JP2003191490A - 画像形成装置 - Google Patents

画像形成装置

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JP2003191490A
JP2003191490A JP2001399892A JP2001399892A JP2003191490A JP 2003191490 A JP2003191490 A JP 2003191490A JP 2001399892 A JP2001399892 A JP 2001399892A JP 2001399892 A JP2001399892 A JP 2001399892A JP 2003191490 A JP2003191490 A JP 2003191490A
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JP
Japan
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ink
head position
print head
ink tank
image forming
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JP2001399892A
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English (en)
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Yutaka Kawamata
裕 川又
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Original Assignee
Canon Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】どのような特性のインクを使用しても正常なイ
ンク吐出が得られる画像形成装置を提供する。 【解決手段】インク容器44KのROM104に記憶さ
れた水頭位置HがインクタンクROM内容検出部115
によって電気的に読み取られる。この読み取った水頭位
置HはCPU103に送られる。CPU103は、送ら
れてきた水頭位置Hに基づいて、水頭位置可変モータ駆
動部116を制御して可変モータ70を回転させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、印字ヘッドから記
録媒体にインクを吐出して画像を形成する画像形成装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】コンピュータやワークステーションの出
力装置の一つとして、記録紙などの記録媒体にインクを
吐出して画像を形成するインクジェット方式画像形成装
置が知られている。このインクジェット方式画像形成装
置は、通常、インクが吐出する複数のノズルが形成され
た印字ヘッドと、この印字ヘッドを搭載して主走査方向
に往復動するキャリッジと、この主走査方向に直交する
方向(副走査方向であり記録媒体搬送方向)に記録媒体
を搬送する記録媒体搬送装置とを備えている。このよう
にキャリッジの走査方向と記録媒体の搬送方向が直交す
るタイプはシリアルタイプと呼ばれる。
【0003】このシリアルタイプのインクジェット方式
画像形成装置で記録媒体に画像を形成する際は、記録媒
体搬送装置で搬送中の記録媒体を一時的に停止させ、キ
ャリッジを主走査方向に往復動させながら、画像情報を
担持した画像信号に基づいて複数のノズルから選択的に
インクを吐出し、記録媒体のうちノズルの出口(インク
吐出口)に向き合う画像形成領域に位置する部分に1バ
ンド分の画像を形成する。その後、記録媒体を1バンド
分の幅だけ搬送して停止させ、再び、キャリッジを主走
査方向に往復動させながら、画像信号に基づいてノズル
からインクを吐出し、記録媒体のうち画像形成領域に新
たに位置する部分に画像を形成する。このような動作を
繰り返すことによって記録媒体に画像を形成する。
【0004】ところで、上記した印字ヘッドにはインク
が供給される。インクを供給する技術としては、印字ヘ
ッドとインクタンクを一体型にしてインクを印字ヘッド
に供給する技術や、大容量インクタンクからチューブを
介して印字ヘッドにインクを供給する技術などが知られ
