JP2003185919A - 赤外光学系およびこれを備えた赤外光学装置 - Google Patents

赤外光学系およびこれを備えた赤外光学装置

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JP2003185919A
JP2003185919A JP2001383440A JP2001383440A JP2003185919A JP 2003185919 A JP2003185919 A JP 2003185919A JP 2001383440 A JP2001383440 A JP 2001383440A JP 2001383440 A JP2001383440 A JP 2001383440A JP 2003185919 A JP2003185919 A JP 2003185919A
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infrared
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lens group
infrared optical
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Kaori Mukai
香織 向井
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 10μm帯の赤外波長域で使用される赤外光
学系において、その像面に到達するノイズ光を確実に低
減できる赤外光学系、およびそれを備えた赤外光学装置
を提供する。 【解決手段】 複数のレンズからなるレンズ群11〜1
3と絞りS1とを備え、レンズ群が、ゲルマニウムを材
料として形成され、絞りが、レンズ群の各レンズ面のう
ち最も像側に位置するレンズ面13aとレンズ群の像面
10aとの間に配置され、レンズ群の各レンズ面のうち
最も物体側に位置するレンズ面11aの有効径Dが、レ
ンズ群の半画角をω、焦点距離をf、FナンバーをFと
するとき、「2ftanω+f/F < D < 8ftanω+
f/F」を満足する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、10μm帯の赤外
波長域(7μm〜13μm)で使用される赤外光学系お
よびそれを備えた赤外光学装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、10μm帯の赤外波長域で使
用される赤外光学系としては、レンズ群より物体側に絞
りを配置する構成(例えば特開昭52−85834号公
報)や、レンズ群の中央付近に絞りを配置する構成(例
えば特公昭61−19966号公報)が知られている。
【0003】10μm帯の赤外波長域で使用される赤外
光学系は、通常、マイクロボロメータなどを用いた非冷
却型の赤外検出器に組み込まれ、物体から放射される熱
すなわち赤外線(10μm帯)を集光して検出面上に像を
形成するための光学系として機能する。以下の説明で
は、10μm帯の赤外波長域で使用される赤外光学系を
単に「赤外光学系」ということにする。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た従来の赤外光学系(10μm帯用)を組み込んだ非冷却
型の赤外検出器では、鏡筒などの自己放射によるノイズ
光が物体からの赤外光に混じって検出面に到達するた
め、周辺温度などの環境条件が変化すると検出器の出力
も変化してしまい、高精度な撮像は困難であった。
【0005】高精度な撮像を行うためには、上記のよう
なノイズ光を減らさなければならず、一般に、赤外検出
器を冷却することが考えられる。しかし、上記した従来
の赤外光学系(10μm帯用)では、絞りがレンズ群より
物体側またはレンズ群の中央付近に配置されているた
め、赤外検出器を単に冷却してもノイズ光を充分に減ら
すことはできなかった。
【0006】本発明の目的は、10μm帯の赤外波長域
で使用される赤外光学系において、その像面に到達する
ノイズ光を確実に低減できる赤外光学系、およびそれを
備えた赤外光学装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、複数のレンズからなるレンズ群と、絞りとを備え、
10μm帯の赤外波長域で使用される赤外光学系におい
て、前記レンズ群が、ゲルマニウムを材料として形成さ
