JP2003192763A - 光硬化性・熱硬化性樹脂組成物、およびこれを用いたプリント配線板 - Google Patents

光硬化性・熱硬化性樹脂組成物、およびこれを用いたプリント配線板

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JP2003192763A
JP2003192763A JP2001395969A JP2001395969A JP2003192763A JP 2003192763 A JP2003192763 A JP 2003192763A JP 2001395969 A JP2001395969 A JP 2001395969A JP 2001395969 A JP2001395969 A JP 2001395969A JP 2003192763 A JP2003192763 A JP 2003192763A
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thermosetting resin
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JP2001395969A
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Migaku Nagano
琢 永野
Kan Nita
完 二田
Aiko Iwasa
愛子 岩佐
Takeshi Tamura
健 田村
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Nippon Chemical Industrial Co Ltd
Taiyo Holdings Co Ltd
Original Assignee
Taiyo Ink Mfg Co Ltd
Nippon Chemical Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】ハロゲン化合物を含まず、難燃性に優れ、かつ
耐熱性、密着性、絶縁性に優れた光硬化性・熱硬化性樹
脂組成物及びハロゲン化合物を含まず難燃性に優れたプ
リント配線板を提供する。 【解決手段】1分子中に2個以上の不飽和二重結合と1
個以上のカルボキシル基を有する感光性プレポリマー、
(B)光重合開始剤、(C)希釈剤、(D)エポキシ樹
脂、(E)下記一般式(1) 【化1】 (式中、R1はシクロアルキレン基、Xは酸素原子又は
硫黄原子を示す。)又は下記一般式(2) 【化2】 (式中、R1及びXは前記と同義。)で表されるシクロ
アルキレンホスフィン誘導体を必須成分とするアルカリ
現像型の光硬化性・熱硬化性樹脂組成物である。この組
成物を所定の回路パターン上に塗布し、活性エネルギー
線を選択的に照射し、未露光部を希アルカリ水溶液で除
去する。次いで140〜180℃で加熱して露光部の塗
膜を硬化させたプリント配線板である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特に活性エネルギ
ー線に感度よく反応し、かつ希アルカリ水溶液により現
像可能であって、プリント配線板の層間絶縁やソルダー
レジスト等として使用された場合、耐熱性、密着性、絶
縁性に優れ、かつ難燃性に優れた塗膜を形成する光硬化
性・熱硬化性樹脂組成物に関する。本発明は、また、こ
のような光硬化性・熱硬化性樹脂組成物を永久保護膜の
ソルダーレジストとして用いた難燃性を有するプリント
配線板に関する。更に、本発明は、上記光硬化性・熱硬
化性樹脂組成物を中間絶縁層として用いた難燃性を有す
る多層プリント配線板に関する。
【0002】
【従来の技術】電気・電子部品に要求される難燃規制
は、世界的な環境問題、人体に対する安全性問題への関
心の高まりとともに、低公害性、低有毒性、安全性への
要求が高まりつつある。プリント配線板用層間絶縁材料
やソルダーレジストの難燃化の手法としては、テトラブ
ロムビスフェノールAなどのハロゲン含有エポキシ樹脂
を用いることが一般的である。しかし、このようなハロ
ゲン含有エポキシ樹脂は、焼却処分等により有毒なダイ
オキシンの発生する事が懸念されており、脱ハロゲン化
への要求が高まりつつある。
【0003】このような要求から、プリント配線板用の
プリプレグには、特開2000−17146号公報に記
載されているようなベンゾオキサジン環を有する樹脂
と、一級アミノ基を有するフェノール樹脂からなるノン
ハロゲンのプリプレグや、特開2000−80251号
公報に記載されているようなリン含有化合物で変性した
エポキシ樹脂からなるノンハロゲンのプリプレグが提唱
されている。しかし、薄膜で、かつ光硬化性・熱硬化性
のソルダーレジストに関しては、ノンハロゲンによる有
効な難燃化の手法が提案されていない。
【0004】また、ソルダーレジストインキ組成物を中
間絶縁層に用いた多層化技術(ビルドアップ工法)が提
唱されている。しかし、これらに使用されるソルダーレ
ジストは、難燃化されていないのが現状である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記のようなハロゲン
含有のエポキシ樹脂を使用した場合、前述のように廃棄
後のプリント配線板の燃焼時にダイオキシン等の有害な
ガスを発生するということが最近問題となってきてい
る。本発明は、燃焼時にダイオキシン等の有害なガスが
発生することなく、かつ耐水性、耐熱性に優れた難燃性
又は自己消火性を有する光硬化性・熱硬化性樹脂組成物
を提供することを目的としている。また、このような光
硬化性・熱硬化性樹脂組成物を、所定の回路パターンの
導体層を有する回路基板上に永久保護膜のソルダーレジ
スト皮膜として用いたプリント配線板を提供することを
目的としている。更に、上記光硬化性・熱硬化性樹脂組
成物を中間樹脂絶縁層として用いた多層プリント配線板
を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】発明者らは、ソルダーレ
ジストとして、所期した好ましい特性を有する光硬化性
・熱硬化性樹脂組成物を開発すべく鋭意研究を行った。
その結果、有機溶剤に難溶性で、かつはんだ付け温度よ
り高い融点(約330℃)を持ち、更に加水分解性の少
ない特定化学式で示されるホスフィン誘導体を難燃剤と
して用いることにより、所期した特性を満足し得ること
を見出し、以下に示すような発明を完成するに至った。
【0007】即ち、本発明によれば、第一の態様とし
て、アルカリ水溶液により現像可能な光硬化性・熱硬化
性樹脂組成物が提供され、その基本的な様態は、(A)
1分子中に2個以上のエチレン性不飽和二重結合と1個
以上のカルボキシル基を有する感光性プレポリマー、
(B)光重合開始剤、(C)希釈剤、(D)エポキシ樹
脂、(E)下記一般式(1)
【化3】 (式中、R1はシクロアルキレン基、Xは酸素原子又は
硫黄原子を示す。)又は下記一般式(2)
