JP2003182997A - リーチ型フォークリフト - Google Patents

リーチ型フォークリフト

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JP2003182997A
JP2003182997A JP2001379253A JP2001379253A JP2003182997A JP 2003182997 A JP2003182997 A JP 2003182997A JP 2001379253 A JP2001379253 A JP 2001379253A JP 2001379253 A JP2001379253 A JP 2001379253A JP 2003182997 A JP2003182997 A JP 2003182997A
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braking force
braking
slip
wheels
speed
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JP2001379253A
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English (en)
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Shiyomei Chin
曙銘 陳
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Nippon Yusoki Co Ltd
Original Assignee
Nippon Yusoki Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】スリップし易い路面での姿勢ずれの発生や制動
距離の伸びを防止可能なリーチ型フォークリフトを提供
する。 【解決手段】導出部27により駆動輪のスリップ速度s
と姿勢ずれ角Δθが導出される。そして、制御部28に
よりそのスリップ速度sに基づきスリップ抑制係数Ks
が導出されると共に、スリップ抑制係数Ksに基づき両
前輪にかけるべき基準制動力が導出される。更に、制御
部28より姿勢ずれ角Δθがなくなるように基準制動力
が補正される。そして、制御部28により、駆動輪制動
装置20による制動トルクを抑えつつ、補正された制動
力を発生すべく両前輪用電磁ブレーキ21,22が制御
される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、車体に左右一対
の前輪と後輪とを備えて成るリーチ型フォークリフトに
関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、リーチ型フォークリフトは、図
4及び図5に示すように構成されている。即ち、リーチ
型フォークリフト1における車体2の前部の左右両端に
それぞれストラドルアーム3が前方に突設固定され、こ
れら両ストラドルアーム3間に、リフトシリンダ(図示
せず)により昇降されるフォーク4を案内するマスト5
が前後に移動可能に立設されている。また、両ストラド
ルアーム3それぞれには左右の前輪6l,6rが回転自
在に取り付けられ、車体2の後部下方には1個の後輪と
しての駆動輪7が取り付けられると共に、車体2を支持
し車体2の進行に従動する2個のキャスタ輪8が取り付
けられている。
【0003】更に、図4に示すように、車体2には、マ
スト5やフォーク4を動作させるための各種の油圧操作
レバー9が配設されると共に、駆動輪7を回転駆動する
ためのアクセラレータ10が配設され、操舵用のステア
リングハンドル11が配設され、走行中にこのステアリ
ングハンドル11の操作に応じて駆動輪7の向き、いわ
ゆる操舵角を制御することで旋回走行を行うようになっ
ている。尚、図4には示されていないが、運転者により
操作されるブレーキペダルが車体2に配設され、このブ
レーキペダルを踏み込んでいる間は、駆動輪7の駆動用
走行モータの回転軸をロックして駆動輪7に制動をかけ
