JP2003190093A - 眼科装置 - Google Patents

眼科装置

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JP2003190093A
JP2003190093A JP2001397494A JP2001397494A JP2003190093A JP 2003190093 A JP2003190093 A JP 2003190093A JP 2001397494 A JP2001397494 A JP 2001397494A JP 2001397494 A JP2001397494 A JP 2001397494A JP 2003190093 A JP2003190093 A JP 2003190093A
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Minemoto Hayafuji
峰基 早藤
Hiroshi Hara
広志 原
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Topcon Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、回転操作手段の右回し、左回しの
いずれの場合にも装置本体の上下動の移動速度が同等と
なり、操作し易く上下方向のアライメント作業の効率向
上を図ることができる眼科装置を提供する。 【解決手段】 被検眼に対して上下移動する測定用又は
観察用の光学ユニットを備えた装置本体と、回転操作に
より装置本体を上下動させるためのジョイスティックと
を備え、該ジョイスティックの回転方向及び回転量又は
回転速度に応じた移動方向及び移動量又は移動速度で装
置本体を上下動させる眼科装置であって、前記ジョイス
ティックの時計方向、反時計方向の回転方向を検出する
回転方向検出部220と、回転方向検出部220の検出
結果を基に、前記ジョイスティックに対する時計方向の
回転操作時と反時計方向の回転操作時とで、上下動の移
動量又は移動速度が同等になるように装置本体を上下動
駆動するY方向ドライバ204を有するものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、眼科装置に関し、
詳しくは被検眼に対する光学ユニットのアライメント機
能の向上を図った眼科装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、眼科装置の一例として、光学ユニ
ットに搭載した吹き付けノズルから空気パルス等の流体
を被検眼の角膜に向けて吹き付け、角膜を変形(圧平)
させ、この圧平状態にある角膜からの反射光束を受光素
子で受光して眼圧値を測定する非接触式眼圧計が知られ
ている。
【0003】このような非接触式眼圧計は、被検眼の角
膜に対し吹き付けノズルの位置を整合させる必要がある
ため、被検眼に対する装置本体の光学ユニットの位置を
最適化する上下方向のアライメント機能が不可欠とな
る。
【0004】従来におけるアライメント手段としては、
ジョイスティックの回転ノブと、この回転ノブの操作状
態(回転方向、回転量)を光学的に検出する検出手段と
を同軸配置に備え、回転ノブの回転方向、回転速度に応
じた検出手段の検出信号を基に光学ユニットを上下駆動
しアライメントを行うようにしたものが知られている
(特開平6−7292号)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来における
アライメント手段においては、通常ジョイスティックの
回転ノブの右回し(時計回り)の場合と、左回し(反時
計回り)の場合とで、一定の回転量に対応する光学ユニ
ットの上下動の移動速度(移動速度)は同じくなるよう
に設定されている。
【0006】一方、ジョイスティックを回転操作する検
者の立場からは、例えば右手の右回し、右手の左回しで
回し易さが異なり、通常右回しの方が左回しよりも回転
量が大きい。例えばジョイスティックの回転ノブを右手
で右回し(右手の甲側に回す)した場合の方が左回し
(右手の親指側に回す)した場合より回転量が大きい。
【0007】この結果、ジョイスティックの回転ノブを
右手で右回しした場合に光学ユニットの移動方向が上方
向、右手で左回しした場合には光学ユニットの移動速度
