JP2003179471A - 遅延回路 - Google Patents

遅延回路

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JP2003179471A
JP2003179471A JP2002304142A JP2002304142A JP2003179471A JP 2003179471 A JP2003179471 A JP 2003179471A JP 2002304142 A JP2002304142 A JP 2002304142A JP 2002304142 A JP2002304142 A JP 2002304142A JP 2003179471 A JP2003179471 A JP 2003179471A
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circuit
voltage
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Patrick Mawet
マウエット パトリック
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Mitsutoyo Kiko Co Ltd
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Mitutoyo Corp
Mitsutoyo Kiko Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 低電圧低電力デバイスで用いられるCMOS
集積回路用の、供給電圧及び動作温度の妥当な変動によ
って比較的影響されることがなく、用途の広い小型遅延
回路を提供する。 【解決手段】 CMOS集積回路用の低電圧低電力の汎
用、小型遅延回路であって、遅延回路50のバイアス回
路及び比較器は、比較的少ない単純なトランジスタ・ス
テージで実現することにより、回路を小型にすると共
に、非常に低い供給電圧(例えば、1.5ボルト)での
動作を可能にする。この遅延回路50の遅延時間は、抵
抗性及び容量性の受動コンポーネントにのみ依存するよ
うにするので、供給電圧や温度の変動に影響されない。
この構成は、いくつかのタイミング要素が互いに追従す
ることが必要な回路では、それら全てを同じ構成の抵抗
器とコンデンサで形成することができるので特に有利で
ある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、チップオン・クロ
ック又は発振器及びタイミング遅延回路で使用するのに
適したCMOS型の遅延回路に関し、詳しくは、低電圧
低電力デバイスで使用される低電圧低電力小型でCMO
S型の遅延回路に関する。
【0002】
【従来の技術】遅延回路はオンチップ・クロック又は発
振器及びタイミング遅延回路でよく用いられる。従来の
CMOS遅延回路は、ランプ信号、比較器、及び電圧基
準を用いて供給電圧及び動作温度によって遅延が変化し
ないようにしている。しかし、これらの回路は、複雑で
あり、相当な大きさのチップ面積を必要とし、低い供給
電圧用に設計することが難しい。
【0003】低電圧低電力の遅延回路を組み込んだ回路
が有益であるデバイスの例は多数ある。そのようなデバ
イスの一例は、特許文献1で開示された精密な幾何的測
定に用いることができる手持ち型電子ノギスなどの変位
測定器である。上記特許は共通に譲渡されるものであ
り、参照によって全体が本明細書に取り入れられる。そ
のようなデバイスの他の例が、特許文献2で開示されて
いる。この特許も共通に譲渡されるものであり、参照に
よって全体が本明細書に取り入れられる。この特許文献
2の特許は、線形又は回転エンコーダ、電子ノギス、な
どの高精度用途のための誘導型絶対位置トランスジュー
サを開示している。このような装置は、使用する電力が
少ないほど必要な電池(又は他の電源)の数も少なく、
電池(又は他の電源)を交換したり充電したりする必要
が生ずるまでに長時間稼働できるということは明らかで
ある。
【0004】
【特許文献1】米国特許第5901458号明細書
