JP2003192512A - マルチング材及びそれを用いた施工方法 - Google Patents

マルチング材及びそれを用いた施工方法

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JP2003192512A
JP2003192512A JP2001391367A JP2001391367A JP2003192512A JP 2003192512 A JP2003192512 A JP 2003192512A JP 2001391367 A JP2001391367 A JP 2001391367A JP 2001391367 A JP2001391367 A JP 2001391367A JP 2003192512 A JP2003192512 A JP 2003192512A
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mulching
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Daisuke Kondo
大介 近藤
Akira Inoue
顕 井上
Takashi Bando
隆 坂東
Masahiko Ikeda
昌彦 池田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 植栽物の成長には影響を与えずに、地表面か
らの雑草の成長及び飛来する種子による雑草の成長も防
止できる、マルチング材及びそれを用いた施工方法を提
供する。 【解決手段】 このマルチング材は、植物繊維、木チッ
プ、ボール紙、有機繊維、無機繊維より選択される少な
くとも一種を主原料とし、これにリン酸アルミニウム塩
類を除く水溶性のアルミニウム塩、又はその水溶液が付
与されている。水溶性のアルミニウム塩としては、塩化
アルミニウム、硫酸アルミニウム、アルミン酸ナトリウ
ム、乳酸アルミニウムより選択される少なくとも一種が
好ましく使用される。水溶性のアルミニウム塩、又はそ
の水溶液は、マルチング材を形成する工程で付与しても
よく、マルチング材を施工した後に付与してもよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば道路中央分
離帯や公園に植えられた植栽物等の根元の周囲に敷設し
て、植栽物等の生育を助成するためのマルチング材及び
それを用いた施工方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、例えば道路の中央分離帯や公園に
植栽物を植えたり、街路樹を植えたり、山に植生、植
栽、植林したりして緑化が推進されている。このような
植栽物の根元の周囲には雑草が生え易く、放置しておく
と雑草が繁殖して景観的に見苦しいばかりでなく、植栽
物に日光が当たりにくくなったり、土壌の養分や水分が
雑草に吸収されて植栽物の生育が阻害されてしまう。
【0003】このような雑草を取り除く方法としては、
一般的には人手による草刈りや除草剤の散布が行われて
いる。しかしながら、草刈りは重労働であり、近年の人
手不足、作業者の高齢化等の問題、また、道路の中央分
離帯などでは作業に危険を伴うため、充分に除草を行う
ことができず、除草剤の散布も、その安全性等の問題か
ら使用範囲が限られているのが現状である。
【0004】このような問題を解決するために、ソイル
カバー又はマルチング材といわれるマットやシートを地
表面に敷いて日光を遮断することにより、雑草の成長を
抑制する方法が知られている。
【0005】このようなマルチング材としては、藁、古
い畳、マニラ麻、ヤシなどの植物繊維からなるものが古
くから用いられており、近年では、樹脂製のシート、繊
維質マット、木チップ、ボール紙、グラスウール、ロッ
クウール等が用いられるようになってきた。マルチング
材は、植栽物の生育のために透水性を有していることが
必要であり、樹脂製のシートなど透水性のないものに
は、透水性を付与するために多数の穴が設けられてい
る。
【0006】
【発明が解決しようとしている課題】しかしながら、従
来のマルチング材は、地表面にある種子や株からの雑草
の生育を抑制するには有効な方法であったが、その施工