【化4】 (式中、R1及びXは前記と同義。)で表されるで表さ
れるシクロアルキレンホスフィン誘導体の1種又は2種
以上を含むことを特徴とする光硬化性・熱硬化性樹脂組
成物が提供される。さらに本発明によれば、上記光硬化
性・熱硬化性樹脂組成物を、所定の回路パターンの導体
層を有する回路基板上に永久保護膜のソルダーレジスト
皮膜として用いたプリント配線板が提供される。更にま
た、本発明によれば、上記光硬化性・熱硬化性樹脂組成
物を、中間樹脂絶縁層として用いた多層プリント配線板
が提供される。
【0008】以下、本発明の第一の態様である光硬化性
・熱硬化性樹脂組成物の各構成成分について詳細に説明
する。
【0009】前記1分子中に2個以上のエチレン性不飽
和二重結合と1個以上のカルボキシル基を有する感光性
プレポリマー(A)としては、1分子中に2個以上のエ
ポキシ基を有するポリマー又はオリゴマー、例えば1分
子中に2個以上のエポキシ基を有する多官能のエポキシ
樹脂(後述する(D)成分参照)や、アルキル(メタ)
アクリレートとグリシジル(メタ)アクリレートの共重
合体、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートとアル
キル(メタ)アクリレートとグリシジル(メタ)アクリ
レートの共重合体等に、エチレン性不飽和二重結合を有
する不飽和モノカルボン酸を反応させた後、不飽和又は
飽和の多価カルボン酸無水物を付加反応させて得られる
感光性プレポリマーや、カルボキシル基を有するオリゴ
マー又はポリマー、例えばアルキル(メタ)アクリレー
トと(メタ)アクリル酸との共重合体に、1分子中にエ
チレン性不飽和二重結合とエポキシ基を有する不飽和化
合物、例えばグリシジル(メタ)アクリレートを部分的
に反応させて得られる感光性プレポリマー、更にカルボ
キシル基を有するオリゴマー又はポリマー、例えばアル
キル(メタ)アクリレートと(メタ)アクリル酸との共
重合体に、1分子中にエチレン性不飽和二重結合とエポ
キシ基を有する不飽和化合物、例えばグリシジル(メ
タ)アクリレートを全量反応させた後、不飽和又は飽和
の多価カルボン酸無水物を付加反応させて得られる感光
性プレポリマーなどが挙げられる。ここで、(メタ)ア
クリレートとは、アクリレート、メタアクリレート及び
それらの混合物を総称する用語であり、これは(メタ)
アクリル酸についても同様である。
【0010】上記のような感光性プレポリマー(A)
は、バックボーン・ポリマーの側鎖に多数の遊離のカル
ボキシル基を有するため、希アルカリ水溶液による現像
が可能になると同時に、露光・現像後、塗膜を後加熱す
ることにより、別に熱硬化性の配合成分として加えたエ
ポキシ樹脂(D)のエポキシ基と上記側鎖の遊離のカル
ボキシル基との間で付加反応が起こり、耐熱性、耐溶剤
性、耐酸性、密着性、電気特性などの諸特性に優れた硬
化皮膜が得られる。また、上記感光性プレポリマー
(A)の酸価は、45〜160mgKOH/gの範囲に
あることが好ましい。感光性プレポリマーの酸価が45
mgKOH/g未満であるとアルカリ現像が困難とな
り、一方、160mgKOH/gを超えると感光性プレ
ポリマーの親水性が高くなりすぎるために、電気特性に
悪影響を及ぼすので好ましくない。この感光性プレポリ
マー(A)は、単独で又は2種以上の混合物として使用
することが出来る。
【0011】感光性プレポリマー(A)の好適な一つの
態様としては、(a)1分子中に2個以上のエポキシ基
を有する多官能エポキシ樹脂(後述する(D)成分参
照)と(b)不飽和基含有モノカルボン酸との反応生成
物に、(c)無水フタル酸などの二塩基性酸無水物ある
いは無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸などの芳
香族多価カルボン酸無水物を反応せしめることによって
得られる希アルカリ水溶液に可溶なプレポリマー(A−
1)である。この場合、多官能エポキシ樹脂化合物と不
飽和基含有モノカルボン酸(b)との反応生成物の水酸
基1当量当たり、0.15〜0.95当量の多塩基酸無
水物(c)を反応させて得られる樹脂が適している。
【0012】感光性プレポリマー(A)の他の好適な態
様としては、下記一般式(3)で示されるエポキシ樹脂
に(メタ)アクリル酸をエステル化反応させて(メタ)
アクリル変性し、さらに多塩基酸無水物(c)を付加反
応させて得られる希アルカリ水溶液に可溶のプレポリマ
ー(A−2)である。
【化5】
【0013】上記のような感光性プレポリマー(A−
2)を含有する光硬化性・熱硬化性樹脂組成物は、可撓
性に優れた硬化皮膜が得られるため、特にフレキシブル
プリント配線板のソルダーレジスト皮膜の形成に有利に
用いることができる。
【0014】上記感光性プレポリマー(A−2)の酸価
は、60〜120mgKOH/gの範囲にあることが好
ましい。酸価が60mgKOH/gより小さい場合には
アルカリ溶解性が悪くなり、逆に120mgKOH/g
より大きすぎると、硬化皮膜の耐アルカリ性、電気特性
等のレジストとしての特性を下げる要因となるので、い
ずれも好ましくない。出発原料のエポキシ樹脂は、一般
式(3)における重合度nが1〜12程度のものが好ま
しく、さらに好ましくは重合度nが2〜6程度のもので
ある。重合度nが0の場合、分子量が小さいために現像
の際に露光部の感光性プレポリマー(A−2)も現像液
に溶け出し易く、解像度が悪くなり、また得られる硬化
皮膜もソルダーレジストとしての良好な特性が得られ難
くなるので好ましくない。一方、重合度nが12を超え
て大きくなると、高分子量で鎖長が長いため未露光部の
現像が困難になる。
【0015】感光性プレポリマー(A)の更に他の態様
は、(a)1分子中に2個以上のエポキシ基を有する多
官能エポキシ樹脂(後述する(D)成分)参照)と、
(b)不飽和基含有モノカルボン酸と、(d)1分子中
に2個以上の水酸基を有し、かつエポキシ基と反応する
水酸基以外の1個の他の官能基を有する化合物との反応
生成物(イ)に、(c)不飽和又は飽和の多塩基酸無水
物を付加反応させて得られる希アルカリ水溶液に可溶の
プレポリマー(A−3)である。上記感光性プレポリマ
ー(A−3)の酸価は、30〜100mgKOH/gの
範囲にあることが好ましい。
【0016】上記反応生成物(イ)の合成反応は、多官
能エポキシ樹脂化合物(a)に不飽和基含有モノカルボ
ン酸(b)(又は化合物(d))を反応させ、次いで化
合物(d)(又は不飽和基含有モノカルボン酸(b))
を反応させる第一の方法と、多官能エポキシ樹脂化合物
(a)と不飽和基含有モノカルボン酸(b)と化合物
(d)を同時に反応させる第二の方法とがある。どちら
の方法でもよいが、第二の方法が好ましい。上記反応
は、多官能エポキシ樹脂化合物(a)のエポキシ基1当
量に対して、不飽和基含有モノカルボン酸(b)と化合
物(d)を総量で約0.8〜1.3モルとなる比率で反
応させるのが好ましく、特に好ましくは約0.9〜1.
