JP2003181186A - ミシンの油漏れ防止装置 - Google Patents

ミシンの油漏れ防止装置

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JP2003181186A
JP2003181186A JP2001381029A JP2001381029A JP2003181186A JP 2003181186 A JP2003181186 A JP 2003181186A JP 2001381029 A JP2001381029 A JP 2001381029A JP 2001381029 A JP2001381029 A JP 2001381029A JP 2003181186 A JP2003181186 A JP 2003181186A
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elastic seal
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Osamu Kawamoto
修 河本
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Juki Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 布送り用の送り揺動桿が挿通するミシンのフ
レームの開口からの潤滑油の漏れを確実に防止すること
ができるミシンの油漏れ防止装置を提供すること。 【解決手段】 ミシンの主・副一対の送り揺動桿61,
62が挿通するフレーム55の開口55bに取り付けら
れる防油壁本体73と、フレーム55に付着した潤滑油
を掻き落とすシール板を防油壁本体73とで挾持する本
体シール押え77とを備える油漏れ防止装置であって、
防油壁本体73に装備された第1弾性シール板75Xか
らフレーム55の内方に離間させて、内部防油壁79と
第2弾性シール板75Yとを追加して、フレーム55の
開口55bに向かって飛散する潤滑油を第2弾性シール
板75Y及び第1弾性シール板75Xで順にフレーム内
の下方に掻き落とすことで、油漏れ防止を確実にするこ
とができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、布送り用の送り揺
動桿が挿通するミシンのフレームの開口に取り付けられ
て、前記フレーム内での給油で飛散した潤滑油がフレー
ムの開口から外部に漏れることを防止するミシンの油漏
れ防止装置に係り、詳しくは、油漏れ防止性能を向上さ
せるための改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図8および図9は、ミシンにおいて、針
棒の上下動に応じて布を送り出す布送り装置と、該布送
り機構で使用される送り揺動桿の挿通部に使用される従
来の油漏れ防止装置を示したものである。図8に示すよ
うに、ミシン1において、縫製する布2は、布押え3と
針板4との間に挟まれて保持されている。布送り装置6
は、針板4の開口を通して布2の下面に当接可能な主・
副一対の送り歯8a,8bを、図8の矢印(イ)、
(ロ)、(ハ)、(ニ)の動作を順に行うことによっ
て、布2を矢印Aに示すように、前方から後方(図で
は、右方から左方)に送る。
【0003】矢印(イ)は、送り歯8a,8bを初期位
置から上方に移動させて、送り歯8a,8bの上面を布
2の下面に押圧する動作である。矢印(ロ)は、送り歯
8a,8bを後方に移動させて布2を移動量分だけ送る
動作である。矢印(ハ)は、送り歯8a,8bの後方移
動の終端で送り歯8a,8bを下方に移動させて、送り
歯8a,8bを布2から離す動作である。矢印(ニ)
は、送り歯8a,8bを初期位置に戻す動作であり、こ
れらの移動動作が連続して行われることで、送り歯8
a,8bは布2の送り方向に沿う垂直面内でほぼ長円状
の移動動作を繰り返す。
【0004】布送り装置6は、送り歯8a,8bの上下
および前後の移動動作を、主・副一対の送り揺動桿11
a,11bの揺動動作によって行う。一対の送り揺動桿
11a,11bは、ミシンのベッド部を構成しているフ
レーム13の前面13a側の開口13bを挿通した先端
部に、送り歯8a,8bがねじ止めされている。また、
フレーム13内に位置している送り揺動桿11a,11
bの基端側は、偏心ピン15によって上下動可能に支持
されると共に、クランク機構17によって前後方向へ移
