JP2003186134A - 可溶化されたカブリ防止剤を含むハロゲン化銀写真材料 - Google Patents

可溶化されたカブリ防止剤を含むハロゲン化銀写真材料

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JP2003186134A JP2002358948A JP2002358948A JP2003186134A JP 2003186134 A JP2003186134 A JP 2003186134A JP 2002358948 A JP2002358948 A JP 2002358948A JP 2002358948 A JP2002358948 A JP 2002358948A JP 2003186134 A JP2003186134 A JP 2003186134A
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emulsion
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Roger L Klaus
リー クラウス ロジャー
George J Burgmaier
ジョン バーグメイアー ジョージ
Jon N Eikenberry
ナザン エイケンベリー ジョン
Jerzy Zenon Mydlarz
ゼノン マイドラーズ ジャージー
Nicholas E Grzeskowiak
イー.グルゼスコウィアク ニコラス
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    • G03C1/00Photosensitive materials
    • G03C1/005Silver halide emulsions; Preparation thereof; Physical treatment thereof; Incorporation of additives therein
    • G03C1/06Silver halide emulsions; Preparation thereof; Physical treatment thereof; Incorporation of additives therein with non-macromolecular additives
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    • G03C7/39236Organic compounds with a function having at least two elements among nitrogen, sulfur or oxygen

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高温条件下で貯蔵される写真要素におけるカ
ブリを防止すること。 【解決手段】 少なくとも1つのハロゲン化銀乳剤層を
含み、下記構造式I: 【化1】 (式中、R1は脂肪族又は環式基であり、R2及びR
3は、それらのうちの少なくとも1つが臭素である限
り、独立に水素又は臭素であり、Lは2価の連結基であ
り、m及びnは独立に0又は1であり、SGは8以下の
pKaを有する可溶化基である)により表されるカブリ
防止剤をさらに含むハロゲン化銀写真要素。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、可溶化されたカブ
リ防止剤を含むハロゲン化銀写真材料に関する。より詳
細には、本発明は、可溶化されたカブリ防止剤を含む、
非フォトサーモグラフィーハロゲン化銀材料に関する。
【0002】
【従来の技術】写真業界では、当初から、カブリに関す
る問題に悩まされてきた。カブリは、画像形成露光に直
接関係しない銀又は色素の析出物である。すなわち、現
像剤が乳剤層に作用するとき、幾らかの還元された銀
が、露光されなかった領域に形成される。カブリは、画
像形成露光の作用と関係のない現像濃度として定義する
ことができ、通常「Dmin」として表される。Dminは乳
剤の未露光部分において得られる。通常測定される濃度
は、カブリにより生じた濃度と露光の作用として生じた
カブリとの両方を含む。銀イオンの意図的又は非意図的
な還元(還元増感)に関連する写真カブリの出現は、ハ
ロゲン化銀乳剤の製造、ハロゲン化銀乳剤の分光増感/
化学増感、液体ハロゲン化銀乳剤溶融物の溶融及び保
持、ハロゲン化銀乳剤のその後のコーティング、並びに
コーティングされたハロゲン化銀乳剤の長期の自然な及
び人為的なエージングを含む写真要素の多数の製造工程
中に生じ得ることは当該技術分野で周知である。エージ
ング又は貯蔵の結果としてのカブリの成長を防ぐために
使用される化学物質は一般的に、乳剤安定剤として知ら
れている。感光性ハロゲン化銀乳剤の形成中、それら乳
剤の分光増感/化学増感中、適切な支持体上へのコーテ
ィングに先立つハロゲン化銀組成物の製造中又はそのよ
うなコーティングされたハロゲン化銀組成物のエージン
グ中に生じるカブリの制御は、種々の手段により試みら
れてきた。米国特許第2,728,663号、第2,7
28,664号及び第2,728,665号に記載され
ているような水銀含有化合物が、カブリ制御のために添
加剤として使用されている。米国特許第2,440,2
06号、第2,934,198号、第3,047,39
3号及び第4,960,689号に記載されているよう
なチオスルホネート及びチオスルホネートエステルも使
用されている。有機ジカルコゲナイド、例えば、米国特
許第1,962,133号;第2,465,149号;
第2,756,145号;第2,935,404号;第
3,184,313号;第3,318,701号;第
3,409,437号;第3,447,925号;第
4,243,748号;第4,463,082号及び第
4,788,132号に記載されているジスルフィド化
合物は、カブリの形成を防ぐだけでなく、減感剤として
及び処理浴中の薬剤として並びに拡散転写系における添
加剤として使用されている。
【0003】
【特許文献1】米国特許第3,946,007号明細書
【特許文献2】George J. Burgmaierら,米国特許出願
第09/ 号明細書,“Photothermographic Mater
ials Containing Solubilized Antifoggants”(代理人
整理番号81832/JLT)
【特許文献3】Kenneth J. Reedら,米国特許出願第0
9/ 号明細書,“Silver Halide Elements Conta
ining Solubilized Antifoggants and LowFogging Tabu
lar Silver Halide Grains”(代理人整理番号82988/SM
R)
【特許文献4】George J. Burgmaierら,米国特許出願
第09/ 号明細書,“Water Soluble Halogen Co
ntaining Compounds”(代理人整理番号83636/SMR)
【非特許文献1】Hans Pritzkowら,“Darstellung perh
alogenierter Mesylsulfene, X3C-SO2-C(X)=SO2, und i
hre Stabilisierung durch Chinuchlidin”,1990年2
月,第1187-1192頁
【非特許文献2】Bruce B. Jarvisら,“J. Org. Che
m.”, 第40巻, 第25号, 1975年,第3778-3780頁
【非特許文献3】Dieter Scholz,“Neue Synthesemetho
den”, Liebigs Ann. Chem.,第10巻, 1984年, 第264-27
2頁
【非特許文献4】Udo Rheudeら,“Uber Reaktionen hal
ogenierter Methansulfonylchloride mit Trimethylami
n und ein inverses Sulfen-Amin-Addukt”,Chem. Be
r., 第118巻, 1985年, 第2208-2219頁
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この分
野でのあらゆる努力にもかかわらず、高温条件下で貯蔵
される写真要素において有効なカブリ防止剤として機能
する化合物が依然として必要とされている。水溶性であ
り、そのために写真要素の製造中に使用するのにより安
全であるカブリ防止剤が特に必要性である。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、少なくとも1
つのハロゲン化銀乳剤層を含み、下記構造式I:
【0006】
【化3】
【0007】(式中、R1は脂肪族又は環式基であり、
2及びR3は、それらのうちの少なくとも1つが臭素で
ある限り、独立に水素又は臭素であり、Lは2価の連結
基であり、m及びnは独立に0又は1であり、SGは8
以下のpKaを有する可溶化基である)により表される
カブリ防止剤をさらに含むハロゲン化銀写真要素を提供
する。本発明は、さらに、前記カブリ防止剤を含むハロ
ゲン化銀乳剤を提供する。
【0008】本発明の写真要素は、化学増感中のカブリ
の低減及び高温保持中の液体乳剤のカブリ阻止の向上を
示す。水溶性のカブリ防止剤は、固体粒子分散体の費用
及び時間のかかる製造の必要性を最低限にするととも
に、揮発性有機溶剤の必要性を最低限にする。また、こ
れらの物質の使用は、環境的に望ましくない重金属カブ
リ防止剤塩、例えば水銀塩を使用する必要をなくす。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明のハロゲン化銀写真要素
は、8以下のpKaを有する可溶化基を含有する1種以
上の水溶性又は水分散性のカブリ防止剤を含む。これら
の化合物は、下記構造式I:
【0010】
【化4】
【0011】(式中、R1は、カブリ防止剤が水に可溶
か又は易分散性である限り、任意の大きさの置換若しく
は非置換の脂肪族基又は環式基である)により表され
る。R1の置換若しくは非置換の脂肪族基としては、鎖
内に1〜20個の炭素、窒素、硫黄及び酸素原子を有す
る1価の基が挙げられ、この1価の基としては、限定す
るわけではないが、1個以上の、置換若しくは非置換の
1〜10個の炭素原子を有するアルキル基、置換若しく
は非置換の2〜20個の炭素原子を有するアルケニレン