(移動量)は下方向と設定されている場合に、右手の右
回しと左回しとで光学ユニットの上方向への移動速度
と、下方向への移動速度とが異なるものとなってしま
う。
【0008】この結果、検者は右手の右回しと左回しと
で光学ユニットの移動速度が異なることを意識しつつ上
下方向のアライメント調整を行う必要が有り、極めて煩
雑で操作性が良好とは言い難いという問題があった。左
利きの検者の場合の左手の左回しと右回しの場合も事情
は同様である。
【0009】本発明は、回転操作手段の右回し、左回し
と光学ユニットの上下動の移動速度との関係が、右回
し、左回しのいずれの場合にも同等となる操作し易い構
成とし、上下方向のアライメント作業の効率向上を図る
ことができる眼科装置を提供することを目的とするもの
である。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
被検眼に対して上下移動する測定用又は観察用の光学ユ
ニットを備えた装置本体と、回転操作により装置本体を
上下動させるための回転操作手段とを備え、該回転操作
手段の回転方向及び回転量又は回転速度に応じた移動方
向及び移動量又は移動速度で装置本体を上下動させる眼
科装置であって、前記回転操作手段の回転方向を判定し
回転方向別に上下動の移動量又は移動速度を変更して装
置本体の上下動駆動を行う上下動駆動制御手段を有する
ことを特徴とするものである。
【0011】請求項2記載の発明は、被検眼に対して上
下移動する測定用又は観察用の光学ユニットを備えた装
置本体と、回転操作により装置本体を上下動させるため
の回転操作手段とを備え、該回転操作手段の回転方向及
び回転量又は回転速度に応じた移動方向及び移動量又は
移動速度で装置本体を上下動させる眼科装置であって、
前記回転操作手段の時計方向、反時計方向の回転方向を
検出する検出手段と、検出手段の検出結果を基に、前記
回転操作手段に対する時計方向の回転操作時と反時計方
向の回転操作時とで、上下動の移動量又は移動速度が同
等になるように装置本体を上下動駆動する上下動駆動制
御手段を有することを特徴とするものである。
【0012】本発明によれば、回転操作手段の回転方向
を判定し回転方向別に上下動の移動量又は移動速度を変
更して装置本体の上下動駆動を行うものであるから、回
転操作手段の回転方向別の上下動の移動速度との関係
が、いずれの場合にも同等となり、検者にとって操作し
易く、装置本体の上下方向のアライメント作業の効率向
上を図ることができる。また、回転操作手段の時計方
向、反時計方向の回転方向を検出し、回転操作手段の時
計方向の回転操作時と反時計方向の回転操作時とで、上
下動の移動量又は移動速度が同等になるように装置本体
を上下動駆動するものであるから、右利きで右手右回し
の回転操作を主として行う検者、左利きで左手左回しの
回転操作を主として行う検者いずれの場合にも、操作し
易く、装置本体の上下方向のアライメント作業の効率向
上を図ることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態につい
て詳細に説明する。
【0014】図1及び図2に示す本実施の形態に係る眼
科装置Sは非接触式眼圧計として機能するものであり、
被検眼Eの前眼部を観察するための前眼部観察光学系1
0と、XY方向(被検眼Eに対する左右及び上下方向)
のアライメント検出及び角膜変形検出のための視標光を
被検眼Eの角膜Cに向けて正面から投影するXYアライ
メント視標投影光学系20と、被検眼Eに固視標を提示
する固視標投影光学系30と、XYアライメント視標光
の角膜Cによる反射光を受光して眼科装置Sと角膜Cの
XY方向の位置関係を検出するXYアライメント検出光
学系(位置検出手段)40と、XYアライメント視標光
の角膜Cによる反射光を受光し角膜Cの変形量を検出す
る角膜変形検出光学系(角膜変形検出手段)50と、角
膜Cに斜めからZ方向(被検眼Eに対する前後方向)の
アライメント用視標光を投影するZアライメント視標投
影光学系60と、Zアライメント視標光の角膜Cによる
反射光を前眼部観察光学系10の光軸に対して対称な方
向から受光し眼科装置Sと角膜CのZ方向の位置関係を
検出するZアライメント検出光学系70とを有してい
る。
【0015】前眼部観察光学系10は、図1に示すよう
に、被検眼Eの左右両側に位置して前眼部を直接照明す
る複数個の前眼部照明光源11、気流吹き付けノズル1
