JP2003186053A - 液晶表示装置 - Google Patents

液晶表示装置

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JP2003186053A JP2001386493A JP2001386493A JP2003186053A JP 2003186053 A JP2003186053 A JP 2003186053A JP 2001386493 A JP2001386493 A JP 2001386493A JP 2001386493 A JP2001386493 A JP 2001386493A JP 2003186053 A JP2003186053 A JP 2003186053A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】表示にフリッカや焼き付きを生じさせること無
く液晶の誘電異方性Δεの値を大きくし、応答速度を速
くすることができる液晶表示装置を提供する。 【解決手段】一方の内面に画素電極4とTFT5が形成
された、他方の内面に対向電極10が形成された一対の
基板2,3間に、液晶分子13aの配向状態が、初期の
ホモジニアス配向状態と、前記電極4,10間に液晶分
子が略垂直に配向する電圧を印加したときの飽和配向状
態との間で、前記電極4,10間に印加される電圧に応
じて変化する液晶層13が設けられた液晶素子1と、前
記液晶素子1の電極4,10間に、前記液晶分子13a
を実質的に前記ホモジニアス配向状態に配向させる電圧
と前記液晶分子13aを実質的に前記飽和配向状態に配
向させる電圧との差よりも小さい値の変化幅の電圧V
〜Vを印加して前記液晶分子13aの配向状態を制御
する配向制御手段とを備えた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は液晶表示装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】液晶表示装置には、動作が安定でコント
ラストも充分なTN(ツイステッドネマティック)型、
液晶分子の配向及び素子構造が単純で生産性に優れてい
るホモジニアス配向型等の動作モードのものが知られて
おり、これらの動作モードの液晶表示装置をアクティブ
駆動することも知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、アクティブ駆
動される液晶表示装置であって、特に、TFT(薄膜ト
ランジスタ)をアクティブ素子としたものは、アクティ
ブ素子のオンにより画素電極と対向電極との間に印加さ
れた電圧が、前記アクティブ素子がオフしたときに低下
する。
【0004】そして、このアクティブ素子がオフしたと
きの電極間電圧の低下量は、アクティブ素子のオン時に
データラインから画素電極に供給されたデータ信号の電
位に応じて変動するため、フレーム毎に正負を交互に反
転させて電極間に印加される電圧に、一方の極性にバイ
アスされたDCアンバランスが生じ、そのDCアンバラ
ンスにより電極間に印加される正負の電圧に差が生じて
表示にフリッカを発生させる。また、前記DCアンバラ
ンスが大きいと、電極間に電荷の偏りが生じ、液晶中に
存在する浮遊イオンが一方の基板側に集まって表示の焼
き付きを発生させる。
【0005】このように、アクティブ駆動の液晶表示装
置は、表示のフリッカや焼き付きの問題がある。
【0006】この問題を解決する1つの方法は、各画素
の液晶容量(画素電極と対向電極及びこれらの電極の間
の液晶層とにより形成される容量)と並列に接続された
補償容量の静電容量の値を、前記アクティブ素子の浮遊
容量(TFTのゲート電極とソース電極との間の容量)
に較べて充分大きくすることである。
【0007】しかし、前記補償容量を大きくするには、
前記補償容量を形成するための補償容量電極の面積を大
きくしなければならないため、開口率の低下を招き、明
るい表示が得られない。
【0008】また、アクティブ駆動の液晶表示装置は、
高速応答が要求されており、そのために、高い電圧で駆
動すること、或いは液晶の誘電異方性Δεの値を大きく
することが提案されている。
【0009】すなわち、高い電圧で駆動すると、液晶分
子に印加される電界強度が大きくなって応答策度が速く
なる。また、誘電異方性Δεの大きい液晶は、電界との
相互作用が強く、液晶分子の挙動が速いため、応答速度
が改善される。
【0010】しかし、高い電圧で駆動するのでは、消費
電力が多くなるだけでなく、耐圧の高い駆動回路が必要
になる。
【0011】したがって、駆動電圧はできるだけ低く抑
えるのが望ましいが、低い駆動電圧で高速応答させるた
めには、さらに誘電異方性Δεの大きい液晶を用いなけ
ればならない。
【0012】しかし、液晶の誘電異方性Δεの値を大き
くすると、液晶層の静電容量が大きくなり、また液晶分
子の挙動により変化する前記液晶容量の変化量が大きく
なるため、フリッカを生じて表示品質が低下する。
【0013】このフリッカは、前記補償容量の静電容量
値を、液晶層の静電容量に比べて充分に大きくすること
で防止することができるが、補助容量の静電容量値を大
きくするには、補償容量電極の面積をさらに大きくしな
ければならいため、開口率がさらに低下する。
【0014】この発明は、表示のフリッカや焼き付きを
生じることなく高速で応答する液晶表示装置を提供する
ことを目的としたものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】この発明の液晶表示装置
は、互いに対向する一対の基板の一方の内面に、複数の
画素電極とこれらの画素電極にそれぞれ接続された複数
のアクティブ素子とが形成され、他方の基板の内面に、
前記画素電極に対向する対向電極が形成されるととも
に、前記一対の基板間に、液晶分子の配向状態が、前記
電極間に印加される電圧に応じて、電圧が印加されない
ときの予め規定された初期配向状態と、、印加電圧の変
化に対して液晶分子が実質的に挙動しなくなる充分高い
電圧を印加したときの前記基板面に対して略垂直或いは
略水平に配向する飽和配向状態との間で変化する液晶層
が設けられた液晶素子と、前記液晶素子の少なくとも一
方の面側に配置された偏光板と、前記液晶素子の電極間
に、前記液晶層の液晶分子を実質的に前記初期配向状態
に配向させる電圧と前記液晶分子を実質的に前記飽和配
向状態に配向させる電圧との差よりも小さい値の変化幅
の電圧を印加して前記液晶分子の配向状態を制御する配
向制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0016】なお、ここで、飽和配向状態とは、電極間
電圧を高くするのにともなう液晶分子の倒伏または立ち
上がり挙動が見掛け上限界に達し、それ以上に電極間電
圧を高くしても、液晶分子がほとんど挙動しなくなると
きの配向状態である。
【0017】すなわち、この液晶表示装置は、前記配向
制御手段により、前記液晶素子の電極間に、液晶分子を
初期配向状態に配向させる電圧と前記液晶分子を飽和配
向状態に配向させる電圧との差よりも小さい値の変化幅
の電圧を印加することにより、前記液晶分子の配向状態
を、印加電圧に応じて挙動し得る挙動可能範囲、つまり
前記初期配向状態から前記飽和配向状態までの範囲のう
ち、その範囲の一端または両端の配向状態を除いた範囲
内で制御するようにしたものである。
【0018】この液晶表示装置は、液晶素子の液晶分子
の配向状態を、その挙動可能範囲の一端または両端の配
向状態を除いた範囲内で制御するものであるため、前記
挙動可能範囲の全域で液晶分子の配向状態を制御する場
合に比べて、アクティブ素子がオフしたときの電極間電
圧の低下量の変動(アクティブ素子のオン時に画素電極
に供給されたデータ信号の電位に応じた変動)が小さ
い。
【0019】そのため、フレーム毎に正負を交互に反転
させて電極間に印加される電圧に生じるDCアンバラン
スを小さくし、液晶素子の電極間に印加される正負の電
圧差が小さくして、DCアンバランスによる表示のフリ
ッカや焼き付きの発生を防ぐことができる。
【0020】しかも、この液晶表示装置は、上記のよう
に、液晶素子の液晶分子の配向状態を、その挙動可能範
囲の一端または両端の配向状態を除いた範囲内で制御す
るものであるため、液晶の誘電異方性Δεの値が大き
く、液晶層の静電容量が大きくても、液晶分子の挙動に
より変化する液晶容量(画素電極と対向電極及びこれら
の電極の間の液晶層とにより形成される容量)の変化量
を小さくし、前記液晶容量の変化によるフリッカの発生
を防ぐことができる。
【0021】したがって、この液晶表示装置によれば、
表示にフリッカや焼き付きを生じさせること無く液晶の
誘電異方性Δεの値を大きくし、応答速度を速くするこ
とができる。
【0022】上記のように、この発明の液晶表示装置
は、液晶素子の電極間に、液晶分子を初期配向状態に配
向させる電圧と前記液晶分子を飽和配向状態に配向させ
る電圧との差よりも小さい値の変化幅の電圧を印加する
ことにより、表示のフリッカや焼き付きを生じることな
く高速で応答するようにしたものである。
【0023】この液晶表示装置において、前記液晶素子
の一方の基板に、画素電極と対向電極及びこれらの電極
の間の液晶層とにより形成される液晶容量に対して並列
に接続された補償容量が形成されている場合、前記配向
制御手段は、前記液晶素子の電極間に、液晶分子の挙動
により変化する前記液晶容量の変化量が、前記補償容量
の静電容量値よりも小さい範囲で前記液晶分子の配向状
態を変化させる電圧を印加するように構成するのが好ま
しい。
【0024】その場合、前記配向制御手段は、前記液晶
素子の電極間に、液晶分子の挙動による液晶容量の変化
量が補償容量の静電容量値の1/5〜1/10よりも小
さい範囲で前記液晶分子の配向状態を変化させる電圧を
印加するように構成するのが望ましい。
【0025】さらに、前記配向制御手段は、前記液晶素
子の電極間に、液晶分子を、基板面に対して実質的に水
平に配向する状態と前記基板面に対して実質的に垂直に
配向する状態のいずれか一方の配向状態と、前記基板面
に対して水平な方向と垂直な方向の間の斜めに傾いた方
向に配向する傾斜配向状態との間で挙動させる範囲の電
圧を印加するように構成するのが望ましい。
【0026】また、この液晶表示装置において、前記液
晶素子の液晶層は、液晶分子が一対の基板間でツイスト
して配向したツイスト配向、液晶分子がツイストするこ
となく一方方向に且つ基板面と実質的に平行に配向した
ホモジニアス配向、液晶分子が基板面に対して実質的に
垂直に配向したホメオトロピック配向、液晶分子が一方
