JP2003191694A - 熱転写シート - Google Patents

熱転写シート

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JP2003191694A
JP2003191694A JP2001393365A JP2001393365A JP2003191694A JP 2003191694 A JP2003191694 A JP 2003191694A JP 2001393365 A JP2001393365 A JP 2001393365A JP 2001393365 A JP2001393365 A JP 2001393365A JP 2003191694 A JP2003191694 A JP 2003191694A
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Masamichi Yamano
正通 山野
Kozaburo Goto
浩三郎 後藤
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Fujicopian Co Ltd
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Fuji Kagakushi Kogyo Co Ltd
Fujicopian Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱転写シートの転写膜上にカラートナー画像
等を形成し、転写膜を引き剥がし被転写物に置いて、再
転写することにより、洗濯堅牢性が高く、かつ伸縮性に
富む、風合いの良いプリント物を製造することを可能と
する熱転写シートを提供する。 【解決手段】剥離可能な基材上に接着層、表面層の少な
くとも2層を順次積層して転写膜を形成した熱転写シー
トにおいて、表面層中には熱可塑性樹脂を含み、該熱可
塑性樹脂中に Tgが40℃以上130℃以下のポリエス
テル樹脂を含有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はカラーコピー機、カラー
プリンター等の画像出力プリンターにより、一旦、熱転
写シート上に形成した画像を、被転写体上に再転写する
ための熱転写シートに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、カラーコピー機やカラープリンタ
ーの性能向上と普及に伴い、それらを用いて形成した画
像を繊維、陶器、金属、プラスチック等に形成する要求
が高まりつつある。これらの要求に対応するため、離型
紙上に熱転写層を有する熱転写シートを用い、直接この
シートにカラー印刷することによってシート上にカラー
画像を形成し、ついで被転写体に熱転写層ごとカラー画
像を熱転写する方法が最近よく用いられている。とりわ
け近年における電子写真方式の急速な普及により、画像
をトナーで形成する手法が取られることが多い。
【0003】例えば、特開平7−137427(ダイセ
ル化学工業)、特開昭52−82509(ゼロックス)
の様に、トナーで画像を形成した後、画像面と布などの
被転写体を相対させて転写させる方式は、現在最もポピ
ュラーに用いられている方法の一つである。また、特開
平7−209895(松井色素化学工業所)では転写後
の画像の堅牢性を上げるため、硬化皮膜で転写画像を保
護している。
【0004】ところで、被転写体として用いる布の素材
としてはコストおよび着心地の観点から、圧倒的に綿が
用いられることが多い。ところがトナーと綿は接着が悪
く、その接着力だけでは画像の堅牢性が保てない。それ
ゆえに被転写体に樹脂の膜で形成した転写層を画像と一
緒に転写させる必要性が生じることとなる。
【0005】しかしながら、先程例に挙げた方式で得ら
れた転写物は、トナーと布とが直接接触していることに
は違いがないため、この方法では原理的に十分な接着力
が得られない。特に洗濯を行った場合、繊維は伸ばさ
れ、その後の乾燥により今度は縮む。この繊維の伸縮挙
動にトナーが追従できずに繊維から脱落してしまい、結
果として色落ちするという欠点がある。また、この方式
においては、トナーの上に転写膜がのる構造となるた
め、膜は透明にせざるを得ない。このため、このシート
