JP2003183011A - 炭素質材料捕獲器、炭素質材料の製造方法及び製造装置 - Google Patents

炭素質材料捕獲器、炭素質材料の製造方法及び製造装置

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JP2003183011A
JP2003183011A JP2001381935A JP2001381935A JP2003183011A JP 2003183011 A JP2003183011 A JP 2003183011A JP 2001381935 A JP2001381935 A JP 2001381935A JP 2001381935 A JP2001381935 A JP 2001381935A JP 2003183011 A JP2003183011 A JP 2003183011A
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carbonaceous material
gas
trap
arc discharge
flow
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JP2001381935A
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English (en)
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Hisashi Kajiura
尚志 梶浦
Eiko Tsutsui
栄光 筒井
Terubumi Miyakoshi
光史 宮腰
Shigenori Tagami
滋規 田上
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Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アーク放電部で生成した炭素質材料を効率よ
く捕獲し、効率的な炭素質材料の生成が可能な炭素質材
料の製造方法及び製造装置、そしてこれらを実現する炭
素質材料捕獲器を提供する。 【解決手段】 支持部31と、当該支持部31から当該
支持部31の軸方向に対する垂直方向に延設されるとと
もに軸方向において気体を貫流させる貫流部34を有す
る捕獲部33とを備えてなる。以上のように構成された
炭素質材料捕獲器23aは、従来の炭素質材料捕獲器と
比して、気体中に含まれる炭素質材料が引っ掛かり易
い、すなわち炭素質材料を捕獲し易い構成とされてい
る。したがって、この炭素質材料捕獲器23aでは、従
来の炭素質材料捕獲器を用いた場合と比して大量の炭素
質材料を簡便に且つ効率良く捕獲することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は炭素質材料捕獲器、
炭素質材料の製造方法及び製造装置に関し、特にアーク
放電を利用して単層カーボンナノチューブ等の炭素質材
料を製造する炭素質材料捕獲器、炭素質材料の製造方法
及び製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】カーボンナノチューブは、1991年
に、S.Iijima,Nature,Vo1,354
(1991)56で飯島により初めて報告された新しい
材料である。特に、単層カーボンナノチューブ(SWN
T)は、螺旋の巻き方、いわゆるカイラリティ(chi
ra1ity)により、電子物性が金属的性質から半導
体的性質まで変化することが理論的に分かっており、次
世代の電子材料として有望視され、ナノエレクトロニク
ス材、電界電子放出エミッタ、高指向性放射源、軟X線
源、一次元伝導材、高熱伝導材、水素貯蔵材等への応用
が考えられている。また、表面の官能基化、金属被覆、
異物質内包により、カーボンナノチューブの応用範囲は
更に広がると思われる。
【0003】単層カーボンナノチューブをはじめとする
炭素質材料を製造する方法としては、炭素棒を電極とし
アーク放電を利用した、いわゆるアーク放電法により大
量合成する方法が従来より提案されている。この方法で
は、対向配置されたアノード電極とカソード電極とから
なるアーク放電部においてアーク放電を発生させること
によって炭素質材料が生成される。
【0004】アーク放電法を行う炭素質材料の製造装置
の一例を図18に示す。製造装置101には筒状の反応
管111が設けられており、反応管111の内部には、
アノード電極113とカソード電極114とが僅かな隙
間を隔てて対向配置されている。アノード電極113は
正極側の電流導入端子142に電気的に接続されてお
り、カソード電極114は負極側の電流導入端子141
に電気的に接続されている。これら2つの電流導入端子
141,142は、反応管111の外部に設けられた電
流供給部112に電気的に接続されており、アノード電
極113、カソード電極114に電流を供給可能に構成
されている。アノード電極113とカソード電極114
とが互いに対向する先端間でアーク放電部が規定され
る。アーク放電部は、反応管111の軸方向の略中央に
位置しており、アーク放電部に対応する位置であって反
応管111の外側には、アーク放電部を加熱するための
電気炉124が設けられている。
【0005】アノード電極113は、鉄、コバルト、ニ
ッケル、ランタン等の触媒をなす金属を添加したカーボ
ンからなる炭素電極である。触媒は、アーク放電によっ
て単層カーボンナノチューブ等の炭素質材料を製造する
際に用いられる。カソード電極114は、触媒を含まな
い純粋炭素電極である。
【0006】反応管111の両端には、反応管111の
端部を覆う蓋体111C,111Dがそれぞれ設けられ
ており、反応管111内を大気から遮断可能に構成され
ている。蓋体111Cには、反応管111の軸方向に貫
通し反応管111内部と外部とを連通する貫通孔111
aが形成されており、この貫通孔111aには、不活性
ガス注入器143がホース117を介して接続されてい
る。不活性ガス注入器143は、HeやAr等の不活性
ガスを反応管111内部に供給可能に構成されている。
また、ホース117の一部には、フローメータ118が
設けられており、反応管111内部に注入される不活性
ガスの流速を可変としている。
【0007】蓋体111Dの局面には、蓋体111Dの
局面から半径方向に貫通し反応管111内部と外部とを
連通する貫通孔111bが形成されている。貫通孔11
1bには、ポンプ121がホース119を介して接続さ
れている。ポンプ121は、反応管111内部に存在す
る気体を負圧にて反応管111外部に排出可能に構成さ
れている。また、ホース119の一部には、フローメー
タ120が設けられており、反応管111内部から排出
される不活性ガス等の流速を可変としている。
【0008】また、蓋体111Dには、反応管111の
軸方向に貫通する貫通孔111cが形成されており、貫
通孔111cには二重管122が貫通した状態で設けら
れている。したがって、二重管122の一部は、反応管
111内部に位置している。二重管122の一端であっ
て二重管122内に位置している側の端部には、アーク
放電部で生成された炭素質材料を捕獲するための炭素質
材料捕獲器123が設けられている。炭素質材料捕獲器
123の内部は、二重管122の外骨の内周と内管の外
周とで画成される空間に連通する空間と、二重管122
の内管の内周により画成される空間に連通する空間とが
形成されている。これら2の空間は互いに連通してい
る。この構成により、二重管122の端部であって炭素
質材料捕獲器123が設けられていない側から、内管の
内周により画成させる空間に冷却水が注入されると、冷
却水は、内管の内周により画成される空間を通過して炭
素質材料捕獲器123内に到達し、炭素質材料捕獲器1
23を冷却し、二重管122の外管の内周と内管の外周
とで画成される空間へ流れ込み、二重管122の他端か
ら排出されるように構成される。
【0009】次に、単層カーボンナノチューブ等の炭素
質材料を製造する方法について説明する。アノード電極
113は、カーボンを粉状に粉砕し、粉状のカーボンに
鉄、ニッケル、コバルト、ランタン等の触媒の粉体を混
ぜたものを、アノード電極113の形状に成形し、更
に、焼成、加工することによって製造される。カソード
電極114は、カーボンがそのままカソード電極114
の形状に成形されることにより製造される。次に、アノ
ード電極113とカソード電極114とを、炭素質材料
の製造装置101にセットし、一旦、反応管111内部
を真空にする。その後、不活性ガス注入器143によっ
て不活性ガスを反応管111内部に供給しポンプ121
によって反応管111の内の不活性ガスを排出している
状態下、即ち、アーク放電部にガス流が流れている状態
下でアーク放電を行い、アーク放電部においてアノード
電極113を構成するカーボンを材料として触媒の触媒
作用により単層カーボンナノチューブ等の炭素質材料が
生成される。より詳細には、アーク放電部では、アノー
ド電極113から金属と炭素とが同時に蒸発し、蒸発し
た炭素は煤として出現する。得られた煤には、単層カー
ボンナノチューブの他、黒鉛、アモルファスカーボン、
触媒金属、触媒金属の酸化物などが混在している。アー
ク反応部で生成された単層カーボンナノチューブ等の炭
素質材料を含む煤は、供給された不活性ガスの流れによ
り、下流側に設けられた炭素質材料捕獲器123へと搬
送される。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述したよう
な従来の炭素質材料の製造方法及び製造装置では、アー
ク放電部で生成された炭素質材料の一部は、炭素質材料
捕獲器123で捕獲されるのであるが、それ以外の炭素
質材料、すなわち生成した炭素質材料の大半は、反応管
111の内周面であってアーク放電部よりも下流の位置
に付着してしまい、炭素質材料捕獲器123で炭素質材
料を効率よく捕獲することができなかった。
【0011】したがって、炭素質材料を効率よく捕獲す
ることができる炭素質材料の製造方法及び製造装置炭素
質材料捕獲器、そして、これらを実現する炭素質材料捕
獲器は未だ確立されていないのが現状である。
【0012】そこで、本発明は、従来の実情を鑑みて創
案されたものであり、アーク放電部で生成した炭素質材
料を効率よく捕獲し、効率的な炭素質材料の生成が可能
な炭素質材料の製造方法及び製造装置、そして、これら
を実現する炭素質材料捕獲器を提供することを目的とす