1モルとなる比率である。また、不飽和基含有モノカル
ボン酸(b)と化合物(d)の割合は、不飽和基含有モ
ノカルボン酸(b)と化合物(d)の総量1モルに対し
て、化合物(d)の使用量が0.05〜0.5モルとな
るような反応比が好ましく、特に好ましくは0.1〜
0.3モルとなる比率である。次に、上記反応生成物
(イ)と多塩基酸無水物(c)との反応は、前記反応生
成物(イ)中の水酸基1当量当たり、多塩基酸無水物
(c)を0.1〜0.9当量反応させるのが好ましい。
反応温度は60〜150℃が好ましく、また反応時間は
1〜10時間が好ましい。
【0017】前記感光性プレポリマー(A−3)の合成
に用いられる1分子中に少なくとも2個以上の水酸基
と、エポキシ基と反応する水酸基以外の1個の他の官能
基(例えば、カルボキシル基、2級アミノ基等)を有す
る化合物(d)の具体例としては、例えば、ジメチロー
ルプロピオン酸、ジメチロール酢酸、ジメチロール酪
酸、ジメチロール吉草酸、ジメチロールカプロン酸等の
ポリヒドロキシ含有モノカルボン酸;ジエタノールアミ
ン、ジイソプロパノールアミン等のジアルカノールアミ
ン類等を挙げることができる。特に好ましいものとして
は、例えばジメチロールプロピオン酸を挙げることがで
きる。
【0018】なお、前記感光性プレポリマー(A)の合
成に用いられる不飽和基含有モノカルボン酸(b)の具
体例としては、例えば、アクリル酸、アクリル酸の2量
体、メタクリル酸、β−スチリルアクリル酸、β−フル
フリルアクリル酸、クロトン酸、α−シアノ桂皮酸、桂
皮酸など;及び飽和又は不飽和二塩基酸無水物と1分子
中に1個の水酸基を有する(メタ)アクリレート類との
反応物あるいは飽和又は不飽和二塩基酸と不飽和モノグ
リシジル化合物との反応物である半エステル類、例えば
無水コハク酸、無水マレイン酸、無水フタル酸、テトラ
ヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチ
ルヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水
フタル酸、無水イタコン酸、メチルエンドメチレンテト
ラヒドロ無水フタル酸等の飽和又は不飽和二塩基酸無水
物と、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロ
キシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル
(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ
(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレ
ート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレー
ト、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、
ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、
フェニルグリシジルエーテルの(メタ)アクリレート等
の1分子中に1個の水酸基を有する(メタ)アクリレー
ト類を等モル比で反応させて得られた半エステル、ある
いは、飽和又は不飽和二塩基酸(例えば、コハク酸、マ
レイン酸、アジピン酸、フタル酸、テトラヒドロフタル
酸、イタコン酸、フマル酸等)と不飽和モノグリシジル
化合物(例えば、グリシジル(メタ)アクリレート等)
を等モル比で反応させて得られる半エステル等などが挙
げられ、これらを単独で又は2種以上を組み合わせて用
いることができる。特に好ましいものは、光硬化性の観
点からアクリル酸やメタクリル酸、特にアクリル酸であ
る。
【0019】また、前記感光性プレポリマー(A)の合
成に用いられる飽和又は不飽和の多塩基酸無水物(c)
としては、代表的なものとして無水マレイン酸、無水コ
ハク酸、無水イタコン酸、無水フタル酸、テトラヒドロ
無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキ
サヒドロ無水フタル酸、エンドメチレンテトラヒドロ無
水フタル酸、メチルエンドメチレンテトラヒドロ無水フ
タル酸、無水クロレンド酸、メチルテトラヒドロ無水フ
タル酸などの二塩基性酸無水物;無水トリメリット酸、
無水ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸
二無水物などの芳香族多価カルボン酸無水物;その他こ
れに付随する例えば5−(2,5−ジオキソテトラヒド
ロフリル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2
−ジカルボン酸無水物のような多価カルボン酸無水物誘
導体などが挙げられるが、特にテトラヒドロ無水フタル
酸又はヘキサヒドロ無水フタル酸が好ましい。
【0020】次に、光重合開始剤(B)としては、ベン
ゾイン、ベンジル、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾ
インイソプロピルエーテルなどのベンゾイン類及びゾン
ゾインアルキルエーテル類;アセトフェノン、2,2-
ジメトキシ-2-フェニルアセトフェノン、2,2-ジエ
トキシ-2-フェニルアセトフェノン、1,1-ジクロロ
アセトフェノン、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニ
ルケトン、2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニ
ル]-2-モルフォリノ-プロパン-1-オン、2-ベンジル
-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルフォリノフェニル)-
ブタノン-1、N,N-ジメチルアミノアセトフェノンな
どのアセトフェノン類;2-メチルアントラキノン、2-
エチルアントラキノン、2-tert-ブチルアントラキ
ノン、1-クロロアントラキノン、2-アミルアントラキ
ノン、2-アミノアントラキノンなどのアントラキノン
類;2,4-ジメチルチオキサントン、2,4-ジエチル
チオキサントン、2-クロロチオキサントン、2,4-ジ
イソプロピルチオキサントンなどのチオキサントン類;
アセトフェノンジメチルケタール、ベンジルジメチルケ
タールなどのケタール類;ベンゾフェノン、メチルベン
ゾフェノン、4,4′-ジクロロベンゾフェノン、4,
4′-ビスジエチルアミノベンゾフェノンなどのベンゾ
フェノン類;及びキサントン類などがあり、単独で又は
2種以上を組み合わせて用いることができる。さらに、
かかる光重合開始剤(B)は、エチル-4-ジメチルアミ
ノベンゾエート、2-(ジメチルアミノ)エチルベンゾ
エートなどの安息香酸エステル類、あるいはトリエチル
アミン、トリエタノールアミンなどの三級アミン類のよ
うな公知慣用の光増感剤の1種又は2種以上と組み合わ
せて用いることができる。このような光重合開始剤
(B)の使用量の好適範囲は、前記感光性プレポリマー
(A)100質量部に対して0.2〜30質量部、好ま
しくは2〜20質量部である。さらに、可視領域でラジ
カル重合を開始するチバ・スペシャルティ・ケミカルズ
社製イルガキュア784等のチタノセン系光重合開始
剤、ロイコ染料等を硬化助剤として組み合わせて用いる
ことができる。
【0021】次に、前記希釈剤(C)としては、光重合
性ビニル系モノマー及び/又は有機溶剤が使用できる。
光重合性ビニル系モノマーの代表的なものとしては、2
-ヒドロキシエチルアクリレート、2-ヒドロキシブチル
アクリレートなどのヒドロキシアルキルアクリレート
類;エチレングリコール、メトキシテトラエチレングリ
コール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコー
ルなどのグリコールのモノ又はジアクリレート類;N,
N-ジメチルアクリルアミド、N-メチロールアクリルア
ミドなどのアクリルアミド類;N,N-ジメチルアミノ
エチルアクリレートなどのアミノアルキルアクリレート
類;ヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、ペン
タエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリス-
ヒドロキシエチルイソシアヌレートなどの多価アルコー
ル又はこれらのエチレンオキサイドもしくはプロピレン
オキサイド付加物の多価アクリレート類;フェノキシア
クリレート、ビスフェノールAジアクリレート、及びこ
れらのフェノール類のエチレンオキサイドあるいはプロ
ピレンオキサイド付加物などのアクリレート類;グリセ
リンジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパント
リグリシジルエーテル、トリグリシジルイソシアヌレー
トなどのグリシジルエーテルのアクリレート類;及びメ
ラミンアクリレート、及び/又は上記アクリレート類に
対応するメタクリレート類などがある。これらの反応性
希釈剤(C)は、単独で用いてもよいし、2種以上を組み
合わせもよい。その含有量は前記感光性プレポリマー
(A)100質量部に対して2〜50質量部の範囲が好
適である。
【0022】一方、有機溶剤としては、メチルエチルケ
トン、シクロヘキサノンなどのケトン類;トルエン、キ
シレン、テトラメチルベンゼンなどの芳香族炭化水素
類;メチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、メチルカル
ビトール、ブチルカルビトール、プロピレングリコール
モノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチ
ルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテ
ルなどのグリコールエーテル類;酢酸エチル、酢酸ブチ
ル、及び上記グリコールエーテル類の酢酸エステル化物
などのエステル類;エタノール、プロパノール、エチレ
ングリコール、プロピレングリコールなどのアルコール
類;オクタン、デカンなどの脂肪族炭化水素;石油エー
テル、石油ナフサ、水添石油ナフサ、ソルベントナフサ
などの石油系溶剤などが挙げられる。
【0023】上記のような希釈剤(C)は、単独で又は
2種以上の混合物として用いられ、使用量の好適な範囲
は、前記感光性プレポリマー(A)100質量部に対し
て20〜300質量部、好ましくは30〜200質量部
である。上記希釈剤の使用目的は、光重合性ビニル系モ
ノマーの場合は、感光性プレポリマー(A)を希釈せし
め、塗布しやすい状態にすると共に、光重合性を増強す
るものであり、有機溶剤の場合は、感光性プレポリマー
(A)を溶解し希釈せしめ、それによって液状として塗
布し、次いで、乾燥させることにより造膜せしめるため
である。従って、用いる希釈剤(C)に応じて、フォト
マスクを塗膜に接触させる接触方式あるいは非接触方式
のいずれかの露光方式が用いられる。
【0024】本発明の光硬化性・熱硬化性樹脂組成物に
おいて、熱硬化性成分として用いられるエポキシ樹脂
(D)は、それ自体で熱硬化しうるものか、他の成分と
反応して熱硬化するものであり、塗膜の加熱硬化後にお
いて、充分な硬化塗膜を得るために使用される。この熱
硬化性を有するエポキシ樹脂としては、例えばビスフェ
ノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ
樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノ
ボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポ
キシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、プロピレングリコール
又はポリプロピレングリコールのジグリシジルエーテ
ル、ポリテトラメチレングリコールジグリシジルエーテ
ル、グリセロールポリグリシジルエーテル、トリメチロ
ールプロパントリグリシジルエーテル、フェニル−1,
3−ジグリシジルエーテル、ビフェニル−4,4´−ジ
グリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリ
シジルエーテル、エチレングリコール又はプロピレング
リコールのジグリシジルエーテル、ソルビトールポリグ
リシジルエーテル、ソルビタンポリグリシジルエーテ
ル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、ト
リス(2,3−エポキシプロピル)イソシアヌレート、
トリグリシジルトリス(2−ヒドロキシエチル)イソシ
アヌレートなどの1分子中に2個以上のエポキシ基を有
する化合物などが挙げられる。また、反応促進剤として
のメラミン等のS−トリアジン化合物,イミダゾール、
2−エチル−4−メチルイミダゾール等のイミダゾール
化合物及びその誘導体,フェノール化合物等の公知のエ
ポキシ硬化促進剤を併用して、硬化塗膜を熱硬化させる
ことにより、硬化塗膜の耐熱性,耐薬品性,密着性,鉛
筆硬度などの諸特性を向上させることができる。上記エ
ポキシ樹脂(D)の含有量は、熱硬化後において充分な
塗膜を得られる点から、前記感光性プレポリマー(A)
100質量部当たり、0.1〜50質量部の範囲が好ま
しく、特に0.5〜30質量部の範囲が好適である。
【0025】本発明の光硬化性・熱硬化性樹脂組成物に
おいて熱硬化性成分として用いられるエポキシ樹脂
(D)の中でも、1分子中に2個以上のエポキシ基を有
し、かつ希釈剤(C)に難溶のエポキシ樹脂(D−1)
を用いた場合、得られる組成物の感度向上、現像性(解
像性)や塗膜の耐現像性向上、硬化皮膜の特性向上など
の効果が得られる。かかるエポキシ樹脂(D−1)は、
前記1分子中に2個以上のエチレン性不飽和二重結合と
1個以上のカルボキシ基を有する感光性プレポリマー
(A)に微粒状で分散することが可能であり、常温で固
形若しくは半固形でなければならず、また、混練時に上
記感光性プレポリマー(A)及び希釈剤(C)に難溶で
あるものが好ましい。しかし、感光性及び現像性に悪影
響を及ぼさない範囲であれば一部溶解しても何ら差し支
えない。これらの条件を満たすものとして好ましいエポ
キシ樹脂(D−1)は、日本化薬社製EBPS−20
0、エー・シー・アル社製EPX−30、大日本インキ
化学工業社製エピクロンEXA−1514などのビスフ
ェノールS型エポキシ樹脂;日本油脂社製ブレンマーD
GTなどのグリシジルテレフタレート類;日産化学社
製、TEPIC,TEPIC−H、チバ・スペシャルテ
ィ・ケミカルズ社製アラルダイドPT810などのヘテ
ロサイクリック樹脂;ジャパンエポキシレジン社製、Y
X−4000,YL−6121などのビキシレノール型
エポキシ樹脂又はビフェニル型エポキシ樹脂;ジャパン
エポキシレジン社製YL−6056などのビフェノール
型エポキシ樹脂;新日鐵化学社製ESN−190などの
ナフタレン骨格エポキシ樹脂、GK−5089Lなどの
テトラメチルビスフェノールF構造を有するエポキシ樹
脂、ESF−300などのフルオレン骨格エポキシ樹脂
などがある。
【0026】上記のような1分子中に2個以上のエポキ
シ基を有し、かつ希釈剤(C)に難溶のエポキシ樹脂
(D−1)は、常温で粉砕し、及び/又は、組成物調整
時に前記感光性プレポリマー(A)などの他の組成物成
分と例えばロールミルなどの混練機で破壊分散させて、
微粒状とされ、単独で又は2種以上混合して用いること
ができる。また、その使用量は、前記感光性プレポリマ