るディスクブレーキから成る駆動輪制動部がロック解除
されて走行可能になり、ブレーキペダルの踏み込みを解
除すると、駆動輪制動部により走行モータの回転軸がロ
ックされて駆動輪7に制動力がかかるようになってい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、リーチ型フ
ォークリフト1の場合、駆動輪7の向きを変えることに
より旋回走行を行うので、冷蔵庫内の凍結路面等といっ
たすべりやすい路面において、輪重が前輪6l,6r側
に移るときに制動操作を行ったときには、遠心力により
駆動輪7がスリップし、このスリップによって運転者の
予期しない方向へ車体2が旋回して姿勢ずれが発生した
り、駆動輪7に必要な制動力が得られなくなって制動距
離が予想以上に伸びる等の現象が生じるおそれがあっ
た。
【0005】また、従来、このような駆動輪7のスリッ
プを検出する有効な手段がなく、駆動輪7のスリップを
抑制して走行することができなかった。なかでも、リー
チ型フォークリフト1では、図5に示すように駆動輪7
が車体2の中心を通る前後方向の中心線上に配されてお
らず、この中心線に対して左右いずれか(ここでは、左
方)にずれて配設されているため、左旋回時と右旋回時
とでは同一の駆動輪速度で旋回を行ってもスリップの発
生具合が異なる等、スリップは複雑な現象であり、その
スリップを検出、抑制することは非常に困難であった。
【0006】そこで、本発明は、スリップし易い路面で
の姿勢ずれの発生や制動距離の伸びを防止可能なリーチ
型フォークリフトを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ために、本発明は、車体に左右一対の前輪と後輪とを備
えて成るリーチ型フォークリフトにおいて、前記両前輪
にそれぞれ制動をかける左、右前輪制動装置と、前記両
前輪の回転速度をそれぞれ検出する左、右前輪速度検出
器と、前記後輪の回転速度を検出する後輪速度検出器
と、前記後輪の操舵角を検出する操舵角検出器と、前記
各検出器により検出される前記両前輪回転速度、前記後
輪回転速度、並びに前記操舵角に基づき、前記両前輪に
かけるべき制動力をそれぞれ導出し、該制動力を発生す
べく前記両前輪制動装置を制御する制御装置とを備えて
いることを特徴としている。
【0008】このような構成によれば、左、右前輪速度
検出器、後輪速度検出器、操舵角検出器により検出され
る両前輪回転速度、後輪回転速度、操舵角に基づき、制
御装置により、両前輪にかけるべき制動力がそれぞれ導
出されて両前輪制動装置が制御される。
【0009】そのため、リーチ型フォークリフトの状況
を確実に検出することができ、またリーチ型フォークリ
フトの状況に応じて両前輪制動装置により発生する制動
力を適切に制御することができるので、リーチ型フォー
クリフトの操作性、安全性の向上を図ることができる。
【0010】また、本発明は、前記制御装置が、前記各
検出器によりそれぞれ検出される前記両前輪回転速度、
並びに、前記両前輪及び前記後輪の配置寸法に基づく演
算により前記後輪の接地点周速度を導出し、該接地点周
速度と前記後輪速度検出器により検出される前記後輪回
転速度とに基づき、前記後輪のスリップ速度を算出する
スリップ速度算出手段と、前記各検出器によりそれぞれ
検出される前記両前輪回転速度、並びに、前記両前輪及
び前記後輪の配置寸法に基づく演算により前記後輪の操
舵角を導出し、該操舵角と前記操舵角検出器により検出
される操舵角とに基づき、前記車体の姿勢ずれ角を算出
する姿勢ずれ角算出手段と、前記スリップ速度及び前記
姿勢ずれ角に基づき前記両前輪にかけるべき制動力をそ
れぞれ導出し、該制動力を発生すべく前記両前輪制動装
置を制御する制動力制御手段とを備えていることを特徴
としている。
【0011】このような構成によれば、スリップ速度算
出手段により後輪のスリップ速度が算出され、姿勢ずれ
角算出手段により車体の姿勢ずれ角が算出され、制動力
制御手段により、これらスリップ速度及び姿勢ずれ角に
基づき、両前輪にかけるべき制動力がそれぞれ導出され
てその制動力を発生すべく両前輪制動装置が制御される
