JP2003191059A - ダイカストマシーン - Google Patents

ダイカストマシーン

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JP2003191059A
JP2003191059A JP2001391556A JP2001391556A JP2003191059A JP 2003191059 A JP2003191059 A JP 2003191059A JP 2001391556 A JP2001391556 A JP 2001391556A JP 2001391556 A JP2001391556 A JP 2001391556A JP 2003191059 A JP2003191059 A JP 2003191059A
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Japan
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hole
cavity
reactive gas
mold
casting machine
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JP2001391556A
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Yoshihiro Tajima
吉浩 田島
Takaaki Igari
隆彰 猪狩
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Nippon Light Metal Co Ltd
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Nippon Light Metal Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 エジェクターピンの貫通孔に残存する空気、
離型剤から蒸発した水蒸気等のガスを確実に除去し、こ
れらの残存ガスによる巣、ブローホール等の鋳造欠陥を
軽減、防止するようにしたダイカストマシーンを提供す
る。 【解決手段】 金型2のキャビティ3とエジェクターピ
ン21の貫通孔31を真空吸引装置7に、ガス流路3
3、給排気管35および排気管36によって接続する。
キャビティ3、スリーブ4および貫通孔31を反応性ガ
ス供給装置9に、ガス供給管62、分岐管63およびガ
ス流路34によって接続する。真空吸引装置7によって
キャビティ3および貫通孔31を真空吸引した後、反応
性ガス供給装置9によってスリーブ4、キャビティ3お
よび貫通孔31に反応性ガスGを供給する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、空気、水蒸気等の
ガスに起因する巣、ブローホール等の鋳造欠陥を極力軽
減、防止し、製品の機械的特性を向上させ得るようにし
たダイカストマシーンに関する。
【0002】
【従来の技術】通常、スリーブに注入されたアルミニウ
ム合金等の溶湯(溶融金属)をプランジャによって金型
のキャビティに圧入してダイカスト製品を鋳造するダイ
カスト鋳造法において、キャビティ内に残存する空気や
水蒸気等のガスが製品の内部に巻き込まれると、巣、ブ
ローホール等の鋳造欠陥となり、製品の機械的特性(強
度、伸び等)を著しく低下させる。それ故、特に強度が
要求される構造材にあっては、空気や水蒸気等のガスに
起因する巣、ブローホール等の鋳造欠陥の発生を極力抑
制、防止する必要がある。
【0003】このような空気や水蒸気等のガスに起因す
る鋳造欠陥の発生を防止する方法として、真空・酸素ダ
イカスト法(例えば、特開2000−84648号公
報、国際公開番号WO01/51237 A1 等)が知られてい
る。
【0004】特開2000−84648号公報に記載さ
れた真空・酸素ダイカスト法は、金型のキャビティを真
空吸引して100ミリバール以下にした後、キャビティ
に反応性ガスとして酸素を供給し、キャビティ内の圧力
が大気圧より高くなるとアルミニウム溶湯の圧入を開始
するようにしたものである。
【0005】このようにキャビティ内の空気や水蒸気等
のガスを酸素に置換してキャビティ内の圧力を大気圧よ
り高くすると、キャビティ内の酸素は金型の接合面やス
リーブの溶湯口を通って外部に吹き出してエアカーテン
を形成するため、外気が前記接合面や溶湯口からキャビ
ティ内に侵入することがなく、空気に起因する鋳造欠陥
を抑制、防止することができる。また、離型剤に含まれ
ている水分の蒸発を促進させ、この蒸発した水蒸気を外
部に排出する。なお、キャビティに供給される反応性ガ
スとしての酸素は、その一部がアルミニウム溶湯と反応
して微細なAl 23となって製品内に分散するため、製
品に悪影響を及ぼすことはない。
【0006】国際公開番号WO01/51237 A1 に記載され
た真空・酸素ダイカスト法は、金型のキャビティを10
0ミリバール以下に真空吸引した後、この真空吸引にオ
ーバーラップさせてスリーブから酸素等の反応性ガスを
キャビティに供給してキャビティ内の圧力を大気圧以上
にし、反応性ガスの供給を継続しながらスリーブにアル
ミニウム合金溶湯を注入し、次いでキャビティを再度真
空吸引しながらアルミニウム合金溶湯をキャビティに圧
入するようにしたものである。
【0007】このようにキャビティを再度真空吸引する
と、アルミニウム合金溶湯と反応せずに未反応のままキ
