JP2003189885A - コムギ由来セントロメア局在性反復配列 - Google Patents

コムギ由来セントロメア局在性反復配列

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JP2003189885A
JP2003189885A JP2002290207A JP2002290207A JP2003189885A JP 2003189885 A JP2003189885 A JP 2003189885A JP 2002290207 A JP2002290207 A JP 2002290207A JP 2002290207 A JP2002290207 A JP 2002290207A JP 2003189885 A JP2003189885 A JP 2003189885A
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wheat
unit nucleic
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Minoru Murata
稔 村田
Jigun Tei
治軍 程
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Japan Science and Technology Corp
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】物理的地図等のマッピング、コムギの品種判別
等のマーカー、育種等に有用な、コムギ由来セントロメ
ア局在性反復配列の単位核酸及び該核酸に特異的に結合
するポリヌクレオチド;有用品種の育種における評価、
セントロメア領域遺伝子の探索、特定染色体の有無の検
定を可能にする、染色体解析方法;並びにコムギ及びそ
の類縁種の品種を判別することができ、かつ簡便な、コ
ムギの品種判別方法の提供。 【解決手段】特定の配列のいずれかの塩基配列又はその
誘導体配列からなり、コムギAゲノム染色体及びBゲノ
ム染色体のセントロメアに局在する縦列型反復配列の単
位核酸;該単位核酸に特異的に結合しうる検出用ポリヌ
クレオチド;該ポリヌクレオチドの少なくとも2つを用
いて、被検試料中の該単位核酸を検出することを特徴と
する、染色体解析方法:該単位核酸又は該ポリヌクレオ
チドを用いて、被検試料中の該単位核酸を検出する、コ
ムギの品種判別方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コムギ由来セント
ロメア局在性反復配列に関する。詳しくは、コムギ及び
その類縁種に特異的なコムギ由来セントロメア局在性反
復配列の単位となる単位核酸、該単位核酸を検出するた
めのプローブ、該単位核酸を増幅するためのプライマ
ー、染色体の解析方法及びコムギの品種判別方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】縦列型反復配列は、広範囲にわたる生物
に存在し、いくつかの種においてゲノム全体の大きな割
合を占めている。チャールスワースら(非特許文献1を
参照のこと)によれば、前記縦列型反復配列は、反復単
位のサイズに基づき、下記3つのクラス:マイクロサテ
ライト(2〜5bp)、ミニサテライト(約10bp)
及び「典型的な」サテライト(約200bp)に分類す
ることができる。
【0003】しかしながら、前記マイクロサテライト、
ミニサテライト及びサテライトの起源(特に、「典型的
な」サテライトの起源)は、不明な点が多いのが現状で
ある。
【0004】植物、特に、穀類においては、前記縦列型
反復配列が、例えば、パンコムギ、トウモロコシ及びイ
ネならびにトウジンビエにおけるセントロメアDNAの
一部として見出されている(非特許文献2、非特許文献
3、非特許文献4及び非特許文献5を参照のこと)
【0005】しかしながら、前記縦列型反復配列は、同
じ種内においてさえ、必ずしも保存されていないことが
示されている(非特許文献2及び非特許文献3を参照の
こと)。また、前記縦列型反復配列の機能については、
不明な点が多いのが現状である。
【0006】
【非特許文献1】チャールスワース(Charlesworth, B.)
ら, Nature, 371, 215-220 (1994)
【非特許文献2】キシイ(Kishii, M) ら、Chromosome.
Res., 9, 417-428 (2001)
【非特許文献3】アナニーブ(Ananiev, E. V.)ら、Pro
c. Natl. Acad. Sci. USA, 95,13073-13078 (1998)
【非特許文献4】ドン(Dong, F.)ら、Proc. Natl. Aca
d. Sci. USA, 95, 8135-8140 (1998)
【非特許文献5】カム(Kamm, A.)ら、Mol. Gen. Gene
t., 244, 420-425 (1994)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の第1の目的
は、物理的地図等のマッピング、コムギの品種判別等に
おけるマーカー、育種等に有用な、コムギ由来セントロ
メア局在性反復配列の単位となる単位核酸を提供するこ
とにある。また、本発明の第2の目的は、物理的地図等
のマッピング、コムギの品種判別等に用いうるプローブ
又はプライマーとして有用な、前記核酸に特異的に結合
するポリヌクレオチドを提供することにある。さらに、
本発明の第3の目的は、有用品種の育種における評価、
セントロメア領域遺伝子の探索、特定染色体の有無の検
定を可能にする、染色体解析方法を提供することにあ
る。さらに、本発明の第4の目的は、植物体、特に、コ
ムギ及びその類縁種の品種を判別することができ、かつ
簡便である、コムギの品種判別方法を提供することにあ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明の要旨は、
〔1〕 (a)配列番号:2、14、15、16、1
7、18、19、及び20からなる群より選ばれた塩基
配列からなる核酸、(b)核酸多型を介して、前記
(a)の核酸の塩基配列とは異なる塩基配列からなる核
酸、(c)前記(a)の核酸にストリンジェントな条件
下にハイブリダイズしうる核酸、(d)前記(a)の核
酸の塩基配列に対して、少なくとも80%の配列同一性
を有する塩基配列からなる核酸、及び(e)前記(a)
の核酸の塩基配列において、少なくとも1塩基の欠失、
置換、挿入又は付加を有する塩基配列からなる核酸、か
らなる群より選ばれた核酸であって、コムギAゲノム染
色体及びBゲノム染色体のセントロメアに局在する縦列
型反復配列の単位となる単位核酸、〔2〕 該(a)〜
(e)いずれかの核酸の塩基配列において、CAAを1
単位としてなるマイクロサテライト配列が存在してな
る、前記〔1〕記載の単位核酸、〔3〕 前記〔1〕又
は〔2〕記載の単位核酸に特異的に結合しうる、前記
〔1〕又は〔2〕記載の単位核酸を検出するためのポリ
ヌクレオチド、〔4〕 (A)前記〔1〕若しくは
〔2〕記載の単位核酸の塩基配列に相補的な塩基配列、
又は(B)前記〔1〕若しくは〔2〕記載の単位核酸の
塩基配列中の塩基配列であって、連続した少なくとも1
0ヌクレオチドからなる塩基配列若しくはその相補鎖、
からなるポリヌクレオチド、〔5〕 配列番号:3〜1
3からなる群より選ばれた1つの塩基配列からなる、前
記〔4〕記載のポリヌクレオチド、〔6〕 前記〔1〕
若しくは〔2〕記載の単位核酸又は前記〔3〕〜〔5〕
いずれか1項に記載のポリヌクレオチドを、該単位核酸
を検出するためのプローブとして用いて、被検試料中の
該単位核酸を検出することを特徴とする、染色体解析方
法、〔7〕 前記〔3〕〜〔5〕いずれか1項に記載の
ポリヌクレオチドの少なくとも2つを、前記〔1〕若し
くは〔2〕記載の単位核酸を増幅するためのプライマー
対として用いて、被検試料中の該単位核酸を検出するこ
とを特徴とする、染色体解析方法、〔8〕 前記〔1〕
若しくは〔2〕記載の単位核酸又は前記〔3〕〜〔5〕
いずれか1項に記載のポリヌクレオチドを、該単位核酸
を検出するためのプローブとして用いて、被検試料中の
該単位核酸を検出することを特徴とする、コムギの品種
判別方法、並びに
〔9〕 前記〔3〕〜〔5〕いずれか
1項に記載のポリヌクレオチドの少なくとも2つを、前
記〔1〕若しくは〔2〕記載の単位核酸を増幅するため
のプライマー対として用いて、被検試料中の該単位核酸
を検出することを特徴とする、コムギの品種判別方法、
に関する。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の核酸は、コムギ由来セン
トロメア局在性反復配列の単位となる核酸である。本明
細書においては、かかる核酸を、「単位核酸」という。
【0010】本発明の単位核酸は、コムギ及びその類縁
種のAゲノム染色体及びBゲノム染色体のセントロメア
領域に特異的な反復配列の単位核酸であるため、物理的
地図等のマッピング、コムギの品種判別等におけるマー
カー、育種、コムギの進化学的分析等に有用である。
【0011】具体的には、配列番号:2、14、15、
16、17、18、19、及び20からなる群より選ば
れた塩基配列からなる核酸であって、コムギAゲノム染
色体及びBゲノム染色体のセントロメアに局在する縦列
型反復配列の単位となる単位核酸〔単位核酸(a)とい
う〕が挙げられる。
【0012】本発明は、2種のクサイビコムギ Aeg
ilops speltoidesKU5727及びK
T115−1のいずれかのゲノムDNAと、ライムギ特
異的な配列(例えば、pSc74等)を有する核酸とを
プローブとして、ライコムギ(例えば、Y4683等)
に対し、ゲノムin situハイブリダイゼーション
を行なうことにより、コムギの特定染色体のセントロメ
ア及びその周辺に強いシグナルが見いだせるという本発
明者らの知見に基づき、得られたものであり、コムギの
Aゲノム染色体及びBゲノム染色体のセントロメア領域
において、コムギ及びその類縁種に特異的な反復配列を
含む配列(配列番号:1)が局在するという本発明者ら
の知見に基づく。
【0013】本発明の単位核酸は、例えば、後述の実施
例におけるハイブリダイゼーションにおいて、イネ、オ
オムギ、アワ(millet)又はエンバクに検出され
ないものである。
【0014】本明細書において、コムギ及びコムギ類縁
種としては、T.aestivum、T.durum等
の4倍性コムギ、Ae.speltoides(KT1