2、前眼部窓ガラス13、チャンバー窓ガラス14、ハ
ーフミラー15、対物レンズ16、ハーフミラー17,
18、撮像手段であるCCDカメラ19を備えている。
図1中、O1は前眼部観察光学系10の光軸である。
【0016】前眼部照明光源11によって照明された被
検眼Eの前眼部像は、気流吹き付けノズル12の内外を
通り、前眼部窓ガラス13、チャンバー窓ガラス14、
ハーフミラー15を透過し、対物レンズ16により集束
されつつハーフミラー17,18を透過してCCDカメ
ラ19上に結像し、画像化される。
【0017】固視標投影光学系30は、図2に示すよう
に、可視光を出射する固視標用光源31、ピンホール板
32、ダイクロイックミラー26、投影レンズ27、ハ
ーフミラー15、チャンバー窓ガラス14、気流吹き付
けノズル12を含んで構成される。
【0018】固視標用光源31から出射された固視標光
は、ピンホール板32、ダイクロイックミラー26を経
て、投影レンズ27により平行光とされハーフミラー1
5で反射された後に、チャンバー窓ガラス14を透過
し、気流吹き付けノズル12の内部を通過して被検眼E
に導かれる。被検者はその固視標を固視目標として注視
することによりその視線が固定される。
【0019】XYアライメント視標投影光学系20は、
図2に示すように、赤外光を出射するXYアライメント
用光源21、集光レンズ22、有効絞り23、開口絞り
24、ピンホール板25、ダイクロイックミラー26、
ピンホール板25に焦点を一致させるように光路上に配
置された投影レンズ27、ハーフミラー15、チャンバ
ー窓ガラス14、気流吹き付けノズル12を含んで構成
される。
【0020】XYアライメント用光源21から出射され
た赤外光は、集光レンズ22により集束されつつ有効絞
り23、開口絞り24を通過し、ピンホール板25に導
かれる。そして、ピンホール板25を通過した光束は、
ダイクロイックミラー26で反射され、投影レンズ27
によって平行光束となってハーフミラー15で反射され
た後に、チャンバー窓ガラス14を透過して気流吹き付
けノズル12の内部を通過し、図3に示すように、XY
アライメント視標光Kを形成する。
【0021】図3において、XYアライメント視標光K
は、角膜Cの頂点Pと、角膜Cの曲率中心との中間位置
に輝点像Rを形成するようにして角膜表面Tで反射され
る。なお、前記開口絞り24は投影レンズ27に関して
角膜頂点Pと共役な位置に設けられている。
【0022】また、有効絞り23は、投影レンズ27に
関して気流吹き付けノズル12の対物レンズ16側の端
面Fと共役な位置に設けられている。この有効絞り23
の効果を図4を用いて説明する。
【0023】図4(a)、(b)はXYアライメント視
標投影光学系20の概略図であり、ダイクロイックミラ
ー26は省略してある。図4(a)は有効絞り23を設
けない場合、図4(b)は有効絞り23を設けた場合を
示している。図4(a)に示すように有効絞り23を設
けないと、ピンホール板25の中心部を通る光束は、蹴
られることなくノズル内いっぱいを通過するが、周辺部
を通る光束の一部(軸外光束K1)はノズル12の端面
Fで蹴られる。このノズル12の端面Fに当たった光束
K1は散乱・反射され、この反射光K1´後述するXY
アライメント検出光学系40のセンサ41に入射してし
まい、アライメントの誤検出を招いてしまう。
【0024】このような事態を避けるために、図4
(b)に示すように、有効絞り23を設け、あらかじめ
不要光をカットすることにより、ゴースト光を生じるこ
となく投影光束径を太くすることができ、アライメント
検出可能範囲を増加させることができる。
【0025】XYアライメント検出光学系40は、気流
吹き付けノズル12、チャンバー窓ガラス14、ハーフ
ミラー15、対物レンズ16、ハーフミラー17,1
8、センサ(受光素子)41、XYアライメント検出回
路42を含んで構成される。
【0026】XYアライメント視標投影光学系20によ
り角膜Cに投影され、角膜表面Tで反射された反射光束
は、ノズル12の内部を通りチャンバー窓ガラス14、
ハーフミラー15を透過し、対物レンズ16により集束
されつつハーフミラー17でその一部が透過し、ハーフ
ミラー18でその一部が反射される。ハーフミラー18
で反射された光束は、ハーフミラー18に対向配置した
センサ41上に輝点像R´1を形成する。このセンサ4