ため、後輪のスリップや車体の姿勢ずれを精度よく検出
して制動力を制御することができる。
【0012】また、本発明は、前記制動力制御手段が、
前記スリップ速度に基づき前記両前輪にかける基準制動
力を導出する制動力導出手段と、前記姿勢ずれ角に基づ
き前記基準制動力を補正し、前記両前輪にかける制動力
をそれぞれ決定する制動力補正手段とを備えており、補
正後の前記制動力を発生すべく前記両前輪制動装置をそ
れぞれ制御するものであることを特徴としている。
【0013】このような構成によれば、制動力導出手段
により両前輪にかける基準制動力が導出され、制動力補
正手段により基準制動力が補正されて両前輪にかける制
動力がそれぞれ決定されるため、両前輪制動装置により
発生させるべき制動力を適切に導出することができ、リ
ーチ型フォークリフトの操作性、安全性をより一層向上
させることができる。
【0014】また、本発明は、前記制動力導出手段が、
前記スリップ速度に基づく比例積分演算により前記スリ
ップ速度をなくすようにスリップ抑制係数を導出し、前
記スリップ抑制係数に応じて前記基準制動力を導出する
ものであることを特徴としている。
【0015】このような構成によれば、制動力導出手段
によりスリップ抑制係数を導出してこのスリップ抑制係
数に応じて基準制動力を導出するため、後輪のスリップ
をより確実に抑制することができる。
【0016】また、本発明は、前記制動力補正手段が、
前記姿勢ずれ角に基づく比例積分演算により前記姿勢ず
れ角をなくすように補正制動力を導出し、前記両前輪の
いずれか一方にかける制動力を前記基準制動力に前記補
正制動力を加算したものとし、他方にかける制動力を前
記基準制動力から前記補正制動力を減算したものとする
ことで、前記両前輪にかける制動力をそれぞれ決定する
ものであることを特徴としている。
【0017】このような構成によれば、制動力補正手段
により姿勢ずれ角をなくすように補正制動力を導出し、
両前輪にかける制動力をそれぞれ決定するため、車体の
姿勢ずれをより確実に抑制することができる。
【0018】また、本発明は、前記制動力制御手段が、
前記両前輪制動装置と前記後輪に制動をかける後輪制動
装置とを制御するものであって、前記後輪に制動がかけ
られる際に前記スリップ抑制係数に基づき前記後輪にか
ける制動力を抑制制御すると共に、前記両前輪制動装置
の制御を行うことを特徴としている。
【0019】このような構成によれば、制動力制御手段
により両前輪制動装置と後輪制動装置とを制御するた
め、後輪のスリップをより確実に抑制することができ
る。
【0020】
【発明の実施の形態】この発明の一実施形態について図
1ないし図3を参照して説明する。但し、図1はブロッ
ク図、図2及び図3は動作説明図である。尚、本実施形
態におけるリーチ型フォークリフトの基本的な構成は、
図4及び図5に示す従来のものと共通する部分もあるた
め、以下では図4及び図5も参照して説明する。
【0021】本実施形態におけるリーチ型フォークリフ
ト1には、図1に示すように、本発明における後輪とし
ての駆動輪7(図4及び図5参照)に制動をかけるディ
スクブレーキ等から成る駆動輪制動装置20のほかに、
両前輪6l,6rに制動をかける前輪制動装置としての
前輪用電磁ブレーキ21,22が設けられ、両前輪6
l,6rの回転速度をそれぞれ検出する左、右前輪速度
検出器としての左、右前輪用エンコーダ23,24が設
けられると共に、駆動輪7の回転速度Vdを検出する後
輪速度検出器としての後輪用エンコーダ25が設けら
れ、駆動輪7の操舵角θを検出する操舵角検出器として
のポテンショメータ26が設けられている。
【0022】更に、図1に示すように、上記の左、右前
輪用エンコーダ23,24による各検出値、並びに両前
輪6l,6rと駆動輪7の配置寸法に基づき、演算によ
り駆動輪7の接地位置における周方向速度(以下、理論
接地点周速度Vd1と称する)と、その方向(以下、理
論操舵角θ1と称する)とを導出する導出部27が設け
られている。また、後述するように、この導出部27
は、理論接地点周速度Vd1と駆動輪用エンコーダ25