動が可能に支持され、かつ、中間部が角駒19を介して
上下動用偏心軸21に連結されていて、送り歯8a,8
bに布送りに必要な移動動作を付与する。
【0005】ところで、このような布送り装置6の送り
揺動桿11a,11bは、心棒の上下動に連動して高速
で駆動されるため、前述した偏心ピン15、クランク機
構17、角駒19、上下動用偏心軸21などの多数の摺
動部には、十分な潤滑が必要になる。そこで、フレーム
13内では、図示せぬ給油ポンプから布送り装置6の各
摺動部へ、潤滑油を供給している。そして、このフレー
ム13内での給油で飛散した潤滑油が、開口13bから
外部に漏れて周囲を汚損することがないように、従来で
は、開口13bに、油漏れ防止装置25を装備してい
る。
【0006】この油漏れ防止装置25は、図9に示すよ
うに、金属製の防油壁本体31と、弾性材料製の第1弾
性シール板(及び第2弾性シール板)33と、この弾性
材料製の第1弾性シール板(及び第2弾性シール板)3
3を防油壁本体31の内面に押え付ける金属板製の本体
シール押え35とから構成されている。
【0007】防油壁本体31は、フレーム13の開口1
3bを覆うようにフレーム13の前面13aにねじ37
により締結されると共に送り揺動桿11a,11bが挿
通する矩形の桿挿通窓31aを有している。また、防油
壁本体31は、桿挿通窓31aの内周縁と送り揺動桿1
1a,11bの外周との間にこれらの送り揺動桿11
a,11bの揺動変位を許容する隙間を確保した大きさ
に、桿挿通窓31aが寸法設定されている。
【0008】第1弾性シール板(及び第2弾性シール
板)33は、送り揺動桿11a,11bが嵌合する桿嵌
合孔33aを有すると共に、桿嵌合孔33aの内周縁が
送り揺動桿11a,11bの外周面に弾性接触するよう
に寸法設定され、送り揺動桿11a,11bが桿嵌合孔
33aに対して軸方向に相対変位した時に、桿嵌合孔3
3aの内周縁が送り揺動桿11a,11bの外周面に付
着している潤滑油をフレーム13内に掻き落とす。
【0009】本体シール押え35は、前述の桿挿通窓3
1aの内周縁と送り揺動桿11a,11bとの間の隙間
を第1弾性シール板(及び第2弾性シール板)33が塞
ぐと共に、送り揺動桿11a,11bの軸線に直交する
揺動方向に対しては第1弾性シール板(及び第2弾性シ
ール板)33が送り揺動桿11a,11bと一体に変位
可能なように、第1弾性シール板(及び第2弾性シール
板)33を防油壁本体31の内面側に挾持する。本体シ
ール押え35は、防油壁本体31をフレーム13の前面
13aに固定するねじ37による共締めで前面13aに
固定され、防油壁本体31との間に配置した第1弾性シ
ール板(及び第2弾性シール板)33の押えを行う。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところが、フレーム1
3内で給油を必要とする部位は、かなり多く、フレーム
13内での給油は、かなりの多量の潤滑油が使用されて
いる。そのため、送り揺動桿11a,11bの揺動動作
によって桿嵌合孔33aの内周縁の一部から外部に潤滑
油が漏出して周囲を汚損する虞があった。
【0011】また、図9に示すように、従来の油漏れ防
止装置25は、防油壁本体31をフレーム13に固定す
るねじ37が、本体シール押え35と防油壁本体31を
連結するねじを兼ねているため、防油壁本体31をフレ
ーム13に固定する際には第1弾性シール板(及び第2
弾性シール板)33や本体シール押え35を所定の位置
関係にしっかり押えながらねじ37の締め付け作業を行
わなければならず、油漏れ防止装置25の取付作業性が
悪いという問題もあった。
【0012】本発明は、前述した問題点に鑑みてなされ
たものであり、その目的は、布送り用の送り揺動桿が挿
通するミシンのフレームの開口からの潤滑油の漏れを確
実に防止することができるミシンの油漏れ防止装置を提
供すること、更には、フレームへの取付作業性が優れた
ミシンの油漏れ防止装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】前述した目的を達成する
ために、本発明に係るミシンの油漏れ防止装置は、請求
項1に記載したように、送り揺動桿が挿通するミシンの
フレームの開口に取り付けられて、前記フレーム内での
給油で飛散した潤滑油がフレームの開口から外部に漏れ
ることを防止するミシンの油漏れ防止装置であって、前
