JP2003192821A - ポリスチレン系樹脂発泡粒子成型体からなる建築用断熱材 - Google Patents

ポリスチレン系樹脂発泡粒子成型体からなる建築用断熱材

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 フロンガス等の環境に影響を及ぼす発泡ガス
を使用せずに、低密度、低コストで優れた断熱性と寸法
安定性を有する成型性の良好な成型体を提供すること。 【解決手段】 平均気泡径の異なる2種類以上の発泡粒
子からなるポリスチレン系樹脂発泡粒子成型体であり、
平均気泡径が0.2mm以下である気泡粒子の占める体積
割合が10%以上である建築用断熱材。好ましくは発泡
粒子成型体が輻射低減剤を含有し、成型体の厚み方向の
少なくとも上下面が輻射低減剤が含有されてない発泡粒
子層で構成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建築用断熱材に係
り、より詳しく述べると、建築物の断熱材として好適な
熱伝導率が良好で低密度なポリスチレン系樹脂発泡粒子
成型体からなる合成樹脂発泡体に関する。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性樹脂発泡体は大きく分けて次の
押出発泡法と型内発泡法の2方法により製造されてい
る。
【0003】押出発泡法:押出板状熱可塑性樹脂発泡体
は熱可塑性樹脂を高温・高圧下の押出機中で溶融し、続
いて発泡ガスを注入し、樹脂中に分散溶解して流動性の
ゲルを形成し、これを押出機のダイスから低圧域に押出
して急速に発泡させ、冷却し板状の製品とする方法であ
る。
【0004】従来、発泡剤は熱伝導率の低い塩素フッ素
化炭化水素又はフッ素化炭化水素(以下総称してフロン
という)を用い、発泡体中に封じこめることにより良好
な熱伝導率の製品が得られていた。
【0005】また、表層に水酸基を有する鉱物質微粉末
を添加し、水を押出機に圧入することにより大小の気泡
が気泡膜を介して海島状に分散されている合成樹脂押出
発泡体が得られることが提案されている。しかし、この
方法では、水を使用するため押出機系内の腐食、特に水
を難燃剤等のハロゲン系添加剤と併用した場合の腐食が
問題となり、耐食性の設備とするために高額な設備費が
必要となる問題がある。更に水の樹脂中への分散が良く
ないため大小気泡径の割合を一定にコントロールするこ
とは非常に困難であり、品質の安定しない製品となると
いう問題もある。即ち、装置が高い、品質安定性に乏し
いという問題がある。
【0006】型内発泡法:熱可塑性合成樹脂発泡粒子成
型体は、熱可塑性合成樹脂を懸濁重合法又は含浸法によ
って発泡ガスを注入したビーズ状又はペレット状原料を
予備発泡機にて所定の密度の予備発泡粒子に蒸気発泡さ
せて、熟成養生後、それを金型キャビティー内に充填
し、続いて水蒸気を吹き込み予備発泡粒子を軟化状態に
させ、二次発泡膨張圧で予備発泡粒子同士を融着成型さ
せ、その後、冷却し製品とする方法である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】近年、押出発泡法によ
り得られる発泡体も、オゾン層破壊、地球温暖化の観点
からフロンの使用が問題視されている。しかし、フロン
を使用しない発泡体は良好な熱伝導率を得ることが困難
であるという問題がある。また、フロンを使用せずに熱
伝導率の良好な発泡体を得るために、輻射による熱伝導
率を改善するため、カーボンブラック等の熱線吸収剤の
添加、グラファイト等の熱線反射剤を添加する方法が提
案されているが、屋外に当該発泡板を仮置きした場合
や、屋上等に施工し放置した場合に、発泡板の表面温度
が上昇し、反りが発生する問題が生じるという問題があ
る。
【0008】建築用断熱材として利用される熱伝導率が
良好な成型体を作製するためには、気泡径を小さくし、
輻射を低減する必要があるが、気泡径を小さくすると密
度が高くなり、押出法の場合には所定の大きな断面サイ
ズが得られないという問題がある。
【0009】そこで、本発明は、フロンガス等の環境に
影響を及ぼす発泡ガスを使用せずに、低密度、低コスト
で優れた断熱性と寸法安定性を有する成型性の良好な成
型体を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者は、フロンを使
用せずに熱伝導率が良好で寸法安定性が良く施工上問題
のない低コストなポリスチレン系樹脂発泡板を得るため
には、型内発泡法により気泡径の小さい粒子と気泡径の