る。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明に係る炭素質材料
捕獲器は、支持部と、当該支持部から当該支持部の軸方
向に対する垂直方向に延設されるとともに軸方向におい
て気体を貫流させる貫流部を有する捕獲部とを備えてな
ることを特徴とするものである。
【0014】以上のように構成された本発明に係る炭素
質材料捕獲器は、支持部の軸方向に対する垂直方向に延
設される捕獲部を備えているため、従来の単なる棒状の
炭素質材料捕獲器に比して雰囲気ガスと衝突する領域が
大幅に大とされている。
【0015】さらに、この炭素質材料捕獲器では、捕獲
部に気体を貫流させるための貫流部を備えているため、
当該炭素質材料捕獲器に衝突した気体をその場に滞留さ
せることなく、円滑に気体の流れ方向へと流すことが可
能とされている。
【0016】これにより、本発明に係る炭素質材料捕獲
器は、従来の炭素質材料捕獲器と比して、気体中に含ま
れる炭素質材料が引っ掛かり易い、すなわち炭素質材料
を捕獲し易い構成とされている。
【0017】したがって、本発明に係る炭素質材料捕獲
器では、従来の炭素質材料捕獲器を用いた場合と比して
大量の炭素質材料が簡便に且つ効率良く捕獲される。
【0018】また、捕獲部が上記支持部から放射状に延
設された複数の棒状部材により形成され、隣接する当該
棒状部材間の空間が上記貫流部とされることが好まし
い。
【0019】また、捕獲部が支持部から放射状に延設さ
れた複数の針状部材により形成され、隣接する当該針状
部材間の空間が上記貫流部とされることが好ましい。
【0020】また、捕獲部が支持部から延設された基板
に所定の形状の貫流部が穿設されてなることが好まし
い。
【0021】また、貫流部が放射状に穿設されているこ
とが好ましい。
【0022】また、捕獲部が当該捕獲部の外周縁部が支
持部の軸方向に突出してなることが好ましい。
【0023】また、捕獲部が網目構造とされていること
が好ましい。
【0024】また、以上の目的を達成する本発明に係る
炭素質材料の製造方法は、炭素質材料生成室を画成する
反応管内に、炭素系材料で構成されたアノード電極と当
該アノード電極に対向し当該アノード電極との間でアー
ク放電部を規定する炭素系材料で構成されたカソード電
極とを配置し、アーク放電部を雰囲気ガスにさらしなが
らアノード電極及びカソード電極間に電流を供給してア
ーク放電を行うことによりアーク放電部で炭素質材料を
生成し、炭素質材料を所定方向に搬送するために雰囲気
ガスを反応管内のアーク放電部の上流側からアーク放電
部に向かって供給する炭素質材料の製造方法であって、
雰囲気ガスの主流方向のアーク放電部の下流側に配さ
れ、支持部と当該支持部から雰囲気ガスの主流方向に対
する垂直方向に延設されるとともに炭素質材料を含んだ
雰囲気ガスを貫流させる貫流部を有する捕獲部とを備え
てなる炭素質材料捕獲器により炭素質材料を回収するこ
とを特徴とするものである。
【0025】以上のような本発明に係る炭素質材料の製
造方法では、支持部と当該支持部から雰囲気ガスの主流
方向に対する垂直方向に延設されるとともに炭素質材料
を含んだ雰囲気ガスを貫流させる貫流部を有する捕獲部
とを備えてなる炭素質材料捕獲器を雰囲気ガスの主流方
向のアーク放電部の下流側に配して炭素質材料を回収す
る。
【0026】そして、この炭素質材料捕獲器は、雰囲気
ガスの主流方向、すなわち雰囲気ガスの流れ方向に対す
る垂直方向に延設される捕獲部を備えているため、従来
の単なる棒状の炭素質材料捕獲器に比して雰囲気ガスと
衝突する領域が大幅に大とされている。さらに、この炭
素質材料捕獲器では、捕獲部に雰囲気ガスを貫流させる
ための貫流部を備えているため、これにより、この炭素
質材料捕獲器では当該炭素質材料捕獲器に衝突した雰囲
気ガスをその場に滞留させることなく、円滑に下流方向
へと流すことが可能とされている。これにより、素質材
料捕獲器は、従来の炭素質材料捕獲器と比して、雰囲気
ガス中に含まれる炭素質材料が引っ掛かり易い、すなわ
ち炭素質材料を捕獲し易い構成とされている。
【0027】したがって、本発明に係る炭素質材料の製
造方法では、上述したような炭素質材料捕獲器を用いて
いるため、従来の炭素質材料捕獲器を用いた場合と比し
て大量の炭素質材料が簡便に且つ効率良く捕獲される。
【0028】ここで、捕獲部が支持部から放射状に延設
された複数の棒状部材により形成され、隣接する当該棒
状部材間の空間が上記貫流部とされることが好ましい。
【0029】また、捕獲部が支持部から放射状に延設さ
れた複数の針状部材により形成され、隣接する当該針状
部材間の空間が貫流部とされることが好ましい。
【0030】また、捕獲部が支持部から延設された基板
に所定の形状の貫流部が穿設されてなることが好まし
い。
【0031】また、貫流部が放射状に穿設されているこ
とが好ましい。
【0032】また、捕獲部が当該捕獲部の外周縁部が雰
囲気ガスの主流方向に突出してなることが好ましい。
【0033】また、捕獲部が網目構造とされていること
が好ましい。
【0034】また、雰囲気ガスが不活性ガスであること
が好ましい。
【0035】また、アノード電極が触媒を含有する炭素
系材料で構成されていることが好ましい。
【0036】また、雰囲気ガスが触媒ガスであることが
好ましい。
【0037】また、アノード電極が触媒を含有しない炭
素系材料で構成されていることが好ましい。
【0038】また、雰囲気ガスは有機ガスであることが
好ましい。
【0039】また、雰囲気ガスは有機ガスと触媒ガスと
の混合ガスであることが好ましい。
【0040】また、アノード電極は触媒を含有しない炭
素系材料で構成されていることが好ましい。
【0041】また、炭素質材料捕獲器を加熱しながら炭
素質材料を回収することが好ましい。
【0042】また、炭素質材料捕獲器の加熱を真空下で
行うことが好ましい。
【0043】また、炭素質材料捕獲器の加熱を減圧下で
行うことが好ましい。
【0044】また、炭素質材料捕獲器の加熱をアーク放
電終了後に行うことが好ましい。
【0045】また、炭素質材料捕獲器の加熱をアーク放
電と同時に行うことが好ましい。
【0046】また、雰囲気ガスが、アーク放電の際にア
ーク放電部の周囲であってアノード電極とカソード電極
とを結ぶ方向に進む螺旋流にて流されることが好まし
い。
【0047】また、複数の種類の異なる雰囲気ガスを、
それぞれ別個に独立して反応管内に供給し、当該反応管
内で混合させて混合ガスの螺旋流とすることが好まし
い。
【0048】また、以上の目的を達成する本発明に係る
炭素質材料の製造装置は、炭素質材料生成室を画成する
反応管と、反応管内に配置され炭素系材料で構成された
アノード電極と、反応管内にアノード電極と対向して設
けられアノード電極との間でアーク放電部を規定する炭
素系材料で構成されたカソード電極と、アノード電極及
びカソード電極間にアーク放電を発生させるためにアノ
ード電極及びカソード電極に接続された電流供給部とを
備え、反応管にはアーク放電部に向って雰囲気ガスを供
給して所定方向に流すための雰囲気ガス供給部が連通し
て接続され、反応管内であって雰囲気ガスの主流方向に
おけるアーク放電部の下流側に炭素質材料捕獲器が設け
られた炭素質材料の製造装置であって、炭素質材料捕獲
器が、支持部と当該支持部から雰囲気ガスの主流方向に
対する垂直方向に延設されるとともに炭素質材料を含ん
だ雰囲気ガスを貫流させる貫流部を有する捕獲部とを備
えてなることを特徴とするものである。
【0049】以上のように構成された本発明に係る炭素
質材料の製造装置は、支持部と当該支持部から雰囲気ガ
スの主流方向に対する垂直方向に延設されるとともに炭
素質材料を含んだ雰囲気ガスを貫流させる貫流部を有す
る捕獲部とを備えてなる炭素質材料捕獲器を備える。
【0050】そして、この炭素質材料捕獲器は、雰囲気
ガスの主流方向、すなわち雰囲気ガスの流れ方向に対す
る垂直方向に延設される捕獲部を備えているため、従来
の単なる棒状の炭素質材料捕獲器に比して雰囲気ガスと
衝突する領域が大幅に大とされている。さらに、この炭
素質材料捕獲器では、捕獲部に雰囲気ガスを貫流させる
ための貫流部を備えているため、この炭素質材料捕獲器
では当該炭素質材料捕獲器に衝突した雰囲気ガスをその
場に滞留させることなく、円滑に下流方向へと流すこと
が可能とされている。これにより、素質材料捕獲器は、
従来の炭素質材料捕獲器と比して、雰囲気ガス中に含ま
れる炭素質材料が引っ掛かり易い、すなわち炭素質材料
を捕獲し易い構成とされている。
【0051】したがって、本発明に係る炭素質材料の製
造装置では、上述したような炭素質材料捕獲器を備える
ため、従来の炭素質材料捕獲器を用いた場合と比して大
量の炭素質材料が簡便に且つ効率良く捕獲される。
【0052】また、捕獲部が支持部から放射状に延設さ
れた複数の棒状部材により形成され、隣接する当該棒状
部材間の空間が上記貫流部とされることが好ましい。
【0053】また、捕獲部が支持部から放射状に延設さ
れた複数の針状部材により形成され、隣接する当該針状
部材間の空間が貫流部とされることが好ましい。
【0054】また、捕獲部が支持部から延設された基板
に所定の形状の上記貫流部が穿設されてなることが好ま
しい。
【0055】また、貫流部が放射状に穿設されているこ
とが好ましい。
【0056】また、捕獲部が当該捕獲部の外周縁部が雰
囲気ガスの主流方向に突出してなることが好ましい。
【0057】また、捕獲部が網目構造とされていること
が好ましい。
【0058】また、炭素質材料捕獲器の外部または内部
に当該炭素質材料捕獲器を加熱するための加熱器が設け
られていることが好ましい。
【0059】また、反応管の内径が、雰囲気ガスの流れ
を一方向のみに限定し、反応管内の雰囲気ガスの対流を
防止できる程度に小さく構成されていることが好まし
い。
【0060】また、雰囲気ガスは不活性ガスであること
が好ましい。
【0061】また、アノード電極は、触媒を含有する炭
素系材料で構成されていることが好ましい。
【0062】また、雰囲気ガスは触媒ガスであることが
好ましい。
【0063】また、アノード電極は、触媒を含有しない
炭素系材料で構成されていることが好ましい。
【0064】また、雰囲気ガスが有機ガスであることが
好ましい。
【0065】また、雰囲気ガスが有機ガスと触媒ガスと
の混合ガスであることが好ましい。
【0066】また、アノード電極が触媒を含有しない炭
素系材料で構成されていることが好ましい。
【0067】また、反応管は断面が略円形であり、雰囲