ャビティ内に残存する反応性ガスを外部に排出すること
ができ、製品内部に取り込まれることがない。
【0008】このように、上記した従来の真空・酸素ダ
イカスト法にあっては、いずれも溶湯の圧入に先立って
キャビティ内を真空吸引した後、反応性ガスを供給して
キャビティ内の圧力を大気圧以上に維持しているため、
キャビティ内に残存する空気、水蒸気等の残存ガスの量
を著しく低減でき、通常のダイカスト法に比べて残存ガ
スの巻き込みが少なく、この残存ガスに起因する鋳造欠
陥を大幅に抑制、防止することができる利点がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来のダイカスト法においても、金型内に残存する
空気を完全には除去することができず、また外部からの
空気の侵入についても完全には防止することができない
ため、依然として空気、水蒸気等のガスに起因する鋳造
欠陥が発生するという問題があった。その理由は、ダイ
カストマシーンの金型は、鋳造後にキャビティ内の製品
を押圧して離型させるエジェクターピン(押出ピン)を
備えており、このエジェクターピンと金型に設けられた
貫通孔との間にはエジェクターピンの進退移動を可能に
するための微小な隙間が設けられているため、キャビテ
ィを真空吸引するときに、この隙間を通って外気がキャ
ビティ内に侵入して製品に巻き込まれることにより鋳造
欠陥を生じさせるからである。さらに、この隙間内に残
存する空気や離型剤から蒸発した水蒸気は、通常の真空
吸引工程または不活性ガス注入工程では除去することが
難しく、溶湯をキャビティに圧入したとき、この残存ガ
スが製品に巻き込まれるからである。
【0010】このような問題を解決するための方法とし
て、金型の背面にエジェクターボックスを設け、このエ
ジェクターボックスを気密にシールし、エジェクターピ
ンが挿通される貫通孔からエジェクターボックスに排出
される反応性ガスをガス検出手段によって検出すること
により、キャビティ内の空気が排出されたか否かを判定
するようにしたり(実開平5−13649号公報)、あ
るいはエジェクターボックスを気密にシールして内部に
酸素を満たしておくことにより、キャビティ内を減圧し
たとき、貫通孔とエジェクターピンとの隙間から外気が
キャビティ内に侵入しないようにするダイカスト法(特
公平2−33468号公報)が提案されている。
【0011】しかしながら、金型の背面に気密性の高い
エジェクターボックスを設けると、金型自体の構造が複
雑化するばかりか、エジェクターボックス内には通常冷
却水の配管が組み込まれているため、エジェクターボッ
クスの気密性を完全には維持することが難しく、またエ
ジェクターボックスに反応性ガスを充満させておくと、
それだけ反応性ガスの消費量が増加するなど多くの問題
があった。
【0012】本発明は上記した従来の問題を解決するた
めになされたもので、その目的とするところは、金型の
背面に気密性の高いエジェクターボックスを設ける代わ
りに、エジェクターピンを摺動可能に支持する貫通孔を
真空吸引装置に接続し、キャビティの通常の真空吸引に
加えて貫通孔を同時に真空吸引することにより、通常の
真空吸引では除去し難い貫通孔内に残存する空気や離型
剤から蒸発した水蒸気等のガスを確実に除去することが
でき、また貫通孔からの外気の侵入をも確実に防止する
ことができ、空気、離型剤から蒸発した水蒸気等のガス
に起因する巣、ブローホール等の鋳造欠陥の発生を軽
減、防止し得るようにしたダイカストマシーンを提供す
ることにある。
【0013】また、本発明は、貫通孔内に残存する空
気、水蒸気等のガスを反応性ガスに置換することによ
り、貫通孔内に残存するガスに起因する鋳造欠陥の発生
を軽減、防止するとともに、外気の侵入を防止し得るよ
うにしたダイカストマシーンを提供することにある。
【0014】また、本発明は、反応性ガスに含まれてい
る水分の量を軽減することで、この水分と溶湯との反応
によって発生する水素ガスの量を軽減し得るようにした
ダイカストマシーンを提供することにある。
【0015】さらに、本発明は、鋳造終了後に金型への
圧縮空気の供給により、キャビティ、貫通孔、エジェク
ターピン、ガス流路等を清掃し、これらに付着、残留し
ている異物を除去し得るようにしたダイカストマシーン
を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に第1の発明は、真空吸引装置によって金型のキャビテ
ィを真空吸引した後、溶湯を前記キャビティに圧入する
ダイカストマシーンにおいて、前記金型内部にエジェク
ターピンが進退自在に貫通する貫通孔とガス流路を設
け、前記ガス流路の一端を前記貫通孔の孔壁に開口さ
せ、他端側を前記真空吸引装置に接続したものである。
【0017】第1の発明において、エジェクターピンの
貫通孔に残存する空気、水蒸気等のガスがキャビティ内
に吸引され、溶湯内に取り込まれると巣などの鋳物欠陥
となる。そこで、真空吸引装置によってキャビティを真
空吸引すると同時に、エジェクターピンの貫通孔も真空
吸引することで、貫通孔に残存する空気、水蒸気等のガ
スを確実に除去することができる。したがって、このよ
うな残存ガスに起因する鋳物欠陥の発生が抑制される。
キャビティに残存する空気、水蒸気等のガスを減少させ
ることができる。また、離型剤に含まれている水分の蒸
発が促進される。さらに、貫通孔より侵入してきた外気
をキャビティに到達する前に排出させることができる。
したがって、このような残存ガスに起因する鋳物欠陥の