大きな粒子とを混合し、更には輻射を低減する添加剤を
用いて製造するポリスチレン系樹脂発泡粒子成型体が最
も良いことを見出した。
【0011】こうして本発明は下記を提供する。
【0012】(1)平均気泡径の異なる2種類以上の発
泡粒子からなるポリスチレン系樹脂発泡粒子成型体であ
り、平均気泡径が0.2mm以下である気泡粒子の占める
体積割合が10%以上であることを特徴とする建築用断
熱材。
【0013】(2)前記発泡粒子が輻射低減剤を含有し
ていることを特徴とする(1)記載の建築用断熱材。
【0014】(3)前記輻射低減剤がカーボンブラック
またはグラファイトであることを特徴とする(2)記載
の建築用断熱材。
【0015】(4)前記ポリスチレン系樹脂発泡粒子成
型体が輻射低減剤を含有し、かつ該成型体の厚み方向の
少なくとも上下面が輻射低減剤が含有されてない発泡粒
子層で構成されている(2)(3)記載の建築用断熱
材。
【0016】(5)前記輻射低減剤が含有されてない発
泡粒子層が熱可塑性樹脂発泡粒子成型体の全体体積に対
して50%以下であることを特徴とする(2)〜(4)
記載の建築用断熱材。
【0017】(6)前記成型体の密度が35Kg/m
下であり且つ熱伝導率が0.028W/m・K 以下であ
ることを特徴とする(1)〜(5)に記載の建築用断熱
材。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明の建築用断熱材はポリスチ
レン系樹脂発泡粒子成型体からなる。ポリスチレン系樹
脂発泡粒子成型体は、軽量で優れた成形性、安定した品
質等の特性を有するので、建築用断熱材として多用され
ている材料である。
【0019】本発明で使用されるポリスチレン系樹脂
は、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、クロルス
チレン、ジクロルスチレン、ジメチルスチレン、t−ブ
チルスチレン、ビニルトルエンなどのスチレン誘導体、
またはこれらの2種以上の組み合わせからなる共重合
体、あるいはそれらとアクリル酸、アクリル酸エステ
ル、メタクリル酸、無水マレイン酸、またはブタジエン
のような他と容易に重合し得る化合物との共重合体をい
う。
【0020】本発明のポリスチレン系樹発泡粒子成型体
の発泡剤は、フロン即ち塩素化あるいはフッ素化炭化水
素などの環境に影響のあるとされ使用が控えられる化合
物以外の化合物である。
【0021】これらの環境上好ましくない発泡剤でない
発泡剤としては、限定するわけではないが、例えば、物
理発泡剤がある。物理発泡剤としては、プロパン、ブタ
ン、ペンタン、ヘキサンなどの脂肪族炭化水素などを挙
げることができる。
【0022】本発明のポリスチレン系樹脂発泡粒子成型
体において発泡剤の量は一般的にポリスチレン系樹脂1
00重量部当たり約3〜30重量部の範囲内が好適であ
る。
【0023】本発明の建築用断熱材は平均気泡径の異な
る発泡粒子を含むポリスチレン系樹脂型内発泡粒子成型
体からなることを特徴とする。
【0024】図1に本発明の平均気泡径の異なる発泡粒
子を含むポリスチレン系樹脂型内発泡粒子成型体の断面
構造の一部を拡大して模式的に示すが、成型体は大気泡
粒子1と小気泡粒子2が混合されて存在し、それぞれの
発泡粒子1,2は型内二次発泡成型の際に相互に融着し
ている。3は融着層である。大気泡粒子1と小気泡粒子
2は、それぞれ、型内発泡法のゆえにそれぞれ比較的に
均一な径の気泡からなりまた平均気泡径も比較的に均一
である。
【0025】発泡体の気泡径を小さくすれば、伝熱方向
の気泡膜の数が多くなり輻射を低減でき熱伝導率の低下
をもたらす。一方、発泡体の気泡径を大きくすれば、気
泡膜厚みが大きくなり、発泡時の膜の張力が減少し、気
泡膜を破る事無く低密度化できる。また気泡径が大きい
と気泡膜厚が厚くなり良好な寸法安定性と機械的強度を
もたらす。しかし、本発明に従い、平均気泡径が異なる
発泡粒子を混合して含む型内発泡粒子成型体として構成
することにより、低密度で熱伝導率の良好な発泡体の製
造が可能である。しかも本発明によれば、単に一次発泡
粒子の種類を変えて混合するだけでよいので、成型体全
体に所望の気泡径の発泡粒子を所望に分布させた発泡板
が簡単に得られ、しかも各発泡粒子の気泡径及びそれら
の体積割合も所望に仕立てることが可能である利点を有
する。
【0026】本発明の建築用断熱材のポリスチレン系樹
脂発泡粒子成型体において平均気泡径の異なる2種以上
の発泡粒子は、最小の平均気泡径を有する発泡粒子を、
最大の平均気泡径を有する発泡粒子の平均気泡径の0.
