JP5442357B2 - ラマン光増幅特性評価装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ラマン光増幅の利得分布特性等を評価するためのラマン光増幅特性評価装置に関し、被測定光ファイバの片端のみからの測定でラマン光増幅器の評価を容易に行えるようにするための技術に関する。
光ファイバラマン光増幅とは、光ファイバに強い励起光を入射したときにラマン散乱に基づく誘導放出が起こり、励起光波長より100nm程度の長い波長域に増幅帯域が得られる現象である。この光ファイバラマン光増幅は、増幅波長帯域が広く、その増幅帯域を励起光の波長によって自由に設定できるという利点を有している。
なお、ラマン散乱とは、光ファイバへの入射光子が石英ガラスの分子振動に対応する光学フォノンを励起して、そのエネルギー分だけ周波数シフト(13.2THz程度で、1.55μm帯では、約100nmに相当)した光として散乱される3次の非線形現象である。
ラマン光増幅は、エルビウム添加光ファイバ増幅器(EDFA:Erbium Doped Fiber
Amplifier)に比べ、雑音が1/4程度と小さいこと、特殊な光ファイバを必要せず通常のシングルモードファイバで増幅が可能であること等のメリットがあるため、これらのメリットを生かして、ラマン光増幅とEDFAと併せて用いることで伝送品質の劣化を抑制する長距離伝送システムの検討が進められている。
この長距離伝送システムに用いるラマン光増幅の評価対象特性として利得分布特性があり、それを測定するためのシステムを図7に示す。
このシステムでは、励起光源11から出射されたパルス光Ppumpを、光カプラ12を介して被測定光ファイバ1の一端に入射させ、その他端には信号光光源13から出射された信号光(連続光)P(cw)を入射させて、被測定光ファイバ1中で信号光P(cw)をパルス光Ppumpと対向させることによりラマン光増幅を生じさせ、被測定光ファイバ1から光カプラ12側へ出射された光のうち、ラマン光増幅を受けた信号光P(cw)′の成分を波長フィルタ14で抽出して光電変換器15に入射させ、電気信号に変換する。
ここで、パルス光Ppumpが被測定光ファイバ1内に無いとき、ラマン光増幅作用は生じていないので、その間に光電変換器15に入射される信号光P(cw)′の強度は一定値A1となる。
また、パルス光Ppumpが被測定光ファイバ1の一端から他端まで伝搬している間はラマン光増幅作用が生じており、伝搬によるパルス光Ppumpの減衰に伴い利得が低下するので、その間に光電変換器15に入射される信号光P(cw)′の強度は、一定値A1より大きい範囲でA2からA3まで一定の傾きで低下することになる。
このラマン光増幅された信号光P(cw)′の強度の時間波形を図8のように検出し、その増幅成分(A2〜A3までの成分)と直流成分(A1)を測定することにより、ラマン利得分布特性を求めることができる。
また、別の方法として、図9のように、光パルス試験器(OTDR)20を用いる方法も知られている。
即ち、連続光を出射する励起光源11がオフ状態で、光パルス試験器20の光源21から出射されたパルス光Ppを、光カプラ22を介して被測定光ファイバ1の一端に入射し、伝送路の遠端Bの近傍での戻り光Prを光カプラ22および波長フィルタ23(パルス光Ppの波長成分を通過させる)を介して光電変換器24に入射し、その出力から伝播損失L1(dB)を求める。
次に、励起光源11をオン状態にし、励起光P(cw)を被測定光ファイバ1の他端から入射した状態で、前記同様にパルス光Ppを入射して、伝送路の遠端Bの近傍での戻り光(この場合ラマン増幅されている戻り光)から検出される伝搬損失L2(dB)を求める。
そして、伝搬損失の差L2−Llからラマン利得特性を求めることができ、また、このラマン利得を励起光P(cw)の光強度で除算することにより、ラマン利得効率を求めることができる。
なお、ラマン利得を測定する技術は例えば次の特許文献1にも開示されている。
特許第3952039号公報
しかし、上記した従来の測定方法は、測定対象のラマン光増幅器の励起光P(cw)の光強度を変化させることが必要となり、また、被測定ファイバ1の両端での測定作業が必要であるため、測定を容易に行えないという問題があった。
