JP2003183795A - 箔状ろう材の加工方法 - Google Patents

箔状ろう材の加工方法

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兼一 宮崎
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 Au−Snろう材であって箔状のものを、常
温で連続して加工できる加工方法を提供すること。 【解決手段】 Auを10重量%〜90重量%含有して
おり、残部がSnからなる箔状ろう材に対して、例えば
スリット加工方法の場合は、この箔状ろう材に対して、
200℃〜270℃で5分〜10時間保持する熱処理を
行った後、該箔状ろう材をスリットする。このように、
スリット加工前のAu−Snろう材に対して熱処理を行
うと、箔状のAu−Snろう材を常温で連続してスリッ
ト加工できるようになり、リボン状のろう材の製造がよ
り容易になる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は箔状ろう材の製造方
法に関し、特に、難加工性の箔状ろう材、例えば箔状の
Au−Snろう材の製造過程で用いられる箔状ろう材の
加工方法に関する。
【0002】
【従来の技術】Ga,Asチップのダイボンドなど、光
デバイス製造時に用いられるろう材として、Au(金)
を80重量%含有すると共にSn(スズ)を20重量%
含有する、Au−20重量%Snろう材(以下、単に
「Au−Snろう材」または単に「ろう材」とも称す
る)がある。たとえば、上述したGa,Asチップのダ
イボンドに用いる場合、Au−Snろう材は箔状に加工
されて用いられる。このようなろう付けは、通常、ろう
付け装置によって自動的に行われるが、連続的にろう付
けを行うには、箔状でしかも長尺である、いわゆるリボ
ン状のAu−Snろう材が必要になる。
【0003】従来、リボン状のAu−Snろう材は、例
えば次のようにして製造されている。まず溶解鋳造によ
って、Auが80重量%でSnが20重量%の金属のイ
ンゴットを鋳造し、得られたインゴットを圧延加工す
る。そして圧延加工により得られた箔状ろう材(例えば
20μm〜100μm厚のろう材)を所望の幅にスリッ
ト加工してリボン状のAu−Snろう材を得ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、インゴット
を圧延加工して得られた加工対象のAu−Snろう材
は、常温では脆く、割れやすいという性質を有する。し
たがって、このろう材に常温下でスリット加工を施す
と、加工の際、ろう材の縁部などに割れが生じやすい。
【0005】この割れは、スリット加工の場合だけでな
く、より薄い箔状ろう材が必要な場合にさらに行われる
圧延加工や、例えばICパッケージのシール部の封止に
用いられるパターン形状のろう材を製造するための打抜
き加工などを行う場合にも同様に生ずる。
【0006】割れが生ずると、加工時または加工後、割
れをきっかけとしてリボン状のろう材が切れやすい。し
たがって、常温下におけるスリット、圧延または打抜き
等の加工によってリボン状のろう材や封止用の箔状ろう
材などに加工することは困難である。
【0007】他方、箔状ろう材を熱間で加工してリボン
状のろう材などに加工する方法があり、この方法によれ
ば比較的割れが生じにくい。スリット加工を例に説明す
ると、例えばインゴットを圧延加工して得られた加工対
象のAu−Snろう材の厚さが30μm程度以上(通常
は100μm以下)の場合に、これに0.5mm幅程度
のスリット加工を施すことによりリボン状のろう材を製
造できる。ところが、熱間でスリット加工等の加工を行
うには、Au−Snろう材およびスリット刃、圧延ロー
ル、打抜き用のポンチなどの加工工具を加熱する設備を
付加したり、加工装置を油浴させたりする必要があるな
ど、大掛かりな装置が必要になる。また、加熱設備が付
加され、あるいは油浴された装置まわりでは、ろう材を
取扱う場合の作業性が極めて悪い。したがって、加工対
象のAu−Snろう材の装置へのセッティングが難し
