JP3854921B2 - パラメータの値を決定する装置および方法、デバイスの製造方法、ならびに露光装置 - Google Patents
パラメータの値を決定する装置および方法、デバイスの製造方法、ならびに露光装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP3854921B2 JP3854921B2 JP2002301868A JP2002301868A JP3854921B2 JP 3854921 B2 JP3854921 B2 JP 3854921B2 JP 2002301868 A JP2002301868 A JP 2002301868A JP 2002301868 A JP2002301868 A JP 2002301868A JP 3854921 B2 JP3854921 B2 JP 3854921B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- information
- parameter
- exposure apparatus
- mark
- pattern
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、露光装置に設定されるべきパラメータの値を決定する装置および方法、デバイスの製造方法、ならびに露光装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
半導体デバイスを製造する半導体露光装置においては、回路の微細化及び高密度化に伴い、原版(以下、「レチクル」という。)の回路パターンをウエハー上に、より高い解像力で投影露光することが要求されている。回路パターンの投影する際の解像力は投影光学系の開口数(NA)と露光波長に依存するので、高解像度化の方法としては、投影光学系のNAを大きくする方法や露光波長をより短波長化する方法が採用されている。後者の方法に関し、露光波長は、g線からi線に移行し、更にi線からエキシマレーザの波長に移行しつつある。現に、その発振波長が248nm又は193nmのエキシマレーザを光源とした半導体露光装置が既に実用化され使用されている。
【0003】
更に現在、発振波長を更に短波長化した、波長157nmのVUV(真空紫外線)の露光方式、13nmのEUV(Extreme Ultra Violet)露光方式が次世代の露光方式の候補として検討されている。
【0004】
一方、回路パターンの微細化に伴い、回路パターンが形成されているレチクルとそれが投影されるウエハーとを高精度にアライメントすることも要求されており、その必要精度は回路線幅の1/3である。例えば、現状、回路線幅の設計値180nmである場合に、アライメントの必要精度はその1/3の60nmである。
【0005】
また、デバイス構造も多種多様なものが提案され、製品化に向けて検討が行われている。パーソナルコンピュータ等の普及に伴って、微細化の牽引役は、これまでのDRAMを中心としたメモリからCPUチップに移行してきており、今後、更なるIT化に伴い、家庭内ワイヤレスLANやBluetoothと呼ばれる通信システム用デバイス、更に77GHzの周波数を利用する自動車用レーダで代表される高速道路交通システム(ITS;Intelligent Transport System)や24〜38GHzの周波数を利用する無線アクセスシステム(LMDS;Local Multipoint Distribution Service)で使用されるMMIC(Millimeter−wave Monolithic Integrated Circuit)等の開発が、微細化を一層進めると考えられる。
【0006】
また、半導体デバイスの製造プロセスも多種多様であり、半導体露光装置の投影光学系の焦点深度不足の問題を解決する平坦化技術として、既にW−CMP(Tungsten Chemical Mechanical Polishing)プロセスは過去のものとなりつつあり、現在はCuを使うDual Damasceneプロセスが注目されている。
【0007】
また、半導体デバイスの構造や材料も多種多様であり、例えば、GaAs、InP等の化合物を組み合わせて構成したP−HEMT(Pseudomorphic High Electron Mobility Transistor)やM−HEMT(Metamorphe−HEMT)や、SiGe、SiGeC等を使用したHBT(Heterojunction Bipolar Transistor)が提案されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような半導体産業の現状において、半導体露光装置等の半導体製造装置を使用する上で、最適化すべき装置パラメータは、各露光方式、各製品に対応して多数存在する。この最適化すべきパラメータの数は膨大であり、しかも、これらのパラメータは互いに独立ではなく相互に密接に関係している。
【0009】
従来は、デバイスメーカーの装置導入の担当者がこれらのパラメータの最適な値を試行錯誤により決定しており、この最適な値を決定するまでに膨大な時間を要していた。また、一旦パラメータの最適値が決定された後であっても、例えばプロセスエラーが発生した場合には、それに応じた製造プロセスの変更に伴って製造装置のパラメータの最適値を再度変更する必要が生じる場合があり、この場合にも膨大な時間を要していた。
【0010】
また、半導体デバイスの生産においては、製造装置の立ち上げから量産の開始までに割くことができる時間は限られており、パラメータの最適値の決定のために割くことができる時間も当然に限られている。更に、CoO(Cost ofOwnership)の観点においても製造装置の稼動時間を向上させる必要があるため、一度決定したパラメータの最適値を変更する際には、それを迅速に行う必要がある。このような状況において、多種多様な半導体デバイスを最適なパラメータ値で製造することは極めて困難であり、本来は高い歩留まりを得ることができる製造装置であっても、パラメータ値の最適化がなされないままに使用されるために、不本意な歩留まりしか得ることができず、目に見えない歩留まりの低下を招いていた。このような歩留まりの低下は、製造コストの増加や出荷量の低下を招き、競争力を低下させるという課題が有った。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記の背景に鑑みてなされたものであり、露光装置によりパターンが投影されるべき物体の上のマークの位置を該露光装置の検出ユニットにより検出するときの条件に対応したパラメータの値を決定する新規かつ有用な技術を提供することを例示的目的とするものである。
【0012】
本発明にかかる、パラメータの値を決定する装置および方法、デバイスの製造方法、ならびに露光装置は、主として以下の特徴を有する。
【0013】
すなわち、本発明のうち、第1の発明は、露光装置によりパターンが投影されるべき物体の上のマークの位置を該露光装置の検出ユニットにより検出するときの条件に対応したパラメータの値を決定する装置であって、
前記検出ユニットにより前記パラメータの第1の値に対応した第1の条件のもとに検出された前記マークの位置に対応した第1の情報と、前記検出ユニットにより前記パラメータの第2の値に対応した第2の条件のもとに検出された前記マークの位置に対応した第2の情報と、前記物体上のパターンを検査する検査装置により得られた、前記露光装置が前記第1の情報に基づいて前記物体上に投影したパターンの位置に対応した第3の情報とを取得する取得手段と、
前記第1の情報、前記第2の情報および前記第3の情報に基づいて、前記露光装置に設定されるべき前記パラメータの値を決定する決定手段と
を有することを特徴とする。
【0014】