の基板側で実質的に垂直に他方の基板側で実質的に水平
に配向したハイブリッド配向のうちのいずれか1つの初
期配向状態を有する液晶からなっていればよく、特に、
初期配向状態が前記ホモジニアス配向である液晶からな
っているのが最も好ましい。
【0027】そして、前記液晶素子の液晶層が、液晶分
子が基板面に対して予め定めたプレチルト角をもって実
質的に水平に且つ一方方向にホモジニアス配向した初期
配向状態を有する液晶からなっている場合、前記配向制
御手段は、前記液晶素子の電極間に、液晶分子の配向状
態を、基板面に対して実質的に水平に配向する状態と前
記基板面に対して実質的に垂直に配向する状態とのいず
れか一方の配向状態と、その配向状態からの液晶分子の
挙動による液晶容量の変化量が補償容量の静電容量値よ
りも小さい範囲の配向状態との間で変化させる電圧を印
加するように構成するのが望ましい。
【0028】また、この発明の他の液晶表示装置は、互
いに対向する一対の基板の一方の内面に、複数の画素電
極とこれらの画素電極にそれぞれ接続された複数のアク
ティブ素子とが形成され、他方の基板の内面に、前記画
素電極に対向する対向電極が形成されるとともに、前記
一対の基板間に、液晶分子の配向状態が、前記電極間に
印加される電圧に応じて、電圧が印加されないときの予
め規定された初期配向状態と、印加電圧の変化に対して
液晶分子が実質的に挙動しなくなる充分高い電圧を印加
したときの前記基板面に対して略水平或いは略垂直に配
向する飽和配向状態(電極間電圧を高くするのにともな
う液晶分子の倒伏または立ち上がり挙動が見掛け上限界
に達し、それ以上に電極間電圧を高くしても、液晶分子
がほとんど挙動しなくなるときの配向状態)との間で、
前記電極間に印加される電圧に応じて変化する液晶層が
設けられた液晶素子と、前記液晶素子を挟んで配置され
た一対の偏光板とを備え、前記液晶素子の液晶層は、前
記液晶分子が前記初期配向状態と前記飽和配向状態との
間の前記基板面に対して予め定めた傾き角で配向した傾
斜配向状態において、前記一対の偏光板の間を透過する
光にその波長λの1/2の整数倍の光路長差を与える屈
折率異方性を有する液晶からなっていることを特徴とす
る。
【0029】この液晶表示装置は、液晶素子の液晶層
が、液晶分子が前記初期配向状態と前記飽和配向状態と
の間の基板面に対して予め定めた傾き角で配向した傾斜
配向状態において、一対の偏光板の間を透過する光にそ
の波長λの1/2の整数倍の光路長差を与える屈折率異
方性を有する液晶からなっているため、液晶分子を前記
傾斜配向状態に配向させたときに透過率が最も高くなる
か或いは最も低くなり、その状態から前記液晶分子の配
向状態を変化させるのにともなって透過率が変化する。
【0030】そのため、この液晶表示装置は、前記液晶
素子の液晶分子の配向状態を、印加電圧に応じて挙動し
得る挙動可能範囲、つまり前記初期配向状態から前記飽
和配向状態までの範囲のうち、その範囲の一端または両
端の配向状態を除き、且つ前記傾斜配向状態を含む範囲
内で制御することにより明暗を表示することができ、し
たがって、前記挙動可能範囲の全域で液晶分子の配向状
態を制御する場合に比べて、アクティブ素子がオフした
ときの電極間電圧の低下量の変動(アクティブ素子のオ
ン時に画素電極に供給されたデータ信号の電位に応じた
変動)を小さくし、フレーム毎に正負を交互に反転させ
て電極間に印加される電圧に生じるDCアンバランスを
小さくすることができるため、液晶素子の電極間に印加
される正負の電圧差が小さくして、表示のフリッカや焼
き付きの発生を防ぐことができる。
【0031】しかも、この液晶表示装置は、上記のよう
に、液晶素子の液晶分子の配向状態を、その挙動可能範
囲の一端または両端を配向状態を除いた範囲内で制御す
るため、液晶の誘電異方性Δεの値が大きく、液晶層の
静電容量が大きくても、液晶分子の挙動により変化する
液晶容量の変化量を小さくし、フリッカの発生を防ぐこ
とができる。
【0032】そのため、この液晶表示装置によれば、表
示にフリッカや焼き付きを生じさせること無く液晶の誘
電異方性Δεの値を大きくし、応答速度を速くすること
ができる。
【0033】上記のように、この発明の他の液晶表示装
置は、液晶素子の液晶層を、液晶分子が初期配向状態と
飽和配向状態との間の基板面に対して予め定めた傾き角
で配向した傾斜配向状態において、一対の偏光板の間を
透過する光にその波長λの1/2の整数倍の光路長差を
与える屈折率異方性を有する液晶により形成することに
より、表示のフリッカや焼き付きを生じることなく高速
で応答するようにしたものである。
【0034】この液晶表示装置において、前記一対の偏
光板がそれぞれ前記液晶素子に直接対向させて配置され
ている場合、前記液晶素子の液晶層は、液晶分子が前記
予め定めた傾き角で配向した傾斜配向状態において、前
記液晶層を透過する光にその波長λの1/2の整数倍の
光路長差を与える屈折率異方性を有する液晶からなって
いればよい。
【0035】また、この液晶表示装置において、前記液
晶素子と一対の偏光板の少なくとも一方との間に位相板
が配置されている場合、前記液晶素子の液晶層は、液晶
分子が前記予め定めた傾き角で配向した傾斜配向状態に
おいて、前記液晶層と前記位相板の両方を透過する光に
その波長λの1/2の整数倍の光路長差を与える屈折率
異方性を有する液晶からなっていればよい。
【0036】前記位相板を備えた液晶表示装置は、前記
液晶素子の液晶層が、液晶分子が初期配向状態と飽和配
向状態との間の配向状態で且つ基板面に対する傾き角が
異なる第1と第2の2つの傾斜配向状態を有し、前記第
1と第2のいずれか一方の傾斜配向状態において、前記
液晶層と位相板の両方を透過する光にその波長λの1/
2の奇数倍の光路長差を与え、他方の傾斜配向状態にお
いて、前記液晶層と位相板の両方を透過する光に実質的
に0または透過光の波長λの1/2の偶数倍の光路長差
を与える屈折率異方性と液晶層厚を有する液晶からなっ
ており、前記液晶素子の電極間に、前記液晶層の液晶分
子を、前記第1の傾斜配向状態と、前記第2の2つの傾
斜配向状態と、これらの傾斜配向状態の間の配向状態と
に配向させる電圧を印加して前記液晶分子の配向状態を
制御する配向制御手段をさらに備えた構成のものが好ま
しい。
【0037】その場合、前記液晶素子の液晶層は、液晶
分子が基板面に対して予め定めたプレチルト角をもって
実質的に水平で且つ一方方向にホモジニアス配向した初
期配向状態を有し、且つ前記液晶分子が、前記基板面に
対して予め定めた第1の傾き角で配向する第1の傾斜配
向状態と、前記基板面に対して前記第1の傾き角よりも
小さい予め定めた第2の傾き角で配向する第2の傾斜配
向状態とに配向する液晶からなっているのが好ましい。
【0038】さらに、前記液晶素子の液晶層は、前記第
1の傾斜配向状態で、前記液晶層と位相板の両方を透過
する光にその波長λの1/2の奇数倍の光路長差を与
え、前記第2の傾斜配向状態で、前記液晶層と位相板の
両方を透過する光に実質的に0または透過光の波長λの
1/2の奇数倍の光路長差を与える屈折率異方性と液晶
層厚を有する液晶からなっているのが好ましい。
【0039】また、前記液晶素子の一方の基板に、画素
電極と対向電極及びこれらの電極の間の液晶層とにより
形成される液晶容量に対して並列に接続された補償容量
が形成されている場合、前記配向制御手段は、前記第1
の傾斜配向状態と第2の傾斜配向状態との間での液晶分
子の配向状態の変化による前記液晶容量の変化量が前記
補償容量の静電容量値よりも小さい範囲で前記液晶分子
の挙動を制御するように構成するのが望ましい。
【0040】
【発明の実施の形態】図1〜図5はこの発明の第1の実
施例を示しており、図1は液晶表示装置の分解斜視図で
ある。
【0041】この実施例の液晶表示装置は、図1に示し
たように、液晶素子1と、前記液晶素子1を挟んで配置
された一対の偏光板14,15と、前記液晶素子1の液
晶分子の配向状態を制御するための配向制御手段20と
を備えている。
【0042】図2は前記液晶素子1の一部分の断面図、
図3は前記液晶素子1の1つの画素の等価回路図であ
る。この液晶素子1は、TFT(薄膜トランジスタ)を
アクティブ素子としたアクティブマトリックス型のもの
であり、図2のように、対向配置された前後一対の透明
基板2,3のうち、一方の基板、例えば表示の観察側と
は反対側の後側の基板3の内面に、行方向及び列方向に
マトリックス状に配列した複数の透明な画素電極4とこ
れら画素電極4にそれぞれ接続された複数のTFT(ア
クティブ素子)5とが形成され、他方の基板、つまり表
示の観察側である前側の基板2の内面に、前記複数の画
素電極4に対向する透明な対向電極10が形成されると
ともに、前記一対の基板2,3間に液晶層13が設けら
れた構成となっている。
【0043】なお、前記TFT5は、アモルファスシリ
コン薄膜を用いたものであり、このTFT5は、後側基
板3の内面上に形成されたゲート電極Gと、このゲート
電極Gを覆って前記後側基板3の略全体に形成された透
明なゲート絶縁膜6と、前記ゲート絶縁膜6の上に前記
ゲート電極Gと対向させて形成されたi型半導体膜7
と、このi型半導体膜7の両側部の上に図示しないn型
半導体膜を介して形成されたソース電極S及びドレイン
電極Dとからなっている。
【0044】また、前記後側基板3の内面には、各画素
行の一側にそれぞれ沿わせて、各行のTFT5にゲート
信号を供給するための複数のゲートラインGL(図3参
照)が設けられるとともに、各画素列の一側にそれぞれ
沿わせて、各列のTFT4にデータ信号を供給するため
の複数のデータラインDL(図3参照)が設けられてい
る。
【0045】なお、前記ゲートラインGLは、後側基板
3の内面上に前記TFT5のゲート電極Gと一体に形成
されており、前記データラインDLは、前記ゲート絶縁
膜6の上に形成され、前記TFT5のドレイン電極Dに
接続されている。
【0046】そして、前記画素電極4は、前記ゲート絶
縁膜6の上に形成されており、これらの画素電極4に、
前記TFT5のソース電極Sが接続されている。
【0047】さらに、前記後側基板3の内面には、前記
画素電極4と前側基板2の内面に設けられた対向電極1
0及びこれらの電極4,10の間の液晶層13とにより
形成される各画素の液晶容量CLC(図3参照)に対し
て並列に接続された補償容量Csが形成されている。
【0048】この補償容量Csは、前記後側基板3の内
面上に、前記ゲート絶縁膜6を挟んで前記画素電極4の
縁部に対向する補償容量電極8を設けることにより、こ
の補償容量電極8と前記画素電極4の縁部とその間のゲ
ート絶縁膜6とによって形成されている。
【0049】そして、前記後側基板3の内面には、前記