気ガス供給部は、アーク放電部でのアーク放電により生
成された炭素質素材を炭素質材料捕獲器方向に搬送する
ために反応管に接続されてアーク放電部の上流側からア
ーク放電部に向ってガスを供給するガス供給管を有し、
当該ガス供給管は、反応管の略接線方向に延出して設け
られ、反応管内で螺旋流を生成することが好ましい。
【0068】また、ガス供給管は、反応管の略接線方向
に連通接続され第1のガスを反応管内に供給する第1管
と、第1管とは別の位置に反応管の略接線方向に連通接
続され第2のガスを反応管内に供給する第2管との少な
くとも2本で構成されることが好ましい。
【0069】また、第1のガスを第1管内において第1
の速度で流すための第1フローメータが第1管に接続さ
れ、第2のガスを第2の管内において第1の速度とは異
なる第2の速度で流すための第2のフローメータが第2
管に接続されていることが好ましい。
【0070】また、第1のガスが有機ガスであることが
好ましい。
【0071】また、第2のガスが触媒ガスであることが
好ましい。
【0072】また、ガス供給管がアーク放電部から炭素
質材料捕獲器へと向かう方向に対して鋭角に延びて該反
応管に接続されていることが好ましい。
【0073】また、反応管内に、当該反応管よりも径の
小さい内管が反応管と同軸的に配置され、当該内管は少
なくともガス供給管が接続されている位置に設けられて
いることが好ましい。
【0074】また、反応管のアーク放電部周囲の内周面
断面積が、他の部位の内周断面積よりも小さい縮径部に
て構成されていることが好ましい。
【0075】また、縮径部は炭素質材料捕獲器の直前ま
で延び、炭素質材料捕獲器の直前にて反応管が拡径して
構成されていることが好ましい。
【0076】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る炭素質材料捕
獲器、炭素質材料の製造方法及び製造装置について図面
を参照して詳細に説明する。なお、本発明は、下記の記
述に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しな
い範囲において適宜変更可能である。
【0077】図1に、本発明を適用した炭素質材料の製
造装置1を示す。炭素質材料の製造装置1は、主として
単層カーボンナノチューブを製造する。図1に示される
ように、炭素質材料の製造装置1は、略筒状の反応管1
1及び電流供給部12を有し、反応管11は、略筒状を
した左側反応管11Aと右側反応管11Bとの2つの部
分から構成されている。したがって、反応管11は、左
側反応管11Aと右側反応管11Bとに分離可能に構成
されており、後述する炭素質材料捕獲器23から単層カ
ーボンナノチューブを取出しやすい構造となっている。
【0078】ここで、反応管11は石英からなり、耐熱
性に優れ、化学的に安定な性質を有する。しかしなが
ら、反応管11を構成する材料は石英に限定されるもの
ではなく、反応管11は、SUS304,SUS31
6、タンタル、モリブデン等により構成されても良い。
即ち、反応管11を構成する材料は、溶接可能であり、
耐熱性が高く、化学的に安定であり、高周波の影響を受
けない物質であれば良い。また、反応管11の一部であ
ってアーク放電部周辺の位置のみをこれらの物質で構成
するようにしても良い。
【0079】左側反応管11Aの内部には、棒状のアノ
ード電極13とカソード電極14とが設けられている。
アノード電極13及びカソード電極14は、純粋なカー
ボンにより構成されている。また、アノード電極13、
カソード電極14の直径は、それぞれ10mm、15m
mである。アノード電極13とカソード電極14とは同
一線上に配置されており、アノード電極13の一端13
Aとカソード電極14の一端14Aとは、僅かな隙間を
隔てて対向配置されている。アノード電極13の他端1
3Bは、電流供給部12の正極に電気的に接続されてお
り、カソード電極14の他端14Bは、電流供給部12
の負極に電気的に接続されており、アノード電極13、
カソード電極14に電流を供給することによって、アノ
ード電極13の一端13Aとカソード電極14の一端1
4Aとの間にアーク放電を発生可能に構成されている。
図示せぬ切換スイッチにより、電極の極性を逆にするこ
ともできるように構成されており、アノード電極13の
位置とカソード電極14の位置とを逆にしてアーク放電
を発生させることもできるように構成されている。すな
わち、アノード電極13とカソード電極14とが互いに
対向する先端間でアーク放電部が規定される。そして、
アーク放電部は、左側反応管11Aの軸方向の略中央に
位置している。
【0080】アノード電極13は、単層カーボンナノチ
ューブ等の炭素質材椎を製造する際に炭素質材料の原料
として用いられるため消耗する。この消耗により、アノ
ード電極13とカソード電極14との間の隙間が広がる
ことによりアーク放電が生じなくなってしまうことを防
止するため、アノード電極13とカソード電極14との
間の隙間は、常に一定に保たれるように構成されてい
る。即ち、アノード電極13の他端13Bは、直線運動
導入機構16によって支持されており、アノード電極1
3をアノード電極13の長手方向に移動可能としてい
る。カソード電極14の他端14Bは、カソード電極1
4を移動不能に支持する支持部材15によって支持され
ている。
【0081】反応管11の両端には、反応管11の端部
を覆う蓋体11C,11Dがそれぞれ設けられており、
反応管11内を大気から遮断する。ここで、反応管11
の両端は円形をしているため、反応管11の両端を覆う
蓋体11C,11Dの形状も円形をしている。また、反
応管11の一部であって、蓋体11Cからアーク放電部
の方へ少し寄った位置には、ガスを反応管内に供給する
ための供給管17が設けられており、当該供給管17の
内部は反応管11の内部に連通している。
【0082】供給管17は、図2に示されるように、左
側反応管11Aの断面の接線方向に延出して設けられて
いる。したがって、左側反応管11A内に供給されるガ
スも反応管11の接線方向から供給される。このため、
供給されたガスは、図2に矢印で示されるように、反応
管11内で螺旋流となり、螺旋流のままアーク放電部に
供給されるように構成されている。
【0083】供給管17の一部には、図1に示すように
流量制御手段たる供給管フローメータ18が設けられて
おり、反応管11と接続されている供給管17の一端に
対する他端には、図示せぬガス供給部が設けられてい
る。そして、ガス供給部は、不活性ガス、または触媒ガ
スと有機ガスとの混合ガスを選択的に供給可能に構成さ
れている。ここで、触媒ガスとしては、例えば具体的に
は昇華した状態のフェロセンが使用される。その他にも
触媒ガスとしては、フェロセンに代えてフェロセン以外
の他のメタロセン、即ち、フェロセン中のFeに代えて
Niを有するニッケロセンや、Feに代えてCoを有す
るコバルトセン(Bis(cyc1opentadie
ny1)coba1t)等を用いても良く、また、これ
らを混合したもの、例えば、フェロセンとニッケロセン
とを混合したもの等を用いても良い。
【0084】また、不活性ガスとしては、例えばヘリウ
ムガスが使用される。その他にも不活性ガスとしては、
ヘリウムガスに代えてアルゴンガス、ネオンガス等を用
いても良い。
【0085】そして、有機ガスは、アノード電極をなす
カーボンと共に、生成される単層カーボンナノチューブ
等の炭素質材料の原料をなすものが用いられ、例えばメ
タンガス単体が使用される。そして、その他にも有機ガ
スとしては、メタン、エタン、ブタン等のアルカン類の
ガスの単体または混合物を用いても良い。これらが特に
好ましいが、これらに代えて、アルケン類、アルキン
類、芳香族等の有機ガスの単体または混合物を用いるこ
ともできる。
【0086】供給管フローメータ18は、供給管17内
を流れて反応管11内に供給される混合ガスの流速を調
節可能に構成されている。これらのガスの流量は諸条件
により変更可能であるが、反応管11内のガスの最大流
量は例えば5L/min程度である。
【0087】このような構成とすることにより、生成さ
れる炭素質材料の原料たる有機ガスが左側反応管11A
内のアーク放電部に供給されるため、アノード電極が炭
素質材料の原料として用いられる比率が低くなり、アノ
ード電極の消耗を大幅に減じることができる。また、反
応管11内のアーク放電部に触媒ガスが供給されるた
め、アノード電極を触媒とカーボンとを混合して構成す
る必要がなくなり、アノード電極製造の際の煩雑な手間
とコストとを低減することができ、単層カーボンナノチ
ューブ等の炭素質材料を安価で容易に製造することがで
きる。
【0088】また、螺旋流のままアーク放電部にガスが
供給されるため、アーク放電部において触媒ガスや有機
ガスが均一に供給され、均一な放電を得ることができ、
その結果、安定した質の炭素質材料の生成を確保するこ
とができる。
【0089】また、上記においては、触媒ガスと有機ガ
スとの混合ガスをアーク放電部に供給する場合について
説明したが、He,Ar等の不活性ガスと触媒ガスとの
混合ガスをアーク放電部に供給しても良く、また、触媒
ガスと有機ガスと不活性ガスとの混合ガスをアーク放電
部に供給するようにしても良い。
【0090】そして、上述した混合ガスをアーク放電部
に供給する代わりに、不活性ガスのみを供給するように
しても良い。但し、この場合には、アノード電極を、従
来の炭素質材料の製造装置のアノード電極113と同様
に、触媒を混入させた炭素電極とする必要がある。
【0091】右側反応管11Bの一部であって蓋体11
Dからアーク放電部の方へ少し寄った位置には、反応管
内からガスを排出するための排出管19が設けられてお
り、当該排出管19の内部は反応管11の内部に連通し
ている。また、排出管19の一部には、排出管フローメ
ータ20が設けられており、反応管11と接続されてい
る排出管19の一端に対する他端には、ポンプ21が設
けられている。ポンプ21は、負圧によって反応管11
内部のガスを吸引することによって、反応管11内部の
ガスを反応管11内部から排出可能に構成されている。
そして、排出管フローメータ20は、ポンプ21による
吸引力を調節可能に構成されている。
【0092】また、円形をした蓋体11Dの中央には、
反応管11の軸方向、即ち、アーク放電部に向かって延
出する棒状の炭素質材料捕獲器支持部材22が設けられ
ている。蓋体11Dと接続されている炭素質材料捕獲器
支持部材22の一端に対する他端には、アーク放電部で