【特許文献2】米国特許第5886519号明細書
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うなデバイスの必要電力を小さくすることは厄介な課題
である。このようなデバイスは、高精度の測定が要求さ
れ、そのために開発されてきた信号処理技術には、所望
の精度を達成すると同時に低い電圧及び電力レベルでも
動作し、供給電圧及び動作温度の妥当な変動に対しては
比較的影響されないことが要求される。
【0006】本発明の目的は、低電圧低電力デバイスで
用いられるCMOS集積回路用の、供給電圧及び動作温
度の妥当な変動によって比較的影響されない汎用の小型
遅延回路を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、CMOS集積
回路用の低電圧低電力の汎用、小型かつ安定な遅延回路
を提供する。本発明の一つの態様によると、共通信号を
用いて、比較器のトリップ点電圧、及び比較器へのクロ
ックランプ信号入力の電圧変化速度の両方を、正常動作
中に遅延回路に供給される電圧の変動が遅延回路のクロ
ック周期に実質的に影響を及ぼさないように制御する。
【0008】本発明の別の態様によると、遅延回路のバ
イアス回路及びバイアスされるトランジスタ比較器は比
較的少数の単純なトランジスタ・ステージで実施され
る。この方式は、回路を小型化すると共に、非常に低い
供給電圧での動作を可能にする。
【0009】本発明の別の態様によると、この遅延回路
は1.75ボルト未満の電圧を供給する電源(例えば、
単相の1.5ボルトの時計用電池、又は公称1.5ボル
ト、最小1.35ボルトという低い電圧を供給する太陽
電池)で動作するデバイスで使用でき、その電流消費量
は必要な全電流消費量が数マイクロアンペア以下という
デバイスでも使用できる程度である。
【0010】本発明の別の態様によると、この遅延回路
は1.5ボルトよりも高い電圧のシステムで、例えば
3.5ボルト未満の電圧を供給する電源(例えば、二つ
の1.5ボルト時計用電池を直列にしたもの、又は二つ
の太陽電池を直列にしたもの)で動作するシステムで使
用できる。本発明はまた、3.5ボルトよりも高い電圧
で動作する応用例でも有利である。
【0011】本発明の別の態様によると、いくつかのコ
ンポーネントは工程パラメータに対するシステム全体の
感度を下げるように選択される。具体的に言うと、クロ
ック信号/振動子発生器などの回路において同じタイプ
の抵抗器及びコンデンサを用い、測定されたバイアス電
流でコンデンサを充電することによって、システムのい
くつかのファクタ(例えば、スケール・ファクタ)を、
工程パラメータ、動作温度、回路の経年変化などによる
以後の環境的作用によっても影響されないようにする。
【0012】本発明の別の態様によると、遅延回路の遅
延時間はいくつかの受動コンポーネント、例えば抵抗器
やコンデンサにのみ依存するようにされる。こうして、
遅延時間は供給電圧や基準電圧のレベルの変動によって
影響されないようになる。これによって、回路を単純な
トランジスタ・ステージによって実現しても、動作温度
の変化や電圧レベルの変化で従来生じた遅延時間の過大
な変動が生じないようにできる。回路においていくつか
のタイミング要素を互いに追従させる場合、それらの異
なるタイミング要素を同じような抵抗器とコンデンサと
で構成できるのでこれは特に有利である。
【0013】本発明の別の態様によると、本発明のラン
プ信号発生器は比較的単純な回路で実現でき、したがっ
て、サイズを小さくし低い電圧で動作するようにでき
る。ランプ信号は本来遷移するのに時間がかかるので、
システムの動作速度の制限はランプ信号自体の性質によ
る。しかし、いろいろなデバイス(例えば、ある種の携
帯又は手持ち測定計器)の信号処理において高速動作は
決定的な因子ではないので、使用電力が少なく、小型
で、低い電圧で動作できる遅いシステムにとってこの実
施の形態を実施することは有効なトレードオフとなる。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の上記の態様及びそれらが
