JP2003188086A - マスクパターン分割方法およびマスクパターン分割プログラム並びに半導体装置の製造方法 - Google Patents

マスクパターン分割方法およびマスクパターン分割プログラム並びに半導体装置の製造方法

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JP2003188086A
JP2003188086A JP2001388983A JP2001388983A JP2003188086A JP 2003188086 A JP2003188086 A JP 2003188086A JP 2001388983 A JP2001388983 A JP 2001388983A JP 2001388983 A JP2001388983 A JP 2001388983A JP 2003188086 A JP2003188086 A JP 2003188086A
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Isao Ashida
勲 芦田
Kazuharu Inoue
和治 井上
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Sony Corp
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  • Preparing Plates And Mask In Photomechanical Process (AREA)
  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
  • Electron Beam Exposure (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 荷電粒子線透過マスク上で形成困難な原パタ
ーン形状を、コンピュータ上で自動的に相補分割するこ
とを可能にするとともに、その相補分割の際に無駄な分
割を無くして微小図形や鋭角図形等の発生を回避する。 【解決手段】 荷電粒子線透過マスクの原パターン形状
を相補的な複数のパターン形状に分割するためのマスク
パターン分割方法であって、前記原パターン形状を構成
する多角形の各頂点の内角から一義的に得られる値を、
当該各頂点について順に積算し(S102,S103,
S106)、その積算値に基づいて前記各頂点の中から
相補分割の分割線の基点となる頂点を特定する(S10
7,S300)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、荷電粒子線透過マ
スクについてのマスクパターン分割方法およびマスクパ
ターン分割プログラム、並びに荷電粒子線透過マスクを
用いた半導体装置の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体装置の製造プロセスにおい
ては、形成すべき集積回路パターンの微細化に伴い、こ
れまでの一般的な紫外線を用いたフォトリソグラフィ法
では光学系の解像度限界を超えるため、電子ビームやイ
オンビーム等の荷電粒子線を用いて描画する微細加工技
術が開発されている。ただし、荷電粒子線を用いた、い
わゆる直接描画と呼ばれる露光方式では、微細パターン
になるほどデータ規模が大きくなり、多くの描画時間を
要してしまうことから、スループット(単位時間あたり
の処理量)向上が困難であるという難点がある。そこ
で、最近では、かかる難点を解消すべく、所定のパター
ンを有する転写マスク(荷電粒子線透過マスク)に電子
線を照射して半導体ウエハ上に回路パターンを形成する
電子線転写装置が提案されている。
【0003】ところで、この電子線転写装置に用いられ
る荷電粒子線透過マスクは、その性質上、例えばドーナ
ッツ状パターンやリーフパターンといったように、形成
不可能なパターン形状がある。このことから、荷電粒子
線透過マスクについては、形成不可能なパターン形状を
相補的に分割し、分割した複数のパターンを転写するこ
とで、ウエハ上に1つのパターンを形成するコンプリメ
ンタリー分割という方法が用いられている。従来におけ
るコンプリメンタリー分割を行う方法としては、分割対
象となる多角形の内角がある閾値より大きければ、その
内角の分割を行うという幾何学的なものがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、幾何学