い。特に、厚さが20μm程度かそれ以下の薄さである
と、強度が弱いため、ろう材のスリット装置へのセッテ
ィングが難しい。また、セッティングできても、加工時
にろう材に割れが生じ、あるいは切れやすいので、長尺
のリボンや、細い部分を有するパターン形状の封止用ろ
う材などに加工することは困難である。また、安定した
加工品質を得るためには、加熱温度の管理が必要になる
など、加工作業が面倒になるという不利な点もある。
【0008】本発明は、以上のような背景の下になされ
たものであり、Au−Snろう材であって箔状のもの
を、常温で加工できる加工方法を提供することを課題と
する。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明者等は、圧延加工によって得られた加工対象
の箔状のろう材について検討した。その結果、Auを1
0重量%〜90重量%含有すると共に残部がSnである
箔状のろう材中には硬くて脆い金属間化合物が生じてい
るため、スリット、圧延または打抜き等の加工の際に、
ろう材に割れが生じやすいことが解った。また、加工対
象のAu−Snろう材は、ファイバー状に延びたように
見える断面組織(白く見えるζ’相と黒く見えるδ相)
を有していることが見出され(図3参照)、このような
組織の存在も、加工時に割れを生じさせる一因であると
考えられることが解った。
【0010】このような結果に基づき、さらに検討した
結果、熱間圧延等、熱間での加工によって得られた加工
対象の箔状ろう材に、加工前にさらに所定の熱処理を施
すことで、常温下にて箔状ろう材を割れや切れを生じさ
せることなく、しかも連続して加工できることを見出
し、本発明をするに至った。
【0011】これまで、加工対象の箔状のAu−Snろ
う材に、スリット等の加工を施す前に熱処理を施すとい
うことは全く検討されていないが、これは、次のような
点に起因すると考えられる。第1に、加工対象の箔状ろ
う材は、通常、熱間圧延等、熱間での加工により得られ
たものであるということである。得られた加工対象のろ
う材は熱的処理が施されたものと同等であり改質の余地
はない、と判断するのが妥当だからである。第2に、加
工対象の箔状のAu−Snろう材は、何らかの加工を施
さない限り、柔軟な素材として取扱うことができるとい
うことである。例えば長尺の加工対象の箔状ろう材を、
リールに巻き取ったり、リールから繰出したりする際、
柔軟な素材として扱うことができるため、加工をすると
割れが生ずるという性質は箔状のAu−Snろう材が持
つ性質である、と判断するのが妥当だからである。
【0012】本発明は、Auを10重量%〜90重量%
含有しており、残部がSnからなる箔状ろう材の加工方
法において、箔状ろう材に対して200℃〜270℃に
5分〜10時間保持する熱処理を行った後、該箔状ろう
材を加工することを特徴するものである。
【0013】加工対象の箔状ろう材にこのような条件の
熱処理を施すと、ろう材の硬さが低下する(例えば、ビ
ッカース硬さ(Hv)が180程度から150程度に低
下する)と共に、ろう材中のファイバー状であった組織
が解消されて、いわゆる島状組織(図4参照)になり
(再結晶し)、ろう材中の内部欠陥や歪みが解消され
る。内部欠陥や歪みが解消されると、ろう材の靭性が向
上することにより加工性が向上する(機械的性質が安定
する)。いわゆる腰がある状態になる。
【0014】このように加工前の箔状ろう材の加工性を
向上させることができれば、常温下での加工の際の割れ
が防止される。したがって、箔状ろう材の加工が容易に
なるなど、取扱い性が向上すると共に加工製品の歩留ま
りが向上する。そして、従来難しかった厚さ30μmよ
り薄いろう材の加工、特に連続した加工をより容易にで
きるようになる。また、割れをきっかけとして切れてし
まうようなことがなくなるため、加工後の箔状ろう材の
取扱いがより容易になる。なお、熱処理後に行う加工の
方法は特に限定されるものではないが、例えば、スリッ
ト加工、圧延加工あるいは打抜き加工を挙げることがで
きる。
【0015】加工対象の箔状ろう材を熱処理する方法と
しては、種々の方法を用いることができるが、例えば箔