ー(A)100質量部に対して5〜50質量部、さらに
好ましくは10〜30質量部の範囲が適当である。な
お、上記難溶性エポキシ樹脂(D−1)の一部に置き換
えて、ビスフェールA型エポキシ樹脂,ビフェノールF
型エポキシ樹脂,フェノールノボラック型エポキシ樹
脂,クレゾールノボラック型エポキシ樹脂など前記希釈
剤(C)に可溶なエポキシ樹脂(D)を、感光性及び現
像時の未露光部の溶出性の面において使用上問題のない
範囲で併用することができる。
【0027】本発明で使用される(E)成分のシクロア
ルキレンホスフィン誘導体は前記一般式(1)又は
(2)で示されるものであり、式中のR1は、炭素数4
〜9、好ましくは5〜8のシクロアルキレン基であり、
具体的には、シクロブチレン基、シクロペンタメチレン
基、シクロヘキサメチレン基、シクロヘプタメチレン
基、シクロオクチレン基、シクロノニレン基等を挙げる
ことができる。また、式中のXは酸素原子又は硫黄原子
を示し、好ましくは酸素原子である。前記一般式(1)
又は(2)で表されるシクロアルキレンホスフィン誘導
体の具体的な化合物を例示すると、1,4−シクロペン
チレンホスホニル−1,4−ハイドロキノン、1,4−
シクロオクチレンホスホニル−1,4−ハイドロキノ
ン、1,5−シクロオクチレンホスホニル−1,4−ハ
イドロキノン、2−(1,4−シクロペンチレンホスホ
ニル)−1,4−ナフタレンジオール、2−(1,4−
シクロオクチレンホスホニル)−1,4−ナフタレンジ
オール、2−(1,5−シクロオクチレンホスホニル)
−1,4−ナフタレンジオール、等を例示することが出
来る。なお、本発明においては、前記したシクロアルキ
レンホスフィン誘導体は、反応原料から由来する該シク
ロアルキレンホスフィン誘導体同士の混合物であっても
よい。
【0028】前記一般式(1)又は(2)で表されるシ
クロアルキレンホスフィン誘導体は、下記反応式(1)
【化6】 (式中、R1及びXは前記と同義。)に従って、第2級
ホスフィン誘導体(化合物(4))と、ベンゾキノン
(化合物(5))又はナフトキノン(化合物(6))と
を反応させることにより製造することができる。
【0029】また、前記した原料の第2級ホスフィン誘
導体(化合物(4))は、公知の方法により製造するこ
とができる。例えばシクロアルキレンホスフィンオキシ
ドの一例を示せば、下記反応式(2)
【化7】 で表される反応により、ホスフィン(化合物(7))
と、1,5−シクロオクタジエン(化合物(8))とを
ラジカル発生触媒の存在下に反応させて、1,4−シク
ロオクチレンホスフィン(化合物(9))と1,5−シ
クロオクチレンホスフィン(化合物(10))の混合物
を得た後(特開昭55−122790号公報参照)、こ
れを酸化することにより、目的とする1,4−シクロオ
クチレンホスフィンオキシドと1,5−シクロオクチレ
ンホスフィンオキシドの混合物を得ることができる。ま
た、前記一般式(1)又は(2)で表されるシクロアル
キレンホスフィン誘導体の製造方法において、前記原料
の第2級ホスフィン誘導体(化合物(4))に代えて、
下記一般式(4a)
【化8】 (式中、R1、Xは前記と同義である。)で表される第
2級ホスフィン誘導体を用いてもよい。また、前記一般
式(4)及び一般式(4a)で表される第2級ホスフィ
ン誘導体の互変異性体は温度によって一方の誘導体とな
るが、反応原料としては一般式(4)で表される第2級
ホスフィン誘導体のいずれか一方でもよく、または両者
の混合物であってもよい。前記一般式(4a)で表され
る第2級ホスフィン誘導体は、公知の方法によって製造
することができる。その一例を示すと、“KOZOLA
POFF”,Vol.4,475頁に記載されている方
法により製造することができる。
【0030】前記一般式(1)又は(2)で表されるシ
クロアルキレンホスフィン誘導体は、前記一般式(4)
及び(4a)で表される第2級ホスフィン誘導体から選
ばれる少なくとも1種と、前記ベンゾキノン(化合物
(5))又は前記ナフトキノン(化合物(6))の化合
物とを不活性溶媒の存在下に反応させることにより目的
とする前記一般式(1)又は/及び(2)で表されるシ
クロアルキレンホスフィン誘導体を得ることができる。
具体的には、前記一般式(4)及び(4a)で表される
第2級ホスフィン誘導体に対する前記ベンゾキノン(化
合物(5))又は前記ナフトキノン(化合物(6))の
化合物とのモル比は、第2級ホスフィン誘導体1モルに
対して1.0〜1.5、好ましくは1.0〜1.2で、
反応温度は、反応原料にもよるが、0〜150℃、好ま
しくは25〜100℃であり、また、反応時間は1〜8
時間、好ましくは2〜5時間である。不活性溶媒として
は、前記した反応原料と目的生成物とが不活性な溶媒で
あれば特に限定はないが、例えばベンゼン、トルエン、
キシレン等の芳香族炭化水素類、石油エーテル等の脂肪
族炭化水素類、ジアルキルエーテル等のエーテル類、ア
セトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル類、クロ
ロベンゼン等のハロゲン化芳香族炭化水素及び塩化メチ
レン、クロロホルム等のハロアルカン類等が挙げられ、
これらは1種又は2種以上を組合わせて用いることがで
きる。また、かかる製造方法において、所望により酸触
媒や塩基性触媒を用いて、反応を促進させることが出来
る。酸触媒としては、例えば、塩酸、硫酸、蓚酸、燐
酸、過塩素酸、過ヨウ素酸、フッ化水素、メタンスルホ
ン酸、p−トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、
トルフルオロ酢酸、氷酢酸等の1種又は2種以上を組み
合わせて用いることが出来る。塩基性触媒としては、例
えばナトリウム、カリウム又はリチウム等のアルカリ金
属、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カ
リウムt−ブトキシド等のアルコキシド、t−ブチルリ
チウム、リチウムジイソプロピルアミド等のアルキル金
属化合物等の1種又は2種以上を組み合わせて用いるこ
とが出来る。この場合、触媒の添加量は、前記ベンゾキ
ノン(化合物(5))又は前記ナフトキノン(化合物
(6))の化合物に対して通常1〜10mol%、好ま
しくは1〜5mol%である。反応終了後、濾過、乾燥
し所望により粉砕、分級して製品とすることが出来る
が、必要により常法の精製手段により精製を行ってもよ
い。なお、前記一般式(1)又は(2)で表されるシク
ロアルキレンホスフィン誘導体は、レーザー法により求
められる平均粒径が100μm以下、好ましくは0.1
〜50μm、特に好ましくは1〜20μmのものを用い
ることが樹脂に対する分散性および優れた難燃効果を得
る上で好ましい。かくすることにより、前記一般式
(1)又は(2)で表されるシクロアルキレンホスフィ
ン誘導体を製造することが出来る。
【0031】前記一般式(1)又は(2)で表されるシ
クロアルキレンホスフィン誘導体は、ヘキサン、トルエ
ン等の炭化水素系溶剤や水に不溶であり、アセトン、D
MF等の極性溶媒に対しても、溶解度が1g/溶媒10
0g以下と難溶性であり、又、融点(分解点)が約33
0℃ある事から、はんだ付けなどのプリント配線板製造
工程中でも、有機フィラーとして固体のまま存在し、溶
出等の悪影響を及ばさない。更に、リン原子が直接炭素
原子と結合したP−C骨格を有していることから、加水
分解性も低く耐水性も良好となる。この前記一般式
(1)又は(2)で表されるシクロアルキレンホスフィ
ン誘導体の配合量は、前記感光性プレポリマー(A)1
00質量部に対して1〜30質量部、さらに好ましくは
5〜10質量部の範囲が適当である。配合割合が1質量
部以下では十分な難燃性が得られず、また30質量部を
越えると、耐熱性、耐湿性、密着性等において十分な塗