15−1)、Ae.speltoides(KU572
7)、T.monococcum等の6倍性コムギ、A
e.squarrosa等の2倍性コムギ、S.cer
eale等のライムギ等のコムギ等が挙げられる。
【0015】また、本明細書において、単位核酸とは、
反復配列の最小単位を意味する。
【0016】「セントロメア」は、真核生物の染色体の
分配を司るものであり、娘細胞が染色体の完全な一組を
確実に受け取るための姉妹染色分体の分離において重要
な役割を果たす。前記セントロメアは、大部分の植物及
び動物において、姉妹染色分体の会合及び紡錘体繊維の
結合が生じる主要な構造体として認められている。
【0017】本発明の単位核酸は、コムギ及びその類縁
種のAゲノム染色体及びBゲノム染色体のセントロメア
に局在するものであれば、核酸多型を介して、前記核酸
多型を介して、前記(a)の核酸の塩基配列とは異なる
塩基配列からなる核酸〔単位核酸(b)という〕であっ
てもよい。
【0018】前記核酸多型は、同じ種の個体間、生物の
同一個体間若しくは生物間において見出される場合があ
る差異又は変化であり、核酸の構造の変化をいう。具体
的には、コムギの種に特異的な多型、個体に特有の多型
等が挙げられる。かかる核酸多型を有する核酸として
は、例えば、CAAを1単位としたマイクロサテライト
が存在する核酸等が挙げられる。かかるマイクロサイト
におけるCAA単位の繰り返し数は、コムギ及びその類
縁種により異なるが、例えば、6倍性コムギ〔CS:(C
hinese spring)〕の場合、2〜15、Aegilops
speltoidesの場合、4〜16等が挙げられ
る。
【0019】また、本発明の単位核酸は、コムギ及びそ
の類縁種のAゲノム染色体及びBゲノム染色体のセント
ロメアに局在するものであれば、前記(a)の核酸にス
トリンジェントな条件下にハイブリダイズしうる核酸
〔単位核酸(c)という〕であってもよい。
【0020】前記「ストリンジェントな条件」として
は、モレキュラークローニング アラボラトリー マニ
ュアル第3版 [ザンブルーク(Sambrook)ら、Molecular
Cloning : A Laboratory Manual 3rd ed., コールドス
プリングハーバーラボラトリー(Cold Spring Harbor La
boratory) 発行, (2001)] 等に記載のハイブリダイゼー
ション条件が挙げられる。また、ハイブリダイゼーショ
ンは、前記モレキュラークローニング ア ラボラトリ
ー マニュアル第3版等に記載の方法に従って実施され
うる。例えば、慣用のハイブリダイゼーション緩衝液中
37℃で16時間ハイブリダイゼーションを行ない、そ
の後、2×SSCと0.1% Tween20とを含有
した溶液を用いて室温で15分の洗浄を2回、ついで、
0.1×SSCと0.1% Tween20とを含有し
た溶液を用いて68℃で15分の洗浄を2回を行なう手
順等が挙げられる。
【0021】さらに、本発明の単位核酸は、コムギ及び
その類縁種のAゲノム染色体及びBゲノム染色体のセン
トロメアに局在するものであれば、前記(a)の核酸の
塩基配列に対して、少なくとも80%、好ましくは、少
なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%の配
列同一性を有する塩基配列からなる核酸〔単位核酸
(d)〕であってもよい。
【0022】前記配列同一性は、コムギ及びその類縁種
により異なるものである。前記配列同一性は、2つの核
酸における比較対象の配列の領域にわたって、最適な状
態にアラインメントされた2つの配列を比較することに
より決定されうる。ここで、比較対象の核酸は、2つの
配列の最適なアラインメントのための参考配列(例え
ば、コンセンサス配列等)と比べて、付加又は欠失(例
えば、ギャップ等)を有していてもよい。
【0023】配列同一性の数値(パーセンテージ)は、
両方の配列に存在する同一の残基を決定して、適合部位
の数を決定し、ついで、比較対象の配列領域内の残基の
総数で、前記適合部位の数を割、得られた数値に100
をかけることにより、算出されうる。最適なアラインメ
ント及びホモロジーを得るためのアルゴリズムとして
は、例えば、スミス(Smith) らの局所ホモロジーアルゴ
リズム[Add. APL. Math., 2, 482 (1981)]、ニードルマ
ン(Needleman) らのホモロジーアラインメントアルゴリ
ズム[J. Mol. Biol., 48, 443(1970)]、パールソン(Pea
rson) らの相同性検索法[Proc. Natl. Acad. Sci. USA,
85, 2444 (1988)] が挙げられ、より具体的には、ダイ
ナミックプログラミング法、ギャップペナルテイ法、Sm
ith-Watermanアルゴリズム、Good-Kanehisa アルゴリズ
ム、BLAST アルゴリズム、FASTA アルゴリズム等が挙げ
られる。
【0024】配列同一性は、例えば、配列解析ソフト、
具体的には、GENETYX−MAC、BLASTN、
BLASTP等を用いて測定される。前記BLASTN
及びBLASTPは、ホームページアドレスhttp:
//www.ncbi.nlm.nih.gov/BL
AST/において、一般に利用可能である。
【0025】さらに、本発明の単位核酸は、コムギ及び
その類縁種のAゲノム染色体及びBゲノム染色体のセン
トロメアに局在するものであれば、前記(a)の核酸の
塩基配列において、少なくとも1塩基の変異(欠失、置
換、挿入又は付加)を有する塩基配列からなる核酸〔単
位核酸(e)という〕であってもよい。かかる変異の数
は、コムギ及びその類縁種により異なるものであり、単
位核酸がコムギ及びその類縁種のAゲノム染色体及びB
ゲノム染色体のセントロメアに局在する範囲において、
任意の数である。
【0026】本発明の単位核酸により、物理的地図等の
マッピング、コムギの品種判別、コムギの進化学的分析
等におけるハイブリダイゼーションに基づく解析又はP
CRに基づく解析に有用なポリヌクレオチド(プローブ
又はプライマー)が提供される。
【0027】本発明の「単位核酸を検出するためのポリ
ヌクレオチド」は、前記単位核酸に特異的に結合するこ
とに1つの特徴がある。かかるポリヌクレオチドによれ
ば、物理的地図等のマッピング、コムギの品種判別、コ
ムギの進化学的分析等が可能になる。
【0028】本発明の「単位核酸を検出するためのポリ
ヌクレオチド」としては、具体的には、前記単位核酸の
塩基配列に相補的な塩基配列〔塩基配列(A)という〕
からなるポリヌクレオチドが挙げられる。
【0029】また、本発明の「単位核酸を検出するため
のポリヌクレオチド」には、前記単位核酸に特異的に結
合する範囲で、前記単位核酸の塩基配列中の塩基配列で
あって、連続した少なくとも10ヌクレオチドからなる
塩基配列若しくはその相補鎖〔塩基配列(B)という〕
からなるポリヌクレオチドも含まれる。
【0030】なお、前記塩基配列(B)の長さは、使用
形態〔プローブとしての使用又はプライマーとしての使
用〕により適宜設定され得る。例えば、プローブとして
使用する場合、200〜300ヌクレオチド、好ましく
は、250〜300ヌクレオチドであることが望まし
く、プライマーとして使用する場合、18〜30ヌクレ
オチド、好ましくは、20〜30ヌクレオチドであるこ
とが望ましい。前記塩基配列(B)からなるポリヌクレ
オチドは、本発明の単位核酸の配列をもとに設計し、化
学的に合成すること等により作製されたものであっても
よく、該単位核酸を、制限酵素処理、エキソ型ヌクレア
ーゼ処理等の酵素的処理、超音波等の物理的処理等によ
り断片化し、得られた断片を、アガロースゲル等に代表
される各種核酸分離法により分離精製することにより得
られたものであってもよい。
【0031】また、本発明の「単位核酸を検出するため
のポリヌクレオチド」は、前記単位核酸とストリンジェ
ントな条件でハイブリダイズしうるポリヌクレオチドで
あってもよい。
【0032】前記「ストリンジェントな条件」として
は、特に限定されないが、例えば、6×SSC、0.5
%SDS、5×デンハルト、0.01%変性サケ精子核
酸を含む溶液中、〔Tm−25℃〕の温度で一晩保温す
る条件等が挙げられる。本発明の「単位核酸を検出する
ためのポリヌクレオチド」のTmは、60〜68、好ま
しくは、65〜68であることが望ましい。なお、前記
「単位核酸を検出するためのポリヌクレオチド」のTm
は、18ヌクレオチド以上の鎖長である場合、例えば、
下記の式(I): Tm =81.5−16.6(log10[Na + ] + 0.41(%G+C)−(600/N) (I) (式中、Nはオリゴヌクレオチドプローブの鎖長であ
り、%G+Cはオリゴヌクレオチドプローブプライマー
中のグアニン及びシトシン残基の含有量である)により
求められる。また、鎖長が18ヌクレオチドより短い場
合、Tmは、例えば、A+T(アデニン+チミン)残基
の含有量と2℃との積と、G+C残基の含有量と4℃と
の積との和〔(A+T) ×2+(G+C) ×4 〕により推定されう
る。
【0033】本発明の「単位核酸を検出するためのポリ
ヌクレオチド」としては、特に限定されないが、具体的
には、例えば、配列番号:3〜13からなる群より選ば
れた塩基配列からなるポリヌクレオチドが挙げられる。
【0034】本発明の単位核酸又は本発明のポリヌクレ
オチドは、コムギのAゲノム染色体のセントロメア、B
ゲノム染色体のセントロメア、又はライムギの染色体の
セントロメアに特異的は配列であるため、FISH等の
プローブとして他の穀類染色体との識別に利用できる。
【0035】本発明の単位核酸又は本発明のポリヌクレ
オチドによれば、植物体、特にコムギ及びその類縁種の
染色体の解析が可能になる。本発明には、染色体解析方
法も含まれる。
【0036】本発明の染色体解析方法は、前記単位核酸
又は前記ポリヌクレオチドを用いることを1つの特徴と
する。
【0037】本発明の染色体解析方法において、前記単
位核酸を用いる場合、植物体、特にコムギ及びその類縁
種の染色体を被験試料として、該単位核酸をプローブと
して用い、慣用の蛍光in situハイブリダイゼー
ション、サザンブロットハイブリダイゼーションを行な
うことにより、染色体における単位核酸の局在、存在等
を解析することができる。
【0038】また、本発明の染色体解析方法において、
前記ポリヌクレオチドを用いる場合、該ポリヌクレオチ
ドを、単位核酸を検出するためのプローブとして用いる
こともでき、単位核酸を増幅するためのプライマーとし
て用いることもできる。