複数のTFT5と前記データラインDLを覆ってオーバ
ーコート絶縁膜9が形成されており、その上に、ポリイ
ミド等からなる配向膜11が、液晶層に対向する領域の
全体にわたって形成されている。
【0050】一方、前側基板2の内面に形成された対向
電極10は、前記複数の画素電極4の全てに対向する一
枚膜状の電極であり、この対向電極11の上に、ポリイ
ミド等からなる配向膜12が、液晶層に対向する領域の
全体にわたって形成されている。
【0051】そして、前記一対の基板2,3は、図示し
ない枠状のシール材を介して接合されており、こられの
基板2,3間の前記シール材で囲まれた領域に、液晶分
子の配向状態が、前記画素電極4と対向電極10との間
に印加される電圧に応じて、電圧が印加されないときの
予め規定された初期配向状態と、前記液晶分子が前記基
板2,3面に対して略水平或いは略垂直に配向する電圧
を印加したときの飽和配向状態(電極間電圧を高くする
のにともなう液晶分子の倒伏または立ち上がり挙動が見
掛け上限界に達し、それ以上に電極間電圧を高くして
も、液晶分子がほとんど挙動しなくなるときの配向状
態)との間で変化する液晶層13が設けられている。
【0052】この実施例の液晶素子1は、前記一対の基
板2,3間に、誘電異方性Δεが正(Δε>0)のネマ
ティック液晶からなる液晶層13を設け、その液晶層1
3の液晶分子の初期配向状態を、液晶分子がツイストす
ることなく一方方向に且つ基板2,3面と実質的に平行
に配向したホモジニアス配向としたものであり、前記一
対の基板2,3の内面にそれぞれ設けられた配向膜1
1,12は、互いに略平行で且つ互いに逆方向に配向処
理され、前記液晶層13の液晶分子は、前記配向膜1
1,12の配向処理方向と略平行に、且つ、前記基板
2,3面に対して予め定めたプレチルト角をもって、前
記基板2,3面と実質的に平行に配向している。
【0053】なお、この実施例では、前記液晶素子1の
液晶層13の液晶分子を、図1に示したように、画面の
横軸xと実質的に平行な方向に沿わせてホモジニアス配
向させている。
【0054】また、前記一対の偏光板14,15は、図
1のように、その透過軸14a,15aを前記液晶素子
1の液晶分子のホモジニアス配向方向(画面の横軸xと
実質的に平行な方向)1aに対して実質的に45°の角
度で交差させるとともに、それぞれの透過軸14a,1
5aを実質的に互いに直交させて配置されている。
【0055】さらに、前記液晶素子1の液晶層13は、
液晶分子が前記ホモジニアス配向状態(初期配向状態)
と前記飽和配向状態との間の基板2,3面に対して予め
定めた傾き角で配向した傾斜配向状態において、前記一
対の偏光板14,15の間を透過する光、つまり後側の
偏光板15により直線偏光とされて入射し、液晶素子1
の液晶層13を透過して前側の偏光板14に入射する光
に、その波長λの1/2の整数倍の光路長差を与える屈
折率異方性Δnを有する液晶からなっている。
【0056】なお、この実施例の液晶表示装置は、前記
一対の偏光板14,15をそれぞれ前記液晶素子1に直
接対向させて配置したものであり、前記一対の偏光板1
4,15の間を透過する光に光路長差を与えるのは前記
液晶素子1の液晶層13だけである。
【0057】そのため、この実施例では、前記液晶素子
1の液晶層13を、液晶分子が前記ホモジニアス配向状
態と飽和配向状態との間の基板2,3面に対して予め定
めた傾き角で配向した傾斜配向状態において、前記液晶
層13を透過する光にその波長λの1/2の整数倍の光
路長差を与える屈折率異方性Δnを有する液晶により形
成している。
【0058】さらに、この実施例では、前記液晶素子1
の液晶層13を、前記ホモジニアス配向状態において、
液晶層13を透過する光にその波長λの1/2の奇数
倍、例えばλ/2の光路長差を与え、前記基板2,3面
に対して予め定めた傾き角で配向した傾斜配向状態にお
いて、前記液晶層13を透過する光にその波長λの1/
2の偶数倍、例えばλの光路長差を与える屈折率異方性
Δnと液晶層厚dを有する液晶により形成している。
【0059】次に、前記液晶素子1の液晶分子の配向状
態を制御するための配向制御手段20について説明す
る。
【0060】この配向制御手段20は、その構成は図示
しないが、前記液晶素子1の複数のゲートラインGLに
ゲート信号を供給するゲート側ドライバと、前記液晶素
子1の複数のデータラインGLにデータ信号を供給する
データ側ドライバと、これらのドライバの制御部とから
なっており、前記液晶素子1の各行のTFT4を前記ゲ
ートラインGLからのゲート信号の供給により順次オン
させ、前記複数のデータラインGLから前記TFT4を
介して前記画素電極4にデータ信号を供給することによ
り、前記液晶素子1の画素電極4と対向電極10との間
に電圧を印加して液晶分子の配向状態を制御する。
【0061】そして、この配向制御手段20は、前記液
晶素子1の電極4,13間に、液晶分子を実質的に前記
ホモジニアス配向状態に配向させる電圧と前記液晶分子
を実質的に前記飽和配向状態に配向させる電圧との差よ
りも小さい値の変化幅の電圧を印加して液晶分子の配向
状態を制御するように構成されている。
【0062】さらに、この配向制御手段20は、前記液
晶素子1の電極4,10間に、液晶分子の挙動により変
化する前記液晶容量CLCの変化量が、前記補償容量C
sの静電容量値よりも小さい範囲、好ましくは、液晶分
子の挙動による液晶容量C の変化量が前記補償容量
Csの静電容量値の1/5〜1/10よりも小さい範囲
で液晶分子の配向状態を変化させる電圧を印加するよう
に構成されている。
【0063】この実施例では、前記配向制御手段20
を、前記液晶素子1の電極4,10間に、液晶分子の配
向状態を、基板2,3面に対して実質的に水平に配向す
る状態と、その配向状態からの液晶分子の挙動による前
記液晶容量CLCの変化量が前記補償容量Csの静電容
量値よりも小さい範囲の配向状態との間で変化させる電
圧を印加するように構成している。
【0064】なお、上述したように、前記液晶素子1の
液晶分子の初期配向状態は、液晶分子が基板2,3面に
対して予め定めたプレチルト角をもって実質的に水平で
且つ一方方向に配向したホモジニアス配向状態であり、
また、前記液晶素子1の液晶層13は、前記ホモジニア
ス配向状態において、液晶層13を透過する光にλ(透
過光の波長λの1/2の偶数倍)の光路長差を与え、液
晶分子が前記ホモジニアス配向状態と飽和配向状態との
間の基板2,3面に対して予め定めた傾き角で配向した
傾斜配向状態において、前記液晶層13を透過する光に
λ/2(透過光の波長λの1/2の奇数倍)の光路長差
を与える屈折率異方性Δnと液晶層厚dを有する液晶か
らなっている。
【0065】そのため、前記配向制御手段20は、前記
液晶分子の配向状態を実質的に、液晶層13を透過する
光にλの光路長差を与えるホモジニアス配向状態と、液
晶層13を透過する光にλ/2の光路長差を与える傾斜
配向状態との間で変化させる電圧を前記液晶素子1の電
極4,10間に印加するように構成されている。
【0066】図4は前記液晶素子1の液晶分子の配向状
態の変化を示す模式図であり、(a)は、前記液晶素子
1の電極4,10間に、前記配向制御手段20による印
加電圧範囲のうちの最も低い電圧Vを印加し、液晶分
子13aを実質的に、液晶層13を透過する光にλの光
路長差を与えるホモジニアス配向状態に配向させた状
態、(b)は、前記液晶素子1の電極4,10間に、前
記印加電圧範囲のうちの最も高い電圧Vを印加し、液
晶分子13aを、液晶層13を透過する光にλ/2の光
路長差を与える傾斜配向状態に配向させた状態を示して
いる。
【0067】そして、この実施例では、前記一対の偏光
板14,15を、それぞれの透過軸14a,15aを実
質的に互いに直交させて配置しているため、前記液晶分
子13aを前記予め定めた傾き角で配向した傾斜配向状
態(液晶層13を透過する光にλ/2の光路長差を与え
る配向状態)に配向させたときに透過率が最も低くな
り、その状態から前記液晶分子13aの配向状態を基板
2,3面に対して倒伏する方向に変化させるのにともな
って透過率が変化し、液晶分子13aを前記ホモジニア
ス配向状態(液晶層13を透過する光にλの光路長差を
与える配向状態)に配向させたときに透過率が最も高く
なる。
【0068】すなわち、図4の(a)のように、前記印
加電圧範囲のうちの最も低い電圧V の印加により、液
晶分子13aを実質的に、液晶層13を透過する光にλ
の光路長差を与えるホモジニアス配向状態に配向させる
と、後側偏光板15により直線偏光とされて入射し、液
晶素子1の液晶層13を透過した光が、前側偏光板14
の透過軸14aに対して略直交する直線偏光となって前
記前側偏光板14に入射し、その光のほとんどが前記前
側偏光板14により吸収されて、その画素の表示が黒に
なる。
【0069】また、図4の(b)のように、前記印加電
圧範囲のうちの最も高い電圧Vの印加により、液晶分
子13aを、液晶層13を透過する光にλ/2の光路長
差を与える傾斜配向状態に配向させると、後側偏光板1
5により直線偏光とされて入射し、液晶素子1の液晶層
13を透過した光が、前側偏光板14の透過軸14aに
沿った直線偏光となって前記前側偏光板14に入射し、
その光のほとんどが前記前側偏光板14を透過して前側
に出射して、その画素の表示が白になる。
【0070】すなわち、この液晶表示装置は、前記配向
制御手段20により、前記液晶素子1の電極4,10間
に、液晶分子を実質的に、初期配向状態であるホモジニ
アス配向状態に配向させる電圧と前記液晶分子を飽和配
向状態に配向させる電圧との差よりも小さい値の変化幅
の電圧を印加することにより、前記液晶分子の配向状態
を、印加電圧に応じて挙動し得る挙動可能範囲(ホモジ
ニアス配向状態から飽和配向状態までの範囲)のうち、
その範囲の一端の配向状態、つまり前記飽和配向状態に
なる側の配向状態を除いた範囲内で制御するようにした
ものである。
【0071】この液晶表示装置は、液晶素子1の液晶分
子の配向状態を、その挙動可能範囲の一端の配向状態
(飽和配向状態になる側の配向状態)を除いた範囲内で
制御するものであるため、TFT5がオフしたときの電
極間電圧の低下量の変動(TFT5のオン時に画素電極
4に供給されたデータ信号の電位に応じた変動)が小さ
い。
【0072】すなわち、図5は、TFT5のオン時に画
素電極4に供給されたデータ信号の電位と、前記TFT
5がオフしたときの画素電極4の電位(以下、画素電位
と言う)の低下量ΔVを示している。
【0073】図5において、Vは液晶分子を初期配向
と実質的に等しいホモジニアス配向状態に配向させるた