後、上述した穴や隙間からタンポポのような飛来する雑
草の種子が侵入して発芽し、防草効果が持続しないとい
う問題があった。例えば、ボール紙のマルチング材はそ
の継ぎ目から雑草が生育しやすく、麻布や粗毛布などの
繊維質マルチング材も透水性は良好であるが飛来した雑
草の種子の発芽を抑制する効果は薄かった。
【0007】一方、飛来した雑草の種子の発芽抑制効果
を有するマルチング材としては、グラスウールのマルチ
ング材が知られている。グラスウールは、水が抜けやす
く、その表面が乾燥しやすいため、マルチング材上に飛
来した雑草の種子は発芽しても水分を吸収することがで
きず、その根が地表面に達する前に乾燥して枯れてしま
うからである。しかしながら、このグラスウールのマル
チング材は、一定の面密度及び厚さのマットを切って敷
き並べなければならず、施工面が複雑な地形の場合には
施工することが困難であった。
【0008】また、複雑な地形でも施工可能なマルチン
グ材として、ロックウールや樹皮繊維などの繊維を結着
材で固めた不定形の置き均しタイプのマルチング材が知
られているが、このマルチング材も、雨の多い春から夏
にかけては、飛来した雑草の種子がその表面で発芽しや
すいという欠点があった。
【0009】更に、このような不定形のマルチング材に
除草剤をあらかじめ混入しておく方法も考えられるが、
安全な除草剤は一般に葉から吸収されるので、飛来した
雑草の種子の発芽抑制には効果がない。また、除草剤の
種類によっては、植栽物の成長を妨げてしまう恐れもあ
る。
【0010】したがって、本発明の目的は、植栽物の成
長には影響を与えずに地表面からの雑草の成長を防止
し、更に、飛来する種子による雑草の成長も防止でき
る、マルチング材及びそれを用いた施工方法を提供する
ことにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明のマルチング材は、植物繊維、木チップ、ボ
ール紙、有機繊維、無機繊維より選択された少なくとも
一種を主原料とするマルチング材に、リン酸アルミニウ
ム塩類を除く水溶性のアルミニウム塩、又はその水溶液
が付与されていることを特徴とする。
【0012】本発明のマルチング材においては、前記水
溶性のアルミニウム塩が、塩化アルミニウム、硫酸アル
ミニウム、アルミン酸ナトリウム、乳酸アルミニウムよ
り選択された少なくとも一種であることが好ましい。
【0013】また、前記マルチング材が、更に、セメン
ト又は高分子有機物のバインダーを含有することが好ま
しい。
【0014】更に、前記マルチング材の主原料がロック
ウールであって、前記バインダーがセメントであること
が好ましい。
【0015】一方、本発明のマルチング材の施工方法
は、植物繊維、木チップ、ボール紙、有機繊維、無機繊
維より選択された少なくとも一種を主原料として含有す
るマルチング材を地表面に敷設するマルチング材の施工
方法において、前記マルチング材に、リン酸アルミニウ
ム塩類を除く水溶性のアルミニウム塩、又はその水溶液
を付与することを特徴とする。
【0016】本発明のマルチング材の施工方法におい
て、前記マルチング材が、植物繊維、木チップ、ボール
紙、有機繊維、無機繊維より選択された少なくとも一種
に、セメント又は高分子有機物のバインダーを付与して
形成したものからなる場合には、前記バインダーに、前
記リン酸アルミニウム塩類を除く水溶性のアルミニウム
塩、又はその水溶液を含有させることができる。
【0017】また、前記マルチング材を地表面に敷設し
た後、前記リン酸アルミニウム塩類を除く水溶性のアル
ミニウム塩、又はその水溶液を付与することもできる。
【0018】更に、有機繊維又は無機繊維の不織布又は
織布からなる下層マルチング材を地表面に敷設した後、
更に、植物繊維、木チップ、ボール紙、有機繊維、無機
繊維より選択された少なくとも一種を主原料として含有
する上層マルチング材を敷設することが好ましい。
【0019】本発明によれば、マルチング材で地表面を
被って光を遮断することにより、地表面にある種子や株
からの雑草の成長を抑制する効果が得られる。また、マ
ルチング材が透水性を有するので、施工後のマルチング
材表面に飛来した雑草の種子等の発芽も抑制される。更
に、マルチング材には、リン酸アルミニウム塩類を除く
水溶性のアルミニウム塩、又はその水溶液が付与される