本発明は、上記の課題を鑑み、被測定ファイバの片端のみの作業でラマン光増幅器の評価が容易に行えるラマン光増幅特性評価装置を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明の請求項1のラマン光増幅特性評価装置は、
ラマン光増幅媒体(1)と励起光源(11)からなるラマン光増幅器のラマン光増幅特性を評価するためのラマン光増幅特性評価装置であって、
パルス状のプローブ光を発生する光源(31)と、
3つの異なる光路を有し、前記プローブ光を第1光路で受けて第2光路から出射し、該第2光路に入射された光を第3光路から出射する光カプラ(32)と、
前記光カプラの第2光路に一端側が接続された所定長(L 1 )の参照光ファイバ(33)と、
第1の光電変換器(35b)を含み、前記光カプラの第3光路から出射された光に含まれる前記プローブ光の波長成分の強度に対応した大きさの電気信号を出力する第1の光検出器(35)と、
光を吸収する無反射素子(41)と、
第2の光電変換器(42a)を含み、入射光の強度に対応した大きさの電気信号を出力する第2の光検出器(42)と、
前記参照光ファイバの他端側に接続された第1光端子(40a)、前記ラマン光増幅媒体の一端に接続された第2光端子(40b)、前記無反射素子に接続された第3光端子(40c)および前記第2の光検出器の光入射部に接続された第4光端子(40d)とを有し、前記第1光端子と第2光端子とを接続した第1接続状態、前記第1光端子と第3光端子とを接続した第2接続状態、前記第2光端子と第4光端子とを接続した第3接続状態とに切替可能な光路切替部(40)と、
前記光路切替部の前記第1接続状態において前記第1の光検出器から出力される信号の時間波形を取得し、異なる複数の位置の強度(Dp(x))を求め、前記第2の接続状態において前記第1の光検出器から出力される信号から前記参照光ファイバの長さに相当する距離(L 1 )の位置からの戻り光強度(Dp0(L 1 ))を求め、さらに、前記第3接続状態において前記第2の光検出器から出力される信号から前記距離(L 1 )の位置における励起光強度(Pc(L 1 ))を求め、これら求めた強度に基づいて前記ラマン光増幅器のラマン光増幅特性を算出する信号処理部(50)とを備えたことを特徴とする。
また、本発明の請求項2のラマン光増幅特性評価装置は、請求項1記載のラマン光増幅特性評価装置において、
前記第1の光検出器は、
前記光カプラの第3光路から出射された光を波長フィルタ(35a)に入射して前記プローブ光の波長成分を抽出し前記第1の光電変換器に入射することを特徴とする。
また、本発明の請求項3記載のラマン光増幅特性評価装置は、請求項1記載のラマン光増幅特性評価装置において、
前記光源は、前記パルス状のプローブ光の他に該プローブ光に対して所定の光周波数差をもつ連続光を出射するように構成されており、
前記第1の光検出器は、
前記光カプラの第3光路から出射された光と前記光源からの連続光とを合波して前記第1の光電変換器に入射させ、該第1の光電変換器の出力信号から前記所定の周波数差に相当するビート信号成分を抽出してその振幅を検出するように構成されていることを特徴とする。
また、本発明の請求項4のラマン光増幅特性評価装置は、請求項1〜3のいずれかに記載のラマン光増幅特性評価装置において、
前記光源は、出射するプローブ光の波長を可変できる構成となっていることを特徴とする。
上記のように構成されているため、本発明のラマン光増幅特性評価装置では、光路切替部の第2光端子にラマン光増幅媒体の一端を接続した状態で3つの異なる測定を行うことで、ラマン光増幅器の特性を求めることができ、片端測定で容易に評価ができる。
本発明の測定原理を説明するための図 本発明の第1実施形態の構成を示す図 実施形態の光路切替を含む測定手順の一例を示す図 実施形態の光路切替を含む測定手順の一例を示す図 実施形態の光路切替を含む測定手順の一例を示す図 本発明の第2実施形態の構成を示す図 ラマン光増幅器の特性評価のための従来構成を示す図 測定結果の一例を示す図 光パルス試験器を用いてラマン光増幅器の特性を評価するための従来構成を示す図