1はPSDのような位置検出可能な受光センサである。
【0027】XYアライメント検出回路42は、センサ
41の出力を基にして、眼科装置Sの装置本体115
と、角膜Cとの位置関係(XY方向)を公知の手段によ
って演算し、その演算結果を制御回路80に出力する。
【0028】一方、ハーフミラー18を透過した角膜C
による反射光束は、CCDカメラ19上に輝点像R´2
を形成する。CCDカメラ19は、モニタ装置に画像信
号を出力し、図5に示すように、被検眼Eの前眼部像E
´、XYアライメント視標光Kの輝点像R´2がモニタ
装置81の画面Gに表示される。なお、図5において、
Hは図示しない画像生成手段によって画面G上に生成さ
れた円形状のアライメント補助マークである。
【0029】さらに、前記ハーフミラー17によって反
射された一部の光束は、角膜変形検出光学系50に導か
れ、ピンホール板51を通過してセンサ52に導かれ
る。センサ52はフォトダイオードのような光量検出の
可能な受光センサである。
【0030】Zアライメント視標投影光学系60は、図
1に示すように、赤外光を出射するZアライメント用光
源61、集光レンズ62、開口絞り63、ピンホール板
64、ピンホール板64に焦点を一致させるように光路
上に配置された投影レンズ65を含んで構成され、ま
た、O2はZアライメント視標投影光学系の光軸であ
る。
【0031】Zアライメント光源61を出射した赤外光
は、集光レンズ62により集光されつつ開口絞り63を
通過してピンホール板64に導かれる。ピンホール板6
4を通過した光束は、投影レンズ65によって平行光と
され角膜Cに導かれ、図6に示すように、輝点像Qを形
成するようにして角膜表面Tにおいて反射される。な
お、開口絞り63は投影レンズ65に関して角膜頂点P
と共役な位置に設けられている。
【0032】Zアライメント検出光学系70は、図1に
示すように、結像レンズ71、Y方向にパワーを持った
シリンドリカルレンズ72、センサ73、Zアライメン
ト検出回路74を有し、O3はZアライメント検出光学
系70の光軸である。
【0033】Zアライメント視標投影光学系60によっ
て投影された視標光の角膜表面Tにおける反射光束は、
結像レンズ71によって集束されつつシリンドリカルレ
ンズ72を介してセンサ73上に輝点像Q´を形成す
る。センサ73はラインセンサやPSDのような位置検
出可能な受光センサである。センサ73からの情報はZ
アライメント検出回路74に導かれ、公知の手段によっ
て眼科装置Sと角膜Cの位置関係(Z方向)を演算し、
制御回路80に出力される。
【0034】尚、XZ平面内においては、輝点像Qとセ
ンサ73は結像レンズ71に関して共役な位置関係にあ
り、YZ平面内においては、角膜頂点Pとセンサ73が
結像レンズ71、シリンドリカルレンズ72に関して共
役な位置関係にある。つまりセンサ73は開口絞り63
と共役関係にあり(このときの倍率は、開口絞り63の
像がセンサ73の大きさより小さくなるように選んであ
る)、Y方向に角膜Cがずれたとしても角膜表面Tにお
ける反射光束は効率良くセンサ73に入射するようにな
る。また、Y方向に長いスリット光を投影することによ
っても効率は落ちるが同様な効果を得ることができる。
【0035】次に、本実施の形態1の眼科装置Sの外観
構成について図7、図8を参照して説明する。
【0036】図7は、本実施の形態1の眼科装置の全体
構成を示す側面図で、図8は本実施の形態1の眼科装置
の全体構成を示す平面図である。
【0037】図7中、100は電源部が内蔵されたベー
スである。ベース100の上部には架台101が回転操
作手段であるジョイスティック102の傾倒操作により
前後(Z方向)、左右(X方向)方向に移動可能に設け
られている。
【0038】ジョイスティック102の上端には、スイ
ッチ釦103が設けられ、この手動スイッチ103は非
接触眼圧計による各種の操作に使用される。ジョイステ
ィック102の詳細な構成は後述する。
【0039】前記架台101の上部には、上下方向(Y
方向)駆動用のパルスモータ等を用いたモータ104、
支柱105が設けられている。モータ104と支柱10
5とは図示を略すピニオン・ラック機構により結合さ
れ、支柱105はモータ104の回転力により上下方向
に駆動される。
【0040】支柱105の上端にはテーブル106が設
