JP2003185534A - 分散分布測定方法および測定装置 - Google Patents

分散分布測定方法および測定装置

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JP2003185534A
JP2003185534A JP2001383061A JP2001383061A JP2003185534A JP 2003185534 A JP2003185534 A JP 2003185534A JP 2001383061 A JP2001383061 A JP 2001383061A JP 2001383061 A JP2001383061 A JP 2001383061A JP 2003185534 A JP2003185534 A JP 2003185534A
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light
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Ikuo Yamashita
育男 山下
Yoshiyuki Aomi
恵之 青海
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Kansai Electric Power Co Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 FWMに比べて測定系の設定が容易な誘導ラ
マン散乱もしくはFWMと比べて発生効率の高いブリル
アン散乱を用いて分散分布測定を行う分散分布測定方法
および測定装置を提供する。 【解決手段】 光源1,2からの波長λ1の光を励起光
パルスとして、被測定光ファイバ7の両端に入力する
と、2つの励起光パルスは被測定光ファイバ7上の1点
で衝突し、光源8からの被測定光パルスが各励起光パル
スにより増幅され、光検出器11が被測定光パルスの波
長λ2について、被測定光ファイバ7上の点P1までの
伝搬遅延を検出し、被測定光パルスの波長λ2を変化さ
せて点P1における伝搬遅延の波長依存性を測定し、励
起光パルスの非測定ファイバ7への入射タイミングを変
えて測定を行い、点P2における伝搬遅延の延長依存性
を測定し、2つの結果を比較して、点P1と点P2との
区間の波長分散を推定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は分散分布測定方法
および測定装置に関し、特に、長距離の光ファイバ芯線
の長手方向の一定区間における波長分散を測定する測定
方法および測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】光ファイバのパラメータの1つとしての
波長分散特性は、伝送速度,波長帯域を制限する重要な
項目として注目されているが、今までの波長分散特性は
長手方向の平均値で評価されてきた。しかし、WDM
(波長分割多重)システムに使用される光ファイバでは
長手方向の波長分散の分布状態を正確に把握する必要が
ある。
【0003】波長分散分布の測定方法として、双方向O
TDR法(線形領域測定方法)がある。分散がばらつく
原因は、図3(a)に示すように光ファイバのコア径が
製造上のばらつきにより、太くなったり細くなったりす
ることに起因するものと考えられる。光ファイバの一端
から光が伝送していくと、太い部分では損失が少なくな
り、細い部分では損失が多くなる。この損失を測定する
ために、光ファイバの両端から光パルスを入力し、それ
ぞれ反対側で測定すると、後方散乱光の測定波形A,B
はそれぞれ距離に応じた損失に依存する損失依存成分
(点線)と、コア径や比屈折率差などの構造変化に依存
した成分(実線)の和で図3(b)の太線に示すように
変化する。
【0004】得られた測定波形の相加平均を求めると、
図3(c)に示すように光ファイバ伝搬方向における構
造変動依存成分は距離に関係なく一定の定数成分とな
る。この構造変動依存成分が分散に比例する。双方向O
TDR法は比較的簡便な測定方法であり、1つの光ファ
イバの分散を測定する場合に適しているが、複数本の光
ファイバを接続して使用する場合は、製造ロットにより
材質など微妙に変化するため、適していない。
【0005】図4はFWM(4光波混合光)を利用した
測定方法を示す図であり、図5はFWM後方散乱光を説
明するための図である。
【0006】図4において、コヒーレンス光源LS1,
LS2より出射されたそれぞれ波長の異なる波長λ1,
λ2の光信号はパルス化された後、EDFA(Erbi
um−Doped Fiber Amplifier)
によって増幅され、被測定光ファイバに入射される。す
