JP2003190951A - 超純水供給装置 - Google Patents

超純水供給装置

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Kiminari Shigeta
公成 重田
Akira Matsumoto
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Abstract

(57)【要約】 【課題】半導体、液晶などの電子部品製造工場、医薬用
水、原子力発電所などで広く使用されている超純水中の
長鎖アミンを効率的に除去し、純度の極めて高い超純水
を供給することができる超純水供給装置を提供する。 【解決手段】長鎖アミン除去手段を備えてなることを特
徴とする超純水供給装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、超純水供給装置に
関する。さらに詳しくは、本発明は、半導体、液晶など
の電子部品製造工場、医薬用水、原子力発電所などで広
く使用されている超純水中の長鎖アミンを効率的に除去
し、純度の極めて高い超純水を供給することができる超
純水供給装置に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体、液晶などの電子部品の製造にお
いては、多量の超純水が用いられている。超純水は、2
5℃において18.24MΩ・cmという理論純水の比抵抗
に極めて近い比抵抗値を有する。図1は、超純水供給装
置の一例の系統図である。超純水供給装置では、市水、
工業用水、井水などを原水とし、前処理装置、一次純水
装置及び二次純水装置で処理されて、超純水が製造され
る。前処理装置では、ろ過、凝集沈殿、精密ろ過膜など
による前処理が施される。一次純水装置では、イオン交
換、膜分離、ガス放散、紫外線照射などが行われ、原水
の水質と、要求される処理水の水質に合わせて、各装置
が適宜組み合わされる。二次純水装置では、一次純水中
に残存する極微量のイオン、シリカ、有機物、微粒子な
どを除去するために、さらに紫外線照射、イオン交換、
限外ろ過膜などを組み合わせて最終的に処理され、超純
水が得られる。製造された超純水は、ウエハー洗浄工程
などのユースポイントに送られて使用される。ユースポ
イントでは、濃厚排水、希薄排水、使用されなかった純
水が発生する。濃厚排水は、排水処理されたのち、放流
又は排水処理系で回収再利用される。希薄排水は排水回
収装置で処理され、純水は純水回収装置で処理されて、
それぞれ一次純水装置に供給され、再利用される。この
ような超純水供給装置を用いて、有機体炭素、無機塩
類、菌、溶存ガスが極力除去され、理論的な水質面で
は、超純水はほぼ満足する水準に達している。しかし、
LSI半導体製品の製造現場においては、製品不良が発
生することがある。このために、半導体製造工場におい
て、製品不良が発生することなく、安定して操業するこ
とができる超純水供給装置が求められていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、半導体、液
晶などの電子部品製造工場で広く使用されている超純水
中の長鎖アミンを効率的に除去し、純度の極めて高い超
純水を供給することができる超純水供給装置を提供する
ことを目的としてなされたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、水中の長鎖アミ
ンが製品不良と関連があること、さらに、長鎖アミンの
発生源が、一次純水装置や二次純水装置で使用される膜
分離装置のポッティング材料や接着剤であることを見い
だし、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、(1)長鎖アミン除去手段を備え
てなることを特徴とする超純水供給装置、(2)長鎖ア
ミン除去手段を、ユースポイントの前段に有する第1項