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明の測定原理を説明するための図である。
測定条件として、参照光ファイバ33(長さL1)とラマン光増幅媒体としての被測定光ファイバ1(長さL-L1)とが接続された全ファイバ光路で、参照光ファイバ33側から被測定光ファイバ1側に向かう方向をx軸座標と定義し、参照光ファイバ33側の端の位置をx=0、被測定光ファイバ1側の端の位置をx=Lとする。
また、図1において、符号31はパルス状のフローブ光Ppを出射する光源、符号32はプローブ光Ppを参照光ファイバ33へ出射し、参照光ファイバ33側からの戻り光を別の光路へ出射する光カプラ、符号35aは参照光ファイバ33側からの戻り光を受けてプローブ光の波長成分を通過させる波長フィルタ、符号35bは波長フィルタ35aを通過した光を受ける光電変換器である。
ここで、参照光ファイバ33の端からプローブ光Ppを入射し、被測定光ファイバ1側から連続した励起光(CW光)P(cw)を入射する。
参照光ファイバ33および被測定光ファイバ1上の任意の位置x(0≦x≦L)でのプローブ光Ppの強度Pp(x)は、以下のように表すことができる。
Pp(x)=Pp(0)・exp{−α1(λp)・x} (0≦x≦L1) …(1)
Pp(x)=Pp(0)・exp{−α1(λp)・L1−α2(λp)・(x−L1)}
(L1<x≦L)
ここで、
Pp(x):位置xにおける光パルスの光強度
Pp(0):位置0における光強度
α1(λp):プローブ光の波長λpにおける光パルスに対する参照光ファイバの損失係数
α2(λp):プローブ光の波長λpにおける光パルスに対する被測定光ファイバの損失係数
また、任意の位置x(0≦x≦L)での励起光(CW光)の強度Pc(x)は、(2)式で表される。
Pc(x)=Pc(L)・exp{−α2(λc)(L−L1)−α1(λc)(L1−x)} (0≦x≦L1)…(2)
Pc(x)=Pc(L)・exp{−α2(λc)(L−x)} (L1<x≦L)
ここで、
Pc(x):位置xにおける励起光(CW光)の光強度
Pc(L):位置Lにおける光強度
α1(λc):励起光(CW光)の波長λcにおける参照光ファイバの損失係数
α2(λc):励起光(CW光)の波長λcにおける被測定光ファイバの損失係数
位置xにおけるラマン光増幅により増幅したプローブ増幅光の強度は、(3)式で表される。
Pp(x)・G(x)=Pp(x)・exp{
gR(x)/Aeff(x)・Pc(x)(v・Tp/2)} …(3)
ただし
G(x):増幅率
gR(x)/Aeff(x):ラマン利得係数(Aeff(x)は実効断面積)
v:光ファイバ中の伝播速度で、v=c/n (cは光速、nは光ファイバのコア屈折率)
Tp:光パルスのパルス幅
なお、gR(X)/Aeff(x)Pc(x)(v・Tp/2)が小さければ、
G(x)=exp{gR(x)/Aeff(x)Pc(x)(v・Tp/2)}
は、
G(x)≒1+gR(x)/Aeff(x)Pc(x)(v・Tp/2)
と近似でき、(3)式は(4)式で表される。
Pp(x)・G(x)≒Pp(x)・{1+gR(x)/Aeff(x)・Pc(x)(v・Tp/2)} …(4)
ここで、Pp(x)はラマン光増幅前のx位置におけるプローブ光強度を示す。
プローブ増幅光の後方散乱光は、光ファイバの光損失による減衰、光カプラ32の透過率C1(λp)および波長フィルタ35aの透過率C2(λp)により減衰し、光電変換器35bに入力する。
従って、光電変換器35bで受光する位置x(L1<x≦L)で発生した後方散乱光のプローブ光強度[(4)式]の検出レベルDp(x)は、(2)、(3)式を用い、(5)式で表される。ここで、後方散乱光の発生率をkbとする。
Dp(x)=kb・Pp(x)・G(x)・exp{−α1(λp)・L1−α2(λp)・(x−L1)}
・C1(λp)・C2(λp) …(5)
=kb・exp{−α1(λp)・L1−α2(λp)・(x−L1)}・C1(λp)・C2(λp)
Pp(x)・exp{gR(x)/Aeff(x)・Pc(x)・(v・Tp/2)}
Pp(x)= Pp(0)・exp{−α1(λp)・L1−α2(λp)・(x−L1) },