的な方法を用いて、例えば図8(a)に示すような形状
の図形をコンプリメンタリー分割する場合、分割判定の
ための内角の閾値を180°に設定すると、図8(b)
に示すように無駄な分割線が生じてしまうおそれがあ
る。このような無駄な分割線は、微小図形51や鋭角図
形52等の発生要因となるため避けるべきである。ま
た、分割判定のための内角の閾値を270°に設定する
と、図8(c)に示すように原パターン形状が分割され
ずそのまま残ってしまうことが考えられる。
【0005】このように、単純な幾何学的方法でコンプ
リメンタリー分割を行う場合には、原パターン形状に応
じて最適な内角の閾値を設定しなければ、適切な相補分
割が行えなくなってしまう。したがって、従来の分割方
法では、原パターン形状に応じた最適な内角の閾値設定
が必要となるため、コンピュータ等を用いて自動化する
ことが非常に困難である。
【0006】そこで、本発明は、荷電粒子線透過マスク
(例えばステンシルマスク)上で形成困難な原パターン
形状を、コンピュータ上で自動的に相補分割することを
可能にするとともに、その相補分割の際に無駄な分割を
無くして微小図形や鋭角図形等の発生を回避し得る分割
アルゴリズム、すなわちマスクパターン分割方法および
マスクパターン分割プログラムを提供することを目的と
し、さらにはその分割アルゴリズムを用いた半導体装置
の製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために案出されたマスクパターン分割方法で、荷
電粒子線透過マスクの原パターン形状を相補的な複数の
パターン形状に分割するためのマスクパターン分割方法
であって、前記原パターン形状を構成する多角形の各頂
点の内角から一義的に得られる値を、当該各頂点につい
て順に積算し、その積算値に基づいて前記各頂点の中か
ら相補分割の分割線の基点となる頂点を特定することを
特徴とする。
【0008】また、本発明は、上記目的を達成するため
に案出されたマスクパターン分割プログラムで、コンピ
ュータを、荷電粒子線透過マスクの原パターン形状につ
いて、当該原パターン形状を構成する多角形の各頂点の
内角から一義的に得られる値を、当該各頂点について順
に積算する手段と、その積算値に基づいて前記各頂点の
中から相補分割の分割線の基点となる頂点を特定する手
段と、特定した頂点を基点として相補分割の分割線を付
与することで前記原パターン形状を相補的な複数のパタ
ーン形状に分割する手段と、として機能させることを特
徴とする。
【0009】また、本発明は、上記目的を達成するため
に案出された半導体装置の製造方法で、荷電粒子線透過
マスクの原パターン形状を相補的な複数のパターン形状
に分割し、当該複数のパターン形状について転写を行う
ことで、ウエハ基板上に前記原パターン形状に対応した
パターンを形成する半導体装置の製造方法であって、前
記原パターン形状を構成する多角形の各頂点の内角から
一義的に得られる値を、当該各頂点について順に積算
し、その積算値に基づいて前記各頂点の中から相補分割
の分割線の基点となる頂点を特定し、特定した頂点を基
点として相補分割の分割線を付与することで前記原パタ
ーン形状を相補的な複数のパターン形状に分割すること
を特徴とする。
【0010】上記のマスクパターン分割方法およびマス
クパターン分割プログラム並びに半導体装置の製造方法
によれば、各頂点の内角から一義的に得られる値の積算
値を基に、相補分割の分割線の基点となる頂点を特定す
る。すなわち、ある閾値に基づいて一律に各頂点を分割
するか否か決定するのではなく、原パターン形状(多角
形の形状)が反映される積算値の算出結果に基づいて各
頂点の中から分割する頂点を選択する。したがって、原
パターン形状に応じた最適な内角の閾値設定を要するこ
となく、また単純な幾何学的方法により一律に相補分割
を行った場合のように無駄な分割線等が生じてしまうこ
ともない。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づき、本発明に係
るマスクパターン分割方法およびマスクパターン分割プ
ログラム並びに半導体装置の製造方法について説明す
る。
【0012】本実施形態で説明するマスクパターン分割
方法は、半導体装置の製造プロセスにおいて用いられる
ものである。さらに詳しくは、半導体ウエハ上に微細な
回路パターンを形成するための電子線転写装置にて使用
される荷電粒子線透過マスクについて、その荷電粒子線
透過マスクが形成すべき回路パターンに対応した原パタ