記載の超純水供給装置、(3)超純水供給装置を構成す
る前処理装置、一次純水装置、二次純水装置又は回収装
置のいずれかに少なくとも一つの膜分離手段が設けられ
た超純水供給装置において、該膜分離手段の後段に長鎖
アミン除去手段を有する第1項記載の超純水供給装置、
(4)長鎖アミン除去手段が、長鎖アミン分解手段であ
る第1項、第2項又は第3項記載の超純水供給装置、
(5)長鎖アミン除去手段が、長鎖アミン吸着手段であ
る第1項、第2項又は第3項記載の超純水供給装置、
(6)長鎖アミン除去手段が、あらかじめアミン溶出の
低減処理を施された逆浸透膜である第1項、第2項又は
第3項記載の超純水供給装置、(7)長鎖アミン分解手
段が、電磁波照射による酸化分解装置である第4項記載
の超純水供給装置、(8)長鎖アミン吸着手段が、合成
樹脂又はイオン交換体を使用する第5項記載の超純水供
給装置、(9)合成樹脂が、疎水性を有する第8項記載
の超純水供給装置、及び、(10)イオン交換体が、イ
オン交換樹脂、イオン交換膜又はキレート樹脂である第
8項記載の超純水供給装置、を提供するものである。さ
らに、本発明の好ましい態様として、(11)長鎖アミ
ンが、炭素数8〜30の炭化水素基を有するアミンであ
る第1項記載の超純水供給装置、(12)膜分離手段
が、精密ろ過膜、限外ろ過膜、逆浸透膜又は脱気膜であ
る第3項記載の超純水供給装置、(13)アミン溶出の
低減処理が、温超純水ないし熱超純水による洗浄である
第6項記載の超純水供給装置、(14)電磁波が、紫外
線である第7項記載の超純水供給装置、及び、(15)
紫外線照射に際して、光触媒を用いる第14項記載の超
純水供給装置、を挙げることができる。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明の超純水供給装置は、長鎖
アミン除去手段を備えてなる装置である。本発明装置の
対象となる長鎖アミンは、炭素数8〜30の炭化水素基
を有するアミンである。本発明装置の対象となる長鎖ア
ミンの種別に特に制限はなく、例えば、第一級アミン、
第二級アミン、第三級アミン、第四級アンモニウム塩な
どや、モノアミン、ジアミン、トリアミンなどを挙げる
ことができる。炭素数8〜30の炭化水素基を有する長
鎖アミンとしては、例えば、オクチルアミンからトリア
コンチルアミンまでの直鎖状脂肪族モノアミン、デカメ
チレンジアミンなどの直鎖状脂肪族ジアミン、2,2,4
−トリメチルヘキサメチレンジアミンなどの側鎖を有す
る脂肪族ジアミン、メンテンジアミン、イソホロンジア
ミン、ジアミノジシクロヘキシルメタンなどの脂環式構
造を有するジアミン、m−キシリレンジアミン、p,p'
−ジアミノジフェニルメタンなどの芳香族環を有するジ
アミンなどを挙げることができる。第二級アミン、第三
級アミン及び第四級アンモニウム塩においては、窒素原
子に結合する炭化水素基の1個以上が炭素数8〜30で
あれば、本発明装置の対象とすることができる。シリコ
ンウエハーなどの半導体材料を、超純水を用いて洗浄な
どの処理をするとき、超純水中に長鎖アミンが存在する
と、表面荒れなどの不具合が発生する原因となる。本発
明装置により長鎖アミンが除去された超純水をシリコン
ウエハーの洗浄などに用いることにより、安定して高品
質の半導体などを製造することができる。炭化水素基の
炭素数が7以下であるアミンと、炭化水素基の炭素数が
31以上である長鎖アミンは、シリコンウエハーの表面
に吸着されがたいので、本発明装置による除去の対象と
する必要がない。
【0006】本発明装置においては、長鎖アミン除去手
段は、ユースポイントの前段に設けることが好ましい。
長鎖アミン除去手段をユースポイントの前段に設けるこ
とにより、超純水製造工程において、長鎖アミンが超純
水中に混入しても、ユースポイントの前段において長鎖
アミンを確実に除去することができる。ちなみに、ユー
スポイントの前段とは、二次純水装置の最終段、二次純
水装置とユースポイントを接続する配管の任意の場所、