Pc(x)= Pc(L)・exp{−α2(λc)・(L−x)}
であるため、上記(5)式は次の(6)式でも表される。
Dp(x)=kb・exp{−α1(λp)・L1−α2(λp)・(x−L1)}・C1(λp)・C2(λp)
Pp(0)・exp{−α 1 (λp)・L 1 −α 2 (λp)・(x−L 1 ) }
exp[gR(x)/Aeff(x)・Pc(L)・exp{−α 2 (λc)・(L−x)}(v・Tp/2)] …(6)
(5)式、(6)式を(4)式の近似を用いて展開すると、(7)式、(8)式で表される。ただし、x(L1<x≦L)
Dp(x)≒kb・exp{−α1(λp)・L1−α2(λp)・(x−L1)}・C1(λp)・C2(λp)
Pp(x)・{1+gR(x)/Aeff(x)・Pc(x)(v・Tp/2)} …(7)
≒kb・exp{−α1(λp)・L1−α2(λp)・(x−L1)}・C1(λp)・C2(λp)

Pp(0)・exp{−α 1 (λp)・L 1 −α 2 (λp)・(x−L 1 )}
{1+gR(x)/Aeff(x)・Pc(L)・exp{−α 2 (λc)・(L−x)}
(v・Tp/2)} …(8)
ここで、(7)式の右辺第1項(下線無しの部分)は、プローブ光がラマン光増幅していない状態において、x位置で後方散乱光がα(λp)のファイバ減衰と、C1(λp)の光カプラ32の減衰と、C2(λp)の波長フィルタ35aの減衰を受けた光強度を示している。また、右辺第2項(下線有りの部分)は、その時のラマン光増幅による増幅分を示す。
上記(8)式で、L=L1とすると、
Pc(L)・exp{−α2(λc)・(L−x)}=Pc(L1)・exp{α2(λc)・(x−L1)}
となる。
したがって、上記(8)式は、次の(9)式で表される。
Dp(x)≒kb・Pp(0)・exp[2{−α1(λp)・L1−α2(λp)・(x−L1)}]・C1(λp)・C2(λp)
・[1+gR(x)/Aeff(x)・Pc(L 1 )・exp{α 2 (λc)・(x−L 1 )}・(v・Tp/2)]
・・・(9)
ここで、位置x が被測定光ファイバの領域(すなわちL1<x<L)のL1近傍にあり、ラマン利得係数の[gR(x)/Aeff(x)]が均一である光ファイバを想定する。
x=L1 ′(L1′はL1の近傍、即ち、x−L1≒0)にてラマン光増幅した光を光電変換器35bで受光した時の強度は、参照光ファイバ33を被測定光ファイバ1に接続した状態で測定でき、その測定結果をDp1 (L1′)とすれば、上記(9)式は、次の(10)式で表される。
Dp1 (L1′)≒kb・Pp(0)・exp[2{−α1(λp)・L1 }]・C1(λp)・C2(λp)
[1+gR(L 1 ′)/Aeff(L 1 ′)・Pc(L 1 )・(v・Tp/2)]
ここで、L1≒L1′ ・・・(10)
次に、x=L1でラマン光増幅されないときに、光電変換器35bに受光される光強度は、上記(10)式の第1項(下線の無い部分)であって、この値は、参照光ファイバ33を被測定ファイバ1に接続しない状態で測定でき、その測定結果をDp0(L1)とすると、(11)式で表される。
X1=Dp0(L1)
≒kb・Pp(0)・exp[2{−α1(λp)・L1 }]・C1(λp)・C2(λp) ・・・(11)
また、(10)式と(11)式から、
Dp1(L1′)
≒Dp0(L1)・[1+gR(L1′)/Aeff(L1′)・Pc(L1)・(v・Tp/2)]
となる。
よって、
X2=gR(L1′)/Aeff(L1′)=[{Dp(L1′)/Dp0(L1)}−1]
/{Pc(L1)(v・Tp/2)} ・・・(12)
ここで、X2はラマン利得係数を示し、(12)式は励起光を入力した場合と、励起光を入力していない場合の励起光強度に対する光検出信号の増加分からラマン利得係数を求めたことを意味する。
被測定ファイバ1のラマン利得係数X2が均一である場合には、
X2=gR(L1′)/Aeff(L1′)=gR(x)/Aeff(x)
と置くことができ、(9)式に(11)、(12)式を代入すると、次の(13)式で表される。
Dp(x)=X1・exp[2{−α2(λp)・(x−L1)}]