記フレームの開口を覆うようにフレームに固定され、前
記送り揺動桿の送りの揺動変位を許容する窓が形成され
た防油壁本体と、この防油壁本体に向けて配置され、前
記送り揺動桿が嵌合する嵌合孔を有する第1弾性シール
板と、この第1弾性シール板を前記防油壁本体とで挾持
し、前記送り揺動桿と第1弾性シール板の上下動を許容
する本体シール押えと、前記送り揺動桿の送りの揺動変
位を許容する窓が形成され、前記本体シール押えとの間
に所定の隙間を有して前記防油壁本体に固定される内部
防油壁と、前記内部防油壁に向けて配置され、前記送り
揺動桿が嵌合する嵌合孔を有する第2弾性シール板と、
この第2弾性シール板を前記内部防油壁とで挾持し、前
記送り揺動桿と第2弾性シール板の上下動を許容する内
部シール押えと、を備えたことを特徴とする。
【0014】ここで、防油壁本体や、本体シール押え
や、内部防油壁や内部シール押えに使用する材料として
は、金属材料が一般的であるが、機械的強度や耐久性等
の性能が適合するなら、硬質プラスチックやセラミック
ス等を採用することも考えられる。また、第1弾性シー
ル板や第2弾性シール板に使用する弾性材料としては、
潤滑油に対する耐油性および弾性特性等が適合すること
を前提として、各種のゴム材料を採用することが考えら
れる。
【0015】このように構成されたミシンの油漏れ防止
装置においては、防油壁本体の内面側に、第1弾性シー
ル板、本体シール押え、内部防油壁、第2弾性シール
板、内部シール押えが順に、水平方向に積み重ねられ
る。この際、本体シール押えと内部防油壁との間に所定
の隙間が形成される。防油壁本体に装備された第1弾性
シール板の内側に、隙間をあけて第2弾性シール板が追
加された構成となっていて、主・副一対の送り揺動桿が
前後動すると、主・副一対の送り揺動桿の外周に付着し
ている潤滑油は、最初に第2弾性シール板により掻き落
とされる。次に、更に残った潤滑油が第1弾性シール板
により掻き落とされる。そして、第1弾性シール板によ
って掻き落とされた潤滑油は、本体シール押えと内部防
油壁との間に形成された所定の隙間を介して、確実にフ
レーム内下方に落下する。このため、第1弾性シール板
に潤滑油が滞留することがないので、シール性能が向上
し、フレームの開口からフレーム外部に潤滑油が漏れる
ことを確実に防止することができる。
【0016】また、請求項2に記載のミシンの油漏れ防
止装置は、上記目的を達成するために、請求項1に記載
のミシンの油漏れ防止装置の構成に加えて、更に、前記
防油壁本体は、前記第1弾性シール板、本体シール押
え、内部防油壁、第2弾性シール板、内部シール押えを
積層し、一体的に取付可能であることを特徴とするもの
である。
【0017】このように構成されたミシンの油漏れ防止
装置においては、防油壁本体に結合する本体シール押え
や内部防油壁等の付属部品は、何れも、防油壁本体をフ
レームに取付けする前に、防油壁本体に一体化すること
ができ、防油壁本体をフレームに取付けする際には、他
の付属品の押えが必要とならず、簡単にミシンフレーム
に取付けすることができる。
【0018】また、請求項3に記載のミシンの油漏れ防
止装置は、上記目的を達成するために、請求項1または
2に記載のミシンの油漏れ防止装置の構成に加えて、更
に、前記内部防油壁には折り曲げ部を備え、この折り曲
げ部により前記本体シール押えとの間の所定の隙間を形
成することを特徴とすることを特徴とするものである。
【0019】第1弾性シール板のシール性能を向上させ
るには、第1弾性シール板が主・副一対の送り揺動桿か
ら掻き落とした潤滑油が第1弾性シール板上に滞留しな
いように、掻き落とした潤滑油を第1弾性シール板上か
ら速やかにフレームの下方に落下させるための隙間を、
本体シール押えと内部防油壁との間に、確保しておくこ
とが必要になる。しかし、この隙間の確保を、本体シー
ル押えと内部防油壁との間に介在させる別体のスペーサ
により行う構成とすると、構成部品点数の増加を招き、
製造コストの増大や、組立作業性の低下等の不都合を招
く虞がある。ところが、上記のように構成されたミシン
の油漏れ防止装置においては、第1弾性シール板が掻き
落とした潤滑油をフレームの下方に落下させるための隙
間を、内部防油壁上に形成した折り曲げ部によって確保
するもので、別体のスペーサを使用しないため、部品点
数の増加という問題が発生しない。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係るミシンの油漏