状ろう材が枚葉の場合はバッチ式が好ましく、また長尺
の場合はバッチ式または加熱炉内に連続的に送り込みな
がら行う連続式の熱処理を適宜使い分ける。
【0016】また、このような熱処理を施すことで加工
対象の箔状ろう材の加工性が向上する点に着目し、加工
方法についてさらに検討を行った。その結果、より薄い
リボン状のろう材や打ち抜きろう材を製造する場合は、
熱処理後の箔状ろう材に対し、さらに圧延加工を施した
後、常温下でスリット加工または打抜き加工を施せば良
いことが解った。この方法によれば、従来製造が困難で
あった厚さ20μm以下のリボン状のろう材の製造が容
易である。例えば、スリット加工を例に挙げると、加工
対象である厚さ30μmの箔状ろう材を熱処理した後さ
らに圧延して厚さ10μmとし、これをスリットするの
である。このように、熱処理後さらに圧延された箔状ろ
う材を常温下でスリットできるのは、熱処理によって生
成された島状組織が残っているためであると考えられ
る。
【0017】ところで、箔状ろう材に熱処理を施すと、
箔状ろう材の表面が酸化(変色)することがある。箔状
ろう材の表面が酸化すると、ろう付け時に融け残りや、
ろう付け不良が生ずることがある。この点について検討
した結果、箔状ろう材の熱処理を、真空、H(水素ガ
ス)雰囲気またはAr(アルゴンガス)やN(窒素ガ
ス)などの不活性ガス雰囲気中で行うのが好ましいこと
が解った。このような雰囲気で熱処理を行えば、箔状ろ
う材の表面の酸化が確実に防止される。真空雰囲気にす
る場合、圧力は低いほど良いが、実際には10−1Pa
〜10Paの状態が用いられている。10Pa以下にす
れば十分に酸化を防止でき、また10 Paより低く
しても酸化を防止する能力に差がないからである。他
方、水素ガス雰囲気や不活性ガス雰囲気にする場合、圧
力は特に限定されるものではないが、ガスが流通されて
いる空間内で箔状ろう材を熱処理する方が、滞留させた
状態の空間内で行うよりも、熱処理品質上より好まし
い。
【0018】なお、本発明に係る加工方法は、Auが2
9重量%〜88重量%で、残部がSnからなる箔状ろう
材の加工により好ましい。このような成分のろう材にお
いて、より高い改質効果が得られるからである。また、
加工前の熱処理における保持温度を230℃〜250
℃、そして保持する時間を30分〜180分にすると、
より好ましいことが解った。このような条件で熱処理す
れば、スリット、圧延あるいは打抜きなどの加工の対象
として要求される加工性をより確実にえることができ、
しかもより短時間の熱処理で得られるからである。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施形態を
図面と共に説明する。
【0020】まず、溶解鋳造によって、Au−20重量
%Snろう材のインゴットを製造し、このインゴット
を、押出加工および圧延加工によって長尺の箔状ろう材
10に加工してリール(SUS304製)11に巻き取
った(図1参照)。なお、得られた長尺の箔状ろう材1
0は、幅20mm、厚さ30μm、長さ約120mであ
った。また、リール11の巻き取り部11aの外径は1
00mmであった(図2参照)。
【0021】第1実施形態:スリット加工方法の実施形
態である。まず、得られた長尺の箔状ろう材(加工対象
の箔状ろう材)10を、加熱炉を用いて熱処理した。な
お、巻取り終了後、炉内に搬入する前に、箔状ろう材1
0の最外周にステンレス製のテープ(図示せず)を巻き
つけて、これを耐熱性の粘着テープで留めた。これによ
り、箔状ろう材10がリール11から解けないように固
定した。
【0022】熱処理条件は、箔状ろう材10を220℃
まで加熱した後、この温度を120分保持し、その後炉
内で放冷するというものであった。また熱処理では、長
尺の箔状ろう材10が巻かれたリール11の周囲にH
ガス(水素ガス)を流通させた。なお、例えば熱処理す
る箔状ろう材の長さの調節等の目的で、得られた長尺の
箔状ろう材10を別のリール11に巻き替えてもよい。
【0023】熱処理後、リール11から箔状ろう材10
を繰り出して、波うち形状などの変形をアイロン工程に