ると、この2波長間で4光波混合(FWM)を発生させ
ながら、光パルスは被測定光ファイバを伝搬していく。
このとき2つの光パルスの波長に差があるので被測定光
ファイバの波長分散により、2つの波に伝搬速度差が生
じ、2つの光パルスにおける正弦波の間に位相差が現わ
れる。
【0007】この結果、FWM強度は励起光の光強度に
比例するため、発生するFWM光は図5に示すように被
測定光ファイバの長手方向に変化し、その変化の周期は
2つの光パルス間の伝搬速度差に比例する。被測定光フ
ァイバから戻るλ1,λ2の後方散乱光と、λ1,λ2
の後方散乱光により発生したFWM後方散乱光は光BP
F(Band Pass Filter)でFWM後方
散乱光のみ透過され、OTDR(後方散乱光測定装置)
にて受光される。
【0008】FMW後方散乱光を検出して時間分光する
と、FWM光強度の長手方向の変化が観測される。この
結果をもとに、PC(パーソナルコンピュータ)によっ
て2つの光パルス間の伝搬速度差が推定され、被測定光
ファイバの長手方向の分散分布が算出される
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上述の方法で分散を測
定しょうとする場合、長距離の光ファイバになるとFW
Mが微弱となり測定が困難になる。このために、FWM
をおこさせるために強い光が要求されるという問題があ
る。
【0010】それゆえに、この発明の主たる目的はFW
Mに比べて測定系の設定が容易な誘導ラマン散乱もしく
はFWMと比べて発生効率の高いブリルアン散乱を用い
て分散分布測定を行う分散分布測定方法および測定装置
を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】この発明は、光ファイバ
芯線の長手方向における波長分散の分布を計測する分散
分布測定方法であって、被測定光ファイバの両端から同
じ波長の励起光パルスを入力するとともに、被測定光フ
ァイバの一端から励起光の波長とは異なる波長の被測定
光パルスを伝搬させ、両端から入力された励起光パルス
と被測定光パルスを被測定光ファイバ上の1点で衝突さ
せ、その被測定光パルスの散乱光の変化を観測すること
で衝突点までの伝搬時間Pを算出し、被測定光パルスの
波長を順次変えながら、伝搬時間の波長依存性を測定
し、衝突点を移動させて点P´までの伝搬時間の波長依
存性を測定し、両区間の値の差分より区間P−P´の分
散を測定する。
【0012】他の発明は、光ファイバ芯線の長手方向に
おける波長分散の分布を計測する分散分布測定装置であ
って、第1の波長の励起光パルスを発生する第1の光源
と、第1の波長の励起光パルスを発生する第2の光源
と、第1の波長とは異なる第2の波長の被測定光パルス
を発生する第3の光源と、第1の光源と第2の光源から
の励起光パルスが被測定光ファイバ上で衝突するよう
に、各励起光パルスの発生タイミングを制御するととも
に、衝突点を任意の点に設定し、前記第3の光源からの
被測定光パルスの波長を変えるように制御するための制
御回路と、被測定光ファイバの一端側と第1および第3
の光源との間に設けられ、第1の光源からの励起光パル
スと、第3の光源からの被測定光パルスを該被測定光フ
ァイバに入力するとともに、被測定光パルスの散乱光を
取出すための光結合器と、被測定光ファイバの一端側
で、該被測定光ファイバ上で励起光パルスの衝突により
増幅された被測定光パルスの散乱光を観測して、衝突点
までの伝搬時間Pを算出して波長依存性を測定し、被測
定光パルスの波長を制御回路で順次変えたときの伝搬時
間を観測し、衝突点を移動させたときの点P´までの伝
搬時間の波長依存性を測定し、両区間の値の差分より区
間P−P´の分散を測定する測定回路とを備えたことを
特徴とする。
【0013】これらの発明により、比較的簡単な手法
で、あるいは簡単な装置で長距離の光ファイバの長手方
向における波長分散の分布を測定することが可能とな
る。
【0014】測定回路は、光結合器から出力された被測
定光パルスを抽出するフィルタと、フイルタで抽出され
た被測定光パルスに基づいて、分散を測定する後方分散
測定回路とを備えたことを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】図1はこの発明の分散分布測定方
法を説明するための概念図である。図1において、レー
ザ光源LD1,LD2から2つの異なる波長λ1,λ2
の光を発生し、変調器によってパルス変調し、λ1の励
起光としての光パルスに続いてλ2の被測定光としての
光パルスを光サーキュレータ(光結合器)を介して被測
定光ファイバの一端から入力する。
【0016】一方、レーザ光源LD3からの波長λ1の
光を発生し、変調器によってパルス変調し、その光パル