【0039】具体的には、本発明の単位核酸又は本発明
のポリヌクレオチドを、該単位核酸を検出するためのプ
ローブとして用いて、被検試料中の該単位核酸を検出す
ることを特徴とする方法、及び、本発明のポリヌクレオ
チドの少なくとも2つを、本発明の単位核酸を増幅する
ためのプライマー対として用いて、被検試料中の該単位
核酸を検出することを特徴とする方法が挙げられる。
【0040】より具体的には、本発明の染色体解析方法
としては、コムギの品種判別方法としては、1)被験試
料を、適切な泳動用担体(例えば、アガロースゲル、ポ
リアクリルアミドゲル等)で泳動させるステップ、 2)前記ステップ1)で得られた泳動後の泳動用担体に
おける被験試料と、本発明の単位核酸又は本発明のポリ
ヌクレオチドからなるプローブとを、ストリンジェント
な条件下にハイブリダイズさせ、ハイブリッドに起因す
るバンドの有無、大きさ及び数を検出するステップ、及
び 3)前記ステップ2)で得られたバンドの有無、大きさ
及び数に基づき、単位核酸の存在量(コピー数等)又は
単位核酸における多型により引き起こされる鎖長の変化
を検出するステップ、を含む方法(方法1)、並びに I)被験試料を鋳型とし、本発明のポリヌクレオチドか
らなるプライマーの対を用いて核酸増幅を行なうステッ
プ、 II)前記ステップI)で得られた増幅産物を、適切な泳
動用担体(例えば、アガロースゲル、ポリアクリルアミ
ドゲル等)で泳動させるステップ、 III)前記ステップII)で得られた泳動後の泳動用担体に
おける増幅産物に起因するバンドの有無、大きさ及び数
を検出するステップ、及び IV)前記ステップIII)で得られたバンドの有無、大きさ
及び数に基づき、単位核酸の存在量又は単位核酸におけ
る多型により引き起こされる鎖長の変化を検出するステ
ップ、を含む方法(方法2)が挙げられる。
【0041】前記ポリヌクレオチドを、単位核酸を検出
するためのプローブとして用いる場合、植物体、特にコ
ムギ及びその類縁種の染色体を被験試料として、該単位
核酸をプローブとして用い、慣用の蛍光in situ
ハイブリダイゼーション、サザンブロットハイブリダイ
ゼーションを行なうことにより、染色体における単位核
酸の局在、存在等を解析することができる。
【0042】前記ポリヌクレオチドをプローブとして用
いる場合、前記プローブと、植物体、特にコムギ及びそ
の類縁種の染色体とのハイブリダイゼーション条件は、
前記「ストリンジェントな条件」が挙げられ、例えば、
6×SSC、0.5%SDS、5×デンハルト、0.0
1%変性サケ精子核酸を含む溶液中、〔Tm−25℃〕
の温度で一晩保温する条件が挙げられる。
【0043】また、かかるストリンジェントな条件下に
おけるハイブリダイゼーションにおいて、より精度を高
める観点から、より低イオン強度、例えば、0. 1×S
SC、0. 2×SSC等の条件及び/又はより高温、例
えば、用いられる核酸のTm値の25℃下、好ましく
は、22℃下、より好ましくは、20℃下、具体的に
は、用いられる核酸のTm値により異なるが、60℃以
上、好ましくは、62℃以上、より好ましくは、65℃
以上等の条件下でのハイブリダイゼーション;より厳し
い洗浄条件、具体的には、低イオン強度の緩衝液、例え
ば、1×SSC、2×SSC等を使用し、より高い温
度、例えば、用いられる核酸のTm値の40℃下、より
好ましくは、30℃下、さらに好ましくは、25℃下、
具体的には、用いられる核酸のTm値により異なるが、
30℃以上、37℃以上、42℃以上、45℃以上等の
条件下での洗浄等を行なうことができる。
【0044】一方、前記ポリヌクレオチドを、単位核酸
を増幅するためのプライマーとして用いる場合、植物
体、特にコムギ及びその類縁種の染色体を被験試料(鋳
型)として、少なくとも2種の前記ポリヌクレオチドを
用いて、慣用の核酸増幅方法(PCR等)を行ない、つ
いで、得られた産物について、慣用の電気泳動法、配列
決定法、制限断片長解析等を行なうことにより、染色体
における単位核酸の存在量(コピー数等)、多型等が解
析されうる。ここで、核酸増幅方法により、単位核酸の
存在量又は多型を解析する場合、対照試料として、例え
ば、該単位核酸の存在量(コピー数等)又は多型が既知
である植物体を標準として用いることができる。
【0045】なお、プライマーの対は、増幅対象となる
領域を挟む対となる配列からなるプライマー対であれば
よい。
【0046】核酸増幅方法においては、コムギAゲノム
染色体及び/又はBゲノム染色体を鋳型として用い、鋳
型量、マグネシウム濃度、プライマー量、アニーリング
温度及び時間等を適宜調整して、単位核酸のみを増幅す
る条件を予め決定し、決定された条件下で、核酸増幅を
行なってもよい。
【0047】本発明の染色体解析方法によれば、有用品
種の育種における評価、セントロメア領域遺伝子の探
索、特定染色体の有無の検定等に利用されうる。
【0048】さらに、本発明の単位核酸又は本発明のポ
リヌクレオチドによれば、植物体、特に、コムギ及びそ
の類縁種の品種の判別が可能になる。本発明には、かか
るコムギの品種判別方法も含まれる。
【0049】本発明のコムギの品種判別方法は、本発明
の単位核酸又は本発明のポリヌクレオチドを用いること
を1つの特徴とする。本発明のコムギの品種判別方法に
おいては、植物体、特にコムギ及びその類縁種の染色体
を被験試料とし、本発明の単位核酸又は本発明のポリヌ
クレオチドを、単位核酸を検出するためのプローブ又は
単位核酸を増幅するためのプライマーとして用いること
により、単位核酸の存在量(コピー数等)又は単位核酸
における多型により引き起こされる鎖長の変化を検出
し、それにより、品種を判別することができる。
【0050】具体的には、本発明の単位核酸又は本発明
のポリヌクレオチドを、該単位核酸を検出するためのプ
ローブとして用いて、被検試料中の該単位核酸を検出す
ることを特徴とする品種判別方法、及び本発明のポリヌ
クレオチドの少なくとも2つを、本発明の単位核酸を増
幅するためのプライマー対として用いて、被検試料中の
該単位核酸を検出することを特徴とする品種判別方法が
挙げられる。
【0051】より具体的には、本発明のコムギの品種判
別方法としては、1)被験試料を、適切な泳動用担体
(例えば、アガロースゲル、ポリアクリルアミドゲル
等)で泳動させるステップ、 2)前記ステップ1)で得られた泳動後の泳動用担体に
おける被験試料と、本発明の単位核酸又は本発明のポリ
ヌクレオチドからなるプローブとを、ストリンジェント
な条件下にハイブリダイズさせ、ハイブリッドに起因す
るバンドの有無、大きさ及び数を検出するステップ、及
び 3)前記ステップ2)で得られたバンドの有無、大きさ
及び数に基づき、単位核酸の存在量(コピー数等)又は
単位核酸における多型により引き起こされる鎖長の変化
を検出するステップ、を含む方法(品種判別方法1)、
並びに I)被験試料を鋳型とし、本発明のポリヌクレオチドか
らなるプライマーの対を用いて核酸増幅を行なうステッ
プ、 II)前記ステップI)で得られた増幅産物を、適切な泳
動用担体(例えば、アガロースゲル、ポリアクリルアミ
ドゲル等)で泳動させるステップ、 III)前記ステップII)で得られた泳動後の泳動用担体に
おける増幅産物に起因するバンドの有無、大きさ及び数
を検出するステップ、及び IV)前記ステップIII)で得られたバンドの有無、大きさ
及び数に基づき、単位核酸の存在量(コピー数等)又は
単位核酸における多型により引き起こされる鎖長の変化
を検出するステップ、 を含む方法(品種判別方法2)が挙げられる。
【0052】本発明のコムギの品種判別方法において、
本発明の単位核酸又は本発明のポリヌクレオチドをプロ
ーブとして用いる場合、前記プローブと、被験試料との
ハイブリダイゼーション条件としては、前記「ストリン
ジェントな条件」が挙げられる。
【0053】一方、本発明のポリヌクレオチドを、単位
核酸を増幅するためのプライマーとして用いる場合、被
験試料と、本発明のポリヌクレオチドからなるプライマ
ーの対を用いて、慣用の核酸増幅方法(PCR等)を行
ない、ついで、得られた産物について、慣用の電気泳動
法、配列決定法、制限断片長解析等を行なうことによ
り、染色体における単位核酸の存在量(コピー数等)、
多型等の情報が得られる。かかる情報を指標として、品
種を判別できる。
【0054】なお、プライマーの対は、増幅対象となる
領域を挟む対となる配列からなるプライマー対であれば
よい。
【0055】核酸増幅方法においては、コムギAゲノム
染色体及び/又はBゲノム染色体を鋳型として用い、鋳
型量、マグネシウム濃度、プライマー量、アニーリング
温度及び時間等を適宜調整して、単位核酸のみを増幅す
る条件を予め決定し、決定された条件下で、核酸増幅を
行ないうる。
【0056】品種の判別においては、予め特定されてい
る品種の染色体における単位核酸の存在量(コピー数
等)又は単位核酸における多型により引き起こされる鎖
長の変化を指標とすればよい。
【0057】例えば、前記「単位核酸における多型によ
り引き起こされる鎖長の変化」を指標とする場合、CA
Aを1単位としたマイクロサテライトにおけるCAA単
位の繰り返し数を指標としてもよい。この場合、繰り返
し数は、コムギ及びその類縁種により異なるが、例え
ば、6倍性コムギ(CS)の場合、2〜15、Aegi
lops speltoidesの場合、4〜16であ
ることを指標として判別することができる。
【0058】
【実施例】以下、本発明を実施例等により説明するが、
本発明は、かかる実施例により限定されるものではな
い。なお、本実施例において用いられた植物試料は、以
下の通りである。
【0059】八倍体ライコムギの改良系統Y4683
は、中国生命科学院、育種学研究所にて、程治軍(Ch
iang,Z.J.)が管理している育種群から選択さ
れたものである。
【0060】2タイプのクサビコムギAegilops
speltoides;アクセション番号KU572
7及びvar.KT115−1は、遠藤隆博士(京都大
学)及び常脇恒一郎博士(福井県立大学)の厚意によ
り、それぞれ提供されたものである。
【0061】ライムギSecale cereale
cv. Petkus、ヒトツブコムギT.monoc
ocum var. vulgare(KT3−1)、
タルホコムギAe.squarrosa var.st
rangulate(KT120−5)、デュラムコム
ギT.durum var.rheinvachiiも
また常脇博士(福井県立大学)から提供されたものであ
る。
【0062】パンコムギT.aestivum cv.