発生が抑制される。真空吸引後、反応性ガスの供給によ
ってキャビティ内の圧力を大気圧以上に高くすると、金
型の接合面や貫通孔から反応性ガスが外部に排出される
ため、接合面や貫通孔からの外気の侵入が防止される。
また、離型剤から蒸発した水蒸気も外部に排出される。
【0018】第2の発明は、反応性ガス供給装置によっ
て金型のキャビティ内の空気を反応性ガスに置換した
後、溶湯を前記キャビティに圧入するダイカストマシー
ンにおいて、前記金型内部にエジェクターピンが進退自
在に貫通する貫通孔とガス流路を設け、前記ガス流路の
一端を前記貫通孔の孔壁に開口させ、他端側を前記反応
性ガス供給装置に接続したものである。
【0019】第2の発明において、エジェクターピンの
貫通孔に残存する空気や水蒸気等のガスがキャビティ内
に吸引され、溶湯内に取り込まれると巣などの鋳物欠陥
となる。そこで、スリーブ等からキャビティ内部に反応
性ガスを供給し、キャビティ内の空気を反応性ガスに置
換すると同時に、エジェクターピンの貫通孔からも反応
性ガスを供給し、エジェクターピンの貫通孔に残存する
空気や水蒸気を反応性ガスに置換させることができる。
また、貫通孔に供給された反応性ガスはキャビティ側で
はなく、金型外にも向かって流れるので、貫通孔を経由
してキャビティ内に外気が侵入することも防ぐことがで
きる。キャビティに供給された反応性ガスは、溶湯がア
ルミニウム合金の場合、アルミニウムと反応し、固体と
してAl 23となり、製品内部に分散する。
【0020】第3の発明は、真空吸引装置によって金型
のキャビティを真空吸引した後、反応性ガス供給装置に
よって前記キャビティに反応性ガスを供給し、その後溶
湯を前記キャビティに圧入するダイカストマシーンにお
いて、前記金型内部にエジェクターピンが進退自在に貫
通する貫通孔とガス流路を設け、前記ガス流路の一端を
前記貫通孔の孔壁に開口させ、他端側を前記真空吸引装
置と前記反応性ガス供給装置の少なくともいずれか一方
に接続したものである。
【0021】第3の発明において、エジェクターピンの
貫通孔に残存する空気、水蒸気等のガスがキャビティ内
に吸引され、溶湯内に取り込まれると巣などの鋳物欠陥
となる。そこで、真空吸引装置によってキャビティを真
空吸引すると同時に、エジェクターピンの貫通孔も真空
吸引したり、反応性ガスをキャビティ内に注入する際
に、エジェクターピンの貫通孔にも反応性ガスを供給す
ることにより、貫通孔に残存する空気、水蒸気等のガス
を確実に除去することができる。したがって、このよう
な残存ガスに起因する鋳物欠陥の発生が抑制される。
【0022】第4の発明は、上記第1、第2または第3
の発明において、貫通孔がエジェクターピンの両端部を
それぞれ摺動可能に支持する2つの小径孔部と、これら
の小径孔部間に設けられ前記エジェクターピンの中間部
が遊挿される大径孔部とで構成し、前記大径孔部の孔壁
にガス流路の一端を接続したものである。
【0023】第4の発明において、溶湯をキャビティに
圧入する際に、貫通孔とエジェクターピン間の隙間に溶
湯が入り込むと、鋳物を取り出すのが難しくなり、また
外気が貫通孔を経由してキャビティ内に入り込むので、
貫通孔とエジェクターピン間の隙間は、非常に小さくな
っている。そのため、ガス流路の開口している孔壁の反
対側の貫通孔孔壁とエジェクターピン間の隙間に存在す
るガスは、比較的除去しづらい。しかし、貫通孔の中間
部に大径孔部を設け、エジェクターピンと貫通孔間に隙
間の大きい部分を設け、その大径孔部にガス流路を開口
し、そこから真空吸引を行ったり、反応性ガスを供給す
ると貫通孔全周にわたって均一に真空吸引または反応性
ガスの供給が行える。その結果、ガス流路の開口してい
る孔壁の反対側の貫通孔孔壁とエジェクターピン間の隙
間に存在するガスは、容易に除去される。また複数の貫
通孔を連結し、一つの真空吸引装置や反応性ガス供給装
置で真空吸引や反応性ガスの注入も容易にできる。
【0024】第5の発明は、上記第1、第2の、第3ま
たは第4の発明において、圧縮空気供給装置を貫通孔に
接続可能に構成したものである。
【0025】第5の発明において、ダイカスト鋳造後に
圧縮空気が貫通孔に供給されると、貫通孔、エジェクタ
ーピン、ガス流路等に付着、残留している異物が除去さ
れる。
【0026】第6の発明は、上記第2〜第5の発明のう
ちのいずれか1つにおいて、反応性ガス供給装置が乾燥
機を備えているものである。
【0027】第6の発明において、乾燥機は反応性ガス
を除湿することで、反応性ガスに含まれている水分と溶
湯との反応によって発生する水素ガスの量を少なくす
る。
【0028】第7の発明は、上記第1〜第6の発明のう
ちのいずれか1つにおいて、エジェクターピンが複数本
で、その貫通孔を連通溝によって互いに連通させたもの
である。
【0029】第7の発明において、各エジェクターピン
の貫通孔は連通溝によって互いに連通しているので、各
貫通孔とエジェクターピンとの間に存在する空気、水蒸
気等のガスが同時に真空吸引されて反応性ガスに置き換
えられる。
【0030】第8の発明は、上記第1〜第7の発明のう
ちのいずれか1つにおいて、キャビティの一部を形成す
る第1の金型構成部材と、この第1の金型構成部材を収
納固定する収納部およびこの収納部の底面に設けられた
凹部とを有する第2の金型部材と、この第2の金型構成
部材の前記凹部にシール部材を介して軸線と直交する方
向に移動可能に嵌挿されたブッシュと、前記第1、第2
の金型構成部材および前記ブッシュに設けられた貫通孔
を摺動可能に貫通するエジェクターピンとを備え、前記