生成された単層カーボンナノチューブ等を含む炭素質材
料を捕獲するための炭素質材料捕獲器23が設けられて
いる。
【0093】炭素質材料捕獲器23は、黒鉛ロッドから
なり、略円柱形状を呈する支持部と当該支持部から雰囲
気ガスの主流方向、すなわち雰囲気ガスの流れ方向に対
する垂直方向に延設されるとともに貫流部を有する捕獲
部とを備えてなる。そして、その長手方向の一端が炭素
質材料捕獲器支持部材22に接続されている。炭素質材
料捕獲器23は、左側反応管11B内部であって右側反
応管11Bの軸方向の略中央からアーク放電部寄りの所
定の位置までの部分に位置している。この位置は、供給
管17から供給されるガスの流れに着目すれば、アーク
放電部よりも下流側であり、これに対して供給管17の
設けられている位置は、アーク放電部よりも上流側であ
る。アーク放電部で生成される炭素質材料には、Web
状サンプル、アモルファス状カーボン、黒鉛、触媒が含
まれるが、この順に密度が大きくなる。この密度の違い
に着目し、ガスの流量を適当な値とすることにより、下
流側に設けられた炭素質材料捕獲器23でWeb状サン
プルのみを選択的に得ることができるように構成されて
いる。炭素質材料捕獲器23に捕獲された単層カーボン
ナノチューブを取出す際には、左側反応管11Aと右側
反応管11Bとを分割して取り出すことができるように
構成されている。
【0094】ここで、炭素質材料の製造装置1では、上
述したように炭素質材料捕獲器23として、支持部と当
該支持部から雰囲気ガスの主流方向、すなわち雰囲気ガ
スの流れ方向に対する垂直方向に延設されるとともに、
生成された炭素質材料を含んだ雰囲気ガスを貫流させる
貫流部を有する捕獲部とを備えてなる炭素質材料捕獲器
を用いる。
【0095】図3及び図4に、炭素質材料捕獲器23の
一構成例である炭素質材料捕獲器23aを示す。図3
は、炭素質材料捕獲器23aの正面図であり、図4は、
断面図である。炭素質材料捕獲器23aは、支持部31
から放射状に延設された複数の棒状部材32により捕獲
部33を形成し、隣接する棒状部材間の空間を貫流部3
4として構成した例である。
【0096】この炭素質材料捕獲器23は、雰囲気ガス
の主流方向、すなわち雰囲気ガスの流れ方向に対する垂
直方向に延設される捕獲部33を備えているため、従来
の単なる棒状の炭素質材料捕獲器に比して雰囲気ガスと
衝突する領域が大幅に大とされている。
【0097】さらにこの炭素質材料捕獲器23では、捕
獲部33に雰囲気ガスを貫流させるための貫流部34を
備えているため、当該炭素質材料捕獲器23に衝突した
雰囲気ガスをその場に滞留させることなく、円滑に下流
方向へと流すことが可能とされている。
【0098】以上の構成を備えることにより、炭素質材
料捕獲器23は、従来の炭素質材料捕獲器と比して、雰
囲気ガス中に含まれる後述する炭素質材料が炭素質材料
捕獲器23に引っ掛かり易い、すなわち炭素質材料を捕
獲し易い構成とされている。
【0099】したがって、この炭素質材料の製造装置1
は、炭素質材料捕獲器23を備えているため、従来の炭
素質材料捕獲器を用いた場合と比して大量の炭素質材料
を簡便に且つ効率よく捕獲することができる。
【0100】ここで、炭素質材料捕獲器23の構成は、
図3及び図4に示した炭素質材料捕獲器23aに限定さ
れるものではなく、図5及び図6に示す炭素質材料捕獲
器23bのような構成としても良い。すなわち、支持部
35から放射状に延設された複数の針状部材36により
捕獲部37を形成し、隣接する針状部材間の空間を貫流
部38とした構成としても良い。このような構成とした
場合においても、上述した効果を得ることができる。
【0101】また、炭素質材料捕獲器23の構成は、図
7及び図8に示す炭素質材料捕獲器23cのような構成
としても良い。すなわち、支持部39から延設された基
板40に所定の形状の貫流部42が穿設されることによ
り捕獲部41が形成された構成としても良い。このよう
な構成とした場合においても、上述した効果を得ること
ができる。ここで、貫流部42は、放射状に穿設するこ
とができる。
【0102】さらに、炭素質材料捕獲器23の構成は、
図9及び図10に示すように炭素質材料捕獲器23cを
変形した炭素質材料捕獲器23dのような構成としても
良い。すなわち、支持部43から延設された基板44に
所定の形状の貫流部46が穿設されることにより捕獲部
45が形成され、さらに基板44の外周縁部が雰囲気ガ
スの主流方向に突出した凸部47を有する構成としても
良い。このような構成とした場合においても、上述した
効果を得ることができる。
【0103】そして、炭素質材料捕獲器23の構成は、
図11及び図12に示す炭素質材料捕獲器23eのよう
な構成としても良い。すなわち、捕獲部が、網目構造と
された構成としても良い。すなわち、支持部48から線
状部材50が網目構造に延設されることにより捕獲部4
9を形成し、隣接する線状部材間の空間を貫流部とした
構成としても良い。このような構成とした場合において
も、上述した効果を得ることができる。
【0104】また、炭素質材料捕獲器23は、黒鉛材料
により構成することが好ましい。炭素質材料捕獲器23
を黒鉛材料により構成することにより、後述するRFヒ
ーター24その他の加熱手段により捕獲した炭素質材料
を加熱することが可能とされる。しかしながら、本実施
の形態に示すように炭素質材料の製造装置1において捕
獲した炭素質材料の加熱をしない場合は、すなわち、炭
素質材料の加熱を別工程として行う場合には、炭素質材
料捕獲器23は黒鉛材料により構成する必要はなく、ガ
ラスなど種々の材料により構成することができる。
【0105】そして、図3〜図12においては、炭素質
材料捕獲器23の支持部が雰囲気ガスの主流方向(以
下、長手方向と呼ぶ。)において短く示されているが、
当該支持部の長手方向の長さは、特に限定されるもので
はなく、図1に示すようにRFヒーター24からはみ出
す程度の長さとしても良く、また、図3〜図12に示す
ように比較的短く構成しても良い。ただし、この場合に
は、炭素質材料捕獲器23が反応管11内の所定の位置
に配されるように炭素質材料捕獲器支持部材22の長さ
を調整する必要がある。そして、この場合の炭素質材料
捕獲器支持部材22は、RFヒーター24に挿通される
部分は黒鉛材料により構成することが好ましい。
【0106】そして、右側反応管11B内部において炭
素質材料捕獲器23に捕獲された炭素質材料を加熱する
ために、炭素質材料捕獲器23が設けられている位置に
対応して、右側反応管11Bの外周を巻回するようにR
Fヒーター24が設けられている。RFヒーター24を
備えることにより、捕獲された炭素質材料を、炭素質材
料捕獲器23に捕獲されたままの状態でRFヒーター2
4により加熱することができるため、得られた炭素質材
料を大気に曝すことなく精製処理することができる。こ
れにより、得られた炭素質材料中の触媒に含まれるFe
等の不純物を酸化することなく除去することができ、且
つ、結晶性の悪い単層カーボンナノチューブを再配列し
て結晶性の良い単層カーボンナノチューブとすることが
でき、炭素質材料中の単層カーボンナノチューブの比率
を効率よく高めることができる。
【0107】また、RFヒーター24に代えて電気炉ま
たは赤外炉を設けて、炭素質材料捕獲器23に捕獲され
た単層カーボンナノチューブを含む炭素質材料の加熱を
行っても良い。この場合においても、上記と同様に効果
を得ることが可能である。
【0108】また、反応管11の径は、図1及び図13
に示されるように全ての部分において均一となってはお
らず、部分的に径の小さい縮径部11Eを有している。
即ち、反応管11の左端部からアーク放電部に向かって
供給管17の設けられている位置を過ぎた辺りまでは、
径の大きい大径部11Fが同一径で続いているが、この
位置から径の小さな縮径部11Eとなりアーク放電部に
至り、ガスの流れ方向下流側の炭素質材料捕獲器23が
設けられている直前まで縮径部11Eは続く。縮径部1
1Eとなっている部分はその区間内で同一径である。炭
素質材料捕獲器23の直前から再び反応管11の左端部
と同一の大径部11Gとなり、排出管19の設けられて
いる位置を過ぎて反応管11の右端部へと至る。この大
径部11Gも区間内では同一径である。縮径部11Eの
径は、例えば30mmであり、大径部11F,11Gの
径は例えば50mmである。このように、大径部11
F,11G、縮径部11Eは、反応管内の雰囲気ガスの
対流を防止できる程度に小さく構成されている。
【0109】また、アーク放電部の位置において反応管
11の径が細い縮径部11Eとなっており、当該縮径部
11Eの断面積は供給管17の設けられている大径部1
1Fの断面積よりも小さいため、原料ガスたる有機ガス
を図13の矢印に示されるように、効率的にアーク放電
部に収束させることができ、安定した原料ガスの供給を
行うことができる。これにより、アーク放電部で有機ガ
スが希薄になることを防ぐことができるため、安定した
放電が可能となり、安定して炭素質材料を生成すること
ができる。
【0110】また、アーク放電部を過ぎて炭素質材料捕
獲器23の直前まで縮径部11Eとなっているため、反
応管11内を流れるガス流速を高めることができ、生成
した炭素質材料がアーク放電部と炭素質材料捕獲器23
との間の反応管11の内周面部分に付着してしまうのを
極力防ぐことができ、効率よく炭素質材料捕獲器23に
て炭素質材料を捕獲することができる。
【0111】また、炭素質材料捕獲器23の直前の位置
において大径部11Gとなっており、炭素質材料捕獲器
23の周囲を流れるガスの流速を低下させることができ
るため、生成した炭素質材料が炭素質材料捕獲器23に
捕獲されずに通過してしまうのを極力防ぐことができ
る。
【0112】次に、単層カーボンナノチューブ等の炭素
質材料の製造方法について説明する。炭素質材料の製造
に先立ち、先ず、アノード電極13を製造する。即ち、
カーボン塊を棒状に削り、アノード電極13、カソード
電極14のそれぞれの形状とする。
【0113】次に、アノード電極13、カソード電極1
4を直線運動導入機構16、支持部材15にそれぞれセ
ットし、一旦、反応管11内を10−1Pa以下に真空
引きする。そして、図示せぬガス供給部から供給管を介
して反応管11内部に不活性ガスを供給し、反応管11
内を例えば略66.7kPa(500Torr)にす
る。ここで、反応管11内の気圧は66.7kPa(5
00Torr)としたが、これに限定されるものでな
く、反応管11内の気圧は略13.3kPa〜333.