ので、飛来した種子の発根・発芽抑制効果を高めること
ができ、しかもマルチ中に植えられている植栽物の発育
には影響を与えない。
【0020】本発明において、飛来した雑草の種子の発
根・発芽が、リン酸アルミニウム塩類を除く水溶性のア
ルミニウム塩、又はその水溶液を付与されたマルチング
材によって効果的に抑制され、しかもマルチ中に植えら
れている植栽物の発育には影響を与えない理由について
は、未だ充分に解明されていないが、以下のように推測
される。
【0021】すなわち、マルチング材は、飛来した種子
の発芽自体を抑制するのではなく、種子の発根を抑制す
ることによって、結果的に発芽を抑制するものであると
考えられる。そして、リン酸アルミニウム塩類を除く水
溶性のアルミニウム塩、又はその水溶液は、雑草の種子
の発根を抑制する作用を有し、それによって施工後のマ
ルチング材表面に飛来した雑草の種子等の発芽を効果的
に抑制する。しかしながら、既に発根や発芽している植
栽物の発育は、上記水溶性のアルミニウム塩、又はその
水溶液によって阻害されないためと考えられる。
【0022】
【発明の実施の形態】まず、本発明のマルチング材につ
いて説明する。マルチング材の主原料としては、植物繊
維、木チップ、ボール紙、有機繊維、無機繊維より選択
された少なくとも一種が用いられる。これらのマルチン
グ材は、通気性、遮光性及び透水性を有するマルチング
層を形成でき、しかも植栽物の生育を妨げる恐れがな
い。
【0023】植物繊維としては麻布等が、有機繊維とし
ては羊毛、樹皮、ヤシ殻、わら、もみ殻等が、無機繊維
としてはロックウール、グラスウール等が例示でき、特
にコストや耐久性の点からロックウールが好ましい。ま
た、これらは単独で用いてもよく、2種以上を混合して
用いてもよい。また、有機繊維又は無機繊維は不織布又
は織布として用いてもよい。
【0024】また、上記マルチング材は、更にバインダ
ーを含有していてもよい。これにより、マルチング材の
施工後の耐久性が増し、雑草の生育抑制効果を長期に持
続させることが可能となる。また、マルチング材を予め
シート状に形成する場合のみならず、マルチング材の主
原料とバインダーとの混合物を、現地の施工場所にて施
工する地表面に直接吹き付けて固化させることにより形
成することもできる。バインダーとしては、セメント
や、樹脂、デンプン等の高分子有機物が使用でき、特に
セメント又は樹脂が好ましい。
【0025】更に、上記のバインダー以外にも、本発明
の目的を著しく損わない範囲で、常用の各種添加剤、例
えば珪砂等の骨材等を含有していてもよい。
【0026】次に、本発明において用いられる、リン酸
アルミニウム塩類を除く水溶性のアルミニウム塩、又は
その水溶液について説明する。
【0027】本発明は、上記のマルチング材に、リン酸
アルミニウム塩類を除く水溶性のアルミニウム塩又はそ
の水溶液が付与されていることを特徴としている。
【0028】水溶性のアルミニウム塩としては、リン酸
アルミニウム塩類を除けば特に限定されず、通常使用さ
れるものが使用可能であるが、飛来する雑草の種子の発
根抑制効果が高く、また、雨水等により地表面に流され
た場合に土壌に対する影響が少なく、更に容易に入手可
能である点から、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウ
ム、アルミン酸ナトリウム、乳酸アルミニウムより選択
された少なくとも一種であることが好ましい。なかで
も、乳酸アルミニウムは、アルミニウム以外が有機成分
のみで構成され、有機成分である乳酸は生分解性を有
し、分解されて水と炭酸ガスとなるので安全であり、土
壌へのpH等の影響も少ないので特に好ましい。
【0029】一方、本発明で使用する水溶性のアルミニ
ウム塩として、リン酸アルミニウム塩類を除く理由は、
リン酸部分が無機肥料成分として機能してしまい、却っ
て発芽や発根を促進してしまう可能性があるからであ
る。また、非水溶性のアルミニウム塩もアルミニウムが
イオン化せず、マルチング材中に分散付与できないので
用いることができない。
【0030】水溶性のアルミニウム塩又はその水溶液を
マルチング材に付与する量は、マルチング材100質量
部に対して、水溶性のアルミニウム塩が0.01〜1.