貫通孔を、前記第1の金型構成部材に形成され前記エジ
ェクターピンの前端部を摺動可能に支持する小径孔およ
びこの小径孔に連通する大径孔と、前記ブッシュに形成
され前記エジェクターピンの後端部を摺動可能に支持す
る小径孔とで構成し、前記第1の金型構成部材の大径孔
の孔壁に一端が開口するガス流路を前記第1、第2の金
型構成部材内に形成し、このガス流路の他端側を真空吸
引装置と反応性ガス供給装置の少なくともいずれか一方
に接続したものである。
【0031】第8の発明において、貫通孔の大径孔は、
エジェクターピンと貫通孔との接触面積を小さくする。
このため、エジェクターピンは円滑な状態で進退移動す
る。
【0032】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図面に示す実施の
形態に基づいて詳細に説明する。図1は本発明に係るダ
イカストマシーンの一実施の形態を示す概略構成図、図
2は図1のII−II線概略断面図、図3は金型のエジェク
ターピン部の断面図、図4は図3のIV−IV線断面
図、図5はプランジャの動作位置を示す図、図6はDV
Oプロセスを示す図である。本実施の形態においては、
キャビティを真空吸引した後、反応性ガスを供給するこ
とによりキャビティ内を大気圧以上の圧力とし、さらに
アルミニウム合金溶湯の圧入に際してキャビティを再度
真空吸引する真空・酸素ダイカスト法(以下、このよう
な方式をDVOプロセスという)を採用したダイカスト
マシーンに適用した例を示している。
【0033】これらの図において、全体を符号1で示す
ダイカストマシーンは、内部に製品形状と一致するキャ
ビティ3等が形成された金型2、この金型2の下部に一
端が接続されたスリーブ4、このスリーブ4に供給され
たアルミニウム合金溶湯5を前記キャビティ3に圧入す
るプランジャ6、図示を省略した周知の型締め装置等を
備えている。また、真空吸引装置7、圧縮空気供給装置
8、反応性ガス供給装置9等を備えている。
【0034】前記金型2は、金型構成部材である固定金
型10、可動金型11および入り駒型12とを備え、こ
れらによって前記キャビティ3を形成している。固定金
型10と可動金型11とが互いに密接する接合面13に
は、前記キャビティ3に加えて、湯道14、オーバーフ
ロー部15およびチルベント16が設けられており、こ
れらの外側において前記接合面13をシール部材17に
よってシールすることにより金型2の気密性を確保して
いる。
【0035】前記固定金型10は、下部に設けた穴に前
記スリーブ4の後端部が嵌合されており、背面が前記可
動金型11との接合面13を形成し、その略中央に前記
可動金型11および入り駒型12とともに前記キャビテ
ィ3の一部を形成する凹部18が形成され、この凹部1
8の下方に前記湯道14が形成されている。
【0036】前記湯道14はT字状の溝19からなり、
その上端がゲート20を介して前記キャビティ3に接続
され、下端が前記スリーブ4に接続されている。ゲート
20は、図2に示すようにキャビティ3の形状に対応さ
せてその各部にアルミニウム合金溶湯5が円滑に供給さ
れるように複数個設けられている。
【0037】前記オーバーフロー部15とチルベント1
6は、キャビティ3の上方側に設けられている。オーバ
ーフロー部15は、キャビティ3内のアルミニウム合金
溶湯5が冷却、凝固したときに生じる収縮に対応させて
収縮部分が製品部に及ばないようにさせるために設けら
れたもので、ひけの発生を防止する。
【0038】前記チルベント16は排気通路の途中に設
けられ、前記接合面13に形成された迷路状の排気通路
で、前記真空吸引装置7によってキャビティ3を真空吸
引したとき、排気通路に侵入してきたアルミニウム合金
溶湯5を冷却、凝固させ、真空吸引時に溶湯が真空系に
吸引されるのを防止する。
【0039】前記可動金型11(第2の金型部材)は、
前面が前記固定金型10との接合面13を形成し、この
接合面13の略中央に前記固定金型10の凹部18とと
もに前記キャビティ3を形成する矩形の凹部22が形成
されている。凹部22は、深さが深く形成され、底面2
2aに前記入り駒型12(第1の金型部材)が嵌合され
る収納部23を有している。収納部23は矩形の凹部か
らなり入り駒型12との嵌め合い公差は、アルミニウム
合金溶湯5の侵入を阻止するために限りなく小さく設定
されている。また、図2に示すように前記収納部23の
底面23aには、前記入り駒型12とともにエジェクタ
ーピン21を摺動可能に支持するブッシュ25がシール
部材26を介して嵌挿される凹部27と、この凹部27
の底面27aに一端が開口し他端が可動金型11の背面
11aに開口する挿通孔28が形成されている。前記ブ
ッシュ25は、凹部27に軸線方向と直交する方向に遊
動可能に収納されている。前記シール部材26は、前記
エジェクターピン21が貫通する貫通孔31の気密性を
高め、外気が貫通孔31を通ってキャビティ3内に侵入
するのを防止するとともに、反応性ガスの漏出を防止す
る。
【0040】前記エジェクターピン21は、ダイカスト
鋳造後の製品をキャビティ3から押し出すためのもの
で、図4に示すように縦横3列ずつ合計9本用いられ
(ただし、図1においては1本のみ示す)、その各々が
前記貫通孔31を摺動可能に貫通し、先端面21aが通
常図3に示すように入り駒型12の表面12aと同一面
を形成し、後端が前記可動金型11の後方に突出してピ
ン駆動装置24(図1)に接続されている。ピン駆動装
置24としては、シリンダが用いられる。