基、置換若しくは非置換の鎖中に7〜20個の炭素原子
を有するアルキレンアリーレン基、及びこれらの基のう
ちの任意のものの組合せ、並びに1個以上のアミノ、ア
ミド、カルボニル、スルホニル、カルボンアミド、スル
ホンアミド、チオ、オキシ、オキシカルボニル、オキシ
スルホニル及び当業者であれば容易に分かるであろう他
の連結基により連結されたこれらの基の組合せを含む鎖
が挙げられる。種々のタイプの有用な脂肪族基は、当業
者であれば容易に分かるであろう。R1の好ましい脂肪
族基としては、置換若しくは非置換のt−ブチル基及び
トリフルオロメチル基が挙げられる。
【0012】R1は、置換若しくは非置換の環式基であ
ってもよく、この環式基としては、環を形成している6
〜14個の炭素原子を有する置換若しくは非置換の炭素
環式アリール基、置換若しくは非置換のシクロアルキレ
ン基(環を形成するために5〜10個の炭素原子を有す
る)及び複素環式基(環を形成するために5〜10個の
炭素、窒素、硫黄又は酸素原子を有する)が挙げられ、
芳香族及び非芳香族の両方がある。種々のタイプの環式
基が当業者には明らかであろう。
【0013】R1の好ましい環式基としては、環を形成
している6〜10個の炭素原子を有する置換若しくは非
置換のアリール基が挙げられる。置換若しくは非置換の
フェニル基が非常に好ましい。メチル基は、フェニル基
上の好ましい置換基である。構造式Iにおいて、R2
びR3は、それらのうちの1つが臭素である限り、独立
して水素又は臭素である。好ましくは、R2及びR3がと
もに臭素である。さらに、Lは、置換若しくは非置換の
2価の連結基であり、より好ましくは、Lが2価である
こと以外はR1と同様に定義できる脂肪族連結基であ
る。当業者は、化合物を水溶性又は水分散性に維持した
まま所望の目的に役立つ適切なL基を決定することがで
きるであろう。好ましくは、Lは−NH−アルキレンで
あり、ここで、「アルキレン」は置換若しくは非置換
で、1〜10個の炭素原子(より好ましくは1〜3個の
炭素原子)を有する。
【0014】R1上の置換基及びLは、カブリ防止剤の
所望の機能に悪影響を及ぼさない任意の化学的部分であ
ることができ、限定するわけではないが、アルキル、ア
リール、複素環、シクロアルキル、アミノ、カルボキ
シ、ヒドロキシ、ホスホ、スルホンアミド、スルホ、ハ
ロ及び、当業者に容易に明らかである他の基を含むこと
ができる。置換基の数は、利用可能な原子価(利用可能
な水素原子)の数によってのみ制限される。アルキル基
は、環状R1基に対する好ましい置換基である。しかし
ながら、明らかであるが、カブリ防止剤は、分子に水溶
性を与える多数のスルホ、カルボキシ、ホスホ及びスル
ホンアミド基を有することができる。さらに、構造式I
において、m及びnは独立に0又は1であり、好ましく
は両方とも1である。
【0015】SGは、8以下のpKaを有し、かつ、当
該化合物のカブリ防止活性を妨げない任意の適切な可溶
化基であることができる。SGは、遊離酸の形態で、又
は塩、特に適切な金属(例えばアルカリ金属塩)若しく
はアンモニウムイオン塩であることができる。好ましく
は、SGは塩である。SGが遊離酸の形態である場合
に、当業者に通常使用されている任意の塩基性物質を用
いる中和によってその塩を現場(in situ)生成するこ
とができる。好ましくは、SGは、カルボキシ、ホス
ホ、スルホ又はスルホンアミド基である。SGがスルホ
ンアミド基である場合には、SGは−SO2-COR4
+又は−NSO24+であることができ、ここで、R
4は、R1について定義したのと同様に定義される置換若
しくは非置換の脂肪族又は環式基であるが、R1及びR4
は、特定の化合物において同じか又は異なることができ
る。好ましくは、m及びnの両方が1である場合には特
に、SGはカルボキシ又はスルホ基(又はそれらの塩)
である。
【0016】M+は適切なカチオン、例えば金属カチオ
ン(好ましくはアルカリ金属イオン)又はアンモニウム
イオンである。M+が水素原子であるときには、得られ
る遊離酸は、任意の都合のよい塩基、例えば水酸化カリ
ウム又は炭酸水素ナトリウムで中和することにより容易
に可溶化することができる。本発明の実施において有用
な代表的なカブリ防止剤としては、以下の化合物が挙げ
られる:
【0017】
【化5】
【0018】
【化6】
【0019】
【化7】
【0020】
【化8】
【0021】
【化9】
【0022】
【化10】
【0023】構造式Iにより表される化合物は、当業者
に明らかであろう出発物質及び方法を用いて製造するこ
とができる。例えば、mが1(及びnが0又は1)であ
る化合物は、スルフィン酸の塩(例えばp−トルエンス
ルフィン酸ナトリウム塩)と2−ブロモメチルカルボニ
ル誘導体とを反応させた後、得られたスルホンを分子状
臭素又は別の適切な臭素化剤を用いて臭素化することに
よって製造することができる。
【0024】スルフィン酸の塩を用いる代わりに、芳香
族又は脂肪族チオールを2−ブロモメチルカルボニル誘
導体と縮合させた後、チオエーテルを酸化してスルホン
にし、次いで臭素化を行うことができる。幾つかの2−
ブロモメチルカルボニル誘導体は、ブロモアセチルブロ
ミドと、アミン、例えばタウリン(米国特許第5,09
1,298号(Partonら)に記載)、グリシン(The Jo
urnal of the Korean Society of Textile Engineers a
ndChemists),第13頁,1981年12月,Hwangらに記載)
又はメタンスルホンアミド(米国特許第5,620,9
89号(Harrisonら)に記載)とを反応させることによ
り製造することができる。
【0025】モノ臭素化は、たった1当量の臭素源を用
いるか、あまり活性でない臭素化剤を用いるか、又は当
業者が容易に理解するであろうように反応条件を調節す
ることによって、達成することができる。カブリ防止剤
の定義における「水溶性」又は「水分散性」とは、当該
化合物が水に容易に溶解、又は分散することを意味す
る。したがって、ハロゲン化銀乳剤及び写真要素におけ
るその使用は、揮発性有機溶剤の必要性を減らし、固体
粒子分散体の使用の不都合を回避する。「水溶性」又は
「水分散性」であるには、0.1g〜500gのカブリ
防止剤を1000mlの水に添加することが可能でなけ
ればならない。最適には、50g〜200gのカブリ防
止剤を1000mlの水に添加することが可能でなけれ
ばならない。カブリ防止剤は、本発明の要素において個
々に、又は組合せて使用することができる。一般的に、
カブリ防止剤は、全銀1モル当たり少なくとも0.00
01モルの量で存在する。好ましくは、カブリ防止剤
は、全銀1モル当たり約0.001〜約0.1モルの量
で存在する。
【0026】カブリ防止剤化合物は、それがハロゲン化
銀と反応的に関連する任意の相に添加することができ
る。「反応的に関連する」とは、当該化合物が、ハロゲ
ン化銀乳剤層中に含まれなければならないか、又は当該
化合物がハロゲン化銀乳剤と反応若しくは相互作用する
か若しくは接触することのできる層中に含まれなければ
ならないことを意味する。好ましくは、カブリ防止剤
は、1つ以上の乳剤層中に含まれるが、製造中、それら
はまた、中間層、下塗層及び支持体の前面の保護トップ
コート層に組み込まれることができる。化合物が非乳剤
層中にあるなら、それらはDminを減らすのに有効にな
る乳剤層へと移動する傾向がある。カブリ防止剤化合物
は、この目的のために適切な任意の技術を用いて、写真
乳剤に添加することができる。
【0027】本発明において使用される写真乳剤は、概
して、当該技術分野における常法によりコロイド状マト
リックス中にハロゲン化銀結晶を析出させることによっ
て製造される。コロイドは典型的には親水性の膜形成
剤、例えばゼラチン、アルギン酸又はそれらの誘導体で
ある。
【0028】析出工程で形成された結晶は、洗浄した
後、分光増感色素及び化学増感剤を添加し、乳剤温度を
典型的には40℃〜70℃に上げ、その温度に一定時間
保持する加熱工程によって、化学増感及び分光増感す
る。本発明において使用される乳剤の製造で使用される
析出並びに分光増感及び化学増感の方法は、当技術分野
で公知の方法であることができる。
【0029】乳剤の化学増感は、典型的には、増感剤、
例えば、硫黄含有化合物、例えばアリルイソチオシアネ
ート、チオ硫酸ナトリウム及びアリルチオ尿素;還元
剤、例えばポリアミン及び第一スズ塩;貴金属化合物、
例えば金、白金;並びに高分子薬剤、例えばポリアルキ
レンオキシドを使用する。上記のように、化学増感を完
了するために熱処理が使用される。分光増感は、可視又
は赤外スペクトル内の関心ある波長範囲について設計さ
れた色素の組合せを用いて行われる。そのような色素を
熱処理の前及び後の両方に添加することが知られてい
る。分光増感後、乳剤を支持体上にコーティングする。
種々のコーティング技術とし、浸漬コーティング、エア
ナイフコーティング、カーテンコーティング及び押出コ
ーティング等がある。
【0030】カブリ防止剤は、乳剤製造中の任意の時
に、すなわち析出中、化学増感中若しくは化学増感前、
又はコーティングのための乳剤と添加剤の最終的な溶融
及び共混合中に、ハロゲン化銀乳剤に添加することがで
きる。これらの化合物を、析出及び洗浄後に添加するこ
とがより好ましく、最終的な溶融物の化学増感中又はそ
の直後に添加することが非常に好ましい。前記カブリ防
止剤は、当該技術分野で一般的な任意の常用の乳剤安定
剤又はカブリ防止剤と併用することができる。本発明の
カブリ防止剤の組合せも使用できる。
【0031】本発明の要素は、フォトサーモグラフィー
要素に対立するものとしての写真要素である。画像形成
業界では古くからフォトサーモグラフィー分野は写真分
野と明らかに区別されると認識されてきた。フォトサー
モグラフィー材料は、可視画像を得るために水性処理液
による処理を必要とするコンベンショナルなハロゲン化
銀写真材料とはかなり異なる。
【0032】フォトサーモグラフィー画像形成材料にお
いては、材料内に組み込まれた現像剤の反応の結果とし
て、もっぱら熱により可視画像を生成する。50℃以上
での加熱は、この乾式現像のために必須である。これに
対して、コンベンショナルな写真画像形成材料は、水性
処理液との接触を必要とする。処理液に加えて熱を使用
することができるが、より穏やかな温度(概して30℃
〜50℃)で可視画像を生じる。
【0033】フォトサーモグラフィー材料において、画