けられ、さらに、このテーブル106には支柱107が
立設されるとともに、パルスモータ等を用いたモータ1
08が配置されている。支柱107の上端にはテーブル
109がX方向に摺動可能に設けられている。また、テ
ーブル109の後端辺には、図8に示すように、ラック
110が設けられている。
【0041】前記モータ108の出力軸にはピニオン1
11が設けられ、ピニオン111はラック110に噛み
合わされている。また、テーブル109の上部には、パ
ルスモータ等を用いたモータ112が配置され、支柱1
13が立設されている。モータ112の出力軸にはピニ
オン114が嵌着されている。
【0042】支柱113の上部には、既述した図1及び
図2に示すような各光学系、さらには制御系が搭載され
た装置本体115がZ方向に摺動可能に設けられてい
る。また、装置本体115の側部には、ラック116が
Z方向に沿って設けられている。そして、このラック1
16は前記ピニオン114と噛合され、モータ112に
より装置本体115をZ方向に駆動するようになってい
る。
【0043】前記ジョイスティック102は、図9に拡
大して示すように、ベース100上の架台101に対し
て前後、左右方向に操作可能に、かつ、回転操作可能に
組み込まれている。
【0044】ジョイスティック102は、上部にスイッ
チ釦103を備えたスイッチ134を内装したスイッチ
ホルダ135を内装支持するコードシャフト137と、
筒状の外筒123及び内筒124とを同軸配置して、上
下配置の一対のベアリング136、125によりこれら
を回転可能に支持している。外筒123の上部外周に
は、カバー体122を取り付けている。
【0045】コードシャフト137の下端部には、上部
が略球形状のボール体139が取り付けられ、このボー
ル体139の下端に設けた凸球面139aをベース10
0上のすべり板100aに接触させている。ボール体1
39の側部外周は筒状の内部ホルダ130により覆われ
ている。そして内部ホルダ130の内壁には前記ボール
体139の外周と摺動接触するボール受け138、14
1が配置されている。また、内部ホルダ130の内壁下
部には円環状のスペーサ142a、押さえ環142bが
配置されている。
【0046】一方、コードシャフト137を支持する下
側のベアリング125の外側から、内部ホルダ130の
外周外側にかけて下方が開口した外観が略半球状の上側
ボール体126が配置され、更に上側ボール体126の
外側には上端が閉塞した有底筒状の抑え筒体143が前
記上側ボール体126の外周に接触しない状態で、か
つ、支持円板153を用いて前記架台101に対してY
軸の回りに回転可能に配置されている。
【0047】そして、上側ボール体126の外周にY方
向に設けた規制溝126aと抑え筒体143との間をピ
ン128により係合し、かつ、前記架台101と抑え筒
体143の外周との間をベアリング127により結合す
ることで、カバー体122を指で握りY軸の回りに回転
させたとき上側ボール体126とともに抑え筒体143
をY軸の回りに回転させるようになっている。
【0048】更に抑え筒体143の外周には、ベルト1
44をかけ回すプーリ154が取り付けられている。上
述した規制溝126aを設けたことにより、ジョイステ
ィック102を上側ボール体126とともに例えばZ方
向に傾動操作したとき、抑え筒体143に回転力を与え
ることなく、凸球面139aとすべり板との滑り接触で
架台101をZ方向に移動できるようになっている。ジ
ョイスティック102を上側ボール体126とともに例
えばX方向に傾動操作し架台101をX方向に移動させ
る構成も同様である。
【0049】前記ジョイスティック102の側方には、
ロータリーエンコーダ161がエンコーダシャフトを下
側に向け、固定支持部材163及び固定水平板164か
らなるエンコーダホルダ162を用いて配置され、エン
コーダシャフトに止めネジ165を用いて段付きで円形
外周を有するシャフト受体166を取り付けている。更
に、シャフト受体166の外周には、円環状で軸受16
7によりY軸の回りに回転可能に軸支されたエンコーダ
プーリ168が装着されている。
【0050】そして、このエンコーダプーリ168と前
記プーリ154との外周にベルト144をかけ回して、
前記ジョイスティック102の回転を前記プーリ15
4、ベルト144、エンコーダプーリ168、シャフト