の検出値とに基づき、駆動輪7のスリップ速度sを算出
すると共に、理論操舵角θ1とポテンショメータ26の
検出値とに基づき、駆動輪7の操舵角検出値θとの姿勢
ずれ角Δθを算出する。
【0023】また、図1に示すように、導出部27によ
り算出されたスリップ速度s及び姿勢ずれ角Δθに基づ
き、両前輪用電磁ブレーキ21,22を制御する、本発
明における制動力制御手段としての制御部28が設けら
れている。
【0024】ところで、図2に示すように、両前輪用エ
ンコーダ23,24により検出される回転速度に両前輪
6l,6rの輪径を乗算することにより両前輪6l,6
rの周速度Vl,Vrが求まると、そのときの車体2の
瞬間旋回中心は点Pで表わされる位置にあることにな
り、両前輪6l,6r及び駆動輪7の配置寸法Al,A
r,Bは既知であるから、駆動輪7の中心位置(つま
り、接地点)における駆動輪7の周速度、及びその方向
(つまり、操舵角)が演算により導出される、即ち、 Vd1={B2 (Vl−Vr)2+(Al・Vr+Ar・Vl)2}1/2…(1) θ1=arctan{B(Vl−Vr)/(Al・Vr+Ar・Vl)}…(2) の式の演算により、そのときの理論接地点周速度Vd1
と理論操舵角θ1とが導出される。尚、Al,Ar,B
は、それぞれ図2に示すような各寸法であり、Alは左
前輪6lの中心と駆動輪7の中心との左右方向寸法、A
rは右前輪6rの中心と駆動輪7の中心との左右方向寸
法、Bは両前輪6l,6rの中心と駆動輪7の中心との
前後方向寸法でいわゆるホイールベースである。また、
操舵角θと理論操舵角θ1との関係は、図2に示すとお
りである。
【0025】更に、導出部27は、この理論接地点周速
度Vd1、及び駆動輪用エンコーダ25により検出され
る駆動輪回転速度に駆動輪径を乗算して求められる実際
の駆動輪周速度Vdから、 s=Vd1−Vd−s0…(3){前進減速時} s=Vd−Vd1−s0…(4){後進減速時} の式の演算により駆動輪7のスリップ速度sを算出す
る。このように、各エンコーダ23,24,25及び導
出部27により、本発明におけるスリップ速度算出手段
が構成されている。
【0026】ここで、前進時における速度値を正として
おり、(3)式は前進減速時、(4)式は後進減速時の
スリップ速度を表わし、s0は許容スリップ値であり、
スリップ制御の要求精度に応じて適宜設定されるもので
ある。
【0027】また、導出部27は、上記の理論操舵角θ
1、及びポテンショメータ26により検出される実際の
駆動輪7の操舵角θから、 Δθ=θ−θ1…(5) の式の演算により姿勢ずれ角Δθを算出する。このよう
に、各エンコーダ23,24、ポテンショメータ16及
び導出部27により、本発明における姿勢ずれ角算出手
段が構成されている。
【0028】制御部28は、導出部27により算出され
たスリップ速度sに基づく比例積分演算を行い、スリッ
プ速度sをゼロとするようにスリップ抑制係数Ksを導
出する。即ち、 Ks=−M1×s−M2×∫sdt…(6) の式の演算、或いは、 ΔKs=−M1×s−M2×Δs…(7) の式の演算によりスリップ抑制係数Ksが導出される。
但し、M1,M2は制御ゲイン、Δs、ΔKsはそれぞ
れスリップ速度s、スリップ抑制係数Ksの変化量であ
る。尚、このスリップ抑制係数Ksは、0≦Ks≦1の
範囲内の値に制限されている。つまり、演算によるスリ
ップ抑制係数Ksが、“1”より大きくなるときには、
“1”に、“0”より小さくなるときには“0”に置き
換えられて制限される。
【0029】更に、制御部28は、上記した演算によっ
て導出されるスリップ抑制係数Ksが、予め定められた
所定値Ks0より小さい(Ks<Ks0)ときに、両前
輪用電磁ブレーキ21,22を制御する。尚、この所定
値Ks0は、0<Ks0<1を満たす一定値であって、
例えば0.9や0.85など、比較的上限値“1”に近
い大きな値であることが望ましい。
【0030】一方、スリップ抑制係数Ksが所定値Ks
0より大きい状態では、駆動輪7のスリップもわずかで
あることから、むやみに両前輪用電磁ブレーキ21,2
2を駆動せずに、駆動輪制動装置20を制御して駆動輪