れ防止装置の実施形態を図面に基づいて詳細に説明す
る。図1は、本発明に係る油漏れ防止装置を搭載した工
業用ミシン41の一実施形態の外観斜視図である。
【0021】この工業用ミシン41は、外観を提供する
フレーム43が、ベッド部45と、該ベッド部45の右
端側から立ち上がる胴部46と、胴部46の上端から左
方に水平に延びるアーム部47とから構成され、アーム
部47の先端側に針棒48が上下動可能に支持されてい
る。そして、アーム部47内には、モータで回転駆動さ
れる上軸や、上軸から入力される回転力で針棒48に上
下動させる針駆動機構や、給油用のポンプ等が収容され
ている。また、ベッド部45内には、アーム部47の上
軸に連動する下軸や、該下軸の回転によって駆動される
布送り装置が組み込まれている。
【0022】図1に示すように、ベッド部45には、後
部カバー51、針板52、前面上部カバー53、前面下
部カバー54等が着脱可能に取り付けられている。これ
らの後部カバー51、針板52、前面上部カバー53、
前面下部カバー54を取り外すと、図2に示すように、
ベッド部45を構成しているフレーム55の前面55a
の開口55bが露出し、この開口55bを挿通する布送
り装置の主・副一対の送り揺動桿61,62が露出す
る。
【0023】これらの主・副一対の送り揺動桿61,6
2は、開口55bから突出した先端部に、それぞれ主・
副の送り歯64,65がねじ止めされていて、主・副一
対の送り揺動桿61,62の前後および上下の揺動によ
って、各送り歯64,65に所定の布送り動作をさせ
る。なお、図2において、矢印D方向が、布の送り方向
である。また、主・副一対の送り揺動桿61,62に前
後および上下の揺動動作をさせるための駆動機構は、図
8および図9に示した従来の機構と同様でよいため、共
通する構成に同番号を付して、説明は省略する。
【0024】以上のフレーム55の開口55bには、フ
レーム55内の各種の摺動部への給油で飛散した潤滑油
が開口55bから外部に漏れることを防止するために、
油漏れ防止装置71が装備される。
【0025】この防止装置71は、図3に示すように、
防油壁本体73と、第1弾性シール板75Xと、本体シ
ール押え77と、内部防油壁79と、第2弾性シール板
75Yと、内部シール押え81とから構成されている。
【0026】防油壁本体73は、図4乃至図7に示すよ
うに、厚板状で、前述の主・副一対の送り揺動桿61,
62が挿通する矩形の桿挿通窓73aと、3個のフレー
ム取付部73bと、4個の部品取付部73cとが貫通形
成されている。フレーム取付部73bは、防油壁本体7
3自体をフレーム55にねじで締結するための専用の取
付穴である。また、部品取付部73cは、本体シール押
え77や、内部防油壁79や、内部シール押え81など
の付属部品を、ねじ83によって当該防油壁本体73の
内面側に取り付けるための専用のねじ孔である。
【0027】すなわち、この実施形態では、防油壁本体
73をフレームに締結するためのフレーム取付部73b
と、付属品を防油壁本体73自体に結合するための部品
取付部73cとが、完全に別個に設けられている。これ
は、第1弾性シール板(及び第2弾性シール板)75や
本体シール押え77や内部防油壁79や内部シール押え
81等の付属部品の防油壁本体73への組み付け一体化
を、防油壁本体73のフレーム55へ取り付け前に実施
可能することを意図したものである。
【0028】防油壁本体73の桿挿通窓73aの寸法
は、桿挿通窓73aの内周縁と前記主・副一対の送り揺
動桿61,62の外周との間に、これらの送り揺動桿6
1,62の軸線と直交する方向の揺動変位(すなわち上
下方向)を許容する隙間を確保した大きさに、設定され
ている。本実施形態の場合、防油壁本体73は、金属製
である。
【0029】第1弾性シール板75Xと第2弾性シール
板75Yは、同一の構成である。これらの第1弾性シー
ル板75X及び第2弾性シール板75Yは、合成ゴム等
の弾性材料製の板材で、主・副一対の送り揺動桿61,
62が嵌合する矩形の桿嵌合孔75aを有すると共に、
桿嵌合孔75aの内周縁がこれらの一対の送り揺動桿6
1,62の外周面に弾性接触するように寸法設定され、
主・副一対の送り揺動桿61,62が桿嵌合孔75aに
対して軸方向に相対変位した時に、桿嵌合孔75aの内
周縁がこれらの送り揺動桿61,62の外周面に付着し
ている潤滑油をフレーム55内の下方に掻き落とす。