だけを使って濃色地の被転写体に転写すると、画像と被
転写体の色が混ざり、画像が識別できなくなる。よって
被転写体の色を隠蔽するシートを別に用意しなければな
らないというデメリットがある。
【0006】一方、特開平10−325087(山本
薫)では2層のポリウレタンからなる熱転写シート上に
画像を形成し、熱転写層を基材より引き剥がし、熱転写
層の基材側の面と被転写体とを相対させて転写する方式
であるため、シート一枚で濃色地の被転写体にも対応で
きるメリットがある。しかしながら、トナーの受像面
(熱転写シートの表面)がポリウレタンのみで形成され
るため、トナーとの接着性が必ずしも良いとは言えず、
洗濯を繰り返すとトナーの脱落が起こりやすく色落ちし
やすい欠点があった。特に風呂の残り湯等のお湯を使っ
て洗濯した場合、この傾向が顕著に現れることが問題で
ある。
【0007】また、特開平6−227200(インター
テクニカルインダストリー)や特開平8−267901
(富士写真フィルム)では画像を膜と膜でサンドイッチ
するような構成で洗濯堅牢性を向上させている。この手
法は洗濯堅牢性を上げるには有効な手法ではあるが、1
シートでは達成できないため、工程が煩雑でコストも高
くなる難点があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明では1シートで
あっても洗濯堅牢性が高く、かつ伸縮性に富み、風合い
の良いプリント物の製造を可能とする熱転写シートを提
供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決するために鋭意研究を重ねた結果、剥離可能な基材
上に接着層、表面層の少なくとも2層を順次積層して転
写膜を設けた熱転写シートの転写膜上に画像を形成し、
その転写膜を基材より引き剥がし、引き剥がされた面を
被転写面と相対させて熱転写する転写プロセスを用いた
熱転写シートにおいて、表面層中には熱可塑性樹脂を含
み、該熱可塑性樹脂中に Tgが40℃以上130℃以下
のポリエステル樹脂を含有させた場合に、温水を使った
洗濯であっても1シートで極めて良好な洗濯堅牢性が発
現することを見い出した。
【0010】また、表面層に含まれる熱可塑性樹脂のう
ち、ポリエステル樹脂の含有比率が5〜70重量%であ
り、ポリエステル樹脂の数平均分子量が1500以上4
500以下であると、転写後の膜の伸縮性や風合いが良
くなることも見いだした。以下に本発明の詳細について
説明する。本発明に適する基材としては上質紙、中質
紙、アート紙、コート紙、クラフト紙、グラシン紙等の
紙や、これらをポリプロピレン、ポリスチレン等でラミ
ネート加工した加工紙、ポリプロピレン、ポリスチレン
等を用いた合成紙、及びレーヨン繊維、アセテート繊
維、ビニロン繊維、ナイロン繊維、アクリル繊維、塩化
ビニル繊維、ポリエステル繊維、ポリプロピレン繊維な
どの各種化学繊維が含まれる。また、ポリエステル、ポ
リプロピレンなどの合成樹脂シートやフィルムも含まれ
る。
【0011】上記基材に転写膜を積層して、剥離性が不
足する場合には、上記基材上にポリエチレン、ポリプロ
ピレンなどの樹脂やシリコーン、ワックスなどを離型剤
とした離型層を設けても良い。
【0012】基材と転写膜の剥離力は10〜40g/2
5mmが好ましく、15〜30g/25mmであればさ
らに好ましい。この範囲以下では、剥がれやすくなりす
ぎるため、熱転写シートの加工工程で支障をきたした
り、画像形成時、プリンター内で剥がれて給紙不良を起
こしたりしやすくなる。一方、この範囲以上では剥がれ
難くなりすぎるため、基材から転写膜を剥がす工程での
作業性が悪くなるばかりでなく、剥がす途中で膜が伸び
てしまって画像が変形してしまう不具合が生じやすくな
る。
【0013】前記接着層を構成する成分としては、熱に
よって接着性を示す成分であればよく、例えば、熱接着
性ポリマーなどが挙げられる。前記熱接着性ポリマーと
しては、熱可塑性ポリウレタン、ポリアミド、ポリエス
テル、ポリオレフィンなどが例示できる。これらの熱接
着性ポリマーは、一種又は二種以上混合して使用でき
る。
【0014】ポリウレタンには、イソシアネート類と、
分子末端がヒドロキシル基であるポリオールとの反応に
