JP2003191603A - インクジェット記録媒体及び画像記録方法 - Google Patents

インクジェット記録媒体及び画像記録方法

Info

Publication number
JP2003191603A
JP2003191603A JP2001390860A JP2001390860A JP2003191603A JP 2003191603 A JP2003191603 A JP 2003191603A JP 2001390860 A JP2001390860 A JP 2001390860A JP 2001390860 A JP2001390860 A JP 2001390860A JP 2003191603 A JP2003191603 A JP 2003191603A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
recording medium
silica
inkjet recording
ink
ink jet
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001390860A
Other languages
English (en)
Inventor
Shinichi Suzuki
眞一 鈴木
Hidenobu Oya
秀信 大屋
Makoto Kaga
誠 加賀
Teruyuki Fukuda
輝幸 福田
Shuji Kida
修二 木田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Konica Minolta Inc filed Critical Konica Minolta Inc
Priority to JP2001390860A priority Critical patent/JP2003191603A/ja
Publication of JP2003191603A publication Critical patent/JP2003191603A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Ink Jet Recording Methods And Recording Media Thereof (AREA)
  • Ink Jet (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 インク吸収速度が速く、折り曲げ耐性が良好
なインクジェット記録媒体及びそれを用いた画像記録方
法を提供すること。 【解決手段】 支持体上に無機顔料、水溶性バインダー
を含有するインク吸収層を有し、無機顔料と水溶性バイ
ンダーの比率が質量比で3:1〜9:1であり、亀裂限
界径が10〜45mmの範囲内にあることを特徴とする
インクジェット記録媒体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はインクジェット記録
媒体(以下、単に記録媒体ともいう)及びその画像記録
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、インクジェット記録においては、
高画質、高速印字が求められてきている。その為には、
インク吸収量及びインク吸収速度を高め、光沢性等を改
良したがインクジェット記録媒体が必要になる。
【0003】また画像の連続作製では、シートではなく
ロール紙の必要性が高まってきている。
【0004】膨潤型インク吸収層を有するインクジェッ
ト記録媒体は光沢性に優れ、また記録媒体を丸めたり、
ロール状形態でも、折れ曲げには強いが、インク吸収速
度が遅い。インク吸収速度の低下はカラーブリード、あ
るいはビーディングが発生し、画質劣化を引き起こす。
【0005】少量の水溶性バインダーと架橋剤、及び多
量の無機顔料で構成される多孔質な空隙層からなるイン
ク吸収層を設けるインクジェット記録媒体は、インク吸
収速度が速く高画質を得られるが、インク吸収層に多数
の空隙を有するため、記録媒体をきつく丸めたり、空気
が乾燥しているときなどは、割れやすく記録媒体表面に
細かなひびが発生し、画質を損ねる。
【0006】一方、水溶性バインダーは、これをインク
吸収層に含有させておくことで安定な皮膜性を形成させ
ることができる。しかしながら水溶性バインダーが多す
ぎると、インク吸収時に水溶性バインダー自身がインク
吸収初期に膨潤して空隙を塞いでインク吸収速度を大き
く低下させてしまう。
【0007】このように折れ曲げ耐性とインク吸収速度
を両立させることが非常に困難であった。
【0008】近年、商業用プリンター(大判プリンタ
ー)だけでなく、写真画質の連続記録の必要性から、パ
ーソナルユースのプリンターでもシート状記録媒体が使
われ始めている。ロール状の記録媒体では、保存時やプ
リンターでの記録時において、折り曲げた状態にした
り、更にそれを搬送するために張力を与えたりするの
で、シート状記録媒体に比べどうしても折れたりひびが
発生しやすい。また、ロール状記録媒体用のコア芯の直
径も装置の大きさの制約等から小さいものが求められ、
こうした条件でも高い折り曲げ耐性が求められる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記事情に鑑
みてなされたものであり、その目的はインク吸収速度が
速く、且つ折れ曲げ耐性の良好なインクジェット記録媒
体及びそれを用いた画像記録方法を提供することにあ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、下
記構成により達成される。
【0011】1)支持体上に無機顔料、水溶性バインダ
ーを含有するインク吸収層を有し、無機顔料と水溶性バ
インダーの比率が質量比で3:1〜9:1であり、亀裂
限界径が10〜45mmの範囲内にあることを特徴とす
るインクジェット記録媒体。
【0012】2)インク吸収層に融点40℃以下の疎水
性有機化合物を有する油滴を含有することを特徴とする
前記1)に記載のインクジェット記録媒体。
【0013】3)インク吸収層にTgが20℃以下で且
つポリビニールアルコールを分散剤としたエマルジョン
樹脂を有することを特徴とする前記1)に記載のインク
ジェット記録媒体。
【0014】4)インク吸収層の上に熱可塑性樹脂を含
有する表層を有することを特徴とする前記1)〜3)の
いずれか1項に記載のインクジェット記録媒体。
【0015】5)表層に無機顔料、水溶性バインダーを
含有し、無機顔料と水溶性バインダーの比率が質量比で
3:1〜9:1であることを特徴とする前記4)に記載
のインクジェット記録媒体。
【0016】6)表層に融点40℃以下の疎水性有機化
合物を有する油滴を含有すことを特徴とする前記4)ま
たは5)に記載のインクジェット記録媒体。