膜特性が得られなくなる。
【0032】本発明の光硬化性・熱硬化性樹脂組成物
は、前記各成分に加えて、必要に応じて、種々の添加剤
成分、例えば、シリカ、アルミナ、タルク、硫酸バリウ
ム、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、水酸化アルミニ
ウム、水酸化アルミニウム、シリコンパウダー等の体質
顔料、メラミン、メラミン誘導体等のトリアジン系難燃
剤、酸化チタン、フタロシアニン系,アゾ系などの顔
料、消泡剤、レベリング剤などを含有することができ
る。これらの中で、顔料は、ハロゲンを含んでいるもの
もあることから、骨格中にハロゲン原子を含まない銅フ
タロシアニンブルー(C.I.Pigment Blue 15)やモノア
ゾイエロー(C.I.Pigment Yellow 1,4,5,9,65,74)など
を使用することがより好ましい。また、本発明の光硬化
性・熱硬化性樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない
範囲で前記した感光性プレポリマー(A)以外の他の感
光性プレポリマーを含有することができる。他の感光性
プレポリマーとしては、エチレン性不飽二重結合及びカ
ルボキシル基を有する限り全て使用可能であり、特定の
ものに限定されるものではない。
【0033】本発明の第2、第3の態様であるプリント
配線板は、本発明の光硬化性・熱硬化性樹脂組成物を、
まず、必要に応じて塗布方法に適した粘度に調整した
後、所定の回路パターンの導体層を有する回路基板上
に、好ましくは前記従来技術のベンゾオキサジン環を有
する樹脂と、一級アミノ基を有するフェノール樹脂から
なるノンハロゲンのプリプレグやリン含有化合物で変性
したエポキシ樹脂からなるノンハロゲンのプリプレグと
銅箔からなるノンハロゲンの難燃性基板上に、スクリー
ン印刷法、カーテンコート法、ロールコート法、スプレ
ーコート法などの方法により塗布し、必要に応じて例え
ば約60〜100℃の温度で乾燥処理することにより、
タックフリーの塗膜を形成できる。この工程では、前記
組成物をドライフィルム化してプリント配線板に直接ラ
ミネートしたり、また前記の方法により液状で塗布して
から、ウエットの状態又は乾燥した状態でその上にドラ
イフィルムをラミネートするなど、種々の方法にて塗膜
を形成することができる。その後、所定の露光パターン
を形成したフォトマスクを通して選択的に活性光線によ
り露光する。あるいは、レーザー光線によって直接パタ
ーン通りに露光・描画することもできる。次いで、未露
光部をアルカリ水溶液により現像してレジストパターン
を形成でき、さらに、例えば約140〜180℃の温度
に加熱して熱硬化させることにより、前記熱硬化性成分
の硬化反応に加えて感光性樹脂成分の重合が促進され、
得られるソルダーレジスト皮膜の耐熱性、耐溶剤性、耐
酸性、耐吸湿性、PCT耐性、密着性、電気特性などの
諸特性を向上せしめることができる。このようにして、
ノンハロゲンで難燃性を有するプリント配線板が提供さ
れる。更に、得られたプリント配線板に、無電解銅めっ
き・電解銅めっきした後、エッチングレジスト等により
回路形成し、上記工程を繰り返すことにより、ノンハロ
ゲンで難燃性を有する多層プリント配線板が提供され
る。
【0034】上記現像に使用されるアルカリ水溶液とし
ては、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリ
ウム、炭酸カリウム、リン酸ナトリウム、ケイ酸ナトリ
ウム、アンモニア、アミン類などのアルカリ水溶液が使
用できる。また、光硬化させるための照射光源として
は、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀
灯、キセノンランプ又はメタルハライドランプなどが適
当である。その他、レーザー光線なども露光用活性光線
として利用できる。
【0035】
【発明の実施の形態】以下に実施例及び比較例を示して
本発明について具体的に説明するが、本発明が以下の実
施例に限定されるものでないことは言うまでもない。な
お、以下において「部」とあるのは、特に断りのない限
り全て「質量部」を表わす。
【0036】<感光性プレポリマーの調製> 合成例1 エポキシ当量が217で、平均核体数が7個のクレゾー
ルノボラック型エポキシ樹脂217部を、カルビトール
アセテート212.3部に加熱溶解し、アクリル酸17
5.6部とメチルハイドロキノン0.5部、及びトリフ
ェニルホスフィン2部を加え、85〜95℃で18時間
反応させた。この反応溶液に、無水テトラヒドロフタル
酸101.8部を加え、更に、80〜90℃で12時間
反応させ、感光性プレポリマー(A)溶液を得た。得ら
れた感光性プレポリマー(A)溶液は、カルビトールア
セテートを35部含んだ粘調な液体であり、混合物とし
ての酸価が65mgKOH/gであった。
【0037】合成例2 前記一般式(3)においてXがCH2、GがH、平均重
合度nが6.2であるビスフェノールF型エポキシ樹脂
(エポキシ当量950g/eq,軟化点85℃)380
部とエピクロルヒドリン925部をジメチルスルホキシ
ド462.5部に溶解させた後、攪拌下70℃で98.
5%NaOH60.9部(1.5当量)を100分かけ
て添加した。添加後さらに70℃で3時間反応を行っ
た。反応終了後、水250部を加え水洗を行った。油水
分離後、油層よりジメチルスルホンオキシドの大半及び
過剰の未反応エピクロルヒドリンを減圧下に蒸留回収
し、残留した副生塩とジメチルスルホンオキシドを含む
反応生成物をメチルブチルケトン750部に溶解させ、
さらに30%NaOH10部を加え、70℃で1時間反
応させた。反応終了後、水200部で2回水洗を行っ
た。油水分離後、油層よりメチルイソブチルケトンを蒸
留回収して、エポキシ当量310のエポキシ樹脂が得ら
れた。得られたエポキシ樹脂は、エポキシ当量から計算
すると、前記出発物質であるビスフェノールF型エポキ
シ樹脂におけるアルコール性水酸基6.2個のうち約5
個がエポキシ化されたものであった。このエポキシ樹脂
310部及びカルビトールアセテート282部をフラス
コに仕込み、90℃に加熱・攪拌し、溶解した。得られ
た溶液を一旦60℃まで冷却し、アクリル酸72部、メ
チルハイドロキノン0.5部,トリフェニルホスフィン
2部を加え、100℃に加熱し、約60時間反応させ、
酸価が0.2mgKOH/gの反応物を得た。これにテ
トラヒドロ無水フタル酸140部を加え、90℃に加熱
し、固形分酸価が100mgKOH/gになるまで反応
を行い、固形分濃度65%の感光性プレポリマーを得
た。
【0038】合成例3 クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(日本化薬社製E
OCN104S,軟化点92℃,エポキシ当量220)
2200部に、ジメチロールプロピオン酸143部、ア
クリル酸648.5部、メチルハイドロキノン4.6
部、カルビトールアセテート1131部及びソルベント
ナフサ484.9部を仕込み、90℃に加熱して攪拌
し、反応混合物を溶解した。次いで、反応液を60℃ま
で冷却し、トリフェニルフォスフィン13.8部を仕込
み、100℃に加熱し、約32時間反応させ、酸価が
0.5mgKOH/gの反応生成物を得た。次に、これ
にテトラヒドロ無水フタル酸582.5部、カルビトー
ルアセテート219.5部及びソルベントナフサ94.
2部を仕込み、95℃に加熱し、約6時間反応させ、冷
却し、固形分の酸価が60mgKOH/g、固形分濃度
65%の感光性プレポリマーを得た。
【0039】<シクロアルキレンホスフィン誘導体の調
製> 合成例4 反応容器に1,5−シクロオクタジエン1843g(1
6.69mol)とトルエン3750mlを仕込み、十
分に窒素置換した。続いてホスフィン731g(21.