像形成のための「化学物質」の全てがフォトサーモグラ
フィー材料自体の中に組み込まれる。例えば、コンベン
ショナルな写真材料は現像主薬(すなわち、還元可能な
銀イオンのための還元剤)を通常含まないけれども、フ
ォトサーモグラフィー材料は現像主薬を含む。いわゆる
「インスタント写真」においても、現像が望まれるま
で、現像主薬は感光性ハロゲン化銀から物理的に分けら
れる。その上、フォトサーモグラフィー材料において
は、未露光ハロゲン化銀は、一般的に、現像後そのまま
残り、材料はさらなる画像形成及び現像に対して安定化
されなければならない。これに対して、溶液現像後、さ
らなる画像形成を防ぐためにコンベンショナルな写真要
素からハロゲン化銀を除去する(すなわち、水性定着工
程)。
【0034】本発明のカブリ防止剤は、もっぱら熱を使
用するのとは対照的に、水性処理液を使用して少なくと
も部分的に処理を開始するハロゲン化銀写真要素におい
て使用される。本発明のハロゲン化銀写真要素は、低容
量処理システム又は常用の処理システムを使用すること
ができる。
【0035】低容量システムは、フィルムの処理が処理
液との接触によって開始されるが、処理液の容量が、処
理されるべき画像形成層の全容量と同等であるシステム
である。このタイプのシステムは、非溶液処理促進手段
の追加、例えば熱の適用又は処理時に使用されるラミネ
ート層の適用を含む。コンベンショナルな写真システム
は、フィルム要素が常用の写真処理液との接触により処
理され、そのような処理液の容量が画像形成層の容量に
比べて非常に大きいシステムである。
【0036】低容量処理は、適用される現像液の容量
が、写真要素を膨潤させるのに必要な溶液の容量の約
0.1〜約10倍、好ましくは約0.5〜約10倍であ
る処理と定義される。この処理は、溶液の適用、外用層
の積層及び加熱の組合せによって生じ得る。低容量系写
真要素は、以下の処理の幾つか又は全部を受けることが
できる: (I)噴霧、インクジェット、コーティング、グラビア
法等を含む任意の手段によってフィルムに直接溶液を適
用すること。 (II)処理液を含むリザーバにフィルムを浸すこと(so
aking)。このプロセスはまた、浸漬(dipping)又は要
素を小さいカートリッジに通過させる形態をとってもよ
い。 (III)補助的な処理要素を画像形成要素に積層するこ
と。ラミネートは、処理用化学薬剤の提供、消費された
化学薬剤の除去、又は潜像記録フィルム要素からの画像
情報の転写の目的を有することがある。転写された画像
は、補助的な処理要素へ像様式で転写される、色素、色
素前駆体又は銀含有化合物から生じることができる。 (IV)簡便なホットプレート、アイロン、ローラー、加
熱ドラム、マイクロ波加熱手段、加熱空気、蒸気等を含
む任意の都合の良い手段による要素の加熱。加熱は、上
記処理I〜IIIのいずれかの前、最中、後又は全体を通
して行うことができる。加熱は、室温から100℃まで
の範囲の処理温度をもたらすことができる。本発明にか
かるコンベンショナル写真要素は、例えばリサーチ・デ
ィスクロージャー(Research Disclosure)(以下で引
用する)又はT. H. James編のThe Theory of the Photo
graphic Process, 第4版, Macmillan, New York, 1977
に記載されている様々な周知の写真処理液のいずれかを
用いる様々な周知の写真処理法のいずれかで処理するこ
とができる。現像処理は、許容できる画像を与えるのに
適切な任意の長さの時間及び任意の処理温度で行うこと
ができる。
【0037】幾つかの一般的な黒白現像主薬としては、
p−アミノフェノール類、例えばメトール(Meto
l)、ポリヒドロキシベンゼン類、例えばヒドロキノン
及びカテコール、ピラゾリドン類(フェニドン類)並び
にアスコルビン酸が挙げられる。これらの現像主薬は、
単独で又は組合せて使用することができる。黒白処理に
おいては、現像工程の次に、一般的に、定着工程及び任
意選択的な洗浄工程が行なわれる。
【0038】ネガ型カラー要素を処理する場合には、要
素は、発色現像主薬(すなわち、カラーカプラーにより
着色された画像色素を形成するもの)で処理し、次に、
酸化剤及び溶剤で処理し、銀及びハロゲン化銀を除去す
る。反転カラー要素を処理する場合には、要素をまず、
黒白現像主薬(すなわち、カプラー化合物により着色色
素を形成しない現像主薬)で処理し、次に、ハロゲン化
銀をカブらせるための処理(通常、化学カブリ又は光カ
ブリ)を行い、次いで発色現像主薬で処理する。好まし
い発色現像主薬はp−フェニレンジアミン類である。特
に好ましいものは、4−アミノ−N,N−ジエチルアニ
リン塩酸塩、4−アミノ−3−メチル−N,N−ジエチ
ルアニリン塩酸塩、4−アミノ−3−メチル−N−エチ
ル−N−(2−(メタンスルホンアミド)エチルアニリ
ンセスキ硫酸塩水和物、4−アミノ−3−メチル−N−
エチル−N−(2−ヒドロキシエチル)アニリン硫酸
塩、4−アミノ−3−α−(メタンスルホンアミド)エ
チル−N,N−ジエチルアニリン塩酸塩、及び4−アミ
ノ−N−エチル−N−(2−メトキシエチル)−m−ト
ルイジンジ−p−トルエンスルホン酸、である。
【0039】現像の後に、通常、銀若しくはハロゲン化
銀を除去するための漂白、定着又は漂白定着、洗浄及び
乾燥の常用の工程がくる。本発明に有用な他の処理方法
としては、米国特許第5,890,028号に記載され
ているようなあまり慣用的でないプロセッサー、コダッ
クRS−11ドラムプロセッサー(Kodak RS-11 Drum P
rocessor)のようなドラムプロセッサー又は、写真材料
をチャンバーに入れ、計量したある量の処理液をチャン
バーに導入し、材料が通過する溶液に波を形成する方式
でチャンバーを回転させることにより写真材料を処理す
るウェーブプロセッサー(wave processor)が挙げられ
る。各処理工程のための適切な溶液を添加し、処理空間
から逐次除去し、本発明において記載したように廃棄す
るために処理することができる。ウェーブプロセッサー
は、2001年8月1日に出願された米国特許出願第0
9/920,495号により詳細に記載されている。
【0040】本発明との併用で特に有用である別のプロ
セッサー及び処理方法は、Peter J.Twistにより200
1年10月30日に出願された米国特許出願第09/
号、標題「処理用写真材料(Processing Photographic
Material)」に記載された合流処理法(merged proces
s)である。ハロゲン化銀写真材料のためのこの処理方
法は、材料をチャンバーに入れ、計量したある量の第1
の処理液をチャンバーに導入すること、及び第1の処理
液で写真材料を処理することを含む。この方法は、次
に、計量したある量の第2の処理液を、第1の処理液を
除去せずにチャンバーに導入し、それによって第2の処
理液の全容量の少なくとも一部が第1の処理液によって
提供されること、及び写真材料を第2の処理液で処理す
ることを含む。この合流法はさらに、写真材料を第2の
処理液で処理した後、先の処理液から残っているどのよ
うな処理液も除去することなく、計量した量の第3の処
理液をチャンバーに導入し、それによって、第3の処理
液の全容量の少なくとも一部が、先の処理液によって提
供されること及び、写真材料を第3の処理液で処理する
ことを含む。
【0041】前記の合流溶液処理法を用いると、先の溶
液を除去することなく、正しい順序で続いて、洗浄液を
除く全ての処理液を添加することが可能である。このよ
うに、先の溶液の全体が次の溶液と混合される。この方
法は好ましくは、数リットルのタンクを有する連続プロ
セッサーを補充するのに使用されるのと同様の小容量で
1度に1枚のフィルムを処理する高速撹拌型シングルユ
ースプロセッサーで行われる。かくして、現像液をシン
グルユースプロセッサーのタンクに入れることができ、
現像完了後、例えば漂白液を現像液に添加して、現像液
を漂白液へと変換し、次いで、定着液を、現像液及び漂
白液を組み合わせたものに添加して、それを漂白定着液
へと変換する。先の溶液は、次の溶液のための希釈剤と
して働き、これは、次の溶液が、単独で使用される場合
よりも濃縮されたものであることができることを意味す
る。このことは、処理に使用される全容量を、各溶液が
作用する個々の工程が完了後に各溶液が除去されるであ
るならば使用される全容量よりも少なくできることを意
味する。
【0042】ネガ型ハロゲン化銀の場合に、各種処理工
程によって、ネガ画像が得られる。カラーネガフィルム
と呼ばれているある種のそのような要素は、画像捕獲に
適合させて設計される。スピード(speed)(低光条件
に対する要素の感度)は、通常、そのような要素におい
て十分な画像を得るのに重要である。そのような要素
は、典型的には、透明支持体上にコーティングされた臭
ヨウ化銀乳剤であり、The British Journal of Photogr
aphy Annual of 1988, p. 191-198に記載されているよ
うなコダック(Kodak)C−41プロセス等の公知のカ
ラーネガ処理法でに処理を行うように書いてある使用説
明書を添えて包装された状態で販売されている。カラー
ネガフィルム要素が、映画用のものとして観察可能な投
映プリントを形成するためにその後使用される場合に、
イーストマン・コダック社(Eastman Kodak Co.)から
入手可能なH−24マニュアルに記載されているコダッ
クECN−2プロセスのような処理法を使用して、透明
支持体上にカラーネガ画像を得ることができる。カラー
ネガ現像の時間は典型的には3分15秒以下であり、望
ましくは90秒以下であり、60秒以下の場合もある。
【0043】別のタイプのカラーネガ要素はカラープリ
ントである。そのような要素は、画像捕獲カラーネガ要
素から光学的に焼付けされる画像を受容するように設計
される。カラープリント要素は、反射により見るため
(例えばスナップ写真用)の反射性支持体上に備えられ
るか、又は映画におけるように投映観察用の透明支持体
上に備えることができる。カラー反射プリントを予定さ
れた要素は、反射性支持体、典型的には紙の上に備えら
れ、塩化銀乳剤を使用し、上記のように処理されたカラ
ーネガフィルムを通して要素が光に露光される、いわゆ
るネガ−ポジ処理を用いて光学焼付けすることができ
る。要素は、ポジ画像を形成するために、カラーネガ光
学焼付プロセス、例えば国際公開WO87/04534