0質量部であることが好ましい。水溶性のアルミニウム
塩が0.01質量部未満であると、飛来した雑草の種子
の発根・発芽抑制効果が充分に得られず、1.0質量部
を超えると、植栽物の成長を妨げてしまうため好ましく
ない。
【0031】また、水溶性のアルミニウム塩又はその水
溶液を、予めセメントや樹脂等のバインダーに含有させ
る場合には、バインダー中に水溶性のアルミニウム塩が
保持され易いことから、水溶性のアルミニウム塩の量を
上記好ましい範囲内で比較的多い量、好ましくは0.1
〜1.0質量部付与することが好ましい。一方、マルチ
ング材を敷設した後に、水溶性のアルミニウム塩又はそ
の水溶液を付与する場合には、水溶性のアルミニウム塩
の添加量は、上記好ましい範囲内で比較的少ない量、好
ましくは0.01〜0.5質量部付与することで、飛来
した雑草の種子の発根・発芽を充分に抑制することがで
きる。
【0032】次に、本発明のマルチング材の施工方法に
ついて説明する。本発明において、水溶性のアルミニウ
ム塩又はその水溶液は、マルチング材を施工する前に予
め付与しておいてもよく、あるいはマルチング材を施工
した後に付与してもよい。
【0033】マルチング材は、例えばボール紙等であれ
ばそのまま使用でき、繊維化されたマルチング材であれ
ば、シート状又は粒状に形成することができる。また、
この際に不織布や織布として形成してもよく、セメン
ト、樹脂、デンプン等のバインダーを混合して形成して
もよい。更に、繊維化されたマルチング材とバインダー
との混合物を、地表面に直接吹付けてマルチング材を形
成してもよい。
【0034】マルチング材を被覆する際の被覆層の面密
度は、1〜10kg/m2が好ましく、より好ましくは
1〜7kg/m2である。1kg/m2未満では飛来した
雑草の種子の発根・発芽を効果的に抑制することができ
ず、10kg/m2を超えるとコストが高くなるだけ
で、効果は向上しないため好ましくない。
【0035】水溶性のアルミニウム塩、又はその水溶液
の付与は、マルチング材の形成工程及び施工工程のいず
れの工程で行ってもよい。すなわち、マルチング材を形
成する際に付与してもよく、マルチング材を形成した
後、地表面への敷設前に付与してもよく、マルチング材
を地表面に敷設した後に付与してもよい。
【0036】具体的には、マルチング材を形成する工程
中で付与する方法としては、例えばロックウールや樹脂
繊維を板状に抄いたものや、粗毛布や不織布を用いる場
合には、シート製造工程で水溶性のアルミニウム塩を繊
維中に練り込む方法が挙げられる。また、例えば、ロッ
クウール繊維をセメント等のバインダーで固定するタイ
プのマルチや、樹皮を繊維化したものに粘着剤等のバイ
ンダーを混ぜたマルチング材の場合には、繊維とバイン
ダーを混合する工程で水溶性のアルミニウム塩を混合す
る方法でもよく、予めバインダー中に水溶性のアルミニ
ウム塩を含有させる方法でもよい。
【0037】上記の方法のうち、マルチング材のバイン
ダー中に水溶性のアルミニウム塩を予め含有させる方法
は、マルチング材の施工後の耐久性が増加し、防草効果
を長期に持続させることが可能であるともに、マルチン
グ材をシート状に形成する場合だけでなく、地表面に直
接吹付けて施工することも可能となる。
【0038】一方、マルチング材をシート状に形成した
後、又はマルチング材を地表面に敷設した後に、水溶性
のアルミニウム塩を粒体、粉体、又は水溶液として、マ
ルチング材の表面に塗布固定する方法も好ましく用いら
れる。この場合、水溶性のアルミニウム塩は粒状や粉体
として付与してもよく、又はその水溶液としてマルチン
グ材に含浸させるように付与してもよい。
【0039】粒体や粉体として付与する場合には、水溶
性のアルミニウム塩が雨水で流されないように、接着剤
や粘着剤等のバインダーを用いてマルチング材の表面に
固定させてもよい。この場合には、マルチング材を1〜
10kg/m2、より好ましくは、1〜7kg/m2とな
るように置き均した後、その上から水溶性のアルミニウ
ム塩を0.1〜100g/m2、より好ましくは、0.