【0017】7)ロール状であることを特徴とする前記
1)〜6)のいずれか1項に記載のインクジェット記録
媒体。
【0018】8)直径が10cm以下のコア芯に前記
7)に記載のインクジェット記録媒体を巻きつけて記録
する画像記録方法。
【0019】以下、本発明について詳述する。一般に、
インク吸収層としては、大きく別けて膨潤型と空隙型が
ある。
【0020】空隙型はインク吸収層が、主に水溶性バイ
ンダーと無機顔料の軟凝集により形成されるものであ
る。
【0021】従来より、皮膜中に空隙を形成する方法は
種々知られており、例えば二種以上のポリマーを含有す
る均一な塗布液を支持体上に塗布し、乾燥過程でこれら
のポリマーを互いに相分離させて空隙を形成する方法、
固体微粒子および親水性または疎水性樹脂を含有する塗
布液を支持体上に塗布し、乾燥後に、インクジェット記
録媒体を水或いは適当な有機溶媒を含有する液に浸漬
し、固体微粒子を溶解させて空隙を作製する方法、皮膜
形成時に発泡する性質を有する化合物を含有する塗布液
を塗布後、乾燥過程でこの化合物を発泡させて皮膜中に
空隙を形成する方法、多孔質微粒子と水溶性バインダー
を含有する塗布液を支持体上に塗布し、多孔質微粒子中
や微粒子間に空隙を形成する方法、水溶性バインダーに
対して、概ね等量以上の容積を有する固体微粒子及びま
たは微粒子油滴と水溶性バインダーを含有する塗布液を
支持体上に塗布し、固体微粒子の間に空隙を形成する方
法等が知られている。
【0022】本発明においては、支持体上のインク吸収
層は無機顔料および水溶性バインダーに含有し、空隙層
を形成している。本発明において、無機顔料と水溶性バ
インダーの質量比は3:1〜9:1であり、インクジェ
ット記録媒体自身の亀裂限界径は以下の方法で測定して
10〜45mmの範囲にある。
【0023】インクジェット記録媒体を23℃、相対湿
度20%で24時間調湿した後、直径が5、10、1
5、20、25、30、35、40、45、50mmの
円筒状のアルミ製ローラーに巻きつけ、表層に亀裂が生
じ始めるローラー径の直径を亀裂限界直径とする。折れ
ない場合は0mmとする。
【0024】上記の目的で使用される無機顔料として
は、例えば軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、
炭酸マグネシウム、カオリン、クレー、タルク、硫酸カ
ルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、水
酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、ハイドロタルサイト、
珪酸アルミニウム、ケイソウ土、珪酸カルシウム、珪酸
マグネシウム、合成非晶質シリカ、コロイダルシリカ、
アルミナ、コロイダルアルミナ、擬ベーマイト、水酸化
アルミニウム、リトポン、ゼオライト、水酸化マグネシ
ウム等の白色無機顔料等を挙げることができる。
【0025】無機顔料としては、シリカ、及びアルミナ
またはアルミナ水和物から選ばれた固体微粒子を用いる
ことが特に好ましい。
【0026】本発明で用いることのできるシリカとして
は、通常の湿式法で合成されたシリカ、コロイダルシリ
カ或いは気相法で合成されたシリカ等が好ましく用いら
れるが、特に好ましく用いられる微粒子シリカとして
は、コロイダルシリカまたは気相法で合成された微粒子
シリカが好ましく、中でも気相法により合成された微粒
子シリカは、高い空隙率が得られるだけでなく、染料を
固定化する目的で用いられるカチオン性ポリマーに添加
したときに、粗大凝集体が形成されにくいので好まし
い。また、アルミナまたはアルミナ水和物は、結晶性で
あっても非晶質であってもよく、また不定形粒子、球状
粒子、針状粒子など任意の形状のものを使用することが
できる。
【0027】無機顔料は、カチオン性ポリマーと混合す
る前の微粒子分散液が一次粒子まで分散された状態であ
るのが好ましい。
【0028】無機顔料は、その粒径が100nm以下で
あることが好ましい。例えば、上記気相法微粒子シリカ
の場合、一次粒子の状態で分散された無機顔料の一次粒
子の平均粒径(塗設前の分散液状態での粒径)は、10
0nm以下のものが好ましく、より好ましくは4〜50
nm、最も好ましくは4〜20nmである。
【0029】最も好ましく用いられる、一次粒子の平均
粒径が4〜20nmである気相法により合成されたシリ
カとしては、例えば日本アエロジル社製のアエロジルが
市販されている。この気相法微粒子シリカは、水中に、
例えば三田村理研工業株式会社製のジェットストリーム
インダクターミキサーなどにより、容易に吸引分散する
ことで、比較的容易に一次粒子まで分散することができ
る。
【0030】本発明で用いることのできる水溶性バイン
ダーとしては、例えばポリビニルアルコール、ゼラチ
ン、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルピロリドン、
ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリウレタン、
デキストラン、デキストリン、寒天、プルラン、水溶性
ポリビニルブチラール、ヒドロキシエチルセルロース、
カルボキシメチルセルロース等が挙げられる。これらの
水溶性バインダーは、二種以上併用することも可能であ
る。
【0031】本発明で好ましく用いられる水溶性バイン
ダーは、ポリビニルアルコールである。
【0032】ポリビニルアルコールには、ポリ酢酸ビニ
ルを加水分解して得られる通常のポリビニルアルコール
の他に、末端をカチオン変性したポリビニルアルコール
やアニオン性基を有するアニオン変性ポリビニルアルコ
ール等の変性ポリビニルアルコールも含まれる。
【0033】酢酸ビニルを加水分解して得られるポリビ
ニルアルコールは、平均重合度が1,000以上のもの
が好ましく用いられ、特に平均重合度が1,500〜
5,000のものが好ましく用いられる。また、ケン化
度は70〜100%のものが好ましく、80〜99.5
%のものが特に好ましい。
【0034】カチオン変性ポリビニルアルコールとして
は、例えば特開昭61−10483号に記載されている
ような、第一〜三級アミノ基や第四級アンモニウム基を
上記ポリビニルアルコールの主鎖または側鎖中に有する
ポリビニルアルコールであり、カチオン性基を有するエ
チレン性不飽和単量体と酢酸ビニルとの共重合体をケン
化することにより得られる。
【0035】カチオン性基を有するエチレン性不飽和単
量体としては、例えばトリメチル−(2−アクリルアミ
ド−2,2−ジメチルエチル)アンモニウムクロライ
ド、トリメチル−(3−アクリルアミド−3,3−ジメ
チルプロピル)アンモニウムクロライド、N−ビニルイ
ミダゾール、N−ビニル−2−メチルイミダゾール、N