ている。大容量インクタンクからチューブを介して印字
ヘッドにインクを供給する技術では、インクタンクには
多量のインクが貯められているのでインクタンクを交換
する手間が少ない。このため、この技術は、A0サイズ
やB0サイズの記録媒体に画像を形成できるプロッタで
は広く採用されている。
【0005】図11を参照して、上記した大容量インク
タンクを用いる技術を説明する。
【0006】図11は、大容量インクタンクを用いるイ
ンク供給技術を示す模式図である。
【0007】大容量のインクタンク1に貯められたイン
ク2は、チューブ4を介して印字ヘッド6に供給され
る。印字ヘッド6はキャリッジ(図示せず)の走査に伴
って、図に示すように移動し、この移動にチューブ4も
追従する。このようにチューブ4が印字ヘッド6に追従
して移動することにより、インクタンク1に貯められた
インク2は印字ヘッド6に常に供給される。
【0008】大容量インクタンクを用いるインク供給技
術では、キャリッジの走査によって慣性力が生じ、チュ
ーブ4内のインクが走査方向(図11では左右方向)に
片寄ることがある。この結果、印字ヘッド6の内部にお
ける圧力が変動する。印字ヘッド6の内部の圧力が高過
ぎても低過ぎてもインクの吐出に悪影響がでる。従っ
て、この圧力の変動には許容変動幅があり、圧力が許容
変動幅から外れたときはインク吐出不良となる。
【0009】また、A0サイズやB0サイズの記録媒体
に画像を形成できるプロッタに、大容量インクタンクを
用いるインク供給技術を採用した場合、キャリッジの走
査距離(走査幅)が長くなるので、その分、印字ヘッド
の内部における圧力変動幅も大きくなる。更に、インク
タンク1から印字ヘッド6にインクを供給するために必
要なチューブ4が長くなり、この長くなった分だけイン
ク供給の際の抵抗も増える。このため、印字ヘッド6に
充分な量のインクが供給されないおそれがあり、印字ヘ
ッド6の内部における圧力変動幅が広がることがある。
【0010】上記のような問題を解決するために、印字
ヘッド6の内部にバッファ室(圧力変動を吸収するため
の空間)を設け、印字ヘッド6内の圧力変動幅を小さく
しようとする技術が提案されている。また、チューブ4
の這い回し(設置状態)をループ構造にして印字ヘッド
6内の圧力変動を抑える技術も提案されている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】ところで、インクに
は、顔料系インクと染料系インクが適宜に使用されてい
る。これらのインクでは粘度などの特性が相違する。従
って、顔料系インク若しくは染料系インクの特性に応じ
て上記のバッファ室やチューブ4の這い回しを決めてお
くことにより、インク吐出の不良を抑制できる。
【0012】しかし、画像形成装置には顔料系インクと
染料系インクを兼用して使用するタイプのものがある。
このような装置では、使用するインクの特性によっては
インク吐出の不良が発生する。例えば顔料系インクを使
用するときは正常なインク吐出が得られるが、染料系イ
ンクを使用するときはインク吐出が不良となる。
【0013】本発明は、上記事情に鑑み、どのような特
性のインクを使用しても正常なインク吐出が得られる画
像形成装置を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明の画像形成装置は、インクを貯めるインクタン
クからチューブを介して印字ヘッドにインクを供給し、
印字ヘッドから記録媒体にインクを吐出して画像を形成
する画像形成装置において、(1)前記インクタンクを
上下動させる昇降機構と、(2)前記インクタンクに貯
まったインクの種類若しくはその種類に応じた水頭位置
を記憶しておく記憶部と、(3)該記憶部に記憶された
インクの種類若しくは水頭位置を読み取る読取器と、
(4)該読取器が読み取った水頭位置になるように前記
昇降機構を駆動して前記インクタンクを上下動させる駆
動部とを備えたことを特徴とするものである。
【0015】ここで、(5)環境温度を検出する温度検
出器を備え、(6)前記記憶部は、前記インクタンクに
貯まったインクの種類を記憶しておくものであり、
(7)前記駆動部は、前記読取器が読み取ったインクの
種類及び前記温度検出器が検出した環境温度双方に基づ
いて、所定の水頭位置になるように前記昇降機構を駆動
して前記インクタンクを上下動させるものであってもよ
い。