第2の発明は、上記第1の発明において、前記決定手段は、前記第1の情報、前記第2の情報および前記第3の情報に基づいて、前記露光装置が前記第2の情報に基づいて前記物体に前記パターンを投影した場合の前記物体上の前記パターンの位置を推定し、該推定された前記パターンの位置の情報と前記第3の情報とに基づいて、前記パラメータの値を決定することを特徴とする。
【0015】
第3の発明は、上記第1または第2の発明において、前記第1の情報および前記第2の情報のそれぞれは、前記物体の倍率、回転量およびシフト量の少なくとも1つの情報を含むことを特徴とする。
【0016】
第4の発明は、上記第1乃至第3の発明のいずれかにおいて、前記パラメータの種類が複数あることを特徴とする。
【0017】
第5の発明は、上記第1乃至第4の発明のいずれかにおいて、前記パラメータは、前記物体のグローバルアライメントのためのサンプルショットの配置に関するものであることを特徴とする。
【0018】
第6の発明は、上記第1乃至第4の発明のいずれかにおいて、前記パラメータは、前記マークの形状に関するものであることを特徴とする。
【0019】
第7の発明は、上記第1乃至第4の発明のいずれかにおいて、前記パラメータは、前記検出ユニットにより得られた、前記マークに対応した信号に対する信号処理条件に関するものであることを特徴とする。
【0020】
第8の発明は、上記第1乃至第4の発明のいずれかにおいて、前記パラメータは、前記マークに対する照明条件に関するものであることを特徴とする。
【0021】
第9の発明は、上記第1乃至第8の発明のいずれかの装置が、ホストコンピュータであることを特徴とする。
【0022】
第10の発明は、上記第1乃至第8の発明のいずれかの装置が、前記露光装置、前記検査装置、およびホストコンピュータを含むことを特徴とする。
【0023】
第11の発明は、デバイスの製造方法であって、
露光装置によりパターンが投影されるべき物体の上のマークの位置を該露光装置の検出ユニットにより検出するときの条件に対応したパラメータの値を、請求項1乃至10のいずれか記載の装置を用いて決定する決定ステップと、
前記決定ステップで決定された前記パラメータの値が設定された前記露光装置を用いて、前記物体に前記パターンを投影する露光ステップと、
前記露光ステップで前記パターンが投影された前記物体を現像する現像ステップと、
前記現像ステップで現像された前記物体を、前記デバイスを製造するために処理する処理ステップと
を含むことを特徴とする。
【0024】
第12の発明は、露光装置によりパターンが投影されるべき物体の上のマークの位置を該露光装置の検出ユニットにより検出するときの条件に対応したパラメータの値を決定する方法であって、
前記検出ユニットにより前記パラメータの第1の値に対応した第1の条件のもとに検出された前記マークの位置に対応した第1の情報を取得する第1の取得ステップと、
前記検出ユニットにより前記パラメータの第2の値に対応した第2の条件のもとに検出された前記マークの位置に対応した第2の情報を取得する第2の取得ステップと、
前記物体上のパターンを検査する検査装置により得られた、前記露光装置が前記第1の情報に基づいて前記物体上に投影したパターンの位置に対応した第3の情報を取得する第3の取得ステップと、
前記第1の情報、前記第2の情報および前記第3の情報に基づいて、前記露光装置に設定されるべき前記パラメータの値を決定する決定ステップと
を含むことを特徴とする。
【0025】
第13の発明は、上記第12の発明における前記決定ステップにおいて、前記第1の情報、前記第2の情報および前記第3の情報に基づいて、前記露光装置が前記第2の情報に基づいて前記物体に前記パターンを投影した場合の前記物体上の前記パターンの位置を推定し、該推定された前記パターンの位置の情報と前記第3の情報とに基づいて、前記パラメータの値を決定することを特徴とする。
【0026】
第14の発明は、上記第12または第13の発明において、前記第1の情報および前記第2の情報のそれぞれは、前記物体の倍率、回転量およびシフト量の少なくとも1つの情報を含むことを特徴とする。
【0027】
第15の発明は、上記第12乃至第14の発明のいずれかにおいて、前記パラメータの種類が複数あることを特徴とする。
【0028】
第16の発明は、上記第12乃至第15の発明のいずれかにおいて、前記パラメータは、前記物体のグローバルアライメントのためのサンプルショットの配置に関するものであることを特徴とする。
【0029】
第17の発明は、上記第12乃至第15の発明のいずれかにおいて、前記パラメータは、前記マークの形状に関するものであることを特徴とする。
【0030】
第18の発明は、上記第12乃至第15の発明のいずれかにおいて、前記パラメータは、前記検出ユニットにより得られた、前記マークに対応した信号に対する信号処理条件に関するものであることを特徴とする。
【0031】
第19の発明は、上記第12乃至第15の発明のいずれかにおいて、前記パラメータは、前記マークに対する照明条件に関するものであることを特徴とする。
【0032】
第20の発明は、請求項12乃至19の発明のいずれかの方法が、ホストコンピュータにより実行されることを特徴とする。
【0033】
第21の発明は、上記第12乃至第19の発明のいずれかの方法が、前記露光装置、前記検査装置、およびホストコンピュータにより実行されることを特徴とする。
【0034】
第22の発明は、デバイスの製造方法であって、
露光装置によりパターンが投影されるべき物体の上のマークの位置を該露光装置の検出ユニットにより検出するときの条件に対応したパラメータの値を、請求項12乃至21のいずれか記載の方法を用いて決定する決定ステップと、
前記決定ステップで決定された前記パラメータの値が設定された前記露光装置を用いて、前記物体に前記パターンを投影する露光ステップと、
前記露光ステップで前記パターンが投影された前記物体を現像する現像ステップと、
前記現像ステップで現像された前記物体を、前記デバイスを製造するために処理する処理ステップと
を含むことを特徴とする。
【0035】
第23の発明は、物体にパターンを投影する露光装置であって、
前記物体の上のマークの位置を検出する検出手段と、
前記マークの位置を前記検出手段により検出するときの条件に対応したパラメータの値を決定する、上記第1乃至第10の発明のいずれかの装置と
を有することを特徴とする。
【0036】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施の形態を説明する。
【0037】
<第1実施形態>
本実施形態にかかる装置管理システムにおいて、管理の対象を半導体露光装置とし、その露光時におけるウエハーとレチクル(マスク)の位置合わせ(アライメント)を最適化する管理方法を図1及び図2を用いて説明する。
【0038】
尚、本発明にかかる管理システムのうち、半導体露光装置におけるアライメント管理(アライメントパラメータ値の最適化)システムをOAPシステム(Optimization for Alignment Parameter in volume production)と呼ぶ。本明細書中においてパラメータとして記載されているものは、一般的なパラメータに限定されるものではなく、サンプルショットの配置、アライメントマークに対する照明方法等の条件といった、直接数値とはならないようなものも包含するものである。
【0039】
図1は、アライメントパラメータ値を最適化するOAPシステムの構成を示す図であり、半導体露光装置1,2と重ね合せ(アライメント)検査装置3と、データベース5が、LAN6によりホストコンピュータ(PC/WS)4に接続している。
【0040】