−(3−ジメチルアミノプロピル)メタクリルアミド、
ヒドロキシルエチルトリメチルアンモニウムクロライ
ド、トリメチル−(2−メタクリルアミドプロピル)ア
ンモニウムクロライド、N−(1,1−ジメチル−3−
ジメチルアミノプロピル)アクリルアミド等が挙げられ
る。
【0036】カチオン変性ポリビニルアルコールのカチ
オン変性基含有単量体の比率は、酢酸ビニルに対して
0.1〜10モル%、好ましくは0.2〜5モル%であ
る。
【0037】アニオン変性ポリビニルアルコールは、例
えば特開平1−206088号に記載されているような
アニオン性基を有するポリビニルアルコール、特開昭6
1−237681号および同63−307979号に記
載されているような、ビニルアルコールと水溶性基を有
するビニル化合物との共重合体及び特開平7−2852
65号に記載されているような水溶性基を有する変性ポ
リビニルアルコールが挙げられる。
【0038】また、ノニオン変性ポリビニルアルコール
としては、例えば特開平7−9758号に記載されてい
るようなポリアルキレンオキサイド基をビニルアルコー
ルの一部に付加したポリビニルアルコール誘導体、特開
平8−25795号に記載されている疎水性基を有する
ビニル化合物とビニルアルコールとのブロック共重合体
等が挙げられる。ポリビニルアルコールは、重合度や変
性の種類違いなど二種類以上を併用することもできる。
【0039】本発明に係る融点が40℃以下の疎水性有
機化合物を有する油滴は、通常、室温で水に対する溶解
度が0.1質量%以下、特に好ましくは0.01質量%
以下であって融点が40℃以下の疎水性有機化合物であ
る。なお、下限は−40℃でありそれ以上が望ましい。
そのような疎水性有機化合物は、通常、疎水性高沸点有
機溶媒として知られている有機化合物や、融点が40℃
以下の疎水性ポリマーが挙げられる。
【0040】例えば、フタル酸エステル類(ジブチルフ
タレート、ジオクチルフタレート、ジイソデシルフタレ
ート等)、リン酸エステル類(トリクレジルホスフェー
ト、トリオクチルフォスフェート等)、脂肪酸エステル
類(ステアリン酸ブチル、セバチン酸ビス(2−エチル
ヘキシル)、エチレングリコールジステアレート、グリ
セロールトリブチレート等)、アミド類(N,N−ジエ
チルラウリルアミド、N、N−ジエチル−2−(2,5
−ジ−t−アミルフェノキシ)ブタンアミド等)、エー
テル類(エチレングリコールジブチルエーテル、デシル
エーテル、ジベンジルエーテル等)、シリコンオイルお
よび流動パラフィン等を挙げることが出来る。
【0041】本発明に係るTgが20℃以下で且つポリ
ビニールアルコールを分散剤としたエマルジョン樹脂に
おいて、分散剤として使用されるポリビニルアルコール
は、ポリ酢酸ビニルを加水分解して得られる通常のポリ
ビニルアルコールの他に、カチオン変性したポリビニル
アルコールやカルボキシル基のようなアニオン性基を有
するアニオン変性ポリビニルアルコール、シリル基を有
するシリル変性ポリビニルアルコール等の変性ポリビニ
ルアルコールも含まれる。ポリビニルアルコールの平均
重合度としては、300〜5000のものが好ましく、
ケン化度は70〜100モル%のものが好ましい。
【0042】ポリビニールアルコールで乳化重合される
樹脂としては、アクリル酸エステル、メタクリル酸エス
テル、ビニル系化合物、スチレン系化合物といったエチ
レン系単量体、ブタジエン、イソプレンといったジエン
系化合物の単独重合体または共重合体が挙げられ、例え
ばアクリル系樹脂、スチレン−ブタジエン系樹脂、エチ
レン−酢酸ビニル系樹脂等が挙げられる。
【0043】これらエマルジョン樹脂は、空隙層形成時
に柔軟性を付与するものであり、室温でも柔軟な性質を
持つものが適しており、より好ましくは室温で融着して
当該層を形成するものであって、このときエマルジョン
樹脂をフィルム化した場合のTgが20℃以下であるこ
とが好ましく、−40〜10℃であることがより好まし
い。
【0044】本発明に係る熱可塑性樹脂としては、例え
ばポリカーボネート、ポリアクリロニトリル、ポリスチ
レン、ポリアクリル酸、ポリメタアクリル酸、ポリ塩化
ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、ポリエ
ステル、ポリアミド、ポリエーテル、これらの共重合体
及びこれらの塩が挙げられる。中でも、スチレン−アク
リル酸エステル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重
合体、塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体、エチ
レン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エス
テル共重合体、SBRラテックスが好ましい。
【0045】また、熱可塑性樹脂は、モノマー組成及び
粒径、重合度が違う複数の重合体を混合して用いてもよ
い。
【0046】熱可塑性樹脂を選択するに際しては、イン
ク吸収性、加熱及び加圧による定着後の画像の光沢性、
画像堅牢性及び離型性を考慮すべきである。
【0047】インク吸収性については、熱可塑性樹脂の
粒径が0.05μm未満の場合は、顔料インク中の顔料
粒子とインク溶媒の分離が遅くなり、インク吸収速度の
低下を招くことになる。また、10μmを越えると、塗
設乾燥後のインクジェット記録媒体の皮膜強度の点及び
光沢劣化の点から好ましくない。このために好ましい熱
可塑性樹脂径としては好ましくは0.05〜10μm、
より好ましくは0.1〜5μmである。更に好ましく
は、0.1〜1μmである。
【0048】また、熱可塑性樹脂の選択の基準として
は、ガラス転移点(Tg)が挙げられる。Tgが塗布乾
燥温度より低い場合は、例えば、記録媒体製造時の塗布
乾燥温度が既にTgより高く、インク溶媒が透過するた
め、熱可塑性樹脂による空隙が消失してしまう。またT
gが、支持体の熱による変性を起こす温度以上の場合
は、顔料インクによるインクジェット記録後、溶融、成
膜するためには、高温での定着操作が必要となり、装置
上の負荷及び支持体の熱安定性等が問題となる。熱可塑
性樹脂の好ましいTgは50〜150℃である。
【0049】また、最低造膜温度(MFT)としては、
50〜150℃のものが好ましい。熱可塑性樹脂は、環
境適性の観点からは水系に分散されたものが好ましく、
特に、乳化重合により得られた水系ラテックスが好まし
い。この際、ノニオン系分散剤を乳化剤として用いて乳
化重合したタイプは、好ましく用いることができる形態
である。また、用いる熱可塑性樹脂は、臭気および安全
性の観点から、残存するモノマー成分が少ない方が好ま
しく、重合体の固形分に対して3質量%以下が好まし
く、1質量%以下がより好ましい、更に好ましくは0.