Chinese Spring(CS)は、岡山大学資
源生物科学研究所 遺伝情報発現部門 遺伝子解析分野
研究室に保存されていたものである。
【0063】イネOryza sativa var.
Nipponbare、オオムギHoldum vul
gare var.ishukushirazu、モロ
コシSorgum bicolar var.Comb
ine kafir3197A、及びエンバクAven
a sativa var.Albionは、斉藤彰博
士(九州農業試験場)の厚意により提供されたものであ
る。
【0064】実施例1 縦列型反復配列の検索 2タイプのAe.speltoideのゲノムDNA
を、Nucleon Phytopure DNA抽出
キット(アマシャム社製)を用い、製造者の説明書に従
って幼若実生から、それぞれ単離した。
【0065】得られたゲノムDNAのそれぞれを、慣用
の方法により、ジゴキシゲニンで標識して、ジゴキシゲ
ニン標識Ae.speltoideゲノムDNAプロー
ブを得た。また、ライムギ特異的なpSc74を、慣用
の方法により、ビオチンで標識し、ビオチン標識pSc
74を得た。
【0066】8倍体ライコムギの染色体を、以下のよう
に調製した。すなわち、発芽中の種子を、4℃で24時
間維持して、細胞分裂を同調させた。1.5cm〜2.
0cmの長さで、根の先端部を集めた。得られた根の先
端を、氷冷水で24時間にわたり前処理し、エタノール
−酢酸(体積比3:1)で固定して、得られた産物を−
20℃で保存した。ゲノムin situハイブリダイ
ゼーション(GISH)に用いるための染色体は、以下
のように調製した。すなわち、固定した根を水洗し、得
られた根の先端のみをカミソリで切取り、酵素液〔2重
量% セルラーゼ オノズカRIO(近畿ヤクルト社
製)〕とペクチナーゼ〔20%(体積比)(シグマアル
ドリッチ社製)混合液〕に移し、得られた混合物を37
℃1時間静置した。ついで、得られた混合物を、ペピッ
トマンで懸濁し、遠心分離(10,000rpm、1分
間)し、上清を捨て、得られた沈殿物を水洗し、該沈殿
物に、メタノール−酢酸溶液(体積比3:1)を加え、
懸濁した。得られた懸濁物を、スライドガラス上にドロ
ップし、ついで、アルコールランプでメタノールを燃や
し乾燥させて、染色体を調製した。
【0067】前記ジゴキシゲニン標識Ae.spelt
oideゲノムDNAの一方と、前記ライムギ特異的な
pSc74(反復配列)とを、8倍体ライコムギ染色体
にハイブリダイズさせることにより、ゲノムin si
tuハイブリダイゼーション(GISH)を行なった。
具体的には、50%(体積比)ホルムアミド、10%デ
キストラン硫酸、2×SSC(0.3M NaCl、
0.03Mクエン酸ナトリウム)混合液中に、10〜1
00ngの標識DNAを添加し、得られた混合物20μ
l(スライドガラス1枚あたり)をスライドガラスにの
せ、カバーガラスをのせた。ついで、スライドガラスに
ついて、ラバーセメントで周りを封じた後、78℃約1
分30秒加熱した。その後、得られたスライドガラス
を、37℃のインキュベータで一晩インキュベートし
た。得られたスライドガラスを、2×SSC(37℃)
で洗浄した。得られたスライドガラスに、ストレプトア
ビジンCy3(赤)又は抗ジゴキシゲニン・フルオレセ
イン(緑)を2×SSC中1ng/μlになるように混
合して得られた溶液をのせ、ついで、4×SSCでリン
スし、抗退色剤をのせて、蛍光顕微鏡により検鏡した。
【0068】その結果、図1のパネルAに示すように、
Ae.speltoideゲノムDNAプローブの1つ
であるAe.speltoide(KT115−1)
は、8倍体ライコムギへの明かな結合パターンを示し
た。また、セントロメア付近のシグナルが、パンコムギ
染色体だけでなく、ライムギ染色体においても認められ
た。
【0069】実施例2 縦列型反復配列のスクリーニン
グ セントロメア領域に選択的にハイブリダイズした反復性
DNA配列を同定するために、以下のように、Ae.s
peltoide(KT115−1)に由来するゲノム
DNAライブラリーを、パンコムギ(CS)のゲノムD
NAプローブを用いてスクリーニングした。
【0070】Sau3AI(0.02U)により、37
℃で、1μgのAe.speltoide(KT115
−1)の核DNAを部分消化して、約2kb長の断片を
得た。得られた断片を、BamHIで直鎖状にされたp
Bluescript IISK+(ストラタジーン社
製)に連結した。得られた組換えプラスミドを用いて、
大腸菌XL−10 Gold(ストラタジーン社製)に
形質転換し、形質転換体を得た。ついで、形質転換体の
コロニーをナイロンメンブレン〔Hybond TM
+、アマシャム社製〕に転写した。また、慣用の方法に
より、ジゴキシゲニンによりパンコムギのゲノムDNA
プローブを標識して、標識パンコムギゲノムDNAプロ
ーブを得た。得られたメンブレンと、標識パンコムギ
ゲノムDNAプローブとを用いて、ハイブリダイゼーシ
ョンを行なった。ハイブリダイゼーションを、以下のよ
うに行なった。すなわち、DIG−easy−hyb液
に、10〜50ng/μlの熱変性させた標識DNAを
入れ、37℃で一晩インキュベートした。ついで、スト
リンジェントな洗浄条件(0.1xSSC、68℃)に
より洗浄を行なった。抗ジゴキシゲニン−アルカリホス
ファターゼにインキュベートし、化学発光液(CSP
D)で検出した。X線フィルムに感光し、現像した。
【0071】その結果、500クローンのうち18クロ
ーンが比較的強いシグナルを示した。
【0072】ついで、前記18クローンを、蛍光in
situハイブリダイゼーション(FISH)により調
べた。本実施例により単離された種々のクローン及びク
ローンpSc74 [ベッドブルーク(Bedbrook)ら、Cell
19:545-560 (1980)] 、T.monococcum v
ar.KT3−1、Ae.squarrosa va
r.typica及びCSのそれぞれのゲノムDNA
を、ニックトランスレーションによりビオチン−14−
dUTP(Gibco BRL社製)又はジゴキシゲニ
ン−11−dUTP(Boehringer Roch
e社製)で標識し、ゲノムDNAプローブを得た。得ら
れたゲノムDNAプローブと、コムギ染色体とを用い
て、FISHを行なった。前記コムギ染色体は、以下の
ように調製した。すなわち、植物体の発芽中の種子を、
4℃で24時間維持して、細胞分裂を同調させた。1.