れ、前記絞りが、前記レンズ群の各レンズ面のうち最も
像側に位置するレンズ面と前記レンズ群の像面との間に
配置され、前記レンズ群の各レンズ面のうち最も物体側
に位置するレンズ面の有効径Dが、前記レンズ群の半画
角をω、焦点距離をf、FナンバーをFとするとき、以
下の条件式を満足するものである。
【0008】 2ftanω+f/F < D < 8ftanω+f/F 請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の赤外光学系
において、前記レンズ群が、物体側から順に、正のパワ
ーを持つ第一レンズ群と、正のパワーを持つ第二レンズ
群とで構成され、前記第一レンズ群が、物体側に凸の正
のパワーを持つメニスカス形状のレンズと、負のパワー
を持つレンズとを含み、前記第二レンズ群が、物体側に
凸の正のパワーを持つメニスカス形状のレンズを含み、
前記第一レンズ群の焦点距離f1と前記第二レンズ群の
焦点距離f2とが、以下の条件式を満足するものであ
る。
【0009】2 < f1/f2 < 6 請求項3に記載の発明は、物体からの赤外光を集光する
請求項1または請求項2に記載の赤外光学系と、前記赤
外光学系によって集光された赤外光を受光する赤外検出
部とを備えたものである。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、図面を用いて本発明の実施
形態を詳細に説明する。
【0011】(第1実施形態)本発明の第1実施形態は、
請求項1〜請求項3に対応する。第1実施形態の赤外光
学装置20は、図1に示すように、10μm帯の赤外波
長域(7μm〜12μm)で使用される赤外光学系10
と、赤外透過窓21と、赤外撮像素子22と、筐体23
と、冷却器24とで構成されている。
【0012】また、赤外光学系10は、物体側(図の左
方)から順に、第一レンズ群G1と第二レンズ群G2と
絞りS1とが配置された二群構成の光学系である。第一
レンズ群G1,第二レンズ群G2は、請求項の「レンズ
群」に対応する。このうち、第一レンズ群G1は、2枚
のレンズ11,12によって構成され、全体として正の
パワーを持っている。第一レンズ群G1のうち物体側に
配置されたレンズ11は、物体側に凸の正のパワーを持
つメニスカス形状のレンズである。他方のレンズ12
は、負のパワーを持つレンズである。
【0013】第二レンズ群G2は、1枚のレンズ13に
よって構成され、正のパワーを持っている。このレンズ
13は、物体側に凸の正のパワーを持つメニスカス形状
のレンズである。上記したレンズ群(11〜13)は、何
れも、ゲルマニウムを光学材料(硝材)として形成されて
いる。ここで、レンズ群(11〜13)の光学材料として
用いたゲルマニウムの屈折率は、表1に示す通りであ
る。表1には、波長7μm,9μm,12μmの赤外光に
対する屈折率を示した。
【表1】 赤外光学系10の絞りS1は、上記したレンズ群(11
〜13)の各レンズ面のうち最も像側に位置するレンズ
面13aと、レンズ群(11〜13)の像面10aとの間
に配置されている。以下、このような絞りS1の配置を
「後ろ絞り」という。さらに、レンズ群(11〜13)の
各レンズ面のうち最も物体側に位置するレンズ面11a
の有効径D1は、レンズ群(11〜13)の半画角をω、
焦点距離をf、FナンバーをFとして、以下の条件式
(1)を満足するように規定されている。レンズ面11a
の有効径D1は、いわゆる前玉有効径である。
【0014】 2ftanω+f/F < D1 < 8ftanω+f/F …(1) 条件式(1)を満足するようにレンズ面11aの有効径D
1を規定することで、後ろ絞りの赤外光学系10におい
て、良好な収差補正が可能となる。また、条件式(1)の
f/Fは、入射角0°の赤外光L0がレンズ面11aに
おいて必要とする有効径である。条件式(1)は、入射角
ωの赤外光Lωに対しても、レンズ面11aにおいて上
記の赤外光L0と同じ有効径(f/F)を確保できるよう
に、レンズ面11aの有効径D1の範囲を定めたもので
ある。
【0015】すなわち、条件式(1)を満足するようにレ
ンズ面11aの有効径D1を規定することで、後ろ絞り
の赤外光学系10を口径食のない開口効率100%の光
学系とすることができる。なお、レンズ面11aの有効
径D1を条件式(1)の下限より小さくしようとすると、
入射瞳の位置をレンズ面11aに近づけなければなら
ず、そのためには、赤外光学系10のバックフォーカス
(レンズ面13aから像面10aまでの光軸上の距離)