【0016】また、(8)前記インクタンクは、それぞ
れにインクが貯まる複数のものであり、(9)前記昇降
機構、前記記憶部、前記読取器、及び前記駆動部は、前
記複数のインクタンクごとに備えられているものであっ
てもよい。
【0017】さらに、(10)前記記憶部は、ROM若
しくはバーコードからなるものであってもよい。
【0018】
【発明の実施の形態】図面を参照して本発明の実施形態
を説明する。
【0019】図1を参照して、本発明の画像形成装置の
一例であるインクジェット方式のプロッタを説明する。
【0020】図1は、インクジェット方式のプロッタの
概略構成を示す斜視図である。
【0021】プロッタ10は、矢印A方向に搬送される
記録紙12が載置されるプラテン14を備えている。こ
のプラテン14の上方には、プラテン14に対して平行
に2本の走査レール(ガイドレール)16が掛け渡され
ている。この走査レール16には、モータ(図示せず)
とベルト18によって矢印B,C方向(矢印A方向に直
交する方向)に往復動する(走査する)キャリッジ20
がスライド軸受(図示せず)を介して取り付けられてい
る。
【0022】キャリッジ20には、インクを吐出するイ
ンク吐出口(ノズルの出口であり、図示せず)を有する
4つの印字ヘッド22K(ブラック),22C(シア
ン),22M(マゼンタ),22Y(イエロー)が搭載
されている。インク吐出口の前方は、画像が形成される
画像形成領域23である。記録紙12のうち画像形成領
域23に位置する部分にインク吐出口からインクが吐出
され、これにより、この部分に画像が形成される。
【0023】また、キャリッジ20の移動可能な範囲の
うち画像形成領域23から離れた位置には、ノズルから
インクを強制的に吸引し、印字ヘッド22K,22C,
22M,22Yに形成されたインク供給経路やノズルな
どをクリーニングして印字ヘッド22K,22C,22
M,22Yのインク吐出状態を初期の吐出状態にする回
復装置30が配置されている。
【0024】回復装置30には、4つの印字ヘッド22
K,22C,22M,22Yそれぞれのインク吐出口を
覆うゴム製の4つのキャップ32K,32C,32M,
32Yが備えられている。各キャップ32K,32C,
32M,32Yには廃インクチューブ(図示せず)の一
端が接続されており、この廃インクチューブの他端は吸
引ポンプ(図示せず)に接続されている。なお、4つの
キャップ32K,32C,32M,32Yはキャップ台
32に固定されている。
【0025】ロール紙などの記録紙12に画像を形成す
るに当っては、プラテン14に記録紙12を載置し、プ
ラテン14に形成された開口部(図示せず)から外周面
の一部を露出した搬送ローラ24と、記録紙12の両端
部を上方から押えるピンチローラ26とによって記録紙
12を挟持しながら、搬送モータ(図示せず)によって
搬送ローラ24を回転させて記録紙12を搬送する。記
録紙12の上方でキャリッジ20を矢印B,C方向に往
復動させ、ヘッド制御部(図示せず)から印字ヘッド2
2K,22C,22M,22Yに送信された画像情報を
担持する画像信号に基づいてノズルからインクを吐出し
て、記録紙12のうち画像形成領域23に位置する部分
に画像を形成する。
【0026】画像を形成し終ると、キャリッジ20に搭
載されたカッタ(図示せず)を所定位置まで飛び出させ
て記録紙12を所定サイズに裁断する。なお、画像形成
動作中、ノズルなどをクリーニングするために、ノズル
からインクを吸引することが必要な状態になると、キャ
リッジ20を回復装置30の上方に移動させる。
【0027】上記したプロッタ10の駆動制御系につい
て図2を参照して説明する。
【0028】図2は、プロッタの駆動制御系を示すブロ
ック図である。
【0029】ホスト(外部のコンピュータ等)101か
らの画像データがインターフェース部102を経由して
CPU103に送られてくる。CPU103は、送られ
てきた画像データに基づいて、キャリッジモータ駆動部
107を制御してキャリッジモータ119を回転させる
と共に、ヘッド駆動部113を制御して印字ヘッド22
K,22C,22M,22Yからインクを吐出させ、さ
らに、紙搬送モータ駆動部109を制御して紙搬送モー
タ118を回転させる等の一連の動作を制御する。
【0030】印字ヘッド22K,22C,22M,22
Yそれぞれに供給されるインクが貯められた4つのイン