1質量%以下である。
【0050】表層に含有される熱可塑性樹脂の固形分量
としては、2g/m2以上、20g/m2以下であること
が好ましく、より好ましくは2〜15g/m2の範囲、
更に好ましくは2.5〜10g/m2の範囲である。熱
可塑性樹脂の固形分量が少なすぎると、充分な皮膜が形
成されず、顔料を充分に皮膜中に分散することができな
い。このため、画質、光沢が充分に向上しない。また、
熱可塑性樹脂の固形分量が多すぎると、短時間の加熱工
程で熱可塑性樹脂を完全に皮膜化できず、微粒子のまま
残り不透明性がありかえって画質が低下する。また、イ
ンク吸収速度も低下させてしまい境界にじみが発生し問
題となる。
【0051】本発明でいう表層とは、最表面層に限定さ
れることはなく、本発明の効果が発現する構成であれ
ば、特に限定されるものではない。本発明のインクジェ
ット記録媒体は、画像記録後、例えば加熱により表層に
含まれる熱可塑性樹脂を溶融、皮膜化することで、本発
明の効果の多くが発現されるものである。例えば、染料
インクでプリントする場合、画像記録後の加熱処理の有
無で、耐光性、あるいは耐水性が向上するのであれば、
熱可塑性樹脂、あるいは無機顔料及び熱可塑性樹脂が含
まれている層が最表層でなくとも、その構成は本発明に
該当するものである。
【0052】また、顔料インクでプリントする場合、画
像記録後の加熱処理の有無で画質、例えば光沢性が向上
したり、耐擦性が向上したり、ブロンジングの程度が改
良されていれば、熱可塑性樹脂、あるいは無機顔料及び
熱可塑性樹脂が含まれている層が最表層でなくとも、そ
の構成は本発明に該当するものである。
【0053】本発明で用いることのできる硬化剤として
は、水溶性バインダーと硬化反応を起こすものであれば
特に制限はないが、ホウ酸及びその塩が好ましいが、そ
の他にも公知のものが使用でき、一般的には水溶性バイ
ンダーと反応し得る基を有する化合物あるいは水溶性バ
インダーが有する異なる基同士の反応を促進するような
化合物であり、水溶性バインダーの種類に応じて適宜選
択して用いられる。
【0054】硬化剤の具体例としては、例えばエポキシ
系硬化剤(ジグリシジルエチルエーテル、エチレングリ
コールジグリシジルエーテル、1,4−ブタンジオール
ジグリシジルエーテル、1,6−ジグリシジルシクロヘ
キサン、N,N−ジグリシジル−4−グリシジルオキシ
アニリン、ソルビトールポリグリシジルエーテル、グリ
セロールポリグリシジルエーテル等)、アルデヒド系硬
化剤(ホルムアルデヒド、グリオキザール等)、活性ハ
ロゲン系硬化剤(2,4−ジクロロ−4−ヒドロキシ−
1,3,5,−s−トリアジン等)、活性ビニル系化合
物(1,3,5−トリスアクリロイル−ヘキサヒドロ−
s−トリアジン、ビスビニルスルホニルメチルエーテル
等)、アルミニウム明礬等が挙げられる。
【0055】ホウ酸またはその塩とは、硼素原子を中心
原子とする酸素酸およびその塩のことをいい、具体的に
は、オルトホウ酸、二ホウ酸、メタホウ酸、四ホウ酸、
五ホウ酸および八ホウ酸およびそれらの塩が挙げられ
る。硬化剤としてのホウ素原子を有するホウ酸およびそ
の塩は、単独の水溶液でも、また、2種以上を混合して
使用しても良い。特に好ましいのはホウ酸とホウ砂の混
合水溶液である。ホウ酸とホウ砂の水溶液は、それぞれ
比較的希薄水溶液でしか添加することが出来ないが両者
を混合することで濃厚な水溶液にすることが出来、塗布
液を濃縮化する事が出来る。また、添加する水溶液のp
Hを比較的自由にコントロールすることが出来る利点が
ある。
【0056】本発明のインクジェット記録媒体には、記
録後の保存による画像のにじみを防止する目的でカチオ
ン性ポリマーが好ましく用いられる。
【0057】カチオン性ポリマーの例としては、ポリエ
チレンイミン、ポリアリルアミン、ポリビニルアミン、
ジシアンジアミドポリアルキレンポリアミン縮合物、ポ
リアルキレンポリアミンジシアンジアミドアンモニウム
塩縮合物、ジシアンジアミドホルマリン縮合物、エピク
ロルヒドリン・ジアルキルアミン付加重合物、ジアリル
ジメチルアンモニウムクロライド重合物、ジアリルジメ
チルアンモニウムクロライド・SO2共重合物、ポリビ
ニルイミダゾール、ビニルピロリドン・ビニルイミダゾ
ール共重合物、ポリビニルピリジン、ポリアミジン、キ
トサン、カチオン化澱粉、ビニルベンジルトリメチルア
ンモニウムクロライド重合物、(2−メタクロイルオキ
シエチル)トリメチルアンモニウムクロライド重合物、
ジメチルアミノエチルメタクリレート重合物などが挙げ
られる。
【0058】本発明に係る支持体としては、従来からイ
ンクジェット記録媒体に用いられている支持体、例えば
普通紙、アート紙、コート紙およびキャストコート紙な
どの紙支持体、プラスティック支持体、両面をポリオレ
フィンで被覆した紙支持体、これらを張り合わせた複合
支持体等を、適宜選択して用いることができる。
【0059】本発明のインクジェット記録媒体では、支
持体とインク吸収層との接着強度を高める等の目的で、
インク吸収層の塗布に先立って、支持体にコロナ放電処
理や下引処理等を行うことが好ましい。更に、本発明の
記録媒体は必ずしも無色である必要はなく、着色された
記録用紙であってもよい。
【0060】本発明のインクジェット記録媒体では、原
紙支持体の両面をポリエチレン等でラミネートした紙支
持体を用いることが、記録画像が写真画質に近く、かつ
低コストで高品質の画像が得られるため、特に好まし
い。そのようなポリエチレンでラミネートした紙支持体
について、以下に説明する。
【0061】紙支持体に用いられる原紙は、木材パルプ
を主原料とし、必要に応じて、木材パルプに加えてポリ
プロピレンなどの合成パルプあるいはナイロンやポリエ
ステルなどの合成繊維を用いて抄紙される。木材パルプ
としては、LBKP、LBSP、NBKP、NBSP、
LDP、NDP、LUKP、NUKPのいずれも用いる
ことができるが、短繊維分の多いLBKP、NBSP、
LBSP、NDP、LDPをより多く用いることが好ま
しい。ただし、LBSPおよびまたはLDPの比率は1
0質量%以上、70質量%以下が好ましい。
【0062】上記パルプには、不純物の少ない化学パル
プ(硫酸塩パルプや亜硫酸塩パルプ)が好ましく用いら
れ、また、漂白処理を行って白色度を向上させたパルプ
も有用である。原紙中には、高級脂肪酸、アルキルケテ