5cm〜2.0cmの長さで、根の先端部を集めた。得
られた根の先端を、氷冷水で24時間にわたり前処理
し、エタノール−酢酸(体積比3:1)で固定して、得
られた産物を−20℃で保存した。FISHに用いるた
めの染色体は、前記GISHに用い染色体と同様に調製
したものを用いた。なお、FISHにおけるハイブリダ
イゼーション条件はGISHと同様である。
【0073】その結果、17クローンは、分散したFI
SHシグナルをいくつか示したが、クローン307−5
は、前記GISHパターンと類似するFISHパターン
を示した。
【0074】実施例3 縦列型反復配列の同定 Gene Analyzer 310(ABI社製)を
用いたBigDyeTMターミネーター反応により、クロ
ーン307−5の挿入断片の塩基配列を決定した。結果
を、配列番号:1及び図2に示す。
【0075】その結果、配列番号:1及び図2に示すよ
うに、挿入断片は、1083bp(配列番号:1)の長
さであり、該挿入断片において、配列全体を782bp
領域部分と301bp領域部分との2つの部分に分ける
1つのSau3AI認識部位が、該挿入断片の内部に存
在することがわかった。図2に示すように、301bp
領域部分中において、3塩基のCAAマイクロサテライ
トが16回まで反復していることがわかった。
【0076】また、クローン307−5プローブを用い
たゲノムサザンハイブリダイゼーションにより、Sau
3AIにより消化されたAe.speltoide(K
T115−1)のDNA全体に約250bpの反復単位
を有するラダーパターンを示されたため、挿入断片の配
列全体は反復せず、該挿入断片の配列中におけるより小
さい301bp領域部分が反復を引き起こすことが示唆
された。
【0077】前記クローン307−5を、SacI(配
列番号:1において、1箇所に認識部位が存在)で消化
し、ついで、自己連結した。その後、得られた産物を用
いて、大腸菌XL−10 Goldを形質転換した。得
られたクローンをpBs301という。前記pBs30
1は、前記クローン307−5の3' 末端から400b
pまでの部分(配列番号:1の塩基番号:680〜10
87)を含んでいた。なお、前記pBS301をプロー
ブとして用いたコムギのFISHの結果、307−5の
パターンと類似したパターンを示した。
【0078】前記pBs301をプローブとして用い、
パンコムギ(CS;T.aestivucum)、デュ
ラムコムギT.durum)及び他の5つの二倍体野生
種〔S.cereale,Aesquarrosa,A
e.speltoides(KT115−1),Ae.
speltoides(KU5727),T.mono
coccum〕それぞれのSau3AI消化DNAにつ
いて、サザンブロットハイブリダイゼーションを行なっ
た。すなわち、3μgの各ゲノムDNAを消化して、得
られた産物を1.2%アガロースゲル電気泳動に供し
た。得られたゲル上のDNAを、ナイロンメンブレン
(HybondTM N、Amersham)に転写し
た。得られたナイロンメンブランと、ジゴキシゲニン標
識プローブ(Boehringer Roche)と、
ハイブリダイゼーション緩衝液〔商品名:DIG Ea
sy Hyb(Boehringer Roche社
製)〕中、37℃16時間ハイブリダイズさせた。つい
で、2×SSC+0.1% Tween 20(室温、
15分×2回)、0.1 ×SSC+0.1% Twe
en20(68℃、10分間2回)により、メンブラン
を洗浄した。その後、製造者(Boehringer
Roche)の説明書に従って、化学発光シグナルによ
り、ハイブリダイズしたプローブに由来するシグナルを
検出した。
【0079】その結果、図3のパネルAに示すように、
Ae.aquarrosaを除いて、他のすべての種に
おいて、約250bpの反復単位を有するラダーパター
ンが検出された。S.cerealeにおいて、シグナ
ルは弱いものの、類似したシグナルパターンが検出され
た。T.monococumにおいて、250bp単位
の二量体に相当すると考えられる500bpバンドの強
いシグナルが検出された。なお、図3のパネルAに示す
ように、2つのAe.speltoides系統におい
て、スメアパターンが検出されたが、感光時間を短くす
ることにより、明瞭なラダーパターンが検出された。
【0080】クローンpBs301は、中央部に16回
反復したCAAマイクロサテライトを含んでいるので、
Ae.speltoidesのサザンブロットハイブリ
ダイゼーション解析において観察されたスメアパターン
は、マイクロサテライトにより生成したと思われる。ま
た、pBs301のサイズは、マイクロサテライトの反
復(48bp)を除くことにより約250bpであるた
め、250bpのタンデムリピートパターンは、マイク
ロサテライトをもたない配列により引き起こされること
が示唆された。
【0081】実施例4 コムギ及びその類縁種における
縦列型反復配列の検出 コムギ及びその類縁種〔T.aestivum,T.d
urum,Ae.speltoides(KT115−
1),Ae.speltoides(KU5727),
T.monococcum,Ae.squarros
a,S.cereal〕における250bp領域反復を
調べた。
【0082】pBs301中の288bp領域(以下、
pBs301−1という、配列番号:2、図5等)を増
幅しうるプライマー対: ZCF1〔5'-ctggccttgagaagacgttc-3'(配列番号:
3)〕、及び ZCR1〔5'-cctcgtaatctcccgcataa-3'(配列番号:
9)〕、 を用いて、コムギ及びその類縁種のDNAを鋳型とし
て、PCRを行なった。なお、前記PCRのサーマルプ
ロファイルは、〔94℃、30秒間−59℃、30秒間
−72℃、30秒間〕を1サイクルとする30サイクル
である。PCRの結果を図4のパネルAに示す。
【0083】図4のパネルAに示すように、使用された
すべての種において、いくつかの弱いシグナルのバンド
を伴う250bp断片及び/又は300bp断片が認め
られた。増幅産物をpGEM T−easy vect
or(プロメガ)にクローン化し、該増幅産物の塩基配
列を決定した。
【0084】その結果、CSに由来する2つのクローン
(それぞれ、245bp及び253p)、並びにAe.
speltoide(KT115−1)に由来する2つ
のクローン(それぞれ、253bp及び247p)は、
わずか2個〜4個のCAAの反復を含むことが示され
た。前記クローンについて、パンコムギにおいて、図1
のパネルBに示すように、28個の異なる数個の弱いF
ISHシグナルが検出され、図1のパネルCに示すよう
に、デュラムコムギではより強い28個のシグナルが検
出され、図1のパネルDに示すように、ライムギにおい
て、14個のシグナルが検出され、これらは、すべてセ
ントロメア領域において現れた。
【0085】コムギ由来245bpクローン(No.
2)を用いて、Sau3AI消化した各種ゲノムDNA
に対するサザンブロットハイブリダイゼーションを行な
った。
【0086】その結果、Sau3AI消化のゲノムDN
Aに対するサザンブロットハイブリダイゼーションで
は、スメアパターンは、認められず、250bpの単量
体バンド又は500bpの二量体バンドのみがパンコム
ギ又はデュラムコムギ、Ae.speltoidesに
おいて生じ、500bpのバンドがT.monococ
umにおいて現れた〔図3のパネルB〕。単量体のサイ
ズは一定していない(245bp〜253bp)が、配
列は、コムギのAゲノム染色体及びBゲノム染色体並び
にライムギのRゲノム染色体におけるセントロメア領域
内に反復に配置されていた。それとは反対に、イネ、オ
オムギ、アワ(millet)又はエンバクではシグナ
ルは認められなかった〔図3のパネルB〕。
【0087】実施例5 縦列型反復配列に基づくコムギ
及びその類縁種の系統樹 300bp領域又は250bp領域における多様性を調
べるために、鋳型として種々のゲノムDNAを用いてP
CRを行なった。なお、前記PCRのサーマルプロファ
イルは、〔94℃、30秒間−59℃、30秒間−72
℃、30秒間〕を1サイクルとする30サイクルであ
る。得られたPCR産物を、SUPREC TM PCR
(宝酒造社製)により精製した。得られた精製PCR産
物を、pGEM T−easyベクター(プロメガ社
製)に連結して、組換えベクターを得た。得られた組換
えベクターにより、大腸菌(XL−10−Gold)を
形質転換し、配列決定した。プライマーとして、 ZCF1〔5'-ctggccttgagaagacgttc-3'(配列番号:
3)〕、 ZCF3〔5'-cgttcgaaacaaagctcgat-3'(配列番号:
4)〕、 ZCF4〔5'-gattatgcgggagattacgagg-3'(配列番号:
5)〕、 ZCF5〔5'-aatggctacgagcacgatgt-3'(配列番号:
6)〕、 ZCF6〔5'-caggtacgggattatgacca-3'(配列番号:
7)〕、 ZCF7〔5'-tcagcaaatgatgtctgacca-3' (配列番号:
8)〕、 ZCR1〔5'-cctcgtaatctcccgcataa-3'(配列番号:
9)〕、 ZCR2〔5'-gaacgtcttctcaaggccag-3'(配列番号:1
0)〕、 ZCR5〔5'-ttgtcgtggtggttgttgtt-3'(配列番号:1
1)〕、 ZCR6〔5'-accaccaaacacaagcaaaa-3'(配列番号:1
2)〕、及び ZCR7〔5'-gatggtcataatcccgtacctg-3'(配列番号:
13)〕 を用いた。
【0088】データ処理のためにソフトウエアSeqE
d v1.03(ABI社製)とソフトウエアGENE
TYX−MAC−ATSQ−3.1(Software
Dev.)とを用い、相同性比較のためにソフトウエ
アGENETYX−MAC10.1(Software
Dev.)を用いて、全配列データを分析した。全て
の配列をBLAST2相同性検索ソフトウエアを用いる
NR−NTの非重複核酸配列データベースと比較した。
【0089】300bp領域及び250bp領域の進化
関係を明らかにするために、パンコムギから単離された
5個のクローン〔No.2(配列番号:14)、No.