7にかけている制動力を所定量減らす方が好ましい。そ
こで、制御部28は、スリップ抑制係数Ksが所定値K
s0より大きいときには、駆動輪7にかけている制動力
を予め定めた所定量だけ減らすように、駆動輪制動装置
20を制御する。
【0031】このとき、制御部28は、 V=V0×Ks…(8) の演算により走行モータに供給すべき端子電圧Vを導出
し、駆動輪7の駆動用走行モータの端子電圧が(8)式
の演算により導出した値になるように制御する。ここ
で、V0はアンチスリップ制御を行わない状態における
走行モータの端子電圧であり、また上記のとおり0≦K
s≦1であるから、スリップ発生時には走行モータの端
子電圧はスリップがないときよりも小さく制御される。
【0032】そして、制御部28は、上記した演算によ
り導出されるスリップ抑制係数Ksに基づき、 Fb=Kb0×(Ks0−Ks)…(9) の演算により両前輪用電磁ブレーキ21,22により両
前輪6l,6rにかけるべき基準制動力Fb(つまり、
基準制動デューティ)を導出する。ここで、0≦Fb≦
100(%)、0≦Ks0≦1である。また、Kb0は
比例ゲインとしての正の係数であり、Ks0は前輪基準
デューティの出力開始点となるKsの値であり、図3は
その設定の一例を示し、基準制動力Fb(基準制動デュ
ーティ)とスリップ抑制係数Ksとの関係を表わしてい
る。
【0033】図3に示すように、スリップ抑制係数Ks
が、0≦Ks≦Ks1の範囲であるときには、基準制動
力Fbは100%であり、両前輪用電磁ブレーキ21,
22で許容される100%の制動力で制御する基準制動
力Fbとなる。Ks1≦Ks≦Ks0の範囲では、
(9)式により導出される基準制動力Fbとなり、スリ
ップ抑制係数Ksに応じて基準制動力Fbは100%か
ら0%の範囲で変化する。ここで、基準制動力Fbが0
%とは、両前輪用電磁ブレーキ21,22を作動させな
い、つまり制動力を発生させないということである。ま
た、Ks0≦Ks≦1の範囲では、スリップ抑制係数K
sの値に拘わらず基準制動力Fb=0%となる。このよ
うに、制御部28がスリップ速度sに基づく比例積分演
算を行ってスリップ抑制係数Ksを導出し、このスリッ
プ抑制係数Ksを基に基準制動力Fbを導出する処理
が、本発明における制動力導出手段に相当する。
【0034】更に、制御部28は、導出部27により算
出された姿勢ずれ角Δθに基づく比例積分演算を行い、
姿勢ずれ角Δθをゼロとするように補正制動力Dfbを
導出する。即ち、 Dfb=−Kb1×Δθ−Kb2×∫Δθdt…(10) の式の演算により補正制動力Dfb(つまり、デューテ
ィ補正値)が導出される。ここで、0≦Dfb≦100
(%)であり、Δθ=θ−θ1であり、Kb1,Kb2
は正の係数である。
【0035】こうして導出したデューティ補正値Dfb
を用いて、制御部28は、左前輪用電磁ブレーキ21の
励磁回路に対して印加すべき電圧のデューティ値Fb
l、及び、右前輪用電磁ブレーキ22の励磁回路に対し
て印加すべき電圧のデューティ値Fbrを、 Fbl=Fb+Dfb…(11) Fbr=Fb−Dfb…(12) の演算によりそれぞれ導出し、これら(11),(1
2)式の演算により導出されたデューティ値Fbl,F
brに従って両前輪用電磁ブレーキ21,22の励磁回
路の印加電圧を制御する。ここで、0≦Fbl≦100
(%)、0≦Fbr≦100(%)である。なお、デュ
ーティ値Fbl,Fbrに従って両前輪用電磁ブレーキ
21,22を制御するということは、デューティ値Fb
l,Fbrに対応する制動力を発生させるように両前輪
用電磁ブレーキ21,22を制御することと同意であ
る。
【0036】仮に、上記の演算によりDfb=0(%)
が導出されると、Fbl=Fbr=Fbとなり、この場
合には両前輪用電磁ブレーキ21,22により発生する
制動力が同一となるように制御される。また、Dfb>
0(%)であれば、Fbl>Fbrとなり、左前輪用電
磁ブレーキ21による制動力の方が大きくなるように制
御され、Dfb<0(%)であれば、Fbl<Fbrと
なり、右前輪用電磁ブレーキ22による制動力の方が大