スを励起光として光ファイバの他端から入力する。光フ
ァイバの両端から入力されたλ1の光パルスは光ファイ
バ上の任意の点で衝突を発生させる。衝突を生じたとき
λ2の光パルスも衝突位置に到達しているため、λ1の
光パルスとλ2の光パルスの相互作用が起き、非線形効
果によりλ2の非測定パルスが増幅され、その振幅が大
きくなる。
【0017】このとき、光サーキュレータからフィルタ
を介してOTDRにより、被測定光パルスの後方散乱光
を観測すれば、2つの光パルスが衝突した部分で光強度
がパルス状に大きくなることが検出される。これによ
り、衝突点までの区間Pまでの伝搬時間が算出される。
そして、被測定光パルスの波長λ2を順次変えながら複
数の波長で観測すれば遅延時間差を計測できるので、伝
搬時間の波長依存性を知ることができる。
【0018】次に、衝突点を少し移動させて点P´とし
て同様の測定を行えば、点P´までの伝搬時間の波長依
存性が分かる。この2つの値の差分より、区間P−P´
の分散を測定できる。
【0019】上述のごとく、この実施形態による測定方
法は、光ファイバの両端からλ1の励起光パルスを入力
するようにしたので、光ファイバ内で2つの励起光パル
スを衝突させるという確実な手法を採用することによ
り、相互作用も比較的起こりやすいという効果を奏する
ことができる。
【0020】図2は図1に示した分散分布測定方法を実
現するための測定装置のブロック図である。図2におい
て、光源1,2はそれぞれ波長λ1の光を発光して光ス
イッチ3,4に与え、光スイッチ3はその光をスイッチ
ングして一方の励起光パルスとして、光カプラ5および
光サーキュレータ6を介して被測定光ファイバ7の一端
に入力する。
【0021】一方、光スイッチ4は光源2からの光をス
イッチングして他方の励起光パルスとして被測定光ファ
イバ7の他端に入力する。この2つの励起光パルスは被
測定光ファイバ上の1点で衝突するが、タイミング回路
12によって光スイッチ3,4の開閉タイミングを制御
することで、衝突点を被測定光ファイバ7上の任意点P
1に設定できる。
【0022】さらに、波長λ2の光が光源8で発光され
て光スイッチ9に与えられ、スイッチングされて被測定
光パルスとされ、タイミング回路12によって被測定光
ファイバ7上の点P1で励起光パルスの衝突と同時刻に
通過するようにタイミングが調整され、光カプラ5から
光サーキュレータ6を介して被測定光ファイバ7の一端
に入力される。被測定光パルスは、各励起光パルスによ
る非線形効果により変調を受けるが、点P1では2つの
励起光パルスの衝突により、特に励起光強度が高まるた
め、顕著な影響を受ける。この状態で、被測定光パルス
の後方散乱光が光サーキュレータ6から光フィルタ10
を介して光検出器11に与えられる。
【0023】光検出器11は被測定光パルスの波長λ2
について、被測定光ファイバ7上の点P1までの伝搬遅
延を検出する。ここで、光源8で被測定光パルスの波長
λ2を変化させると、点P1における伝搬遅延の波長依
存性を測定できる。
【0024】次に、励起光パルスの被測定光ファイバ7
への入射タイミングを変えて、点P2で励起光パルスが
衝突するように設定し、同様の測定を行うと、点P2に
おける伝搬遅延の延長依存性を測定できる。この2つの
結果を比較すると、点P1と点P2との間での伝搬遅延
の波長依存性を検出でき、この区間の波長分散を推定で
きる。
【0025】光ファイバは通常1〜2kmの単位で製造
されたものを接続して使用され、それぞれの製造ロット
で特性がばらついているが、それぞれの区間ごとの分散
が分かれば充分実用に耐えることができ、必ずしも連続
的に分散を測定する必要はない。したがって、上述の実
施形態の測定装置は、比較的簡便な装置として実現でき
ると思われる。
【0026】より具体的には、光源1,2で発光される
励起光パルスの波長を1.45μm帯あるいは1.53
μmに選び、光源8で発光される被測定光パルスの波長
を1.55μm帯あるいは1.6μmに選び、非線形現
象としてラマン散乱光を用いることが考えられる。
【0027】また、他の例として、光源1,2で発光さ
れる励起光パルスの波長を1.55μm帯に選び、光源
8で発光される被測定光パルスの波長を1.55μm帯
に選び、非線形現象としてブリルアン散乱光を用いても
よい。
【0028】今回開示された実施の形態はすべての点で
例示であって制限的なものではないと考えられるべきで
ある。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求
の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味お
よび範囲内でのすべての変更が含まれることが意図され
る。
【0029】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば、被測
定光ファイバの両端から第1の波長の励起光パルスを入
力するとともに、被測定光ファイバの一端から波長の異
なる被測定光パルスを入力し、2つの励起光パルスが被
測定光ファイバの任意の点で衝突して発生する被線形現
象を測定することにより、分散分布を測定することがで
きるこの方法では、FWMに比べて測定系の設定が容易
な誘導ラマン散乱、もしくはFWMに比べて発生効率の
高いブリルアン散乱を用いることにより、長距離の光フ
ァイバの分散分布測定に適したものとなる。
【0030】光通信における伝送路設計では、波長分散
は重要なパラメータであり、その測定は重要であり、将
来的には現状以上の精密な伝送路設計を行うことが必要
になると思われ、伝送路全体の平均の分散ではなく、長
手方向の分散分布を把握することが必須となると予想さ
れ、そのような局面ではこの発明が有用になると思われ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の分散分布測定方法を説明するため
の概念図である。
【図2】 図1に示した分散分布測定方法を実現するた
めの測定装置のブロック図である。
【図3】 従来の波長分散分布の測定方法としての双方
向OTDR法を説明するための図である。
【図4】 FWM(4光波混合光)を利用した測定方法
を示す図である。
【図5】 FWM後方散乱光を説明するための図であ
る。
【符号の説明】
1,2,8 光源、3,4,9 光スイッチ、5 光カ
プラ、6 光サーキュレータ、7 被測定光ファイバ、
10 光フィルタ、11 光検出器、12 タイミング
回路。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光ファイバ芯線の長手方向における波長
    分散の分布を計測する分散分布測定方法であって、 被測定光ファイバの両端から同じ波長の励起光パルスを
    入力するとともに、前記被測定光ファイバの一端から前
    記励起光の波長とは異なる波長の被測定光パルスを伝搬
    させ、 前記両端から入力された励起光パルスと前記被測定光パ
    ルスを前記被測定光ファイバ上の1点で衝突させ、その
    被測定光パルスの散乱光の変化を観測することで前記衝
    突点までの伝搬時間Pを算出し、 前記被測定光パルスの波長を順次変えながら、伝搬時間
    の波長依存性を測定し、衝突点を移動させて点P´まで
    の伝搬時間の波長依存性を測定し、両区間の値の差分よ
    り区間P−P´の分散を測定することを特徴とする、分
    散分布測定方法。
  2. 【請求項2】 光ファイバ芯線の長手方向における波長
    分散の分布を計測する分散分布測定装置であって、 第1の波長の励起光パルスを発生する第1の光源と、 前記第1の波長の励起光パルスを発生する第2の光源
    と、 前記第1の波長とは異なる第2の波長の被測定光パルス
    を発生する第3の光源と、 前記第1の光源と前記第2の光源からの励起光パルスが
    被測定光ファイバ上で衝突するように、各励起光パルス
    の発生タイミングを制御するとともに、衝突点を任意の
    点に設定し、前記第3の光源からの被測定光パルスの波
    長を変えるように制御するための制御回路と、 前記被測定光ファイバの一端側と前記第1および第3の
    光源との間に設けられ、前記第1の光源からの励起光パ
    ルスと、前記第3の光源からの被測定光パルスを該被測
    定光ファイバに入力するとともに、前記被測定光パルス
    の散乱光を取出すための光結合器と、 前記被測定光ファイバの一端側で、該被測定光ファイバ
    上で前記励起光パルスの衝突により増幅された前記被測
    定光パルスの散乱光を観測して、前記衝突点までの伝搬
    時間Pを算出して波長依存性を測定し、前記被測定光パ
    ルスの波長を前記制御回路で順次変えたときの伝搬時間
    を観測し、衝突点を移動させたときの点P´までの伝搬
    時間の波長依存性を測定し、両区間の値の差分より区間
    P−P´の分散を測定する測定回路とを備えたことを特
    徴とする、分散分布測定装置。
  3. 【請求項3】 前記測定回路は、 前記光結合器から出力された被測定光パルスを抽出する
    フィルタと、 前記フイルタで抽出された被測定光パルスに基づいて、
    前記分散を測定する後方分散測定回路とを備えたことを
    特徴とする、請求項2に記載の分散分布測定装置。
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