3kPa(100Torr〜2500Torr)の範囲
内であれば良い。
【0114】その後、不活性ガスの供給を止め、アーク
放電部においてアーク放電を発生させ、図示せぬガス供
給部から触媒ガスと有機ガスとの混合ガスを供給し、こ
れと同時に、ポンプ21を動作させて反応管11内のガ
スを排出して反応管11内にガスの流れを生じさせる。
混合ガス中の触媒ガスの比率は、例えば触媒ガスが50
wt%とされる。しかしながら、混合ガスの比率は、こ
れに限定されるものではなく、触媒ガスが4wt%〜5
0wt%の範囲内であれば良い。
【0115】そして、反応管11内の気圧は略66.7
kPaに保たれ、アーク放電を行う時間は略30分間で
ある。このとき、ガスは、供給管17から左側反応管1
1Aの内周面接線方向に供給されるため、反応管11内
部、特にアーク放電部において螺旋流となっている。ま
た、アーク放電部の位置においては反応管11の径が小
さい縮径部11Eとなっているため、原料ガスたる有機
ガスと触媒ガスとの混合ガスを効率的にアーク放電部に
収束させている。この状態で、単層カーボンナノチュー
ブ等を含む炭素質材料がアーク放電部において生成さ
れ、有機ガスと触媒ガスとの混合ガスの流れによって炭
素質材料捕獲器23へと搬送される。
【0116】そして、炭素質材料捕獲器23へと搬送さ
れた炭素質材料は、炭素質材料捕獲器23により捕獲さ
れるが、炭素質材料の製造装置1では、上述したように
炭素質材料捕獲器23として、支持部と当該支持部から
雰囲気ガスの主流方向、すなわち雰囲気ガスの流れ方向
に対する垂直方向に延設されるとともに、生成された炭
素質材料を含んだ雰囲気ガスを貫流させる貫流部を有す
る捕獲部とを備えてなる炭素質材料捕獲器を用いてい
る。
【0117】ここで、炭素質材料捕獲器23は、雰囲気
ガスの主流方向、すなわち雰囲気ガスの流れ方向に対す
る垂直方向に延設される捕獲部33を備えているため、
従来の単なる棒状の炭素質材料捕獲器に比して雰囲気ガ
スと衝突する領域が大幅に大とされている。
【0118】さらに、この炭素質材料捕獲器23では、
捕獲部33に雰囲気ガスを貫流させるための貫流部34
を備えているため、これにより、炭素質材料捕獲器23
では、当該炭素質材料捕獲器23に衝突した雰囲気ガス
をその場に滞留させることなく、円滑に下流方向へと流
すことが可能とされている。
【0119】このような構成を有することにより、炭素
質材料捕獲器23は従来の炭素質材料捕獲器と比して、
雰囲気ガス中に含まれる後述する炭素質材料が炭素質材
料捕獲器23に引っ掛かり易い、すなわち炭素質材料を
捕獲し易いものとされている。
【0120】したがって、この炭素質材料の製造方法で
は、このような炭素質材料捕獲器23を用いるため、従
来の炭素質材料捕獲器を用いた場合と比して大量の炭素
質材料が簡便に且つ効率良く捕獲することができる。
【0121】次に、アーク放電が終了した後に、反応管
11内を10−1Pa以下に真空引きし、この状態で、
炭素質材料捕獲器23によって捕獲された炭素質材料を
RFヒーター24により加熱する。炭素質材料の加熱
は、略1100℃の温度で略30分間行う。以上の製造
工程によって、純度の高い単層カーボンナノチューブを
高効率で製造することができる。
【0122】また、上記においては、アーク放電が終了
した後に炭素質材料を加熱する場合について説明した
が、炭素質材料はアーク放電を行うのと同時に加熱して
も良い。炭素質材料の加熱をアーク放電と同時に行うこ
とにより、単層カーボンナノチューブ等の炭素質材料を
短時間で効率的に製造することができる。
【0123】そして、炭素質材料捕獲器23に捕獲され
た炭素質材料の加熱は必ずしも真空下で行う必要はな
く、炭素質材料捕獲器23に捕獲された炭素質材料の加
熱は減圧下で行っても良く、また、真空下、減圧下以外
の状態で行っても良く、適宜選択可能である。
【0124】以上、本発明に係る炭素質材料の製造方法
及び製造装置について説明したが、本発明は上述した記
述に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しな
い範囲において適宜変更可能である。
【0125】例えば、上記においてはアノード電極1
3、カソード電極14は純粋なカーボンにより構成され
たが、予めFe,Ni,Co等の触媒を含有しているよ
うな材料を用いてアノード電極を製造する場合には、こ
れらの触媒をカーボンロッドからわざわざ除去する必要
はなく、そのまま使用して良い。上記においては、雰囲
気ガスとして触媒ガスを含有させた場合について説明し
たが、この場合には、雰囲気ガスとして不活性ガスのみ
を用いることが可能である。
【0126】また、上記においては、ガスを供給する供
給管17を反応管11に1つだけ設けたが、図14に示
されるように、複数接線方向に設けても良い。この場合
でも、供給管を、アーク放電部よりもガスの流れ方向上
流側の位置に設ける。さらに、複数の種類の異なるガス
を、それぞれ別個に独立して各供給管から反応管内に供
給するようにして、反応管内で複数のガスを混合するよ
うにしても良い。また、各供給管にはそれぞれフローメ
ータを設けて、各供給管から供給されるガスの流速をそ
れぞれ速度v1、速度v2として異なるようにすれば、
反応管内で発生する混合ガスの螺旋流を強力にすること
ができ、第1の管で第1のガスを、第2管で第2のガス
を流すことが可能となるので、両者の配合の制御が容易
となるばかりか、反応管にガスを導入する前に第1のガ
スと第2のガスとを混合させておくという手間を省略す
ることができる。更に、第1のガスと第2のガスとが混
ざり易くなり、混合ガスの均質性を高めることができ
る。
【0127】また、上記においては、ガスを供給する供
給管17は反応管17の断面の接線方向に延出して設け
られていたが、供給管17を延出させる方向はこれに限
定されるものではなく、どの様な方向に延出するように
しても良い。そして、上記においては、ガスを供給する
供給管17は、反応管17の断面の接線方向に延出して
設けられていたが、さらにアーク放電部から炭素質材料
捕獲器へと向かう方向に対して鋭角に延びて反応管に接
続されるようにしても良い。供給管17をこのように配
置することにより、反応管11内で発生する混合ガスの
螺旋流の、下流方向への流速を速くすることができる。
【0128】また、上述した混合ガスの螺旋流をより良
好に形成するために、反応管よりも径の小さい内管が反
応管内に反応管と同軸的に配置されていても良い。この
内管は、少なくとも供給管17が設けられている位置に
設けられる。
【0129】また、上記においては反応管11の縮径部
11Eを、アーク放電部の位置から炭素質材料捕獲器2
3の直前までの位置としたが、アーク放電部の位置のみ
を縮径部としても良い。そして、縮径部11Eは必ずし
も設ける必要はなく、縮径部を設けない構成としても良
い。
【0130】また、反応管11の一部であって炭素質材
料捕獲器23の周辺を大径部11Gとしたが、この部分
も縮径部として、縮径部11Eを右側反応管11B全体
に延長するような形状としても良い。
【0131】そして、反応管11のアーク放電部近傍に
は、アーク放電の状態を監視するための窓を設けても良
い。これにより、アーク放電の状態を確実に把握するこ
とができるため、製造装置を確実に操作することができ
る。
【0132】なお、上記においては、横型の炭素質材料
の製造方法及び製造装置について説明したが、本発明は
これに限定されるものではなく、縦型の炭素質材料の製
造方法及び製造装置にも適用可能である。
【0133】
【実施例】以下では、本発明に係る炭素質材料の製造方
法及び製造装置の効果を確認するために実験を行った。
効果の確認は、本発明に係る炭素質材料の製造方法及び
製造装置により炭素質材料を製造した実施例1〜実施例
5と、従来の炭素質材料の製造方法及び製造装置により
炭素質材料を製造した比較例とを比較することにより行
った。
【0134】[実施例1]実施例1では、図3及び図4
に示した炭素質材料捕獲器23aを用いて構成した図1
に示す構成の炭素質材料の製造装置を用いて、カーボン
ナノチューブの合成を行った。ここで、反応管11の内
径が50mmであるので、炭素質材料捕獲器23の直径
は40mmのものを用いた。また、炭素質材料捕獲器2
3は、黒煙材料であるIG11(商品名、東洋炭素
(株)製)により作製した。アノード電極としては、直
径が6mmであり、Ni及びYの金属粉末と炭素とをN
i:Y:C=1.2:1:94.8(原子%)の比率で
混合して形成した複合ロッドを形成した。また、カソー
ド電極としては、直径15mmの純黒鉛製ロッドを形成
した。
【0135】そして、アノード電極13、カソード電極
13を直線運動導入機構16、支持部材15にそれぞれ
セットし、一旦、反応管11内を10−1Pa以下に真
空引きした。そして、図示せぬガス供給部から供給管を
介して反応管11内部に不活性ガスとしてHeガスを供
給し、反応管11内の気圧を略66.7kPa(500
Torr)にした。この気圧を維持した状態で、Heガ
スを3L/minの流速で反応管11内をフローさせ
た。この状態下で、アノード電極13、カソード電極1
4の両電極間に150Aの直流電流を加えアークを1分
間発生させた。電極間の距離は、電極間電位差が45〜
50Vになるように保持した。そして、アーク放電が終
了した後、チャンバー内を10−1Pa以下に保持し、
RFヒーター24からの高周波により炭素質材料捕獲器
23を1100℃まで昇温し、30分間保持した。以上
の製造工程によって、Web状生成物の合成を行った。
【0136】[実施例2]実施例2では、図5及び図6
に示した炭素質材料捕獲器23bを用いたこと以外は、
実施例1と同一条件でWeb状生成物の合成を行った。
【0137】[実施例3]実施例3では、図7及び図8
に示した炭素質材料捕獲器23cを用いたこと以外は、
実施例1と同一条件でWeb状生成物の合成を行った。
【0138】[実施例4]実施例4では、図9及び図1
0に示した炭素質材料捕獲器23dを用いたこと以外
は、実施例1と同一条件でWeb状生成物の合成を行っ
た。
【0139】[実施例5]実施例5では、図11及び図
12に示した炭素質材料捕獲器23eを用いたこと以外
は、実施例1と同一条件でWeb状生成物の合成を行っ
た。
【0140】[比較例]比較例では、従来の炭素質材料
捕獲器を用いたこと以外は、実施例1と同一条件でWe
b状生成物の合成を行った。
【0141】図15にアーク放電後の実施例1の炭素質
材料捕獲器の状態を示す。また、図16にアーク放電後
の比較例の炭素質材料捕獲器の状態を示す。アーク放電