【0030】本体シール押え77は、金属板製で、防油
壁本体73の桿挿通窓73aの内周縁と主・副一対の送
り揺動桿61,62との間の隙間を第1弾性シール板7
5Xが塞ぐと共に、前記主・副一対の送り揺動桿61,
62の軸線に直交する揺動方向(すなわち上下方向)に
対しては前記第1弾性シール板75Xがこれらの一対の
送り揺動桿61,62と一体に変位可能なように、前記
第1弾性シール板75Xを前記防油壁本体73の内面側
に挾持する。なお、本体シール押え77には、桿挿通窓
73aとほぼ同一の大きさの桿挿通穴77aが貫通形成
されている。
【0031】この実施形態の場合、内部防油壁79は、
金属板製で、主・副一対の送り揺動桿61,62が挿通
する桿挿通窓79aを有している。また、桿挿通窓79
aの内周縁と主・副一対の送り揺動桿61,62の外周
との間にこれらの一対の送り揺動桿61,62の軸線と
直交する方向の揺動変位(すなわち上下方向)を許容す
る隙間を確保した大きさに、前記桿挿通窓79aが寸法
設定されている。更に、内部防油壁79は、前記本体シ
ール押え77との間に、図7に示すように、所定の隙間
S1を確保して、前記第1弾性シール板75Xと並行に
前記防油壁本体73の内面側に固定される。
【0032】内部シール押え81は、金属板製で、内部
防油壁79の桿挿通窓79aの内周縁と前記主・副一対
の送り揺動桿61,62との間の隙間を前記第2弾性シ
ール板75Yが塞ぐと共に、前記主・副一対の送り揺動
桿61,62の軸線に直交する揺動方向に対しては前記
第2弾性シール板75Yが前記主・副一対の送り揺動桿
61,62と一体に変位可能なように、前記第2弾性シ
ール板75Yを前記内部防油壁79の内面側に挾持す
る。また、内部シール押え81には、桿挿通窓79aと
ほぼ同一の大きさの桿挿通窓81aが貫通形成されてい
る。
【0033】この実施形態の場合、防油壁本体73と本
体シール押え77との間には、2枚の第1弾性シール板
75Xを積層状態にして装備している。内部防油壁79
と内部シール押え81との間には、1枚の第2弾性シー
ル板75Yを装備している。
【0034】また、この実施形態では、防油壁本体73
の内面側に締結する本体シール押え77,内部防油壁7
9,内部シール押え81等の付属部品には、部品取付部
73cへの共締めによって防油壁本体73に締結可能な
締結用耳部77b,79b,81bを2箇所ずつ設けて
いる。また、内部防油壁79および内部シール押え81
の前記締結用耳部79b,81bには、折曲加工を施す
ことで、本体シール押え77側に向かって立ち上がった
折り曲げ部79c,81cを形成して、この折り曲げ部
79c,81cによって、積層する本体シール押え77
との間の離間間隔S1や、第2弾性シール板75Yを挟
む寸法を設定している。
【0035】更に、この実施形態では、図5に示すよう
に、共締めのために積層した各付属部品の締結用耳部7
7b,79b,81bが防油壁本体73の内面側に突出
しないように、積層した締結用耳部77b,79b,8
1bを埋没収容する取付用凹部73dを防油壁本体73
の内面に形成している。なお、前述した部品取付部73
cは4個で、図4および図5に示すように、本体シール
押え77、内部防油壁79、内部シール押え81の締結
用耳部77b,79b,81bは、3種の締結用耳部7
7b,79b,81bが同一の部品取付部73cで重な
らないように、装備位置を配慮している。これによっ
て、一つの部品取付部73c上に共締めされる締結用耳
部は、3枚の締結用耳部77b,79b,81bの内の
2枚に限られ、取付用凹部73dの座ぐり深さを2枚の
締結用耳部の板厚に相当する深さに押えることで、取付
用凹部73dの座ぐり加工を容易にしている。
【0036】以上に説明したように、本実施の形態の油
漏れ防止装置71によれば、防油壁本体73の内面側
に、第1弾性シール板75X、本体シール押え77、内
部防油壁79、第2弾性シール板75Y、内部シール押
え81が順に、水平方向に積み重ねられる。この際、内
部防油壁79には、本体シール押え77側に向けて、折
り曲げ部79cを有した締結用耳部79bが折曲形成さ
れているので、本体シール押え77と内部防油壁79と
の間に所定の隙間S1が形成される。
【0037】即ち、防油壁本体73に装備された第1弾
性シール板75Xの内側に、隙間をあけて第2弾性シー
ル板75Yが追加された構成となっていて、主・副一対