を大きく確保しなければならない。
【0016】このため、赤外光学系10の収差補正(主
に非点収差と像面彎曲の補正)が困難になってしまう。
さらに、バックフォーカスを大きくした分だけ筐体23
の容積が大きくなり、赤外光学装置20の大型化や、冷
却器24の負荷の増大を引き起こすことになる。一方、
レンズ面11aの有効径D1を条件式(1)の上限より大
きくすることは、必要以上に有効径D1を大きくするこ
とであり、軸外光線の収差補正が困難になってしまう。
また、コスト的にも不利である。
【0017】このように、条件式(1)を満足するように
レンズ面11aの有効径D1を規定することで、後ろ絞
りの赤外光学系10における収差補正が容易になると共
に、筐体23の容積を小さくすることができ、結果とし
て、赤外光学装置20の小型化や冷却器24の負荷の低
減を図ることができる。
【0018】さらに、上記したレンズ群(11〜13)の
パワー配置、つまり、第一レンズ群G1の焦点距離f1
と、第二レンズ群G2の焦点距離f2とは、以下の条件
式(2)を満足するように規定されている。 2 < f1/f2 < 6 …(2) 条件式(2)を満足するように焦点距離f1,f2を規定
することで、後ろ絞りの赤外光学系10において、より
良好な収差補正が可能となる。
【0019】なお、焦点距離f1,f2の比を条件式
(2)の下限より小さくしようとすると、第一レンズ群G
1のパワーが強くなるため、第一レンズ群G1と第二レ
ンズ群G2を近づけて配置しなければならない。その結
果、赤外光学系10の球面収差の補正が難しくなる。一
方、焦点距離f1,f2の比を条件式(2)の上限より大
きくしようとすると、逆に第一レンズ群G1のパワーが
弱くなるため、第一レンズ群G1と第二レンズ群G2を
離して配置しなければならない。その結果、軸外光線が
第一レンズ群G1の光軸から離れたところを通過するこ
とになり、赤外光学系10の非点収差が大きくなる。ま
た、歪曲収差の補正も難しくなる。
【0020】このように、条件式(2)を満足するように
焦点距離f1,f2を規定することで、後ろ絞りの赤外
光学系10における収差補正(主に球面収差や非点収
差、歪曲収差の補正)が容易になる。上記の赤外光学系
10を組み込んだ赤外光学装置20において、赤外透過
窓21は、赤外光学系10の第二レンズ群G2と絞りS
1との間に配置される。赤外透過窓21は、ゲルマニウ
ムを材料として形成された平行平面板であり、パワーを
持たない。なお、赤外透過窓21は、いわゆるデュア窓
である。
【0021】赤外撮像素子22は、赤外光学系10の像
面10aに配置されている。赤外撮像素子22は、10
μm帯の赤外波長域に感度を持つ冷却型の撮像素子であ
る。赤外撮像素子22は、請求項の「赤外検出器」に対
応する。
【0022】筐体23は、赤外撮像素子22および赤外
光学系10の絞りS1を収納するデュアル構造の容器で
ある。筐体23の内部には、上記の赤外透過窓21から
赤外光が導かれる。冷却器24は、筐体23の内部全体
を冷却する装置である。このため、赤外撮像素子22と
共に絞りS1も冷却される。このように構成された赤外
光学装置20では、物体から放射される熱すなわち赤外
線(10μm帯)が、赤外光学系10によって赤外撮像素
子22の撮像面上に集光され、そこで受光される。
【0023】次に、上記した赤外光学系10と赤外透過
窓21の具体的なレンズデータを表2に示す。
【表2】 表2において、面番号1〜9は、物体側から順に付した
ものである。曲率半径のマイナス(−)は、面が像側に凸
の形状であることを表している。面間隔は、光軸上での
レンズ厚または空気間隔である。面番号9の面間隔は、
絞りS1から像面10aまでの空気間隔に対応する。
【0024】後ろ絞りの赤外光学系10が開口効率10
0%となるように、赤外光学系10のレンズ面11a
(面番号1)の有効径D1を上記した表2のレンズデータ
から計算すると、D1=60.3mmとなる。なお、表
2のレンズデータから計算した有効径D1に関する条件
式(1)の下限値は、2ftanω+f/F=50.7とな
る。同様に、条件式(1)の上限値は、8ftanω+f/F
=95.5となる。このことから、上記の計算で得られ
た有効径D1(=60.3mm)は、条件式(1)を満足し
ていることが分かる。
【0025】また、表2のレンズデータから赤外光学系
10の第一レンズ群G1の焦点距離f1および第二レン
ズ群G2の焦点距離f2を計算すると、f1=149.