号又は米国特許第4,975,357号に概説されてい
るコダックRA−4プロセスを用いて処理を行うように
書いてある使用説明書を添えて包装された状態で販売さ
れている。カラー投映プリントは、例えばH−24マニ
ュアルに記載されているようにコダックECP−2プロ
セスに従って処理することができる。カラープリントの
現像時間は、典型的には90秒以下であり、望ましくは
45秒以下であり、30秒以下の場合もある。
【0044】反転要素は、光学焼付けなしにポジ画像を
形成することができる。ポジ(又は反転)画像を得るに
は、発色現像工程の前に、非発色現像主薬を用いて現像
を行って、露光済みハロゲン化銀を現像するけれども、
色素は形成させず、その後、要素を均一にカブらせて、
未露光ハロゲン化銀を現像可能にする。このような反転
要素は典型的には、The British Journal of Photograp
hy Annual of 1988, p. 194に記載されているようにコ
ダックE−6プロセス等のカラー反転プロセスを用いて
処理するように書いてある使用説明書を添えて包装され
た状態で販売されている。あるいは、直接ポジ乳剤を使
用してポジ画像を得ることができる。上記要素は典型的
には、上述のカラーネガ(コダックC−41)、カラー
プリント(コダックRA−4)又は反転(コダックE−
6)プロセスのような適切な方法を用いて処理するよう
に書いてある使用説明書を添えて販売されている。
【0045】写真要素は、黒白、例えばX線写真フィル
ム、航空写真フィルム、黒白映画フィルム、デュープリ
ケーティング及びコピーフィルム、グラフィックアーツ
フィルム、ポジ型及びネガ型マイクロフィルム並びにア
マチュア用及びプロフェッショナル用の連続階調黒白フ
ィルムであることができる。カブリ防止剤は、フィルム
にコーティングされるヒドラジド核生成剤の使用によっ
て非常に高い画質「ハード・ドット(hard dot)」を与
えるように現像するグラフィックアーツフィルムでの使
用に特に適する。ヒドラジド核生成剤は当業者によく知
られている。幾つかの適切なヒドラジド核生成剤は、米
国特許第6,143,462号;第6,228,566
号;及び第6,245,480号;英国特許出願第01
02880.2号(2001年2月6日出願)及び英国
特許出願第0014329.7号(2000年6月12
日出願)に記載されている。これらは、最初に現像する
光像形成粒子に由来する現像主薬酸化体と反応して、す
ぐ近くの粒子の現像能を誘発する薬剤を生成することに
よって、超高コントラストをもたらす。そのようなフィ
ルムにおいて使用されるハロゲン化銀乳剤が、低レベル
のかぶった粒子、すなわち、最初の露光を受けず現像可
能である粒子を有することが特に必要である。というの
は、核生成剤により引き起こされる増幅は、さもなけれ
ば、画像を劣化させる「ペッパーカブリ(pepper fo
g)」として知られている微視的な黒点をもたらし得る
からである。本発明の可溶化されたカブリ防止剤は、米
国特許第5,219,721号及び第5,418,12
7号に記載されているようなジカルコゲナイドカブリ防
止剤と組合せて使用されるときに、そのような高いコン
トラストの要素において特に有用である。
【0046】本発明の要素は、単色要素又は多色要素で
あることができる。多色要素は、スペクトルの3つの主
領域のそれぞれに感受性の画像色素形成ユニットを含
む。各ユニットは、所定のスペクトル領域に対して感受
性の1つの乳剤層又は複数の乳剤層を含むことができ
る。画像形成ユニットを構成する層を含む、要素を構成
する層は、当該技術分野で周知の種々の順序で配置する
ことができる。別のフォーマットでは、スペクトルの3
つの主領域のそれぞれに感受性の乳剤を、単一のセグメ
ント化層として配置することができる。
【0047】典型的な多色写真要素は、少なくとも1種
のシアン色素形成カプラーを関連して有する少なくとも
1つの赤感ハロゲン化銀乳剤層を含むシアン色素画像形
成ユニットと、少なくとも1種のマゼンタ色素形成カプ
ラーを関連して有する少なくとも1つの緑感ハロゲン化
銀乳剤層を含むマゼンタ色素画像形成ユニットと、少な
くとも1種のイエロー色素形成カプラーを関連して有す
る少なくとも1つの青感ハロゲン化銀乳剤層を含むイエ
ロー色素画像形成ユニットを有する支持体を含んで成
る。要素は、さらなる層、例えばフィルター層、中間
層、オーバーコート層及び下引き層を含むことができ
る。
【0048】必要に応じて、本発明の写真要素は、リサ
ーチ・ディスクロージャー、1992年11月、第34390項[K
enneth Mason Publications Ltd.(Dudley Annex, 12a
North Street, Emsworth, Hampshire, PO10 7DQ, ENGLA
ND)所在により発行](その内容は引用により本明細書
に含まれていることにする)に記載されているような適
用された磁性層と共に使用することができる。さらに、
本発明の写真要素は、発明協会公開技報第94−602
3号[1994年3月15日発行(日本国特許庁及び日
本国国会図書館)]に記載されているようなアニールさ
れたポリエチレンナフタレートフィルムベースを有する
ことができ、小型フォーマット(smallformat)の系、
例えばリサーチ・ディスクロージャー、1994年6
月、第36230項[Kenneth Mason Publications Lt
d.(Dudley Annex, 12a North Street, Emsworth, Hamp
shire, PO10 7DQ, ENGLAND)所在により発行]に記載さ
れているような系、及びアドバンスト・フォト・システ
ム(Advanced Photo System)のような系、特にコダッ
クADVANTIXフィルム又はカメラにおいて使用することが
できる。
【0049】次に示す表において、(1)リサーチ・デ
ィスクロージャー、1978年12月、第17643
項、(2)リサーチ・ディスクロージャー、1989年
12月、第308119項、(3)リサーチ・ディスク
ロージャー、1994年9月、第36544項、及び
(4)リサーチ・ディスクロージャー、1996年9
月、第38957項を参照する[これらはすべてKennet
h Mason Publications Ltd.(Dudley Annex, 12a North
Street, Emsworth, Hampshire, PO10 7DQ, ENGLAND)
所在により発行されたもので、その開示は、引用により
本明細書に含まれていることにする]。この表及びこの
表において引用した参考文献は、本発明の要素において
使用するのに適切な特定の成分を記載していると読まれ
るべきである。この表及び引用した参考文献には、要素
を、製造する方法、露光する方法、処理する方法、並び
に要素及びそこに含まれる画像を操作する適切な方法に
ついて記載されている。本発明に特に適切な、写真要素
及びそのような要素を処理する方法は、リサーチ・ディ
スクロージャー、1995年2月、第37038項[Ke
nneth Mason Publications Ltd.(Dudley Annex, 12a N
orth Street, Emsworth, Hampshire, PO10 7DQ, ENGLAN
D)所在により発行]に記載されており、その開示は、
引用により本明細書に含まれていることにする。
【0050】
【表1】
【0051】写真要素は、シングルユースカメラ、フィ
ルム付きレンズ又は感光性材料パッケージユニットのよ
うに様々に呼ばれている繰り返し使用することを意図さ
れた露光構造体又は限定使用を意図された露光構造体へ
組み込むことができる。
【0052】写真ハロゲン化銀要素は、フォトサーモグ
ラフィー材料よりも多くのハロゲン化銀を使用する。フ
ォトサーモグラフィー材料においては、光を捕獲するた
めに少量のハロゲン化銀だけを使用し、熱現像を用いて
可視画像を生成させるために還元可能な銀イオン(例え
ばカルボン酸銀)の非感光性供給源を使用する。このよ
うにして画像形成されると、感光性ハロゲン化銀は、還
元可能な銀イオンの非感光性供給源及び組み込まれた還
元剤が関与する物理的現像プロセスのための触媒として
働く。これに対し、コンベンショナルな湿式処理型写真
材料は、たった1つの形態の銀(すなわち、ハロゲン化
銀)だけを使用し、この銀は、化学的現像を行う場合に
は、それ自体が銀像へと変換され、物理的現像を行う場
合には、外部の銀供給源(又は、対応する金属への還元
によって、黒色画像を形成する他の還元可能な金属イオ
ン)の添加を必要とする。このように、フォトサーモグ
ラフィー材料は、コンベンショナルな湿式処理型写真材
料で使用される量のほんの一部である単位面積当たりの
ハロゲン化銀量を必要とする。さらに、有機Ag塩に対
するハロゲン化銀の比は、2つのタイプの画像形成材料
で非常に異なる。これら2つのタイプの画像形成材料は
以下のように定義される。AgXは、ex-situ法(予備
形成されたAgX)によって添加されるか、又は有機銀
塩に遊離ハロゲン化物を添加することにより現場(in s
itu)で生成される、要素におけるすべてのハロゲン化
銀である。AgRは、非感光性供給源に由来する還元可
能な銀イオンである。コンベンショナルな写真要素にお
いては、AgX/AgRは、質量に基づいて又は表面積
当たりの質量に基づいて、常に1より大きい。フォトサ
ーモグラフィー系においては、AgX/AgRは、質量
に基づいて又は表面積当たりの質量に基づいて、常に1
未満である。したがって、本発明のハロゲン化銀写真要
素では、概して、多数の要素層にわたって、AgX/A
gRの比が1を超え、フォトサーモグラフィー系では、
概して、多数の要素層にわたって、AgX/AgRの比
が1未満である。
【0053】フォトサーモグラフィー材料と写真材料と
の間のこれらの差異及び他の差異は、上記のImaging Pr
ocesses and Materials(Neblette’s Eighth Editio
n), Unconventional Imaging Processes, E. Brinckm
anら(編集), The Focal Press, London and New Yor
k, 1978, pp.74-75に、Zou et al, J. Imaging Sci. Te
chnol., 1996, 40, 94-103に、及びM.R.V. Sahyun, J.