クタンク(図示せず)には、後述するように、貯まって
いるインクに応じた水頭位置が記憶されたROM104
(本発明にいう記憶部の一例である)が取り付けられて
いる。ROM104に記憶されている水頭位置は、イン
クタンクROM内容検出部115(本発明にいう読取器
の一例である)によって電気的に読み取られる。この読
み取った水頭位置はI/Oポート106を経由してCP
U103に送られる。CPU103は、送られてきた水
頭位置に基づいて、水頭位置可変モータ駆動部116
(本発明にいう駆動部の一例である)を制御して可変モ
ータ(図示せず)を回転させる。
【0031】ところで、プロッタ10などのインクジェ
ット方式の画像形成装置では、染料系インク及び顔料系
インク双方が使用されることがある。染料系インクと
は、染料分子を水の中に拡散させたインクをいい、耐光
性や耐水性が劣る。一方、顔料系インクとは、微粒子を
水の中に拡散させたインクをいい、染料系インクよりも
耐光性と耐水性は優れているが、その粘度は染料系イン
クよりも若干大きい。従って、後述するインク供給系に
おいては、染料系インクと顔料系インクの挙動は相違す
る。
【0032】図3から図6までを参照して、インクの種
類と印字ヘッド内の圧力変動との関係について説明す
る。
【0033】図3は、染料系インク(粘度2.6cp)
を使用した場合において環境温度25℃のときキャリッ
ジを走査することのみによって印字ヘッド内に起こる圧
力の変動を示すグラフである。図4は、図3と同じ染料
系インク(粘度2.6cp)を使用した場合において環
境温度25℃のときキャリッジを走査しながら印字ヘッ
ドからインクを吐出することによって印字ヘッド内に起
こる圧力の変動を示すグラフである。図5は、顔料系イ
ンク(粘度3.2cp)を使用した場合において環境温
度25℃のときキャリッジを走査することのみによって
印字ヘッド内に起こる圧力の変動を示すグラフである。
図6は、図5と同じ染料系インク(粘度3.2cp)を
使用した場合において環境温度25℃のときキャリッジ
を走査しながら印字ヘッドからインクを吐出することに
よって印字ヘッド内に起こる圧力の変動を示すグラフで
ある。なお、ここでは、印字ヘッド内における圧力変動
の許容範囲を0〜−120mmAqとする。この許容範
囲から外れた場合、印字ヘッドからのインク吐出が不良
になるものとする。
【0034】染料系インクを使用した場合、キャリッジ
を走査することのみによって印字ヘッド内に起こる圧力
の変動は、図3に示すように、0〜−80mmAqの範
囲内となる。一方、顔料系インクを使用した場合、キャ
リッジを走査することのみによって印字ヘッド内に起こ
る圧力の変動は、図5に示すように、−20〜−60m
mAqの範囲内となる。顔料系インクの粘度は染料系イ
ンクの粘度よりも大きいので、キャリッジの走査に伴う
慣性力によって圧力変動幅は小さくなる。しかし、粘度
が大きくなる分、チューブなどのインク流路における抵
抗が大きくなるので、圧力変動の幅が負圧側に移行(シ
フト)する。
【0035】また、染料系インクを使用した場合、キャ
リッジを走査しながら印字ヘッドからインクを吐出する
ことによって印字ヘッド内に起こる圧力の変動は、図4
に示すように、約−20〜−120mmAqの範囲内と
なる。一方、顔料系インクを使用した場合、キャリッジ
を走査しながら印字ヘッドからインクを吐出することに
よって印字ヘッド内に起こる圧力の変動は、図6に示す
ように、約−20〜−140mmAqの範囲内となる。
このように印字ヘッド内に起こる圧力の変動が許容範囲
から外れた場合は、印字ヘッドからのインク吐出が不良
になる。
【0036】プロッタ10には、上記のようなインク吐
出の不良を解決する機構が備えられている。この機構に
ついて図7と図8を参照して説明する。
【0037】図7は、水頭位置を下げるためにインクタ
ンクを下げた状態を示す模式図である。図8は、水頭位
置を上げるためにインクタンクを上げた状態を示す模式
図である。これらの図においては、図1と同じ構成要件
には同じ符号が付されている。また、図7と図8には、
印字ヘッド22Kにインクを供給するインク供給系を示
しているが、他の印字ヘッド22C,22M,22Y
(図1参照)についても同様の機構になっている。従っ
て、印字ヘッド22K,22C,22M,22Yごとに
水頭位置を独立して調整できる。
【0038】プロッタ10には、印字ヘッド22Kにイ