きくなるように制御される。このように、制御部28
が、基準制動力Fbに補正制動力Dfbを加算または減
算することにより基準制動力Fbを補正し、両前輪6
l,6rにかける制動力(すなわち、両前輪用電磁ブレ
ーキ21,22を作動させるデューティ値)Fbl,F
brを決定する処理が、本発明における制動力補正手段
に相当する。
【0037】そして、以上のような導出部27及び制御
部28により、本発明における制御装置である制御装置
30が構成され、この制御装置30により両前輪用電磁
ブレーキ21,22と駆動輪制動装置20とが制御され
ることになる。
【0038】以下、直進前進中に反転停止のフルアクセ
ル操作、いわゆるプラギング制動操作を行った場合にお
ける動作を例として説明する。いま、プラギング制動操
作を行うと、アンチスリップ制御により、上記(8)式
におけるスリップ抑制係数Ksは(6)式または(7)
式の演算によって、Ks<1となる。そして、Ks<K
s0となると、図3からも明らかなように、(9)式に
よる基準制動力Fbは、Fb>0となり、両前輪用電磁
ブレーキ21,22が作動して両前輪6l,6rにブレ
ーキがかかることになる。尚、プラギング制動時には駆
動輪7を駆動する走行モータの回転方向を反転させて制
動を行うため、走行モータが駆動輪制動装置20であ
り、本発明における後輪制動装置に相当する。
【0039】このとき、図5に示すように、駆動輪7が
車体2の後部左寄りに配置されており、このような駆動
輪7の配置に起因して車体2の向きが左方向にずれよう
とするので、上記(2)式によるθ1が、θ1<0(図
2のθ1を示す矢印方向が正、反対方向が負となる)と
なり、そのため上記(10)式によるデューティ補正値
Dfbは、Dfb<0となる。
【0040】従って、上記(11)式で表わされる左前
輪用電磁ブレーキ21の励磁回路に対して印加すべき電
圧のデューティ値Fblが、基準値であるFbよりも小
さく、上記(12)式で表わされる右前輪用電磁ブレー
キ22の励磁回路に対して印加すべき電圧のデューティ
値Fbrが、基準値であるFbよりも大きくなる。ここ
で、車体2の向きが左方向にずれるということは、車体
2の左半部よりも右半部の方が前方に進んでいる状態、
つまり左前輪6lの周速度Vlよりも右前輪6rの周速
度Vrの方が大きい状態であるから、右前輪6rにかけ
る制動力を大きくし、左前輪6lにかける制動力を小さ
くすることで、車体2の向きを前後方向に真っ直ぐの状
態へと修正することができる。
【0041】その結果、車体2への制動力は、両前輪用
電磁ブレーキ21,22により補われ、それと同時に車
体2の姿勢ずれΔθ(=θ−θ1)も修正されるのであ
る。このことは、駆動輪制動部20による制動時にも、
これと同様のことが当てはまる。
【0042】このように、上記した実施形態によれば、
駆動輪7のスリップ発生時に、両前輪6l,6rに制動
をかけてこのスリップを抑制する際に、車体2の姿勢ず
れがなくなるように両前輪用電磁ブレーキ21,22を
制御し、両前輪6l,6rに対する制動力のバランスを
調整することで、姿勢ずれの発生や制動距離の伸びを防
止することができると共に、安定した制動を実現するこ
とができる。
【0043】なお、上記した実施形態では、左、右前輪
速度検出器を両前輪用エンコーダ23,24により構成
すると共に、後輪速度検出器を駆動輪用エンコーダ25
により構成し、操舵角検出器をポテンショメータ26に
より構成した場合について説明したが、各速度検出器は
特にこれらエンコーダ23〜25に限定されるものでは
なく、操舵角検出器もポテンショメータ26に限るもの
ではない。
【0044】また、上記した実施形態では、制御部28
により駆動輪7を駆動する走行モータの出力を抑制する
制御を行う場合について説明したが、制御部28による
走行モータの抑制制御は必ずしも行う必要はない。
【0045】更に、上記した実施形態では、直進状態で
プラギング制動時を例に説明したが、旋回状態や駆動輪
7に設けられたブレーキによる制動時においても、上記
した実施形態と同様の効果を奏する。なお、駆動輪7に
設けられたブレーキによる制動を行う場合は、このブレ