9倍以下、好ましくは0.8倍以下、さらに好適には
0.7倍以下の平均気泡径を有することが好ましい。こ
の大小平均気泡径の発泡粒子の気泡径の差が小さいと、
本発明の目的である低密度、低熱伝導率、寸法安定性な
どの所望の特性を両立させることができない。発泡粒子
の平均気泡径の差の上限は実用的な観点から決定すれば
よいが、最小の平均気泡径が最大の平均気泡径の0.2
倍以上であることが好ましい。0.2倍未満では最小の
平均気泡径を有する発泡粒子と最大の平均気泡径を有す
る発泡粒子との物性が異なりすぎて成型がしづらく、更
に最小の平均気泡径が小さすぎても密度が高くなり、最
大の平均気泡径が大きすぎても熱伝導率が劣る傾向にあ
る。
【0027】しかし、特に良好な熱伝導率(低熱伝導
率)を達成するために、平均気泡径が0.2mm以下であ
る発泡粒子が10体積%以上を占めることが必要であ
る。この要件を満たさないと、本発明の目的を達成する
上で気泡径大小2種類以上の発泡粒子を混合する意味が
ない。平均気泡径が0.2mm以下である発泡粒子を10
体積%以上含まないと、フロンを含有しない発泡体の輻
射熱を所望に低減することは不可能である。より好まし
くは、平均気泡径が0.15mm以下である発泡粒子を含
むことが好ましい。また、平均気泡径が0.2mm以下あ
るいは0.15mm以下である発泡粒子を20体積%以
上、さらには30体積%以上、特に40体積%以上含む
ことが好ましい。しかし、平均気泡径が0.2mm以下で
ある発泡粒子が多すぎても、密度が高くなるので、平均
気泡径が0.2mm以下である発泡粒子が占める体積は、
一般的には90体積%以下、好ましくは80体積%以
下、さらには70体積%以下、特に60体積%以下にさ
れる。
【0028】本発明の建築用断熱材において大きい方の
平均気泡径の発泡粒子の平均気泡径は、平均気泡径が小
さい発泡粒子に対して平均気泡径に実質的な差があれば
よく特に限定されないが、一般的には0.15〜0.5
mm、より好ましくは0.2〜0.4mmの範囲内から選択
される。
【0029】本発明の建築用断熱材の異なる平均気泡径
の発泡粒子は、2種類あるいは3種類以上でもよい。
【0030】本発明の建築用断熱材の発泡粒子成型体の
厚みは、用途に依存し、特に限定されないが、一般的に
は、20〜150mmの範囲内から選択される。
【0031】本発明の発泡体を製造する方法は、基本的
に慣用の型内発泡法において二次発泡後に平均気泡径が
異なる一次発泡粒子を混合使用すればよく、特に限定さ
れるものではないが、以下に例として説明する。
【0032】懸濁重合法若しくは含浸法、または押出機
内でポリスチレンの溶融した状態下で発泡剤、溶剤を混
合し、実質的に発泡しない温度で発泡ガスを注入したビ
ーズ状又はペレット状原料を予備発泡機にて所定の密度
の予備発泡粒子に蒸気発泡させる。熟成養生後、気泡径
の小さな粒子と気泡径の大きな粒子を金型内に充填し、
スチーム等の熱媒体によって加熱して気泡径の小さな粒
子と大きな粒子の混じった成型体とすることにより、熱
伝導率が良好で低密度な発泡成型体の製造が可能である
ことを見出した。詳しくは、例えば、 1)同一の原料樹脂で揮発性発泡ガスの種類が異なる原
料を使用し、別々に予備発泡した予備発泡粒子を混合し
金型内に充填し成型する。
【0033】2)同一の原料樹脂で気泡調整剤の添加量
が異なる原料を使用し、別々に予備発泡した予備発泡粒
子を混合し金型内に充填し成型する。
【0034】3)同一の原料樹脂で作製された発泡性粒
子の熟成(アニーリング)時間が異なる原料を使用し、
別々に予備発泡した予備発泡粒子を混合し金型内に充填
し成型する。
【0035】ここで、上記は同時に予備発泡した予備発
泡粒子を金型内に充填し成型しても良い。また、予備発