ンクを供給するためのチューブ40Kとインクタンク4
2Kが備えられている。インクタンク42Kの上方に
は、インクタンク42Kにインクを供給するインク容器
44Kが配置されている。インクタンク42Kとインク
容器44Kはインクタンク昇降ユニット50に着脱自在
に固定されている。インクタンク昇降ユニット50は、
インクタンク42Kを着脱自在に支持する支持台52
と、インク容器44Kを着脱自在に支持する支持台54
を有する。支持台52の上方に支持台54が配置されて
いる。これらの支持台52,54は一体的に形成されて
おり、この一体構成の支持部材56が上下動することに
より、インクタンク42Kが上下動するようになってい
る。
【0039】インク容器44Kの側壁には、インク容器
44Kに貯まった(即ち、インクタンク42Kに貯まっ
た)インクに応じた水頭位置を記憶しておくROM10
4が取り付けられている。支持台54の側壁には、RO
M104に記憶された水頭位置を電気的に読み取るイン
クタンクROM内容検出部115が取り付けられてい
る。なお、ROM104に代えて、インク容器44Kに
貯まったインクに応じた水頭位置を記憶しておくバーコ
ードを貼り付けても良い。
【0040】支持部材56の下には、この支持部材56
を上下動させることによりインクタンク42Kを上下動
させる昇降機構60が配置されている。昇降機構60
は、上部62aが支持台52に固定されると共に下部6
2bが固定台66に固定されたリンク部62と、リンク
部62を伸縮させるねじ部64とを備えている。ねじ部
64には雄ねじが形成されており、リンク部62には、
この雄ねじに噛み合った雌ねじ(図示せず)が形成され
ている。
【0041】リンク部62の両側のうち雌ねじの側とは
反対の側には、リンク部62を伸縮させるための可変モ
ータ70が配置されている。可変モータ70の回転軸7
2はねじ部64に連結されており、可変モータ70が回
転することにより回転軸72が回転し、この回転に伴っ
てねじ部64が回転する。これにより、リンク部62が
伸縮する。なお、回転軸72とねじ部64が互いに連結
されている部分には、リンク部62が外れることを防止
するストッパ74が形成されている。
【0042】インクタンク42Kに貯まったインクに応
じて水頭位置を変更する手順を説明する。
【0043】インクタンク42Kにインクを供給するた
めにインク容器44Kが支持台54に置かれる。このイ
ンク容器44KのROM104に記憶された水頭位置H
がインクタンクROM内容検出部115によって電気的
に読み取られる。この読み取った水頭位置HはCPU1
03(図2参照)に送られる。CPU103は、送られ
てきた水頭位置Hに基づいて、水頭位置可変モータ駆動
部116(図2参照)を制御して可変モータ70を回転
させる。なお、ROM104には、インクの種類(顔料
系インク若しくは染料系インク)を記憶させておき、イ
ンクの種類に応じた水頭位置HをRAM105(図2参
照)に記憶させておいてもよい。この場合は、CPU1
03がインクの種類に応じた水頭位置HをRAM105
から読み出して、この水頭位置Hに基づいて、水頭位置
可変モータ駆動部116を制御して可変モータ70を回
転させる。
【0044】上記のように水頭位置Hをインクに応じて
変更できるので、ROM104に例えば顔料系インク
(インク粘度3.2cp)と記憶されていた場合、印字
ヘッド22K内の圧力が−20mmAqになるように可
変モータ70を回転させてインクタンク42Kを上方若
しくは下方に移動させることにより初期の水頭位置Hに
する。この結果、印字ヘッド22K内での圧力変動幅を
許容圧力変動幅(ここでは0〜−120mmAq)に抑
えられる。
【0045】以上のようにしてインクに応じて水頭位置
Hを変更することにより、顔料系インク若しくは染料系
インクに応じて水頭差H1(図8)にしたり水頭差H2
(図7)にしたりできる。この結果、印字ヘッド22K
からは安定してインクが吐出することとなり、良好な画
像が得られる。
【0046】環境温度を検出する温度検出器を備え、こ
の温度検出器で検出した環境温度も考慮して水頭位置H
を決定するプロッタ(図示せず)について説明する。こ
のプロッタの外見形状はプロッタ10と同様である。
【0047】図9は、環境温度とインク粘度との関係の
一例を示すグラフである。この図に示すように、顔料系