有する多くの利点がさらに良く理解されると共にその良
さがしっかりと評価されるように、以下、低い供給電圧
で動作する小型の効率的な遅延回路を図面を添付された
図面を参照しながら詳述する。
【0015】従来の遅延回路は、ランプ信号と、通常の
比較器と、通常の電圧基準とを用いて、遅延が供給電圧
及び動作温度によって変動しないようにしている。しか
し、これらの回路は複雑であり、相当な大きさのチップ
面積を必要とし、非常に低い供給電圧用に設計すること
が難しい。本発明は、自己補償と単純なトランジスタ・
ステージを用いて同じ機能をもっと効率的な仕方で達成
する。本発明の利点をいくつかあげると、トランジスタ
・ステージが遅延回路に用いられる従来の回路に比べ
て、寄生的な遅延が少なく、小型であり、必要な電流が
少ないということである。
【0016】図1は、本発明の動作原理を説明する基本
遅延回路50のブロック図である。図示されているよう
に、カレントミラー52は第一のブランチで抵抗器R1
を介して電源供給電圧VDDに結合されている。さら
に、カレントミラー52の第一のブランチで電流i1
定められる。抵抗器R1とカレントミラー52の第一の
ブランチとの間の節点が信号VBIASを決定する。カ
レントミラー52の第二のブランチは比較器54の正側
入力に結合されている。比較器54のいろいろな実施例
は以下で詳述される。信号RAMPは比較器54の正側
入力の信号で示される。比較器54の正側入力もまた、
スイッチS1を介して電源供給電圧VDDに結合されて
いる。スイッチS1は信号RESETによって制御され
る。比較器54の正側入力はまた、コンデンサC1を介
して接地される。スイッチS1、コンデンサC1、及び
カレントミラー52の第二のブランチが全体でランプ回
路を形成する。以下で詳しく述べるように、比較器54
の負側入力は比較器54のトリップ点又はスイッチ点を
決定する信号BIASSIGを受信する。
【0017】ランプ信号はコンデンサC1を電流i2
放電することによって発生される。基準電流i1はバイ
アス抵抗器R1によって設定される。カレントミラー入
力電圧は電圧VBIASに保たれる。カレントミラー
は、i1と同一(又はその倍数)である動作電流i2を出
力する。電流i1は次式で与えられる。
【0018】
【数1】
【0019】kは、カレントミラーのトランジスタの物
理的な寸法によって定められるカレントミラー比であ
り、普通は整数である。電流消費量を最小にするように
基準電流を必要な動作電流の分数に設定することができ
る。
【0020】スイッチS1が開くと、コンデンサC1は
式3の速さdv/dtで放電する。
【0021】
【数2】
【0022】比較器54は、コンデンサ信号RAMPが
あるスイッチング電圧VSWITCHに達するとトリッ
プ又はスイッチする。このスイッチング電圧VSWIT
CHは、比較器54の動作を制御するバイアス信号BI
ASSIGによって決定される。比較器54として従来
の比較器を用いた場合、スイッチング電圧VSWITC
Hは信号BIASSIGとして比較器に供給される基準
電圧に等しい。後述する他の実施例では、信号BIAS
SIGはスイッチング電圧VSWITCHと同じではな
く、スイッチング電圧VSWITCHは、信号BIAS
SIGに依存、又は信号BIASSIGと相互依存して
いる。遅延時間は、リセット信号の降下端から比較器出
力(OUT)の降下端までに経過した時間と定義、すな
わち、式4のように定義される。
【0023】
【数3】
【0024】遅延時間tdは回路パラメータの関数とし
て次のように表される。
【0025】
【数4】
【0026】本発明のある態様によると、回路設計によ
って電圧VSWITCH,VBIASが同じ値に近づく
度合いに応じて、遅延回路によって決定された遅延時間
区間は供給電圧の変動に対して安定化されるということ
が理解される。さらに、電圧VSWITCH,VBIA
Sを等しくすることによって、遅延時間は次のように、
抵抗器とコンデンサの値、及びカレントミラー比にのみ
依存するようになる。
【0027】
【数5】
【0028】このようにすることにより、遅延時間は受
動コンポーネントR1,C1及びカレントミラー比kだ