ホストコンピュータ4は、LAN6を介して、半導体露光装置1,2及び重ね合せ検査装置3と双方向にデータの送受が可能であり、半導体露光装置1,2及び重ね合せ検査装置3の装置群をそれぞれ制御することができる(図1では、半導体露光装置は2台であるがもちろん1台でも2台より多い数の半導体露光装置がLAN6に接続されていてもよい)。データベース5には、例えば、図4のように、アライメント信号、重ね合せ検査結果、アライメントマークに関する情報、照明モード、ショット配置、ウエハー倍率、ウエハーの回転量、シフト量等、アライメントに関する条件とその条件に基づいてアライメントマークの位置検出を行った際の位置検出結果(アライメント結果)とその位置検出に基づいて露光した場合の実際の重ね合わせ検査結果に関するデータが、条件1として格納されている。
【0041】
データベース5には、アライメント条件(アライメントマークに関する情報、照明モード、ショット配置等)とその条件に基づくアライメント結果(ウエハー倍率、ウエハーの回転量、シフト量等のウエハーに関する情報)の組み合わせ(条件1、2、・・・・n)が複数組格納されており(図5)、これらのデータベースのデータを参照して、所望の重ね合わせ結果を得るために最も適したアライメント条件(パラメータ値)を選択することが可能となる。
【0042】
ホストコンピュータ4は、パラメータ値の設定とその設定に基づく露光の結果の適否を判断する上で、これらのデータを参照しつつ、機器のアライメントパラメータを最も望ましい露光結果が得られる値に更新していく(アライメントパラメータ値の最適化)。最適化する対象となるアライメントパラメータとしては、例えば、アライメントマークのマーク線幅、アライメントマークのマーク幅、アライメントマークのマーク要素間隔、グローバルアライメントの際のサンプルショット配置、アライメント光学系の照明モード(中心波長、波長幅、σ)、信号処理ウインドウ幅、信号処理ウインドウ中心距離等がある。
【0043】
図6は、図1の半導体露光装置1の全体的な構成を説明する図である。この半導体露光装置1は、レチクル10のパターンをウエハー20に露光するものである。
【0044】
同図において、602はレーザー光源である。ここで発光した露光光としてのレーザー光は、照明光学系615により成形されてレチクル10のパターンを照明する。
【0045】
レチクル10は、図6におけるxy平面内をレチクル走査方向に移動可能なステージ614上に保持されている。613は所定の縮小倍率を有する投影系である。照明光学系615を介して照明されたレチクル10のパターンは、投影系613によりウエハー20の一つのショット領域に投影され、ウエハー20はそのパターンで露光される。ウエハー20には、レジスト(感光体)が塗布されており、露光により潜像が形成される。このウエハー20はウエハーチャック612を介してウエハーステージ611に載置されている。617はアライメントユニット(アライメントスコープ)であり、ウエハー20に形成された図9に示すようなアライメントマーク30を検出することができる。
【0046】
ウエハーステージ611は、載置したウエハー20をステージの面内(x軸、y軸方向)、上下(z軸方向)、及び各軸まわりの傾き、回転の方向に移動し、位置決めの制御が可能である。ウエハーステージ611のz軸方向における位置決め制御により、ウエハー20上に投影系613の焦点が合わせられる。
【0047】
なお、レチクルステージ614、ウエハーステージ611の移動及び位置決めの制御は、ステージの位置、姿勢の情報を不図示のセンサーにより測定し、この位置情報に基づいて行われる。
【0048】
また、レチクルステージ614と、ウエハーステージ611とは、それぞれ制御部640と接続されており、リアルタイムにデータを授受することで同期制御が可能である。また、レーザー光源602も同様に制御部640に接続されており、発光のタイミングと各ステージ614、611の移動と同期した制御が可能である。
【0049】
以下、図9を参照して、アライメントマークの位置計測の原理について説明する。ここで、図9は、アライメントユニット617の主要構成要素を示すブロック図である。光源918からの照明光は、ビームスプリッタ919で反射し、レンズ920を通り、ウエハー20上のアライメントマーク30を照明する。アライメントマーク30からの回折光はレンズ920、ビームスプリッタ919、レンズ921を通り、ビームスプリッタ922で分割され、それぞれCCDセンサー923、924で受光される。ここで、アライメントマーク30は、レンズ920、921により100倍程度の結像倍率で拡大され、CCDセンサー923、924に結像される。CCDセンサー923、924はそれぞれ、アライメントマーク30のX方向の位置計測用、アライメントマーク30のY方向の位置計測用になっており、一方のセンサーを他方のセンサーに対して、光軸まわりに、90度回転させて設置している。
【0050】
X方向とY方向の計測原理は同じなので、以下はX方向の位置計測について説明する。まず、位置計測用のアライメントマーク30について説明する。図10Aに示すように、本実施形態のアライメントマーク30は、アライメント計測方向(X方向)に4μm、非計測方向(Y方向)に30μmの短冊型の位置検出用マーク(アライメントマークの「要素」と呼ぶ場合もある。)32が、X方向に予め設定された間隔(L=20μm)で複数本(図10Aにおいては4つ)並んでいる。図10Bに示すように、要素32の断面構造はエッチング処理によって凹形状をしており、また、要素32上には図示しないレジストが塗布されている。 この複数の位置検出用マーク32に照明光を照射して得られる反射光をCCDセンサー923及び924によって受光し、光電変換したアライメント信号を図11に示す。図11に示す4本のマーク信号に適切な信号処理を施し、それぞれの要素位置(図11の左から順にM1、M2、M3、M4)を検出する。また、それぞれの要素の間隔(図11の左から順にL1、L2、L3)を以下「マーク要素間隔」と呼ぶことにする。
【0051】
次に、レチクル10とウエハー20との位置合わせを制御するためのアライメントパラメータ値を最適化する手順を図2に示す。
【0052】
まず、ステップS200で、レチクルの回路パターンをウエハー上に投影し露光するJOBの準備として、半導体露光装置1内に、露光を行うウエハー20を搬入し、それに対応するレチクル10をその装置内に設定する。
【0053】
次に、このJOBに対してウエハーとレチクルとを位置合わせするためにアライメントパラメータを特定の値に設定し(半導体露光装置1中の不図示の記憶部(メモリ)に記憶させてもよい)、この設定されたパラメータ値によりアライメントユニット617及びウエハーを保持するウエハーステージ611を駆動して位置等に関する情報を計測する(ステップS205)。ウエハーステージ611の位置計測センサーとして、不図示のレーザー干渉計が備えられ、アライメントユニット617からのアライメントマークの位置情報とレーザー干渉計の出力とに基づき、ウエハーステージ上のウエハーの位置(シフト量)、ウエハーの回転量、ウエハー倍率等の計測が行われる。この計測はよく知られているAGAの手法で行われる。AGA(Advanced Global Alignment)とは、レーザー干渉計付のXYステージ精度頼りでウエハーの位置計測を行うグローバルアライメントのことで、ウエハーのウエハー倍率、ウエハー回転、シフト量を求めるとともに、異常値の取り除き等の統計処理を行うものである。
【0054】
これらの計測結果と、その計測結果を導出するプロセスにおいて測定される信号群(以下、「アライメント信号」という。)とは、通信ユニット(ADUL)650(図6)を介してホストコンピュータ4に転送される(ステップS210)。半導体露光装置1の本体は、AGA計測とアライメント信号の検出を管理し、そのデータをホストコンピュータ4に通信するための通信ユニット(ADUL:Alignment Data Up Load)を備えるものとする。この通信ユニットを利用することにより、ホストコンピュータ4との間でデータの授受が可能となり、ホストコンピュータ4側で管理された装置を制御するためのパラメータ値を受信して、制御部640は装置を制御することが可能である。