ンダイマー等のサイズ剤、炭酸カルシウム、タルク、酸
化チタンなどの白色顔料、スターチ、ポリアクリルアミ
ド、ポリビニルアルコール等の紙力増強剤、蛍光増白
剤、ポリエチレングリコール類等の水分保持剤、分散
剤、四級アンモニウム等の柔軟化剤などを適宜添加する
ことができる。
【0063】本発明のインクジェット記録用紙のインク
吸収層側の任意の層中には、必要に応じて各種の添加剤
を含有させることが出来る。
【0064】例えば、特開昭57−74193号、同5
7−87988号及び同62−261476号に記載の
紫外線吸収剤、特開昭57−74192号、同57−8
7989号、同60−72785号、同61−1465
91号、特開平1−95091号及び同3−13376
号等に記載されている退色防止剤、アニオン、カチオン
またはノニオンの各種界面活性剤、特開昭59−429
93号、同59−52689号、同62−280069
号、同61−242871号および特開平4−2192
66号等に記載されている蛍光増白剤、硫酸、リン酸、
酢酸、クエン酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、
炭酸カリウム等のpH調整剤、消泡剤、ジエチレングリ
コール等の潤滑剤、防腐剤、増粘剤、帯電防止剤、マッ
ト剤等の公知の各種添加剤を含有させることもできる。
【0065】本発明において、ロール状の記録媒体であ
るとき、より効果が発揮される。ここでいうロール状の
記録媒体とは、コア芯に長尺状の記録媒体を巻きつけた
ものいう。コア芯の直径(外径)は特に制限されない
が、装置全体が大きくなり過ぎないようコア芯の直径が
10cm以下であることが好ましい。より好ましくは1
0cm以下、2cm以上である。ロール幅としては、特
に制限はないが、5〜120cmの範囲で選択できる。
また、ロール状の記録媒体の長さも特に制限はないが、
5〜200mの範囲で選択できる。
【0066】次に、本発明のインクジェット記録媒体の
製造方法について説明する。インクジェット記録媒体の
製造方法としては、インク吸収層を含む各構成層を、各
々単独にあるいは同時に、公知の塗布方式から適宜選択
して、支持体上に塗布、乾燥して製造することができ
る。塗布方式としては、例えばロールコーティング法、
ロッドバーコーティング法、エアナイフコーティング
法、スプレーコーティング法、カーテン塗布方法、ある
いは米国特許第2,761,419号、同第2,76
1,791号に記載のホッパーを使用するスライドビー
ド塗布方法、エクストルージョンコート法等が好ましく
用いられる。
【0067】同時重層塗布を行う際の各塗布液の粘度と
しては、スライドビード塗布方式を用いる場合には、5
〜100mPa・sの範囲が好ましく、更に好ましくは
10〜50mPa・sの範囲である。また、カーテン塗
布方式を用いる場合には、5〜1200mPa・sの範
囲が好ましく、更に好ましくは25〜500mPa・s
の範囲である。
【0068】また、塗布液の15℃における粘度として
は、100mPa・s以上が好ましく、100〜30,
000mPa・sがより好ましく、更に好ましくは3,
000〜30,000mPa・sであり、最も好ましい
のは10,000〜30,000mPa・sである。
【0069】塗布および乾燥方法としては、塗布液を3
0℃以上に加温して、同時重層塗布を行った後、形成し
た塗膜の温度を1〜15℃に一旦冷却し、10℃以上で
乾燥することが好ましい。塗布液調製時、塗布時及び乾
燥時おいて、表層に含まれる熱可塑性樹脂が製膜しない
ように、該熱可塑性樹脂のTg以下の温度で塗布液の調
製、塗布、乾燥することが好ましい。より好ましくは、
乾燥条件として、湿球温度5〜50℃、膜面温度10〜
50℃の範囲の条件で行うことである。また、塗布直後
の冷却方式としては、形成された塗膜均一性の観点か
ら、水平セット方式で行うことが好ましい。
【0070】また、その製造過程で35℃以上、70℃
以下の条件で24時間以上、60日以下保存する工程を
有することが好ましい。
【0071】加温条件は、35℃以上、70℃以下の条
件で24時間以上、60日以下保存する条件であれば特
に制限はないが、好ましい例としては、例えば、36℃
で3日〜4週間、40℃で2日〜2週間、あるいは55
℃で1〜7日間である。この熱処理を施すことにより、
水溶性バインダーの硬化反応の促進、あるいは水溶性バ
インダーの結晶化を促進することができ、その結果、好
ましいインク吸収性を達成することができる。
【0072】本発明のインクジェット記録媒体を用いて
画像記録する際には、水性インクを用いた記録方法が好
ましく用いられ、水性インクとしては水性染料インクで
あっても水性顔料インクであってもよい。水性染料イン
クまたは水性顔料インクとは、下記着色剤および液媒
体、その他の添加剤を有する記録液体である。
【0073】着色剤としては、インクジェットで公知の
直接染料、酸性染料、塩基性染料、反応性染料あるいは
食品用色素等の水溶性染料、あるいはアゾ顔料、フタロ
シアニン顔料、染料レーキ等の有機顔料やカーボンブラ
ック等の無機顔料といった水性顔料を使用することがで
きる。
【0074】その他の水性インクの添加剤としては、例
えば水溶性有機溶剤(プロパノール、ヘキサノール、エ
チレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリ
ン、ヘキサンジオール、尿素等)、界面活性剤、水溶性
ポリマー、防腐剤、防黴剤、粘度調整剤、pH調整剤等
を挙げることができる。
【0075】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明
するが、本発明はこれらに限定されるものではない。な
お、実施例中に記載の%表示は、特に断りのない限り質
量%を表す。
【0076】《シリカ分散液−1の調製》1次粒子の平
均粒径が約0.012μmの気相法シリカ(株式会社ト
クヤマ製:QS−20)125kgを、三田村理研工業
株式会社製のジェットストリーム・インダクターミキサ
ーTDSを用いて、硝酸でpHを2.5に調整した62
0Lの純水中に室温で吸引分散した後、純水で全量を6
94Lに仕上げ、シリカ分散液−1を調製した。
【0077】《シリカ分散液−2の調製》カチオン性ポ
リマー(P−1)1.14kg、エタノール2.2L、