インクや染料系インクは、環境温度によって粘度が変
る。この粘度の変化に応じて印字ヘッド内の圧力変動幅
も変化する。そこで、インクの種類だけでなく環境温度
も考慮して初期の水頭位置Hを決定する。この手順を、
図10を参照して説明する。
【0048】図10は、インクの種類及び環境温度双方
を考慮して初期の水頭位置Hを決定する手順を示すフロ
ー図である。
【0049】先ず、インク容器44KのROM104
(図2参照、以下同様)に記憶されたインクの種類をイ
ンクタンクROM内容検出部115によって電気的に読
み取ってCPU103に送る(S101)。続いて、温
度検出器が検出した環境温度をCPU103に送る(S
102)。RAM105には、インクの種類と環境温度
に応じた粘度とを表すと共にこれらに適した水頭位置を
表したテーブル(インク粘度及び環境対応テーブル)が
記憶されている。このテーブルの例を、表1と表2に示
す。
【表1】
【表2】
【0050】表1には、印字開始時の環境温度に基づい
て、表1に示す水頭差(図7や図8のH1やH2)にな
るようにインクタンクの水頭位置を決めるためのテーブ
ルの一例を示す。
【0051】表2には、例えばライトシアン(Lc)、
ライトマゼンタ(Lm)、イエロー(Y)の粘度は、ブ
ラック(Bk)、シアン(C)、マゼンタ(M)等の粘
度に比べて小さいので、表2に示す水頭差(図7や図8
のH1やH2)になるようにインクタンクの水頭位置を
決めるためのテーブルの一例を示す。
【0052】上記のようにしてCPU103に送られて
きたインクの種類と環境温度に基づいて、CPU103
では、RAM105の上記したテーブルによって水頭位
置Hを決定する(S103)。この決定された水頭位置
Hと現在の初期水頭位置Hとを比較する(S104)。
2つの水頭位置の差が0のときはこのフローを終了す
る。2つの水頭位置に差があるときは、この差に応じた
回転数分だけ可変モータ70(図7参照)を回転させる
ようにCPU103が可変モータ70を制御する(S1
05)。これにより、インクの種類及び環境温度双方に
最適な初期の水頭位置Hになるようにインクタンクが移
動する。この結果、印字ヘッド内での圧力変動幅を許容
圧力変動幅に抑えられるので、印字ヘッドからは安定し
てインクが吐出することとなり、良好な画像が得られ
る。
【0053】
【発明の効果】以上説明したように本発明の画像形成装
置では、記憶部に記憶されているデータを読取器が読み
取って、読み取ったデータが表す水頭位置になるように
駆動部が昇降機構を駆動してインクタンクを上下動させ
る。従って、インクタンクに貯まったインクが顔料系イ
ンクであっても染料系インクであっても、各種のインク
それぞれに応じた最適な水頭位置を保てる。この結果、
印字ヘッド内の圧力の変動幅を、インクが安定して吐出
する許容圧力変動幅内に抑えられる。このため、印字ヘ
ッドからインクが吐出されないこと(不吐出)やインク
が垂れ落ちるなどのトラブルが防止される。即ち、どの
ような特性のインクを使用しても正常なインク吐出が得
られる。
【0054】ここで、環境温度を検出する温度検出器を
備え、前記記憶部は、前記インクタンクに貯まったイン
クの種類を記憶しておくものであり、前記駆動部は、前
記読取器が読み取ったインクの種類及び前記温度検出器
が検出した環境温度双方に基づいて、所定の水頭位置に
なるように前記昇降機構を駆動して前記インクタンクを
上下動させるものである場合は、環境温度も考慮した水
頭位置になるので、印字ヘッド内の圧力の変動幅を、イ
ンクが安定して吐出する許容圧力変動幅内にいっそう確
実に抑えられる。このため、印字ヘッドからインクが吐
出されないこと(不吐出)やインクが垂れ落ちるなどの
トラブルがいっそう確実に防止される。
【0055】また、前記インクタンクは、それぞれにイ
ンクが貯まる複数のものであり、前記昇降機構、前記記
憶部、前記読取器、及び前記駆動部は、前記複数のイン
クタンクごとに備えられているものである場合は、複数
のインクタンクそれぞれに異なった種類のインクが貯め
られていても、各インクタンクを独立して上下動できる
ので、各インクに応じた最適な水頭位置を選択できる。
【0056】さらに、前記記憶部は、ROM若しくはバ
ーコードからなるものである場合は、比較的安価な記憶
部が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】インクジェット方式のプロッタの概略構成を示