さらに、ウエハーの洗浄装置内に長鎖アミン除去手段が
組み込まれた形態も含む。超純水供給装置を構成する前
処理装置、一次純水装置、二次純水装置又は回収装置の
いずれかに少なくとも一つの膜分離手段が設けられてい
る場合は、該膜分離手段の後段に長鎖アミン除去手段を
設けることが好ましい。膜分離手段としては、例えば、
精密ろ過膜、限外ろ過膜、逆浸透膜、脱気膜などを挙げ
ることができる。超純水供給装置において、長鎖アミン
の発生源は膜分離手段のポッティング材料や接着剤であ
る場合が多いので、膜分離手段の後段に長鎖アミン除去
手段を設けることにより、膜分離手段で長鎖アミンが発
生しても直ちに除去し、超純水供給装置全体への長鎖ア
ミンの拡散を防止することができる。本発明装置におい
て、長鎖アミン除去手段に特に制限はなく、例えば、長
鎖アミン分解手段、長鎖アミン吸着手段、逆浸透膜など
を挙げることができる。長鎖アミン分解手段としては、
例えば、電磁波照射などによる酸化分解装置などを挙げ
ることができる。図2は、紫外線照射による酸化分解装
置の3態様の説明図である。図2(a)に示す態様では、
超純水が通水されるステンレス鋼製のシリンダー1の中
に、石英外管2内に収められた紫外線ランプ3が設けら
れ、超純水はシリンダー内を流れながら紫外線照射を受
ける。図2(b)に示す態様では、超純水貯留タンク4の
中に、石英外管5内に収められた紫外線ランプ6が設置
され、タンク内に貯留された超純水が紫外線照射を受け
る。図2(c)に示す態様では、石英又はフッ素樹脂製の
管7内に超純水を通水し、その外部から紫外線ランプ8
により紫外線を照射する。
【0007】長鎖アミンの炭化水素基の中の炭素−炭素
間の結合は、一定の結合エネルギーを有しており、それ
よりも高いエネルギーを有する電磁波を照射すると、炭
素−炭素間の結合が切断され、長鎖の炭化水素基が短く
なり、シリコン表面に吸着されがたい物質となる。炭化
水素基の中の炭素−炭素間の結合エネルギーは約3.5
8eV、アミンの炭素−窒素間の結合エネルギーは約
3.15eVとされている。一方、電磁波のエネルギー
は波長に逆比例するが、波長185nmの紫外線は6.
68eVのエネルギーを有するとされている。したがっ
て、波長300nm(約4eV)以下の電磁波を、長鎖
アミンを含む超純水に照射することにより、水中の長鎖
アミンを分解することができる。電磁波としては、紫外
線を好適に用いることができる。長鎖アミンは、酸化分
解装置により、二酸化炭素と水と硝酸までのように、完
全に分解される必要はなく、長鎖の炭化水素基の一部が
切断されて、シリコン表面に吸着されがたい状態になれ
ば目的は達せられる。本発明装置においては、紫外線照
射に際して、光触媒を併用することができる。光触媒
は、光が照射されると自由電子の放出又は正孔の発生が
起きて、触媒表面に吸着した有機物との間で電子の授受
を行い、酸化分解するはたらきを有する。長鎖アミン
は、界面活性剤的な性質を有し、固体表面に吸着されや
すいので、図2に示す態様の装置において、石英管など
の超純水と接する面に光触媒を付着させておくと、長鎖
アミンが石英管の表面に吸着され、触媒作用を受けて酸
化分解反応が促進される。使用する光触媒としては、例
えば、酸化チタン、酸化亜鉛などの固体の酸化物半導体
などを挙げることができる。図3は、光触媒酸化装置の
2態様の説明図である。図3(a)に示す態様のように、
光触媒を担持した充填材層9に超純水を下向流で通水
し、充填材層に紫外線ランプ10から紫外線を照射する
ことができ、あるいは、図3(b)に示す態様のように、
光触媒を担持した充填材層11に超純水を上向流で通水
して流動床を形成し、充填材層に紫外線ランプ12から
紫外線を照射することもできる。
【0008】図4(a)は、本発明の超純水供給装置の一
態様の系統図である。原水は、前処理装置、一次純水装
置で処理されたのち、紫外線照射装置、イオン交換装置
及び限外ろ過膜装置で構成される二次純水装置で処理さ