ーキが駆動輪制動装置20であり、本発明における後輪
制動装置に相当する。
【0046】また、本発明は上記した実施形態に限定さ
れるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて
上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能であ
る。
【0047】
【発明の効果】以上のように、請求項1に記載の発明に
よれば、左、右前輪速度検出器、後輪速度検出部、操舵
角検出器により検出される両前輪回転速度、後輪回転速
度、操舵角に基づき、制御装置により、両前輪にかける
べき制動力がそれぞれ導出されて両前輪制動装置が制御
されるため、リーチ型フォークリフトの状況を確実に検
出することができ、またリーチ型フォークリフトの状況
に応じて両前輪制動装置により発生する制動力を適切に
制御することができるので、リーチ型フォークリフトの
操作性、安全性の向上を図ることが可能になり、スリッ
プし易い路面での制動時における姿勢ずれの発生や制動
距離の伸びを防止可能にするリーチ型フォークリフトを
提供することができる。
【0048】また、請求項2に記載の発明によれば、ス
リップ速度算出手段により後輪のスリップ速度が算出さ
れ、姿勢ずれ角算出手段により車体の姿勢ずれ角が算出
され、制動力制御手段により、これらスリップ速度及び
姿勢ずれ角に基づき、両前輪にかけるべき制動力がそれ
ぞれ導出されてその制動力を発生すべく両前輪制動装置
が制御されるため、後輪のスリップや車体の姿勢ずれを
精度よく検出して制動力を制御することが可能になる。
【0049】また、請求項3に記載の発明によれば、制
動力導出手段により両前輪にかける基準制動力が導出さ
れ、制動力補正手段により基準制動力が補正されて両前
輪にかける制動力がそれぞれ決定されるため、両前輪制
動装置により発生させるべき制動力を適切に導出するこ
とができ、リーチ型フォークリフトの操作英、安全性を
より一層向上することが可能になる。
【0050】また、請求項4に記載の発明によれば、制
動力導出手段によりスリップ抑制係数を導出してこのス
リップ抑制係数に応じて基準制動力を導出するため、後
輪のスリップをより確実に抑制することが可能になる。
【0051】また、請求項5に記載の発明によれば、制
動力補正手段により姿勢ずれ角をなくすように補正制動
力を導出し、両前輪にかける制動力をそれぞれ決定する
ため、差yたいの姿勢ずれをより確実に抑制することが
可能になる。
【0052】また、請求項6に記載の発明によれば、制
動力制御手段により両前輪制動装置と後輪制動装置とを
制御するため、後輪のスリップをより確実に抑制するこ
とが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態のブロック図である。
【図2】この発明の一実施形態の動作説明図である。
【図3】この発明の一実施形態の動作説明図である。
【図4】この発明の背景となるリーチ型フォークリフト
の斜視図である。
【図5】この発明の背景となるリーチ型フォークリフト
の概略を表わす平面図である。
【符号の説明】
1 リーチ型フォークリフト 2 車体 6l 左前輪 6r 右前輪 7 駆動輪(後輪) 20 駆動輪制動装置(後輪制動装置) 21 左前輪用電磁ブレーキ(左前輪制動装置) 22 右前輪用電磁ブレーキ(右前輪制動装置) 23 左前輪用エンコーダ(左前輪速度検出器) 24 右前輪用エンコーダ(右前輪速度検出器) 25 駆動輪用エンコーダ(駆動輪速度検出器) 26 ポテンショメータ(操舵角検出器) 27 導出部(スリップ速度算出手段、姿勢ずれ角算出
手段) 28 制御部(制動力制御手段、制動力導出手段、制動
力補正手段) 30 制御装置

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車体に左右一対の前輪と後輪とを備えて
    成るリーチ型フォークリフトにおいて、 前記両前輪にそれぞれ制動をかける左、右前輪制動装置
    と、 前記両前輪の回転速度をそれぞれ検出する左、右前輪速