受体166を介してエンコーダシャフトに伝達し、これ
により、前記ジョイスティック102の回転方向、回転
量又は回転速度に対応した信号をロータリーエンコーダ
161から出力するように構成している。図9中、16
9は軸受167を支持する支持部材、170は支持ピン
である。
【0051】前記ジョイスティック102は更に検者が
カバー体122を握って回転操作する回転方向(右回
し、左回し)を検出する回転方向検出部220を前記プ
ーリ154の外周近傍に臨ませて架台101の内壁に配
置している。回転方向検出部220は、前記プーリ15
4の外周の一部に反射フィルムを貼り付けるとともに、
例えば2個の光センサをプーリ154の外周方向に一定
間隔で配置し、ジョイスティック102の回転に伴う2
個の光センサの信号出力順が右回し、左回しで逆になる
ことを利用してその回転方向を検出するものである。
【0052】次に、本実施の形態の眼科装置Sの制御系
について図10を参照して説明する。この制御系は、全
体の制御を行う制御回路80に前記XYアライメント検
出回路42、Zアライメント検出回路74、モニタ装置
81を接続している。また、前記ロータリエンコーダ1
61からの出力信号、前記ベース100に設けた手動ア
ライメントモード、自動アライメントモードを設定する
モード設定部(モード設定スイッチ)200からのモー
ド信号、前記回転方向検出部220の検出信号を制御回
路80に入力するようになっている。
【0053】更に、前記モータ104を可変(通常、増
速、減速)駆動するY方向ドライバ204、前記モータ
108を駆動するX方向ドライバ208、前記モータ1
12を駆動するZ方向ドライバ212を接続し、制御回
路80の制御の基に各モータ104、108、112を
各々駆動するようになっている。
【0054】そして装置本体115は、モータ104に
よりY方向に駆動され、モータ108によりX方向に駆
動され、モータ112によりZ方向に駆動され、これら
の動作によって、装置本体115のXYZ各方向のアラ
イメント調整が行われるようになっている。
【0055】前記Y方向ドライバ204は、前記回転方
向検出部220の検出信号を基にジョイスティック10
2の回転方向を判定する回転方向判定部221と、回転
方向判定部221の判定結果が右回しである時には前記
ジョイスティック102の回転量に応じた駆動量(装置
本体上昇用の駆動量)を設定し、回転方向判定部221
の判定結果が左回しである時には変換テーブル223を
参照して前記ジョイスティック102の回転量による駆
動量が、右回しの場合の回転量に応じた駆動量(但し装
置本体下降用の駆動量)と同等なるように設定する駆動
量設定部222と、駆動量設定部222により設定され
る駆動量に応じて前記モータ104に駆動パルスを送り
モータ104を回転させるドライバ部224とを具備し
ている。
【0056】前記変換テーブル223には、例えばジョ
イスティック102の回転量が左回しの場合、右回しの
場合の0.8倍程度であることから、左回し回転時にロ
ータリエンコーダ161から右回しの場合の0.8倍の
回転量の信号が入力されたときこの回転量に応じた駆動
量を右回しの場合の駆動量と同等な駆動量に変換するデ
ータが格納されている。
【0057】次に、本実施の形態の装置本体115の被
検眼Eに対する特にY方向のアライメント調整動作を、
前記ジョイスティック102を図11に示すように右手
右回しする場合と右手左回しする場合とを主にし、か
つ、図12に示す装置本体115の上昇駆動及び下降駆
動の状態、図13に示すフローチャートをも参照して説
明する。
【0058】尚、前記ジョイスティック102の回転方
向と装置本体115の上下移動方向との関係は、通常状
態ではジョイスティック102の右回しで装置本体11
5が上昇し、左回しで装置本体115が下降するように
初期設定されているものとする。
【0059】検者が装置本体115のY方向のアライメ
ント調整動作のために、ジョイスティック102を図1
1に示すように右手で握り右回しする場合には、前記回
転方向検出部220によりジョイスティック102の回
転方向検出動作が行われ(ステップS1)、右回しを意
味する検出信号を制御回路80に送る。回転方向判定部
221は制御回路80の制御の基に回転方向検出部22
0の検出信号からジョイスティック102の回転方向を