中、Heガスは図15及び図16において左から右へ向
かって流れている。図15よりわかるように、本発明を
適用した炭素質材料捕獲器23aを用いた実施例1で
は、大量のWeb状生成物がロープ状になって炭素質材
料捕獲器に捕獲されている。一方、従来の炭素質材料捕
獲器を用いた比較例では、図16からわかるように炭素
質材料捕獲器の先端部に捕獲されたWeb状生成物が認
められるが、その量は実施例1と比較して非常にわずか
なものである。
【0142】また、実施例1乃至実施例5及び比較例に
おいて炭素質材料捕獲器により捕獲されたWeb状生成
物の量を定量的に比較するためにそれぞれの捕獲量を表
1に示す。
【0143】
【表1】 表1から、実施例1乃至実施例5においては、比較例と
比して遙かに大量のWeb状生成物が捕獲できているこ
とがわかる。このことより、本発明を適用した炭素質材
料捕獲器、すなわち、炭素質材料捕獲器23a、炭素質
材料捕獲器23b、炭素質材料捕獲器23c、炭素質材
料捕獲器23d、及び炭素質材料捕獲器23eを用いる
ことにより、従来の炭素質材料捕獲器を用いた場合を遙
かに上回る大量のWeb状生成物を効率よく捕獲するこ
とが可能であることがわかる。
【0144】次に、実施例1乃至実施例5及び比較例に
おいて捕獲されたWeb状生成物がカーボンナノチュー
ブであることを確認するために、各Web状生成物につ
いてラマン分光分析を行った。ラマン分光分析において
は、分析試料中にカーボンナノチューブ、特にSWNT
が存在している場合には、100cm−1〜200cm
−1の間にSWNTのBreathing modeに
よるピークが得られ、また、1590cm−1付近に現
れる黒鉛E2gモードに起因するピークが2つに分離す
ることが知られている(S.Bandow,S.Asa
ka,Y.Saito,A.M.Rao,L.Grig
orian,E.Richer andP.C.Ekl
und,Phys.Rev.Lett.,vol80
(17),1998,3779−3782)。ここで、
ラマン分光分析は、Raman2000(CHROME
X社製)を用いて、励起波長を532nmとして行っ
た。
【0145】ラマン分光分析結果として、実施例1で得
られたWeb状生成物のラマン分光分析結果を図17に
示す。図17よりわかるように、165cm−1付近に
SWNTのBreathing modeによるピーク
が得られ、また、1590cm−1付近のE2gモード
が分離していることが確認された。そして、実施例1以
外、すなわち実施例2〜実施例5及び比較例のいずれに
おいても、図17と同様の結果が得られており、165
cm−1付近にSWNTのBreathingmode
によるピークが得られ、また、1590cm−1付近の
2gモードが分離していることが確認された。以上の
ことより、実施例1乃至実施例5及び比較例において捕
獲されたWeb状生成物にSWNTが存在していること
が確認された。
【0146】
【発明の効果】請求項1記載の炭素質材料捕獲器によれ
ば、支持部の軸方向に対する垂直方向に延設される捕獲
部を備えているため、従来の単なる棒状の炭素質材料捕
獲器に比して雰囲気ガスと衝突する領域が大幅に大とさ
れている。さらに、気体を貫流させるための貫流部を捕
獲部に備えているため、当該炭素質材料捕獲器に衝突し
た気体をその場に滞留させることなく、円滑に気体の流
れ方向へと流すことが可能とされている。
【0147】これにより、本発明に係る炭素質材料捕獲
器は、従来の炭素質材料捕獲器と比して、気体中に含ま
れる炭素質材料が引っ掛かり易い、すなわち炭素質材料
を捕獲し易い構成とされ、従来の炭素質材料捕獲器を用
いた場合と比して大量の炭素質材料を簡便に且つ効率良
く捕獲することができる。
【0148】請求項2乃至請求項7記載の炭素質材料捕
獲器によれば、従来の炭素質材料捕獲器と比して、気体
中に含まれる炭素質材料が引っ掛かり易い、すなわち炭
素質材料を捕獲し易い構成とされるため、従来の炭素質
材料捕獲器を用いた場合と比して大量の炭素質材料を簡
便に且つ効率良く捕獲することができる。
【0149】請求項8記載の炭素質材料の製造方法によ
れば、雰囲気ガスがアーク放電部を通過可能な所定方向
に流されるので、アーク放電部で生成された炭素質材料
は所定方向に搬送され、反応管内の任意の壁面に付着す
ることが防止され、アーク放電部の下流側の炭素質材料
捕獲器で確実に回収できる。
【0150】さらに、この炭素質材料の製造方法では、
支持部と当該支持部から雰囲気ガスの主流方向に対する
垂直方向に延設されるとともに炭素質材料を含んだ雰囲
気ガスを貫流させる貫流部を有する捕獲部とを備えてな
る炭素質材料捕獲器を雰囲気ガスの主流方向のアーク放
電部の下流側に配して炭素質材料を回収する。
【0151】そして、この炭素質材料捕獲器は、従来の
炭素質材料捕獲器と比して、雰囲気ガス中に含まれる炭
素質材料が引っ掛かり易い、すなわち炭素質材料を捕獲
し易い構成とされているため、従来の炭素質材料捕獲器
を用いた場合と比して大量の炭素質材料を簡便に且つ効
率良く捕獲することが可能とされている。
【0152】請求項9乃至請求項14記載の炭素質材料
の製造方法によれば、炭素質材料捕獲器が、従来の炭素
質材料捕獲器と比して気体中に含まれる炭素質材料が引
っ掛かり易い、すなわち炭素質材料を捕獲し易い構成と
されるため、従来の炭素質材料捕獲器を用いた場合と比
して大量の炭素質材料を簡便に且つ効率良く捕獲するこ
とができる。
【0153】請求項15,16記載の炭素質材料の製造
方法によれば、従来のような触媒を含有したアノード電
極を用いることができる。そして、この場合には、雰囲
気ガスとして不活性ガスのみを用いることにより炭素質
材料を製造することができる。
【0154】請求項17記載の炭素質材料の製造方法に
よれば、雰囲気ガスは触媒ガスであるため、触媒を含有
させずにアノード電極を製造することができる。したが
って、従来のように粉砕カーボンと粉体状の触媒とを混
合、成形、焼成、加工してアノード電極を製造するとい
う手間が大幅に縮減され、アノード電極の製造が簡単と
なる。
【0155】請求項19記載の炭素質材料の製造方法に
よれば、雰囲気ガスは有機ガスであるため、アーク放電
による炭素の消費が有機ガスによって補われるので、ア
ノード電極の消費量が減り、長期に亘ってのアーク放電
が可能となる。
【0156】請求項20記載の炭素質材料の製造方法に
よれば、雰囲気ガスは有機ガスと触媒ガスとの混合ガス
であるため、アーク放電による炭素の消費が有機ガスに
よって補われるので、アノード電極の消費量が減り、長
期に亘ってのアーク放電が可能となり、且つ、触媒を含
有させずにアノード電極を製造することができる。
【0157】請求項18,21記載の炭素質材料の製造
方法によれば、アノード電極は触媒を含有しない炭素系
材料で構成されているので、触媒を含有しない炭素質材
料のみ、例えばグラファイト棒等でアノード電極を製造
することができる。
【0158】請求項22,23,24記載の炭素質材料
の製造方法によれば、炭素質材料捕獲器が加熱されるの
で、炭素質材料捕獲器に付着した炭素質素材が加熱さ
れ、単層カーボンナノチューブの成長を進行させること
ができ、結晶性の悪い単層カーボンナノチューブを再配
列させ結晶性の良い単層カーボンナノチューブとするこ
とができ、炭素質材料中の単層カーボンナノチューブの
比率を、効率よく高めることができる。また、炭素質材
料捕獲器の加熱を反応管内で行うので、得られた炭素質
材料を大気に曝すことなく精製処理することができる。
このため、炭素質材料捕獲器に蓄積している炭素質材料
中の触媒の昇華速度を早めることができ、触媒等の不純
物を酸化することなく除去することができ、より効率的
な回収が可能となる。そして、炭素質材料捕獲器の加熱
を真空下、減圧下、もしくはそれ以外の状態で行うこと
ができるため、炭素質材料捕獲器の加熱を行う際の自由
度が大きなものとされる。
【0159】請求項25,26記載の炭素質材料の製造
方法によれば、アーク放電と炭素質材料捕獲器の加熱が
アーク放電後に、またはアーク放電と同時に行うことが
できるため、炭素質材料捕獲器の加熱を行う際の自由度
が大きなものとされる。そして、炭素質材料捕獲器の加
熱をアーク放電と同時に行う場合には、炭素質材料の生
成と、その回収が同時に実行でき、炭素質材料の製造速
度を高めることができる。
【0160】請求項27記載の炭素質材料の製造方法に
よれば、アーク放電の際に、雰囲気ガスをアーク放電部
の周囲であってアノード電極とカソード電極とを結ぶ方
向に進む螺旋流にて供給するため、アーク放電部に均一
にガスを供給することができ、また、アーク放電部で生
成された炭素質材料を効率よく炭素質材料捕獲器に搬送
することができる。
【0161】請求項28記載の炭素質材料の製造方法に
よれば、複数の種類の異なる雰囲気ガスを、それぞれ別
個に独立して反応管内に供給し、反応管内で混合させて
混合ガスの螺旋流としたため、複数の種類の異なるガス
を予め混合する工程を省くことができる。
【0162】請求項29記載の炭素質材料の製造装置に
よれば、雰囲気ガスがアーク放電部を通過可能な所定方
向に流されるので、アーク放電部で生成された炭素質材
料は所定方向に搬送され、反応管内の任意の壁面に付着
することが防止され、アーク放電部の下流側の炭素質材
料捕獲器で確実に回収できる。
【0163】さらに、この炭素質材料の製造装置では、
支持部と当該支持部から雰囲気ガスの主流方向に対する
垂直方向に延設されるとともに炭素質材料を含んだ雰囲
気ガスを貫流させる貫流部を有する捕獲部とを備えてな
る炭素質材料捕獲器を雰囲気ガスの主流方向のアーク放
電部の下流側に備える。そして、この素質材料捕獲器
は、従来の炭素質材料捕獲器と比して、雰囲気ガス中に
含まれる炭素質材料が引っ掛かり易い、すなわち炭素質
材料を捕獲し易い構成とされているため、従来の炭素質
材料捕獲器を用いた場合と比して大量の炭素質材料を簡
便に且つ効率良く捕獲することが可能とされている。
【0164】請求項30乃至請求項35記載の炭素質材
料の製造装置によれば、炭素質材料捕獲器が、従来の炭
素質材料捕獲器と比して気体中に含まれる炭素質材料が
引っ掛かり易い、すなわち炭素質材料を捕獲し易い構成
とされるため、従来の炭素質材料捕獲器を用いた場合と
比して大量の炭素質材料を簡便に且つ効率良く捕獲する
ことができる。
【0165】請求項36記載の炭素質材料の製造装置に
よれば、炭素質材料捕獲器の内部または外部には、炭素
質材料捕獲器を加熱するための加熱器が設けられている
ため、炭素質材料捕獲器が加熱されるので、炭素質材料