【0041】前記貫通孔31は、前記入り駒型12に形
成された貫通孔からなる異径孔29と、前記ブッシュ2
5の中心孔(小径孔部)30と、前記可動金型11の前
記挿通孔28とで構成されている。入り駒型12の異径
孔29は、エジェクターピン21の前端部を摺動可能に
支持する小径孔部29aと、この小径孔部29aの後端
に接続された大径孔部29bとで構成されている。ブッ
シュ25の中心孔30は、前記小径孔部29aと略同一
の穴径で前記エジェクターピン21の後端部を摺動可能
に支持する。前記大径孔部29b、前記挿通孔28とエ
ジェクターピン21との間には、十分な隙間が設定され
ているが、入り駒型12の小径孔部29aブッシュ25
の中心孔30間は、エジェクターピン21を摺動可能に
支持するとともに可及的気密性を維持するために、厳密
に設定された僅かな隙間、例えば0.1mm程度以下に
設定されている。
【0042】また、入り駒型12の背面12bには、全
ての貫通孔31の真空吸引および反応性ガスの供給を迅
速に行い得るように、全ての異径孔29の大径孔部29
bを連通させる日の字状の連通溝32が形成されてい
る。さらに、9つの大径孔部29bのうちの任意の2つ
の孔壁にガス流路33,34の一端がそれぞれ接続され
ている。
【0043】前記ガス流路33,34は、前記可動金型
11および入り駒型12の内部に形成され、貫通孔31
側とは反対側端が図1に示すように可動金型11の外部
にそれぞれぞれ開口している。同図において、上方側の
ガス流路33は、給排気管35および排気管36を介し
て前記真空吸引装置7に接続されるとともに、前記給排
気管35および給気管38を介して前記圧縮空気供給装
置8に接続されている。給排気管35は、圧力計40と
湿度計41を備えており、前端側が前記可動金型11内
に形成したガス流路42を介して前記チルベント16に
連通している。圧力計40はキャビティ3内の圧力を検
出し、湿度計41はキャビティ3内の湿度を検出する。
【0044】前記排気管36と給気管38の途中には、
前記ガス流路33を前記真空吸引装置7と圧縮空気供給
装置8に対して選択的に切換え接続するバルブ44,4
5がそれぞれ介装されている。すなわち、金型2の真空
吸引工程においては、金型2と真空吸引装置7とを接続
するためにバルブ44を開き、圧縮空気の供給時におい
ては、金型2と圧縮空気供給装置8を接続するためにバ
ルブ45を開く。なお、圧縮空気供給装置8は、鋳造終
了後に金型2を型開きして製品を離型した後、キャビテ
ィ3および貫通孔31にクリーニング用の圧縮空気を送
り込み、異物を除去するために用いられる。
【0045】さらに、前記可動金型11の内部には、貫
通孔からなり前記湯道14と可動金型11の背面11a
とを連通させるガス流路54が形成されている。このガ
ス流路54は排気管55を介して前記真空吸引装置7に
接続されている。また、ガス流路54の前記湯道14に
臨む開口部には、シリンダ56によって開閉されるバル
ブ57が組み込まれている。
【0046】DVOプロセスを採用したダイカストマシ
ーン1においては、キャビティ3を真空吸引装置7によ
って真空吸引した後、反応性ガスGをキャビティ3およ
びスリーブ4に吹き込むために、前記反応性ガス供給装
置9を備えている。また、反応性ガス供給装置9は乾燥
機61を備えており、ガス供給管62によって前記スリ
ーブ4に接続されるとともに、分岐管63、前記ガス流
路34を介して前記貫通孔31に接続されている。すな
わち、前記ガス供給管62は、途中に前記乾燥機61が
介装され前記分岐管63の一端が接続されており、先端
側開口部64が前記スリーブ4の内部に開放している。
乾燥機61は、反応性ガス供給装置9から供給される反
応性ガスGを除湿しキャビティ3内の湿度を低減するた
めに用いられる。ガス供給管62の途中には、バルブ6
6が設けられている。このバルブ66は、通常閉じてお
り、反応性ガスGの供給工程において開く。
【0047】前記スリーブ4には、アルミニウム合金溶
湯5を供給するための給湯口70が設けられている。ス
リーブ4内のアルミニウム合金溶湯5を加圧しキャビテ
ィ3に圧入する前記プランジャ6は、図示を省略したシ
リンダ等の駆動装置にロッド71を介して連結されてい
る。
【0048】次に、上記構造からなるダイカストマシー
ン1によるDVOプロセスについて説明する。先ず、固
定金型10と可動金型11を型締め装置によって型締め
し、真空吸引装置7によってキャビティ3を真空吸引す
る。このとき、予めバルブ44,57を開き、バルブ4
5,66を閉じておく。また、プランジャ6を前進させ
てスリーブ4の給湯口70とガス供給管62の開口部6
4との間に位置させ、給湯口70からスリーブ4内に空
気が侵入しないようにしておく。
【0049】真空吸引装置7による真空吸引は、図6に
示すようにキャビティ3内の圧力が100ミリバール以
下になるまで行われる。キャビティ3内の圧力は、圧力
計40によって検出される。真空吸引に要する時間は1
〜2秒程度である。これによって、スリーブ4,湯道1
4、オーバーフロー部15、チルベント16および貫通
孔31の内部も同時に真空吸引される。
【0050】吸引速度は、500ミリバール/秒以上に
設定することが好ましい。吸引速度を500ミリバール
/秒以上に設定すると、キャビティ3が複雑な形状であ
っても、キャビティ内の隅々まで良好に真空吸引して空
気や水蒸気等のガスを除去することができる。また、金
型2の内面に塗布した離型剤に含まれている水分が突沸
して水蒸気となり、金型2の外部に排出されるため、キ