泡粒子の大きさは異なっていても良い。
【0036】また、本発明においては、ポリスチレン系
樹脂発泡粒子成型体内に輻射を低減する添加剤を含有さ
せることが好ましい。低密度のポリスチレン系樹脂発泡
粒子成型体において熱伝導率を低下させるために特に問
題になる輻射熱の伝播を低減して発泡体の全体としての
熱伝導率を所望に低減させるためである。
【0037】本発明では、輻射低減添加剤としては、カ
ーボンブラック、グラファイトを好適に用いることがで
きる。しかしながら、白色系の酸化チタン等の屈折率の
大きな物質を添加することによっても熱線を散乱減衰さ
せるため輻射を低減させる効果がある。
【0038】本発明のポリスチレン系樹脂発泡粒子成型
体に輻射低減添加剤を含有させる場合、日射により断熱
材の温度が上昇しすぎて変形が発生する恐れがあるの
で、成型体の厚み方向の上下表面だけあるいは周囲だけ
は輻射低減添加剤を含有しない発泡粒子層で構成するこ
とが好ましい。このように上下表面だけあるいは周囲は
輻射低減添加剤を含有しない発泡粒子層で構成する方法
としては、例えば、成型体の厚み方向の上下表面だけを
輻射低減剤を含有しない発泡粒子層で構成するために
は、先ず輻射低減剤を含有しない一次発泡粒子を金型底
部に充填し、続いて輻射低減剤を含有する一次発泡粒子
を金型に充填し、最後にまた輻射低減剤を含有しない一
次発泡粒子を金型に充填し、蒸気加熱することにより発
泡粒子成型体が得られる方法を採用すればよい。その場
合、輻射低減効果を十分に達成するためには輻射低減添
加剤を含有しない発泡粒子層の体積が成型体全体の50
体積%以下であることが好ましい。
【0039】輻射低減添加剤を添加し、さらには輻射低
減添加剤を含む発泡粒子成型体層の少なくとも上下面に
当該添加剤を含まない発泡粒子層を形成することによ
り、断熱材の熱伝導率を顕著に低減する効果を得ると共
に、輻射低減添加剤に起因する日射吸収による温度上昇
を防ぎ、仮置き時、施工時、施工後に日射により反り等
の寸法変化が生じないようにすることができる。
【0040】また、本発明のポリスチレン系樹脂発泡粒
子成型体には、必要に応じて気泡の大きさを調整するた
めタルク、珪酸カルシウムなどの気泡調整剤、難燃性を
付与するためヘキサブロモドデカン、モノクロロペンタ
ブロモシクロヘキサンの如き難燃剤などを添加すること
ができる。
【0041】本発明によれば、フロンガスなどの環境に
影響を及ぼす発泡剤を用いることなしで、発泡粒子成型
体の密度38Kg/m以下且つ製造後1週間経過後にJ
IS−A−9511に規定された熱伝導率の測定方法に
よる熱伝導率0.028W/m・K 以下の実用的なポリ
スチレン系樹脂発泡粒子成型体からなる建築用断熱材が
低コストで製造できる。発泡成型体の密度としてはさら
に35Kg/m以下、特に32Kg/m以下あるいは3
0Kg/m以下でも、熱伝導率0.028W/m・K 以
下を達成することができる。熱伝導率も0.027W/
m・K 以下、さらには0.026W/m・K 以下を達成す
ることも可能である。
【0042】
【実施例】実施例1 水2000部、懸濁剤として95部のN−ビニルピロリ
ドンと5部のアクリル酸メチルエステル、ならびに2部
のピロりん酸ナトリウムからなるコポリマー32部、ス
チレンモノマー1000部及び触媒としてベンゾイルパ
ーオキサイドを45部を耐圧容器に入れ、かき混ぜなが
ら70℃で20時間、続いて85℃で15時間加熱し、
更に70℃で11時間重合させた後、2時間の間にペン
タン7重量部を反応容器に入れ、重合を完了した。発泡
性ポリスチレン樹脂粒子を耐圧容器から取りだし養生後
に蒸気で加熱することにより一次発泡させ一次発泡粒子
Aを得た。
【0043】平均径約1mmのポリスチレン樹脂100重
量部に発泡剤としてブタン8重量部、トルエン2重量部