3(配列番号:15)、No.14(配列番号:1
6)、No.15(配列番号:17)、No.17(配
列番号:18)〕、Ae.speltoide(KT1
15−2)から単離された5個のクローン(pBs30
1−1、III10、III50、IV32、V4
1)、及びAe.speltoide(KU5727)
から単離された6個のクローン(II7、II8、II
10、II20、II24、II31)を分析して、系
統樹を構築した。
【0090】2つのAe.speltoidesの25
0bp領域はすべて、サイズが異なり(173bp〜2
85bp)、pBs301−1の相同性が異なっていた
(61.5%〜83.7%)。
【0091】5個のコムギクローンのすべて(4個の2
50bp領域及び1個の300bp領域)をpBs30
1−1とともにアラインメントした。結果を図5に示
す。
【0092】マイクロサテライト反復は、大きな点変異
速度及び変化しやすいコピー数等の遺伝子変化を受けや
すいことがよく知られている [エレグレン(Ellegren,
H) 、Trends Genet., 16, 551-558 (2000)]。図5にお
いて、pBs301−1のマイクロサテライト反復に対
応する非常に多くの変化が蓄積しているが、それらの隣
接末端において、その配列は比較的保存的であることが
わかる。
【0093】かかる300bp領域及び250bp領域
における主な変異事象は、A/T−C/G間の点変異及
びいくつかの欠失/挿入であった。
【0094】No.14は、pBs301−1とは異な
り、3コピーのAAC及びpBs301−1の(配列番
号:2)の塩基番号:256〜258の位置での3bp
を有することが示された。
【0095】すべての250bp領域様領域は、大部分
のマイクロサテライトを欠損していた。No.15は、
pBs301−1(配列番号:2)の塩基番号:184
〜218及び256〜258の位置において35bpの
ギャップ及び3bpのギャップの両方を有することが示
された。No.2は、pBs301−1(配列番号:
2)の塩基番号:238〜246及び256〜258の
位置において9bpのギャップ及び3bpのギャップを
有することが示された。No.17は、pBs301−
1とほぼ同じ隣接配列を有することが示された。No.
3は、pBs301−1(配列番号:2)の塩基番号:
71〜73及び256〜258の位置において、2つの
3bpのギャップを有することが示された。
【0096】プライマー対ZCF7+ZCR7を使用し
て、Ae.speltoides(KT115−1)に
由来する産物をさらに調べた。得られた産物のうち、ク
ローンZCR7−1及びクローンZC7−11の2つの
250bp部分をpBs301−1とアラインメントし
た。結果を図6に示す。
【0097】pBs301−1に対する異なる種類の欠
失により、250bp領域のすべてがpBs301−1
の1個の原型配列に由来することが示唆される。
【0098】実施例6 250−300bp領域間の介
在配列の解析 250−300bp領域間の介在配列配列を増幅し、解
析するため、CS及びpBs301−1クローンにおけ
る保存配列に基づく3種のPCRプライマー:ZCF
3、ZCF4及びZCR2を組合わせ、Ae.spel
toides(KT115−1)、Ae.squarr
osa及びCS由来のゲノムDNAを鋳型として用いた
PCRを行なった。なお、前記PCRのサーマルプロフ
ァイルは、〔94℃、30秒間−59℃、30秒間−7
2℃、30秒間〕を1サイクルとする30サイクルとし
た。得られたPCR産物を、SUPRECTM PCR
(宝酒造社製)により精製した。得られた精製PCR産
物を、pGEM T−easyベクター(プロメガ社
製)に連結して、組換えベクターを得た。得られた組換
えベクターにより、大腸菌(XL−10−Gold)を
形質転換し、末端を配列決定した。
【0099】データ処理のためにソフトウエアSeqE
d v1.03(ABI社製)とソフトウエアGENE
TYX−MAC−ATSQ−3.1(Software
Dev.)とを用い、相同性比較のためにソフトウエ
アGENETYX−MAC10.1(Software
Dev.)を用いて、全配列データを分析した。全て
の配列をBLAST2相同性検索ソフトウエアを用いる
NR−NTの非重複核酸配列データベースと比較した。
【0100】その結果、19クローンのうち、16クロ
ーンは、H.vulgareのcereba、Ty3/
gypsy様レトロエレメントの部分 [アクセッション
番号:AY040832、AF078801、図7A、
フダコワ(Hudakova)ら, Nucleic Acids Res., 29, 5029
-5035, (2001)]との配列ホモロジーを含むことがわかっ
た。プライマーZCF3とZCR2との組み合わせで増
幅されたPCR産物は、cereba DNAの2つの
別々の領域: gag−pol遺伝子の5’末端の80bp領域
(1399−1479)であり、かつその上流の異なる
長さの非コード領域、 gag−pol遺伝子におけるコード領域34−1
05bp長であり、かつその全ては、1926位から始
まる領域、 と高いホモロジー(82%以上)を示した。
【0101】この結果は、gag−pol遺伝子におけ
る2つの相同的な領域の間に異なるギャップがあること
を示す。ギャップ配列(1479−1926位)と、p
Bs301等の250−300bp領域との間には、D
NA配列レベルでホモロジーが見出されなかったが、p
Bs301の推定アミノ酸配列は、1531−1824
のギャップ配列のものと約53%類似性(41%同一
性)を示した(図7のパネルB)。これは、250−3
00bp領域が、H.vulgareにおけるcere
ba様、Ty3/gypsy様レトロエレメントに起因
し、コムギAゲノム及びBゲノム染色体並びにライゲノ
ム染色体におけるcereba様レトロエレメントがあ
るが、ギャップ領域(cereba、アクセッション番
号:AY040832における1531−1824位)
は、本実施例で同定された250−300bp領域に置
換されたことを示唆する。Dゲノムにおいてさえ、同じ
プライマーの組み合わせで類似の配列を増幅できたの
で、少数のこの種のレトロエレメントが存在することが
示唆される。この知見を確認するために、cereba
配列 (アクセッション番号:AF078801)に基づ
き、458bp断片(cereba、アクセッション番
号:AF078801における3292−3749位)
又は485bp断片(cereba、アクセッション番
号:AY040832における1467−1951位)
を増幅することが予想される新たなペアのPCRプライ
マーをデザインした。前記プライマーペアは、オオムギ
からcerebaとほとんど同じ配列を有する予想され
たサイズの断片を増幅し、Ae.speltoides
(KT115−1)由来の全4つのPCR産物は、25
0−300bp配列を含んでいた。クローンZC7−1
の配列は、CAA マイクロサテライトのコピー数が5まで
減ったことを除き、pBs301−1のものと同じであ
った。
【0102】コムギ及びAe.speltoides由
来のPCR産物において、250−300bp領域とc
ereba様配列とのジャンクションにおいて、cer
eba又はpBs301−1の配列とはホモロジーを示
さない高度に保存された約40bp及び48bp配列が
見いだされた(図7のパネルC)。DNAデータベース
において、40bp配列又は48bp配列の何れに対し
てもホモロジーを有する配列が見出されなかったので、
これらの2つの配列の起源は、不明である。
【0103】250bp領域の配列のDNA配列は、c
ereba又は他のレトロトランスポゾン様配列とはホ
モロジーを示さなかったが、前記領域の隣接又は介在配
列は、gag遺伝子及びcerebaにおけるその上流
領域の2つの別々の配列に対して高いホモロジーを示し
た(図7のパネルA)。これは、数コピーのcereb
a様配列が、コムギのAゲノム及びBゲノムに存在し、
250bp領域が、cereba配列にも関連すること
を示唆した。約53%の類似性が、7つのCAAを有する
250bp由来の推定アミノ酸配列とgag−pol遺
伝子由来の推定アミノ酸配列との間で得られた(図7の
パネルB)。これは、当該領域に対応するDNA配列
(cereba、アクセッション番号:AY04083
2における1480−1925位のヌクレオチド)が、
オオムギから、コムギ及びライにわたり非常に分岐して
いることを示す。したがって、前記配列及び250bp
配列は、それぞれ、オオムギセントロメア及びコムギセ
ントロメアを同定するためのプローブとして用いられう
る。
【0104】図7のパネルCに示されるように、コムギ
及びAe.speltoidesのcereba様配列
において、数コピーのCAA マイクロサテライトを有する
250bp領域は、タンデムに配列されているが、多コ
ピーのCAA マイクロサテライトを有するものは、そうで
はないように思われる。この知見は、何故、250bp
単位だけが、タンデムに増幅されるのかという疑問を生
じる。縦列型反復配列は、高等真核生物のセントロメア
領域に共通し、数多くの増幅機構が示唆されている。こ
の縦列型反復配列の増幅は、おそらく、セントロメア領
域における多量のcereba様配列により引き起こさ
れたのであろう。250−300bp領域及びcere
ba様配列の両方のジャンクションにおいて、高度に保
存された配列 (それぞれ、約40bp及び48bp、図
7のパネルC)が見出された。それらは、cereb
a、pBs301−1及びDNAデータベースにおける
他の配列と高いホモロジーをもたなかったので、その起
源は、不明である。これらは、組換えのホットスポット
として機能を果たすこと等、反復配列をタンデムに増幅
するのに重要な役割を果たすのであろう。組換えは、4
8bpジャンクション配列の末端に局在するマイクロサ
テライト配列(CCA)2(GCA)(CCA)(CAA)2(CCA) (図7のパ
ネルC、配列番号:24中の配列)と250−300b
p領域におけるCAA マイクロサテライトとの間で生じる
であろう。
【0105】cereba (アクセッション番号:AY
040832)における1480−1925位のヌクレ
オチド領域と250bp領域との間にDNA配列ホモロ
ジーが検出されなかったが、それらの間の強制的なアラ
インメントは、cereba中の塩基配列:CAACCA(CA
A)2C (アクセッション番号:AY040832におけ
る1630−1642)が、pBs301−1における
(CAA)4C で整列化されうることを示す。これは、(CAA)4
C 配列が、マイクロサテライト配列の原型であることを
示す。オオムギにおけるcerebaとAe.spel
toides及びコムギにおけるcereba様配列の
両方は、同様のレトロトランスポゾンに由来すると思わ
れる。
【0106】配列表フリーテキスト 配列番号:3は、合成プライマーの配列である。
【0107】配列番号:4は、合成プライマーの配列で
ある。
【0108】配列番号:5は、合成プライマーの配列で
ある。
【0109】配列番号:6は、合成プライマーの配列で
ある。
【0110】配列番号:7は、合成プライマーの配列で
ある。
【0111】配列番号:8は、合成プライマーの配列で
ある。
【0112】配列番号:9は、合成プライマーの配列で
ある。
【0113】配列番号:10は、合成プライマーの配列
である。
【0114】配列番号:11は、合成プライマーの配列
である。
【0115】配列番号:12は、合成プライマーの配列
である。
【0116】配列番号:13は、合成プライマーの配列
である。
【0117】
【発明の効果】本発明の単位核酸及び本発明のポリヌク
レオチドによれば、コムギ及びその類縁種の物理的地図
等のマッピング、コムギの品種判別等におけるマーカ
ー、育種、コムギの進化学的分析等に用いることができ
るという優れた効果を奏する。また、本発明の染色体解
析方法によれば、コムギ及びその類縁種の染色体を解析
することができ、有用品種の育種における評価、セント