1〜50g/m2となるように散布することが好まし
い。
【0040】本発明において、マルチング材は、同一種
類のものを1層だけで施工してもよく、複数種類のもの
を2層以上に積層して施工してもよい。この場合、2層
以上のマルチ層を形成する場合には、有機繊維又は無機
繊維からなる不織布又は織布を地表面に敷設した後、そ
の上に植物繊維、木チップ、ボール紙、有機繊維、無機
繊維より選択された少なくとも一種を積層して、マルチ
層を構成することが好ましい。マルチング材をこのよう
に2層で構成することにより、下層の不織布又は織布に
よって地面から発芽した雑草がマルチ層を突き破って伸
びることを防止し、上層の植物繊維、木チップ、ボール
紙、有機繊維、無機繊維より選択された少なくとも一種
によって、マルチ層上に飛来してきた雑草の種子の発根
・発芽を抑制することができる。
【0041】上記の方法で施工されたマルチング材は、
地表面からの雑草の成長を防止するだけでなく、飛来す
る種子による雑草の成長も防止できる。また、上記のよ
うなマルチング材は断熱性も有しているため、植栽物の
根元を保温する効果ももたらされる。
【0042】以下実施例を用いて本発明を更に詳細に説
明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもので
はない。
【0043】
【実施例】実施例1 ロックウール粒状綿(平均繊維径5μm、平均粒径5m
m)14kgに、ポルトランドセメント3kg、及び微
珪砂3kg加えてなる混合物(商品名「マルチングブロ
ウ」、以下マルチングブロウという)を、植栽物である
ヘデラへリックスの周りの4m2の水平な地表面に均し
置きし、水を40L散布した。その後、乳酸アルミニウ
ム(商品名:多木化学社製タキセラム)の粉体8gを播
き、ローラーにて強く転圧した。その表面にメヒシバの
種を100粒播き、2ヶ月後にその発芽率及び植栽物の
生育状況を調べた。その結果を表1に示す。
【0044】実施例2 チップ材に接着剤としてポリ酢酸ビニルバインダーを混
入させたチップマルチ材20kgを、植栽物であるヘデ
ラへリックスの周りの4m2の水平な地表面に均し置き
し、その上から塩化アルミニウム(商品名:大明化学社
製タイバック)水溶液(固形分0.7wt%)3Lを散
布した。その表面からメヒシバの種を100粒播き、2
ヶ月後にその発芽率及び植栽物の生育状況を調べた。そ
の結果を表1に示す。
【0045】比較例1 マルチングブロウ20kgを、植栽物であるヘデラへリ
ックスの周りの4m2の水平な地表面に均し置きし、水
を40L散布した後、ローラーにて強く転圧した。その
表面にメヒシバの種を100粒播き、2ヶ月後にその発
芽率及び植栽物の育成状況を調べた。その結果を表1に
示す。
【0046】比較例2 チップ材に接着剤としてポリ酢酸ビニルバインダーを付
着させたチップマルチ材20kgを、植栽物であるヘデ
ラへリックスの周りの4m2の水平な地表面に均し置き
し、水3Lを散布した。その表面からメヒシバの種を1
00粒播き、2ヶ月後にその発芽率及び植栽物の育成状
況を調べた。その結果を表1に示す。
【0047】比較例3 マルチングブロウ20kgを、植栽物であるヘデラへリ
ックスの周りの4m2の水平な地表面に均し置きし、水
を40L散布した。その後リン酸アルミニウム粉体8g
を播き、ローラーにて強く転圧した。その表面にメヒシ
バの種を100粒播き、2ヶ月後にその発芽率及び植栽
物の育成状況を調べた。その結果を表1に示す。
【0048】
【表1】
【0049】表1の結果より、実施例1、2において
は、発芽率がそれぞれ2%、3%と低く飛来する種子に
よる雑草の成長が効果的に防止できるのに対し、アルミ
ニウム塩を付与していない比較例1、2においては、発
芽率がそれぞれ10%、35%と高く、また、リン酸ア
ルミニウムを付与した比較例3においても発芽率が50
%と高く、飛来する種子による雑草の成長が防止できな
いことがわかる。
【0050】また、植栽物であるヘデラへリックスの成
長は、アルミニウム塩を付与していない比較例1、2と
同程度であったことから、実施例1、2においては植栽
物の成長には影響を与えていないことがわかる。
【0051】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