Imaging Sci. Technol. 1998, 42, 23に記載されてい
る。
【0054】使用されるハロゲン化銀乳剤は、任意のハ
ロゲン化銀組成を有することができ、限定するわけでは
ないが、臭化銀、臭ヨウ化銀、塩化銀、塩臭化銀及び塩
ヨウ化銀が挙げられる。好ましくは、本発明において使
用されるハロゲン化銀乳剤は、臭ヨウ化物乳剤である。
【0055】ハロゲン化銀乳剤は、任意の大きさ及び形
態を有する粒子を含むことができる。かくして、粒子
は、立方体、八面体、アルキメデス十四面体の形態、又
は立方格子型ハロゲン化銀粒子の他の天然に生じる形態
のうちの任意の形態をとり得る。さらに、粒子は、不規
則な、例えば球状粒子又は平板状粒子であることができ
る。
【0056】本発明において特に有用なものは、平板状
粒子ハロゲン化銀乳剤である。平板状粒子は、2つの平
行な主結晶面を有し、かつ少なくとも2のアスペクト比
を有するものである。「アスペクト比」という語は、粒
子の主面の等価円直径(ECD)をその厚み(t)で割
った比である。平板状粒子乳剤は、平板状粒子が、全粒
子投影面積の少なくとも50%(好ましくは少なくとも
70%、最適には少なくとも90%)を占めるものであ
る。好ましい平板状粒子乳剤は、平板状粒子の平均厚み
が0.3μm未満(好ましくは薄い、すなわち、0.2
μm未満)であるものである。平板状粒子の主面は、
{111}又は{100}結晶面にあり得る。平板状粒
子乳剤の平均ECDはめったに10μmを超えず、より
典型的には、5μm未満である。
【0057】最も広く使用される形態の平板状粒子乳剤
は、高臭化物{111}平板状粒子乳剤である。そのよ
うな乳剤は、Kofronらの米国特許第4,439,520
号;Wilgusらの米国特許第4,434,226号;Solb
ergらの米国特許第4,433,048号;Maskaskyの
米国特許第4,435,501号、第4,463,08
7号及び第4,173,320号;Daubendiekらの米国
特許第4,414,310号及び第4,914,014
号;Sowinskiらの米国特許第4,656,122号;Pi
gginらの米国特許第5,061,616号及び第5,0
61,609号;Tsaurらの米国特許第5,147,7
71号、第5,147,772号、第5,147,77
3号、第5,171,659号及び第5,252,45
3号;Blackらの米国特許第5,219,720号及び
第5,334,495号;Deltonの米国特許第5,31
0,644号、第5,372,927号及び第5,46
0,934号;Wenの米国特許第5,470,698
号;Fentonらの米国特許第5,476,760号;Eshe
lmanらの米国特許第5,612,175号及び第5,6
14,359号;並びにIrvingらの米国特許第5,66
7,954号に例示されている。
【0058】極薄の高臭化物{111}平板状粒子乳剤
は、Daubendiekらの米国特許第4,672,027号、
第4,693,964号、第5,494,789号、第
5,503,971号及び第5,576,168号;An
toniadesらの米国特許第5,250,403号;Olmら
の米国特許第5,503,970号;Deatonらの米国特
許第5,582,965号;並びにMaskaskyの米国特許
第5,667,955号に例示されている。高臭化物
{100}平板状粒子乳剤は、Mignotの米国特許第4,
386,156号及び第5,386,156号に例示さ
れている。
【0059】高塩化物{111}平板状粒子乳剤は、We
yの米国特許第4,399,215号;Weyらの米国特許
第4,414,306号;Maskaskyの米国特許第4,4
00,463号、第4,713,323号、第5,06
1,617号、5,178,997号、5,183,7
32号、第5,185,239号、第5,399,47
8号及び第5,411,852号;並びにMaskaskyらの
米国特許第5,176,992号及び第5,178,9
98号に例示されている。極薄高塩化物{111}平板
状粒子乳剤は、Maskaskyの米国特許第5,271,85
8号及び第5,389,509号に例示されている。
【0060】高塩化物{100}平板状粒子乳剤は、Ma
skaskyの米国特許第5,264,337号、第5,29
2,632号、第5,275,930号及び第5,39
9,477号;Houseらの米国特許第5,320,93
8号;Brustらの米国特許第5,314,798号;Sza
jewskiらの米国特許第5,356,764号;Changら
の米国特許第5,413,904号及び第5,663,
041号;Oyamadaの米国特許第5,593,821
号;Yamashitaらの米国特許第5,641,620号及
び第5,652,088号;Saitouらの米国特許第5,
652,089号;並びにOyamadaらの米国特許第5,
665,530号に例示されている。極薄高塩化物{1
00}平板状粒子乳剤は、先に引用したHouseら及びCha
ngらの教示に従って、ヨウ化物の存在下での核形成によ
り製造することができる。
【0061】ハロゲン化銀要素がカラー要素である場合
には、ハロゲン化銀要素は、発色現像主薬酸化体と反応
して画像色素を形成する少なくとも1種の色素形成カプ
ラーも含む。発色現像主薬酸化体との反応によりシアン
色素を形成するカプラー等の要素に含めることのできる
画像色素形成カプラーは、Agfa Mitteilungen発行の“F
arbkuppler-eine Literature Ubersicht”, Band III,
pp. 156-175 (1961)、米国特許第2,367,531
号、第2,423,730号、第2,474,293
号、第2,772,162号、第2,895,826
号、第3,002,836号、第3,034,892
号、第3,041,236号、第4,333,999
号、第4,746,602号、第4,753,871
号、第4,770,988号、第4,775,616
号、第4,818,667号、第4,818,672
号、第4,822,729号、第4,839,267
号、第4,840,883号、第4,849,328
号、第4,865,961号、第4,873,183
号、第4,883,746号、第4,900,656
号、第4,904,575号、第4,916,051
号、第4,921,783号、第4,923,791
号、第4,950,585号、第4,971,898
号、第4,990,436号、第4,996,139
号、第5,008,180号、第5,015,565
号、第5,011,765号、第5,011,766
号、第5,017,467号、第5,045,442
号、第5,051,347号、第5,061,613
号、第5,071,737号、第5,075,207
号、第5,091,297号、第5,094,938
号、第5,104,783号、第5,178,993
号、第5,813,729号、第5,187,057
号、第5,192,651号、第5,200,305
号、第5,202,224号、第5,206,130
号、第5,208,141号、第5,210,011
号、第5,215,871号、第5,223,386
号、第5,227,287号、第5,256,526
号、第5,258,270号、第5,272,051
号、第5,306,610号、第5,326,682
号、第5,366,856号、第5,378,596
号、第5,380,638号、第5,382,502
号、第5,384,236号、第5,397,691
号、第5,415,990号、第5,434,034号
及び第5,441,863号、欧州特許第0 246
616号、欧州特許第0 250 201号、欧州特許
第0 271 323号、欧州特許第0295 632
号、欧州特許第0 307 927号、欧州特許第0
333185号、欧州特許第0 378 898号、欧
州特許第0 389 817号、欧州特許第0 487
111号、欧州特許第0 488 248号、欧州特
許第0 539 034号、欧州特許第0 545 3
00号、欧州特許第0556 700号、欧州特許第0
556 777号、欧州特許第0 556858号、
欧州特許第0 569 979号、欧州特許第0 60
8 133号、欧州特許第0 636 936号、欧州
特許第0 651 286号及び欧州特許第0 690
344号、並びにドイツ特許公開公報第4,026,
903号、ドイツ特許公開公報第3,624,777号
及びドイツ特許公開公報第3,823,049号のよう
な代表的な特許明細書及び文献に記載されている。典型
的には、そのようなカプラーはフェノール類、ナフトー
ル類又はピラゾロアゾール類である。
【0062】発色現像主薬酸化体との反応によりマゼン
タ色素を形成するカプラーは、AgfaMitteilungen 発行
の“Farbkuppler-eine Literature Ubersicht”, Band
III,pp. 126-156 (1961)、米国特許第2,311,08
2号、第2,369,489号、第2,343,701
号、第2,600,788号、第2,908,573
号、第3,062,653号、第3,152,896
号、第3,519,429号、第3,758,309
号、第3,935,015号、第4,540,654
号、第4,745,052号、第4,762,775
号、第4,791,052号、第4,812,576
号、第4,835,094号、第4,840,877
号、第4,845,022号、第4,853,319
号、第4,868,099号、第4,865,960
号、第4,871,652号、第4,876,182
号、第4,892,805号、第4,900,657
号、第4,910,124号、第4,914,013
号、第4,921,968号、第4,929,540
号、第4,933,465号、第4,942,116
号、第4,942,117号、第4,942,118
号、第4,959,480号、第4,968,594
号、第4,988,614号、第4,992,361
号、第5,002,864号、第5,021,325
号、第5,066,575号、第5,068,171
号、第5,071,739号、第5,100,772
号、第5,110,942号、第5,116,990
号、第5,118,812号、第5,134,059
号、第5,155,016号、第5,183,728
号、第5,234,805号、第5,235,058
号、第5,250,400号、第5,254,446
号、第5,262,292号、第5,300,407
号、第5,302,496号、第5,336,593
号、第5,350,667号、第5,395,968
号、第5,354,826号、第5,358,829
号、第5,368,998号、第5,378,587
号、第5,409,808号、第5,411,841
号、第5,418,123号及び第5,424,179
号、欧州特許第0 257 854号、欧州特許第0
284 240号、欧州特許第0 341 204号、
欧州特許第347,235号、欧州特許第365,25
2号、欧州特許第0 422 595号、欧州特許第0
428 899号、欧州特許第0 428 902
号、欧州特許第0 459 331号、欧州特許第0
467 327号、欧州特許第0 476 949号、
欧州特許第0 487 081号、欧州特許第0 48