02、f2=43.91となる。そして、焦点距離f1,
f2の比は、f1/f2=3.4となる。このことから、
上記の計算で得られた焦点距離f1(=149.02),f
2(=43.91)は、条件式(2)を満足していることが
分かる。
【0026】ここで、表2のレンズデータに基づく光学
系(赤外光学系10,赤外透過窓21)の結像性能につ
いて、図2と図3を用いて評価する。図2(a)は、縦の
球面収差(Longitudinal spherical aber.)に関する収差
図であり、横軸は光軸上の位置(Focus)、縦軸は入射高
を表す。入射高は、F値で規定される口径によって規格
化されている。図2(b)は、非点収差および像面彎曲(A
stigmatic field curves)に関する収差図であり、横軸
は光軸上の位置(Focus)、縦軸は光軸に対する入射角(An
gle)を表す。
【0027】図2(c)は、歪曲収差(Distortion)に関す
る収差図であり、横軸は焦点の位置ずれ量(Distortio
n)、縦軸は光軸に対する入射角(Angle)を表す。また、
図2(a)において、一点鎖線は波長7μmの赤外光、点
線は波長9μmの赤外光、実線は波長12μmの赤外光
に対する収差を示している。図3(a)〜(c)は、スポッ
トダイアグラムであり、像面10aにおける計算結果
(b)と、像面10aの近傍で光軸に垂直な面における計
算結果(a),(c)とを示している。また、図3(a)〜
(c)の各々には、入射角θの異なる4種類の光線に関す
る計算結果が示されている。
【0028】これらの収差図(図2(a)〜(c))とスポッ
トダイアグラム(図3(a)〜(c))とから分かるように、
表2のレンズデータに基づく光学系(赤外光学系10,
赤外透過窓21)は、良好に収差補正されている。以上
説明したように、第1実施形態の赤外光学装置20によ
れば、赤外光学系10を後ろ絞りの構成とし、かつ、条
件式(1)を満足するようにレンズ面11aの有効径D1
を規定したので、赤外撮像素子22と共に絞りS1を冷
却することにより、物体からの赤外光に混じって赤外撮
像素子22に到達するノイズ光を確実に低減することが
できる。このため、周辺温度などの環境条件の変化に関
わらず、常に、高精度な撮像を行うことができる。
【0029】また、レンズ面11aの有効径D1が条件
式(1)を満足することで、後ろ絞りの赤外光学系10に
おける収差補正が容易になり、赤外光学系10の開口効
率が100%になるので、高品質な赤外画像を得ること
もできる。さらに、第1実施形態の赤外光学装置20に
よれば、赤外光学系10の第一レンズ群G1と第二レン
ズ群G2の焦点距離f1,f2が条件式(2)を満足する
ように規定したので、後ろ絞りの赤外光学系10におけ
る収差(主に球面収差や非点収差、歪曲収差)をより良
好に補正でき、さらに高品質な赤外画像を得ることがで
きる。
【0030】(第2実施形態)本発明の第2実施形態は、
請求項1〜請求項3に対応する。第2実施形態の赤外光
学装置は、上記した赤外光学装置20の赤外光学系10
に代えて、図4に示す赤外光学系30を用いたものであ
る。赤外光学系30も、10μm帯の赤外波長域(7μ
m〜12μm)で使用される光学系である。
【0031】第2実施形態の赤外光学装置において、赤
外光学系30(図4)以外の構成は、上記した赤外光学装
置20と同じであるため、図示と説明を省略する。ただ
し、赤外透過窓21は図4にも示されている。さらに、
赤外光学系30(図4)の基本的な構成は、上記した赤外
光学系10(図1)と同じである。つまり、赤外光学系3
0は、第一レンズ群G1と第二レンズ群G2と絞りS2
とで構成されている。また、第一レンズ群G1は、上記
レンズ11と同様のレンズ31および上記レンズ12と
同様のレンズ32にて構成され、第二レンズ群G2は、
上記レンズ13と同様のレンズ33にて構成され、これ
らのレンズ31〜33は、ゲルマニウムを材料として形
成されている。
【0032】赤外光学系30の絞りS2は、上記したレ
ンズ群(31〜33)の各レンズ面のうち最も像側に位置
するレンズ面33aと、レンズ群(31〜33)の像面3
0aとの間に配置されている(後ろ絞りの配置)。
【0033】また、レンズ群(31〜33)の各レンズ面
のうち最も物体側に位置するレンズ面31aの有効径D
2は、上述した条件式(1)を満足するように規定されて
いる。さらに、上記したレンズ群(31〜33)のパワー