ーン形状を、相補的な複数のパターン形状に分割するた
めに用いられるものである。
【0013】また、本実施形態で説明するマスクパター
ン分割方法は、コンピュータとしての機能を有した装置
がマスクパターン分割プログラムを実行することによっ
て実現されるものである。すなわち、ここでは、マスク
パターン分割方法がコンピュータ上で実行される場合を
例に挙げて説明する。ただし、必ずしもコンピュータ上
で実行しなくてもよいことはいうまでもない。
【0014】ここで、以上のようなマスクパターン分割
方法の手順の概要について説明する。なお、以下の説明
では、分割すべき原パターン形状が多角形から構成さ
れ、その多角形の各頂点における内角の大きさを
「θ」、内角から一義的に得られる値(詳しくは後述す
るようにθ−180°)の積算値を「累積角度sum」、
相補分割のための分割線を引く頂点を「イベント点」、
そのイベント点から引かれる分割線の候補となる2本の
線を「分割候補線」とする。
【0015】原パターン形状を相補的な複数のパターン
形状に分割するにあたっては、先ず、原パターン形状を
構成する多角形の頂点を順に辿っていき、各頂点におけ
る内角θを認識する。そして、内角θが予め設定された
第1の閾値と一致すれば、その一致した頂点をイベント
点とする。また、一致しない頂点については、(θ−1
80°)≧0の条件を満たす頂点についてのみ、その
(θ−180°)の値を積算して、これにより累積角度
sumを順次更新していく。そして、累積角度sumの値が予
め設定された第2の閾値以上となると、そのときに(θ
−180°)の値が積算された頂点をイベント点とす
る。
【0016】このようにして特定したイベント点につい
ては、相補分割のための分割線の基点とする。すなわ
ち、イベント点を形成する2辺の延長線を分割候補線と
し、これら分割候補線と多角形の構成辺または既に付与
されている分割線との距離を基に、その距離が大きいほ
うの分割候補線を分割線として選択する。あるいは、イ
ベント点を通過する基準線で、多角形が属する座標空間
におけるX軸およびY軸と平行な2本の直線を分割候補
線とし、これら分割候補線によって形成される内角の大
きさを基に、その内角が大きいほうの分割候補線を分割
線として選択する。
【0017】そして、原パターン形状を構成する多角形
の全ての頂点について、上述した処理を終了すると、選
択した分割線によってその多角形を分割することで、原
パターン形状から相補的な複数のパターン形状を得るの
である。
【0018】続いて、以上のようなマスクパターン分割
方法の手順の詳細について、図面を参照しながら説明す
る。図1,3,5はマスクパターン分割の手順の一例を
示すフローチャートであり、図2,4,6,7はその分
割に係るパターン形状の具体例を示す説明図である。
【0019】原パターン形状の相補的な分割を開始する
際には、コンピュータ上に形成される座標空間内にて原
パターン形状が特定されているとともに、図1に示すよ
うに、そのコンピュータの所定記憶領域に保持される累
積角度sumの値が初期化(「0」にリセット)されてい
るものとする(ステップ101、以下ステップを「S」
と略す)。さらには、内角θについての第1の閾値およ
び累積角度sumについての第2の閾値も、予め設定され
ているものとする。なお、第1の閾値は、後述する理由
により、270°とすることが考えられる。また、第2
の閾値は、適当に設定して構わないが、以下の説明では
90°と設定した場合を例に挙げて説明する。
【0020】そして、コンピュータ上の座標空間内にて
特定された原パターン形状について、その原パターン形
状を構成する多角形の頂点を順に辿っていき(S10
2、S103)、各頂点における内角θが第1の閾値で
ある270°と一致するか否かを判断する(S10
4)。この判断の結果、内角θが270°である場合に
は、その頂点をイベント点とする。
【0021】例えば図2に示す多角形について考える
と、図2(a)に示すように所定の原点11から反時計
回りに順に角頂点を辿っていくと、頂点12における内
角θが270°であるため、図2(b)に示すようにそ
の頂点12をイベント点とする。このイベント点につい
ては、相補分割のための分割線を決定する処理を行うこ
とになる(図1におけるS200)。
【0022】ここで、内角θが270°である場合の分
割線決定処理について説明する。分割線決定処理にあた
っては、図3に示すように、先ず、処理対象となるイベ
ント点について、既に分割線が存在しているか否かを判