【0055】
次に、ステップS205で設定された、そのJOBに対するパラメータ値以外のパラメータ値により、再びAGA計測を行い、ウエハー倍率、ウエハー回転量、シフト量、及びアライメント信号を計測し(ステップS215)、その計測結果をホストコンピュータ4に転送する(ステップS210)。
【0056】
ここで、JOBに対するパラメータ値以外のパラメータ値とは、不図示のデータ入力インタフェースから個別に入力される変数値でもよく、あらかじめデータベース5に格納されているデータを利用してもよい。
【0057】
尚、ステップS205、S215において行ったAGA計測において、検出されるアライメント信号は、ウエハー倍率、回転量、シフト量の導出のための信号に限られるものではなく、AGA計測において付随する他の信号を含むものとする。
【0058】
ステップS205、およびS215においてデータを全て取り終えたら、ステップS205において得られたアライメント結果(ウエハー倍率、回転量、シフト量)に基づき、ウエハーとレチクルとを位置合わせして、露光を実行する(ステップS220)。
【0059】
ステップS220で露光したウエハーを現像し、その現像されたウエハーを重ね合わせ検査装置3で検査する(ステップS225)。この重ね合わせ検査装置3による検査結果により、ステップS205において得られたアライメント結果が、実際のウエハー倍率、回転量、シフト量に近いものか否かが分かる。より具体的には、この検査結果が良好であれば、ステップS205において得られたアライメント結果は、実際のウエハー倍率、回転量、シフト量に近いことがわかり、ステップS205で設定されたパラメータ値が良好なものであることがわかる。逆に、この重ね合わせ検査結果が悪いものであれば、ステップS205において得られたアライメント結果は、実際のウエハー倍率、回転量、シフト量と異なるものであることが分かり、ステップS205で設定されたパラメータ値が適したものではないことがわかる。
【0060】
一方、ホストコンピュータ4は、ステップS205、ステップS215におけるAGA計測により得られたウエハー倍率と、ウエハーの回転量、シフト量等のアライメント結果やアライメント信号をデータベース5に格納する(ステップS230)。
【0061】
更に、ホストコンピュータ4はステップS205及び/又はステップS215におけるAGA計測で検出したアライメント信号に、ステップS205で設定されたJOBに対するパラメータ値以外のパラメータ値により、信号処理を行って、疑似的なウエハー倍率、ウエハー回転量、シフト量を得て(ステップS235)、それをデータベース5に格納する(ステップS240)。ステップS235では、アライメント信号を計測する際に使わないパラメータの値を変更しており、そのパラメータとしては、アライメント信号の処理の際に、使用する信号帯域を限定する有効信号処理ウインドウ幅がある。図12Cは、図11のアライメント信号のM1の一部分を拡大したものである。このアライメント信号を処理して、ウエハー倍率、ウエハー回転量、シフト量等のアライメント結果を得るのであるが、その際に、有効な信号として得る部分を表す有効信号処理ウインドウ幅WWやそのウインドウの中心とアライメント信号の中心との距離(処理ウインドウ中心距離)WCなどを変えると得られるウエハー倍率、ウエハー回転量、シフト量が変わってくる。従って、これらの信号処理ウインドウ幅WWや信号処理ウインドウ中心距離WCもアライメントパラメータとなり得るのである。
【0062】
重ね合わせ検査装置3で検査された結果は、ホストコンピュータ4にデータ転送され(ステップS245)、先のステップS230、S240で格納されたデータ及び各々に対応するパラメータ値、と対応した形で、データベース5に格納される(ステップS250)。
【0063】
ステップS255において、ホストコンピュータ4は、AGA計測により求められたアライメント結果(ステップS205およびS215で得られたウエハー倍率、ウエハー回転量、シフト量)と、アライメント信号から擬似的に求められたアライメント結果(ステップS235で得られたウエハー倍率、ウエハー回転量、シフト量)、そして、重ね合わせ検査結果との相関関係を判断し、現状設定されているパラメータ値(ステップS205で設定されたJOBに対するパラメータ値)が最適な露光結果を与えるか否かを判断する。具体的には、ステップS205で得られたアライメント結果(A)(計測結果)を基準として、ステップS215で得られたアライメント結果(B)(計測結果)、ステップS235で擬似的に得られたアライメント結果(C)(推定された計測結果)を表し(つまり、結果(B)から結果(A)を引いたものと結果(C)から結果(A)を引いたものを計算)、ステップS225で得られた重ね合わせ検査結果が良ければ現状設定されているパラメータ値が最適であることが分かるし、その重ね合わせ検査結果が結果(B)から結果(A)を引いたものに一番近ければステップS215で設定したパラメータが最適であることが分かり、その重ね合わせ検査結果が結果(C)から結果(A)を引いたものに一番近ければステップS235で使ったパラメータが最適であることが分かる(なお、これは図2に示しておらず、本実施形態では実行していない)。
【0064】
また、具体的な、他のやり方としては、ホストコンピュータ4に重ね合わせ検査結果が妥当か否かを判断するために基準閾値を有しておき、(i)アライメント結果(A)に基づきアライメントが実行され、実際に露光された結果としての重ね合わせ検査結果、(ii)アライメント結果(B)に基づき、もし露光された場合に発生するであろう重ね合わせの誤差、(iii)アライメント結果(C)に基づき、もし露光された場合に発生するであろう重ね合わせの誤差、の(i)〜(iii)が、閾値としての重ね合わせ許容値内にあるかどうかを判断する。(なお、この(ii)、(iii)は実際に露光された結果としての重ね合わせ検査結果から、結果(B)から結果(A)を引いたもの、結果(C)から結果(A)を引いたもの、のそれぞれを引いてやることによっても分かる。)
【0065】
ホストコンピュータ4は、(i)〜(iii)のうち、この基準閾値を超える(許容値内に収まる)結果を実現するものに対応するアライメントパラメータ値をデータベース5から抽出し、そのパラメータ値を、最適な露光結果を与えるものと判断する。また、ホストコンピュータ4は、基準閾値を超える結果を実現するものが複数ある場合は、その中から最も良い結果(重ね合わせ結果)を与えるものに対応するパラメータ値を最適なパラメータ値として決定し、以降のJOB(新しいロット若しくは新しいウエハー)に対して、そのパラメータ値を設定する(ステップS260)。
【0066】
ステップS255において、基準閾値を超える結果を実現するものが無い場合は、ホストコンピュータ4は、パラメータ値をステップS025、ステップS215、ステップS235において設定しなかったものに設定して、再度AGA計測を行ない、基準閾値を超える結果を実現するものを探索する(ステップS265)。
【0067】
以上の手順を繰り返すことで、プロセスの変動、露光条件、露光対象の切り替えが発生する場合においても、初期(あるいは先行する)ロット(あるいは先行するウエハー)でデータが収集され、その収集されたデータに基づき、最適なアライメントパラメータ値を選択することができ、次期ロット(あるいは後続のウエハー)では、この最適化されたパラメータ値を半導体露光装置に逐次反映して使用することが可能となる。