の送り揺動桿61,62が前後動すると、これらの主・
副一対の送り揺動桿61,62の外周に付着している潤
滑油は、最初に第2弾性シール板75Yにより掻き落と
される。次に、更に残った潤滑油が第1弾性シール板7
5Xにより掻き落とされる。そして、第1弾性シール板
75Xによって掻き落とされた潤滑油は、本体シール押
え77と内部防油壁79との間に形成された所定の隙間
S1を介して、確実にフレーム55内下方に落下する。
このため、第1弾性シール板75Xに潤滑油が滞留する
ことがないので、シール性能が向上し、フレーム55の
開口からフレーム外部に潤滑油が漏れることを確実に防
止することができ、潤滑油の漏れによる汚損という従来
の問題を解消できることになる。
【0038】さらに、この実施形態の油漏れ防止装置7
1では、防油壁本体73に結合する本体シール押え77
や内部防油壁79等の付属部品は、何れも、防油壁本体
73をフレーム55に取付けする前に、防油壁本体73
に一体化することができ、防油壁本体73をフレーム5
5に取付けする際には、これらの付属品の押え操作が必
要とならず、簡単にミシンフレーム55に取付けするこ
とができ、取付作業性が悪いという従来の問題を解消す
ることができる。
【0039】更に、本実施の形態の71では、第1弾性
シール板75Xが掻き落とした潤滑油をフレーム55の
下方に落下させるための隙間S1を、内部防油壁79上
に形成した折り曲げ部79cによって確保するもので、
別体のスペーサを使用しないで隙間S1の確保を実現し
ているため、部品点数の増加という問題が発生しない。
従って、部品点数の増加に起因する問題の発生を防止し
つつ、隙間S1の確保によるシール性能の向上を図るこ
とができる。
【0040】また、この実施形態の油漏れ防止装置71
では、防油壁本体73に結合する本体シール押え77や
内部防油壁79等の付属部品の締結用耳部77b,79
b,81bが、防油壁本体73の内面側に突出すること
がなく、凹凸のない洗練された形態で、付属部品を防油
壁本体73に一体化することができる。そして、各付属
部品の締結用耳部77b,79b,81bを防油壁本体
73に形成した取付用凹部73dに嵌合させることで、
共締めする部品相互の接触面方向の位置決めができ、少
ない締結箇所でも強い結合強度を確保することができ、
締結に使用するねじ部品の削減等によって、構成部品の
低減による組立性の向上、コストの削減を図ることがで
きる。
【0041】なお、本発明の油漏れ防止装置において、
構成部品の材料は、前述した実施形態に限らない。例え
ば、前述した実施形態では、防油壁本体73や、本体シ
ール押え77や、内部防油壁79や内部シール押え81
は、何れも金属製としたが、機械的強度や耐久性等の性
能が適合するなら、硬質プラスチックやセラミックス等
の硬質材料を採用することが可能である。さらに、第1
弾性シール板や第2弾性シール板に使用する弾性材料と
しては、潤滑油に対する耐油性および弾性特性等が適合
することを前提として、各種のゴム材料を採用すること
が考えられる。また、内部防油壁79には、本体シール
押え77側に向けて、折り曲げ部を有した締結用耳部7
9bが折曲形成されているが、これに代えて、円筒状
で、内径部に固定ネジを通す、カラー部材を用いて、本
体シール押え77と内部防油壁79との間に所定の隙間
を形成することも容易に考えられる。
【0042】
【発明の効果】以上に説明したように、請求項1に記載
した本発明のミシンの油漏れ防止装置によれば、防油壁
本体に装備された第1弾性シール板の内側に、隙間をあ
けて第2弾性シール板が追加された構成となっていて、
主・副一対の送り揺動桿が前後動すると、主・副一対の
送り揺動桿の外周に付着している潤滑油は、最初に第2
弾性シール板により掻き落とされる。次に、更に残った
潤滑油が第1弾性シール板により掻き落とされる。そし
て、第1弾性シール板によって掻き落とされた潤滑油
は、本体シール押えと内部防油壁との間に形成された所
定の隙間を介して、確実にフレーム内下方に落下する。
このため、第1弾性シール板に潤滑油が滞留することが
ないので、シール性能が向上し、フレームの開口からフ
レーム外部に潤滑油が漏れることを確実に防止すること
ができ、潤滑油の漏れによる汚損という従来の問題を解
消できることになる。
【0043】また、請求項2に記載した本発明のミシン
の油漏れ防止装置では、防油壁本体に結合する本体シー
ル押えや内部防油壁、内部シール押え等の付属部品は、