めのデータ信号電位、Vは液晶分子を基板2,3面に
対して略垂直に立ち上がった飽和配向状態に配向させる
ためのデータ信号電位、Vは液晶分子を前記ホモジニ
アス配向状態と飽和配向状態の間の任意の立ち上がり角
の傾斜配向状態に配向させるためのデータ信号電位、V
comは対向電極電位であり、前記対向電極電位V
comは、予め定めた電位のデータ信号を、フレーム毎
に正負を交互に反転させて前記画素電極4に供給したと
きの、正のデータ信号の印加に対するTFT5のオフ後
の画素電位と、負のデータ信号の印加に対するTFT5
のオフ後の画素電位との中間の値に設定されている。V
,V,V 図5に示したように、前記画素電位は、
TFT5のオン時に画素電極4に供給されたV
,Vのいずれかのデータ信号電位に上昇し、前記
TFT5がオフしたときに、図3に示したTFT5のゲ
ート,ソース電極間の浮遊容量Cgsへの分圧により、前
記画素電極に保持される保持電位に低下する。
【0074】そして、前記TFT5がオフしたときの画
素電位の低下量ΔVは、TFT5のオン時に画素電極4
に供給されたデータ信号V,V,Vの電位によっ
て異なるため、前記液晶素子1の液晶分子の配向状態を
前記挙動可能範囲(ホモジニアス配向状態から飽和配向
状態までの範囲)の全域で制御すると、TFT5がオフ
したときの画素電位の低下量ΔVが、TFT5のオン時
に画素電極4に供給されたデータ信号の電位に応じて大
きく変動し、フレーム毎に正負を交互に反転させて電極
間に印加される電圧にDCアンバランスが生じ、電極
4,10間に印加される正負の電圧に差が生じて表示に
フリッカを発生させる。また、前記DCアンバランスが
大きいと、電極4,10間に電荷の偏りが生じ、液晶中
に存在する浮遊イオンが一方の基板側に集まって表示の
焼き付きを発生させる。
【0075】しかし、この実施例の液晶表示装置は、前
記液晶素子1の液晶分子の配向状態を、その挙動可能範
囲の一端の配向状態、つまり飽和配向状態になる側の配
向状態を除いた範囲内で制御するものであるため、TF
T5がオフしたときの、前記TFT5のオン時に画素電
極4に供給されたデータ信号の電位に応じた画素電位の
低下量ΔVの変動が、液晶分子の配向状態を前記挙動可
能範囲の全域で制御する場合に比べて充分に小さい。
【0076】すなわち、前記液晶素子1の各画素の補償
容量をCs、TFT5のゲート,ソース電極間の浮遊容
量をCgs、液晶分子が基板2,3面に対して実質的に平
行なホモジニアス配向状態に配向したときの各画素の液
晶容量をCLC水平、液晶分子が基板2,3面に対して
実質的に垂直な飽和配向状態に配向したときの液晶容量
をCLC垂直、液晶分子が前記初期配向状態と飽和配向
状態との間の傾斜配向状態に配向したときの液晶容量を
LC傾斜、TFT5のオン時に画素電極4に供給され
たデータ信号の電位をV、液晶分子の配向状態を前記ホ
モジニアス配向状態から飽和配向状態までの挙動可能範
囲で制御した場合のTFT5がオフしたときの前記デー
タ信号の電位に応じた画素電位の低下量ΔVの変動量を
ΔΔV通常、液晶分子の配向状態を前記ホモジニアス配
向状態と傾斜配向状態との間の範囲で制御した場合のT
FT5がオフしたときの前記データ信号の電位に応じた
画素電位の低下量ΔVの変動量をΔΔV傾斜、液晶分子
の配向状態を前記ホモジニアス配向状態と傾斜配向状態
との間の範囲で制御した場合のTFT5のオン−オフに
よる液晶容量CLCの誘電率変化量をΔC傾斜とする
と、前記液晶容量CLCの誘電率変化量ΔC傾斜は、 ΔC傾斜=CLC傾斜−CLC水平 である。
【0077】したがって、前記ΔΔV傾斜は、 ΔΔV傾斜=Cgs・V/{1/(Cgs+LCs+CLC水平)−1/(Cgs+Cs+CLC傾斜)} =Cgs・V(CLC傾斜−CLC水平)/{(Cgs+Cs+CLC傾斜)(Cgs+Cs+CLC水平)} =Cgs・V・ΔC傾斜/{(Cgs+Cs+CLC垂直)(Cgs+Cs+CLC水平)} となる。
【0078】そして、前記ΔC傾斜は、ΔC傾斜=C
LC傾斜−CLC水平であり、したがって、CLC垂直
>>CLC傾斜>>CLC水平であるため、 ΔΔV通常>>ΔΔV傾斜 となる。
【0079】このように、この実施例の液晶表示装置
は、TFT5がオフしたときのデータ信号の電位に応じ
た画素電位の低下量ΔVの変動量(ΔΔV傾斜)が、液
晶分子の配向状態を前記挙動可能範囲の全域で制御する
場合の変動量(ΔΔV通常)に比べて充分に小さいた
め、フレーム毎に正負を交互に反転させて電極4,10
間に印加される電圧に生じるDCアンバランスを小さく
し、液晶素子1の電極4,10間に印加される正負の電
圧差が小さくして、DCアンバランスによる表示のフリ
ッカや焼き付きの発生を防ぐことができる。
【0080】しかも、この液晶表示装置は、上記のよう
に、液晶素子1の液晶分子の配向状態を、その挙動可能
範囲の一端の配向状態を除いた範囲内で制御するもので
あるため、液晶の誘電異方性Δεの値が大きく、液晶層
13の静電容量が大きくても、液晶分子の挙動により変
化する液晶容量CLCの変化量を小さくし、前記液晶容
量CLCの変化によるフリッカの発生を防ぐことができ
る。
【0081】そのため、前記液晶素子1の後側基板3の
内面に各画素の液晶容量CLCと並列に接続して形成さ
れた補償容量Csの静電容量の値を、前記TFT5の浮
遊容量(ゲート,ソース電極間の容量)に較べて充分大
きくする必要がなく、したがって、前記補償容量Csを
形成するための補償容量電極8の面積が小さくてよいた
め、液晶素子1の開口率を高くすることができる。
【0082】したがって、この液晶表示装置によれば、
表示にフリッカや焼き付きを生じさせること無く液晶の
誘電異方性Δεの値を大きくし、応答速度を速くするこ
とができる。
【0083】また、この液晶表示装置は、前記配向制御
手段20を、前記液晶素子1の電極4,10間に、液晶
分子の挙動により変化する前記液晶容量CLCの変化量
が、前記補償容量Csの静電容量値よりも小さい範囲で
液晶分子の配向状態を変化させる電圧を印加するように
構成しているため、前記液晶容量CLCの変化によるフ
リッカの発生を、より効果的に防ぐことができ、したが
って、前記補償容量電極8の面積をより小さくし、前記
液晶素子1の開口率をさらに高くすることができる。
【0084】前記配向制御手段20は、前記液晶素子1
の電極4,10間に、液晶分子の挙動により変化する前
記液晶容量CLCの変化量が前記補償容量Csの静電容
量値の1/5〜1/10よりも小さい範囲で液晶分子の
配向状態を変化させる電圧を印加するように構成するの
が好ましく、このようにすることにより、前記液晶容量
LCの変化によるフリッカの発生をさらに効果的に防
ぎ、液晶素子1の開口率をさらに高くすることができ
る。
【0085】さらに、この実施例では、前記液晶素子1
の液晶層13を、初期配向状態であるホモジニアス配向
状態において、液晶層13を透過する光にその波長λの
1/2の偶数倍(この実施例ではλ)の光路長差を与
え、前記ホモジニアス配向状態と飽和配向状態の間の傾
斜配向状態において、前記液晶層13を透過する光にそ
の波長λの1/2の奇数倍(この実施例ではλ/2)の
光路長差を与える屈折率異方性Δnと液晶層厚dを有す
る液晶により形成しているため、前記液晶層13の液晶
分子13aを図4の(a)のように、ホモジニアス配向
状態に配向させたときに、その画素の表示が黒になり、
前記液晶層13の液晶分子13aを図4の(b)のよう
に基板面2,3に対して予め定めた傾き角で配向した傾
斜配向状態に配向させたときに、その画素の表示が白に
なる。
【0086】また、この実施例の液晶表示装置は、前記
液晶素子1の液晶層13の初期配向状態を、液晶分子が
ツイストすることなく一方方向に且つ基板2,3面と実
質的に平行に配向したホモジニアス配向としているた
め、液晶分子の配向及び液晶素子1の構造が単純であ
り、生産性に優れている。
【0087】なお、上記実施例では、液晶素子1の液晶
分子の配向状態を、初期配向状態であるホモジニアス配
向状態と、前記ホモジニアス配向状態と飽和配向状態
(液晶分子が基板2,3面に対して略垂直に配向する電
圧を印加したときの配向状態)との間の基板2,3面に
対して予め定めた傾き角で配向した傾斜配向状態との間
の範囲で変化させるようにしているが、前記液晶素子1
の液晶分子の配向状態は、前記傾斜配向状態と前記飽和
配向状態との間の範囲で変化させてもよい。
【0088】その場合は、前記一対の偏光板14,15
の透過軸14a,15aの向きを上記実施例と同じ(図
1参照)にし、前記液晶素子1の液晶層13を、基板
2,3面に対して予め定めた傾き角で配向した傾斜配向
状態において、前記液晶層13を透過する光にその波長
λの1/2の奇数倍、例えばλ/2の光路長差を与え、
前記飽和配向状態に配向したときに、液晶層13を透過
する光に与える光路長差が実質的に0になる液晶により
形成するとともに、配向制御手段20を、液晶層13を
透過する光にλ/2の光路長差を与える傾斜配向状態と
前記飽和配向状態との間で前記液晶分子の配向状態を、
変化させる電圧を前記液晶素子1の電極4,10間に印
加するように構成すればよい。
【0089】図6は、この発明の第2の実施例を示す、
液晶素子1の液晶分子の配向状態を前記傾斜配向状態と
飽和配向状態との間の範囲で変化させる場合の液晶分子
の配向状態の変化を示す模式図であり、(a)は、前記
液晶素子1の電極4,10間に、前記配向制御手段20
による印加電圧範囲のうちの最も低い電圧Vを印加
し、液晶分子13aを液晶層13を透過する光にλ/2
の光路長差を与える傾斜配向状態に配向させた状態、
(b)は、前記液晶素子1の電極4,10間に、前記印
加電圧範囲のうちの最も高い電圧Vを印加し、液晶分
子13aを、液晶層13を透過する光に与える光路長差
が実質的に0になる飽和配向状態に配向させた状態を示
している。
【0090】この実施例の液晶表示装置では、前記一対
の偏光板14,15が、それぞれの透過軸14a,15
aを実質的に互いに直交させて配置されているため、図
6の(a)のように、前記印加電圧範囲のうちの最も低
い電圧Vの印加により、液晶分子13aを液晶層13
を透過する光にλ/2の光路長差を与える傾斜配向状態
に配向させると、後側偏光板15により直線偏光とされ
て入射し、液晶素子1の液晶層13を透過した光が、前
側偏光板14の透過軸14aに沿った直線偏光となって
前記前側偏光板14に入射し、その光のほとんどが前記
前側偏光板14を透過して前側に出射して、その画素の
表示が白になる。
【0091】また、図6の(b)のように、前記印加電
圧範囲のうちの最も高い電圧Vの印加により、液晶分
子13aを、液晶層13を透過する光に与える光路長差