n−プロパノール1.5Lを含有する水溶液(pH=
2.3)18Lに、上記シリカ分散液−1の69.4L
を攪拌しながら添加し、次いでホウ酸260gとホウ砂
230gを含む水溶液7.0Lを添加し、更に消泡剤S
N381(サンノプコ株式会社製)を1g添加した。こ
の混合液を、三和工業株式会社製の高圧ホモジナイザー
で分散し、全量を純水で97Lに仕上げて、シリカ分散
液−2を調製した。
【0078】《油滴の調製》ジイソデシルフタレート
(mp=−53℃)20gと酸化防止剤(AO−1)2
0gとを45gの酢酸エチルに加熱溶解し、酸処理ゼラ
チン8g、カチオン性ポリマー(P−1)2.9gおよ
びサポニン10.5gとを含有するゼラチン水溶液21
0mlと55℃で混合し、高圧ホモジナイザーで乳化分
散した後、全量を純水で300mlに仕上げて、油滴を
調整した。
【0079】
【化1】
【0080】《エマルジョン樹脂の合成》5%ポリビニ
ールアルコール水溶液(重合度1700、けん化度8
8.5モル%)400gをpH3.5に調整し、撹拌し
ながらメタクリル酸メチル50gとアクリル酸ブチル5
0gを加えて60℃に昇温し、5%過硫酸アンモニウム
水溶液10gを添加して重合を開始した。15分後、メ
タクリル酸ブチル100gとアクリル酸ブチル100g
を3時間かけて徐々に添加し、5時間後、重合率が9
9.9%となったところで冷却した。これをpH7.0
に中和し、エマルジョン樹脂を合成した。このエマルジ
ョン樹脂を真空乾燥機にて60℃で乾燥し、示差走査熱
容量計によりTgを測定したところ、5℃であった。
【0081】《シリカ塗布液−1の調製》上記調製した
シリカ分散液−2を用いて、下記のシリカ塗布液を調製
した。
【0082】シリカ分散液−2の600mlを40℃で
攪拌しながら、以下の添加剤を順次混合して、シリカ塗
布液−1とした。
【0083】 ポリビニルアルコール(クラレ工業株式会社製:PVA235)の10%水溶 液 130ml 純水で全量を1000mlに仕上げた。
【0084】《シリカ塗布液−2の調製》上記調製した
油滴を更に30ml添加した以外は、シリカ塗布液−1
と同様にしてシリカ塗布液−2を調製した。
【0085】《シリカ塗布液−3の調製》上記シリカ分
散液−2の600mlを40℃で攪拌しながら、以下の
添加剤を順次混合して、シリカ塗布液−3とした。
【0086】 ポリビニルアルコール(クラレ工業株式会社製:PVA235)の10%水溶 液 100ml 上記合成エマルジョン樹脂 6.0g 純水で全量を1000mlに仕上げた。
【0087】《シリカ塗布液−4の調製》上記調製した
油滴を更に30ml添加した以外は、シリカ塗布液−3
と同様にしてシリカ塗布液−4を調製した。
【0088】《シリカと熱可塑性樹脂の混合塗布液−1
の調製》上記シリカ塗布液−1、600mlに、ポリビ
ニールアルコール水溶液を乳化剤として用いて乳化重合
したスチレン−アクリル系ラテックスポリマー(Tg7
8℃、平均粒径0.2μm、固形分濃度50%)を熱可
塑性樹脂とし、6%硝酸水溶液でpH4.7に調整し、
シリカと熱可塑性樹脂の質量比が1:1となるようにし
て、40℃で撹拌しながら添加、混合した。これを純水
で全量を1000mlに仕上げて、シリカと熱可塑性樹
脂の混合塗布液−1を調製した。
【0089】《シリカと熱可塑性樹脂の混合塗布液−2
の調製》シリカ塗布液−1に添加する10%ポリビニル
アルコールを110mlに変更した以外は、同様にして
調製したシリカ塗布液を用いて、シリカと熱可塑性樹脂
の混合塗布液−1の調製と同様にして、シリカと熱可塑
性樹脂の混合塗布液−2を調製した。
【0090】《シリカと熱可塑性樹脂の混合塗布液−3
の調製》上記調製した油滴を更に30ml添加した以
外、シリカと熱可塑性樹脂の混合塗布液−1と同様にし
て、シリカと熱可塑性樹脂の混合塗布液−3を調製し
た。
【0091】《シリカと熱可塑性樹脂の混合塗布液−4
の調製》上記調製した油滴を更に30ml添加した以
外、シリカと熱可塑性樹脂の混合塗布液−2と同様にし
て、シリカと熱可塑性樹脂の混合塗布液−4を調製し
た。
【0092】〔インクジェット記録媒体−1の作製〕支
持体として、坪量が170g/m2の原紙の両面をポリ
エチレンで被覆したポリエチレンコート紙(インク吸収
層側のポリエチレン層には8質量%のアナターゼ型酸化
チタンを含有し、また、インク吸収層面側に0.05g
/m2のゼラチン下引き層を設け、その反対側にはTg
が約80℃のラテックスポリマーを0.2g/m2含有
するバック層を設けた。)のポリエチレンコート面側か
ら上記調製したシリカ塗布液−1を、湿潤膜厚が200
μmになるように塗布し、約7℃に一度冷却した後、2
0〜65℃の温風を吹き付けて乾燥し、本発明のインク
ジェット記録媒体−1を作製した。
【0093】〔インクジェット記録媒体−2〜4の作
製〕シリカ塗布液−1に添加する10%ポリビニルアル
コールを110ml、95ml、195mlに変更する
以外は、同様にして調製したシリカ塗布液を用いて、イ
ンクジェット記録媒体−1と同様にして、本発明のイン
クジェット記録媒体2〜4を作製した。
【0094】〔インクジェット記録媒体−5の作製〕上
記シリカ塗布液−2を用いる以外は、上記インクジェッ
ト記録媒体−1と同様にして、本発明のインクジェット
記録媒体−5を作製した。
【0095】〔インクジェット記録媒体−6の作製〕シ
リカ塗布液−2に添加する10%ポリビニルアルコール
を110mlに変更する以外は、同様にして調製したシ
リカ塗布液を用いて、インクジェット記録媒体−1と同
様にして、本発明のインクジェット記録媒体−6を作製
した。
【0096】〔インクジェット記録媒体−7の作製〕上
記シリカ塗布液−3を用いる以外は、上記インクジェッ
ト記録媒体−1と同様にして、本発明のインクジェット
記録媒体−7を作製した。
【0097】〔インクジェット記録媒体−8の作製〕上
記シリカ塗布液−4を用いる以外は、上記インクジェッ
ト記録媒体−1と同様にして、本発明のインクジェット
記録媒体−8を作製した。
【0098】〔インクジェット記録媒体−9の作製〕イ
ンクジェット記録媒体−1の上に、上記で調製したシリ
カと熱可塑性樹脂の混合塗布液−1を湿潤膜厚が50μ
mになるように塗布し、約7℃に一度冷却した後、20
〜65℃の温風を吹き付けて乾燥し、本発明のインクジ