ロメア領域遺伝子の探索、特定染色体の有無の検定を可
能にし、機能、構造等を良好に調べることができるとい
う優れた効果を奏する。さらに、本発明のコムギの品種
判別方法によれば、植物体、特に、コムギ及びその類縁
種の品種を判別することができ、かつ、簡便かつ良好に
調べることができるという優れた効果を奏する。
【0118】
【配列表】 SEQUENCE LISTING <110> Japan Science and Technology Corporation <120> REPETIVE SEQUENCE LOCALIZED AT CENTROMERE DERIVED FROM WHEAT <130> KJ-14-007 <150> JP 2001-310662 <151> 2001-10-05 <160> 24 <170> PatentIn Ver. 2.1 <210> 1 <211> 1087 <212> DNA <213> Aegilops speltoides <400> 1 gatcaaaaag agagaagaag ccatctagct aataactatg gacctgtcgt ggaattaaca 60 cgtgagatgt catagtgtga ggacttagtc gtgaggccaa cacatctatg tggtagcttg 120 agaggggttg agcggaatcg agaaacacaa cacaagtacg aggatttatg acagctttgg 180 gccccgggaa acatcatccg gtaatagccc tacatgctgt ttgtggctag gtctcattat 240 catcacgagt gagtcgccgt aaaccggctc tcctctagtt gtgtctagcc ctagagattg 300 tttcttgttg cttgtccctc tttggggagc cctgcccctc cttatataag ttgaaggggc 360 gggttacatg tagagtccat ctcggactaa gacttaaact attttgactt cctttcctgg 420 gcttcttaac gtctgccggt ttaacattgt ttgtcggttt accgtctgtc ttagccatct 480 gtcttgactc tctgtcttaa ctgtccgccg gtttaccatc cgccggttta ccaagtccaa 540 gccggtttac aattccagcc gggtcatacc gcggggtata tccccgacat tagcccccag 600 tttaatttga atttatccat tttaaactcg aagaacagtt tatacatctc cacgggcgtc 660 gcacccatga agtgttggag agctcgcggt ccctccggat tgaattccca caggcggagg 720 gggcgacgtt tgcaaggcag aaggcgtcga atcagcatga cctgcgccac tacaaccaga 780 ttgatcactg gccttgagaa gacgttcgaa acaaagctcg ataacagatt taatgaactg 840 cttgcgcgtc ttccaccacc ggttgcacct gccgcacctc tgcaacaaca acaacaacaa 900 caacaacaac aacaacaaca acaacaacaa tgactacctc cacatcgcga aacaaccctc 960 caccgagcga gccgtgttcc tcttcaacct ggccaaactg ttggtgctgc tgttgataat 1020 tctgtggctc ctgctgctga tggggaggag gatgattatg cgggagatta cgaggatgag 1080 gttgatc 1087 <210> 2 <211> 288 <212> DNA <213> Aegilops speltoides <400> 2 ctggccttga gaagacgttc gaaacaaagc tcgataacag atttaatgaa ctgcttgcgc 60 gtcttccacc accggttgca cctgccgcac ctctgcaaca acaacaacaa caacaacaac 120 aacaacaaca acaacaacaa caatgactac ctccacatcg cgaaacaacc ctccaccgag 180 cgagccgtgt tcctcttcaa cctggccaaa ctgttggtgc tgctgttgat aattctgtgg 240 ctcctgctgc tgatggggag gaggatgatt atgcgggaga ttacgagg 288 <210> 3 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: A sequence for synthesized pri mer <400> 3 ctggccttga gaagacgttc 20 <210> 4 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: A sequence for synthesized pri mer <400> 4 cgttcgaaac aaagctcgat 20 <210> 5 <211> 22 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: A sequence for synthesized pri mer <400> 5 gattatgcgg gagattacga gg 22 <210> 6 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: A sequence for synthesized pri mer <400> 6 aatggctacg agcacgatgt 20 <210> 7 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: A sequence for synthesized pri mer <400> 7 caggtacggg attatgacca 20 <210> 8 <211> 21 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: A sequence for synthesized pri mer <400> 8 tcagcaaatg atgtctgacc a 21 <210> 9 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: A sequence for synthesized pri mer <400> 9 cctcgtaatc tcccgcataa 20 <210> 10 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: A sequence for synthesized pri mer <400> 10 gaacgtcttc tcaaggccag 20 <210> 11 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: A sequence for synthesized pri mer <400> 11 ttgtcgtggt ggttgttgtt 20 <210> 12 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: A sequence for synthesized pri mer <400> 12 accaccaaac acaagcaaaa 20 <210> 13 <211> 22 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: A sequence for synthesized pri mer <400> 13 gatggtcata atcccgtacc tg 22 <210> 14 <211> 245 <212> DNA <213> Triticum aestivum <400> 14 ctggccttga gaagacgttc gaaacaaagc tcgataacag atttaatgaa ctgcttacgc 60 gtcttccacc atcggctgca cctgccgcac ctctgcaaca actactacta ctactatacc 120 tccagatcgc gaaacagccc tccgccgagc gagccgtgtc cttcttcagc ctggccaaac 180 tgttggtgct gctgttgata gttctgctgc tgatgcggag ggtgattatg cgggagatta 240 cgagg 245 <210> 15 <211> 253 <212> DNA <213> Triticum aestivum <400> 15 ctggccttga gaagacgttc gaaacaaagc tcgataacag atttaatgaa ctgcttgcgc 60 gtcttccacc ggctgcacct gccgcacctc tgtagcaaca acaacaacta ctactacctc 120 ccacgtcgcg aaacagccct ccaccgagcg agccgtgtcc ttcttcagcc tggccaaact 180 gttggtgctg ttgttgatac ttctgtggct cctgctgctg atgtggagga tgattatgcg 240 ggagattacg agg 253 <210> 16 <211> 297 <212> DNA <213> Triticum aestivum <400> 16 ctggccttga gaagacgttc gaaacaaagc tcgataacag atttaatgaa ctgcttgcgc 60 gtctttcacc accggctgca cctgccgcac ctctgcagca gcagcaacaa caacaacaac 120 aacaacaaca acaacaacaa caacaacaac aaagacgact acctccacgt cgcgaaacag 180 ccatccgtcg agcgagccgt gtccttcttt agcctggcca aactgttggt gctgctgtta 240 atacttttgt ggctcctgct gctgatgcgg aggatgatta tgcgggagat tacgagg 297 <210> 17 <211> 223 <212> DNA <213> Triticum aestivum <400> 17 ctggccttga gaagacgttc gaaacaaagc tcgataacag atgcaatgaa ctgcttgcgc 60 gtcttccacc accggctgca cctgccgcac ctctgcaaca acaacaacaa caacaactac 120 taactccatg ccgcgaaaca gccctccgcc gagcgagctg ctgatgatac ttctgtggct 180 cctgttgctg atgcgaagga tgattatgcg ggagattacg agg 223 <210> 18 <211> 263 <212> DNA <213> Triticum aestivum <400> 18 ctggccttga gaagacgttc gaaacaaagc tcgataacag atttaatgta ttacttgcgc 60 gtcttccacc accggctgca cctgccgcac ctctgcaata acaacaacaa caacaacgac 120 tacctcccac tgtcgggaaa cagccctctg ccgagcgatt cgtgtccctc ttcagcctgg 180 ccaaactgct