50mol)を仕込み、60℃に昇温した。ラジカル開
始剤として、2,2−アゾビス−(2,4−ジメチルバ
レロニトリル)58.8g(0.237mol)を3時
間かけて圧入し、60℃にて一晩熟成し、1,4−シク
ロオクチレンホスフィンと1,5−シクロオクチレンホ
スフィンよりなる混合物のトルエン溶液を得た。(混合
物の純度31.9wt%、1,4−シクロオクチレンホ
スフィン:1,5−シクロオクチレンホスフィン=3
8.4:61.6(GC相対面積比)) 攪拌機、コンデンサー、滴下ロートを備え付けた200
0mlの4つ口フラスコを十分に窒素置換した後、上記
反応液の一部434.6g(0.975mol)を室温
下にて仕込んだ。さらにメタノール440gを仕込み氷
浴にて約5℃に冷却した後、過酸化水素106.5g
(1.05mol)を滴下ロートより約3時間かけて滴
下した。反応の終点はガスクロマトグラフ法にて判断し
た。酸化反応終了後、ロータリーエバポレーターで濃縮
して、無色の結晶1,4−シクロオクチレンホスフィン
オキシドと1,5−シクロオクチレンホスフィンオキシ
ドよりなる混合物152.8g(0.966mol、
1,4−シクロオクチレンホスフィンオキシド:1,5
−シクロオクチレンホスフィンオキシド=39.4:6
0.6(NMR相対面積比))を得た。かき混ぜ装置,
温度計を備えた反応容器に、室温下、トルエン900m
lに、1,4−シクロオクチレンホスフィンオキシド及
び1,5−シクロオクチレンホスフィンオキシドの混合
物183.5g(純度87.0%,1.00mol)を
仕込み、攪拌して溶解させた。この反応液を70℃へ昇
温した後、微粉末の1,4−ベンソキノン108.7g
(1.00mol)を約3時間かけて少量づつ添加し
た。添加終了後、70℃で約1時間熟成した後、室温ま
で冷却して生じた析出物をろ過、冷メタノールで3回洗
浄した後に80℃で減圧乾燥することにより、1,4−
シクロオクチレンホスホニル−1,4−ハイドロキノン
及び1,5−シクロオクチレンホスホニル−1,4−ハ
イドロキノンの混合物192.7g(0.724mo
l)を淡黄色結晶性粉末として得た(以下、「CPHO
−HQ」と称す)。収率72.4%。更に、これをミキ
サーにより粉砕を行ってレーザー散乱式粒度測定法(マ
イクロトラック)により求められる平均粒径が11.6
μmの粉末とした。1 H NMR(300MHz,CD3 OD) δ 1.4
3〜2.83(m,14H),6.77〜6.91
(m,3H)31 P NMR(121.5MHz,CD3 OD) δ 4
2.5(s),66.8(s) FAB−MS(Pos.,m/z)267[M+H]+ IR(KBr,cm-1)3157(υOH),3080
(arom υC−H),1225(υP=O)
【0040】合成例5 合成例4と同様に1,4−シクロオクチレンホスフィン
オキシドと1,5−シクロオクチレンホスフィンオキシ
ドよりなる混合物を得た後、合成例4と同じ装置に、室
温下、トルエン750mlに、1,4−シクロオクチレ
ンホスフィンオキシド及び1,5−シクロオクチレンホ
スフィンオキシドの混合物263.6g(合計純度9
0.0%、1.50mol)を仕込み、攪拌して溶解さ
せた。この溶液を100℃に昇温した後、1,4−ナフ
トキノン237.4g(1.50mol)とトルエン1
100mlのスラリー状態のものを約6時間かけて少量
づつ滴下した。滴下終了後、100℃で2時間熟成、次
いで室温まで冷却して生じた析出物をろ過、冷メタノー
ルで3回洗浄した後に80℃で減圧乾燥することによ
り、2−(1,4−シクロオクチレンホスホニル)−
1,4−ナフタレンジオール及び2−(1,5−シクロ
オクチレンホスホニル)−1,4−ナフタレンジオール
の混合物302.22g(0.955mol)を淡黄色
結晶性粉末として得た(以下、「CPHO−NQ」と称
す)。収率63.6%。更に、これをミキサーにより粉
砕を行ってレーザー散乱式粒度測定法(マイクロトラッ
ク)により求められる平均粒径が9.8μmの粉末とし
た。1 H NMR(300MHz,CD3 OD) δ 1.6
7〜2.70(m,14H),6.63(s,1H)、
7.40(m,1H),7.81(m,1H)、8.1
0(m,2H)31 P NMR(121.5MHz,CD3 OD) δ 5
5.3(s),79.8(s) DI−EI(m/z)316 IR(KBr,cm-1)3179(υOH),3090
(arom υC−H),1205(υP=O)
【0041】実施例1 合成例1で得られた(A−1)成分の感光性プレポリマ
ー100部に、(B)成分の2−メチル−1−(メチル
チオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オ
ン(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製:以降、イ
ルガキュア907と称す)17部、ジエチルチオキサン
トン(日本化薬社製:以降、DETX−Sと称す)1
部、ジエチルジアミノベンゾフェノン(保土谷化学社
製:以降、EABと称す)0.2部(C)成分のジペン
タエリスリトールヘキサアクリレート(日本化薬社製:
以降、DPHAと称す)23部,ジエチレングリコール
モノエチルエーテルアセテート60部、(D)成分の
2,2´−(3,3´,5,5´−テトラメチル(1,
1´−ビフェニル)−4,4´−ジイル)ビス(オキシ
メチレン))ビス−オキシラン(ジャパンエポキシレジ
ン社製:以降、YX−4000と称す)40部、(E)
合成例4で得られたCPHO−HQ 30部、消泡剤
(信越化学工業社製:KS−66)3部、及びフタロシ
アニン・ブルー0.5部、メラミン4部、硫酸バリウム
70部を配合し、さらに3本ロールミルで混合分散させ
ることにより、光硬化性・熱硬化性樹脂組成物を調製し
た。
【0042】実施例2 合成例1で得られた(A−1)成分の感光性プレポリマ
ー100部に、(B)成分のイルガキュア907 17
部、DETX−S 1部、EAB 0.2部、(C)成
分のDPHA 23部,ジエチレングリコールモノエチ
ルエーテルアセテート60部、(D)成分のYX−40
00 40部、(E)成分のCPHO−HQ 30部、
2−フェニルイミダゾール(四国化成社製:2PHZ)
3部、KS−66 3部、及びフタロシアニン・ブルー
0.5部、メラミン4部、硫酸バリウム70部を配合
し、さらに3本ロールミルで混合分散させることによ
り、光硬化性・熱硬化性樹脂組成物を調製した。
【0043】実施例3 合成例2で得られた(A−2)成分の感光性プレポリマ
ー100部に、(B)成分のイルガキュア907 17
部、DETX−S 1部、EAB 0.2部、(C)成
分のDPHA 23部,ジエチレングリコールモノエチ
ルエーテルアセテート60部、(D)成分のYX−40
00 40部、(E)成分のCPHO−HQ 30部、
KS−66 3部、及びフタロシアニン・ブルー0.5
部、メラミン4部、硫酸バリウム70部を配合し、さら
に3本ロールミルで混合分散させることにより、光硬化
性・熱硬化性樹脂組成物を調製した。
【0044】実施例4 合成例3で得られた(A−3)成分の感光性プレポリマ
ー100部に、(B)成分のイルガキュア907 17
部、DETX−S 1部、EAB 0.2部(C)成分
のDPHA 23部,ジエチレングリコールモノエチル
エーテルアセテート60部、(D)成分のYX−400
0 40部、(E)成分のCPHO−HQ 30部、K
S−66 3部、及びフタロシアニン・ブルー0.5
部、メラミン4部、硫酸バリウム70部を配合し、さら
に3本ロールミルで混合分散させることにより、光硬化
性・熱硬化性樹脂組成物を調製した。
【0045】実施例5 (E)成分のCPHO−HQに代えて、合成例5で得ら