ェット記録媒体−9を作製した。
【0099】〔インクジェット記録媒体−10の作製〕
インクジェット記録媒体−2の上に、上記で調製したシ
リカと熱可塑性樹脂の混合塗布液−2を塗布した以外
は、インクジェット記録媒体−9と同様にして、本発明
のインクジェット記録媒体−10を作製した。
【0100】〔インクジェット記録媒体−11、13、
15の作製〕インクジェット記録媒体−3、5、7の上
に、上記で調製したシリカと熱可塑性樹脂の混合塗布液
−1をそれぞれ塗布した以外は、インクジェット記録媒
体−9と同様にして、本発明のインクジェット記録媒体
−11、13、15を作製した。
【0101】〔インクジェット記録媒体−12、14、
16の作製〕インクジェット記録媒体−4、6、8の上
に、上記で調製したシリカと熱可塑性樹脂の混合塗布液
−2をそれぞれ塗布した以外は、インクジェット記録媒
体−9と同様にして、本発明のインクジェット記録媒体
−12、14、16を作製した。
【0102】〔インクジェット記録媒体−17の作製〕
インクジェット記録媒体−1の上に、上記で調製したシ
リカと熱可塑性樹脂の混合塗布液−3を塗布した以外
は、インクジェット記録媒体−9と同様にして、本発明
のインクジェット記録媒体−17を作製した。
【0103】〔インクジェット記録媒体−18の作製〕
インクジェット記録媒体−2の上に、上記で調製したシ
リカと熱可塑性樹脂の混合塗布液−4を塗布した以外
は、インクジェット記録媒体−9と同様にして、本発明
のインクジェット記録媒体−18を作製した。
【0104】〔インクジェット記録媒体−19の作製〕
インクジェット記録媒体−5の上に、上記で調製したシ
リカと熱可塑性樹脂の混合塗布液−3を塗布した以外
は、インクジェット記録媒体−9と同様にして、本発明
のインクジェット記録媒体−19を作製した。
【0105】〔インクジェット記録媒体−20の作製〕
インクジェット記録媒体−6の上に、上記で調製したシ
リカと熱可塑性樹脂の混合塗布液−4を塗布した以外
は、インクジェット記録媒体−9と同様にして、本発明
のインクジェット記録媒体−20を作製した。
【0106】〔比較用インクジェット記録媒体−1の作
製〕シリカ分散液−1の調製において、気相シリカを2
50kg使用した以外は、同様に調製したシリカ分散液
−1′、57.8Lを用い、シリカ分散液−2と同様の
シリカ分散液を調製した。このシリカ分散液を用いて、
シリカ塗布液−1と同様にして、シリカ塗布液−1′を
調製した。このシリカ塗布液を用いて、インクジェット
記録媒体−1と同様にして、比較用インクジェット記録
媒体−1を作製した。
【0107】〔比較用インクジェット記録媒体−2の作
製〕比較用インクジェット記録媒体−1の作製におい
て、シリカ分散液−1′を11.6L用いた以外は、比
較用インクジェット記録媒体−1と同様にして、比較用
インクジェット記録媒体−2を作製した。
【0108】〔比較用インクジェット記録媒体−3の作
製〕シリカ分散液−2の調製において、シリカ分散液−
1、69.4Lを添加しないシリカの存在しない分散液
を調製し、インクジェット記録媒体−1と同様にして、
比較用インクジェット記録媒体−3を作製した。
【0109】〔比較用インクジェット記録媒体−4の作
製〕比較用インクジェット記録媒体−1の上に、下記に
調製のシリカと熱可塑性樹脂の混合塗布液を塗布した以
外は、インクジェット記録媒体−9と同様にして、比較
用インクジェット記録媒体−4を作製した。
【0110】シリカと熱可塑性樹脂の混合塗布液−1に
おいて、上記のシリカ塗布液−1′を500ml使用し
た以外は、同様にしてシリカと熱可塑性樹脂の混合塗布
液を調製した。
【0111】〔比較用インクジェット記録媒体−5の作
製〕比較用インクジェット記録媒体−4の作製におい
て、シリカ塗布液−1′を50ml使用して調製したシ
リカと熱可塑性樹脂の混合塗布液を用いた以外は、同様
にして比較用インクジェット記録媒体−5を作製した。
【0112】〔比較用インクジェット記録媒体−6の作
製〕比較用インクジェット記録媒体−2の上に、比較用
インクジェット記録媒体−4の作製で調製したシリカと
熱可塑性樹脂の混合塗布液を塗布した以外は、インクジ
ェット記録媒体−9と同様にして、比較用インクジェッ
ト記録媒体−6を作製した。
【0113】〔比較用インクジェット記録媒体−7の作
製〕比較用インクジェット記録媒体−6の作製におい
て、シリカ塗布液−1′を200mlを使用して調製し
たシリカと熱可塑性樹脂の混合塗布液を用いた以外は、
同様にして比較用インクジェット記録媒体−7を作製し
た。
【0114】《プリンタによる印字評価》本発明のイン
クジェット記録媒体1〜20について、幅60cm、長
さ20mのロール状のインクジェット記録媒体を作製
し、直径が約5cmのコア芯に巻きつけて、インクジェ
ットプリンタ(1044SD、コニカ社製)にセットし
た。このプリンターで10m連続印字したが、全てにつ
いて搬送でのメディアにひび割れ等は見られなかった。
【0115】《亀裂限界径の測定》インクジェット記録
媒体を23℃、相対湿度20%で24時間調湿した後、
直径が5、10、15、20、25、30、35、4
0、45、50mmの円筒状のアルミ製ローラーに巻き
つけ、表層に亀裂が生じ始めるローラー径の直径を亀裂
限界直径とする。折れない場合は0mmとする。数値が
小さい程折り曲げ耐性が良好である。
【0116】《インク吸収速度の評価》熊谷理機工業株
式会社製のBristow試験機II型(加圧式)を使用
し、接触時間0.2秒間におけるインク転移量(ml/
2)をインク吸収速度の尺度とした。なお、測定に際
しては、マゼンタ染料を1%、ジエチレングリコールを
15%、グリセリンを15%含有する水性インクを使用
した。
【0117】
【表1】
【0118】表より明らかに本発明の記録媒体は、イン
ク吸収速度と折り曲げ耐性の両方を満足していることが
分かる。
【0119】
【発明の効果】本発明によって、インク吸収速度が速
く、折り曲げ耐性が良好なインクジェット記録媒体及び
それを用いた画像記録方法を提供することができた。
フロントページの続き (72)発明者 福田 輝幸 東京都日野市さくら町1番地コニカ株式会 社内 (72)発明者 木田 修二 東京都日野市さくら町1番地コニカ株式会 社内 Fターム(参考) 2C056 EA13 FC06 2H086 BA02 BA14 BA15 BA21 BA31 BA33 BA35 BA36 BA41