右回しと判定し(ステップS2)、これにより駆動量設
定部222は前記ジョイスティック102の右回しの回
転量に応じた駆動量を設定してドライバ部224を介し
て前記モータ104に駆動パルスを送りモータ104を
回転させ装置本体115を図12左欄に示すように駆動
量に応じた速度で上昇駆動する(ステップS3)。
【0060】この後、被検眼Eに対するY方向のアライ
メント調整の完了処理(ステップS4)、前記気流吹き
付けノズル12から角膜Cに向けて気流を吹き付け、そ
のときの角膜変形量を角膜変形検出光学系50によって
検出し、所定変形量となったときの気流吹き付け圧から
被検眼Eの眼圧値を求める眼科装置Sの測定処理(ステ
ップS5)が行われる。尚、X方向、Z方向のアライメ
ント調整もジョイスティック102の傾倒操作を主にし
て行われるがその詳細説明は省略する。
【0061】また、装置本体115が図12に示す微動
範囲に到達した時点では、前記センサ41の検出信号に
より装置本体115の上昇駆動を停止させ、これ以降は
ジョイスティック102の右回しの回転量に応じた装置
本体115の上昇速度を上述した場合よりもより緩やか
になるように駆動量を変更するように構成することもで
き、この場合には装置本体115の被検眼Eに対するよ
り精度の高いアライメント調整を行うことができる。
【0062】一方、ジョイスティック102を図11に
示すように右手で握り左回しする場合には、回転方向判
定部221は制御回路80の制御の基に回転方向検出部
220の検出信号からジョイスティック102の回転方
向を左回しと判定し(ステップS2)、これにより駆動
量設定部222は、変換テーブル223を参照して前記
ジョイスティック102の左回しの回転量による駆動量
が、右回しの場合の回転量に応じた駆動量(但し装置本
体下降用の駆動量)と同等なるように変換設定し(ステ
ップS6)、変換設定した駆動量に応じてドライバ部2
24を介して前記モータ104に下降駆動用の駆動パル
スを送り、モータ104を回転させ装置本体115を図
12右欄に示すように右回し駆動の場合と同等の速度で
下降駆動する(ステップS7)。
【0063】この後、上述した場合と同様、Y方向のア
ライメント調整の完了処理(ステップS5)、前記気流
吹き付けノズル12から角膜Cに向けて気流を吹き付
け、そのときの角膜変形量を角膜変形検出光学系50に
よって検出し、所定変形量となったときの気流吹き付け
圧から被検眼Eの眼圧値を求める眼科装置Sの測定処理
(ステップS6)が行われる。
【0064】上述したように、本実施の形態によれば、
被検眼Eに対する装置本体115のY方向のアライメン
ト調整を行う場合に、ジョイスティック102の右回
し、左回しのいずれの回転操作時においても、装置本体
115の上昇速度と下降速度とを同等なものとすること
ができ、検者が操作し易く、上下方向のアライメント作
業の効率向上を図ることが可能となる。
【0065】また、以上の説明は右手での操作を主とし
て行う右利きの検者の場合について説明したが、左利き
の検者が左手でジョイスティック102の左回し、右回
しのいずれの回転操作を行う場合にも本実施の形態の構
成により同様の作用効果を発揮させることができる。
【0066】図14は本実施の形態の変形例を示すもの
であり、前記制御系において、前記回転方向検出部22
0、方向判定部221を省略するとともに、Y方向ドラ
イバ204の駆動量設定部222に対して右回しスイッ
チ231、左回しスイッチ232により回転方向設定信
号を入力するように構成したものである。このような構
成によっても、右回しスイッチ231、左回しスイッチ
の操作で上述した場合と同様な作用効果を 発揮させる
ことができる。
【0067】本発明は上述した実施の形態の他、眼底カ
メラ、スリットランプ等のようなジョイスティックを用
いる他の種々の眼科装置にも同様に適用可能である。
【0068】
【発明の効果】本発明によれば、回転操作手段の回転方
向別(右回し、左回し)に応じた装置本体の上下動の移
動速度が、いずれの場合にも同等となり、検者にとって
操作し易く、装置本体の上下方向のアライメント作業の
効率向上を図ることができる眼科装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の眼科装置の光学系を示す
概略構成図である。
【図2】本実施の形態の眼科装置の光学系を示す概略構