断し(S201)、存在している場合には分割線決定処
理を終了する。内角θが270°であるイベント点にお
いては、既に存在している分割線に加えて新たな分割線
を引くと、その分割線による分割後に鋭角図形が生じ得
るからである。
【0023】一方、分割線が存在していなければ、処理
対象となるイベント点を形成する2辺の延長線を分割候
補線とし(S202)、これら分割候補線と原パターン
形状を構成する多角形の構成辺または既に付与されてい
る分割線の中で最近接のものとの距離を求める(S20
3)。そして、2つの分割候補線のうち、最近接辺との
距離が大きいほうの分割候補線を、分割線として選択す
る(S204)。距離が大きいほうを分割線とするの
は、分割後に微小図形が生じるのを回避するためであ
る。なお、分割候補線は、原パターン形状を構成する多
角形を分割し得る地点、すなわち多角形の構成辺と交差
するか、または他の分割線と交差する地点まで引くもの
とする。
【0024】具体的に図4に示す多角形を例に挙げて考
える。図例の多角形においては、図4(a)に示すよう
に、頂点21における内角θが270°であることか
ら、その頂点21がイベント点となる。そして、そのイ
ベント点を形成する2辺の延長線を分割候補線22x,
22yとし、これら分割候補線22x,22yとそれぞ
れの最近接辺との間の距離23x,23yを求める。そ
の結果、図例の多角形においては距離23yのほうが大
きいため、図4(b)に示すように、分割候補線22y
が分割線24として選択されることになる。
【0025】ただし、図4(c)に示すように、頂点2
5がイベント点となる場合、既に分割線24が存在して
いると、その分割線24も分割候補線26x,26yの
最近接辺となり得る。したがって、この場合、分割候補
線26x,26yとそれぞれの最近接辺との間の距離2
7x,27yについては、距離27xのほうが大きいこ
とになり、図4(d)に示すように、分割候補線26x
が分割線28として選択されることになる。
【0026】このように、内角θが270°であるイベ
ント点については、そのイベント点を形成する2辺の延
長線である分割候補線のうち、最近接辺との距離が大き
いほうを分割線として選択するようになっており、しか
も既に存在している分割線についても最近接辺となり得
るように取り扱うことから、分割後に微小図形が生じる
のを確実に回避することができる。
【0027】その上、イベント点を形成する2辺の延長
線を分割候補線としても、そのイベント点の内角θが2
70°であるため、分割後に鋭角図形が生じてしまうこ
とがない。このことから、本実施形態では、第1の閾値
を270°としているのである。
【0028】さらには、第1の閾値を用いた判断によ
り、原パターン形状を構成する多角形の中から内角θが
270°である頂点だけを抜き出して、上述したような
分割線決定処理を行うことによって、鋭角図形や微小図
形の発生を回避しつつ、マスクパターン分割方法全体の
処理の迅速化が図れるようにもなる。
【0029】一方、図1に戻り、内角θが第1の閾値で
ある270°と一致しなかった場合には(S104)、
続いて、その内角θから一義的に得られる値である(θ
−180°)の値について、その値が「0」よりも大き
いか否かを判断し(S105)、「0」よりも小さけれ
ば処理対象を次の頂点へ移す(S102)。これは、
(θ−180°)<0である頂点、すなわち内角θが1
80°より小さい頂点をイベント点とすると、分割後に
鋭角図形が生じ得るからである。
【0030】これに対し、(θ−180°)≧0である
頂点については、その(θ−180°)の値を累積角度
sumの値に積算して、これにより累積角度sumを更新して
いく(S106)。そして、累積角度sumの値を更新す
る度に、その累積角度sumの値を第2の閾値である90
°と比較し、累積角度sumの値一定角度以上となったか
否か、すなわち累積角度sumの値が90°以上となった
か否かを判断する(S107)。
【0031】この判断の結果、累積角度sumの値が90
°未満であれば、処理対象を次の頂点へ移す(S10
2)。これは、上述した場合(S105)と同様に、分
割後に鋭角図形が生じるのを回避するためである。
【0032】また、累積角度sumの値が90°以上にな
ったと判断した場合には、その要因となった頂点、すな
わち90°以上となった際に(θ−180°)の値が積
算された頂点をイベント点とする。
【0033】例えば図2に示す多角形について考える
と、図2(b)に示すように頂点13における内角θは