す斜視図である。
【図2】プロッタの駆動制御系を示すブロック図であ
る。
【図3】染料系インク(粘度2.6cp)を使用した場
合において環境温度25℃のときキャリッジを走査する
ことのみによって印字ヘッド内に起こる圧力の変動を示
すグラフである。
【図4】図3と同じ染料系インク(粘度2.6cp)を
使用した場合において環境温度25℃のときキャリッジ
を走査しながら印字ヘッドからインクを吐出することに
よって印字ヘッド内に起こる圧力の変動を示すグラフで
ある。
【図5】顔料系インク(粘度3.2cp)を使用した場
合において環境温度25℃のときキャリッジを走査する
ことのみによって印字ヘッド内に起こる圧力の変動を示
すグラフである。
【図6】図5と同じ染料系インク(粘度3.2cp)を
使用した場合において環境温度25℃のときキャリッジ
を走査しながら印字ヘッドからインクを吐出することに
よって印字ヘッド内に起こる圧力の変動を示すグラフで
ある。
【図7】水頭位置を下げるためにインクタンクを下げた
状態を示す模式図である。
【図8】水頭位置を上げるためにインクタンクを上げた
状態を示す模式図である。
【図9】環境温度とインク粘度との関係の一例を示すグ
ラフである。
【図10】インクの種類及び環境温度双方を考慮して初
期の水頭位置Hを決定する手順を示すフロー図である。
【図11】大容量インクタンクを用いる従来のインク供
給技術を示す模式図である。
【符号の説明】
10 プロッタ 22K,22C,22M,22Y 印字ヘッド 40K チューブ 42K インクタンク 52,54 支持台 56 支持部材 60 昇降機 62 リンク部 64 ねじ部 70 可変モータ 104 ROM 115 インクタンクROM内容検出部

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インクを貯めるインクタンクからチュー
    ブを介して印字ヘッドにインクを供給し、印字ヘッドか
    ら記録媒体にインクを吐出して画像を形成する画像形成
    装置において、 前記インクタンクを上下動させる昇降機構と、 前記インクタンクに貯まったインクの種類若しくはその
    種類に応じた水頭位置を記憶しておく記憶部と、 該記憶部に記憶されたインクの種類若しくは水頭位置を
    読み取る読取器と、 該読取器が読み取った水頭位置になるように前記昇降機
    構を駆動して前記インクタンクを上下動させる駆動部と
    を備えたことを特徴とする画像形成装置。
  2. 【請求項2】 環境温度を検出する温度検出器を備え、 前記記憶部は、 前記インクタンクに貯まったインクの種類を記憶してお
    くものであり、 前記駆動部は、 前記読取器が読み取ったインクの種類及び前記温度検出
    器が検出した環境温度双方に基づいて、所定の水頭位置
    になるように前記昇降機構を駆動して前記インクタンク
    を上下動させるものであることを特徴とする請求項1に
    記載の画像形成装置。
  3. 【請求項3】 前記インクタンクは、それぞれにインク
    が貯まる複数のものであり、 前記昇降機構、前記記憶部、前記読取器、及び前記駆動
    部は、前記複数のインクタンクごとに備えられているも
    のであることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像
    形成装置。
  4. 【請求項4】 前記記憶部は、ROM若しくはバーコー
    ドからなるものであることを特徴とする請求項1,2,
    又は3に記載の画像形成装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007260583A (ja) * 2006-03-29 2007-10-11 Toppan Printing Co Ltd インキ吐出印刷装置
JP2008132630A (ja) * 2006-11-27 2008-06-12 Toshiba Tec Corp インクジェット記録装置およびインク吐出方法
CN106004121A (zh) * 2016-05-16 2016-10-12 苏州佳世达电通有限公司 打印头和打印滚轮之间的闭合装置及对应的打印机

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