9 333号、欧州特許第0 512 304号、欧州
特許第0 515 128号、欧州特許第0 534
703号、欧州特許第0 554 778号、欧州特許
第0 558 145号、欧州特許第0 571 95
9号、欧州特許第0 583 832号、欧州特許第0
583 834号、欧州特許第0 584 793
号、欧州特許第0 602 748号、欧州特許第0
602 749号、欧州特許第0 605 918号、
欧州特許第0 622 672号、欧州特許第0 62
2 673号、欧州特許第0 629 912号、欧州
特許第0 646 841号、欧州特許第0 656
561号、欧州特許第0 660 177号及び欧州特
許第0 686 872号、国際公開第WO90/10
253号、国際公開第WO92/09010号、国際公
開第WO92/10788号、国際公開第WO92/1
2464号、国際公開第WO93/01523号、国際
公開第WO93/02392号、国際公開第WO93/
02393号及び国際公開第WO93/07534号、
英国特許出願第2,244,053号、特開平3−19
2350号公報、並びにドイツ特許公開公報第3,62
4,103号、ドイツ特許公開公報第3,912,26
5号及びドイツ特許公開公報第4008067号のよう
な代表的な特許明細書及び文献に記載されている。典型
的にはそのようなカプラーは、発色現像主薬酸化体との
反応によりマゼンタ色素を形成するピラゾロン類、ピラ
ゾロアゾール類又はピラゾロベンゾイミダゾール類であ
る。
【0063】発色現像主薬酸化体との反応によりイエロ
ー色素を形成するカプラーは、AgfaMitteilungen発行の
“Farbkuppler-eine Literature Ubersicht”, Band II
I,pp.112-126 (1961)、米国特許第2,298,443
号、第2,407,210号、第2,875,057
号、第3,048,194号、第3,265,506
号、第3,447,928号、第4,022,620
号、第4,443,536号、第4,758,501
号、第4,791,050号、第4,824,771
号、第4,824,773号、第4,855,222
号、第4,978,605号、第4,992,360
号、第4,994,361号、第5,021,333
号、第5,053,325号、第5,066,574
号、第5,066,576号、第5,100,773
号、第5,118,599号、第5,143,823
号、第5,187,055号、第5,190,848
号、第5,213,958号、第5,215,877
号、第5,215,878号、第5,217,857
号、第5,219,716号、第5,238,803
号、第5,283,166号、第5,294,531
号、第5,306,609号、第5,328,818
号、第5,336,591号、第5,338,654
号、第5,358,835号、第5,358,838
号、第5,360,713号、第5,362,617
号、第5,382,506号、第5,389,504
号、第5,399,474号、第5,405,737
号、第5,411,848号及び第5,427,898
号、欧州特許第0 327 976号、欧州特許第0
296 793号、欧州特許第0 365 282号、
欧州特許第0 379 309号、欧州特許第0 41
5 375号、欧州特許第0 437 818号、欧州
特許第0 447 969号、欧州特許第0 542
463号、欧州特許第0 568 037号、欧州特許
第0 568 196号、欧州特許第0 568 77
7号、欧州特許第0 570 006号、欧州特許第0
573 761号、欧州特許第0 608 956
号、欧州特許第0 608 957号及び欧州特許第0
628 865号のような代表的な特許明細書及び文
献に記載されている。そのようなカプラーは、典型的に
は開鎖ケトメチレン化合物である。
【0064】本発明の写真要素は、典型的にはスペクト
ルの可視領域で、化学線に露光されて潜像を形成するこ
とができ、次いで、すでに先に記載したように、処理さ
れると可視色素画像を形成することができる。上記諸要
素は、画像走査を行って、捕獲画像の電子的表現(elec
tronic rendition)を生成し、その後、その表現をデジ
タル処理して、その画像を電子的に処理し、記憶し、伝
送し、出力し又は表示するための起点材料として機能す
ることができる。リサーチ・ディスクロージャー(Resea
rch Disclosure), 1994年9月,第36544項及
びリサーチ・ディスクロージャー,1996年9月,第
38957項,第XIV節,Scan facilitating features
(走査を促進する態様)に示されているように、カラー
ネガ要素の様々な態様が、走査に対応させるために提案
されてきた。上記のカラーネガ要素の構成に適合する範
囲内に含まれるこれらの系は、本発明の実施における使
用が考えられる。そのようなプロセス及び有用なフィル
ム特徴のさらなる例はまた、米国特許第5,840,4
70号;第6,045,938号;第6,021,27
7号;欧州特許第961,482号及び欧州特許第90
5,651号に記載されている。以下の実施例により本
発明を説明するが、本発明を限定することを意図したも
のではない。
【0065】
【実施例】製造例 実施例1−本発明のカブリ防止剤A−1 カブリ防止剤A−1は、2,2’−ジブロモ−(4−メ
チルフェニル)スルホニル−N−(2−スルホエチル)
アセトアミドカリウム塩であり、先に示した構造を有す
る。化合物A−1は、以下のようにして製造した:機械
的撹拌機及び還流冷却器を備えた5リットルのフラスコ
に、p−トルエンスルフィン酸リチウム塩(308.5
7g)、N−(2−スルホエチル)−2−ブロモアセト
アミド、リチウム塩(527.39g)、水(180m
l)及びエチルアルコール(3380ml)を入れた。
得られた懸濁液を加熱し還流させた。約1時間の還流
後、ほぼ全部の反応体が溶解した。さらに4時間還流を
続け、溶液をセライト(Celite)パッドを通して熱ろ過
して、幾らか濁りを除いた。溶液を一晩かけて室温に冷
却した。形成された固形物を集め、1リットルの95%
エチルアルコール/水で洗浄した。白色固形物を風乾し
た後、高減圧で乾燥させると、553.88g(89%
収率)の2−(4−メチルフェニル)スルホニル−N−
(2−スルホエチル)アセトアミドリチウム塩(中間体
1)が得られた。HPLC分析では検出可能な不純物は
示されなかった。イオンクロマトグラフィーにより、
0.035質量%の臭化物及び1.8質量%のリチウム
の存在が示された。この物質は、許容できるプロトンス
ペクトルを示した。
【0066】氷酢酸(660ml)に、中間体(98.
19g)及び1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダ
ントイン(42.89g)を加えた。得られた懸濁液を
加熱して還流させると、溶液が生じた。約3〜5分間還
流した後、わずかな臭素の色が抜け、還流をさらに15
分間続けた。HPLCによる反応混合物の分析により、
1つの主生成物への転化が示された。ほぼ室温に冷却し
た後、酢酸のほとんどを、ウォーターアスピレーターを
用いたロータリーフィルムエバポレーター(40℃の水
浴温度)にて除去した。残渣を2500mlのエチルア
ルコールで希釈した。懸濁液を室温で1時間撹拌した
後、完全な溶液が生じた。室温のこの撹拌溶液に、エチ
ルアルコール(500ml)に溶かした酢酸カリウム
(58.88g)の溶液を滴下添加した。直ちに白色固
形物が生成した。酢酸カリウム溶液を全部添加したら、
懸濁液を室温で90分間撹拌し、所望のカブリ防止剤A
−1、2,2’−ジブロモ−2−(4−メチルフェニ
ル)スルホニル−N−(2−スルホエチル)アセトアミ
ドカリウム塩をろ過により集め、エチルアルコールで洗
浄した。次に、固形物を高減圧下で40℃にて乾燥し
た。わずかに酢酸臭がする粗製カブリ防止剤A−1の収
量は145.22g(94%)であった。
【0067】A−1の2つの別々の合成バッチを作り、
合わせ、そして182.33gの生成物を、水(85m
l)とエチルアルコール(600ml)の混合物に沸騰
させながら溶かし、熱濾過し、そして冷却により油性化
するのを防ぐために約7mlの水を添加することによっ
て再結晶化した。溶液を一晩室温に放置した後、所望の
カブリ防止剤生成物を集め、約300ml(10:1容
量/容量)のエチルアルコール/水混合物で洗浄した。
次に生成物を風乾し、その次に高減圧下で40℃にて乾
燥し、159.87gの所望の生成物を得た。HPLC
分析では、99.2%の所望の成分の分析値が示され
た。生成物は、上記したA−1構造と一致する予想通り
のプロトンNMRスペクトル及びマススペクトルを示し
た。
【0068】実施例2−本発明のカブリ防止剤A−2 本発明のカブリ防止剤A−2は、2,2’−ジブロモ−
(4−メチルフェニル)スルホニル−N−(2−カルボ
キシエチル)アセトアミドカリウム塩であり、先に示し
た構造を有する。化合物A−2は、N−(2−スルホエ
チル)−2−ブロモアセトアミドリチウム塩を、β−ア
ラニンのエチルエステルのHCl塩に置き換えたことを
除き、化合物A−1と同様にして製造した。得られた置
換ブロモアセトアミドは、上記のようにトルエンスルフ
ィン酸のナトリウム塩と反応した後、エステルのアルカ
リ加水分解をし、次いで臭素と反応させてA−2を形成
した。
【0069】実施例3−本発明のカブリ防止剤A−7 本発明のカブリ防止剤A−7は、N−ブロモアセチルメ
タンスルホンアミドをトルエンスルフィン酸のナトリウ
ム塩と反応させた後、分子状臭素で臭素化したことを除
き、化合物A−1と同様にして製造した。
【0070】実施例4−本発明のカブリ防止剤A−20 本発明のカブリ防止剤A−20は、2−ブロモ−2−
(4−メチルフェニル)−スルホニル−N−(2−スル
ホエチル)アセトアミドリチウム塩であり、上記の構造
を有する。化合物A−20は、以下のようにして製造し
た:氷酢酸(125ml)に、中間体(18.66g)
を加え、懸濁液を52℃の温度のオイルバスで加熱し
た。撹拌している懸濁液に、5時間かけて、氷酢酸(1
5ml)に溶解した臭素(14.77g)の溶液を滴下
添加した。添加が終了したら、オイルバスの温度を52
℃に75分間保持した後、除熱した。室温に放置する
と、固形物が生成した。生成物を集め、氷酢酸及びアセ
トニトリルで逐次洗浄し、真空オーブンで乾燥して、2
0.21gの白色固形物を得た。この固形物(17.3
0g)を、4mlの水を含む200mlのアセトニトリ
ル中に沸騰下で溶解させ、次いで室温に冷却することに
よって、この物質をさらに精製した。HPLCによる試
験では、99%より多い1つの成分が示され、これは、
マススペクトル及びNMRの両方によって、A−20、
2−ブロモ−2−(4−メチルフェニル)−スルホニル
−N−(2−スルホエチル)アセトアミドリチウム塩と
分析された。
【0071】写真実施例 実施例5 乳剤AAの製造 ゼラチンペプタイザー及び消泡剤を含むよく撹拌した反
応器に、硝酸銀及び塩化ナトリウムを等モル添加するこ
とによって、塩化ヨウ化物ハロゲン化銀乳剤を析出させ
た。反応容器には、7.9%のゼラチン、0.038M
のNaCl及び消泡剤の5リットルの溶液が含まれてい
た。反応容器の内容物を67℃に保持し、pClを1.