より得られる熱可塑性ポリウレタンが含まれる。イソシ
アネート類には、例えば、トリレンジイソシアネート、
ジフェニルメタン−4、4′−ジイソシアネートなどの
芳香族ジイソシアネート;イソホロンジイソシアネート
などの脂環族ジイソシアネート;トリメチレンジイソシ
アネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメ
チレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネ
ートなどの脂肪族ジイソシアネートなどが含まれる。ポ
リオールには、アルカンポリオール、ポリエステルポリ
オール、ポリエーテルポリオールなどのポリヒドロキシ
化合物が含まれる。これらのポリヒドロキシ化合物は少
なくとも一種用いられる。アルカンポリオールとして
は、1、5−ペンタンジオール、1、8−オクタンジオ
ール、1、10−デカンジオール、1、12−ドデカン
ジオールなどのアルカンジオールなどが挙げられる。ポ
リエステルポリオールとしては、脂肪族ポリエステルジ
オール、例えば、後述する脂肪族ジオールおよび脂肪族
ジカルボン酸のいずれか一方の成分を構成単位として含
むポリエステルジオールが含まれる。ポリエーテルポリ
オールには、例えば、ジエチレングリコール、トリエチ
レングリコール、ポリエチレングリコール、トリプロピ
レングリコール、ポリプロピレングリコール、ビスフェ
ノールAとエチレンオキサイドなどのアルキレンオキサ
イドとの付加化合物などのポリエーテルジオールが含ま
れる。ポリアミドとしては、例えば、ナイロン6、ナイ
ロン11、ナイロン12、ナイロン13、ナイロン61
0、ナイロン612、ナイロン616などや、これらの
ナイロン原料を用いた共重合ナイロン(例えばナイロン
6/12など)などが例示される。
【0015】ポリエステルには、脂肪族ジオールおよび
脂肪族ジカルボン酸のいずれか一方の成分を構成単位と
して含むポリエステル、特に、脂肪族ジオールと脂肪族
ジカルボン酸を構成成分とする脂肪族ポリエステルが含
まれる。好ましいポリエステルには、飽和脂肪族カルボ
ン酸の単位を含む場合が多い。脂肪族ジオール成分に
は、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコー
ル、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコー
ル、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、
トリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコー
ル、1、3−ブタンジオール、1、4−ブタンジオー
ル、ネオペンチルグリコール、1、6−ヘキサンジオー
ル、ポリメチレングリコールなどが含まれ、脂肪族ジカ
ルボン酸成分としては、例えば、マレイン酸、フマル酸
などの不飽和脂肪族ジカルボン酸、無水コハク酸、アジ
ピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、スベリン酸、ドデ
カン二酸などの飽和脂肪族ジカルボン酸などが挙げられ
る。
【0016】ポリオレフィンには、例えば、低密度ポリ
エチレンや直鎖状低密度ポリエチレンなどのポリエチレ
ン、エチレン−ブテン−1共重合体、エチレン−(4−
メチルペンテン−1)共重合体、エチレン−酢酸ビニル
共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エ
チレン−(メタ)アクリレート共重合体、塩化ビニル−
酢酸ビニル共重合体、プロピレン−ブテン−1共重合
体、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−プロピ
レン−ブテン−1共重合体、無水マレイン酸変性ポリエ
チレン、塩素化ポリプロピレンや無水マレイン酸ポリプ
ロピレンなどの変性ポリオレフィンなどが挙げられる。
【0017】前記接着層は、これらの熱接着性ポリマー
を主成分として含むのが好ましく、その含有量は、例え
ば50〜100重量%、好ましくは70〜100重量%
程度である。前記熱接着層は、必要に応じて、粘着性付
与剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、着色剤、帯電防止
剤、難燃剤、ワックス、可塑剤、充填剤などを含んでい
てもよい。接着層の厚みは20〜100μmが好まし
く、30〜80μmであればさらに好ましい。接着層の
厚みが上記範囲以下である場合、繊維等に対し十分な接
着性が得られ難い。一方、上記範囲以上である場合に
は、厚くなりすぎるため風合いを損ねる。
【0018】前記表面層を構成する成分としては、熱可
塑性樹脂と、必要に応じて、粘着性付与剤、酸化防止
剤、紫外線吸収剤、着色剤、帯電防止剤、難燃剤、ワッ
クス、可塑剤、充填剤などから構成される。該熱可塑性
樹脂中にはTgが40℃以上130℃以下のポリエステ
ル樹脂が含まれることが好ましく、40℃以上80℃以
下であればさらに好ましい。前記範囲以下である場合に
は、温水での洗濯においてトナーと表面層との接着力が
低下するため、トナーの脱落が起こりやすい。また、前
記範囲を超えると熱転写時にポリエステルが軟化しにく
くなるため、トナーとの接着力向上効果が得られにく
い。その結果、洗濯時にトナーの脱落が起こりやすくな
る。
【0019】前記熱可塑性樹脂のうちポリエステル以外
の成分としては、特に限定されることはないが、熱可塑
性ポリウレタン、ポリアミド、ポリオレフィン、硝酸セ
ルロース、硝酸セルロースなどのセルロース誘導体、ポ
リスチレン、ポリα−メチルスチレンなどのスチレン樹
脂またはスチレン共重合体、ポリ(メタ)アクリル酸メ
チル、ポリ(メタ)アクリル酸エチルなどのアクリル樹
脂、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体、エチレンビニルア
ルコール共重合体などのビニル重合体、テルペン樹脂と
その誘導体、ロジン、ロジン変性マレイン酸樹脂などの
ロジンエステル樹脂、ポリイソプレンゴム、スチレンブ
タジエンゴムなどの天然、または、合成ゴム類、およ
び、各種アイオノマーなどの他、エポキシ樹脂、フェノ
ール樹脂等であれば好ましい。このうち強靱で、かつ伸
縮性もあるポリウレタン樹脂を用いることは、布に転写
したときの風合いが良くなることからより好ましい。
【0020】表面層における熱可塑性樹脂の中に含まれ
るポリエステル樹脂の含有比率は5〜70重量%が好ま
しく、10〜50重量%であればさらに好ましい。前記
範囲以下ではポリエステル樹脂を加えた効果があまり発
現せず、前記範囲以上では膜の伸縮性が低下し、風合い
を損ねるため好ましくない。さらに前記ポリエステル樹
脂の数平均分子量は1500以上4500以下であるこ
とが好ましく、2500以上4500以下であればさら
に好ましい。前記範囲以下では膜にタックがでやすく、
前記範囲以上では膜の伸縮性が低下する傾向にある。数
平均分子量は、測定器 Waters410(メーカー
名 Waters)を用いてGPS法で測定したもので
ある。
【0021】本発明の熱転写シートは、慣用の方法によ
り製造することができる。例えば、所定の基材表面に、
剥離剤などを塗布したり、ポリエチレンなどの界面張力
の小さな樹脂を溶融押出し等することにより所定の厚み
の離型層を形成し、次いで、前記離型層の上に、接着
層、表面層を、所定の厚みに形成して、熱転写シートを
得ることができる。接着層および表面層を形成するに
は、各層を形成する材料を水又は適当な溶剤中に溶解も
しくは分散もしくはエマルジョン化させて調整した塗工
液を、ロールコーター、ブレードコーター、ワイヤーバ
ーコーター、エアナイフコーター、ロッドコーター、コ
ンマコーター、ダイコーター等のコーターを適宜使用し
て支持体上に塗布して形成する。その他、ホットメルト
コーター、ラミネートコーター等を使用して支持体上に
積層して形成しても良い。
【0022】本発明の熱転写シート上に画像を形成する
には、上述したような電子写真方式によるプリンターや
複写機を適用する外にも、オフセット印刷、凸版印刷、
凹版印刷、孔版印刷等の各種の印刷方法、さらに静電記
録、インクジェット記録、感熱転写記録、熱昇華性染料
を用いた感熱転写記録、ドットインパクト記録、手書き
等の記録方法を適宜選択して適用することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、実施例に基づき本発明をよ