【0068】
なお、以上のパラメータの最適化作業において、複数のパラメータを最適化の対象にし、ステップS205とステップS215(やステップS235)でその値を変えても良い。また、ステップS215で、複数の異なるパラメータ値で複数回AGA計測を行い、複数のアライメント信号と複数のアライメント結果を得ることとしても良いし、ステップS235において、複数の異なるパラメータ値でアライメントの信号処理を複数回行い、複数のアライメント結果を得ることとしても良い。
【0069】
図2に示す処理手順によれば、特別なウエハーを準備して、量産行為と別に検討を行うことなく、量産のプロセスの中で最適なパラメータ値を求め設定することを可能とするものであり、生産性を落とすことなく、半導体露光装置の実効性能を向上させることが可能となる。
【0070】
以上の説明では、ステップS235でアライメント信号を計測する際に使わないパラメータ(信号処理ウインドウ幅、信号処理ウインドウ中心距離等)の値を変更してウエハー倍率、ウエハー回転量、シフト量を擬似的に得たが、ステップS215でそれを行っても良い(その際には、ステップS235とステップS240は不必要である)。
【0071】
また、アライメント信号を計測する際に使うパラメータの値だけを最適化したい場合には、ステップS235とステップS240を実行しなくても良い。
また、アライメント信号を計測する際に使わないパラメータの値だけを最適化したい場合には、ステップS215を実行しなくても良い。
【0072】
なお、上記のアライメントパラメータは、図12Aに示すように、ショットAからショットLまでの組み合わせを考慮したグローバルアライメントのサンプルショット配置を含む。ここで、「グローバルアライメント」とは、位置情報による推定計算に基づいてウエハーステージを露光位置に移動するアライメント方式である。図12Aは、ウエハー20上のAGAサンプルショット位置を示す概略図である。
【0073】
また、アライメントパラメータは、マーク要素32の幅や線幅も含む。図10に示すアライメントマーク30のマーク要素32は凹んでいるが、最近のプロセスではウエハー表面の凹みをできるだけなくすために、外形線だけを凹ませるマーク要素32が採用されている。このため、図12Bに示すように、アライメント計測方向におけるマーク要素32の長さとしてのマーク幅MLや、マーク要素32の輪郭線の幅としてのマーク線幅MLWも、アライメントパラメータとなり得る。ここで、図12Bは、マーク要素32の概略平面図である。
【0074】
また、上記説明においては産業用装置として半導体露光装置におけるアライメントの最適化を管理の対象として説明してきたが、産業用装置の管理はこれに限定されるものではなく、例えば、CMP装置等のポリシング用の装置に対して適用しても良いし、半導体露光装置における種々の構成要素、例えば、ウエハーフォーカス機能に関して適用することも可能である。また、重ね合わせ検査装置に対しても、例えば電子走査顕微鏡SEMを基準として、その較正を行うための変数の最適化を行うことも同様に可能である。
【0075】
以上説明したように、本実施形態にかかる装置管理システム及びその管理の工程によれば、パラメータ値の最適化が容易となり、高い生産性を維持して装置を使用することが可能となり、CoO(Cost of Ownership)の優れた装置管理を提供することができる。
【0076】
装置管理システム及びその管理工程により管理された露光装置は、高い実効性能を発揮することが可能であり、生産性、歩留まり率を向上させることが可能となる。
【0077】
<第2実施形態>
産業用装置からの操作結果を遠隔地において受信して、管理パラメータを最適化して、その機器に設定する第2実施形態を説明する。
【0078】
図3は、第2実施形態を説明する図である。半導体露光装置は、半導体製造メーカー(図3の場合は、半導体製造メーカーであるA社、B社、C社)に設置され、生産に使用されるが、装置を管理するパラメータの最適化は、半導体製造メーカー(装置のユーザー)が行ってもよいし、半導体製造装置メーカー、又は、コンサルタントであるベンダーが行っても有効に結果を得ることができる。
【0079】
ベンダーがパラメータの管理を行った方が、半導体露光装置の情報としてユーザー(半導体製造メーカーであるA社、B社、C社)に開示されていないものも多々存在する場合もあり、より良い結果を得ることができる場合もある。
【0080】
もし、ベンダーがパラメータの最適化を行う場合には、そのデータ処理やデータベースの作成は、半導体露光装置の設置されている半導体製造メーカー側で行う必要はなく、むしろインターネット回線、専用回線などデータ通信ネットワークを使用して遠隔地において、機器情報を受信して、ベンダー独自のデータベースを活用して、最適なパラメータにチューニングして、このパラメータを再びデータ通信ネットワークを介して、機器に再設定することも可能である。
【0081】
図3は、半導体露光装置を含む半導体製造装置を例として、装置管理システムの構築例を示す図であり、半導体露光装置を含む装置群を稼動させて半導体デバイスを製造する複数の工場21、22,23等と、その工場群の遠隔地に位置するベンダー25とをインターネット又は専用回線等のデータ通信ネットワーク28を介して接続することにより構成される。
【0082】
各工場21、22、23には、それぞれ産業用装置24a−c,24d−f,24g−iとその機器を管理する管理装置25a−c、その管理装置を介して産業用装置を操作する工場側操作装置(第1の操作装置)26a−cが設置されている。管理対象の産業用装置としては、例えば、半導体露光装置、CVD装置、エッチング装置、CMP装置、レジスト塗布装置、現像装置、アッシング装置及び検査装置等の半導体製造装置が含まれるが、本発明の趣旨は、ここで列挙された装置に限定されるものではない。
【0083】
工場側操作装置26a−cは、管理装置25a−cを介して産業用装置24a−iを操作することができる。
【0084】
尚、図3においては、産業用装置24a−iと工場側操作装置26a−cと、管理装置25a−cとをそれぞれ別個の構成としているが、産業用装置24a−i、管理装置25a−c及び工場側操作装置26a−cの全部又は一部は一体化されていてもよい。工場側操作装置26は、典型的には、産業用装置24の各種の動作状態を監視したり、パラメータを確認したりするためのモニタ、産業用装置24を操作するための情報(例えば、パラメータ、コマンド、プログラム等)を入力するための入力手段として機能し、工場側操作装置の動作を制御する操作プログラム等を実行して機器を制御する。
【0085】
各工場側には、工場用データベース(35a,35b,35c)を備え、例えば、産業用装置の操作の履歴や産業用装置に対して工場側で設定したパラメータ等の各種の情報のうちベンダー25側に対して秘密にしたい情報を格納するために使用される。通常は、管理装置26(a−c)は、ベンダー25側(即ち、ベンダー側操作装置30)による工場側メモリへのアクセスを禁止するが、工場側から与えられる許可に従って、工場側メモリに格納された情報の全部又は一部に対して、ベンダー25側によるアクセスは許可される。
【0086】
工場21、22、23の遠隔地に位置するベンダー25には、ベンダー側操作装置(第2の操作装置)30が設置されている。ベンダー側操作装置30は、データ通信ネットワーク28を介して工場21の管理装置26a,工場22の管理装置26b,工場23の管理装置26cとに接続されており、各管理装置を介して産業用装置24a−iを遠隔的に操作し、その動作状態を示す情報を得ることができる。
【0087】
ベンダー25が、データ通信ネットワーク28を介して受信する情報は、各工場において、個別に管理されている産業用装置を制御するための情報、動作状態を評価するための計測データが含まれる。