けに依存するようにされる。したがって、遅延時間を、
供給電圧及び基準電圧のレベルの変動に影響されないよ
うにすることができる。さらに、カレントミラー比kの
ファクターであるトランジスタが共通の工程で製造され
る場合、それらの動作特性は互いに追従する傾向がある
と共に、遅延回路によって決定された遅延時間区間は、
遅延回路の動作温度の変動に対してさらに安定化される
傾向がある。これにより、遅延回路を簡単なトランジス
タ・ステージで実現しても、供給電圧及び温度の変化に
よるトランジスタ・ステージにおける過大な変動を持ち
込まないようにすることができる。さらに、いろいろな
実施例では受動コンポーネントR1,C1も共通の工程
で製造される。これは、いくつかの遅延回路とそれらの
関連タイミング要素が互いに追従することが必要な回路
において、それらを全て同じ構成の抵抗器とコンデンサ
で生成できるので特に有利になる。
【0029】本発明の鍵となる態様は、バイアス回路と
比較器の両方を少数の簡単なトランジスタ・ステージに
よってどのように実現できるかという点にある。このア
プローチにより回路を小型にし、かつ非常に低い供給電
圧(例えば、1.5ボルト)での動作を可能にすること
ができる。
【0030】図2は、図1の遅延回路50の動作を説明
するタイミング図である。図に示されているように、時
刻T0で信号RAMPは高く、信号RESETも高い。
時刻T1で、信号RESETは低く遷移し、それによっ
てランプ信号RAMPは電源供給電圧VDDから直線的
な傾斜で下方へ遷移し始める。時刻T2で、ランプ信号
RAMPが信号レベルVSWITCHに達し、それによ
って比較器54の出力OUTは高から低へ遷移する。遅
延時間tdは、時刻T2,T1の差である。時刻T3
で、信号RESETは高へ遷移し、スイッチS1を閉
じ、ランプ信号RAMPを電源供給電圧VDDに結びつ
ける。したがって、ランプ信号RAMPは、上方の電源
供給電圧VDDまで上方に遷移し、時刻T4では電源供
給電圧VDDにある。
【0031】図3は、図1の遅延回路のある実施の形態
の概略図である。図3に示されているように、遅延回路
100はバイアス回路110と遅延ブロック120とを
含む。遅延ブロック120は、本発明の一つの態様によ
るランプ信号発生器210及び第1ステージ220と第
2ステージ230とを有するバイアスされるトランジス
タ比較器を含む。
【0032】バイアス回路110はカレントミラー構成
で結合された二つのNMOSトランジスタM1A,M2
Aを含む。このカレントミラーの第一のブランチは、電
源供給電圧VDDから抵抗器R1Aを通して流れ込む電
流i1Aを受ける。カレントミラーの第二のブランチは、
PMOSトランジスタM5Aを介して電源供給電圧VD
Dに結合される。抵抗器R1Aとカレントミラーの第一
のブランチとの間にある節点は信号NBIASを決定す
る。トランジスタM5A,M2A間にある節点は信号P
BIASを決定する。
【0033】ランプ信号発生器210はNMOSトラン
ジスタM3Aを含み、NMOSトランジスタM3Aは信
号NBIASによってバイアスされる。トランジスタM
3AはトランジスタM6Aと直列に電源供給電圧VDD
に結合される。トランジスタM6Aは信号NRSTによ
って制御される。トランジスタM3Aを通る電流はi 2A
と呼ばれる。コンデンサC1AはトランジスタM3Aと
並列に結合される。コンデンサC1A上の節点は信号R
AMPAと呼ばれる。
【0034】比較器の第1ステージ220も第2ステー
ジ230も電源供給電圧VDDとアースとの間に直列に
結合された一つのPMOSトランジスタ及び一つのNM
OSトランジスタを含む。第1ステージ220では、N
MOSトランジスタM4Aは信号RAMPAによって制
御され、一方PMOSトランジスタM7Aは信号PBI
ASによってバイアスされる。トランジスタM4A,M
7A間の節点は第2ステージ230のNMOSトランジ
スタM8Aのゲートに結合されている。トランジスタM
4AとトランジスタM7Aとの間の電流は電流i3Aと呼
ばれる。第2ステージ230もPBIASトランジスタ
M9Aを含み、これも信号PBIASによってバイアス
