。3時間加熱し
た後冷却し、ポリイミド溶液C(PI−C)を得た。得
られたポリイミド樹脂は、東ソー株式会社製GPC測定
装置を用いて、ポリスチレン換算で測定のところ、Mw
=39000であった。
【0035】実施例1〜4及び比較例1〜6 上記で得たポリミド溶液と各成分について表1に示す配
合により混合して、実施例1〜4、及び表2に示す配合
により混合して、比較例1〜6の接着剤溶液を調合し
た。
【0036】
【表1】
【0037】
【表2】
【0038】(フィルム状接着剤の作製) (作製法A)市販の離型フィルム(ポリエステルフィル
ム)上に、上記ポリイミド樹脂の溶液をロールコーター
で、厚みが25μmになるように塗布し、50℃で2
分、90℃で2分、120℃で2分乾燥を行い、離型フ
ィルムのついたポリイミド樹脂フィルムを得た。
【0039】(作製法B)市販の離型フィルム(ポリエ
ステルフィルム)上に、上記ポリイミド樹脂の溶液をロ
ールコーターで、厚みが25μmになるように塗布し、
80℃で2分、120℃で2分、180℃で2分乾燥を
行い、離型フィルムのついたポリイミド樹脂フィルムを
得た。
【0040】次に、得られたフィルム状接着剤の接着力
試験、外観試験、弾性率及び残存溶剤量の測定を行なっ
た。結果を表3、4に示す。比較例2はフィルムを作製
することができず、測定不能であった。 (1)接着力試験 フィルム状接着剤を5mm2の大きさに打ち抜き、これ
を4×4mmのシリコンチップと42アロイリードフレ
ームの間に挟み、500gの荷重をかけて、200℃、
1秒間圧着させた後、180℃、1時間加熱処理したも
のの剪断接着力を測定した。 (2)外観試験 4×4mmのガラスチップと42アロイリードフレーム
の間に挟み、500gの荷重をかけて、200℃、1秒
間圧着させた後、ガラスチップ側より、フィルム発泡に
ついて目視観察することで外観試験を行った。 (3)弾性率測定法 フィルム状接着剤を180℃、1時間加熱処理したもの
をセイコーインスツルメンツ株式会社製粘弾性測定装置
を用いて、昇温速度3℃/min、周波数10Hzで、
動的粘弾性を測定し、240℃における貯蔵弾性率E’
を弾性率とした。
【0041】またフィルムの残存溶剤量についてはパー
ジ&トラップ−GC/MS法により測定した。
【0042】(4)パージ&トラップ−ガスクロマトグ
ラフ・質量分析(GC/MS)法 試料約50mgをパージ&トラップの試料管に入れ、流
速50mL/分のヘリウムガスで揮発分を追い出しなが
ら、250℃×15分の加熱条件で試料を加熱する。こ
の時発生した揮発分を−80℃でトラップし、試料加熱
終了後トラップした成分を急速加熱してGC/MS計に
導入する。各発生ガス成分の定量については、既知濃度
のn−デカンのトルエン希釈溶液を用いて、試料と同じ
加熱条件にてパージ&トラップ−GC/MS法測定を行
い、各発生ガス成分のピーク面積値を比較することによ
って各標準試料に対する換算定量値を、試料重量に対す
る重量分率として算出する。
【0043】
【表3】
【0044】
【表4】
【0045】
【発明の効果】本発明によれば、低沸点の溶媒中でエポ
キシ樹脂、シランカップリング剤、シアネート化合物を
含有したポリイミド樹脂組成物溶液が得られ、さらにγ
ブチロラクトンなどの高沸点の溶媒を含有していないた
め、低温短時間の熱処理でフィルム状接着剤を製造する
ことが可能であり、エポキシ樹脂等、硬化成分が架橋す
ることなく、また残留溶媒量の極めて少ないポリイミド
樹脂フィルムを得ることができる。そのため、接着性を
損なうことなく、かつ耐熱性を持ち合わせることがで
き、高信頼性と耐熱性を要求するエレクトロニクス用材
料等に最適なフィルム状接着剤を提供することができ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 63/00 C09J 7/00 C09J 7/00 7/02 Z 7/02 163/00 163/00 179/08 Z 179/08 183/04 183/04 C08K 5/54 Fターム(参考) 4J002 CD00X CM04W ET007 EX016 EX026 EX066 EX076 GJ01 4J004 AA03 AB03 BA02 4J036 AA01 FA12 FA13 FB16 JA06 4J040 EC001 EH031 EK031 HC16 HD30 JA09 JA10 JB01 4J043 PA04 QB26 QB31 RA34 SA06 SB04 TA22 TB01 UA122 UB351 XA17 XA18 ZB01

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 芳香族テトラカルボン酸二無水物と、一
    般式(1)で表されるジアミノポリシロキサン、及び芳
    香族ジアミンもしくは脂肪族ジアミンとを、一般式
    (2)で表されるフェニルエーテル及び共沸用溶媒とし
    て該フェニルエーテルと相溶性のある非極性溶媒を反応
    溶媒全体に対し、50重量%以下含有する反応溶媒中で
    重合させて得られた一般式(3)で表される繰り返し単
    位と一般式(4)で表される繰り返し単位とを有するポ
    リイミド樹脂溶液(A)100重量部、1分子中に少な
    くとも2個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物
    (B)0.01〜200重量部、シランカップリング剤
    (C)0.01〜50重量部、及びシアネート化合物
    (D)0.01〜100重量部を含んでなるポリイミド
    樹脂組成物溶液。 【化1】 【化2】 【化3】 【化4】 (式中、R1,R2は炭素数1〜4で二価の脂肪族基また
    は芳香族基、R3,R4,R5,およびR6は一価の脂肪族
    基または芳香族基、R7は水素原子または炭素原子数1
    〜6の1価の炭化水素基であり、R8は炭素原子数1〜
    6の1価の炭化水素基、R9,R10は四価の脂肪族基ま
    たは芳香族基、R11は二価の脂肪族または芳香族基を表
    し、kは1〜100の整数である。m、nの割合は各成
    分合計100モル%中、mが5〜95モル%、nが5〜
    95モル%である。)
  2. 【請求項2】式(2)で表されるフェニルエーテルが、
    アニソールである請求項1記載のポリイミド樹脂組成物
    溶液。
  3. 【請求項3】請求項1又は2記載のポリイミド樹脂組成
    物溶液を、支持体の片面または両面に流延塗布した後、
    150℃以下で加熱乾燥して形成されるフィルム状接着
    剤。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8653202B2 (en) 2005-06-06 2014-02-18 Toray Industries, Inc. Adhesive composition for semiconductor, semiconductor device making use of the same and process for producing semiconductor device
CN115160977A (zh) * 2022-08-17 2022-10-11 中国地质大学(北京) 聚酰亚胺纤维膜胶粘剂及其制备方法和应用

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