    度検出器と、 前記後輪の回転速度を検出する後輪速度検出器と、 前記後輪の操舵角を検出する操舵角検出器と、 前記各検出器により検出される前記両前輪回転速度、前
    記後輪回転速度、並びに前記操舵角に基づき、前記両前
    輪にかけるべき制動力をそれぞれ導出し、該制動力を発
    生すべく前記両前輪制動装置を制御する制御装置とを備
    えていることを特徴とするリーチ型フォークリフト。
  2. 【請求項2】 前記制御装置が、 前記各検出器によりそれぞれ検出される前記両前輪回転
    速度、並びに、前記両前輪及び前記後輪の配置寸法に基
    づく演算により前記後輪の接地点周速度を導出し、該接
    地点周速度と前記後輪速度検出器により検出される前記
    後輪回転速度とに基づき、前記後輪のスリップ速度を算
    出するスリップ速度算出手段と、 前記各検出器によりそれぞれ検出される前記両前輪回転
    速度、並びに、前記両前輪及び前記後輪の配置寸法に基
    づく演算により前記後輪の操舵角を導出し、該操舵角と
    前記操舵角検出器により検出される操舵角とに基づき、
    前記車体の姿勢ずれ角を算出する姿勢ずれ角算出手段
    と、 前記スリップ速度及び前記姿勢ずれ角に基づき前記両前
    輪にかけるべき制動力をそれぞれ導出し、該制動力を発
    生すべく前記両前輪制動装置を制御する制動力制御手段
    とを備えていることを特徴とする請求項1に記載のリー
    チ型フォークリフト。
  3. 【請求項3】 前記制動力制御手段が、 前記スリップ速度に基づき前記両前輪にかける基準制動
    力を導出する制動力導出手段と、 前記姿勢ずれ角に基づき前記基準制動力を補正し、前記
    両前輪にかける制動力をそれぞれ決定する制動力補正手
    段とを備えており、補正後の前記制動力を発生すべく前
    記両前輪制動装置をそれぞれ制御するものであることを
    特徴とする請求項2に記載のリーチ型フォークリフト。
  4. 【請求項4】 前記制動力導出手段が、 前記スリップ速度に基づく比例積分演算により前記スリ
    ップ速度をなくすようにスリップ抑制係数を導出し、前
    記スリップ抑制係数に応じて前記基準制動力を導出する
    ものであることを特徴とする請求項3に記載のリーチ型
    フォークリフト。
  5. 【請求項5】 前記制動力補正手段が、 前記姿勢ずれ角に基づく比例積分演算により前記姿勢ず
    れ角をなくすように補正制動力を導出し、 前記両前輪のいずれか一方にかける制動力を前記基準制
    動力に前記補正制動力を加算したものとし、他方にかけ
    る制動力を前記基準制動力から前記補正制動力を減算し
    たものとすることで、前記両前輪にかける制動力をそれ
    ぞれ決定するものであることを特徴とする請求項3また
    は4に記載のリーチ型フォークリフト。
  6. 【請求項6】 前記制動力制御手段が、 前記両前輪制動装置と前記後輪に制動をかける後輪制動
    装置とを制御するものであって、前記後輪に制動がかけ
    られる際に前記スリップ抑制係数に基づき前記後輪にか
    ける制動力を抑制制御すると共に、前記両前輪制動装置
    の制御を行うことを特徴とする請求項2ないし5のいず
    れかに記載のリーチ型フォークリフト。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019034816A (ja) * 2017-08-16 2019-03-07 株式会社豊田自動織機 無人リーチ式フォークリフト及び無人リーチ式フォークリフトの操舵指示角度の補正方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2019034816A (ja) * 2017-08-16 2019-03-07 株式会社豊田自動織機 無人リーチ式フォークリフト及び無人リーチ式フォークリフトの操舵指示角度の補正方法

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