ャビティ3内の水分を大幅に減少させることができる。
なお、吸引速度は、真空吸引装置7の能力を考慮する
と、800ミリバール/秒程度が限度とされる。
【0051】真空度が100ミリバール以下に達しない
真空吸引では、キャビティ3内に比較的多量の空気や水
蒸気などが残存するため、後述する反応性ガスGの供給
工程でキャビティ3内に残存するガスが反応性ガスGに
十分に置換されず、残存ガスが製品に巻き込まれて巣、
ブローホール、膨れ等の鋳造欠陥が生じる原因となる。
このため、100ミリバール以上に設定することが好ま
しい。
【0052】キャビティ3の真空度が100ミリバール
以下になったことを圧力計40が検出すると、バルブ6
6を開いて反応性ガス供給装置9から反応性ガスGをス
リーブ4、キャビティ3、貫通孔31に供給して反応性
ガスGに置換し、一定時間経過後、真空吸引装置7によ
る真空吸引を停止する。つまり、反応性ガスGの供給を
真空吸引と若干オーバーラップさせた後、バルブ44,
57を閉じて真空吸引を停止する。これにより、反応性
ガスGをキャビティ3の隅々にまで行き渡たらせること
ができる。反応性ガスGの供給は、キャビティ3内の圧
力が大気圧以上になるまで継続して行われ、その圧力が
圧力計40によって検出される。キャビティ3内の圧力
を反応性ガスGによって大気圧以上にすると、反応性ガ
スGは金型2の接合面13や貫通孔31から外部に排出
されることにより所謂エアカーテンとして機能し、外気
の侵入が防止できる。また、金型内面に塗布されている
離型剤から蒸発した水分も反応性ガスGとともに外部に
排出される。
【0053】反応性ガスGの供給に当たっては、反応性
ガスGの湿度が高いと、水分がアルミニウム合金溶湯5
と反応して水素ガスを発生させるため、キャビティ3内
の湿度を湿度計41によって測定し、湿度が15%RH
以下になるように乾燥機61を作動させ、湿度管理を行
うことが好ましい。
【0054】キャビティ3内の圧力が大気圧以上になっ
た後、プランジャ6を図5に示す給湯位置まで後退させ
て給湯口70を開き、1回のダイカスト鋳造に必要な量
のアルミニウム合金溶湯5をスリーブ4に供給する。こ
のとき、スリーブ4の内部は反応性ガスGによって大気
圧以上に保持されており、反応性ガスGが給湯口70か
ら外部に排出されエアカーテンを形成しているので、ス
リーブ4内への外気の侵入は防止される。そして、アル
ミニウム合金溶湯5の注入完了後、給湯口70はプラン
ジャ6の前進によってキャビティ3との連通状態が遮断
される。
【0055】アルミニウム合金溶湯5をスリーブ4に注
入した後、真空吸引装置7によってキャビティ3、スリ
ーブ4および貫通孔31を再度真空吸引する。再度の真
空吸引は反応性ガスGの注入と若干オーバーラップさせ
ることが好ましい。このオーバーラップによって、余剰
の反応性ガスGがキャビティ3、スリーブ4、貫通孔3
1から排出されるとともに、金型2内面の離型剤やスリ
ーブ4の潤滑剤に含まれている水分が反応性ガスGの排
出に伴って効果的に除去される。
【0056】再度真空吸引しながらプランジャ6を前進
させ、スリーブ4内のアルミニウム合金溶湯5を湯道1
4およびゲート20を経てキャビティ3に圧入する。プ
ランジャ6は、図5に示すように高速射出開始位置まで
低速前進した後、射出限位置まで高速前進してアルミニ
ウム合金溶湯5をキャビティ3に圧入する。アルミニウ
ム合金溶湯5をキャビティ3に圧入すると、キャビティ
3内の反応性ガスGの一部は、アルミニウム合金溶湯5
と反応して微細なAl23となり、製品内に分散する
が、残りの一部は未反応のまま残る。そして、この未反
応の反応性ガスは、アルミニウム合金溶湯5の圧入に伴
ってキャビティ3から排出、除去される。このとき、キ
ャビティ3の形状によっては未反応の反応性ガスを金型
2の外部に押し出す経路がアルミニウム合金溶湯5によ
って塞がれると、製品内部に取り込まれ、鋳造欠陥の原
因となる。特に、溶湯の流路が複雑に分流、合流する形
状のキャビティ3では、その傾向が一層強くなる。
【0057】そこで、アルミニウム合金溶湯5の圧入時
に、上記した通りキャビティ3を再度真空吸引すれば、
キャビティ3内に残存する未反応の反応性ガスGを吸引
排気して大幅に軽減することができるため、未反応な反
応性ガスが製品に取り込まれることがなく、当該ガスに
起因する鋳造欠陥を抑制、防止することができる。この
再度の真空吸引は、キャビティ3全体にアルミニウム合
金溶湯5が充満するまで継続して行われる。
【0058】キャビティ3に圧入されたアルミニウム合
金溶湯5が冷却、固化して鋳造が終了すると、バルブ4
4,57を閉じて真空吸引装置7による真空吸引を停止
し、金型2を型開きして可動金型11を固定金型10か
ら離間させる。型開きした状態において、鋳造された製
品は可動金型11側のキャビティ内に位置している。次
いで、ピン駆動装置24によってエジェクターピン21
を前進させて可動金型11内の製品を押し出して離型さ
せる。製品を可動金型11から取り出した後、バルブ4
4,45,57を開き、圧縮空気供給装置8から圧縮空
気を吸気管38、給排気管35、排気管36,55およ
びガス流路33を介してキャビティ3、貫通孔31およ
び真空吸引装置7に供給し、キャビティ3、貫通孔3
1、ガス流路33、給排気管35、真空吸引装置7等の
真空排気系に付着、残留している異物を除去し、もって
1サイクルのダイカスト鋳造を終了する。
【0059】このように、真空吸引、反応性ガスGの供
給および再度の真空吸引を行うと、キャビティ3内に残