植栽物の成長には影響を与えずに、地表面からの雑草の
成長のみならず、飛来する種子による雑草の成長も防止
できるマルチング材及びそれを用いた施工方法を提供で
きる。したがって、このマルチング材は、道路中央分離
帯、道路法面、空港、築堤及び公園等において好適に使
用できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 坂東 隆 東京都千代田区神田鍛冶町3丁目6番地3 旭ファイバーグラス株式会社内 (72)発明者 池田 昌彦 東京都千代田区神田鍛冶町3丁目6番地3 旭ファイバーグラス株式会社内 Fターム(参考) 2B024 DB10 4H011 AB01 BA01 BB18 BC19 BC20 DA07 DH09 DH10 DH15

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 植物繊維、木チップ、ボール紙、有機繊
    維、無機繊維より選択された少なくとも一種を主原料と
    するマルチング材に、リン酸アルミニウム塩類を除く水
    溶性のアルミニウム塩、又はその水溶液が付与されてい
    ることを特徴とするマルチング材。
  2. 【請求項2】 前記水溶性のアルミニウム塩が、塩化ア
    ルミニウム、硫酸アルミニウム、アルミン酸ナトリウ
    ム、乳酸アルミニウムより選択された少なくとも一種で
    ある請求項1に記載のマルチング材。
  3. 【請求項3】 前記マルチング材が、更に、セメント又
    は高分子有機物のバインダーを含有する請求項1又は2
    に記載のマルチング材。
  4. 【請求項4】 前記マルチング材の主原料がロックウー
    ルであって、前記バインダーがセメントである請求項3
    に記載のマルチング材。
  5. 【請求項5】 植物繊維、木チップ、ボール紙、有機繊
    維、無機繊維より選択された少なくとも一種を主原料と
    して含有するマルチング材を地表面に敷設するマルチン
    グ材の施工方法において、前記マルチング材に、リン酸
    アルミニウム塩類を除く水溶性のアルミニウム塩、又は
    その水溶液を付与することを特徴とするマルチング材の
    施工方法。
  6. 【請求項6】 前記マルチング材が、植物繊維、木チッ
    プ、ボール紙、有機繊維、無機繊維より選択された少な
    くとも一種に、セメント又は高分子有機物のバインダー
    を付与して形成したものからなり、前記バインダーに、
    前記リン酸アルミニウム塩類を除く水溶性のアルミニウ
    ム塩、又はその水溶液を含有させる請求項5に記載のマ
    ルチング材の施工方法。
  7. 【請求項7】 前記マルチング材を地表面に敷設した
    後、前記リン酸アルミニウム塩類を除く水溶性のアルミ
    ニウム塩、又はその水溶液を付与する請求項5に記載の
    マルチング材の施工方法。
  8. 【請求項8】 有機繊維又は無機繊維の不織布又は織布
    からなる下層マルチング材を地表面に敷設した後、更
    に、植物繊維、木チップ、ボール紙、有機繊維、無機繊
    維より選択された少なくとも一種を主原料として含有す
    る上層マルチング材を敷設する請求項5〜7のいずれか
    一つに記載のマルチング材の施工方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009196910A (ja) * 2008-02-20 2009-09-03 West Nippon Expressway Engineering Shikoku Co Ltd 植物成長抑制組成物並びにそれからなるシート及び充填材
JP2012200234A (ja) * 2011-03-28 2012-10-22 West Nippon Expressway Engineering Shikoku Co Ltd 防草構造体とその施工方法及び防草方法
KR101282769B1 (ko) 2012-10-25 2013-08-07 남양부직포 주식회사 황산구리 처리된 수목 보호용 매트 및 그 제조방법

Cited By (3)

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