捕獲器に付着した炭素質素材が加熱され、結晶性の悪い
単層カーボンナノチューブを再配列し結晶性の良い単層
カーボンナノチューブとすることができ、炭素質材料中
の単層カーボンナノチューブの比率を、効率よく高める
ことができる。
【0166】請求項37記載の炭素質材料の製造装置に
よれば、反応管の内径は小さく構成されているため、雰
囲気ガスの流れを一方向のみに限定し、反応管内の雰囲
気ガスの対流を防止することができる。
【0167】請求項38,39記載の炭素質材料の製造
装置によれば、従来のような触媒を含有したアノード電
極を用いることができる。そして、この場合には、雰囲
気ガスとして不活性ガスのみを用いることにより炭素質
材料を製造することができる。
【0168】請求項40記載の炭素質材料の製造装置に
よれば、雰囲気ガスは触媒ガスであるため、アノード電
極を触媒を含有させずに製造することができる。よっ
て、従来のように粉砕カーボンと粉体状の触媒とを混
合、成形、焼成、加工してアノード電極を製造するとい
う手間が大幅に縮減され、アノード電極の製造が簡単と
なる。
【0169】請求項42記載の炭素質材料の製造装置に
よれば、雰囲気ガスは有機ガスであるため、アーク放電
による炭素の消費が有機ガスによって補われるので、ア
ノードの消費量が減り、長期に亘ってのアーク放電が可
能となる。
【0170】請求項43記載の炭素質材料の製造装置に
よれば、雰囲気ガスは有機ガスと触媒ガスとの混合ガス
であるため、アーク放電による炭素の消費が有機ガスに
よって補われるので、アノード電極の消費量が減り、長
期に亘ってのアーク放電が可能となり、且つ、アノード
電極を触媒を含有させずに製造することができる。
【0171】請求項41,44記載の炭素質材料の製造
装置によれば、アノード電極は触媒を含有しない炭素系
材料で構成されているので、触媒を含有しない炭素質材
料のみ、例えばグラファイト棒等でアノード電極を製造
することができる。
【0172】請求項45記載の炭素質材料の製造装置に
よれば、反応管は断面が略円形であり、ガス供給管は、
反応管の略接線方向に延びて設けられ、反応管内で螺旋
流を生成するため、アーク放電部で生成された炭素質材
料を効率よく炭素質材料捕獲器に搬送することができ
る。
【0173】請求項46記載の炭素質材料の製造装置に
よれば、ガス供給管は、少なくとも第1管と第2管とに
より複数設けられているので、反応管内で発生する混合
ガスの螺旋流が強力となる。また、第1管で第1のガス
を、第2管で第2のガスを流すので、両者の配合の制御
が容易となり、且つ反応管にガスを導入する前に第1の
ガスと第2のガスとを混合させておくという手間を省略
することができる。
【0174】請求項47記載の炭素質材料の製造装置に
よれば、反応管内に導入された第1のガスの流速と第2
のガスの流速とを異なるようにすることができるので、
反応管内で発生した螺旋流において、第1のガスと第2
のガスとが混ざり易くなり、混合ガスの均質性を高める
ことができる。
【0175】請求項48記載の炭素質材料の製造装置に
よれば、第1のガスは有機ガスであるため、有機ガスと
他のガスとの混合を容易にすることができる。
【0176】請求項49記載の炭素質材料の製造装置に
よれば、第2のガスは触媒ガスであるため、触媒ガスと
他のガスとの混合を容易にすることができる。
【0177】請求項50記載の炭素質材料の製造装置に
よれば、ガス供給管がアーク放電部から炭素質材料捕獲
器へと向かう方向に対して鋭角に延びて反応管に接続さ
れているため、反応管内で発生する混合ガスの螺旋流
の、下流方向への流速が速くなる。
【0178】請求項51記載の炭素質材料の製造装置に
よれば、反応管内に当該反応管よりも径の小さい内管が
反応管と同軸的に配置され、この内管は、少なくともガ
ス供給管が接続されている位置に設けられているため、
径の略均一な螺旋流とすることができ、螺旋流を強力に
することができる。
【0179】請求項52記載の炭素質材料の製造装置に
よれば、反応管のアーク放電部周囲の内周面断面積が、
他の部位の内周断面積よりも小さい縮径部にて構成され
ているので、反応管内に導入されたガス流が、効率的に
アーク放電部に収束でき、炭素質材料の生成を効率的に
行うことが可能となる。また生成された炭素質材料が反
応管内で任意方向に飛散することなく、所定方向に移動
し、その回収を容易にすることができる。
【0180】請求項53記載の炭素質材料の製造装置に
よれば、反応管の縮径部は炭素質材料捕獲器の直前まで
延びているので、アーク放電部で生成された炭素質材料
は、炭素質材料捕獲器に至る途中でその運動性を失って
反応管の内周面に付着する可能性を低減できる。また反
応管は炭素質材料捕獲器直前で拡径されているので、生
成された炭素質材料は、炭素質材料捕獲器の直前でその
移動速度が低下し、炭素質材料捕獲器にて効率的に回収
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態による炭素質材料の製造装
置を示す概略図である。
【図2】本発明の実施の形態による炭素質材料の製造装
置において、反応管に供給管が設けられた部分を示す概
略図である。
【図3】本発明を適用した炭素質材料捕獲器の一構成例
を示す正面図である。
【図4】本発明を適用した炭素質材料捕獲器の一構成例
を示す断面図である。
【図5】本発明を適用した炭素質材料捕獲器の他の構成
例を示す正面図である。
【図6】本発明を適用した炭素質材料捕獲器の他の構成
例を示す断面図である。
【図7】本発明を適用した炭素質材料捕獲器の一構成例
を示す正面図である。
【図8】本発明を適用した炭素質材料捕獲器の一構成例
を示す断面図である。
【図9】本発明を適用した炭素質材料捕獲器の一構成例
を示す正面図である。
【図10】本発明を適用した炭素質材料捕獲器の一構成
例を示す断面図である。
【図11】本発明を適用した炭素質材料捕獲器の一構成
例を示す正面図である。
【図12】本発明を適用した炭素質材料捕獲器の一構成
例を示す断面図である。
【図13】本発明の実施の形態による炭素質材料の製造
装置における反応管の縮径部を示す概略図である。
【図14】本発明の実施の形態よる炭素質材料の製造装
置の変形例において、反応管に供給管が設けられた部分
を示す概略図である。
【図15】実施例1におけるアーク放電後の炭素質材料
捕獲器の状態を示す図である。
【図16】比較例におけるアーク放電後の炭素質材料捕
獲器の状態を示す図である。
【図17】実施例1におけるラマン分光分析結果を示す
特性図である。
【図18】従来の炭素質材料の製造装置を示す概略図で
ある。
【符号の説明】
1 炭素質材料の製造装置 11 反応管 12 電流供給部 13 アノード電極 14 カソード電極 17 供給管 18 供給管フローメータ 23 炭素質材料捕獲器 24 RFヒーター 31 支持部 32 棒状部材 33 捕獲部 34 貫流部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宮腰 光史 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 (72)発明者 田上 滋規 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 Fターム(参考) 4G046 CA00 CB02 CC09

Claims (53)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持部と、当該支持部から当該支持部の
    軸方向に対する垂直方向に延設されるとともに軸方向に
    おいて気体を貫流させる貫流部を有する捕獲部とを備え
    てなることを特徴とする炭素質材料捕獲器。
  2. 【請求項2】 上記捕獲部が上記支持部から放射状に延
    設された複数の棒状部材により形成され、隣接する当該
    棒状部材間の空間が上記貫流部とされることを特徴とす
    る請求項1記載の炭素質材料捕獲器。
  3. 【請求項3】 上記捕獲部が上記支持部から放射状に延
    設された複数の針状部材により形成され、隣接する当該
    針状部材間の空間が上記貫流部とされることを特徴とす
    る請求項1記載の炭素質材料捕獲器。
  4. 【請求項4】 上記捕獲部が上記支持部から延設された
    基板に所定の形状の上記貫流部が穿設されてなることを
    特徴とする請求項1記載の炭素質材料捕獲器。
  5. 【請求項5】 上記貫流部が、放射状に穿設されている
    ことを特徴とする請求項4記載の炭素質材料捕獲器。
  6. 【請求項6】 上記捕獲部が、当該捕獲部の外周縁部が
    上記支持部の軸方向に突出してなることを特徴とする請
    求項4記載の炭素質材料捕獲器。
  7. 【請求項7】 上記捕獲部が、網目構造とされているこ
    とを特徴とする請求項1記載の炭素質材料捕獲器。
  8. 【請求項8】 炭素質材料生成室を画成する反応管内
    に、炭素系材料で構成されたアノード電極と当該アノー
    ド電極に対向し当該アノード電極との間でアーク放電部
    を規定する炭素系材料で構成されたカソード電極とを配
    置し、 上記アーク放電部を雰囲気ガスにさらしながら上記アノ
    ード電極及び上記カソード電極間に電流を供給してアー
    ク放電を行うことにより上記アーク放電部で炭素質材料
    を生成し、 上記炭素質材料を所定方向に搬送するために上記雰囲気
    ガスを上記反応管内の上記アーク放電部の上流側から上
    記アーク放電部に向かって供給する炭素質材料の製造方
    法であって、 上記雰囲気ガスの主流方向の上記アーク放電部の下流側
    に配され、支持部と当該支持部から上記雰囲気ガスの主
    流方向に対する垂直方向に延設されるとともに上記炭素
    質材料を含んだ上記雰囲気ガスを貫流させる貫流部を有
    する捕獲部とを備えてなる炭素質材料捕獲器により上記
    炭素質材料を回収することを特徴とする炭素質材料の製
    造方法。
  9. 【請求項9】 上記捕獲部が上記支持部から放射状に延
    設された複数の棒状部材により形成され、隣接する当該
    棒状部材間の空間が上記貫流部とされることを特徴とす
    る請求項8記載の炭素質材料の製造方法。
  10. 【請求項10】 上記捕獲部が上記支持部から放射状に
    延設された複数の針状部材により形成され、隣接する当
    該針状部材間の空間が上記貫流部とされることを特徴と
    する請求項8記載の炭素質材料の製造方法。