が実質的に0になる飽和配向状態に配向させると、後側
偏光板15により直線偏光とされて入射し、液晶素子1
の液晶層13を透過した光が、偏光状態をほとんど変え
ずに前側偏光板14に入射し、その光のほとんどが前記
前側偏光板14により吸収されて、その画素の表示が黒
になる。
【0092】この実施例の液晶表示装置も、液晶素子1
の液晶分子の配向状態を、その挙動可能範囲の一端の配
向状態(この実施例では、初期配向状態であるホモジニ
アス配向状態になる側の配向状態)を除いた範囲内で制
御するものであるため、前記挙動可能範囲の全域で液晶
分子の配向状態を制御する場合に比べて、TFT5がオ
フしたときの画素電位の低下量の変動ΔΔV(TFT5
のオフ時に画素電極4に供給されたデータ信号の電位か
ら降下する電圧降下量の前記データ信号の電位の違いに
よる変動)が小さく、したがって、表示にフリッカや焼
き付きを生じさせること無く液晶の誘電異方性Δεの値
を大きくし、応答速度を速くすることができる。
【0093】なお、上記第1及び第2の実施例では、一
対の偏光板14,15をそれぞれ液晶素子1に直接対向
させて配置しているが、前記液晶素子1と一対の偏光板
14,15の少なくとも一方との間に、表示の視野角や
コントラストを向上させるための位相板を配置してもよ
い。
【0094】図7はこの発明の第3の実施例を示す液晶
表示装置の分解斜視図であり、この実施例の液晶表示装
置は、液晶素子1と、前記液晶素子1を挟んで配置され
た一対の偏光板14,15と、前記液晶素子1と前側偏
光板14との間に配置された視野角やコントラストを向
上させるための位相板16と、前記液晶素子1の液晶分
子の配向状態を制御するための配向制御手段20とを備
えている。
【0095】前記液晶素子1は、図2に示したような、
TFT5をアクティブ素子とするアクティブマトリック
ス型素子であり、その液晶層13の液晶分子の初期配向
状態は、基板2,3面に対して予め定めたプレチルト角
をもって実質的に水平に且つ一方方向に配向したホモジ
ニアス配向状態である。
【0096】そして、前記位相板16は、図7のよう
に、その遅相軸16aを前記液晶素子1の液晶分子のホ
モジニアス配向方向(画面の横軸xと実質的に平行な方
向)1aに対して実質的に45°の角度で交差させて配
置され、前側偏光板14は、その透過軸14aを前記位
相板16の遅相軸16aに対して実質的に45°の角度
で交差させて配置されており、後側偏光板15は、その
透過軸15aを前記前側偏光板14の透過軸14aと実
質的に直交させて配置されている。
【0097】また、前記配向制御手段20は、前記液晶
素子1の電極4,10間に、前記液晶分子の配向状態
を、実質的にホモジニアス配向状態と飽和配向状態(液
晶分子が基板2,3面に対して略垂直に配向する電圧を
印加したときの配向状態)とのいずれか一方の配向状態
と、前記液晶分子が前記初期配向状態と飽和配向状態と
の間の基板2,3面に対して予め定めた傾き角で配向し
た傾斜配向状態との間で変化させる電圧を前記液晶素子
1の電極4,10間に印加するように構成されている。
【0098】そして、この実施例では、前記液晶素子1
の液晶の屈折率異方性Δnと液晶層厚dとの積Δndの
値と、前記位相板16のリタデーションとを、前記液晶
分子が前記予め定めた傾き角の傾斜配向状態に配向した
ときに、一対の偏光板14,15の間を透過する光、つ
まり前記液晶層13と位相板16の両方を透過する光
に、その波長λの1/2の整数倍の光路長差を与えるよ
うに設定している。
【0099】なお、前記配向制御手段20により前記液
晶素子1の電極4,10間に印加する電圧を、前記液晶
分子の配向状態を実質的にホモジニアス配向状態と前記
予め定めた傾き角の傾斜配向状態との間で変化させる場
合は、前記液晶素子1の液晶層13を、液晶分子が実質
的に前記ホモジニアス配向状態に配向したときに、前記
液晶層13と位相板16の両方を透過する光にその波長
λの1/2の奇数倍、例えばλ/2の光路長差を与え、
液晶分子が前記予め定めた傾き角の傾斜配向状態に配向
したときに、前記液晶層13と位相板16の両方を透過
する光に、実質的に0、または透過光の波長λの1/2
の偶数倍、例えばλの光路長差を与える屈折率異方性Δ
nと液晶層厚dを有する液晶により形成する。
【0100】この構成の液晶表示装置は、前記液晶素子
1の液晶分子を実質的にホモジニアス配向状態に配向さ
せたときに、その画素の表示が白になり、前記液晶分子
を前記予め定めた傾き角の傾斜配向状態に配向させたと
きに、その画素の表示が黒になる。
【0101】また、前記配向制御手段20により前記液
晶素子1の電極4,10間に印加する電圧を、前記液晶
分子の配向状態を前記予め定めた傾き角の傾斜配向状態
と前記飽和配向状態との間で変化させる場合は、前記液
晶素子1の液晶層13を、液晶分子が前記予め定めた傾
き角の傾斜配向状態に配向したときに、前記液晶層13
と位相板16の両方を透過する光にその波長λの1/2
の奇数倍、例えばλ/2の光路長差を与え、液晶分子が
実質的に前記飽和配向状態に配向したときに、前記液晶
層13と位相板16の両方を透過する光に実質的に0の
光路長差を与える屈折率異方性Δと液晶層厚dを有する
液晶により形成する。
【0102】この構成の液晶表示装置は、上記第2の実
施例と同様に、前記液晶素子1の液晶分子を前記予め定
めた傾き角の傾斜配向状態に配向させたときに、その画
素の表示が白になり、前記液晶分子を実質的に飽和配向
状態に配向させたときに、その画素の表示が黒になる。
【0103】図8は、前記液晶素子1の液晶層13を、
屈折率異方性Δnと液晶層厚dと誘電異方性Δεが、Δ
n=0.113、d=5.2μm、Δε=7.7の液晶
により形成したときの、電極間電圧VLCと液晶層13
を透過する光に与えられる光路長差との関係を示してい
る。
【0104】図8のように、この液晶表示装置は、電極
間電圧VLCを実質的に0Vにしたときに、液晶分子1
3aが実質的に、液晶層13と位相板16の両方を透過
する光に0.588μmの光路長差を与えるホモジニア
ス配向状態に配向して表示が白になり、前記電極間電圧
LCを約2Vにしたときに、液晶分子13aが、液晶
層13と位相板16の両方を透過する光に0.313μ
mの光路長差を与える傾斜配向状態に配向して表示が黒
になる。
【0105】つまり、この液晶表示装置は、液晶素子1
の電極間電圧が0Vのときと、2Vとのときとで、透過
光の光路長差をその波長λ(λ=550nm)のλ/2
(0.588μm−0.313μm=0.275μm=λ
/2)の範囲で変化させ、白黒表示を行なうものであ
る。
【0106】したがって、この液晶表示装置は、前記液
晶素子1の液晶層13を、Δn=0.113、d=5.
2μm、Δε=7.7の液晶により形成することによ
り、前記液晶素子1を約2Vの比較的低い電圧で駆動
し、しかもコントラストが充分な表示を得ることができ
る。 このように、この実施例の液晶表示装置は、液晶
素子1の液晶分子の配向状態を、その挙動可能範囲のい
ずれか一端、つまり、初期配向状態であるホモジニアス
配向状態になる側と、飽和配向状態になる側とのいずれ
か一方の配向状態を除いた範囲内で制御するものである
ため、前記挙動可能範囲の全域で液晶分子の配向状態を
制御する場合に比べて、TFT5がオフしたときの電極
間電圧の低下量の変動(TFT5のオフ時に画素電極4
に供給されたデータ信号の電位から降下する電圧降下量
の前記データ信号の電位の違いによる変動)が小さく、
したがって、表示にフリッカや焼き付きを生じさせるこ
と無く液晶の誘電異方性Δεの値を大きくし、応答速度
を速くすることができる。
【0107】この実施例においても、前記配向制御手段
20は、前記液晶素子1の電極4,10間に、液晶分子
の挙動により変化する前記液晶容量CLCの変化量が、
前記補償容量Csの静電容量値よりも小さい範囲、好ま
しくは前記補償容量Csの静電容量値の1/5〜1/1
0よりも小さい範囲で液晶分子の配向状態を変化させる
電圧を印加するように構成するのが望ましく、このよう
にすることにより、前記液晶容量CLCの変化によるフ
リッカの発生をより効果的に防ぐことができるため、補
償容量電極8の面積をより小さくし、前記液晶素子1の
開口率を高くすることができる。
【0108】なお、この実施例では、前記液晶素子1の
液晶分子が実質的にホモジニアス配向状態に配向したと
きに液晶層13と位相板16の両方を透過する光に与え
る光路長差をλ/2としたが、液晶分子が実質的にホモ
ジニアス配向状態に配向したときに液晶層13と位相板
16の両方を透過する光に与える光路長差は、透過光の
波長λの1/2の奇数倍であれば、例えば3λ/2でも
よい。
【0109】さらに、この実施例では、液晶素子1と前
側偏光板14との間に位相板16を配置しているが、前
記位相板16は、前記液晶素子1と後側偏光板15との
間に配置してもよい。
【0110】また、位相板は1枚に限らず、複数の位相
板を、前記液晶素子1と一方の偏光板14または15と
の間に積層して配置するか、或いは前記複数の位相板
を、前記液晶素子1を挟んで前後の偏光板14,15と
の間に配置してもよく、その場合は、前記液晶素子1の
液晶層13を、液晶分子が前記予め定めた傾き角の傾斜
配向状態に配向したときに、前記液晶層13と複数の位
相板の両方を透過する光に、その波長λの1/2の整数
倍の光路長差を与える屈折率異方性Δnと液晶層厚dを
有する液晶により形成すればよい。
【0111】また、上記第1〜第3の実施例の液晶表示
装置は、液晶素子1の液晶分子の初期配向状態を、液晶
分子がツイストすることなく一方方向に且つ基板2,3
面と実質的に平行に配向したホモジニアス配向としたも
のであるが、前記液晶素子1の液晶層13は、前記ホモ
ジニアス配向に限らず、液晶分子が一対の基板間でツイ
ストして配向したツイスト配向、液晶分子が基板面に対
して実質的に垂直に配向したホメオトロピック配向、液
晶分子が一方の基板側で実質的に垂直に他方の基板側で
実質的に水平に配向したハイブリッド配向のうちのいず
れか1つの初期配向状態を有する液晶により形成しても
よい。
【0112】その場合も、前記配向制御手段20は、前
記液晶素子1の電極4,10間に、液晶層13の液晶分
子を実質的に前記初期配向状態に配向させる電圧と前記
液晶分子を実質的に飽和配向状態(液晶分子が基板2,
3面に対して略水平或いは略垂直に配向する電圧を印加
したときの配向状態)に配向させる電圧との差よりも小
さい値の変化幅の電圧を印加するように構成すればよ
い。
【0113】また、前記液晶素子1の液晶分子の初期配
向状態を、前記ツイスト配向、ホメオトロピック配向、