存している空気、水蒸気等のガスさらには未反応の反応
性ガスを良好に除去することができるため、これらのガ
スがダイカスト製品に巻き込まれることが少なく、巣、
ブローホール等の鋳造欠陥を著しく抑制、防止でき、ダ
イカスト製品の機械的特性を向上させることができる。
【0060】特に、本発明においては、キャビティ3の
みならずエジェクターピン21を摺動可能に支持する貫
通孔31の内部も真空吸引するようにしているので、貫
通孔31、特に小径孔部29a内に残存する空気や離型
剤から蒸発した水蒸気等のガスを良好に除去することが
でき、これらに起因する鋳造欠陥を防止することがで
き、製品の機械的特性をより一層向上させることができ
る。また、金型2に気密性の高いエジェクターボックス
を設ける必要もないので、上記した実開平5−1364
9号公報、特公平2−33468号公報に記載されたダ
イカストマシーンに比べて金型の構造を簡素化すること
ができる。
【0061】また、貫通孔31は、大径孔部29bを介
してガス流路33に接続されているので、貫通孔31の
真空吸引も良好かつ迅速に行うことができる。
【0062】また、貫通孔31は、ガス流路34、分岐
管63およびガス供給管62を介して反応性ガス供給装
置9に接続されているので、真空吸引装置7による真空
吸引にオーバーラップさせて貫通孔31にも反応性ガス
Gを供給することができる。したがって、貫通孔31は
残存する空気等のガスが反応性ガスGに置換されて大気
圧以上に維持され、外気が侵入するのを防止される。ま
た、反応性ガス供給装置9は乾燥機61を備えているの
で、キャビティ3、スリーブ4および貫通孔31に供給
される反応性ガスG中に含まれている水分を良好に除去
することができ、キャビティ3内の湿度を所定の湿度に
維持することができる。
【0063】さらに、貫通孔31は、ガス流路33、給
排気管35および給気管38を介して圧縮空気供給装置
8に接続されているので、鋳造後に金型2を型開きして
製品を離型させた後、バルブ45を開いて圧縮空気供給
装置8により圧縮空気をキャビティ3と貫通孔31に供
給すれば、キャビティ3や貫通孔31、さらには真空排
気系に付着、残留している異物を除去することができ、
ダイカストマシーン1を清掃することができる。
【0064】なお、上記した実施の形態においては、比
較的融点が低い金属としてアルミニウム合金(640〜
740℃)を用いた例を示したが、錫合金(280〜3
60℃)、亜鉛合金(400〜430℃)、マグネシウ
ム合金(640〜700℃)、銅合金(850〜920
℃)からなるダイカスト製品にも適用することができ
る。また、上記した実施の形態においては、真空吸引、
反応性ガスGの供給および再度の真空吸引を行うDVO
プロセスを採用したダイカストマシーン1に適用した例
を示したが、本発明はこれに何ら限定されるものではな
く、真空ダイカスト法、無孔性ダイカスト法(反応性ガ
スを供給するダイカスト法)、上記した特開2000−
84648号公報に記載された真空・酸素ダイカスト法
等を採用したダイカストマシーンにも適用することが可
能である。
【0065】さらに、上記した実施の形態においては、
貫通孔31の大径孔部29bの孔壁にガス流路33,3
4の一端を開口させたが、本発明はこれに何ら限定され
るものではなく、エジェクターピン21の前端側を摺動
可能に支持する小径孔部29aの孔壁に開口させてもよ
い。この場合は、真空吸引時と反応性ガスGの供給時
に、エジェクターピン21をその先端面21aがガス流
路33,34の一端開口部より後方になるように小径孔
部29aの終端付近まで後退させると、小径孔部29a
に残留する空気、水蒸気等のガスを迅速に真空吸引する
ことができ、また反応性ガスGを迅速に供給することが
できる。
【0066】
【発明の効果】以上説明したように本発明に係るダイカ
ストマシーンは、キャビティに加えてエジェクターピン
を摺動可能に支持する貫通孔を真空吸引装置によって真
空吸引するように構成したので、貫通孔に残存する空
気、水蒸気等のガスを確実に除去することができ、これ
らの残存ガスに起因する巣、ブローホール等の鋳造欠陥
を著しく軽減防止することができ、製品の機械的特性を
向上させることができる。
【0067】貫通孔を反応性ガス供給装置に接続した発
明においては、反応性ガス供給装置によって反応性ガス
を貫通孔に供給すると、貫通孔内に残存するガスは反応
性ガスによって外部に排出され、貫通孔内が反応性ガス
に置換され、貫通孔から外気が侵入するのを防止するこ
とができる。
【0068】貫通孔をエジェクターピンの両端部をそれ
ぞれ摺動可能に支持する2つの小径孔部と、これらの小
径孔部間に設けられ前記エジェクターピンの中間部が遊
挿される大径孔部とで構成し、この大径孔部の孔壁にガ
ス流路の一端を接続した発明においては、大径孔部から
真空吸引を行ったり、反応性ガスを供給するため、真空
吸引や反応性ガスの注入を容易に行うことができる。
【0069】反応性ガス供給装置が乾燥機を備えた発明
においては、反応性ガスを除湿することで、反応性ガス
に含まれている水分と溶湯との反応による水素ガスの発
生を少なくすることができる。
【0070】エジェクターピンが複数本からなり、その
各貫通孔を連通溝によって互いに連通させた発明におい
ては、全ての貫通孔を同時に真空吸引し、反応性ガスに
置換することができる。
【0071】エジェクターピンが貫通する貫通孔を、エ
ジェクターピンの前後端部を摺動可能に支持する2つの
小径孔(部)と、これらの小径孔部間に位置する大径孔