ggtgctgctg ttgatacttc tgtggctcct gctgctgatg tggaggagta 240 tgattatgcg ggagattacg agg 263 <210> 19 <211> 252 <212> DNA <213> Aegilops speltoides <400> 19 ctggccttaa gaagacgttc gaaacaaagc tcgataacag atttaatgaa ctgcttgcac 60 gtcttccacc accggctgca cctgccgcac ctctgcaaca acaacaacaa caacctccac 120 atcgtgaaac agccctccgc cgagcgagcc atgttcctct tcagcctggc caaactattg 180 gtgctgctgt tgataattct gtggctcctg ctgctgatgg ggaggaggat gattatgtgg 240 gagattacga gg 252 <210> 20 <211> 255 <212> DNA <213> Aegilops speltoides <400> 20 ctggccttga gaagacgttc ggaacaaagc tcgataacag atttaatgaa ctacttgcgc 60 gtcttccacc tccggctgca cctgccgcac ctctgcaaca acaacaacga cgactacctc 120 cacatcgcga aacagccctc cgccaagcga gccgtgttcc tcttcagcct ggccaaacta 180 ttggtgctgc tgttgataat tctgtggctc ctgctgctaa tggggaggag gaggattatg 240 cgggagatta cgagg 255 <210> 21 <211> 90 <212> PRT <213> Aegilops speltoides <400> 21 Ile Thr Gly Leu Glu Lys Thr Phe Glu Thr Lys Leu Asp Asn Arg Phe 1 5 10 15 Asn Glu Leu Leu Ala Arg Leu Pro Pro Pro Val Ala Pro Ala Ala Pro 20 25 30 Leu Gln Gln Gln Gln Gln Gln Gln Leu Pro Pro His Arg Glu Thr Thr 35 40 45 Leu His Arg Ala Ser Arg Val Pro Leu Gln Pro Gly Gln Thr Val Gly 50 55 60 Ala Ala Val Asp Asn Ser Val Ala Pro Ala Ala Asp Gly Glu Glu Asp 65 70 75 80 Asp Tyr Ala Gly Asp Tyr Glu Asp Glu Val 85 90 <210> 22 <211> 99 <212> PRT <213> Hordeum vulgare <400> 22 Leu Asp Gly Met Glu Gln Lys Phe Asp Thr Lys Met Asn Ala Lys Phe 1 5 10 15 Asn Glu Val Leu Ala Arg Leu Pro Pro Pro Ala Ile Ala Ser Val Pro 20 25 30 Leu Gln Pro Gln Gln Arg Arg Arg Pro Gly Arg Val Pro Leu Gly His 35 40 45 Val Gln Pro Phe Ile Gly Leu Asp Pro Pro Thr Val Ala Ala Gly Ala 50 55 60 Gly Ala Ala Ala Ala Ala Ala Ala Ala Ala Ala Ala Glu Val Ser Pro 65 70 75 80 Ala Glu Gln His Asp Asp Tyr Asp Asp Asp Tyr Asp Gly Asp Tyr Asp 85 90 95 Ala Glu Gly <210> 23 <211> 40 <212> DNA <213> Aegilops speltoides <400> 23 agatgtgctg aacaattttg aagaggcctt ggagaagatc 40 <210> 24 <211> 46 <212> DNA <213> Aegilops speltoides <400> 24 tgatcaaaya gawctacgwg carccaccag caccacaaca accagg 46
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、GISH及びFISHを行なった結果
を示す。パネルAは、ビオチン化Ae. speltoidesゲノム
DNAとジゴキシゲニン標識pSc74とを用いて、8
倍体ライコムギ系統Y4683の染色体を解析した結果
を示す。パネルBは、ジゴキシゲニン標識NO.2クロ
ーンを用いて、パンコムギの染色体を解析した結果を示
す。パネルC及びDは、ジゴキシゲニン標識NO.2ク
ローンを用いて、それぞれ、デュラムコムギ(パネル
C)及びライムギ(パネルD)を解析した結果を示す。
パネルEは、ビオチン化C5クローンを用いて、パンコ
ムギの染色体を解析した結果を示す。パネルFは、ce
rebaの3728bp−3920bpから増幅したジ
ゴキシゲニン標識PCR産物を用いて、パンコムギの染
色体を解析した結果を示す。
【図2】図2は、クローン307−5の配列を示す。
【図3】パンコムギ (CS; T.aestivucu
m)、デュラムコムギ(T.durum)及び他の5つ
の二倍体野生種〔S.cereale,Ae.squa
rrosa,Ae.speltoides(KT115
−1),Ae.speltoides(KU572
7),T.monococcum〕を、ジゴキシゲニン
標識pBs301(パネルA)又はジゴキシゲニン標識
No.2クローン(パネルB)を用いて、サザンブロッ
トハイブリダイゼーションにより解析した結果を示す。
【図4】コムギ及びその類縁種〔T.aestivum
(レーン1)、T.durum(レーン2)、Ae.s
peltoides(KT115−1)(レーン3)、
Ae.speltoides(KU5727)(レーン
4)、T.monococcum(レーン5)、Ae.
squarrosa(レーン6)及びS.cereal
e(レーン7)における縦列型反復配列を解析した結果
を示す。パネルAは、プライマーZCF1とZCR1と
の組合せを用いた場合の結果を示し、パネルBは、プラ
イマーZCR2とZCR3との組合せを用いた場合の結
果を示す。
【図5】図5は、5種のパンコムギクローンの配列と、
pBs301−1の配列とをアライメントした結果を示
す。
【図6】図6は、Ae.speltoides(KT1
15−1)のDNAを鋳型とし、プライマーZCF7と
ZCR7とを用いて得られたクローンZCR7−1及び
クローンZC7−11の2つの250bp部分をpBs
301−1とアラインメントした結果を示す。
【図7】図7は、250−300bpと、cereb
a、H.vulgareのTy3/gypsy様レトロ
エレメントとの間の関係を示す概略図である。パネルA
は、LTR(Long Terminal Repea
t)と、プライマー結合部位と、gag−pol遺伝子
とを含むcerebaの部分を示す。番号は、cere
ba(アクセッション番号:AY040832)のヌク
レオチド位置に対応する。矢印及び矢頭は、ZCF3プ
ライマーとZCRプライマーとの組み合わせにより増幅
されたPCR産物との高いホモロジー(82%以上)を
有する領域を示す。パネルBは、pBs301−1から
推定されたアミノ酸配列と、gag−pol遺伝子の部
分(AY040832の1531−1824位)から推
定されたアミノ酸配列とのアラインメントを示す。パネ
ルCは、250−300bp反復配列領域と、該250
−300bp反復配列領域の上流領域及び顆粒領域に見
出される非相同配列との推定構造を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2B030 AA02 AB03 AD20 CA06 CB03 4B024 AA07 AA11 CA02 DA06 EA04 HA14 4B063 QA01 QA05 QA12 QQ09 QQ42 QR32 QR56 QR62 QS25 QS34 QS36 QX01 QX02

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)配列番号:2、14、15、1
    6、17、18、19、及び20からなる群より選ばれ
    た塩基配列からなる核酸、(b)核酸多型を介して、前
    記(a)の核酸の塩基配列とは異なる塩基配列からなる
    核酸、(c)前記(a)の核酸にストリンジェントな条
    件下にハイブリダイズしうる核酸、(d)前記(a)の
    核酸の塩基配列に対して、少なくとも80%の配列同一
    性を有する塩基配列からなる核酸、及び(e)前記
    (a)の核酸の塩基配列において、少なくとも1塩基の
    欠失、置換、挿入又は付加を有する塩基配列からなる核
    酸、からなる群より選ばれた核酸であって、コムギAゲ
    ノム染色体及びBゲノム染色体のセントロメアに局在す
    る縦列型反復配列の単位となる単位核酸。
  2. 【請求項2】 該(a)〜(e)いずれかの核酸の塩基
    配列において、CAAを1単位としてなるマイクロサテ
    ライト配列が存在してなる、請求項1記載の単位核酸。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の単位核酸に特異的
    に結合しうる、請求項1又は2記載の単位核酸を検出す
    るためのポリヌクレオチド。
  4. 【請求項4】 (A)請求項1若しくは2記載の単位核
    酸の塩基配列に相補的な塩基配列、又は(B)請求項1
    若しくは2記載の単位核酸の塩基配列中の塩基配列であ
    って、連続した少なくとも10ヌクレオチドからなる塩
    基配列若しくはその相補鎖、からなるポリヌクレオチ
    ド。
  5. 【請求項5】 配列番号:3〜13からなる群より選ば
    れた1つの塩基配列からなる、請求項4記載のポリヌク
    レオチド。
  6. 【請求項6】 請求項1若しくは2記載の単位核酸又は
    請求項3〜5いずれか1項に記載のポリヌクレオチド
    を、該単位核酸を検出するためのプローブとして用い
    て、被検試料中の該単位核酸を検出することを特徴とす
    る、染色体解析方法。
  7. 【請求項7】 請求項3〜5いずれか1項に記載のポリ
    ヌクレオチドの少なくとも2つを、請求項1若しくは2
    記載の単位核酸を増幅するためのプライマー対として用
    いて、被検試料中の該単位核酸を検出することを特徴と
    する、染色体解析方法。
  8. 【請求項8】 請求項1若しくは2記載の単位核酸又は
    請求項3〜5いずれか1項に記載のポリヌクレオチド
    を、該単位核酸を検出するためのプローブとして用い
    て、被検試料中の該単位核酸を検出することを特徴とす
    る、コムギの品種判別方法。
  9. 【請求項9】 請求項3〜5いずれか1項に記載のポリ
    ヌクレオチドの少なくとも2つを、請求項1若しくは2
    記載の単位核酸を増幅するためのプライマー対として用
    いて、被検試料中の該単位核酸を検出することを特徴と
    する、コムギの品種判別方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN113699264A (zh) * 2021-08-12 2021-11-26 贵州大学 一种识别普通小麦b组染色体的荧光原位杂交探针及其设计方法和应用

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