ハイブリッド配向のいずれにする場合も、一対の偏光板
14,15は、上記実施例と同様に、それぞれの透過軸
14a,15aを実質的に互いに直交させて配置すれば
よい。
【0114】さらに、前記液晶素子1の液晶層13は、
液晶分子が初期配向状態と飽和配向状態(液晶分子が基
板2,3面に対して略水平或いは略垂直に配向する電圧
を印加したときの配向状態)との間の基板2,3面に対
して予め定めた傾き角で配向した傾斜配向状態におい
て、液晶層13を透過する光にその波長λの1/2の整
数倍の光路長差を与える屈折率異方性Δnを有する液
晶、好ましくは、前記傾斜配向状態と、前記初期配向状
態と飽和配向状態のいずれかの配向状態とのうち、一方
の配向状態において、透過光にその波長λの1/2の奇
数倍の光路長差を与え、他方の配向状態において、実質
的に0または透過光の波長λの1/2の偶数倍の光路長
差を与える屈折率異方性Δnを有する液晶により形成す
るとともに、配向制御手段20を、前記液晶分子の配向
状態を前記一方の配向状態と他方の配向状態との間で変
化させる電圧を前記液晶素子1の電極4,10間に印加
するように構成すればよい。
【0115】図9は、この発明の第4の実施例を示す、
液晶素子1の液晶分子の初期配向状態をホメオトロピッ
ク配向としたときの液晶分子の配向状態の変化を示す模
式図である。
【0116】この実施例は、前記液晶素子1の液晶層1
3を、誘電異方性Δεが負(Δε<0)で、液晶分子1
3aが初期配向状態であるホメオトロピック配向状態に
配向したときに、液晶層13を透過する光にあたえる光
路長差が実質的に0になり、前記液晶分子13aが前記
ホメオトロピック配向状態と飽和配向状態(液晶分子1
3aが基板2,3面に対して略水平に配向する電圧を印
加したときの配向状態)との間の予め定めた傾き角の傾
斜配向状態に配向したときに、液晶素子1を挟んで図1
及び図7のように透過軸14a,15aを実質的に直交
させて配置された一対の偏光板14,15の間を透過す
る光(位相板16を備えない場合は、液晶素子1の液晶
層13を透過する光、位相板16を備える場合は、前記
液晶層13と位相板16の両方を透過する光)に、その
波長の1/2の奇数倍、例えばλ/2の光路長差を与え
る屈折率異方性Δnと液晶層厚dを有するネマティック
液晶により形成したものである。
【0117】そして、この実施例では、前記液晶素子1
の電極4,10間に電圧を印加で前記液晶分子の配向状
態を制御する配向制御手段20(図1及び図7参照)
を、前記液晶分子13aを実質的に、前記ホメオトロピ
ック配向状態と前記予め定めた傾き角の傾斜配向状態と
の間で変化させる電圧を前記液晶素子1の電極4,10
間に印加するように構成している。
【0118】図9において、(a)は、前記液晶素子1
の電極4,10間に、前記配向制御手段20による印加
電圧範囲のうちの最も低い電圧Vを印加し、液晶分子
13aを実質的に前記ホメオトロピック配向状態に配向
させた状態、(b)は、前記液晶素子1の電極4,10
間に、前記印加電圧範囲のうちの最も高い電圧Vを印
加し、液晶分子13aを前記予め定めた傾き角の傾斜配
向状態(液晶層13を透過する光にλの光路長差を与え
る配向状態)に配向させた状態を示している。
【0119】この実施例の液晶表示装置では、図9の
(a)のように、前記印加電圧範囲のうちの最も低い電
圧Vの印加により、液晶分子13aを実質的に、液晶
層13を透過する光に実質的に0の光路長差を与えるホ
メオトロピック配向状態に配向させたときに、その画素
の表示が黒になり、図9の(b)のように、前記印加電
圧範囲のうちの最も高い電圧Vの印加により、液晶分
子13aを液晶層13を透過する光にλ/2の光路長差
を与える傾斜配向状態に配向させたときに、その画素の
表示が白になる。
【0120】この実施例の液晶表示装置も、液晶素子1
の液晶分子の配向状態を、その挙動可能範囲、つまり初
期配向状態であるホメオトロピック配向状態から飽和配
向状態までの範囲の一端の配向状態(この実施例では、
飽和配向状態になる側の配向状態)を除いた範囲内で制
御するものであるため、前記挙動可能範囲の全域で液晶
分子の配向状態を制御する場合に比べて、TFT5がオ
フしたときの電極間電圧の低下量の変動ΔΔVが小さ
く、したがって、表示にフリッカや焼き付きを生じさせ
ること無く液晶の誘電異方性Δεの値を大きくし、応答
速度を速くすることができる。
【0121】この実施例においても、前記配向制御手段
20は、前記液晶素子1の電極4,10間に、液晶分子
の挙動により変化する前記液晶容量CLCの変化量が、
前記補償容量Csの静電容量値よりも小さい範囲、好ま
しくは前記補償容量Csの静電容量値の1/5〜1/1
0よりも小さい範囲で液晶分子の配向状態を変化させる
電圧を印加するように構成するのが望ましく、このよう
にすることにより、前記液晶容量CLCの変化によるフ
リッカの発生をより効果的に防ぐことができるため、補
償容量電極8の面積をより小さくし、前記液晶素子1の
開口率を高くすることができる。
【0122】図10は、この発明の第5の実施例を示
す、液晶素子1の液晶分子の初期配向状態をハイブリッ
ド配向としたときの液晶分子の配向状態の変化を示す模
式図である。
【0123】この実施例は、前記液晶素子1の液晶層1
3を、誘電異方性Δεが負(Δε<0)または正(Δε
>0)で、液晶分子13aが初期配向状態であるハイブ
リッド配向状態と飽和配向状態(液晶の誘電異方性Δε
が負の場合は、液晶分子が基板2,3面に対して略水平
に配向する電圧を印加したときの配向状態、液晶の誘電
異方性Δεが正の場合は、液晶分子が基板2,3面に対
して略垂直に配向する電圧を印加したときの配向状態)
との間の予め定めた傾き角の傾斜配向状態に配向したと
きに、前記液晶層13を透過する光(位相板16を備え
ない場合は、液晶素子1の液晶層13を透過する光、位
相板16を備える場合は、前記液晶層13と位相板16
の両方を透過する光)に、その波長λの1/2の整数倍
の光路長差を与える屈折率異方性Δと液晶層厚dを有す
るネマティック液晶により形成したものである。
【0124】図10において、(a)は初期配向状態で
あるハイブリッド配向状態、(b),(c)は液晶の誘
電異方性Δεが負(Δε<0)であるときと、正(Δε
>0)であるときの傾斜配向状態を示しており、液晶の
誘電異方性Δεが負(Δε<0)であるときの傾斜配向
状態は、(b)のように、ハイブリッド配向した液晶分
子13aのうちの中間の傾き角、つまり基板2,3面に
対して略45°の傾き角で配向する液晶分子(図におい
てハッチングを施して液晶分子)の位置が垂直配向され
た基板(図では前側基板2)側に片寄った配向状態、液
晶の誘電異方性Δεが正(Δε>0)であるときの傾斜
配向状態は、(c)のように、前記中間の傾き角の液晶
分子13aの位置が水平配向された基板(図では後側基
板3)側に片寄った配向状態として模式的に表される。
【0125】そして、この実施例では、前記液晶素子1
の液晶層13を、前記ハイブリッド配向状態と、前記予
め定めた傾き角の傾斜配向状態のいずれかの配向状態と
のうち、一方の配向状態に液晶分子13aが配向したと
きに、前記一対の偏光板14,15の間を透過する光
に、その波長λの1/2の奇数倍、例えばλ/2の光路
長差を与え、一方の配向状態に液晶分子13aが配向し
たときに、前記一対の偏光板14,15の間を透過する
光に、その波長λの1/2の偶数倍、例えばλの光路長
差を与える液晶により形成している。
【0126】また、この実施例では、前記液晶素子1の
電極4,10間に電圧を印加する配向制御手段20(図
1及び図7参照)を、前記液晶分子13aを実質的に、
初期配向状態であるハイブリッド配向状態と前記2つの
傾斜配向状態のいずれかとの間で変化させる電圧を前記
液晶素子1の電極4,10間に印加するように構成して
いる。
【0127】なお、液晶分子13aを図10の(a)に
示したハイブリッド配向状態に配向させる電圧Vは、
実質的に略0Vでよい。また、液晶の誘電異方性Δεが
負(Δε<0)であるときに液晶分子13aを図10の
(b)に示した予め定めた傾き角の傾斜配向状態に配向
させる電圧Vと、液晶の誘電異方性Δεが正(Δε>
0)であるときに液晶分子13aを図10の(c)に示
した予め定めた傾き角の傾斜配向状態に配向させる電圧
は、同じ値の電圧でも、異なる値の電圧でもよい。
【0128】この液晶表示装置は、前記配向制御手段2
0からの印加電圧範囲のうちの最も低い電圧Vの印加
により、液晶分子13aを実質的に、図10の(a)の
ようなハイブリッド配向状態に配向させたときに、その
画素の表示が黒と白の一方の表示になり、前記印加電圧
範囲のうちの最も高い電圧VまたはVの印加によ
り、液晶分子13aを図10の(b)または(C)のよ
うな傾斜配向状態に配向させたときに、その画素の表示
が黒と白の他方の表示になる。
【0129】この実施例の液晶表示装置も、液晶素子1
の液晶分子の配向状態を、その挙動可能範囲、つまり初
期配向状態であるハイブリッド配向状態から飽和配向状
態までの範囲の一端の配向状態を除いた範囲内で制御す
るものであるため、前記挙動可能範囲の全域で液晶分子
の配向状態を制御する場合に比べて、TFT5がオフし
たときの電極間電圧の低下量の変動ΔΔVが小さく、し
たがって、表示にフリッカや焼き付きを生じさせること
無く液晶の誘電異方性Δεの値を大きくし、応答速度を
速くすることができる。
【0130】この実施例においても、前記配向制御手段
20は、前記液晶素子1の電極4,10間に、液晶分子
の挙動により変化する前記液晶容量CLCの変化量が、
前記補償容量Csの静電容量値よりも小さい範囲、好ま
しくは前記補償容量Csの静電容量値の1/5〜1/1
0よりも小さい範囲で液晶分子の配向状態を変化させる
電圧を印加するように構成するのが望ましく、このよう
にすることにより、前記液晶容量CLCの変化によるフ
リッカの発生をより効果的に防ぐことができるため、補
償容量電極8の面積をより小さくし、前記液晶素子1の
開口率を高くすることができる。
【0131】なお、上記第1〜第5の各実施例では、液
晶素子1の液晶分子の配向状態を、その挙動可能範囲
(初期配向状態から飽和配向状態までの範囲)の一端の
配向状態を除いた範囲内で制御するようにしているが、
前記液晶素子1の液晶分子の配向状態は、その挙動可能
範囲の両端の配向状態を除いた範囲内で制御するように
してもよい。
【0132】さらに、上記各実施例では、液晶素子1を
挟んで配置された前後一対の偏光板14,15の透過軸
14a,15aを実質的に直交させているが、前記偏光
板14,15の透過軸14a,15aの向きは、直交に
限らず、例えば実質的に平行してもよい。