7に調節した。この撹拌溶液に、67℃にて、2.6M
のAgNO3の溶液17.5ml及び2.8MのNaC
lの溶液23.55mlを同時に、35ml/分にて
0.5分間で添加した。次に、2.6Mの硝酸銀溶液及
び2.8Mの塩化ナトリウム溶液を同時に、流量を35
ml/分から123ml/分に直線的に増加させて20
分間かけて同時に添加した。次に、2.6Mの硝酸銀溶
液及び2.8Mの塩化ナトリウム溶液を、同時に、12
3ml/分にて42.5分間添加した。次いで、乳剤を
15分間かけて40℃に冷却した。全銀の93モル%が
析出した後、析出した全銀の0.3モル%に相当する量
のヨウ化カリウムを含む溶液200mlを反応器に入れ
た。得られた乳剤は、エッジ長サイズ0.56μmの立
方体粒子塩化銀乳剤であった。次に、乳剤を限外濾過装
置を用いて洗浄し、最終的なpH及びpClをそれぞれ
5.6及び1.7に調節した。
【0072】乳剤AAの増感 乳剤を、常用の技術により最適に増感した。各増感にお
いて、化学増感剤、分光増感剤及びカブリ防止剤の添加
順序は同じであった。各乳剤についての詳細な手順は以
下の例で述べる: パートA1.1 最適量の金増感剤、GSを添加した後、60℃まで20
分間加熱することによって、塩ヨウ化銀乳剤AAの一部
を最適に増感した。次に、イエロー分光増感色素、SD
−1を添加した後、最適量のチオ硫酸ナトリウムを添加
した。次に、乳剤を、カブリ防止剤AF−1の存在下で
40℃に冷却した。これによって、乳剤A1を得た。 パートA1.2 増感における最初の添加物として0.05mg/Agモ
ルの塩化水銀を添加したこと以外はパートA1.1と同
様に塩化銀乳剤AAの一部を増感した。これによって、
乳剤A2を得た。 パートA1.3 増感における最初の添加物として0.10mg/Agモ
ルの塩化水銀を添加したこと以外はパートA1.1と同
様に塩化銀乳剤AAの一部を増感した。これによって、
乳剤A3を得た。 パートA1.4 増感における最初の添加物として0.50mg/Agモ
ルの塩化水銀を添加したこと以外はパートA1.1と同
様に塩化銀乳剤AAの一部を増感した。これによって、
乳剤A4を得た。 パートA1.5 増感における最初の添加物として5mg/Agモルの本
発明のカブリ防止剤A−1を添加したこと以外はパート
A1.1と同様に塩化銀乳剤AAの一部を増感した。こ
れによって、乳剤A5を得た。 パートA1.6 増感における最初の添加物として50mg/Agモルの
本発明のカブリ防止剤A−1を添加したこと以外はパー
トA1.1と同様に塩化銀乳剤AAの一部を増感した。
これによって、乳剤A6を得た。 パートA1.7 増感における最初の添加物として500mg/Agモル
の本発明のカブリ防止剤A−1を添加したこと以外はパ
ートA1.1と同様に塩化銀乳剤AAの一部を増感し
た。これによって、乳剤A7を得た。 パートA1.8 増感における最初の添加物として1000mg/Agモ
ルの本発明のカブリ防止剤A−1を添加したこと以外は
パートA1.1と同様に塩化銀乳剤AAの一部を増感し
た。これによって、乳剤A8を得た。
【0073】次にこれらの乳剤を、樹脂コート紙支持体
上にコーティングする直前に、C−1を含むイエロー色
素形成カプラー分散体と別々に混合した。それらのコー
ティングにゼラチン層をオーバーコートし、全コーティ
ングをビス(ビニルスルホニルメチル)エーテルで硬化
させた。これらの乾燥したコーティングは、1平方メー
トル当たり280mgの銀及び1平方メートル当たり1
8.3gのC−1を含んでいた。露光は、3000Kタ
ングステン光源を用いて0.1秒間であり、現像は、R
A−4プロセスを用いて得た。スピードは、1.0濃度
に対応するD−logE曲線上の点で求め、足(to
e)は、1.0濃度より0.3logE下のD−log
E曲線上の点で求め、肩(shoulder)は、1.0濃度よ
り0.3logE上のD−logE曲線上の点で求め
た。乳剤A1〜A8から得たデータを表1にまとめる。
「nr」の値は、Dminが高すぎて測定できなかったこ
とを意味する。
【0074】
【化11】
【0075】
【表2】
【0076】表1の結果は、塩化ヨウ化銀乳剤の化学増
感の前に添加された場合の、本発明のカブリ防止剤A−
1の予想されなかった有益な効果を示す。これらの効果
は、化学増感後に、本発明のカブリ防止剤A−1を同じ
濃度で添加した場合には認められなかった。さらに、塩
化水銀に対して同様のカブリ防止の利益が得られ、これ
は、乳剤製造中に環境的に望ましくないカブリ防止剤を
用いる必要をなくす。一般的に、金(I)−チオ硫酸ナ
トリウムで増感された塩ヨウ化銀立方体乳剤は、増感
中、本発明のカブリ防止剤A−1の粒子表面への組み込
みで有益な効果を示す。本発明のカブリ防止剤A−1の
存在下で増感された乳剤は、水銀塩の存在下で増感され
た乳剤とほぼ同じ写真応答を生じる。しかしながら、金
(I)−チオ硫酸ナトリウムイエロー増感において本発
明のカブリ防止剤A−1は、初期カブリ(fresh)を有
意に減らし、足を減少させ、好ましいことに肩を増加さ
せた。
【0077】実施例6 乳剤BBの製造 これは、以下のようにして製造されたコア/シェル乳剤
である:反応容器によく混合しながら、6.8リットル
の蒸留水、196gの石灰処理骨ゼラチン、233.2
gの臭化ナトリウム、34gのヨウ化カリウム及びカブ
リ防止剤を添加し、温度を53℃に保持しながら、1.
405Mの硝酸銀からなる水性溶液を125ml/分の
速度にて23.46分間で添加し、同時に0.154M
のヨウ化カリウムを含む2.466Mの臭化ナトリウム
からなる溶液を、141.7ml/分の速度で添加し
た。次に、ハロゲン化物溶液の添加を終え、硝酸銀溶液
の添加をさらに23.46分間続けた。容器温度を1
1.5分間かけて76℃に上げ、次に、19gのチオシ
アン酸ナトリウムの水溶液28mlを添加した。25分
間保持した後、容器を45℃に冷却し、過剰の塩を限外
濾過によって除去した。得られたものは、8.2%のヨ
ウ化物を含み、平均粒径1.04μmを有する8.24
モルのコア/シェル乳剤であった。X線回折分析から、
14%のヨウ化物を含むコア領域及び5%のヨウ化物を
含むシェル領域が示された。
【0078】乳剤BBの増感 乳剤BBを、塩化カリウム;チオシアン酸ナトリウム;
仕上げ調節剤、FM;イエロー増感色素、SD−2;硫
化金;硫黄増感剤、SS(Burgmaierらの米国特許第
4,810,626号に記載されているようなもの)及
び金増感剤、GS(Deaton米国特許第5,049,48
5号に記載されているようなもの)で逐次処理した。次
に、液体乳剤を62℃で12分間インキュベートした。
40℃に冷却後、乳剤を、カブリ防止剤、AF−2及び
AF−1で処理した。この乳剤をBBSと表す。
【0079】
【化12】
【0080】写真評価 以下に記載する増感した乳剤試料を、乳剤及びイエロー
画像形成カプラーC−1をイエロー現像抑制剤放出カプ
ラーC−2と一緒に含む層により覆われたハレーション
防止バッキングを有するセルロースアセテートフィルム
支持体上に、ゼラチンのパッドからなる単純な単一層フ
ォーマットでコーティングした。乳剤層は、硬膜剤を含
むゼラチンオーバーコートにより摩耗から保護した。層
構造の詳細な説明は、表2にある。乾燥したコーティン
グを、5500K光源を用いたラッテン(Wratten)2
Bフィルターにて0.02秒間露光し、標準的なC−4
1プロセスで処理した。対応するデータを表3にまとめ
る。Dminは、フィルムの未露光領域で求めた最低光学
濃度である。スピードは、100(1−logH)とし
て求められる。ここで、Hは、Dminより0.15上の
濃度を生じるのに必要なルクス・秒単位で表した露光量
である。 乳剤B1 増感した乳剤BBSを、表2に記載した簡単な単一層フ
ォーマットでコーティングした。この乳剤は、B1とし
て表す。 乳剤B1−H 増感した乳剤BBSを溶融し、55℃で3時間保持した
後、乳剤B1と同様にコーティングした。 乳剤B2−H 増感した乳剤BBSを、保持する前に、200mg/モ
ルの本発明のカブリ防止剤A−1で処理したこと以外は
乳剤B1−Hと同様に処理した。
【0081】
【表3】
【0082】
【表4】
【0083】未処理の増感された乳剤が長時間加熱され
た場合(B1−H)には、Dminは許容できないほど増
加し、実質的なスピードの損失があった。しかしなが
ら、本発明のカブリ防止剤A−1による処理では、Dmi
nが増加せず、かつ写真スピードの損失なしに、乳剤を
加熱することが可能であった。製造中の液体乳剤の寿命
を増加させるため、このタイプの挙動は望ましい。
【0084】実施例7 グラフィックアーツに使用される乳剤は、典型的には、
エッジ長0.1〜0.3μmの立方体の臭塩化銀粒子を
有する。これらの乳剤の化学増感中にジスルフィドカブ
リ防止剤、例えば化合物DS−1を使用することによっ
て、許容できるほど低いカブリが通常達成できるが、よ
り長時間の現像(TOD)時に、特に周囲温度での又は
高温加速貯蔵試験(AKT)によるフィルムのエージン
グ後に、カブリレベルの増加が生じることがある。この
ことは、弱い露光源での使用のために高感度を有するよ
うに設計された、より大きい粒子の効果的に増感された
乳剤の場合に特に問題がある。高レベルのジスルフィド
カブリ防止剤を使用すると、このカブリを制御するが、
感度の低下をもたらすことがある。
【0085】
【化13】
【0086】この実施例では、1.6×10-7モルRh
/モルAg及び2.0×10-7モルIr/モルAgで、
粒子中に均一に析出したロジウム及びイリジウムドーパ
ントを含む、エッジ長0.21μmの立方体粒子を有す
る単分散AgBrCl乳剤(Br:Cl=30:70)
を製造した。原乳剤を40℃でpH4.0及びpAg
7.2に調節し、その後、30mg/Agモルの本発明
のカブリ防止剤A−1を添加した後、2.2mg/Ag
モルのカブリ防止剤DS−1、2.5mg/モルのNa
223・5H2O及び2.5mgのKAuCl4を添加
することにより化学増感し、次いで65℃で20分間熱
処理して、乳剤Em−1を得た。原乳剤の別のバッチを
同様に処理したが、本発明のカブリ防止剤A−1は添加
しないで、比較用の乳剤Em−2を得た。本発明のフィ
ルムコーティングは、ESTAR(商標)支持体とこの
支持体の裏側に塗布した潜像形成乳剤層をコートしたハ
レーション防止層と、ゲル中間層と、保護スーパーコー
トからなっていた。上記のようにして製造した乳剤を、
300mg/Agモルの色素1
【0087】
【化14】
【0088】により分光増感し、次に、2.1g/m2
のゼラチンと、メチルアクリレート、2−アクリルアミ
ド−2−メチルプロパンスルホン酸ナトリウム塩及び2
−(メタクリロイルオキシ)−エチルアセトアセテート
(質量比88:5:7)のラテックスコポリマー1.0
g/m2とからなるビヒクル中1平方メートル当たり銀
3.6gのレイダウンで、潜像形成乳剤層としてコーテ
ィングした。他の添加物は、2−メチルチオ−4−ヒド
ロキシ−5−カルボキシ−6−メチル−1,3,3a,
7−テトラアザインデン、1−(3−アセトアミドフェ
ニル)−5−メルカプトテトラゾール及び核生成剤(核
生成剤−I)を含んでおり、2.0mg/m2のレイダ
ウンで添加された。
【0089】
【化15】
【0090】この乳剤層と同時に、0.65g/m2
ゲルレイダウンで、5mg/m2の第2の核生成剤(核
生成剤II)及び60mg/m2のアミン補助促進剤(ブ
ースターI)を含む中間層をコーティングし、艶消ビー
ズ及び界面活性剤を含む保護スーパーコートを1g/m
2のゲルレイダウンでコーティングした。
【0091】
【化16】
【0092】
【化17】
【0093】コーティングは、露光を受けず、そして2
5秒間から40秒間までの現像時間をもたらす一連の異
なる速度でコダックRA−2000(商標)薬剤中で処
理された領域から開始して、一連のインクリメンタル露
光を生じるラスター走査レーザー感光計に露光した。フ
ィルムのさらなる試料を、相対湿度50%でホイル包み
内に封入した後、50℃で7日間インキュベートした。
この試験は、21℃で約1年間自然にエージングした効
果をシミュレートすることが知られている。それらの材
料を、同じ現像時間範囲で同様に処理された。本発明の
カブリ防止剤A−1を含む乳剤Em−1から作られたコ
ーティング7−1は、インキュベートした試料で40秒
間のTODの最大応力条件以外の全ての処理条件下で低
いDminを有する。乳剤Em−2から作られた比較用コ
ーティング7−2は、処理条件の厳しさの程度が増加す
るにつれてDminが増加するという欠点があり、最大応
力条件下では完全に役に立たない。しかしながら、相対
対数スピードとして表された2つのコーティングの感度
は、特性曲線の足及び肩の領域の両方で同じである。
【0094】
【表5】
【0095】この実施例は、本発明のカブリ防止剤A−
1の乳剤への添加が、フィルム感光度の低下を最低限に
だけしか引き起こさずに、フィルムのエージングから生
じるカブリの程度を減らすのに有効であることを示す。
本発明のカブリ防止剤A−1をジスルフィドDS−1と
共に使用した。ジスルフィドDS−1は、過剰の減感を
引き起こさないほど十分に少ないが、それ自体ではフィ
ルムのエージングの際のカブリの増加を完全に防ぐには
不十分な量で添加した。
【0096】実施例8 実施例7で使用した原乳剤を、種々の量の化合物DS−
1及び本発明のカブリ防止剤A−1の添加、次いで1.