180°を超えているので、その頂点13についての
(θ−180°)の値を累積角度sumに積算する。ただ
し、このときには、累積角度sumの積算値は90°未満
であるため、その次の頂点14に処理対象を移す。そし
て、図2(c)に示すように、この頂点14における内
角θも180°を超えているので、その頂点14につい
ての(θ−180°)の値を累積角度sumに積算する。
これにより、累積角度sumの積算値は90°以上となる
ため、図2(d)に示すようにその頂点14をイベント
点とする。このイベント点についても、相補分割のため
の分割線を決定する処理が行われる(図1におけるS3
00)。
【0034】ここで、累積角度sumの値が90°以上に
なった場合(内角θが270°以外である場合)の分割
線決定処理について説明する。分割線決定処理にあたっ
ては、図5に示すように、先ず、処理対象となるイベン
ト点について、既に分割線が存在しているか否かを判断
し(S301)、存在している場合には分割線決定処理
を終了する。ここでも、既に存在している分割線に加え
て新たな分割線を引くと、その分割線による分割後に鋭
角図形が生じ得るからである。
【0035】一方、分割線が存在していなければ、処理
対象となるイベント点を通過する基準線で、多角形が属
する座標空間におけるX軸およびY軸と平行な2本の直
線を分割候補線とする(S302)。そして、X軸と平
行な分割候補線がイベント点の内角θを分割することに
よって形成される2つの角のうち角度が小さいほうの角
をθxとするとともに(S303)、Y軸と平行な分割
候補線がイベント点の内角θを分割することによって形
成される2つの角のうち角度が小さいほうの角をθyと
し(S304)、これらθx,θyのうち角度の大きい
ほうについての分割候補線を、分割線として選択する
(S305)。角度が大きいほうを分割線とするのは、
分割後に鋭角図形が生じるのを回避するためである。な
お、ここでも、分割候補線は、原パターン形状を構成す
る多角形を分割し得る地点、すなわち多角形の構成辺と
交差するか、または他の分割線と交差する地点まで引く
ものとする。
【0036】具体的に図6に示す多角形を例に挙げて考
える。図例の多角形においては、図6(a)に示すよう
に、内角θが270°である頂点に既に分割線31が引
かれている。このような多角形において、頂点32が累
積角度sumの値が90°以上になったことによるイベン
ト点であるとすると、そのイベント点を通過する2本の
分割候補線(X軸に平行な分割候補線33とY軸に平行
な分割候補線34)について、分割候補線33によって
形成される角θxと分割候補線34によって形成される
角θyとでどちらが大きいかを判断する。その結果、図
例の多角形においては角θxのほうが大きいため、図5
(b)に示すように、分割候補線33が分割線35とし
て選択されることになる。
【0037】このように、内角θが270°以外である
イベント点については、ある閾値に基づいて一律に定め
るのではなく、累積角度sumの積算値から特定されるよ
うになっている。したがって、特定されたイベント点
は、従来のように単純な幾何学的方法により一律に相補
分割を行った場合とは異なり、原パターン形状(多角形
の形状)が反映されたものになるといえる。したがっ
て、そのイベント点について相補分割を行えば、原パタ
ーン形状に応じた最適な内角の閾値設定を要することな
く、また単純な幾何学的方法により一律に相補分割を行
った場合のように無駄な分割線等が生じてしまうことも
なくなる。
【0038】その上、内角θが270°以外であるイベ
ント点については、そのイベント点を通過し、かつ、X
軸およびY軸に平行な2本の分割候補線のうち、これら
によって形成される角θx,θyの大きさに基づいて、
いずれかの分割候補線を分割線として選択するようにな
っていることから、分割後に鋭角図形が生じるのを確実
に回避することができる。
【0039】さらに、累積角度sumについては、内角θ
から一義的に得られる(θ−180°)の値が「0」よ
りも大きければ、これを積算することとし、そしてその
積算値を第2の閾値である90°と比較しているので、
分割結果に原パターン形状を反映させつつ、その分割後
に鋭角図形が生じてしまうことがない。このことから、
本実施形態では、第2の閾値を90°としているのであ
る。ただし、第2の閾値は、必ずしも90°である必要
はなく、内角θから一義的に得られる値を考慮しつつ適
宜設定して構わない。
【0040】ところで、図7(a)に示す原パターン形