【0133】また、上記各実施例の液晶表示装置は、い
ずれも、液晶素子1の後側に配置される図示しない光源
からの光を利用して表示する透過型表示装置であるが、
この発明は、外部環境の光である外光または液晶素子の
前側に配置される光源からの光を利用し、前側からの入
射光を液晶素子の後側に設けられた反射膜により反射し
て表示する反射型液晶表示装置にも適用することができ
る。
【0134】その場合、前記反射型液晶表示装置は、液
晶素子を挟んで前後一対の偏光板を配置し、後側の偏光
板の外面に反射膜を設けた構成としても、液晶素子の前
側だけに1枚の偏光板を配置し、前記液晶素子の後側基
板の内面に反射膜を設けた構成としてもよい。
【0135】なお、液晶素子の後側基板の内面に反射膜
を設けた内面反射型の液晶表示装置の場合は、液晶素子
の前側に配置された偏光板を透過して入射した光が前記
液晶素子の液晶層を往復して透過し、その光のうち、前
記偏光板の透過軸に沿った偏光成分の光が前側に出射す
るため、前記液晶素子の液晶層は、上記各実施例のよう
に液晶素子1を挟んで配置された一対の偏光板14,1
5の透過軸14a,15aを実質的に直交させた場合と
同じ、透過光にその波長λの1/2の整数倍の光路長差
を与える屈折率異方性を有する液晶により形成すればよ
い。
【0136】
【発明の効果】この発明の液晶表示装置は、互いに対向
する一対の基板の一方の内面に、複数の画素電極とこれ
らの画素電極にそれぞれ接続された複数のアクティブ素
子とが形成され、他方の基板の内面に、前記画素電極に
対向する対向電極が形成されるとともに、前記一対の基
板間に、液晶分子の配向状態が、前記電極間に印加され
る電圧に応じて、電圧が印加されないときの予め規定さ
れた初期配向状態と、印加電圧の変化に対して液晶分子
が実質的に挙動しなくなる充分高い電圧を印加したとき
の前記基板面に対して略垂直或いは略水平に配向する飽
和配向状態との間で変化する液晶層が設けられた液晶素
子と、前記液晶素子の少なくとも一方の面側に配置され
た偏光板と、前記液晶素子の電極間に、前記液晶層の液
晶分子を実質的に前記初期配向状態に配向させる電圧と
前記液晶分子を実質的に前記飽和配向状態に配向させる
電圧との差よりも小さい値の変化幅の電圧を印加して前
記液晶分子の配向状態を制御する配向制御手段とを備え
たものであるため、表示にフリッカや焼き付きを生じさ
せること無く液晶の誘電異方性Δεの値を大きくし、応
答速度を速くすることができる。
【0137】この液晶表示装置において、前記液晶素子
の一方の基板に、画素電極と対向電極及びこれらの電極
の間の液晶層とにより形成される液晶容量に対して並列
に接続された補償容量が形成されている場合、前記配向
制御手段は、前記液晶素子の電極間に、液晶分子の挙動
により変化する前記液晶容量の変化量が、前記補償容量
の静電容量値よりも小さい範囲で前記液晶分子の配向状
態を変化させる電圧を印加するように構成するのが好ま
しく、このようにすることにより、前記液晶容量の変化
によるフリッカの発生を効果的に防ぎ、液晶素子の開口
率を高くすることができる。
【0138】その場合、前記配向制御手段は、前記液晶
素子の電極間に、液晶分子の挙動による液晶容量の変化
量が補償容量の静電容量値の1/5〜1/10よりも小
さい範囲で前記液晶分子の配向状態を変化させる電圧を
印加するように構成するのが望ましく、このようにする
ことにより、前記液晶容量の変化によるフリッカの発生
をさらに効果的に防ぎ、液晶素子の開口率をさらに高く
することができる。
【0139】さらに、前記配向制御手段は、前記液晶素
子の電極間に、液晶分子を、基板面に対して実質的に水
平に配向する状態と前記基板面に対して実質的に垂直に
配向する状態のいずれか一方の配向状態と、前記基板面
に対して水平な方向と垂直な方向の間の斜めに傾いた方
向に配向する傾斜配向状態との間で挙動させる範囲の電
圧を印加するように構成するのが望ましく、このように
することにより、前記アクティブ素子がオフしたときの
データ信号の電位に応じた電極間電圧の低下量の変動量
を充分に小さくし、DCアンバランスによる表示のフリ
ッカや焼き付きの発生を防ぐことができる。
【0140】また、この液晶表示装置において、前記液
晶素子の液晶層は、特に、初期配向状態が前記ホモジニ
アス配向である液晶からなっているのが好ましく、この
ようにすることにより、液晶分子の配向及び液晶素子の
構造を単純にし、生産性を良くすることができる。
【0141】そして、前記液晶素子の液晶層が、液晶分
子が基板面に対して予め定めたプレチルト角をもって実
質的に水平に且つ一方方向にホモジニアス配向した初期
配向状態を有する液晶からなっている場合、前記配向制
御手段は、前記液晶素子の電極間に、液晶分子の配向状
態を、基板面に対して実質的に水平に配向する状態と前
記基板面に対して実質的に垂直に配向する状態とのいず
れか一方の配向状態と、その配向状態からの液晶分子の
挙動による液晶容量の変化量が補償容量の静電容量値よ
りも小さい範囲の配向状態との間で変化させる電圧を印
加するように構成するのが望ましく、このようにするこ
とにより、前記補償容量を大きくすることなく、前記液
晶容量の変化によるフリッカの発生を効果的に防ぎ、前
記補償容量を形成するための補償容量電極の面積を小さ
くして、液晶素子の開口率を高くすることができる。
【0142】また、この発明の他の液晶表示装置は、互
いに対向する一対の基板の一方の内面に、複数の画素電
極とこれらの画素電極にそれぞれ接続された複数のアク
ティブ素子とが形成され、他方の基板の内面に、前記画
素電極に対向する対向電極が形成されるとともに、前記
一対の基板間に、液晶分子の配向状態が、前記電極間に
印加される電圧に応じて、電圧が印加されないときの予
め規定された初期配向状態と、印加電圧の変化に対して
液晶分子が実質的に挙動しなくなる充分高い電圧を印加
したときの前記基板面に対して略垂直或いは略水平に配
向する飽和配向状態との間で変化する液晶層が設けられ
た液晶素子と、前記液晶素子を挟んで配置された一対の
偏光板とを備え、前記液晶素子の液晶層は、前記液晶分
子が前記初期配向状態と前記飽和配向状態との間の前記
基板面に対して予め定めた傾き角で配向した傾斜配向状
態において、前記一対の偏光板の間を透過する光にその
波長λの1/2の整数倍の光路長差を与える屈折率異方
性を有する液晶からなっているため、表示にフリッカや
焼き付きを生じさせること無く液晶の誘電異方性Δεの
値を大きくし、応答速度を速くすることができる。
【0143】この液晶表示装置において、前記一対の偏
光板がそれぞれ前記液晶素子に直接対向させて配置され
ている場合、前記液晶素子の液晶層は、液晶分子が前記
予め定めた傾き角で配向した傾斜配向状態において、前
記液晶層を透過する光にその波長λの1/2の整数倍の
光路長差を与える屈折率異方性を有する液晶により形成
すればよく、このようにすることにより、前記効果を得
ることができる。
【0144】また、この液晶表示装置において、前記液
晶素子と一対の偏光板の少なくとも一方との間に位相板
が配置されている場合、前記液晶素子の液晶層は、液晶
分子が前記予め定めた傾き角で配向した傾斜配向状態に
おいて、前記液晶層と前記位相板の両方を透過する光に
その波長λの1/2の整数倍の光路長差を与える屈折率
異方性を有する液晶により形成すればよく、このように
することにより、前記効果を得ることができる。
【0145】前記位相板を備えた液晶表示装置は、前記
液晶素子の液晶層が、液晶分子が初期配向状態と飽和配
向状態との間の配向状態で且つ基板面に対する傾き角が
異なる第1と第2の2つの傾斜配向状態を有し、前記第
1と第2のいずれか一方の傾斜配向状態において、前記
液晶層と位相板の両方を透過する光にその波長λの1/
2の奇数倍の光路長差を与え、他方の傾斜配向状態にお
いて、前記液晶層と位相板の両方を透過する光に実質的
に0または透過光の波長λの1/2の偶数倍の光路長差
を与える屈折率異方性と液晶層厚を有する液晶からなっ
ており、前記液晶素子の電極間に、前記液晶層の液晶分
子を、前記第1の傾斜配向状態と、前記第2の2つの傾
斜配向状態と、これらの傾斜配向状態の間の配向状態と
に配向させる電圧を印加して前記液晶分子の配向状態を
制御する配向制御手段をさらに備えた構成のものが好ま
しく、このようにすることにより、良好なコントラスト
を得ることができる。
【0146】その場合、前記液晶素子の液晶層は、液晶
分子が基板面に対して予め定めたプレチルト角をもって
実質的に水平で且つ一方方向にホモジニアス配向した初
期配向状態を有し、且つ前記液晶分子が、前記基板面に
対して予め定めた第1の傾き角で配向する第1の傾斜配
向状態と、前記基板面に対して前記第1の傾き角よりも
小さい予め定めた第2の傾き角で配向する第2の傾斜配
向状態とに配向する液晶からなっているのが好ましく、
このようにすることにより、液晶分子の配向及び液晶素
子の構造を単純にし、生産性を良くすることができる。
【0147】さらに、前記液晶素子の液晶層は、前記第
1の傾斜配向状態で、前記液晶層と位相板の両方を透過
する光にその波長λの1/2の奇数倍の光路長差を与
え、前記第2の傾斜配向状態で、前記液晶層と位相板の
両方を透過する光に実質的に0または透過光の波長λの
1/2の奇数倍の光路長差を与える屈折率異方性と液晶
層厚を有する液晶からなっているのが好ましく、このよ
うにすることにより、良好なコントラストを得ることが
できる。
【0148】また、前記液晶素子の一方の基板に、画素
電極と対向電極及びこれらの電極の間の液晶層とにより
形成される液晶容量に対して並列に接続された補償容量
が形成されている場合、前記配向制御手段は、前記第1
の傾斜配向状態と第2の傾斜配向状態との間での液晶分
子の配向状態の変化による前記液晶容量の変化量が前記
補償容量の静電容量値よりも小さい範囲で前記液晶分子
の挙動を制御するように構成するのが望ましく、このよ
うにすることにより、前記補償容量を大きくするなく、
前記液晶容量の変化によるフリッカの発生を効果的に防
ぎ、前記補償容量を形成するための補償容量電極の面積
を小さくして、液晶素子の開口率を高くすることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施例を示す液晶表示装置の
分解斜視図。
【図2】前記液晶表示装置の液晶素子の一部分の断面
図。
【図3】前記液晶素子の1つの画素の等価回路図。
【図4】前記液晶素子の液晶分子の配向状態の変化を示
す模式図。
【図5】TFTのオン時に画素電極に供給されたデータ
信号の電位と、前記TFTがオフしたときの電極間電圧
の低下量を示す図。
【図6】この発明の第2の実施例を示す、液晶素子の液