り詳細に説明する。なお実施例中の部数は塗料の固形分
中の重量部を表すものである。 実施例1 秤量70g/m2の上質紙にシリコン処理を
施された基材上に、接着層用塗料(A)をコンマコータ
ーで塗布、乾燥して接着層(乾燥塗布量40g/m2
を設けた。
【0024】 [接着層用塗料(A)] タイフォース AG−946HV 100部 (DIC製ポリウレタン)
【0025】上記で得られた接着層の上に、下記組成よ
りなる表面層用塗料(A)をワイヤーバーで塗布、乾燥
して表面層(乾燥塗布量20g/m2)を設けて本発明
の熱転写シート(a)を得た。
【0026】 [表面層用塗料(A)] バイロナールMD1100 5部 (東洋紡製ポリエステル、Tg40℃、Mn3600) ボンディック1850NS(DIC製ポリウレタン) 90部 ニップシールNA(日本シリカ工業製シリカ) 5部
【0027】なお、ポリエステル樹脂の数平均分子量は
GPC測定により算出した。
【0028】上記で得られた熱転写シート(a)をカラ
ーレーザープリンター(EPSONLP8000C)を
使用し、表面層にフルカラー画像を形成した。次にフル
カラー画像を形成された転写膜を基材から剥離し、綿の
白布に転写膜の引き剥がされた面をあて、さらに転写膜
の上にシリコン離型紙を重ねた後、オートプレス機(太
陽精機製、TP−600A)にて140℃、15秒間加
熱プレスを行なった。室温まで冷却した後、シリコン離
型紙を剥離したところ、画像形成された転写膜が完全に
布に転写し、高画質で鮮明な転写画像が綿白布上に得ら
れた。
【0029】次に上記で得られた転写画像付の綿布をJ
IS L0844のC−1S号に準拠した洗濯テストを
行なった。JISの方法と異なる点は、下記の条件であ
る。 綿布のサイズ:6cm×5cm 1回の洗濯枚数:20枚 撹拌容器:直径20cmの撹拌釜 洗濯液量:2000CC 鉄球又はビーズ:なし 撹拌方法:プロペラシャフトを使用。撹拌羽の外径40
mm。撹拌羽の形状は、40mmの円盤の外周部に交互上下
に12枚の小羽が出たもの。 撹拌回転速度:700RPM [評価方法] 膜の風合い 洗濯テスト後の膜の風合いを手感にて評価する。 ○:柔らかくて伸縮性に富む。 △:柔らかさ、伸縮性がやや欠ける。 ×:ゴワツキがあり、伸縮性に欠ける。 洗濯テスト後の色落ち ○:色落ちがない。 △:多少の色落ちが認められる。 ×:色落ちが認められ、画像の損傷が大きい。 評価結果は、表1の通りであった。
【0030】実施例2 実施例1において、表面層用塗
料(A)を表面層用塗料(B)に替えて(乾燥塗布量2
0g/m2)熱転写シート(b)を得た以外はすべて同様
にして実施した。
【0031】 [表面層用塗料(B)] バイロナールMD1500 5部 (東洋紡製ポリエステル、Tg77℃、Mn3500) ボンディック1850NS(DIC製ポリウレタン) 90部 ニップシールNA(日本シリカ工業製シリカ) 5部
【0032】実施例3 秤量70g/m2の上質紙にシ
リコン処理を施された基材上に、接着層用塗料(A)を
コンマコーターで塗布、乾燥して接着層(乾燥塗布量7
0g/m2)を設けた。上記で得られた接着層の上に、
下記組成よりなる表面層用塗料(C)をワイヤーバーで
塗布、乾燥して表面層(乾燥塗布量50g/m2)を設
けて本発明の熱転写シート(c)を得た。
【0033】 [表面層用塗料(C)] バイロナールMD1245 35部 (東洋紡製ポリエステル、Tg61℃、Mn2500) ボンディック1850NS(DIC製ポリウレタン) 35部 R820(堺化学製酸化チタン) 30部
【0034】上記で得られた熱転写シート(c)をカラ
ーレーザープリンター(EPSONLP8000C)を
使用し、表面層にフルカラー画像を形成した。次にフル
カラー画像を形成された転写膜を基材から剥離し、綿の
黒布に転写膜の引き剥がされた面をあて、転写膜の上に
シリコン離型紙を重ねた後、オートプレス機(太陽精機
製、TP−600A)にて140℃、15秒間加熱プレ
スを行なった。室温まで冷却後、離型紙を剥離したとこ
ろ、画像形成された転写膜が完全に布に転写し、高画質
で鮮明な転写画像が綿黒布上に得られた。次に上記で得
られた転写画像付の綿布を実施例1と同じ洗濯テストを
行なった。
【0035】実施例4 実施例3において、表面層用塗