成図である。
【図3】本実施の形態の眼科装置における角膜に対する
XYアライメント視標光の入射、反射の状態を示す説明
図である。
【図4】本実施の形態の眼科装置における有効絞り23
を設けない場合(図4(a))、有効絞り23を設けた
場合(図4(b))のXYアライメント視標投影光学系
の概略図である。
【図5】本実施の形態の眼科装置のモニタ装置の画面に
表示されるXYアライメント視標光Kの輝点像、アライ
メント補助マークを示す図である。
【図6】本実施の形態の眼科装置のZアライメント光の
角膜に対する入射、反射の状態を示す説明図である。
【図7】本実施の形態の眼科装置の概略側面図である。
【図8】本実施の形態の眼科装置の概略平面図である。
【図9】本実施の形態のジョイスティックを示す拡大断
面図である。
【図10】本実施の形態の眼科装置の制御系を示すブロ
ック図である。
【図11】本実施の形態のジョイスティックを右手で右
回し、左回しする状態を示す説明図である。
【図12】本実施の形態の装置本体を被検眼に対して上
昇駆動、下降駆動する状態を示す説明図である。
【図13】本実施の形態の眼科装置の装置本体を被検眼
に対して上昇駆動、下降駆動してアライメント処理及び
測定処理を示す説明図である
【図14】本実施の形態の眼科装置の装置本体をスイッ
チ切り換えで上昇駆動、下降駆動する構成の制御系を示
す部分ブロック図である。
【符号の説明】
10 前眼部観察光学系 19 CCDカメラ 20 XYアライメント視標投影光学系 30 固視標投影光学系 40 XYアライメント検出光学系 42 XYアライメント検出回路 50 角膜変形検出光学系 60 Zアライメント視標投影光学系 70 Zアライメント検出光学系 74 Zアライメント検出回路 80 制御回路 81 モニタ装置 100 ベース 101 架台 102 ジョイスティック 103 スイッチ釦 104,108,112 モータ 161 ロータリーエンコーダ 200 モード設定部 204 Y方向ドライバ 208 X方向ドライバ 212 Z方向ドライバ 220 回転方向検出部 221 方向判定部 222 駆動量設定部 223 変換テーブル 224 ドライバ部 231 右回しスイッチ 232 左回しスイッチ E 被検眼 S 眼科装置

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被検眼に対して上下移動する測定用又は
    観察用の光学ユニットを備えた装置本体と、回転操作に
    より装置本体を上下動させるための回転操作手段とを備
    え、該回転操作手段の回転方向及び回転量又は回転速度
    に応じた移動方向及び移動量又は移動速度で装置本体を
    上下動させる眼科装置であって、 前記回転操作手段の回転方向を判定し回転方向別に上下
    動の移動量又は移動速度を変更して装置本体の上下動駆
    動を行う上下動駆動制御手段を有することを特徴とする
    眼科装置。
  2. 【請求項2】 被検眼に対して上下移動する測定用又は
    観察用の光学ユニットを備えた装置本体と、回転操作に
    より装置本体を上下動させるための回転操作手段とを備
    え、該回転操作手段の回転方向及び回転量又は回転速度
    に応じた移動方向及び移動量又は移動速度で装置本体を
    上下動させる眼科装置であって、 前記回転操作手段の時計方向、反時計方向の回転方向を
    検出する検出手段と、検出手段の検出結果を基に、前記
    回転操作手段に対する時計方向の回転操作時と反時計方
    向の回転操作時とで、上下動の移動量又は移動速度が同
    等になるように装置本体を上下動駆動する上下動駆動制
    御手段を有することを特徴とする眼科装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014012035A (ja) * 2012-07-03 2014-01-23 Nidek Co Ltd 眼科装置

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2014012035A (ja) * 2012-07-03 2014-01-23 Nidek Co Ltd 眼科装置

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