晶分子の配向状態を傾斜配向状態と飽和配向状態との間
の範囲で変化させる場合の液晶分子の配向状態の変化を
示す模式図。
【図7】この発明の第3の実施例を示す液晶表示装置の
分解斜視図。
【図8】第3の実施例の液晶表示装置における液晶素子
の電極間電圧と液晶層を透過する光に与えられる光路長
差との関係を示す図。
【図9】この発明の第4の実施例を示す、液晶素子の液
晶分子の初期配向状態をホメオトロピック配向としたと
きの液晶分子の配向状態の変化を示す模式図。
【図10】この発明の第5の実施例を示す、液晶素子の
液晶分子の初期配向状態をハイブリッド配向としたとき
の液晶分子の配向状態の変化を示す模式図。
【符号の説明】
1…液晶素子 1a…ホモジニアス配向方向 2,3…基板 4…画素電極 5…TFT(アクティブ素子) 10…対向電極 13…液晶層 13a…液晶分子 14,15…偏光板 14a,15b…透過軸 16…位相板 16a…遅相軸 20…配向制御手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G09G 3/36 G09G 3/36 (72)発明者 吉田 哲志 東京都八王子市石川町2951番地の5 カシ オ計算機株式会社八王子研究所内 Fターム(参考) 2H088 HA06 HA18 JA05 JA10 JA11 JA12 KA26 MA01 MA20 2H093 NA16 NA33 NC13 NC34 NC35 ND10 ND12 ND35 NE06 NF04 NF05 NH04 NH12 NH13 5C006 AC21 AC26 AF46 BB16 FA23 FA34 5C080 AA10 BB05 DD06 DD18 FF11 JJ04 JJ05 JJ06

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】対向配置された一対の基板の一方の内面
    に、複数の画素電極とこれらの画素電極にそれぞれ接続
    された複数のアクティブ素子とが形成され、他方の基板
    の内面に、前記画素電極に対向する対向電極が形成され
    るとともに、前記一対の基板間に、液晶分子の配向状態
    が、前記電極間に印加される電圧に応じて、電圧が印加
    されないときの予め規定された初期配向状態と、印加電
    圧の変化に対して液晶分子が実質的に挙動しなくなる充
    分高い電圧を印加したときの前記基板面に対して略垂直
    或いは略水平に配向する飽和配向状態との間で変化する
    液晶層が設けられた液晶素子と、 前記液晶素子の少なくとも一方の面側に配置された偏光
    板と、 前記液晶素子の電極間に、前記液晶層の液晶分子を実質
    的に前記初期配向状態に配向させる電圧と前記液晶分子
    を実質的に前記飽和配向状態に配向させる電圧との差よ
    りも小さい値の変化幅の電圧を印加して前記液晶分子の
    配向状態を制御する配向制御手段とを備えたことを特徴
    とする液晶表示装置。
  2. 【請求項2】液晶素子の一方の基板に、画素電極と対向
    電極及びこれらの電極の間の液晶層とにより形成される
    液晶容量に対して並列に接続された補償容量が形成され
    ており、 配向制御手段は、前記液晶素子の電極間に、液晶分子の
    挙動により変化する前記液晶容量の変化量が前記補償容
    量の静電容量値よりも小さい範囲で前記液晶分子の配向
    状態を変化させる電圧を印加することを特徴とする請求
    項1に記載の液晶表示装置。
  3. 【請求項3】配向制御手段は、液晶素子の電極間に、液
    晶分子の挙動による液晶容量の変化量が補償容量の静電
    容量値の1/5〜1/10よりも小さい範囲で前記液晶
    分子の配向状態を変化させる電圧を印加することを特徴
    とする請求項2に記載の液晶表示装置。
  4. 【請求項4】配向制御手段は、液晶素子の電極間に、液
    晶分子を、基板面に対して実質的に水平に配向する状態
    と前記基板面に対して実質的に垂直に配向する状態のい
    ずれか一方の配向状態と、前記基板面に対して水平な方
    向と垂直な方向の間の斜めに傾いた方向に配向する傾斜
    配向状態との間で挙動させる範囲の電圧を印加すること
    を特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
  5. 【請求項5】液晶素子の液晶層は、液晶分子が一対の基
    板間でツイストして配向したツイスト配向、液晶分子が
    ツイストすることなく一方方向に且つ基板面と実質的に
    平行に配向したホモジニアス配向、液晶分子が基板面に
    対して実質的に垂直に配向したホメオトロピック配向、
    液晶分子が一方の基板側で実質的に垂直に他方の基板側
    で実質的に水平に配向したハイブリッド配向のうちのい
    ずれか1つの初期配向状態を有する液晶からなっている
    ことを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
  6. 【請求項6】液晶素子の液晶層は、液晶分子が基板面に
    対して予め定めたプレチルト角をもって実質的に水平に
    且つ一方方向にホモジニアス配向した初期配向状態を有
    する液晶からなり、 配向制御手段は、前記液晶素子の電極間に、液晶分子の
    配向状態を、基板面に対して実質的に水平に配向する状
    態と前記基板面に対して実質的に垂直に配向する状態と
    のいずれか一方の配向状態と、その配向状態からの液晶
    分子の挙動による液晶容量の変化量が補償容量の静電容
    量値よりも小さい範囲の配向状態との間で変化させる電
    圧を印加することを特徴とする請求項2に記載の液晶表
    示装置。
  7. 【請求項7】対向配置された一対の基板の一方の内面
    に、複数の画素電極とこれらの画素電極にそれぞれ接続
    された複数のアクティブ素子とが形成され、他方の基板
    の内面に、前記画素電極に対向する対向電極が形成され
    るとともに、前記一対の基板間に、液晶分子の配向状態
    が、前記電極間に印加される電圧に応じて、電圧が印加
    されないときの予め規定された初期配向状態と、印加電
    圧の変化に対して液晶分子が実質的に挙動しなくなる充
    分高い電圧を印加したときの前記基板面に対して略垂直
    或いは略水平に配向する飽和配向状態との間で、前記電
    極間に印加される電圧に応じて変化する液晶層が設けら
    れた液晶素子と、 前記液晶素子を挟んで配置された一対の偏光板とを備
    え、 前記液晶素子の液晶層は、前記液晶分子が前記初期配向
    状態と前記飽和配向状態との間の前記基板面に対して予
    め定めた傾き角で配向した傾斜配向状態において、前記
    一対の偏光板の間を透過する光にその波長λの1/2の
    整数倍の光路長差を与える屈折率異方性を有する液晶か
    らなっていることを特徴とする液晶表示装置。
  8. 【請求項8】液晶素子の液晶層は、液晶分子が予め定め
    た傾き角で配向した傾斜配向状態において、前記液晶層
    を透過する光にその波長λの1/2の整数倍の光路長差
    を与える屈折率異方性を有する液晶からなっていること
    を特徴とする請求項7に記載の液晶表示装置。
  9. 【請求項9】液晶素子と一対の偏光板の少なくとも一方
    との間に位相板が配置されており、前記液晶素子の液晶
    層は、液晶分子が基板面に対して予め定めた傾き角で配
    向した傾斜配向状態において、前記液晶層と前記位相板
    の両方を透過する光にその波長λの1/2の整数倍の光
    路長差を与える屈折率異方性を有する液晶からなってい
    ることを特徴とする請求項7に記載の液晶表示装置。
  10. 【請求項10】液晶素子の液晶層は、液晶分子が初期配
    向状態と飽和配向状態との間の配向状態で且つ基板面に
    対する傾き角が異なる第1と第2の2つの傾斜配向状態
    を有し、前記第1と第2のいずれか一方の傾斜配向状態
    において、前記液晶層と前記位相板の両方を透過する光
    にその波長λの1/2の奇数倍の光路長差を与え、他方
    の傾斜配向状態において、前記液晶層と位相板の両方を
    透過する光に実質的に0または透過光の波長λの1/2
    の偶数倍の光路長差を与える屈折率異方性と液晶層厚を
    有する液晶からなっており、 前記液晶素子の電極間に、前記液晶層の液晶分子を、前
    記第1の傾斜配向状態と、前記第2の2つの傾斜配向状
    態と、これらの傾斜配向状態の間の配向状態とに配向さ
    せる電圧を印加して前記液晶分子の配向状態を制御する
    配向制御手段をさらに備えたことを特徴とする請求項9
    に記載の液晶表示装置。
  11. 【請求項11】液晶素子の液晶層は、液晶分子が基板面
    に対して予め定めたプレチルト角をもって実質的に水平
    で且つ一方方向にホモジニアス配向した初期配向状態を
    有し、且つ前記液晶分子が、基板面に対して予め定めた
    第1の傾き角で配向する第1の傾斜配向状態と、前記基
    板面に対して前記第1の傾き角よりも小さい予め定めた
    第2の傾き角で配向する第2の傾斜配向状態とに配向す
    る液晶からなっていることを特徴とする請求項10に記
    載の液晶表示装置。
  12. 【請求項12】液晶素子の液晶層は、第1の傾斜配向状
    態で、前記液晶層と位相板の両方を透過する光にその波
    長λの1/2の奇数倍の光路長差を与え、第2の傾斜配
    向状態で、前記液晶層と位相板の両方をを透過する光に
    実質的に0または透過光の波長λの1/2の偶数倍の光
    路長差を与える屈折率異方性と液晶層厚を有する液晶か
    らなっていることを特徴とする請求項11に記載の液晶
    表示装置。
  13. 【請求項13】液晶素子の一方の基板に、画素電極と対
    向電極及びこれらの電極の間の液晶層とにより形成され
    る液晶容量に対して並列に接続された補償容量が形成さ
    れており、 配向制御手段は、第1の傾斜配向状態と第2の傾斜配向
    状態との間での液晶分子の配向状態の変化による前記液
    晶容量の変化量が前記補償容量の静電容量値よりも小さ
    い範囲で前記液晶分子の挙動を制御することを特徴とす
    る請求項12に記載の液晶表示装置。
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