れたCPHO−NQとした以外は、実施例4と全く同じ
処方及び方法により光硬化性・熱硬化性樹脂組成物を調
製した。
【0046】比較例1 実施例1において、(E)成分を用いないこと以外は実
施例1と全く同じ処方及び方法により光硬化性・熱硬化
性樹脂組成物を調製した。
【0047】比較例2 実施例3において、(E)成分を用いなこと以外は実施
例3と全く同じ処方及び方法により光硬化性・熱硬化性
樹脂組成物を調製した。
【0048】比較例3 実施例4において、(E)成分を用いなこと以外は実施
例4と全く同じ処方及び方法により光硬化性・熱硬化性
樹脂組成物を調製した。
【0049】前記実施例1〜5及び比較例1〜3で得ら
れた各光硬化性・熱硬化性樹脂組成物を、銅箔35μm
をラミネートしたガラスエポキシ基材の銅張積層板及び
これを予めエッチングしてパターンを形成しておいたプ
リント配線板の全面にスクリーン印刷により塗布した。
その後、80℃の熱風循環式乾燥機で30分乾燥した
後、所望のネガフィルムを密着させ、その上から実施例
1,2,4及び比較例1,3は、200mJ/cm2
実施例3及び比較例2は、400mJ/cm2の紫外線
を照射させた後、1.0質量%炭酸ナトリウム水溶液で
60秒間現像処理し、さらに熱風循環式乾燥機により1
50℃で60分熱硬化させ硬化塗膜を得た。得られた各
硬化塗膜の特性を表2に示す。なお、表2において、各
硬化塗膜の特性は下記の方法により評価した。
【0050】(1)難燃性 日立化成製のノンハロゲンの難燃性基板RO−67G
(0.2mmt材)に片面40μmずつ両面塗膜を形成
し、この試験片をUL94燃焼性試験に準じて測定し
た。
【0051】(2)現像性 80℃の熱風循環式乾燥機で30分乾燥した塗膜を、
1.0質量%炭酸ナトリウム水溶液、30℃ スプレー
圧0.2MPaで現像し、現像されるまでの時間を測定
した。
【0052】(3)はんだ耐熱性 試験基板にロジン系フラックスを塗布して260℃のは
んだ槽に10秒浸漬後、セロハンテープによるピーリン
グ試験を行った後の塗膜状態を評価した。 ○:ピーリング後に塗膜に変化のないもの。 ×:ピーリング後に剥離を生じるもの。
【0053】(4)密着性 JIS D−0202の試験方法に従って、テストピー
スの硬化塗膜に碁盤目状に100個のクロスカットを入
れ、次いでセロハンテープによるピーリング試験後の剥
がれの状態を目視により判定した。
【0054】(5)感度 80℃乾燥後の塗膜にコダックNo.2のステップタブ
レットをのせて超高圧水銀灯の露光機を用いて600m
J/cm2露光し、現像した後、ステップタブレットか
ら得られた段数より感度を評価した。
【0055】(6)解像性 80℃乾燥後の塗膜に50〜130μmのラインのネガ
パターンを超高圧水銀灯の露光機を用いて600mJ/
cm2露光し、現像した後、形成されている最小幅のラ
インを読み取り、解像性を評価した。
【0056】(7)耐無電解金めっき性 市販の無電解ニッケルめっき浴及び無電解金めっき浴を
用いて、ニッケル0.5μm、金0.03μmの条件で
めっきを行い、テープピーリングにより、硬化塗膜の剥
がれの有無やめっきのしみ込みの有無を評価した。 ○:全く剥がれがないもの △:ほんの僅かに剥がれのあるもの ×:硬化塗膜に剥がれがあるもの
【0057】(8)絶縁抵抗 IPCくし形bパターンに塗布し、印加電圧DC500
V、1分値を測定した。
【0058】
【表1】
【0059】
【表2】
【0060】この表2に示す結果から明らかなように、
本発明の実施例によれば、耐熱性、密着性、絶縁性に優
れ、難燃性に優れた塗膜を形成する事が確認できた。
【0061】
【発明の効果】以上説明したように本発明の光硬化性・
熱硬化性樹脂組成物によれば、特に活性エネルギー線に
感度よく反応し、かつ希アルカリ水溶液により現像可能
であって、プリント配線基板の層間絶縁やソルダーレジ
スト等として使用された場合、耐熱性、密着性、絶縁性
に優れ、かつ難燃性に優れた塗膜を形成することがで
き、プリント配線板の層間絶縁やソルダーレジスト等に
好適なものである。更に、前記従来技術のベンゾオキサ
ジン環を有する樹脂と一級アミノ基を有するフェノール
樹脂からなるノンハロゲンのプリプレグや、リン含有化
合物で変性したエポキシ樹脂からなるノンハロゲンのプ
リプレグと銅箔からなるノンハロゲンの難燃性基板と併
用することにより、難燃性に優れたプリント配線板の供
給が可能となる。
フロントページの続き (72)発明者 岩佐 愛子 埼玉県比企郡嵐山町大字大蔵388番地 太 陽インキ製造株式会社嵐山事業所内 (72)発明者 田村 健 東京都江東区亀戸9丁目11番地1号 日本 化学工業株式会社研究開発本部内 Fターム(参考) 4J036 AA01 AD10 CA20 CA21 CD03 DD07 FA10 HA01 JA08 5E314 AA27 AA32 CC07 GG08 5E346 AA12 CC09 HH18

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)1分子中に2個以上のエチレン性
    不飽和二重結合と1個以上のカルボキシル基を有する感
    光性プレポリマー、(B)光重合開始剤、(C)希釈
    剤、(D)エポキシ樹脂、(E)下記一般式(1) 【化1】 (式中、R1はシクロアルキレン基、Xは酸素原子又は
    硫黄原子を示す。)又は下記一般式(2) 【化2】 (式中、R1及びXは前記と同義。)で表されるシクロ
    アルキレンホスフィン誘導体の1種又は2種以上を含む
    ことを特徴とするアルカリ現像型の光硬化性・熱硬化性
    樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 所定の回路パターンの導体層を有する回
    路基板上に永久保護膜としてのソルダーレジスト皮膜が
    形成されたプリント配線板において、上記ソルダーレジ
    スト皮膜が請求項1に記載の光硬化性・熱硬化性樹脂組
    成物の硬化塗膜からなることを特徴とするプリント配線
    板。
  3. 【請求項3】 回路基板上に樹脂絶縁層及び所定の回路
    パターンの導体層が順次形成されてなる多層プリント配
    線板において、上記樹脂絶縁層が請求項1に記載の光硬
    化性・熱硬化性樹脂組成物の硬化塗膜からなることを特
    徴とする多層プリント配線板。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006096962A (ja) * 2004-09-28 2006-04-13 Sanei Kagaku Kk 感光性熱硬化性樹脂組成物、並びにレジスト被覆プリント配線板及びその製造法
US7271225B2 (en) * 2002-05-29 2007-09-18 Nippon Chemical Industrial Co., Ltd. Phosphorus-containing epoxy resin, phosphorus-containing epoxy resin composition, process for producing the resin, sealant containing the composition, molding material containing the composition, and laminate containing the composition
CN101082773B (zh) * 2006-05-30 2010-08-11 太阳油墨制造株式会社 光固化性热固化性阻焊剂组合物以及使用其的印刷线路板

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