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に無機顔料、水溶性バインダー
    を含有するインク吸収層を有し、無機顔料と水溶性バイ
    ンダーの比率が質量比で3:1〜9:1であり、亀裂限
    界径が10〜45mmの範囲内にあることを特徴とする
    インクジェット記録媒体。
  2. 【請求項2】 インク吸収層に融点40℃以下の疎水性
    有機化合物を有する油滴を含有することを特徴とする請
    求項1に記載のインクジェット記録媒体。
  3. 【請求項3】 インク吸収層にTgが20℃以下で且つ
    ポリビニールアルコールを分散剤としたエマルジョン樹
    脂を有することを特徴とする請求項1に記載のインクジ
    ェット記録媒体。
  4. 【請求項4】 インク吸収層の上に熱可塑性樹脂を含有
    する表層を有することを特徴とする請求項1〜3のいず
    れか1項に記載のインクジェット記録媒体。
  5. 【請求項5】 表層に無機顔料、水溶性バインダーを含
    有し、無機顔料と水溶性バインダーの比率が質量比で
    3:1〜9:1であることを特徴とする請求項4に記載
    のインクジェット記録媒体。
  6. 【請求項6】 表層に融点40℃以下の疎水性有機化合
    物を有する油滴を含有すことを特徴とする請求項4また
    は5に記載のインクジェット記録媒体。
  7. 【請求項7】 ロール状であることを特徴とする請求項
    1〜6のいずれか1項に記載のインクジェット記録媒
    体。
  8. 【請求項8】 直径が10cm以下のコア芯に請求項7
    に記載のインクジェット記録媒体を巻きつけて記録する
    画像記録方法。
JP2001390860A 2001-12-25 2001-12-25 インクジェット記録媒体及び画像記録方法 Pending JP2003191603A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001390860A JP2003191603A (ja) 2001-12-25 2001-12-25 インクジェット記録媒体及び画像記録方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001390860A JP2003191603A (ja) 2001-12-25 2001-12-25 インクジェット記録媒体及び画像記録方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003191603A true JP2003191603A (ja) 2003-07-09

Family

ID=27598617

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001390860A Pending JP2003191603A (ja) 2001-12-25 2001-12-25 インクジェット記録媒体及び画像記録方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003191603A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20090110910A1 (en) Inkjet-recording medium and inkjet-recording method using same
EP2055498B1 (en) Inkjet-recording medium and inkjet-recording method using same
JP2004098490A (ja) 水性染料インク用インクジェット記録用紙
JP4487475B2 (ja) インクジェット記録装置
JP2003291332A6 (ja) インクジェット記録装置、インクジェット記録方法及びインクジェット記録媒体
JP2003136836A (ja) インクジェット記録媒体及びそれを用いたインクジェット画像形成方法
JP2004243720A (ja) インクジェット記録用紙
JP2003191603A (ja) インクジェット記録媒体及び画像記録方法
JP2004262170A (ja) インクジェット記録用紙
JP2001341409A (ja) 顔料インク用インクジェット記録用紙
JP2002234246A (ja) インクジェット記録媒体
JP2003335049A (ja) インクジェット記録用紙
JP2002187341A (ja) インクジェット画像形成方法
JP2004268437A (ja) インクジェット記録用紙
JP2002234245A (ja) インクジェット記録用紙、インクジェット記録方法およびインクジェット画像形成方法
JP2001246838A (ja) インクジェット用記録用紙
JP2002225427A (ja) インクジェット記録媒体
JP2002166642A (ja) インクジェット記録方法
JP2002211107A (ja) インクジェット画像形成方法
JP2001096911A (ja) インクジェット記録用紙
JP2003220754A (ja) インクジェット記録媒体及びそれを用いたインクジェット画像形成方法とインクジェット画像
JP2005088214A (ja) インクジェット記録用紙
JP2003048371A (ja) インクジェット記録媒体
JP2001010204A (ja) インクジェット記録用紙
JPH1191241A (ja) インクジェット記録用紙

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20041006

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20061108

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20061121

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20070410