よって矯正し、その後、多条スリッタを用いてスリット
加工を行い、0.3mm幅のリボン状の箔状ろう材を複
数得た。なお、アイロン工程では240℃に加熱したホ
ットプレートを用いた。
【0024】第2〜5実施形態および比較例1:第1実
施形態とは異なる熱処理条件で熱処理を行い、リボン状
の箔状ろう材を得た。各実施形態の熱処理条件は、表1
に示す通りである。なお、比較例1では熱処理を行わな
かった。熱処理以外の条件は、全て第1実施形態と同じ
であったので、その説明を省略する。
【0025】
【表1】
【0026】熱処理を行わなかった比較例1では、スリ
ット加工時に頻繁に割れが発生してリボンが切れてしま
い、1mを超える長さのリボンは得られなかった。これ
に対し、いずれの実施形態の場合も、120mの箔状ろ
う材をスリット加工する間、得られたリボンが切れるこ
とはなく、良好なスリット加工を行うことができた。こ
の結果、熱処理温度は200℃〜270℃の間であれば
良好な熱処理が行われることが解った。この温度範囲に
おいて、熱処理を確実に行うには熱処理時間はある程度
長い方が好ましいが、10時間を超えて行っても得られ
る効果に差はなかった。具体的には180分の熱処理で
十分であることが解った。そして、熱処理温度が高いほ
ど熱処理時間は短くて済むことが解った。具体的には、
270℃の場合、熱処理時間は5分あれば長尺のリボン
状のろう材を得るのに必要十分な効果が得られることが
解った。さらに、これらの結果から、箔状ろう材を所定
形状に切断する打抜き加工においても、加工前に上記条
件の熱処理を行うことで、加工性が向上し、取扱い性お
よび歩留まりが向上することが解った。
【0027】また、上記各実施形態で得られたリボン状
の箔状ろう材について、その切断面を観察した結果、い
ずれの箔状ろう材とも割れはほとんど無く良好であった
が、その中でも第3実施形態で得られたものは、特に割
れが少なかった。この結果、加工前の熱処理の条件は保
持温度が230℃〜250℃、保持時間が30分〜90
分がより好ましいことが解った。
【0028】第6実施形態:圧延加工方法の実施形態で
ある。熱処理条件およびアイロン工程までは、第1実施
形態のスリット加工方法と同じである。この実施形態で
は、アイロン後の箔状ろう材を圧延機に送って熱間圧延
して、厚さ10μm、幅20mm、長さ約360mの箔
状ろう材を得た。つまり、圧延加工率(=(圧延前厚さ−
圧延後厚さ)/圧延前厚さ×100)は約67%であった。な
お、得られた長尺の箔状ろう材は連続的に別のリールに
巻き取った。
【0029】第7〜10実施形態および比較例2:第6
実施形態とは異なる熱処理条件で熱処理を行い、圧延加
工を行った。各実施形態の熱処理条件は、表2に示す通
りである。なお比較例2は熱処理を行わなかった例であ
る。これ以外の条件は、全て第6実施形態と同じであっ
た。
【0030】
【表2】
【0031】熱処理を行わなかった比較例2の場合は、
圧延加工によって得られた箔状ろう材に多くの亀裂が生
じており、箔状ろう材として使用できるものは約40%
(約140m)であった。これに対して、実施形態の場
合は、いずれの形態でも、箔状ろう材表面に大きな亀裂
は見られず、良好な圧延加工が行われていた。また、各
実施形態で得られた箔状ろう材の表面を詳細に観察した
結果、いずれの箔状ろう材とも亀裂(割れ)はほとんど
無く良好であったが、第7および第8実施形態で得られ
たもの(熱処理の保持温度が210℃〜250℃、保持
時間が30分〜150分)は、特に亀裂が少なく最良で
あった。この結果、スリット加工の場合と同様、圧延加
工を行う場合でも、加工前に上記条件の熱処理を行う
と、加工性が向上し、亀裂(割れ)のない優れた品質の
ろう材が得られ、歩留まりが向上することが解った。
【0032】第11実施形態:スリット加工方法の一実
施形態である。より具体的に説明すると、熱処理後の圧
延加工によって得られた箔状ろう材をスリット加工する
方法である。圧延加工の条件は、熱処理条件を含め、第
8実施形態と同じであり、スリット条件は、第1実施形
態と同じであった。つまり本実施形態は、第8実施形態