9mg/モルのNa223・5H2O及び2.5mgの
KAuCl4の添加、次いで65℃で20分間の熱処理
によって化学増感して、乳剤Em−3〜Em−5を得
た。この実施例において金に対する硫黄の比がより小さ
い場合ほど、実施例7における場合よりも小さい感光度
を与えるが、よりロバストな仕上げを与える。これらの
乳剤を、実施例7におけるのと同様にコーティングし、
試験した。表5のデータは、高濃度の本発明のカブリ防
止剤A−1を含む、Em−3で作られたコーティング8
−1は、全てのインキュベーション条件下及び現像時間
で低いDminを示したが、Em−4中に少量の本発明の
カブリ防止剤A−1だけしか含まず、最大応力条件下で
Dminが増加するコーティング8−2に比べて、スピー
ドの損失がなかった。本発明のカブリ防止剤A−1を含
まず、代わりにより多量のジスルフィドDS−1を含む
乳剤Em−5のコーティング8−3も、Dminを制御す
るが、この場合には、実質的なスピードの損失があっ
た。
【0097】
【表6】
【0098】特定の好ましい実施態様を参照して本発明
を詳しく説明したが、当然のことながら、本発明の精神
及び範囲内で様々な変更及び改良を行うことができる。
【0099】本発明のさらなる態様を、特許請求の範囲
の記載と関連して以下に示す。 [態様1] 少なくとも1つのハロゲン化銀乳剤層を含
み、下記構造式I:
【0100】
【化18】
【0101】(式中、R1は脂肪族又は環式基であり、
2及びR3は、それらのうちの少なくとも1つが臭素で
ある限り、独立に水素又は臭素であり、Lは2価の連結
基であり、m及びnは独立に0又は1であり、SGは8
以下のpKaを有する可溶化基である)により表される
カブリ防止剤をさらに含むハロゲン化銀写真要素。 [態様2] 前記SGがホスホ、スルホ、カルボキシ若
しくはスルホンアミド基又はそれらの塩である請求項1
記載のハロゲン化銀写真要素。 [態様3] 前記SGがスルホ若しくはカルボキシ基又
はそれらの塩である請求項1記載のハロゲン化銀写真要
素。 [態様4] R2及びR3がともに臭素である請求項1記
載のハロゲン化銀写真要素。 [態様5] R1がトリフルオロメチル基又は置換若し
くは未置換のt−ブチル若しくはフェニル基である請求
項1記載のハロゲン化銀写真要素。 [態様6] m及びnがそれぞれ1である請求項1記載
のハロゲン化銀写真要素。 [態様7] m及びnがともに0である請求項1記載の
ハロゲン化銀写真要素。 [態様8] mが1であり、nが0である請求項1記載
のハロゲン化銀写真要素。 [態様9] mが0であり、nが1である請求項1記載
のハロゲン化銀写真要素。 [態様10] nが1であり、Lが置換又は未置換−N
H−アルキレン基である請求項1記載のハロゲン化銀写
真要素。 [態様11] Lが脂肪族連結基である請求項1記載の
ハロゲン化銀写真要素。 [態様12] 前記カブリ防止剤が下記化合物A−1〜
A−31:
【0102】
【化19】
【0103】
【化20】
【0104】
【化21】
【0105】
【化22】
【0106】
【化23】
【0107】
【化24】
【0108】のうちの1つ以上である請求項1記載のハ
ロゲン化銀写真要素。 [態様13] 前記ハロゲン化銀写真要素が黒白写真要
素であって、ヒドラジド核生成剤を含む請求項1記載の
ハロゲン化銀写真要素。 [態様14] 前記ハロゲン化銀写真要素が、発色現像
主薬酸化体と反応して色素を形成する色素形成カプラー
をさらに含む請求項1記載のハロゲン化銀写真要素。 [態様15] 前記ハロゲン化銀写真要素が1を超える
AgX/AgR比を有する請求項1記載のハロゲン化銀
写真要素。 [態様16] 下記構造式I:
【0109】
【化25】
【0110】(式中、R1は脂肪族又は環式基であり、
2及びR3は独立に、それらのうちの少なくとも1つが
臭素である限り、独立に水素又は臭素であり、Lは2価
の連結基であり、m及びnは独立に0又は1であり、S
Gは8以下のpKaを有する可溶化基である)により表
されるカブリ防止剤を含むハロゲン化銀写真乳剤。 [態様17] 前記SGが、ホスホ、スルホ、カルボキ
シ若しくはスルホンアミド基又はそれらの塩である請求
項16記載のハロゲン化銀写真乳剤。 [態様18] R2及びR3がともに臭素である請求項1
6記載のハロゲン化銀写真乳剤。 [態様19] m及びnがそれぞれ1である請求項16
記載のハロゲン化銀写真乳剤。 [態様20] m及びnがともに0である請求項16記
載のハロゲン化銀写真乳剤。 [態様21] mが1であり、nが0である請求項16
記載のハロゲン化銀写真乳剤。 [態様22] mが0であり、nが1である請求項16
記載のハロゲン化銀写真乳剤。 [態様23] nが1であり、Lが置換又は未置換−N
H−アルキレン基である請求項16記載のハロゲン化銀
写真乳剤。 [態様24] Lが脂肪族連結基である請求項16記載
のハロゲン化銀写真乳剤。 [態様25] 前記カブリ防止剤が下記化合物A−1〜
A−31:
【0111】
【化26】
【0112】
【化27】
【0113】
【化28】
【0114】
【化29】
【0115】
【化30】
【0116】
【化31】
【0117】のうちの1つ以上である請求項16記載の
ハロゲン化銀写真乳剤。 [態様26] 前記ハロゲン化銀乳剤が、ジカルコゲナ
イドカブリ防止剤化合物をさらに含む請求項13記載の
ハロゲン化銀写真要素。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ジョージ ジョン バーグメイアー アメリカ合衆国,ニューヨーク 14534, ピッツフォード,スタイベザント ロード 74 (72)発明者 ジョン ナザン エイケンベリー アメリカ合衆国,ニューヨーク 14617, ロチェスター,パインクレスト ドライブ 168 (72)発明者 ジャージー ゼノン マイドラーズ アメリカ合衆国,ニューヨーク 14450, フェアポート,ロスト フェザー ドライ ブ 45 (72)発明者 ニコラス イー.グルゼスコウィアク イギリス国,エスジー13 7ユーワイ,ハ ートフォード,ザ エルムス 41 Fターム(参考) 2H023 CC02

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも1つのハロゲン化銀乳剤層を
    含み、下記構造式I: 【化1】 (式中、R1は脂肪族又は環式基であり、R2及びR
    3は、それらのうちの少なくとも1つが臭素である限
    り、独立に水素又は臭素であり、Lは2価の連結基であ
    り、m及びnは独立に0又は1であり、SGは8以下の
    pKaを有する可溶化基である)により表されるカブリ
    防止剤をさらに含むハロゲン化銀写真要素。
  2. 【請求項2】 下記構造式I: 【化2】 (式中、R1は脂肪族又は環式基であり、R2及びR
    3は、それらのうちの少なくとも1つが臭素である限
    り、独立に水素又は臭素であり、Lは2価の連結基であ
    り、m及びnは独立に0又は1であり、SGは8以下の
    pKaを有する可溶化基である)により表されるカブリ
    防止剤を含むハロゲン化銀写真乳剤。
JP2002358948A 2001-12-11 2002-12-11 可溶化されたカブリ防止剤を含むハロゲン化銀写真材料 Pending JP2003186134A (ja)

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