(部)とで構成した発明においては、大径孔(部)に、
ガス流路の開口部を設けることにより、貫通孔の全周に
わたって真空吸引を迅速に行うことができる。また、シ
ール部材によって挿通孔をシールし、外気の侵入を防止
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るダイカストマシーンの一実施の
形態を示す概略構成図である。
【図2】 図1のII−II線概略断面図である。
【図3】 金型のエジェクターピン部の断面図である。
【図4】 図3のIV−IV線断面図である。
【図5】 プランジャの動作位置を示す図である。
【図6】 DVOプロセスを示す図である。
【符号の説明】
1…ダイカストマシーン、2…金型、3…キャビティ、
4…スリーブ、5…アルミニウム合金溶湯、7…真空吸
引装置、8…圧縮空気供給装置、9…反応性ガス供給装
置、10…固定金型、11…可動金型、12…入り駒
型、14…湯道、15…オーバーフロー部、16…チル
ベント、20…ゲート、21…エジェクターピン、22
…収納部、24…ピン駆動装置、25…ブッシュ、26
…シール部材、27…凹部、28…挿通孔、29…異径
孔、29a…小径孔部、29b…大径孔部、31…貫通
孔、32…連通溝、33,34…ガス流路、61…乾燥
機、63…分岐管。
フロントページの続き (72)発明者 猪狩 隆彰 静岡県庵原郡蒲原町蒲原1丁目34番1号 日本軽金属株式会社グループ技術センター 内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 真空吸引装置によって金型のキャビティ
    を真空吸引した後、溶湯を前記キャビティに圧入するダ
    イカストマシーンにおいて、 前記金型内部にエジェクターピンが進退自在に貫通する
    貫通孔とガス流路を設け、前記ガス流路の一端を前記貫
    通孔の孔壁に開口させ、他端側を前記真空吸引装置に接
    続したダイカストマシーン。
  2. 【請求項2】 反応性ガス供給装置によって金型のキャ
    ビティ内の空気を反応性ガスに置換した後、溶湯を前記
    キャビティに圧入するダイカストマシーンにおいて、 前記金型内部にエジェクターピンが進退自在に貫通する
    貫通孔とガス流路を設け、前記ガス流路の一端を前記貫
    通孔の孔壁に開口させ、他端側を前記反応性ガス供給装
    置に接続したダイカストマシーン。
  3. 【請求項3】 真空吸引装置によって金型のキャビティ
    を真空吸引した後、反応性ガス供給装置によって前記キ
    ャビティに反応性ガスを供給し、その後溶湯を前記キャ
    ビティに圧入するダイカストマシーンにおいて、 前記金型内部にエジェクターピンが進退自在に貫通する
    貫通孔とガス流路を設け、前記ガス流路の一端を前記貫
    通孔の孔壁に開口させ、他端側を前記真空吸引装置と前
    記反応性ガス供給装置の少なくともいずれか一方に接続
    したダイカストマシーン。
  4. 【請求項4】 請求項1,2または3記載のダイカスト
    マシーンにおいて、 貫通孔がエジェクターピンの両端部をそれぞれ摺動可能
    に支持する2つの小径孔部と、これらの小径孔部間に設
    けられ前記エジェクターピンの中間部が遊挿される大径
    孔部とで構成し、前記大径孔部の孔壁にガス流路の一端
    を接続したダイカストマシーン。
  5. 【請求項5】 請求項1,2,3または4記載のダイカ
    ストマシーンにおいて、 圧縮空気供給装置を貫通孔に接続可能に構成したダイカ
    ストマシーン。
  6. 【請求項6】 請求項2〜5のうちのいずれか1つに記
    載のダイカストマシーンにおいて、 反応性ガス供給装置が乾燥機を備えているダイカストマ
    シーン。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のうちのいずれか1つに記
    載のダイカストマシーンにおいて、 エジェクターピンが複数本で、その貫通孔を連通溝によ
    って互いに連通させたダイカストマシーン。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7のうちのいずれか1つに記
    載のダイカストマシーンにおいて、 キャビティの一部を形成する第1の金型構成部材と、こ
    の第1の金型構成部材を収納固定する収納部およびこの
    収納部の底面に設けられた凹部とを有する第2の金型部
    材と、この第2の金型構成部材の前記凹部にシール部材
    を介して軸線と直交する方向に移動可能に嵌挿されたブ
    ッシュと、前記第1、第2の金型構成部材および前記ブ
    ッシュに設けられた貫通孔を摺動可能に貫通するエジェ
    クターピンとを備え、 前記貫通孔を、前記第1の金型構成部材に形成され前記
    エジェクターピンの前端部を摺動可能に支持する小径孔
    およびこの小径孔に連通する大径孔と、前記ブッシュに
    形成され前記エジェクターピンの後端部を摺動可能に支
    持する小径孔とで構成し、前記第1の金型構成部材の大
    径孔の孔壁に一端が開口するガス流路を前記第1、第2
    の金型構成部材内に形成し、このガス流路の他端側を真
    空吸引装置と反応性ガス供給装置の少なくともいずれか
    一方に接続したダイカストマシーン。
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