で得られた箔状ろう材を第1実施形態で用いた多条スリ
ッタを用いてスリット加工するものである。
【0033】
【表3】
【0034】第11実施形態では、360mの箔状ろう
材をスリット加工する間、得られたリボン状のろう材が
切れることはなく、スリット加工の歩留まりは100%
であった。また、この結果から、加工率が約67%の箔
状ろう材に対して良好なスリット加工を行うことができ
ることが解った。
【0035】第12実施形態:打抜き加工方法の一実施
形態である。より具体的に説明すると、熱処理後の圧延
加工によって得られた箔状ろう材を打抜き加工するもの
である。圧延加工前の熱処理条件、アイロン工程の条件
および圧延加工の条件は、第8実施形態と同じである。
そして、アイロン工程後の箔状ろう材を、打抜き機に送
って、内径0.3mm、外径1mm、厚さ10μmのリ
ング状のろう材を得た。
【0036】比較例3:熱処理を行わない打抜き加工方
法である。熱処理およびアイロン工程がないことは第1
2実施形態と異なるが、圧延条件は第12実施形態と同
じであった。
【0037】
【表4】
【0038】熱処理を行わなかった比較例3では、打抜
き加工によってろう材のせん断面に頻繁に割れが発生
し、リング形状のろう材として得られたのは約10%で
あった。熱処理をしない場合は打抜き加工の前の圧延加
工の歩留まりも低く、生産性が著しく低くなることが解
った。これに対し、第12実施形態の場合は歩留まり1
00%であり、良好な打抜き加工を行うことができた。
第12実施形態および比較例3で得られたろう材のせん
断面を観察した結果、実施形態の箔状ろう材には割れは
ほとんど無く良好であったが、比較例3で得られた箔状
ろう材には多くの割れがあった。この結果、打抜き加工
を行う場合も、スリット加工同様、加工前に上記条件の
熱処理を行うと、加工性が向上し、割れのない優れた品
質のろう材が得られ、歩留まりが向上することが解っ
た。
【0039】
【発明の効果】以上の説明から解るように、本発明の加
工方法によれば、箔状のAu−Snろう材を常温で、割
れなどの欠陥を生じさせることなく加工できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 箔状ろう材をリールに巻く状態を示す斜視
図。
【図2】 箔状ろう材をリールに巻きつけている状態を
示す、図1のA−A面の部分断面図。
【図3】 熱処理前の箔状ろう材の組織を示す写真。
【図4】 熱処理後の箔状ろう材の組織を示す写真。
【符号の説明】
10 箔状ろう材 11 リール 11a 巻き取り部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C22C 13/00 C22C 13/00 C22F 1/16 C22F 1/16 Z // C22F 1/00 614 1/00 614 622 622 630 630K 630M 682 682 685 685 691 691B 691C

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Auを10重量%〜90重量%含有して
    おり、残部がSnからなる箔状ろう材の加工方法におい
    て、 箔状ろう材に対して200℃〜270℃に5分〜10時
    間保持する熱処理を行った後、該箔状ろう材を加工する
    ことを特徴する箔状ろう材の加工方法。
  2. 【請求項2】 熱処理後の加工は、スリット加工、圧延
    加工または打抜き加工である請求項1に記載の箔状ろう
    材の加工方法。
  3. 【請求項3】 スリット加工または打抜き加工の前に、
    熱処理後に行われる圧延加工工程を有する請求項2に記
    載の箔状ろう材の加工方法。
  4. 【請求項4】 箔状ろう材の熱処理は、真空、水素ガス
    雰囲気または不活性ガス雰囲気中で行われる請求項1か
    ら請求項3のいずれか一項に記載の箔状ろう材の加工方
    法。
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