何れも、防油壁本体をフレームに取付けする前に、防油
壁本体に一体化することができ、防油壁本体をフレーム
に取付けする際には、他の付属品の押えが必要となら
ず、簡単にミシンフレームに取付けすることができ、取
付作業性が悪いという従来の問題を解消することができ
る。
【0044】また、請求項3に記載した本発明のミシン
の油漏れ防止装置では、第1弾性シール板が掻き落とし
た潤滑油をフレームの下方に落下させるための隙間を、
内部防油壁上に形成した折り曲げ部によって確保するも
ので、隙間の形成に別体のスペーサを使用しないため、
部品点数の増加という問題が発生しない。従って、部品
点数の増加に起因する問題の発生を防止しつつ、隙間の
確保によるシール性能の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る油漏れ防止装置を搭載したミシン
の一実施の形態の外観斜視図である。
【図2】図1に示したミシンの送り揺動桿が挿通するフ
レームの開口を示す拡大斜視図である。
【図3】図2に示したフレームの開口に取り付ける本発
明の油漏れ防止装置の前面側からの分解斜視図である。
【図4】図3に示した油漏れ防止装置の前面側からの拡
大分解斜視図である。
【図5】図3に示した油漏れ防止装置の後面側からの拡
大分解斜視図である。
【図6】図5のB−B線に沿う断面図である。
【図7】図5のC−C線に沿う断面図である。
【図8】ミシンの送り揺動桿の挿通部に取り付けられた
従来の油漏れ防止装置の断面図である。
【図9】図8に示した油漏れ防止装置の構成を示す送り
揺動桿の挿通部の分解斜視図である。
【符号の説明】
41 工業用ミシン 48 針棒 52 針板 55 フレーム 55a 前面 55b 開口 61,62 送り揺動桿 71 油漏れ防止装置 73 防油壁本体 73a 桿挿通窓(窓) 73b フレーム取付部 73c 部品取付部 75X 第1弾性シール板 75Y 第2弾性シール板 75a 桿嵌合孔(嵌合孔) 77 本体シール押え 77a 桿挿通窓 77b 締結用耳部(耳部) 79 内部防油壁 79a 桿挿通窓(窓) 79b 締結用耳部(耳部) 79c 折り曲げ部 81 内部シール押え 81a 桿挿通窓(窓) 81b 締結用耳部(耳部) 81c 折り曲げ部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 送り揺動桿が挿通するミシンのフレーム
    の開口に取り付けられて、前記フレーム内での給油で飛
    散した潤滑油がフレームの開口から外部に漏れることを
    防止するミシンの油漏れ防止装置であって、 前記フレームの開口を覆うようにフレームに固定され、
    前記送り揺動桿の送りの揺動変位を許容する窓が形成さ
    れた防油壁本体と、 この防油壁本体に向けて配置され、前記送り揺動桿が嵌
    合する嵌合孔を有する第1弾性シール板と、 この第1弾性シール板を前記防油壁本体とで挾持し、前
    記送り揺動桿と第1弾性シール板の上下動を許容する本
    体シール押えと、 前記送り揺動桿の送りの揺動変位を許容する窓が形成さ
    れ、前記本体シール押えとの間に所定の隙間を有して前
    記防油壁本体に固定される内部防油壁と、 前記内部防油壁に向けて配置され、前記送り揺動桿が嵌
    合する嵌合孔を有する第2弾性シール板と、 この第2弾性シール板を前記内部防油壁とで挾持し、前
    記送り揺動桿と第2弾性シール板の上下動を許容する内
    部シール押えと、を備えたことを特徴とするミシンの油
    漏れ防止装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のミシンの油漏れ防止装
    置において、 前記防油壁本体は、前記第1弾性シール板、本体シール
    押え、内部防油壁、第2弾性シール板、内部シール押え
    を積層し、一体的に取付可能であることを特徴とするミ
    シンの油漏れ防止装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載のミシンの油漏れ
    防止装置において、 前記内部防油壁には折り曲げ部を備え、この折り曲げ部
    により前記本体シール押えとの間の所定の隙間を形成す
    ることを特徴とするミシンの油漏れ防止装置。
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