【0088】
ベンダー25は、例えば、ベンダー25内において、A社工場21における産業用装置24a−cに関する制御情報や、その制御情報に基づく、装置の稼動結果を示す評価値を受信して、その制御情報が適切なデータであるか否か、判断し、適切でなければ、最も適切な装置の稼動を実現するための制御情報を決定して、その決定した制御情報をデータ通信ネットワーク28を介してA社工場21に配信して、A社管理装置26a,操作装置25aにより変更されたパラメータを産業用装置24a−cに設定し、管理することが可能となる。
【0089】
ベンダー側操作装置30は、パーソナルコンピュータやワークステーションで構成され、第1実施形態の図2で説明したように、機器パラメータの最適化のための処理を実行することができる。
【0090】
データ通信ネットワーク28を利用した通信は、パケット通信プロトコル(TCP/IP)に従うものであり、ある会社内であればLANの構成となり、社外間の通信の場合にはInternetを使用する構成となる。例えば半導体露光装置におけるアライメント管理において、アライメント信号は、このデータ通信ネットワーク28を通してベンダー25側に転送され、ベンダー側操作装置30で処理することができる。
【0091】
ベンダー側操作装置30は、典型的には、産業用装置24の動作状態を監視したり、パラメータを確認したりするためのモニタ、産業用装置を操作するための情報(例えば、パラメータ、コマンド、プログラム等)を入力するための入力部と、ベンダー側操作装置30の動作を制御する操作プログラム等やパラメータの最適化判断のためのデータベース27を含んでいる。
【0092】
ベンダー側データベース27は、例えば、産業用装置24a−iの操作の履歴や産業用装置24に対してベンダー25側で設定したパラメータ等の各種の情報のうち工場21側に対して,ノウハウとして開示しない固有の技術情報を格納するために使用される。通常は、工場側から、このベンダーメモリに対するアクセスは禁止されるが、必要に応じてベンダー25側から与えられる許可に従って、ベンダー側メモリに格納された情報の全部又は一部に対して、工場25からのアクセスは許可される。
【0093】
ベンダー側操作装置30は、産業用装置24a−iを管理する者が機器を稼動させるための条件を設定する管理者設定部と、管理システムを制御する管理プログラム、工場側データベース35a−c及びベンダー側データベース27へのアクセスを制御する情報制御部と、並びに、工場側操作装置25a−c及びベンダー側操作装置30からの指示に従って産業用装置を動作させ、更に、その動作に基づく、動作情報を収集して、より最適な稼動条件を、データベース27に格納されている情報に基づき選択して、工場側の機器にこの最適な稼動条件を設定することができる。
【0094】
以上説明したように、本実施形態にかかる装置管理システム及び方法によれば、遠隔地において、各機器に要求される性能を最も高い水準で満たす条件を決定し、その結果をネットワーク28を介して各工場に配信し、各機器に設定することにより、機器動作を固定的なパラメータで管理するのではなく、稼動中においてチューニングして、変更の結果を以後の稼動に反映した管理が可能となる。
【0095】
<第3実施形態>
次に上記において説明した露光装置及びその装置管理システムを利用した半導体デバイスの製造プロセスを説明する。図7は半導体デバイスの全体的な製造プロセスのフローを示す。ステップ1(回路設計)では半導体デバイスの回路設計を行う。ステップ2(露光制御データ作製)では設計した回路パターンに基づいて露光装置の露光制御データを作製する。一方、ステップ3(ウエハー製造)ではシリコン等の材料を用いてウエハーを製造する。ステップ4(ウエハプロセス)は前工程と呼ばれ、上記用意したマスクとウエハーを用いて、リソグラフィ技術によってウエハー上に実際の回路を形成する。次のステップ5(組立て)は後工程と呼ばれ、ステップ4によって作製されたウエハーを用いて半導体チップ化する工程であり、アッセンブリ工程(ダイシング、ボンディング)、パッケージング工程(チップ封入)等の組立て工程を含む。ステップ6(検査)ではステップ5で作製された半導体デバイスの動作確認テスト、耐久性テスト等の検査を行う。こうした工程を経て半導体デバイスが完成し、これを出荷(ステップ7)する。例えば、前工程と後工程はそれぞれ専用の別の工場で行われてもよく、この場合、これらの工場毎に上記において説明した遠隔における装置管理システムによって装置の管理がなされる。また前工程工場と後工程工場との間でも、インターネットまたは専用線ネットワークを介して装置管理のための情報がデータ通信されてもよい。
【0096】
図8は上記のウエハプロセスの詳細なフローを示す。ステップ11(酸化)ではウエハーの表面を酸化させる。ステップ12(CVD)ではウエハー表面に絶縁膜を成膜する。ステップ13(電極形成)ではウエハー上に電極を蒸着によって形成する。ステップ14(イオン打込み)ではウエハーにイオンを打ち込む。ステップ15(レジスト処理)ではウエハーに感光剤を塗布する。ステップ16(露光)では上記説明した露光装置によって回路パターンをウエハーに描画(露光)する。ステップ17(現像)では露光したウエハーを現像する。ステップ18(エッチング)では現像したレジスト像以外の部分を削り取る。ステップ19(レジスト剥離)ではエッチングが済んで不要となったレジストを取り除く。これらのステップを繰り返し行うことによって、ウエハー上に多重に回路パターンを形成する。各工程で使用する製造機器は上記において説明した遠隔地における装置管理システムによって管理がなされているので、種々の生産仕様においても、生産性を落とすことなく、装置管理のパラメータを設定することが可能で、従来に比べて半導体デバイスの生産性を向上させることができる。
【0097】
以上、本発明の好ましい実施例を説明したが、本発明はこれらに限定されずその要旨の範囲内で様々な変形や変更が可能である。
【0098】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、露光装置によりパターンが投影されるべき物体の上のマークの位置を該露光装置の検出ユニットにより検出するときの条件に対応したパラメータの値を決定する新規かつ有用な技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態にかかり、半導体露光装置のアライメントパラーメータの値を最適化するシステムの構成を示す図である。
【図2】本発明の実施形態にかかり、レチクルとウエハーとの位置合わせを制御するためのアライメントパラメータの値を最適化する手順を示すフローチャートである。
【図3】本発明の実施形態にかかり、産業用装置の管理をベンダーが遠隔地において行うシステムの構築例を示す図である。
【図4】機器管理用のパラメータを格納するデータベースの構成例を示す図である。
【図5】機器管理用のパラメータを格納するデータベースの構成例を示す図である。
【図6】本発明の実施形態にかかり、産業用装置の管理の対象例である半導体露光装置の全体的な構成を説明する図である。
【図7】本発明の実施形態にかかり、露光装置によるデバイスの製造プロセスのフローを説明する図である。
【図8】本発明の実施形態にかかり、露光装置によるウエハプロセスを説明する図である。
【図9】アライメントユニット617の主要構成要素を示すブロック図である。
【図10】アライメントマーク30の図である。
【図11】アライメント信号を表す図である。
【図12】ウエハー20上のAGAサンプルショット位置を示す概略図、マーク要素32の概略平面図、及び図11のアライメント信号の一部分を拡大した図である。
【符号の説明】
1 半導体露光装置
2 半導体露光装置
3 重ね合わせ検査装置