れ、極微量の不純物が除去される。しかし、二次純水装
置の最終段に限外ろ過膜装置が設けられ、限外ろ過膜装
置から接着剤などに由来する長鎖アミンが溶出するおそ
れがあるので、その後段に長鎖アミン除去手段を設け、
長鎖アミンの漏出を防止する。図4(b)は、本発明の超
純水供給装置の他の態様の系統図である。原水は、前処
理装置、イオン交換装置及び逆浸透膜装置で構成される
一次純水装置で処理されたのち、逆浸透膜装置から溶出
するおそれがある長鎖アミンが、長鎖アミン除去手段に
より除去され、二次純水装置で残存する極微量の不純物
が除去されて極めて純度の高い超純水となり、ユースポ
イントへ送られる。図4(c)は、本発明の超純水供給装
置の他の態様の系統図である。原水は、前処理装置、イ
オン交換装置及び溶存酸素などの除去のための膜脱気装
置で構成される一次純水装置で処理されたのち、膜脱気
装置から溶出するおそれがある長鎖アミンが、あらかじ
めアミン溶出の低減処理を施された逆浸透膜装置により
除去され、二次純水装置で残存する極微量の不純物が除
去されて極めて純度の高い超純水となり、ユースポイン
トへ送られる。一般に膜分離装置からは長鎖アミンが溶
出するおそれがあるが、逆浸透膜装置にあらかじめアミ
ン溶出の低減処理を施すことにより、長鎖アミン除去手
段として用いることができる。長鎖アミンの分子量は1
00以上であり、このような分子量を有する物質は逆浸
透膜で除去することができる。アミン溶出の低減処理方
法に特に制限はないが、40℃程度の温超純水ないし熱
超純水による洗浄を好適に用いることができる。逆浸透
膜装置に温超純水ないし熱超純水を給水して長時間洗浄
運転し、透過水に長鎖アミンが漏出しない状態とするこ
とにより、アミン溶出の低減処理の完了を確認すること
が好ましい。透過水中の長鎖アミンは、ガスクロマトグ
ラフィー/質量分析法により定量することができる。
【0009】本発明装置において、長鎖アミン吸着手段
に特に制限はないが、合成樹脂又はイオン交換体を好適
に用いることができる。使用する合成樹脂は、疎水性を
有する合成樹脂であることが好ましい。疎水性を有する
合成樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピ
レンなどのポリオレフィン系樹脂や、ポリテトラフルオ
ロエチレン、テトラフルオロエチレン−パーフルオロア
ルキルビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレ
ン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体などのフッ素系
樹脂などを挙げることができる。これらの中で、ポリエ
チレンは長鎖アミンの除去性能が良好なので、特に好適
に用いることができる。疎水性の合成樹脂の形状に特に
制限はないが、取り扱いの容易さと形態の安定性から、
球状であることが好ましい。超純水中に含まれる長鎖ア
ミンは、その炭化水素基が疎水性の合成樹脂に吸着さ
れ、超純水から除去される。本発明装置に用いるイオン
交換体の交換形態に特に制限はなく、例えば、カチオン
交換、アニオン交換、キレート交換、静電吸着などを挙
げることができる。イオン交換体の形状にも特に制限は
なく、例えば、ポーラス型イオン交換樹脂、ゲル型イオ
ン交換樹脂、膜表面に担持させたイオン交換膜、繊維状
イオン交換体などを挙げることができる。イオン交換樹
脂、キレート樹脂などは、単体として使用することがで
き、あるいは、混合体として使用することもできる。混
合体として使用するとき、その混合比についても特に制
限はない。ただし、イオン交換膜については、ポッティ
ング材料や接着剤に長鎖アミン系材料を使用しているも
のと、過酸化水素殺菌洗浄によりイオン交換能が低下す
るものを避けることが好ましい。本発明装置において
は、長鎖アミン除去手段を2基以上並行に設置すること
が好ましい。長鎖アミン除去手段を2基以上並行に設置