の組成で水分散系オートクレーブ内で含浸して、発泡性
ポリスチレン樹脂を得た。この得られた発泡性ポリスチ
レン樹脂をフリーザー中で5日間放置した後、蒸気で加
熱することにより、一次発泡させ一次発泡粒子Bを得
た。
【0044】一次発泡粒子A及びBを1日養生後、A:
B=50:50の割合で混合し金型の中に充填し、蒸気
加熱することにより成型品を得た。該成型品を60℃オ
ーブン中で1週間保存し、水分等を除去した後、密度、
気泡径、熱伝導率、赤外線照射による表面温度及び反り
の発生について評価し、第1表に示した。
【0045】得られた成型品の物性を下記の方法で測定
した。
【0046】(密度) 発泡体密度=発泡体重量/発泡体体積 (気泡径)ASTM D 3567に準じて測定 (熱伝導率)JIS A 9511に準じて測定 (片面加熱試験) 表面温度:赤外線ランプで成型品表面を約1時間照射
し、定常状態で表面温度を測定 反り:そのときの反りの発生をノギスで測定 実施例2 実施例1の一次発泡粒子Aと一次発泡粒子Bとを10:
90の割合で混合し金型中に充填した以外は実施例1と
同様に実施した。 実施例3 実施例1の一次発泡粒子Aと一次発泡粒子Bとを90:
10の割合で混合し金型中に充填した以外は実施例1と
同様に実施した。 実施例4〜5 一次発泡の蒸気加熱時間を変えた以外は同様な方法によ
り得られた実施例1の一次発泡粒子Aと発泡性ポリスチ
レン樹脂をフリーザー中で3日間放置した以外は実施例
1と同様な方法により得られた一次発泡粒子Bとを5
0:50の割合で混合し金型中に充填した以外は実施例
1と同様に実施した。 実施例6 実施例1の一次発泡粒子Aと発泡性ポリスチレン樹脂を
フリーザー中で8日間放置した以外は実施例1と同様な
方法により得られた一次発泡粒子Bとを50:50の割
合で混合し金型中に充填した以外は実施例1と同様に実
施した。 実施例7 一次発泡の蒸気加熱時間を長くした以外は同様な方法に
より得られた実施例1の一次発泡粒子Aと実施例1の一
次発泡粒子Bとを50:50の割合で混合し金型中に充
填した以外は実施例1と同様に実施した。 実施例8 実施例1の一次発泡粒子Aと同じ懸濁法により得られた
発泡性粒子の蒸気加熱時間を長くした以外は同様にして
一次発泡粒子Cを得た。一次発泡粒子A:B:Cを2
5:50:25の割合で混合し金型中に充填した以外は
実施例1と同様に実施した。 実施例9 ポリスチレン樹脂100重量部に対してカーボンブラッ
ク7重量部を含む含浸法による未発泡粒子を実施例1の
一次発泡粒子Bと同様な方法により得てB9とした。A
粒子、B9粒子、A粒子の順で25:50:25の割合
で金型中に充填し、蒸気加熱することにより上下面がA
粒子層で構成された成型品を得た。 実施例10 実施例9のA粒子、B9粒子、A粒子の順で10:8
0:10の割合で金型中に充填した以外は、実施例9と
同様に実施した。 実施例11 実施例9のカーボンブラックに代えてグラファイトを用
いた以外は実施例9と同様に実施した。 実施例12 実施例9のカーボンブラックに代えて酸化チタンを用い
た以外は実施例9と同様に実施した。 比較例1 ポリスチレン樹脂100重量部に対してタルク0.1重
量部、ステアリン酸バリウム0.05重量部を混合した
混合物を単軸押出機ホッパーより投入し、ブタン3重量
部、ペンタン1重量部、二酸化炭素2.5重量部を圧入
し十分に混練した後均一に冷却し、ダイより押出発泡し
た。密度、気泡径、熱伝導率、赤外線照射による表面温
度及び反りの発生について評価し、第1表に示した。 比較例2 ポリスチレン樹脂100重量部に対してカーボンブラッ
クを7重量部を追加して添加した以外は比較例1と同様
に実施した。 比較例3 実施例1で得られた一次発泡粒子Aのみを金型中に充填