4 最適化をコントロールするPC
5 データを格納するデータベース
6 LAN
11 Job設定変数で計測を行う処理部
21 A社工場
22 B社工場
23 C社工場
25 ベンダー
27 ベンダー側データベース
28 データ通信ネットワーク
30 ベンダー側操作装置
Claims (23)
- 露光装置によりパターンが投影されるべき物体の上のマークの位置を該露光装置の検出ユニットにより検出するときの条件に対応したパラメータの値を決定する装置であって、
前記検出ユニットにより前記パラメータの第1の値に対応した第1の条件のもとに検出された前記マークの位置に対応した第1の情報と、前記検出ユニットにより前記パラメータの第2の値に対応した第2の条件のもとに検出された前記マークの位置に対応した第2の情報と、前記物体上のパターンを検査する検査装置により得られた、前記露光装置が前記第1の情報に基づいて前記物体上に投影したパターンの位置に対応した第3の情報とを取得する取得手段と、
前記第1の情報、前記第2の情報および前記第3の情報に基づいて、前記露光装置に設定されるべき前記パラメータの値を決定する決定手段と
を有することを特徴とする装置。 - 前記決定手段は、前記第1の情報、前記第2の情報および前記第3の情報に基づいて、前記露光装置が前記第2の情報に基づいて前記物体に前記パターンを投影した場合の前記物体上の前記パターンの位置を推定し、該推定された前記パターンの位置の情報と前記第3の情報とに基づいて、前記パラメータの値を決定することを特徴とする請求項1記載の装置。
- 前記第1の情報および前記第2の情報のそれぞれは、前記物体の倍率、回転量およびシフト量の少なくとも1つの情報を含むことを特徴とする請求項1または2記載の装置。
- 前記パラメータの種類が複数あることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか記載の装置。
- 前記パラメータは、前記物体のグローバルアライメントのためのサンプルショットの配置に関するものであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか記載の装置。
- 前記パラメータは、前記マークの形状に関するものであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか記載の装置。
- 前記パラメータは、前記検出ユニットにより得られた、前記マークに対応した信号に対する信号処理条件に関するものであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか記載の装置。
- 前記パラメータは、前記マークに対する照明条件に関するものであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか記載の装置。
- ホストコンピュータであることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか記載の装置。
- 前記露光装置、前記検査装置、およびホストコンピュータを含むことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか記載の装置。
- デバイスの製造方法であって、
露光装置によりパターンが投影されるべき物体の上のマークの位置を該露光装置の検出ユニットにより検出するときの条件に対応したパラメータの値を、請求項1乃至10のいずれか記載の装置を用いて決定する決定ステップと、
前記決定ステップで決定された前記パラメータの値が設定された前記露光装置を用いて、前記物体に前記パターンを投影する露光ステップと、
前記露光ステップで前記パターンが投影された前記物体を現像する現像ステップと、
前記現像ステップで現像された前記物体を、前記デバイスを製造するために処理する処理ステップと
を含むことを特徴とするデバイスの製造方法。 - 露光装置によりパターンが投影されるべき物体の上のマークの位置を該露光装置の検出ユニットにより検出するときの条件に対応したパラメータの値を決定する方法であって、
前記検出ユニットにより前記パラメータの第1の値に対応した第1の条件のもとに検出された前記マークの位置に対応した第1の情報を取得する第1の取得ステップと、
前記検出ユニットにより前記パラメータの第2の値に対応した第2の条件のもとに検出された前記マークの位置に対応した第2の情報を取得する第2の取得ステップと、
前記物体上のパターンを検査する検査装置により得られた、前記露光装置が前記第1の情報に基づいて前記物体上に投影したパターンの位置に対応した第3の情報を取得する第3の取得ステップと、
前記第1の情報、前記第2の情報および前記第3の情報に基づいて、前記露光装置に設定されるべき前記パラメータの値を決定する決定ステップと
を含むことを特徴とする方法。 - 前記決定ステップにおいて、前記第1の情報、前記第2の情報および前記第3の情報に基づいて、前記露光装置が前記第2の情報に基づいて前記物体に前記パターンを投影した場合の前記物体上の前記パターンの位置を推定し、該推定された前記パターンの位置の情報と前記第3の情報とに基づいて、前記パラメータの値を決定することを特徴とする請求項12記載の方法。
- 前記第1の情報および前記第2の情報のそれぞれは、前記物体の倍率、回転量およびシフト量の少なくとも1つの情報を含むことを特徴とする請求項12または13記載の方法。
- 前記パラメータの種類が複数あることを特徴とする請求項12乃至14のいずれか記載の方法。
- 前記パラメータは、前記物体のグローバルアライメントのためのサンプルショットの配置に関するものであることを特徴とする請求項12乃至15のいずれか記載の方法。
- 前記パラメータは、前記マークの形状に関するものであることを特徴とする請求項12乃至15のいずれか記載の方法。
- 前記パラメータは、前記検出ユニットにより得られた、前記マークに対応した信号に対する信号処理条件に関するものであることを特徴とする請求項12乃至15のいずれか記載の方法。
- 前記パラメータは、前記マークに対する照明条件に関するものであることを特徴とする請求項12乃至15のいずれか記載の方法。
- ホストコンピュータにより実行されることを特徴とする請求項12乃至19のいずれか記載の方法。
- 前記露光装置、前記検査装置、およびホストコンピュータにより実行されることを特徴とする請求項12乃至19のいずれか記載の方法。
- デバイスの製造方法であって、
露光装置によりパターンが投影されるべき物体の上のマークの位置を該露光装置の検出ユニットにより検出するときの条件に対応したパラメータの値を、請求項12乃至21のいずれか記載の方法を用いて決定する決定ステップと、
前記決定ステップで決定された前記パラメータの値が設定された前記露光装置を用いて、前記物体に前記パターンを投影する露光ステップと、
前記露光ステップで前記パターンが投影された前記物体を現像する現像ステップと、
前記現像ステップで現像された前記物体を、前記デバイスを製造するために処理する処理ステップと
を含むことを特徴とするデバイスの製造方法。 - 物体にパターンを投影する露光装置であって、
前記物体の上のマークの位置を検出する検出手段と、
前記マークの位置を前記検出手段により検出するときの条件に対応したパラメータの値を決定する、請求項1乃至10のいずれか記載の装置と
を有することを特徴とする露光装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002301868A JP3854921B2 (ja) | 2001-10-17 | 2002-10-16 | パラメータの値を決定する装置および方法、デバイスの製造方法、ならびに露光装置 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001-319452 | 2001-10-17 | ||