することにより、吸着破過時の運転、除去装置の充填材
の交換などを好都合に行うことができる。また、2基以
上の長鎖アミン除去手段には、ブローライン及びこれら
の手段をバイパスするラインを設置することが好まし
い。本発明装置に用いる長鎖アミン吸着手段は、耐圧性
の容器に合成樹脂、イオン交換樹脂、キレート樹脂、イ
オン交換膜などが充填された装置であることが好まし
い。長鎖アミン吸着手段への通水条件に、特に制限はな
いが、例えば、イオン交換樹脂を用いた長鎖アミン吸着
手段の場合、上向流で空間速度50h-1以上、差圧14
7kPa以下であることが好ましい。
【0010】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細
に説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限
定されるものではない。 実施例1 図5に示す内径60mm、高さ420mmのステンレス鋼製
の装置3台と、イオン交換膜モジュール1台を用いて、
長鎖アミンの除去試験を行った。図5に示す装置は、装
置上方の超純水供給口13から供給された超純水が、充
填物14に接触しながら下向流で通過し、装置下方に目
詰まり防止フィルター15を備えた処理水配管16に入
り、装置上方の処理水流出口17から流出する。装置頂
上には、エア抜きバルブ18が備えられている。試験に
用いた超純水は、二次純水装置に限外ろ過膜装置を備
え、この限外ろ過膜装置から長鎖アミンが溶出すること
が分かっている。図5に示す装置の1台に、充填材とし
て直径0.50〜0.71mmのガラスビーズ1Lを充填
し、超純水製造装置で製造した超純水を流量100L/
h、入口圧力196kPaで通水処理した。容量約4Lの
石英洗浄槽に、あらかじめ疎水表面処理を施した直径1
50mmのシリコンウエハーを設置し、処理水20L/mi
nによるオーバーフロー洗浄を7日間継続して行った。
装置の他の1台には、直径0.4〜0.8mmの球状高密度
ポリエチレン1Lを充填し、さらに他の1台には、イオ
ン交換樹脂[ゲル型カチオン交換樹脂]1Lを充填し、
同様にして、それぞれ疎水表面処理を施したシリコンウ
エハーの洗浄を7日間継続して行った。イオン交換膜モ
ジュールは、プラスチック製の容器に、膜面積0.11
2のカチオン交換膜[日本ポール(株)]を備えたモジ
ュールであり、超純水を流量180L/h、入口圧力1
96kPaで通水処理し、この処理水を用い、同様にし
て、疎水表面処理を施したシリコンウエハーの洗浄を7
日間継続して行った。洗浄後の4枚のシリコンウエハー
について、ウエハー表面に付着した長鎖アミンを、昇温
脱離装置[GL Sciences Inc、SWA−256]を付帯
したGS/MS[日本電子データム(株)、AMSUM3
00]を用いて測定した。各ウエハーからの長鎖アミン
の信号のカウント数は、ガラスビーズで処理した超純水
で洗浄したシリコンウエハーは35,000、球状ポリ
エチレンで処理した超純水で洗浄したシリコンウエハー
は10,300、イオン交換樹脂で処理した超純水で洗
浄したシリコンウエハーは3,500、イオン交換膜で
処理した超純水で洗浄したシリコンウエハーは3,40
0であり、その相対比は、1:0.3:0.1:0.1で
あった。実施例1の結果を、第1表に示す。
【0011】
【表1】
【0012】第1表に見られるように、超純水をガラス
ビーズで接触処理した場合に比べて、ポリエチレン、カ
チオン交換樹脂又はカチオン交換膜で処理した場合は、
シリコンウエハー表面に付着する長鎖アミンの量が顕著
に減少し、超純水中に含まれる長鎖アミンが、これらの
処理により効率的に除去されることが分かる。
【0013】
【発明の効果】本発明の超純水供給装置によれば、超純
水中の長鎖アミンが効率よく除去されるので、無機イオ
ンのみならず、有機イオンも含有しない極めて純度の高
い超純水が得られ、このような超純水をシリコンウエハ