した以外は実施例1と同様に実施した。 比較例4 実施例4で得られた一次発泡粒子Bのみを金型中に充填
した以外は実施例1と同様に実施した。 比較例5 一次発泡の蒸気加熱時間を変えた以外は実施例1と同様
な方法により得られた一次発泡粒子Aと発泡性ポリスチ
レン樹脂をフリーザー中で3日間放置した以外は実施例
1と同様な方法により得られた一次発泡粒子Bとを5
0:50の割合で混合し金型中に充填した以外は実施例
1と同様に実施した。 比較例6 実施例1で得られた一次発泡粒子Aと一次発泡粒子Bと
を5:95の割合で混合し金型中に充填した以外は実施
例1と同様に実施した。 比較例7 実施例9のA粒子、B9粒子、A粒子の順で20:4
0:20の割合で金型中に充填した以外は、実施例9と
同様に実施した。 参考例 実施例9のB9粒子、A粒子、B9粒子の順で25:5
0:25の割合で金型中に充填した以外は、実施例9と
同様に実施した。
【0047】表1から明らかなように、本発明による低
密度で熱伝導率、寸法安定性の良好な成型体が得られ
た。
【0048】
【表1】
【0049】
【発明の効果】本発明によれば、フロンガス等の環境に
影響を及ぼす発泡ガスを使用せずに、低密度、低コスト
で優れた断熱性と寸法安定性を有する成型性の良好な成
型体が得られる。また、気泡径の大きい発泡粒子を混合
しているため、その気泡膜の厚みが厚いため比較的圧縮
強度等の機械的強度の高いものが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のポリスチレン系樹脂粒発泡粒子成型体
の模式断面図である。 1…大気泡粒子 2…小気泡粒子 3…融着層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2E001 DD01 GA12 GA82 HD09 JA06 JA21 4F074 AA32 AC02 AG20 BA36 BA37 BA39 BA40 CA23 CA48 CA49 DA02 DA32 4F212 AB11 AB18 AE02 AG20 UA01 UB01 UC02 UC05 UF06 UF21

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平均気泡径の異なる2種類以上の発泡粒
    子からなるポリスチレン系樹脂発泡粒子成型体であり、
    平均気泡径が0.2mm以下である気泡粒子の占める体積
    割合が10%以上であることを特徴とする建築用断熱
    材。
  2. 【請求項2】 前記発泡粒子が輻射低減剤を含有してい
    ることを特徴とする請求項1に記載の建築用断熱材。
  3. 【請求項3】 前記輻射低減剤がカーボンブラックまた
    はグラファイトであることを特徴とする請求項2に記載
    の建築用断熱材。
  4. 【請求項4】 前記発泡粒子成型体が輻射低減剤を含有
    し、かつ該成型体の厚み方向の少なくとも上下面が輻射
    低減剤が含有されてない発泡粒子層で構成されている請
    求項2または3に記載の建築用断熱材。
  5. 【請求項5】 前記輻射低減剤が含有されてない発泡粒
    子層が熱可塑性樹脂発泡粒子成型体の全体体積に対して
    50%以下であることを特徴とする請求項2〜4のいず
    れか1項に記載の建築用断熱材。
  6. 【請求項6】 前記成型体の密度が35Kg/m以下で
    あり且つ熱伝導率が0.028W/m・K 以下であるこ
    とを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の建
    築用断熱材。
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