・[1+X2・Pc(L1)・(v・Tp/2)・exp{α2(λc)・(x−L1)}] ・・・(13)
被測定光ファイバ1の波長λp、λcにおける損失α2(λp)・(x−L1)およびα2(λc)・(x−L1)について、λpとλcは波長が100nm程度ずれているが、通常の光ファイバでは100nm程度の波長差による損失差は小さい。
したがって、両波長のおける被測定光ファイバの損失を、
Y(x)=α2(λp)・(x−L1)≒α2(λc)・(x−L1)
とおくと、(13)式は、(14)式で表すことができる。
Dp(x)=X1・exp{−2Y(x)}・[1+X2・Pc(L1)・(v・Tp/2)・expY(x)] ・・・(14)
なお、v は光ファイバ中の速度、Tpは光信号のパルス幅であり、v・Tp/2は既知の値である。
この(14)式は、各位置xの光検出信号の強度分布の変化が損失分布に起因しており、実測した光検出信号の強度分布の変化から損失が求まることを意味する。
したがって、参照光ファイバ33を被測定ファイバ1に接続していない状態での光電変換器35bの出力から求められた強度X1=Dp0(L1)、参照光ファイバ33を被測定光ファイバ1に接続した状態での光電変換器35bの出力から求められた強度Dp(x)、位置x=L1での励起光強度Pc(L1)を別の光電変換器を用いて測定し、(14)式に代入し、さらに、異なる二つの位置の強度Dp(x)、例えば、x=x1 のDp(x1)、x=x2 のDp(x2)を測定して得られた連立方程式を解くことで、二つの未知数であるラマン利得係数X2、被測定光ファイバの損失特性を示す値Y(x)を求めることができる。
これより、ゲイン特性Gain(x)を、次の(15)式から求めることができる。
Gain(x)=1+X2・Pc(L1)・(v・Tp/2)・exp{α2(λc)・(x−L1)}
=1+X2・Pc(L1)・(v・Tp/2)・exp[Y(x)] ・・・(15)
(第1の実施形態)
次に上記測定原理を適用した本発明の実施形態について説明する。
図2は、上記測定原理を適用した本発明の第1の実施形態である。
このラマン光増幅特性評価装置30は、ラマン光増幅媒体としての被測定光ファイバ1とその被測定光ファイバ1に励起光(CW光)P(cw)を入射する励起光源11からなるラマン光増幅器10のラマン光増幅特性を評価するためのものである。
ラマン光増幅特性評価装置30の光源31は、パルス状のプローブ光Ppを発生して光カプラ32に入射する。この光源としては、例えば図示しているように、連続光発生器31aから出射された連続光を光変調器31bに入射してパルス光に変換するものが採用できる。また、後述するようにヘテロダイン方式の場合には、周波数シフタを併用して光検出器の出力にそのシフト周波数分のビート成分が生じるようにする。なお、光変調器31bは、後述する信号処理部50から出力されたクロック信号Cを受け、それに同期したパルス状のプローブ光Ppを出射するものとする。
光カプラ32は、3つの異なる光路を有する方向性結合器からなり、光源31からのプローブ光Pbを第1光路で受けて第2光路から出射し、第2光路から入射された光を第3光路から出射する。
光カプラ32の第2光路には、通常のシングルモードファイバで前記したように長さL1の参照光ファイバ33の一端が接続されている。
また、光カプラ32の第3光路には第1の光検出器35が接続されている。第1の光検出器35は、光電変換器35bを含み、光カプラ32の第3光路から出射された光Prに含まれるプローブ光Ppの波長成分の強度に対応した大きさの電気信号を出力する。
この実施形態では、光カプラ32の第3光路から出射された光Prを波長フィルタ35aに入射し励起光の除去とプローブ光Ppの波長成分の抽出を行い、その抽出したプローブ光Ppの波長成分を光電変換器35bに入射し、光電変換器35bの出力をA/D変換器35cによってデジタルのデータ値に変換して後述する信号処理部50に出力している。
一方、参照光ファイバ33の他端側は、光路切替部40に接続されている。
この光路切替部40は、前記測定原理で説明した3つの測定を切り替えて行うためのものであり、4つの光端子のうち、第1光端子40aには参照光ファイバ33の他端側が接続され、第2光端子40bには、被測定光ファイバ1の一端が接続されている。
また、第3光端子40cには、光を吸収する無反射素子41が接続され、第4光端子40dには、第2の光検出器42が接続されている。
第2の光検出器42は、光電変換器42aを含み、入射光の強度に対応した大きさの電気信号を出力するものであり、光電変換器42aの出力をA/D変換器42bによってデジタルのデータ値に変換して後述する信号処理部50に出力している。
上記光路切替部40は、信号処理部50の制御によって3つの接続状態が設定される。即ち、第1光端子40aと第2光端子40bとの間を接続した第1接続状態、第1光端子40bと第3光端子40cとの間を接続した第2接続状態、第2光端子40bと第4光端子40dとの間を接続した第3接続状態のいずれかに設定される。
信号処理部50は、光路切替部40の各接続状態における第1光検出器35と第2の光検出器42の出力に基づいて、ラマン光増幅器10のラマン光増幅特性を算出する。
即ち、前記した測定原理にしたがって、例えば、図3のように、光路切替部40を第1接続状態とし、参照光ファイバ33を被測定光ファイバ1に接続した状態でプローブ光Ppの出射タイミングから一定時間(光が参照光ファイバ33と被測定光ファイバ1を往復するのに必要な時間)の間に光電変換器35bから出力される信号の時間波形を取得し、前記した強度Dp(x)のデータを求めて記憶する。
次に、図4のように、光路切替部40を第2接続状態とし、参照光ファイバ33が被測定ファイバ1に接続していない状態(参照光ファイバ33の末端からの全反射成分を発生させないように無反射素子41に接続)で、プローブ光Ppの出射タイミングから一定時間(光が参照光ファイバ33を往復するのに必要な時間)の間に光電変換器35bから出力される信号の時間波形を取得し、前記した距離L1の位置からの戻り光の強度X1=Dp0(L1)を求めて記憶する。
そして、図5のように、光路切替部40を第3接続状態とし、位置x=L1での励起光強度Pc(L1)を第2の光検出器42により測定し、これを記憶する。なお、これら3つの測定の順序は任意でよい。
信号処理部50は、上記3つの測定で得られた結果を前記記式(14)に代入し、また異なる位置x1、x2における強度Dp(x)の式を立てて、それを解くことで二つの未知数であるラマン利得係数X2および被測定光ファイバ1の損失特性を示す値Y(x)を求める。そして、これらの値を(15)式に代入することで、ゲイン特性Gain(x)(前述の利得分布特性)を求める。なお、この算出結果等は、図示しない表示装置に例えばグラフ表示される。
このように実施形態のラマン光増幅特性評価装置30では、ラマン増幅器10の被測定光ファイバ1の片端からの測定が行え、従来に比べて格段に容易に測定が行える。
(第2実施形態)
上記実施形態では、光源31から出射したパルス状のプローブ光Ppに対する戻り光成分を第1の光検出器35の波長フィルタ35aで抽出してその強度を求めていたが、プローブ光Ppの戻り光成分を抽出する方式としてヘテロダイン方式を採用することも可能である。
図6は、このヘテロダイン方式の実施形態であり、光源31としては、前記同様のパルス状のプローブ光Ppの他に、そのプローブ光Ppに対して所定の光周波数差Δf(例えば100MHz)をもつ連続光Pc2を出射するように構成する。具体的には図6で示しているように連続光発生器31aの出力を分岐器31cにより2分岐し、その一方の光Pc1をAOM(音響光学デバイス)31dに入射し、光周波数がシフトされ且つクロック信号Cに同期したパルス状のプローブ光Ppを生成出力させる。
また、この場合、第1の光検出器35は、光カプラ32の第3光路から出射された光と光源31の分岐器31cで分岐された他方の光Pc2とを合波器35dにより合波して光電変換器35bに入射させ、その光電変換器35bの出力信号から前記所定の周波数差Δfに等しい周波数のビート成分をバンドパスフィルタ(BPF)35eにより抽出し、そのビート成分の振幅を検波器35fによって求め、これをA/D変換器35cによってデジタルのデータに変換して信号処理部50に出力する構成とする。
このヘテロダイン方式を採用した場合、光カプラ32の第3光路から出射された光の強度は交流のビート成分の振幅に現れ、光電変換器35bの直流オフセットの変動の影響を受けないので、より安定で正確な測定が可能となる。
なお、上記二つの実施形態では、光源31が出射するプローブ光の波長が固定の場合で説明したが、上記二つの実施形態で、光源31の連続光発生器31aとして可変波長光源を採用し、プローブ光Ppの波長を自由に可変できるようにすれば、波長帯域の異なるラマン増幅器の評価が可能となり、さらに便利になる。
1……被測定光ファイバ、11……励起光源、30……ラマン光増幅器特性評価装置、31……光源、31a……連続光発生器、31b……光変調器、31c……分岐器、31d……AOM、32……光カプラ、33……参照光ファイバ、35……第1の光検出器、35a……波長フィルタ、35b……光電変換器、35c……A/D変換器、35d……合波器、35e……バンドパスフィルタ、35f……検波器、40……光路切替部、41……無反射素子、42……第2の光検出器、50……信号処理部

Claims (4)

  1. ラマン光増幅媒体(1)と励起光源(11)からなるラマン光増幅器のラマン光増幅特性を評価するためのラマン光増幅特性評価装置であって、
    パルス状のプローブ光を発生する光源(31)と、
    3つの異なる光路を有し、前記プローブ光を第1光路で受けて第2光路から出射し、該第2光路に入射された光を第3光路から出射する光カプラ(32)と、
    前記光カプラの第2光路に一端側が接続された所定長(L 1 )の参照光ファイバ(33)と、
    第1の光電変換器(35b)を含み、前記光カプラの第3光路から出射された光に含まれる前記プローブ光の波長成分の強度に対応した大きさの電気信号を出力する第1の光検出器(35)と、
    光を吸収する無反射素子(41)と、
    第2の光電変換器(42a)を含み、入射光の強度に対応した大きさの電気信号を出力する第2の光検出器(42)と、
    前記参照光ファイバの他端側に接続された第1光端子(40a)、前記ラマン光増幅媒体の一端に接続された第2光端子(40b)、前記無反射素子に接続された第3光端子(40c)および前記第2の光検出器の光入射部に接続された第4光端子(40d)とを有し、前記第1光端子と第2光端子とを接続した第1接続状態、前記第1光端子と第3光端子とを接続した第2接続状態、前記第2光端子と第4光端子とを接続した第3接続状態とに切替可能な光路切替部(40)と、
    前記光路切替部の前記第1接続状態において前記第1の光検出器から出力される信号の時間波形を取得し、異なる複数の位置の強度(Dp(x))を求め、前記第2の接続状態において前記第1の光検出器から出力される信号から前記参照光ファイバの長さに相当する距離(L 1 )の位置からの戻り光強度(Dp0(L 1 ))を求め、さらに、前記第3接続状態において前記第2の光検出器から出力される信号から前記距離(L 1 )の位置における励起光強度(Pc(L 1 ))を求め、これら求めた強度に基づいて前記ラマン光増幅器のラマン光増幅特性を算出する信号処理部(50)とを備えたことを特徴とするラマン光増幅特性評価装置。
  2. 前記第1の光検出器は、
    前記光カプラの第3光路から出射された光を波長フィルタ(35a)に入射して前記プローブ光の波長成分を抽出し前記第1の光電変換器に入射することを特徴とする請求項1記載のラマン光増幅特性評価装置。
  3. 前記光源は、前記パルス状のプローブ光の他に該プローブ光に対して所定の光周波数差をもつ連続光を出射するように構成されており、
    前記第1の光検出器は、
    前記光カプラの第3光路から出射された光と前記光源からの連続光とを合波して前記第1の光電変換器に入射させ、該第1の光電変換器の出力信号から前記所定の周波数差に相当するビート信号成分を抽出してその振幅を検出するように構成されていることを特徴とする請求項1記載のラマン光増幅特性評価装置。
  4. 前記光源は、出射するプローブ光の波長を可変できる構成となっていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のラマン光増幅特性評価装置。
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