状を分割する場合には、イベント点41に対して、上述
したマスクパターン分割方法の手順を用いて分割線を決
定していくと、図7(b)に示すように、分割線同士が
T字状に交わる点42が生じることがある。このような
交差点42の存在は、原パターン形状を2つのマスクに
相補分割する上では好ましくない。すなわち、分割線が
T字状に交わると、3つ以上のマスクを用いないと原パ
ターン形状を相補分割することは不可能である。このた
め、2つのマスクに相補分割を行う場合には、以下のよ
うな回避策を用いる。
【0041】このような交差点42の発生を回避するに
は、図7(c)に示すように、同じイベント点41から
引かれるもう一方の分割候補線を、分割線43として選
択するようにすればよい。そのためには、図3および図
5に示したイベント点における分割線決定処理におい
て、分割線候補線の選択(S204,S305)を行っ
た後に、その選択した分割候補線が既に引かれた分割線
と交わるか否かを確認し、交わるようであれば、もう一
方の分割候補線を分割線として選択する、といった処理
ステップを追加することが考えられる。
【0042】以上のようにして得た分割線をもって原パ
ターン形状の相補分割を行えば、荷電粒子線透過マスク
(例えばステンシルマスク)上で形成困難な原パターン
形状であっても、コンピュータ上で自動的に相補分割す
ることが可能となり、しかも相補分割の際に無駄な分割
が生じることが無く、また微小図形や鋭角図形等の発生
も回避し得るようになる。したがって、これを半導体装
置の製造プロセスにおいて用いられる電子線転写装置の
荷電粒子線透過マスクに適用すれば、例えばドーナッツ
状パターンやリーフパターンといった複雑な形状や微細
な回路パターンを半導体ウエハ上に的確に形成すること
を可能にしつつ、従来に比べてスループットの向上も期
待できる。
【0043】なお、本実施形態において説明した具体的
態様については、本発明の一具体例を示したものに過ぎ
ず、本発明が当該具体例に限定されるものでないことは
いうまでもない。特に、各頂点の内角θから一義的に得
られる値やこれに対応する閾値等の具体的数値について
は、他の態様であってもよいことは勿論である
【0044】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明のマスク
パターン分割方法およびマスクパターン分割プログラム
並びに半導体装置の製造方法によれば、各頂点の内角か
ら一義的に得られる値の積算値を基に相補分割の分割線
の基点となる頂点を特定するので、その相補分割の結果
に原パターン形状(多角形の形状)を反映され得るよう
になる。したがって、例えばドーナッツ型やリーフ型と
いった荷電粒子線透過マスク上で形成困難な原パターン
形状についても、煩雑な閾値設定等を要することなく、
その相補分割をコンピュータ上で自動的に行い得るよう
になる。しかも、ので、無駄な分割線が生じることが無
く最適な相補分割が可能となるので、相補分割によるパ
ターン形状の微小化や鋭角化も防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るマスクパターン分割方法の手順の
一例を示すフローチャート(その1)であり、さらに詳
しくはイベント点特定処理の手順を示すフローチャート
である。
【図2】分割に係るパターン形状の具体例を示す説明図
(その1)である。
【図3】本発明に係るマスクパターン分割方法の手順の
一例を示すフローチャート(その2)であり、さらに詳
しくは内角θが270°であるイベント点の分割線決定
処理の手順を示すフローチャートである。
【図4】分割に係るパターン形状の具体例を示す説明図
(その2)である。
【図5】本発明に係るマスクパターン分割方法の手順の
一例を示すフローチャート(その3)であり、さらに詳
しくは内角θが270°以外であるイベント点の分割線
決定処理の手順を示すフローチャートである。
【図6】分割に係るパターン形状の具体例を示す説明図
(その3)である。
【図7】分割に係るパターン形状の具体例を示す説明図
(その4)である。
【図8】相補分割が困難な原パターン形状の具体例を示
す説明図である。
【符号の説明】
12,14,21,25,32,41…イベント点、2
2x,22y,26x,26y,33,34…分割候補
線、24,28,31,35,43…分割線

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 荷電粒子線透過マスクの原パターン形状