ーなどの電子材料の洗浄用に使用することにより、製品
品質の安定化を図ることができる。特に、工場の定期修
理に伴う製品不良の発生を防ぎ、工程の早期安定化に貢
献することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、超純水供給装置の一例の系統図であ
る。
【図2】図2は、紫外線照射による酸化分解装置の3態
様の説明図である。
【図3】図3は、光触媒酸化装置の2態様の説明図であ
る。
【図4】図4は、本発明の超純水供給装置の3態様の系
統図である。
【図5】図5は、実施例で用いた装置の説明図である。
【符号の説明】
1 ステンレス鋼製のシリンダー 2 石英外管 3 紫外線ランプ 4 超純水貯留タンク 5 石英外管 6 紫外線ランプ 7 石英又はフッ素樹脂製の管 8 紫外線ランプ 9 光触媒を担持した充填材層 10 紫外線ランプ 11 光触媒を担持した充填材層 12 紫外線ランプ 13 超純水供給口 14 充填物 15 目詰まり防止フィルター 16 処理水配管 17 処理水流出口 18 エア抜きバルブ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C02F 1/42 C02F 1/42 A 1/72 101 1/72 101 (72)発明者 横井 生憲 東京都新宿区西新宿三丁目4番7号 栗田 工業株式会社内 (72)発明者 重田 公成 東京都新宿区西新宿三丁目4番7号 栗田 工業株式会社内 (72)発明者 松本 章 東京都新宿区西新宿三丁目4番7号 栗田 工業株式会社内 Fターム(参考) 4D006 GA03 GA06 GA07 GA32 KA52 KA55 KA72 KB04 KB12 KB30 PA01 PB02 PB70 PC02 4D024 AA03 AB13 BA17 BC01 DB05 4D025 AA04 AB36 BA08 BA22 BA27 BB02 DA05 4D037 AA03 AB12 BA18 CA03 CA11 4D050 AA05 AB17 BB01 BC06 BC09 BD02 CA09

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】長鎖アミン除去手段を備えてなることを特
    徴とする超純水供給装置。
  2. 【請求項2】長鎖アミン除去手段を、ユースポイントの
    前段に有する請求項1記載の超純水供給装置。
  3. 【請求項3】超純水供給装置を構成する前処理装置、一
    次純水装置、二次純水装置又は回収装置のいずれかに少
    なくとも一つの膜分離手段が設けられた超純水供給装置
    において、該膜分離手段の後段に長鎖アミン除去手段を
    有する請求項1記載の超純水供給装置。
  4. 【請求項4】長鎖アミン除去手段が、長鎖アミン分解手
    段である請求項1、請求項2又は請求項3記載の超純水
    供給装置。
  5. 【請求項5】長鎖アミン除去手段が、長鎖アミン吸着手
    段である請求項1、請求項2又は請求項3記載の超純水
    供給装置。
  6. 【請求項6】長鎖アミン除去手段が、あらかじめアミン
    溶出の低減処理を施された逆浸透膜である請求項1、請
    求項2又は請求項3記載の超純水供給装置。
  7. 【請求項7】長鎖アミン分解手段が、電磁波照射による
    酸化分解装置である請求項4記載の超純水供給装置。
  8. 【請求項8】長鎖アミン吸着手段が、合成樹脂又はイオ
    ン交換体を使用する請求項5記載の超純水供給装置。
  9. 【請求項9】合成樹脂が、疎水性を有する請求項8記載
    の超純水供給装置。
  10. 【請求項10】イオン交換体が、イオン交換樹脂、イオ
    ン交換膜又はキレート樹脂である請求項8記載の超純水
    供給装置。
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