配置、つまり、第一レンズ群G1と第二レンズ群G2の
焦点距離f1,f2の比は、上述した条件式(2)を満足
するように規定されている。
【0034】次に、上記した赤外光学系30と赤外透過
窓21の具体的なレンズデータを表3に示す。表3は、
上記した表2と同様であるため、その補足説明を省略す
る。
【表3】 後ろ絞りの赤外光学系30が開口効率100%となるよ
うに、赤外光学系30のレンズ面31a(面番号1)の有
効径D2を上記した表3のレンズデータから計算する
と、D2=58mmとなる。
【0035】なお、表3のレンズデータから計算した有
効径D2に関する条件式(1)の下限値は、2ftanω+
f/F=51.8となる。同様に、条件式(1)の上限値
は、8ftanω+f/F=132.2となる。このことか
ら、上記の計算で得られた有効径D2(=58mm)は、
条件式(1)を満足していることが分かる。また、表3の
レンズデータから赤外光学系30の第一レンズ群G1の
焦点距離f1および第二レンズ群G2の焦点距離f2を
計算すると、f1=110.73、f2=52.33とな
る。そして、焦点距離f1,f2の比は、f1/f2=
2.1となる。このことから、上記の計算で得られた焦
点距離f1(=110.73),f2(=52.33)は、条
件式(2)を満足していることが分かる。
【0036】ここで、表3のレンズデータに基づく光学
系(赤外光学系30,赤外透過窓21)の結像性能につ
いて、図5,図6を用いて評価する。図5,図6は、各
々、既出の図2,図3と同様であるため、その補足説明
を省略する。なお、図5(a)の縦軸は、F値で規定され
る口径によって規格化された入射高である。また、図3
(b)は、像面30aにおけるスポットダイアグラムであ
る。
【0037】これらの収差図(図5(a)〜(c))とスポッ
トダイアグラム(図6(a)〜(c))とから分かるように、
表3のレンズデータに基づく光学系(赤外光学系30,
赤外透過窓21)は、良好に収差補正されている。以上
説明したように、第2実施形態の赤外光学装置によれ
ば、赤外光学系30を後ろ絞りの構成とし、かつ、条件
式(1)を満足するようにレンズ面31aの有効径D2を
規定したので、赤外撮像素子22と共に絞りS2を冷却
することにより、物体からの赤外光に混じって赤外撮像
素子22に到達するノイズ光を確実に低減することがで
きる。このため、周辺温度などの環境条件の変化に関わ
らず、常に、高精度な撮像を行うことができる。
【0038】また、レンズ面31aの有効径D2が条件
式(1)を満足することで、後ろ絞りの赤外光学系30に
おける収差補正が容易になり、赤外光学系30の開口効
率が100%になるので、高品質な赤外画像を得ること
もできる。さらに、第2実施形態の赤外光学装置によれ
ば、赤外光学系30の第一レンズ群G1と第二レンズ群
G2の焦点距離f1,f2が条件式(2)を満足するよう
に規定したので、後ろ絞りの赤外光学系30における収
差(主に球面収差や非点収差、歪曲収差)をより良好に
補正でき、さらに高品質な赤外画像を得ることができ
る。
【0039】(第3実施形態)本発明の第3実施形態は、
請求項1〜請求項3に対応する。第3実施形態の赤外光
学装置は、上記した赤外光学装置20の赤外光学系10
に代えて、図7に示す赤外光学系40を用いたものであ
る。赤外光学系40も、10μm帯の赤外波長域(7μ
m〜12μm)で使用される光学系である。
【0040】第3実施形態の赤外光学装置において、赤
外光学系40(図7)以外の構成は、上記した赤外光学装
置20と同じであるため、図示と説明を省略する。ただ
し、赤外透過窓21は図7にも示されている。さらに、
赤外光学系40(図7)の基本的な構成は、上記した赤外
光学系10(図1)と同じである。つまり、赤外光学系4
0は、第一レンズ群G1と第二レンズ群G2と絞りS3
とで構成されている。また、第一レンズ群G1は、上記
レンズ11と同様のレンズ41および上記レンズ12と
同様のレンズ42にて構成され、第二レンズ群G2は、
上記レンズ13と同様のレンズ43にて構成され、これ
らのレンズ41〜43は、ゲルマニウムを材料として形
成されている。
【0041】赤外光学系40の絞りS3は、上記したレ
ンズ群(41〜43)の各レンズ面のうち最も像側に位置
するレンズ面43aと、レンズ群(41〜43)の像面4
0aとの間に配置されている(後ろ絞りの配置)。ま
た、レンズ群(41〜43)の各レンズ面のうち最も物体
側に位置するレンズ面41aの有効径D3は、上述した