    を相補的な複数のパターン形状に分割するためのマスク
    パターン分割方法であって、 前記原パターン形状を構成する多角形の各頂点の内角か
    ら一義的に得られる値を、当該各頂点について順に積算
    し、 その積算値に基づいて前記各頂点の中から相補分割の分
    割線の基点となる頂点を特定することを特徴とするマス
    クパターン分割方法。
  2. 【請求項2】 前記多角形の各頂点の内角の大きさを所
    定の閾値と比較し、 前記閾値と一致した頂点は相補分割の分割線の基点とす
    ることを決定し、 前記閾値と一致しない頂点についてのみ当該頂点の内角
    から一義的に得られる値の積算を行うことを特徴とする
    請求項1記載のマスクパターン分割方法。
  3. 【請求項3】 相補分割の分割線の付与にあたり、当該
    分割線の基点となる頂点を形成する2辺の延長線を分割
    候補線とし、当該分割候補線と前記多角形の構成辺また
    は既に付与されている分割線との距離に基づいて、いず
    れかの分割候補線を分割線として選択することを特徴と
    する請求項1記載のマスクパターン分割方法。
  4. 【請求項4】 相補分割の分割線の付与にあたり、当該
    分割線の基点となる頂点を通過する所定の基準線を分割
    候補線とし、当該分割候補線によって形成される内角の
    大きさに基づいて、いずれかの分割候補線を分割線とし
    て選択することを特徴とする請求項1記載のマスクパタ
    ーン分割方法。
  5. 【請求項5】 コンピュータを、 荷電粒子線透過マスクの原パターン形状について、当該
    原パターン形状を構成する多角形の各頂点の内角から一
    義的に得られる値を、当該各頂点について順に積算する
    手段と、 その積算値に基づいて前記各頂点の中から相補分割の分
    割線の基点となる頂点を特定する手段と、 特定した頂点を基点として相補分割の分割線を付与する
    ことで前記原パターン形状を相補的な複数のパターン形
    状に分割する手段と、 として機能させることを特徴とするマスクパターン分割
    プログラム。
  6. 【請求項6】 前記多角形の各頂点の内角の大きさを所
    定の閾値と比較し、 前記閾値と一致した頂点は相補分割の分割線の基点とす
    ることを決定し、 前記閾値と一致しない頂点についてのみ当該頂点の内角
    から一義的に得られる値の積算を行うことを特徴とする
    請求項5記載のマスクパターン分割プログラム。
  7. 【請求項7】 相補分割の分割線の付与にあたり、当該
    分割線の基点となる頂点を形成する2辺の延長線を分割
    候補線とし、当該分割候補線と前記多角形の構成辺また
    は既に付与されている分割線との距離に基づいて、いず
    れかの分割候補線を分割線として選択することを特徴と
    する請求項5記載のマスクパターン分割プログラム。
  8. 【請求項8】 相補分割の分割線の付与にあたり、当該
    分割線の基点となる頂点を通過する所定の基準線を分割
    候補線とし、当該分割候補線によって形成される内角の
    大きさに基づいて、いずれかの分割候補線を分割線とし
    て選択することを特徴とする請求項5記載のマスクパタ
    ーン分割プログラム。
  9. 【請求項9】 荷電粒子線透過マスクの原パターン形状
    を相補的な複数のパターン形状に分割し、当該複数のパ
    ターン形状について転写を行うことで、ウエハ基板上に
    前記原パターン形状に対応したパターンを形成する半導
    体装置の製造方法であって、 前記原パターン形状を構成する多角形の各頂点の内角か
    ら一義的に得られる値を、当該各頂点について順に積算
    し、 その積算値に基づいて前記各頂点の中から相補分割の分
    割線の基点となる頂点を特定し、 特定した頂点を基点として相補分割の分割線を付与する
    ことで前記原パターン形状を相補的な複数のパターン形
    状に分割することを特徴とする半導体装置の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2022252276A1 (zh) * 2021-06-01 2022-12-08 中科晶源微电子技术(北京)有限公司 掩模数据切割方法和装置、设备及存储介质

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