JP2001319452 | 2001-10-17 | ||
JP2002301868A JP3854921B2 (ja) | 2001-10-17 | 2002-10-16 | パラメータの値を決定する装置および方法、デバイスの製造方法、ならびに露光装置 |
Publications (3)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003197517A JP2003197517A (ja) | 2003-07-11 |
JP2003197517A5 JP2003197517A5 (ja) | 2004-07-08 |
JP3854921B2 true JP3854921B2 (ja) | 2006-12-06 |
Family
ID=27615520
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002301868A Expired - Fee Related JP3854921B2 (ja) | 2001-10-17 | 2002-10-16 | パラメータの値を決定する装置および方法、デバイスの製造方法、ならびに露光装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3854921B2 (ja) |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7746446B2 (en) | 2004-03-31 | 2010-06-29 | Nikon Corporation | Alignment condition determination method and apparatus of the same, and exposure method and apparatus of the same |
US7259828B2 (en) * | 2004-05-14 | 2007-08-21 | Asml Netherlands B.V. | Alignment system and method and device manufactured thereby |
JP4715749B2 (ja) * | 2004-08-19 | 2011-07-06 | 株式会社ニコン | アライメント情報表示方法とそのプログラム、アライメント方法、露光方法、デバイス製造方法、表示システム、表示装置 |
SG183108A1 (en) * | 2010-02-19 | 2012-09-27 | Asml Netherlands Bv | Lithographic apparatus and device manufacturing method |
JP7278138B2 (ja) * | 2019-04-18 | 2023-05-19 | キヤノン株式会社 | 基板処理装置、物品製造方法、基板処理方法、基板処理システム、管理装置、およびプログラム |
-
2002
- 2002-10-16 JP JP2002301868A patent/JP3854921B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2003197517A (ja) | 2003-07-11 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US7271882B2 (en) | Shape measuring apparatus, shape measuring method, and aligning method | |
KR100545420B1 (ko) | 관리시스템 및 장치, 이들의 방법, 그리고 디바이스의제조방법 | |
JP4353498B2 (ja) | 管理装置及び方法、デバイス製造方法、並びにコンピュータプログラム | |
KR100518065B1 (ko) | 장치관리시스템, 장치관리방법, 반도체노광장치,반도체노광장치관리방법 및 반도체디바이스 제조방법 | |
KR100881127B1 (ko) | 풀-칩 층에 대한 조명을 최적화하는 방법, 프로그램물 및장치 | |
JP3854921B2 (ja) | パラメータの値を決定する装置および方法、デバイスの製造方法、ならびに露光装置 | |
JP4072408B2 (ja) | 位置検出方法 | |
JP3913151B2 (ja) | 露光装置のパラメータの値を最適化する方法及びシステム、露光装置及び露光方法 | |
CN111480119B (zh) | 用于控制制造设备的方法以及相关联的设备 | |
JP4072407B2 (ja) | 露光方法 | |
TWI811952B (zh) | 度量衡方法及設備 | |
JP4383945B2 (ja) | アライメント方法、露光方法、及び露光装置 | |
WO2022167178A1 (en) | A method of determining a measurement recipe and associated metrology methods and appratuses | |
JP2005109418A (ja) | 信号処理のパラメーターを決定する方法、アライメント方法、露光方法及び装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20040511 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20040525 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20040726 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20050906 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20051107 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20060829 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20060911 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 3854921 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090915 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100915 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100915 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110915 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110915 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120915 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120915 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130915 Year of fee payment: 7 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |