JP2003184066A - 地下空洞充填用パッカー装置 - Google Patents

地下空洞充填用パッカー装置

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 埋設管の近傍に発生した地下空洞を充填する
工法を、埋設管内から効率的に実施するに適したパッカ
ー装置を提供する。 【解決手段】 本発明の地下空洞充填用パッカー装置
は、埋設管内に設置して該埋設管の近接位置に発生した
地下空洞を充填するに用いる装置であり、軸方向に管状
通路を有する筒状缶体の前後両側外周に接して膨張収縮
が可能な環状中空封止体を設けると共に、該管状通路内
には、該筒状缶体の一方端から中央部外周面の一部位に
達して外方に開口するガイド管と、該中央部外周面の他
部位で外方に向かって開口し該筒状缶体の他方端に達す
る1以上の排土管とを少なくとも設けてなり、該ガイド
管は屈曲制御可能で長尺の小径孔掘削装置と屈曲制御可
能で長尺の孔内観察装置と屈曲制御可能で長尺の充填材
給送装置とから選ばれた、少なくとも1種以上の作業用
装置の挿通を案内できるように構成したものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、地下空洞充填用パ
ッカー装置に関し、特に、地下埋設管等の欠陥部などか
ら土砂等が流出することにより発生した地下空洞を、該
地下埋設管等の欠陥部などを利用して効率的に充填する
ために使用するパッカー装置に関する。
【0002】
【従来の技術】道路下の地盤内には、上水道、下水道、
或いは都市ガス、電力、通信等の種々の管路が埋設され
ていることが多く、これらの管路に破損が発生すると、
破損部位から漏出した水などによって地盤内の土砂が流
失するなどにより、地盤内に空洞が発生することがあ
る。このような空洞を放置しておくと、規模が拡大して
路面の陥没につながるばかりでなく、交通の障害となる
ほか、各種の構築物等の破損をも引き起こすことにもな
る。
【0003】そのため地盤内の空洞が発見されたときに
は、先ず埋設管等の欠陥が原因であるかどうかが疑わ
れ、調査が行われることが多い。そして空洞の規模や形
状の調査結果に基づいて、空洞部分上部の土砂を除去し
て新たな土砂を充填し、改めて舗装をし直すなどによ
り、復旧工事を行うのが普通であった。しかしこのよう
に地上から掘削する方法は、大量の土砂を搬出したのち
更に埋め戻す必要があるために、工期が長くかかるうえ
費用も嵩み、交通の障害となるほか騒音や粉塵などによ
る環境汚染の問題もある。
【0004】そこで本発明者は、前述の問題の発生を避
けるために、地上から土砂の掘削を行う代わりに小径の
孔を穿設し、この孔を介して地下の空洞部分に直接に地
上から土砂等を充填して、安定化させる工法を発明し、
特許を得ている (特2733755、特3037929)。しかしこの
ような工法でも、地盤内に各種の管路や構築物等が複雑
に設置されている場合などでは、前記の小径孔を穿設す
る工事が容易でない場合があるため、上記の工法の不利
を避け得る新規な工法として、地下空洞の発生原因とな
った欠陥を持つ埋設管等を利用して空洞を充填する方法
(特願2001-257877)を提案している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明は、上記
のような埋設管の近傍に発生した地下空洞を充填する工
法を、埋設管の内部から効率的に実施するに適した装置
を提供することを目的としたもので、具体的には、下水
管等の埋設管内に該装置を導入して固定し、該埋設管の
欠陥部等から地下空洞に達する充填材送入孔を掘削し、
その後該送入孔から該地下空洞に充填材を送入して固化
させ、短時間で効率的に地盤を強化するに用いるパッカ
ー装置を提供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の地下空洞充填用
パッカー装置は、埋設管内に設置して該埋設管の近接位
置に発生した地下空洞を充填するに用いる装置であっ
て、軸方向に管状通路を有する筒状缶体の前後両側外周
に接して膨張収縮が可能な環状中空封止体を設けると共
に、該管状通路内には、該筒状缶体の一方端から中央部
外周面の一部位に達して外方に開口するガイド管と、該
中央部外周面の他部位で外方に向かって開口し該筒状缶
体の他方端に達する1以上の排土管とを少なくとも設け
てなり、該ガイド管は屈曲制御可能で長尺の小径孔掘削
装置と屈曲制御可能で長尺の孔内観察装置と屈曲制御可
能で長尺の充填材給送装置とから選ばれた、少なくとも
1種以上の作業用装置の挿通を案内できるように構成し
たものである。
【0007】本発明の地下空洞充填用パッカー装置にお
いて、前記ガイド管の前記中央部外周面側開口端部に、
挿通された前記1種以上の作業用装置の周囲に生ずる隙
間を封止する中空封止体が設けられていると、外部の土
砂や泥水が装置内、特に前記ガイド管内に流入して内面
などを汚損し、或いは作業用装置の挿通を案内する支障
となるのを防止できる。
【0008】更に、前記筒状缶体の一方端側近傍にある
前記ガイド管の端部に、前記1種以上の作業用装置の導
入口がそれぞれ設けられていると、所望の作業用装置を
選択して前記ガイド管内に導入することが容易となり、
作業用装置を交換しながら円滑に地下空洞充填の作業を
進めることができる。
【0009】また本発明の地下空洞充填用パッカー装置
において、前記排土管の前記中央部外周面側開口端部付
近に、泥水吸引用のエジェクタが設けられていると、掘
削作業の進行に伴って装置の周囲に流下する土砂や泥水
などを、前記排土管内に迅速に吸い上げると同時に、装
置の他方端に向かって排出することができ、掘削作業と
排土作業とを連携させて効率的に実施することができ
る。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の地下空洞充填用パ
ッカー装置を、図に基づいて説明する。図1において、
Aは破損箇所などがある下水管等の埋設管であり、B
は、埋設管Aの近傍に発生した地下空洞Fを充填するた
めに、埋設管Aに予め設けた作業用開孔である。そして
Cは、埋設管A内に牽引索Dなどによって導入された、
本発明の地下空洞充填用パッカー装置である。
【0011】図に示すパッカー装置Cにおいて、1は軸
方向に管状通路1aを備えた筒状缶体であり、その前後
の両側部に、外周を取り巻くように環状中空封止体2、
2が設けてある。これらの環状中空封止体2、2の内部
空間は、管状通路1a内を通して設けた加圧流体管2a
と、それぞれ連通している。そして該加圧流体管2a
は、地上から埋設管A内を通して引き込まれた延長流体
導管2bと接続され、地上の制御装置から供給される加
圧空気などの加圧流体は、延長流体導管2bと加圧流体
管2aとを経て環状中空封止体2、2を膨張させ、埋設
管Aとパッカー装置Cとの間隙を封止できるようになっ
ている。
【0012】また、上記の筒状缶体1の管状通路1a内
には、パッカー装置Cの後方(図において左方)端部付
近から中央部までガイド管3が延設されている。このガ
イド管3の先端は、筒状缶体1の中央部の外周面に達し
て外方に向かって開口していて、ガイド管3の基端から
導入された作業用装置、すなわち、後述するような屈曲
制御可能で長尺の小径孔掘削装置と、これと同様な孔内
観察装置と、これまた同様な充填材給送装置とから選ば
れた作業用装置を導いて、パッカー装置Cの中央部外周
面から外方に突出させることができるように、構成され
ている。
【0013】このガイド管3の先端部には、ここから突
出した作業用装置の周囲に形成される間隙を封止するた
めに、中空封止体3aが設けられており、加圧流体管3
bから導入される加圧空気などにより膨張して、ガイド
管3内に泥水や土砂等が浸入するのを防止できるように
なっている。そしてまた、ガイド管3の先端部付近に
は、突出した作業用装置が不用意に後退することなどが
起こらないように、作業用装置を係止或いは固定する装
置などを、設けておくことが望ましい。その一方で、ガ
イド管3の基端には、パッカー装置Cと組み合わせて用
いる1種以上の作業用装置を導入するための、導入口部
3cが形成されている。
【0014】そしてまた、筒状缶体1の中央部外周面
の、ガイド管3が開口していない部位、例えば90°又
は180°隔たった位置などに、1個以上の開口4、4
が設けてある。これらの開口4は、パッカー装置Cの外
側での漏水や、掘削作業などに伴って発生する土砂や泥
水などを、排出するために設けたもので、開口4それぞ
れの周囲には、埋設管Aの内面とパッカー装置Cの外面
との間隙を封止するための、環状の中空封止体4aが設
けてあり、必要に応じて、延長流体導管4cと加圧流体
管4bとを経て加圧空気などを導入して、中空封止体4
aを膨張させることで、開口4を閉鎖できるように構成
してある。
【0015】その一方で管状通路1a内には、筒状缶体
1と軸が平行になるように排土管5が設けてある。この
排土管5の後方端と前方端は、それぞれ管状通路1aの
後方端付近と前方端付近で開放されているほか、排土管
5の中央部から吸引管5aが分岐して前記の開口4に接
続されている。そして、該排土管5の後方から吸引管5
aの分岐部に隣接する部位まで、先端がノズル状となっ
た細目の加圧流体管6が同軸的に挿設されており、泥水
吸引用のエジェクタを形成している。
【0016】前記の加圧流体管6には、その後方に接続
される延長流体導管6aから加圧水又は加圧空気などを
供給すると、加圧流体が先端のノズルから噴出すること
によりエジェクタが働き、開口4近傍の泥水などを吸引
して排土管5の前方端から、パッカー装置Cの前方に向
かって放出するように作用する。
【0017】このような本発明のパッカー装置Cを用い
て地下空洞を充填するに当たり、パッカー装置Cと共に
下水管等の埋設管A内に導入する作業用装置は、少なく
とも小径孔掘削装置と孔内観察装置と充填材給送装置と
である。そのうち小径孔掘削装置は、埋設管Aの欠陥部
等に形成された作業用開孔Bから、地下空洞に通ずる小
径の充填材送入孔を設けるための掘削作業用装置であ
り、例えば長尺の高圧ホースの先端に高圧水ジェットノ
ズルを設けた水ジェット掘削装置などが、好ましく用い
られる。こうした水ジェット掘削装置は、高圧ホースが
屈曲可能であって、ジェットノズルの方向を制御できる
ものが、特に好ましい。
【0018】上記の小径孔掘削装置は、例えば地上など
に設置した高圧水ポンプ装置と、ジェットノズルを備え
た高圧ホースとからなる。この装置を使用するに際して
は、パッカー装置Cのガイド管3の導入口部3cから該
高圧ホースを挿入し、ガイド管3に沿って高圧ホースを
送り込むと共に、ジェットノズルをガイド管3の先端部
から突出させる。そして、必要に応じてジェットノズル
の後部などをガイド管3の先端部付近に係止し、中空封
止体3aを膨張させてガイド管3と高圧ホースとの間隙
を封止したのち、充填材送入孔の掘削を開始するもので
ある。
【0019】この際のガイド管3に高圧ホースを導入す
る作業を容易にするために、ガイド管3の導入口部3c
に形成した、高圧ホースの太さに応じた径を有する掘削
装置導入口3dに、予め長尺で同径の導入ホース3eを
接続し、その後方端を地上或いはマンホール位置などに
留めておくことが好ましい。こうしておくと、高圧ホー
スの先端を導入ホース3eの後方端から挿入し、高圧ホ
ースを導入ホース3eの中へ順次に押し込むことで、小
径孔掘削装置を円滑にパッカー装置Cに組み込むことが
できる。
【0020】また、上記の小径孔掘削装置と併用される
孔内観察装置は、該小径孔掘削装置によって掘削された
充填材送入孔Eや、該充填材送入孔Eが到達した地下空
洞Fの状況を観察して、地下空洞Fに充填材の給送開始
時点の判定をするための装置である。この孔内観察装置
としては、例えば先端に小型のテレビカメラを設けた可
撓性のケーブルを、地上に設置したモニター装置に接続
してなる内視鏡式の観察装置が、好ましく用いられる。
このような孔内観察装置は、テレビカメラ部の観察方向
を自由に調節できるものであることが、特に望ましい。
【0021】こうした孔内観察装置は、単独に保護チュ
ーブの中に挿通した形態の独立の装置として、パッカー
装置Cに組み込むことができるが、上記の小径孔掘削装
置と組み合わせた上更に太い保護チューブの中に挿通し
て、複合形態の装置として使用することもできる。これ
らの独立形態の装置、或いは複合形態の装置の何れであ
っても、パッカー装置Cに組み込むには、前記の掘削装
置導入口3dに接続した導入ホース3eを利用する方法
に準じて、同様にして行うことができる。
【0022】上記のように孔内観察装置を小径孔掘削装
置との複合装置として用いると、小径孔掘削装置による
掘削作業を実行中に作業状態を観察することができる。
また孔内観察装置を独立装置として用いるときは、孔内
観察装置をガイド管3の導入口部3c近傍に退避させて
掘削作業を実行し、掘削作業を中断し小径孔掘削装置を
導入口部3c近傍に退避させて孔内の観察作業を行うこ
とができる。
【0023】更に、充填材給送装置は、前記の小径孔掘
削装置によって掘削された充填材送入孔Eを通じて、地
下空洞F並びに該充填材送入孔Eを充填するための装置
であり、地上に設置した充填材調整装置及び充填材ポン
プ装置と、これから圧送される流動性充填材を送る長尺
で可撓性の充填材給送ホースとから構成される。こうし
た充填材給送装置は、前記の小径孔掘削装置とは別の独
立した装置であってもよいが、小径孔掘削装置のジェッ
トノズルの形状を、流動性充填材が給送できるようにす
れば、充填材給送装置との兼用にすることもできる。
【0024】一方、本発明のパッカー装置Cのガイド管
3の導入口部3cには、該可撓性の給送ホースの先端部
を挿入する給送装置導入口3fが設けてあり、これに予
め長尺で同径の導入ホース3gを接続しておいて、その
後方端を地上或いはマンホール位置などに止めておくこ
とが好ましい。こうすると、小径孔掘削装置による充填
材送入孔Eの掘削が終了した後に、掘削装置を導入口部
3c近傍に退避させた後、導入ホース3gを介して給送
装置導入口3fからガイド管3内に、充填材給送ホース
を導入することができる。
【0025】上記のような構成を備えた本発明の地下空
洞充填用パッカー装置を使用して、埋設管Aの近傍に発
生した地下空洞Fを充填する方法を以下に説明する。図
4において、地盤G内に埋設された下水管などの埋設管
Aの一部に折損や接合部のずれ等が生じると、地盤G内
の圧力を有する地下水が地盤内の土砂等と共に埋設管A
内に流入して、地盤G内に地下空洞Fが発生し、次第に
成長して上方に向かって発達する。このような地下空洞
Fは、例えば超音波による地下構造探査などにより発見
されると、地表の近くまで発達していない段階で、早期
に土砂などで充填して地盤を補強することが望まれる。
【0026】そこで、地下空洞Fが発見された場合に
は、先ず地上から超音波などによる地下構造探査などを
行って、地下空洞Fの位置や規模などを調査すると共
に、地下空洞Fの発生原因と疑われる埋設管Aに、例え
ばファイバースコープやテレビカメラ等を導入して、欠
陥部の存在を調査する。その結果、地下空洞Fから埋設
管Aの欠陥部への土砂流路の存在が推定できたときは、
該欠陥部から土砂等の充填材を送り込む通路を設けるの
に利用できるかを調査し、利用が可能であると判断され
たときは、例えば上流側のマンホールなどから埋設管A
に管壁穿孔機などを導入して、欠陥部などに作業用開孔
Bを削孔する。
【0027】次いで、例えば図1の本発明の地下空洞充
填用パッカー装置を準備すると同時に、小径孔掘削装
置、孔内観察装置、充填材給送装置などの作業用装置、
並びに空洞充填用材料などの各種資材を準備し、更にパ
ッカー装置を載置できると共に、例えば牽引ワイヤなど
で遠隔操作するなどにより、載置したパッカー装置を左
右に転動させる機構を備えた移動用橇を、必要に応じて
用意する。
【0028】そして、上流側のマンホールなどから埋設
管A内に、移動用橇に載せたパッカー装置Cを牽引索D
を用いて引き込み、パッカー装置Cの中央部を作業用開
孔Bの位置に合わせてから、パッカー装置Cの前後位置
を前方及び後方の牽引索Dによって固定する。更に、パ
ッカー装置Cを転動させて、ガイド管3の先端の開口を
作業用開孔Bに正対させた後、環状中空封止体2、2を
膨張させ、パッカー装置Cを埋設管Aの内壁に対して固
定する。その後、導入ホース3eに小径孔掘削装置と孔
内観察装置との複合装置を、また導入ホース3gに充填
材給送装置をそれぞれ導入して、パッカー装置Cにそれ
ぞれの作業用装置を組み込む。
【0029】こうしてパッカー装置Cを埋設管A内に設
置したのち、小径孔掘削装置のジェットノズルを、ガイ
ド管3の先端からパッカー装置Cの外側に突出させ、作
業用開孔Bに向かわせて係止すると共に中空封止体3a
を膨張させて、掘削装置の高圧ホース又はその保護チュ
ーブとガイド管3との間隙を封止し、ガイド管3内に土
砂等が侵入しないようにする。その後、掘削装置の高圧
水ポンプを作動させてノズルから高圧水を噴出させ、作
業用開孔Bの位置から地下空洞Fの底位置に向かって、
充填材送入孔Eの掘削を開始する。
【0030】このようにして地盤Gの掘削を始めると、
地質の安定性が不足して掘削孔の壁が崩壊しやすいこと
が分かる場合がある。そのようなときには、一旦掘削を
中止して掘削装置を後退させ、代わりに充填材給送装置
を前進させて、例えばセメントミルクなどのグラウト剤
を注入し、地質の安定性が改良されるのを待って、再び
地盤Gの掘削を開始することが望ましい。
【0031】こうして地盤Gの掘削が進むと、高圧水ジ
ェットによって堀り崩された土砂は泥水となって掘削孔
内を逆流し、パッカー装置Cの位置まで流下するが、掘
削装置とガイド管3との隙間は中空封止体3aにより封
止されているので、泥水はパッカー装置Cの周囲の空間
に沿って流下し、パッカー装置Cの前後に設けられた環
状中空封止体2、2の間に溜まる。そこで中空封止体4
aを収縮させると、泥水は開口4から吸引管5aを通っ
て排土管5内に流入し、延長流体導管6aから加圧流体
管6に供給された加圧水又は加圧空気などによって、泥
水が排土管5から前方に向かって放出されるばかりでな
く、パッカー装置Cの周囲の泥水も開口4から吸引され
てパッカー装置Cの前方に向かって放出される。
【0032】このようにして充填材送入孔Eの掘削と土
砂の排出とを平行して進めると、掘削の能力より排土の
能力が勝る場合がある。このときは下方に位置する排土
管5を優先して使用するために、上方に位置する排土管
5に接続する開口4を、中空封止体4aを膨張させて閉
鎖することができる。またパッカー装置Cの前方に放出
された土砂が堆積することを防ぐために、加圧流体管6
から放出する水量を増加させて、パッカー装置Cの前方
の土砂を、埋設管Aの下流方向に押し流すようにするこ
ともできる。
【0033】充填材送入孔Eの掘削状況は、小径孔掘削
装置と併設された孔内観察装置によって、逐次に観察す
ることができるので、充填材送入孔Eが地下空洞Fに到
達したことを確認したときは、掘削を一時停止して地下
空洞Fの形状や規模その他の状況を調査し、充填材送入
孔Eの周囲の地質の補強の必要性も検討して、地下空洞
Fの充填作業の計画を最終的に決定する。
【0034】こうして小径孔掘削装置と孔内観察装置
を、ガイド管3の導入口部3cまで引き戻したのち、充
填材給送装置の充填材給送ホースを給送装置導入口3f
から前進させ、更にガイド管3との隙間を中空封止体3
aにより封止して、充填材送入孔Eから地下空洞Fに充
填材の給送を開始する。このとき用いられる充填材とし
ては、例えば、礫、砂、土等の粒度管理された骨材成分
を含む水性のスラリー状組成物などを用いるのがよく、
特に粒状の軽量発泡骨材、粘土質の土壌、汚泥の焼却灰
などの配合するのが好ましい。更に充填材に減水剤など
を使用することも、水の量を低く抑えると共に流動性を
高めて、充填材の送入抵抗を低下させるのに有効であ
り、或いはまた、硬化促進剤などを配合した充填材を用
いることも、地下空洞の充填効率を高めるのに効果的で
ある。
【0035】上記のように充填材の給送を始めると、充
填材送入孔Eから漏れて流下する充填材はパッカー装置
Cの周囲に入り込む。そこで、パッカー装置Cの周囲の
中空封止体4aを膨張させて、すべての開口4を閉鎖し
ておくと、流下した充填材は環状中空封止体2、2に遮
られて、パッカー装置Cの周囲の空間内を満たした後
に、充填材送入孔Eからの充填材の流下が止まり、地下
空洞Fへの充填が進むようになる。
【0036】こうして地下空洞F内へ充填材を送入して
ゆくと、地下空洞Fの充填が進むにつれて充填材の送入
抵抗が増大してくる。そこで、送入抵抗の急上昇を確認
したところで充填材の送入を停止するようにしてもよ
く、或いは地上からの超音波探査などによって地下空洞
Fの充填状態を調査するか、又は地下空洞Fの近傍にあ
る既設のマンホールなどから、地下空洞Fの頂部付近に
達する探査管などを設けて、充填材が該頂部付近に達し
たか否かを調査するなどした後、充填材の送入を停止す
るようにしてもよい。
【0037】更に、地下空洞Fへの充填材の圧入を停止
して、送入した充填材中の水が地盤G内に拡散吸収さ
れ、充填層の状態が安定するのを待ったのち、地下空洞
F内の空隙の状態に応じて、前記と同様な骨材や、発泡
スチロールビーズや発泡ガラス質バルーン等の軽質骨材
を含む充填材、或いは発泡膨張性の充填材などを追加注
入するなどして、残る空隙等の充填を進めることができ
る。
【0038】また、充填材などを追加注入したのち、又
は追加注入しないままで、例えばセメントミルクなどの
骨材結合性組成物を更に注入するなどにより、地下空洞
F内や充填材送入孔E内の充填材を結合固化させるよう
にしても良い。しかし、このような骨材結合性組成物の
注入は、地下空洞F内及び充填材送入孔E内の充填材
が、パッカー装置Cの撤去後に埋設管A内に流入する恐
れがなければ、必ずしも必要ではない。
【0039】このようにして、地下空洞F内の充填が完
了したのち、充填材給送ホースをパッカー装置Cの中空
封止体3a位置まで後退させ、次いで中空封止体4aを
収縮させて排土管5に接続する開口4を開放し、充填材
給送ホースと加圧流体管6とに加圧水等を供給して、パ
ッカー装置Cの外側に溜まった充填材を、排土管5を通
してパッカー装置Cの前方へ排出する。そして、埋設管
Aとパッカー装置Cとの間に残った充填材の除去が終わ
ったのち、パッカー装置Cの中空封止体3aを収縮さ
せ、充填材給送ホースを給送装置導入口3fの位置まで
後退させて、パッカー装置Cを撤去回収する。
【0040】その後、必要に応じて充填材送入孔Eへの
充填材の補充などを行ったうえ、埋設管Aの内壁に設け
た作業用開孔Bの補修を行い、更に埋設管Aの内部に残
った土砂などを、ジェット水などを用いて下流側のマン
ホール側に流し出すなどして清掃し、地下空洞Fの充填
工事を完了する。
【0041】
【発明の効果】本発明の地下空洞充填用パッカー装置を