  11. 【請求項11】 上記捕獲部が上記支持部から延設され
    た基板に所定の形状の上記貫流部が穿設されてなること
    を特徴とする請求項8記載の炭素質材料の製造方法。
  12. 【請求項12】 上記貫流部が、放射状に穿設されてい
    ることを特徴とする請求項11記載の炭素質材料の製造
    方法。
  13. 【請求項13】 上記捕獲部が、当該捕獲部の外周縁部
    が上記雰囲気ガスの主流方向に突出してなることを特徴
    とする請求項11記載の炭素質材料の製造方法。
  14. 【請求項14】 上記捕獲部が、網目構造とされている
    ことを特徴とする請求項8記載の炭素質材料の製造方
    法。
  15. 【請求項15】 上記雰囲気ガスは不活性ガスであるこ
    とを特徴とする請求項8記載の炭素質材料の製造方法。
  16. 【請求項16】 上記アノード電極は、触媒を含有する
    炭素系材料で構成されていることを特徴とする請求項1
    5記載の炭素質材料の製造方法。
  17. 【請求項17】 上記雰囲気ガスは触媒ガスであること
    を特徴とする請求項8記載の炭素質材料の製造方法。
  18. 【請求項18】 上記アノード電極は、触媒を含有しな
    い炭素系材料で構成されていることを特徴とする請求項
    17記載の炭素質材料の製造方法。
  19. 【請求項19】 上記雰囲気ガスは、有機ガスであるこ
    とを特徴とする請求項8記載の炭素質材料の製造方法。
  20. 【請求項20】 上記雰囲気ガスは、有機ガスと触媒ガ
    スとの混合ガスであることを特徴とする請求項8記載の
    炭素質材料の製造方法。
  21. 【請求項21】 上記アノード電極は、触媒を含有しな
    い炭素系材料で構成されていることを特徴とする請求項
    20記載の炭素質材料の製造方法。
  22. 【請求項22】 上記炭素質材料捕獲器を加熱しながら
    上記炭素質材料を回収することを特徴とする請求項8記
    載の炭素質材料の製造方法。
  23. 【請求項23】 上記炭素質材料捕獲器の加熱を真空下
    で行うことを特徴とする請求項22記載の炭素質材料の
    製造方法。
  24. 【請求項24】 上記炭素質材料捕獲器の加熱を減圧下
    で行うことを特徴とする請求項22記載の炭素質材料の
    製造方法。
  25. 【請求項25】 上記炭素質材料捕獲器の加熱を上記ア
    ーク放電終了後に行うことを特徴とする請求項22記載
    の炭素質材料の製造方法。
  26. 【請求項26】 上記炭素質材料捕獲器の加熱を上記ア
    ーク放電と同時に行うことを特徴とする請求項22記載
    の炭素質材料の製造方法。
  27. 【請求項27】 上記雰囲気ガスが、上記アーク放電の
    際に上記アーク放電部の周囲であって上記アノード電極
    と上記カソード電極とを結ぶ方向に進む螺旋流にて流さ
    れることを特徴とする請求項8記載の炭素質材料の製造
    方法。
  28. 【請求項28】 複数の種類の異なる上記雰囲気ガス
    を、それぞれ別個に独立して上記反応管内に供給し、当
    該反応管内で混合させて混合ガスの螺旋流とすることを
    特徴とする請求項27記載の炭素質材料の製造方法。
  29. 【請求項29】 炭素質材料生成室を画成する反応管
    と、 上記反応管内に配置され炭素系材料で構成されたアノー
    ド電極と、 上記反応管内に上記アノード電極と対向して設けられ上
    記アノード電極との間でアーク放電部を規定する炭素系
    材料で構成されたカソード電極と、 上記アノード電極及び上記カソード電極間にアーク放電
    を発生させるために上記アノード電極及び上記カソード
    電極に接続された電流供給部とを備え、 上記反応管には上記アーク放電部に向って雰囲気ガスを
    供給して所定方向に流すための雰囲気ガス供給部が連通
    して接続され、 上記反応管内であって上記雰囲気ガスの主流方向におけ
    る上記アーク放電部の下流側に炭素質材料捕獲器が設け
    られた炭素質材料の製造装置であって、 上記炭素質材料捕獲器が、支持部と、当該支持部から上
    記雰囲気ガスの主流方向に対する垂直方向に延設される
    とともに上記炭素質材料を含んだ上記雰囲気ガスを貫流
    させる貫流部を有する捕獲部とを備えてなることを特徴
    とする炭素質材料の製造装置。
  30. 【請求項30】 上記捕獲部が上記支持部から放射状に
    延設された複数の棒状部材により形成され、隣接する当
    該棒状部材間の空間が上記貫流部とされることを特徴と
    する請求項29記載の炭素質材料の製造装置。
  31. 【請求項31】 上記捕獲部が上記支持部から放射状に
    延設された複数の針状部材により形成され、隣接する当
    該針状部材間の空間が上記貫流部とされることを特徴と
    する請求項29記載の炭素質材料の製造装置。
  32. 【請求項32】 上記捕獲部が上記支持部から延設され
    た基板に所定の形状の上記貫流部が穿設されてなること
    を特徴とする請求項29記載の炭素質材料の製造装置。
  33. 【請求項33】 上記貫流部が、放射状に穿設されてい
    ることを特徴とする請求項32記載の炭素質材料の製造
    装置。
  34. 【請求項34】 上記捕獲部が、当該捕獲部の外周縁部
    が上記雰囲気ガスの主流方向に突出してなることを特徴
    とする請求項32記載の炭素質材料の製造装置。
  35. 【請求項35】 上記捕獲部が、網目構造とされている
    ことを特徴とする請求項29記載の炭素質材料の製造装
    置。
  36. 【請求項36】 上記炭素質材料捕獲器の外部または内
    部に当該炭素質材料捕獲器を加熱するための加熱器が設
    けられていることを特徴とする請求項29記載の炭素質
    材料の製造装置。
  37. 【請求項37】 上記反応管の内径が、上記雰囲気ガス
    の流れを一方向のみに限定し、上記反応管内の上記雰囲
    気ガスの対流を防止できる程度に小さく構成されている
    ことを特徴とする請求項29記載の炭素質材料の製造装
    置。
  38. 【請求項38】 上記雰囲気ガスは不活性ガスであるこ
    とを特徴とする請求項29記載の炭素質材料の製造装
    置。
  39. 【請求項39】 上記アノード電極は、触媒を含有する
    炭素系材料で構成されていることを特徴とする請求項3
    8記載の炭素質材料の製造装置。
  40. 【請求項40】 上記雰囲気ガスは触媒ガスであること
    を特徴とする請求項29記載の炭素質材料の製造装置。
  41. 【請求項41】 上記アノード電極は、触媒を含有しな
    い炭素系材料で構成されていることを特徴とする請求項
    40記載の炭素質材料の製造装置。
  42. 【請求項42】 上記雰囲気ガスは、有機ガスであるこ
    とを特徴とする請求項29記載の炭素質材料の製造装
    置。
  43. 【請求項43】 上記雰囲気ガスは、有機ガスと触媒ガ
    スとの混合ガスであることを特徴とする請求項29記載
    の炭素質材料の製造装置。
  44. 【請求項44】 上記アノード電極は、触媒を含有しな
    い炭素系材料で構成されていることを特徴とする請求項
    43記載の炭素質材料の製造装置。
  45. 【請求項45】 上記反応管は断面が略円形であり、 上記雰囲気ガス供給部は、上記アーク放電部でのアーク
    放電により生成された炭素質素材を上記炭素質材料捕獲
    器方向に搬送するために上記反応管に接続されて上記ア
    ーク放電部の上流側から上記アーク放電部に向ってガス
    を供給するガス供給管を有し、 当該ガス供給管は、上記反応管の略接線方向に延出して
    設けられ、上記反応管内で螺旋流を生成することを特徴
    とする請求項29記載の炭素質材料の製造装置。
  46. 【請求項46】 上記ガス供給管は、上記反応管の略接
    線方向に連通接続され第1のガスを上記反応管内に供給
    する第1管と、上記第1管とは別の位置に上記反応管の
    略接線方向に連通接続され第2のガスを上記反応管内に
    供給する第2管との少なくとも2本で構成されることを
    特徴とする請求項45記載の炭素質材料の製造装置。
  47. 【請求項47】 上記第1のガスを上記第1管内におい
    て第1の速度で流すための第1フローメータが上記第1
    管に接続され、上記第2のガスを第2の管内において第
    1の速度とは異なる第2の速度で流すための第2のフロ
    ーメータが上記第2管に接続されていることを特徴とす
    る請求項46記載の炭素質材料の製造装置。
  48. 【請求項48】 上記第1のガスは、有機ガスであるこ
    とを特徴とする請求項46記載の炭素質材料の製造装
    置。
  49. 【請求項49】 上記第2のガスは、触媒ガスであるこ
    とを特徴とする請求項46記載の炭素質材料の製造装
    置。
  50. 【請求項50】 上記ガス供給管は、上記アーク放電部
    から上記炭素質材料捕獲器へと向かう方向に対して鋭角
    に延びて上記反応管に接続されていることを特徴とする
    請求項45に記載の炭素質材料の製造装置。
  51. 【請求項51】 上記反応管内に、上記反応管よりも径
    の小さい内管が上記反応管と同軸的に配置され、当該内
    管は、少なくとも上記ガス供給管が接続されている位置
    に設けられていることを特徴とする請求項45記載の炭
    素質材料の製造装置。
  52. 【請求項52】 上記反応管のアーク放電部周囲の内周
    面断面積が、他の部位の内周断面積よりも小さい縮径部
    にて構成されていることを特徴とする請求項29記載の
    炭素質材料の製造装置。
  53. 【請求項53】 上記縮径部は上記炭素質材料捕獲器の
    直前まで延び、上記炭素質材料捕獲器の直前にて上記反
    応管が拡径して構成されていることを特徴とする請求項
    52記載の炭素質材料の製造装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP5430397B2 (ja) * 2007-04-27 2014-02-26 株式会社クラレ 単層カーボンナノチューブ分散液、及び単層カーボンナノチューブ分散液の製造方法

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