料(C)を表面層用塗料(D)に替えて(乾燥塗布量5
0g/m2熱転写シート(d)を得た以外はすべて同様に
して実施した。
【0036】 [表面層用塗料(D)] ペスレジンA124G 35部 (高松油脂製ポリエステル、Tg55℃、Mn4300) ボンディック1850NS(DIC製ポリウレタン) 35部 R820(堺化学製酸化チタン) 30部
【0037】実施例5 実施例3において、表面層用塗
料(C)を表面層用塗料(E)に替えて(乾燥塗布量5
0g/m2熱転写シート(e)を得た以外はすべて同様に
して実施した。
【0038】 [表面層用塗料(E)] バイロナールMD1200 35部 (東洋紡製ポリエステル、Tg67℃、Mn5000) ボンディック1850NS(DIC製ポリウレタン) 35部 R820(堺化学製酸化チタン) 30部
【0039】実施例6 実施例3において、表面層用塗
料(C)を表面層用塗料(F)に替えて(乾燥塗布量5
0g/m2熱転写シート(f)を得た以外はすべて同様に
して実施した。
【0040】 [表面層用塗料(F)] バイロナールMD1245 50部 (東洋紡製ポリエステル、Tg61℃、Mn2500) ボンディック1850NS(DIC製ポリウレタン) 20部 R820(堺化学製酸化チタン) 30部
【0041】比較例1 実施例1において、表面層用塗
料(A)を表面層用塗料(G)に替えて(乾燥塗布量2
0g/m2熱転写シート(g)を得た以外はすべて同様に
して実施した。
【0042】 [表面層用塗料(G)] ボンディック1850NS(DIC製ポリウレタン) 95部 ニップシールNA(日本シリカ工業製シリカ) 5部
【0043】比較例2 実施例3において、表面層用塗
料(C)を表面層用塗料(H)に替えて(乾燥塗布量5
0g/m2)熱転写シート(h)を得た以外はすべて同様
にして実施した。
【0044】 [表面層用塗料(H)] バイロナールMD1480 35部 (東洋紡製ポリエステル、Tg20℃、Mn2800) ボンディック1850NS(DIC製ポリウレタン) 35部 R820(堺化学製酸化チタン) 30部
【0045】
【表1】[評価結果]
【0046】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の熱転写シ
ートを使って、布に画像を形成した物は、温水を使った
洗濯であっても色落ちがなく、転写後の膜の伸縮性や風
合いも良いという効果が得られる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 剥離可能な基材上に接着層、表面層の少
    なくとも2層を順次積層して転写膜を設けた熱転写シー
    トの転写膜上に画像を形成し、その転写膜を基材より引
    き剥がし、引き剥がされた面を被転写面と相対させて熱
    転写する転写プロセスを用いた熱転写シートにおいて、
    表面層中には熱可塑性樹脂を含み、該熱可塑性樹脂中に
    Tgが40℃以上130℃以下のポリエステル樹脂を含
    有することを特徴とする熱転写シート。
  2. 【請求項2】 表面層に含まれる熱可塑性樹脂のうち、
    ポリエステル樹脂の含有比率が5〜70重量%であるこ
    とを特徴とする請求項1記載の熱転写シート。
  3. 【請求項3】 表面層に含まれるポリエステル樹脂の数
    平均分子量が1500以上4500以下であることを特
    徴とする請求項1または2記載の熱転写シート。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005072956A1 (ja) * 2004-01-13 2005-08-11 Daicel Chemical Industries, Ltd. 転写シート
JP2005298979A (ja) * 2004-04-06 2005-10-27 Daicel Chem Ind Ltd 転写シートを用いた画像転写方法
JP2005320456A (ja) * 2004-05-10 2005-11-17 Daicel Chem Ind Ltd 転写シート及びそれを用いた記録画像の形成方法

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