条件式(1)を満足するように規定されている。さらに、
上記したレンズ群(41〜43)のパワー配置、つまり、
第一レンズ群G1と第二レンズ群G2の焦点距離f1,
f2の比は、上述した条件式(2)を満足するように規定
されている。
【0042】次に、上記した赤外光学系40と赤外透過
窓21の具体的なレンズデータを表4に示す。表4は、
上記した表2と同様であるため、その補足説明を省略す
る。
【表4】 後ろ絞りの赤外光学系40が開口効率100%となるよ
うに、赤外光学系40のレンズ面41a(面番号1)の有
効径D3を上記した表4のレンズデータから計算する
と、D3=69.6mmとなる。
【0043】なお、表4のレンズデータから計算した有
効径D3に関する条件式(1)の下限値は、2ftanω+
f/F=58.7となる。同様に、条件式(1)の上限値
は、8ftanω+f/F=85.0となる。このことか
ら、上記の計算で得られた有効径D3(=69.6mm)
は、条件式(1)を満足していることが分かる。また、表
4のレンズデータから赤外光学系40の第一レンズ群G
1の焦点距離f1および第二レンズ群G2の焦点距離f
2を計算すると、f1=204.99、f2=37.00
となる。そして、焦点距離f1,f2の比は、f1/f2
=5.5となる。このことから、上記の計算で得られた
焦点距離f1(=204.99),f2(=37.00)は、
条件式(2)を満足していることが分かる。
【0044】ここで、表4のレンズデータに基づく光学
系(赤外光学系40,赤外透過窓21)の結像性能につ
いて、図8,図9を用いて評価する。図8,図9は、各
々、既出の図2,図3と同様であるため、その補足説明
を省略する。なお、図8(a)の縦軸は、F値で規定され
る口径によって規格化された入射高である。また、図9
(b)は、像面40aにおけるスポットダイアグラムであ
る。
【0045】これらの収差図(図8(a)〜(c))とスポッ
トダイアグラム(図9(a)〜(c))とから分かるように、
表4のレンズデータに基づく光学系(赤外光学系40,
赤外透過窓21)は、良好に収差補正されている。以上
説明したように、第3実施形態の赤外光学装置によれ
ば、赤外光学系40を後ろ絞りの構成とし、かつ、条件
式(1)を満足するようにレンズ面41aの有効径D3を
規定したので、赤外撮像素子22と共に絞りS3を冷却
することにより、物体からの赤外光に混じって赤外撮像
素子22に到達するノイズ光を確実に低減することがで
きる。このため、周辺温度などの環境条件の変化に関わ
らず、常に、高精度な撮像を行うことができる。
【0046】また、レンズ面41aの有効径D3が条件
式(1)を満足することで、後ろ絞りの赤外光学系40に
おける収差補正が容易になり、赤外光学系40の開口効
率が100%になるので、高品質な赤外画像を得ること
もできる。さらに、第3実施形態の赤外光学装置によれ
ば、赤外光学系40の第一レンズ群G1と第二レンズ群
G2の焦点距離f1,f2が条件式(2)を満足するよう
に規定したので、後ろ絞りの赤外光学系40における収
差(主に球面収差や非点収差、歪曲収差)をより良好に
補正でき、さらに高品質な赤外画像を得ることができ
る。
【0047】なお、上記した第1〜第3実施形態では、
赤外光学系10,30,40の第二レンズ群G2と絞りS
1,S2,S3との間にゲルマニウムの赤外透過窓21
(デュア窓)を配置したが、赤外透過窓21は平行平面
板であり、このような平行平面板が赤外光学系10,3
0,40の収差に及ぼす影響は軽微であるため問題な
い。
【0048】このため、赤外透過窓21の他に、フィル
タ(例えばバンドパスフィルタ)などの平行平面板が赤
外光学系10,30,40の光軸上に配置されていても、
同様に問題はない。さらに、フィルタなどの平行平面板
の配置としては、第二レンズ群G2と絞りS1,S2,S
3との間に限らず、絞りS1,S2,S3と像面10a,
30a,40aとの間でも構わない。
【0049】このように、絞りS1,S2,S3と像面1
0a,30a,40aとの間に平行平面板が配置されたと
しても、赤外光学系10,30,40が後ろ絞りの配置で
あることに変わりはない。赤外光学系10,30,40に
含まれるレンズ群は、あくまでもパワーを持った複数の
レンズによって構成され、平行平面板を含まない。さら
に、赤外光学系10,30,40のレンズ面11a,31
a,41aよりも物体側に赤外透過窓などの平行平面板