使用すれば、既存の地下の埋設管を利用して、地盤を掘
削することなく地下空洞に骨材等を充填する工事を、遠
隔操作によって安全且つ効率的に実施することができ
る。そのため、大掛かりな工事を行う必要がなく、また
工数が少なく且つ工期も短くて済み、しかも工事終了後
の地盤の強度が高くて欠陥発生の恐れが少なく、路面等
の利用を阻害することが殆どないばかりでなく、工事に
よる環境汚染の恐れも殆どなく、しかも工事費用も削減
できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の地下空洞充填用パッカー装置の構造を
示す断面図である。
【図2】上記の地下空洞充填用パッカー装置のX−X線
に沿った断面図である。
【図3】上記の地下空洞充填用パッカー装置のY−Y線
に沿った断面図である。
【図4】地盤内の空洞を充填する状態の説明図である。
【符号の説明】
A 埋設管 B 作業用開孔 C パッカー装置 D 牽引索 E 充填材送入孔 F 地下空洞 G 地盤 1 筒状缶体 1a 管状通路 2 環状中空封止体 2a 加圧流体管 2b 延長流体導管 3 ガイド管 3a 中空封止体 3b 加圧流体管 3c 導入口部 3d 掘削装置導入口 3e 導入ホース 3f 給送装置導入口 3g 導入ホース 4 開口 4a 中空封止体 4b 加圧流体管 4c 延長流体導管 5 排土管 5a 吸引管 6 加圧流体管 6a 延長流体導管

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 埋設管内に設置して該埋設管の近接位置
    に発生した地下空洞を充填するに用いる装置であって、
    軸方向に管状通路を有する筒状缶体の前後両側外周に接
    して膨張収縮が可能な環状中空封止体を設けると共に、
    該管状通路内には、該筒状缶体の一方端から中央部外周
    面の一部位に達して外方に開口するガイド管と、該中央
    部外周面の他部位で外方に向かって開口し該筒状缶体の
    他方端に達する1以上の排土管とを少なくとも設けてな
    り、該ガイド管は屈曲制御可能で長尺の小径孔掘削装置
    と屈曲制御可能で長尺の孔内観察装置と屈曲制御可能で
    長尺の充填材給送装置とから選ばれた、少なくとも1種
    以上の作業用装置の挿通を案内できることを特徴とす
    る、地下空洞充填用パッカー装置。
  2. 【請求項2】 前記ガイド管の前記中央部外周面側開口
    端部に、挿通された前記1種以上の作業用装置の周囲に
    生ずる隙間を封止する中空封止体が設けられている、請
    求項1に記載の地下空洞充填用パッカー装置。
  3. 【請求項3】 前記筒状缶体の一方端側近傍にある前記
    ガイド管の端部に、前記1種以上の作業用装置の導入口
    がそれぞれ設けられている、請求項1又は2に記載の地
    下空洞充填用パッカー装置。
  4. 【請求項4】 前記排土管の前記中央部外周面側開口端
    部付近に、泥水吸引用のエジェクタが設けられている、
    請求項1乃至3のいずれかに記載の地下空洞充填用パッ
    カー装置。
  5. 【請求項5】 前記小径孔掘削装置が圧力水ジェット式
    掘削装置である、請求項1乃至4のいずれかに記載の地
    下空洞充填用パッカー装置。
  6. 【請求項6】 前記孔内観察装置が、内視鏡式モニタテ
    レビ装置である、請求項1乃至5のいずれかに記載の地
    下空洞充填用パッカー装置。
  7. 【請求項7】 前記充填材給送装置が、可撓ホース付ス
    ラリーポンプ装置である、請求項1乃至6のいずれかに
    記載の地下空洞充填用パッカー装置。
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