を配置する構成も考えられるが、この場合の前玉有効径
D1,D2,D3は、あくまでも、パワーを持ったレンズ
面の有効径である。
【0050】また、赤外透過窓やフィルタなどの平行平
面板の光学材料としては、使用する波長範囲で透過率に
問題がなければ、ゲルマニウムに限らず、例えば、ジン
クセレナイド(ZnSe)やジンクサルファイド(Zn
S)を用いることもできる。さらに、上記した実施形態
では、10μm帯の赤外波長域(7μm〜12μm)で
使用される赤外光学系10,30,40の例を説明した
が、12μmと13μmの波長におけるゲルマニウムの
屈折率はほとんど変わらないので、本発明は、12μm
〜13μmの赤外波長域にも同じように適用することが
できる。
【0051】また、上記した実施形態では、第一レンズ
群G1を2枚のレンズで構成したが、レンズの枚数は1
枚でも3枚以上でも良い。また、第二レンズ群G2を1
枚のレンズで構成したが、2枚以上でも良い。
【0052】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
10μm帯の赤外波長域で使用される赤外光学系におい
て、その像面に到達するノイズ光を確実に低減できるた
め、高精度な撮像が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態の赤外光学装置20の光路図であ
る。
【図2】第1実施形態の赤外光学装置20の収差図であ
る。
【図3】第1実施形態の赤外光学装置20のスポットダ
イアグラムである。
【図4】第2実施形態の赤外光学装置の光路図である。
【図5】第2実施形態の赤外光学装置の収差図である。
【図6】第2実施形態の赤外光学装置のスポットダイア
グラムである。
【図7】第3実施形態の赤外光学装置の光路図である。
【図8】第3実施形態の赤外光学装置の収差図である。
【図9】第3実施形態の赤外光学装置のスポットダイア
グラムである。
【符号の説明】
10,30,40 赤外光学系 11,12,13,31,32,33,41,42,4
3 レンズ 20 赤外光学装置 21 赤外透過窓 22 赤外撮像素子 23 筐体 24 冷却器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H087 KA00 LA01 NA03 PA03 PA17 PB03 QA02 QA06 QA12 QA22 QA25 QA32 QA42 QA45 RA35 RA42 RA43 UA02 5C022 AA15 AC41 AC54 AC56 5C024 AX06 CX37 EX42

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数のレンズからなるレンズ群と、絞り
    とを備え、10μm帯の赤外波長域で使用される赤外光
    学系において、 前記レンズ群は、ゲルマニウムを材料として形成され、 前記絞りは、前記レンズ群の各レンズ面のうち最も像側
    に位置するレンズ面と前記レンズ群の像面との間に配置
    され、 前記レンズ群の各レンズ面のうち最も物体側に位置する
    レンズ面の有効径Dは、前記レンズ群の半画角をω、焦
    点距離をf、FナンバーをFとするとき、以下の条件式
    を満足する 2ftanω+f/F < D < 8ftanω+f/F ことを特徴とする赤外光学系。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の赤外光学系において、 前記レンズ群は、物体側から順に、正のパワーを持つ第
    一レンズ群と、正のパワーを持つ第二レンズ群とで構成
    され、 前記第一レンズ群は、物体側に凸の正のパワーを持つメ
    ニスカス形状のレンズと、負のパワーを持つレンズとを
    含み、 前記第二レンズ群は、物体側に凸の正のパワーを持つメ
    ニスカス形状のレンズを含み、 前記第一レンズ群の焦点距離f1と前記第二レンズ群の
    焦点距離f2とは、以下の条件式を満足する 2 < f1/f2 < 6 ことを特徴とする赤外光学系。
  3. 【請求項3】 物体からの赤外光を集光する請求項1ま
    たは請求項2に記載の赤外光学系と、 前記赤外光学系によって集光された赤外光を受光する赤
    外検出部とを備えたことを特徴とする赤外光学装置。
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