される。トランジスタM8A,M9A間の節点は出力O
UTAと呼ばれる。
【0035】図3の回路構成を分析すると、まずバイア
ス電流i1Aは抵抗器R1AとトランジスタM1Aとによ
って定められるということが分かる。電圧レベルNBI
ASは、トランジスタM1Aをバイアス電流i1Aで駆動
するために必要なゲート電圧となる。NMOSトランジ
スタM2A,M3Aはバイアス電流i1Aをミラーする。
レベルi1Aにミラーされた電流はまた、PMOSトラン
ジスタM5Aを流れ、トランジスタM5Aの動作特性に
基づいて信号PBIASを決定する。次に、信号PBI
ASは、トランジスタM7A,M9Aに、バイアスされ
るトランジスタ比較器のステージで同じバイアス電流を
ミラーさせる。なお、全てのPMOS及びNMOSトラ
ンジスタがそれぞれ同じ寸法である(k=1)と仮定し
ている。実際に実施される場合、バイアス・ステージは
電力を節約するためにより低い電流で動作するが、カレ
ントミラー・トランジスタは全て同じ電流密度で動作す
る(k>1)。回路の説明を簡単にするために、我々は
k=1であると仮定する。別のいろいろな場合は当業者
には明らかであろう。
【0036】ランプ信号発生器210では、トランジス
タM3AがコンデンサC1Aを、バイアス電流i1Aに等
しい電流i2Aで放電する。トランジスタM6Aはリセッ
ト・スイッチであり、アクティブな低信号NRSTで駆
動される。
【0037】本発明に係る動作のある態様によると、こ
の遅延回路が式6で議論されたような挙動をするために
は、バイアスされるトランジスタ比較器が電圧NBIA
Sでトリップすることが必要である。これは、トランジ
スタM7A(及びM9A)に信号PBIASを印加する
ことによって遂行され、バイアスされるトランジスタ比
較器のステージにおいて、同じバイアス電流が、トラン
ジスタM4AをトランジスタM1Aと同じ電流密度でバ
イアスするために、さらにミラーされる。信号RAMP
Aが高いとき、トランジスタM4Aはオンになり、トラ
ンジスタM7Aによって駆動され(カレントミラー出
力)、i3A=i1Aである。
【0038】コンデンサC1Aが放電するとき、信号R
AMPAは直線的に低下する。信号RAMPAが信号N
BIASと同じ電圧に達するとトランジスタM4Aはオ
フになり、バイアスされるトランジスタ比較器がトリッ
プする。したがって、信号NBIASは図1における電
圧VBIASと同様であり、信号PBIASは図1にお
ける信号BIASSIGと同様であることが理解されよ
う。さらに、この回路構成によると、与えられたトラン
ジスタ動作特性の組に対して、信号PBIASは信号N
BIASによって決定されることが理解されよう。これ
は本発明による動作の一つの態様を達成する、すなわ
ち、比較器のスイッチング電圧はバイアス電圧NBAI
Sと同じであることが式6の条件を満たすような仕方で
保証される。普通、トランジスタM8A,M9Aが第2
ステージを形成して、ゲインを増大し、出力信号OUT
Aを整頓する。
【0039】上述のバイアスされるトランジスタ比較器
は従来のような比較器ではなく、従来の基準電圧によっ
て制御されるものではないということを理解すべきであ
る。したがって、従来の基準電圧回路は、エネルギーを
散逸する抵抗器や独立な回路変型と共に、不要になる。
さらに、比較器のようなスイッチングが一つのバイアス
されるトランジスタ(例えば、トランジスタM7A)と
一つのスイッチングされるトランジスタ(例えば、トラ
ンジスタM4A)というわずかなコンポーネントで遂行
される。したがって、この回路は、非常に低い供給電圧
で動作することができると共に、非常に高速なスイッチ
ングを可能とする。多くの用途で、VDDがNMOSし
きい値電圧よりも数百mV高ければ、回路は動作する。
実施の形態によっては、動作電圧がより高く、ノイズや
オフセットの影響が小さくなるので、回路は安定でより
高精度になる。当業者にはただちに明らかなように、高
速度及び/又は高精度が必要な場合、動作的に結合した
カスコード・トランジスタを付加して図3に示されたト
ランジスタのいずれか又は全部の動作を強化することに
よって、本発明に基づいて図3の回路から多くの付加的
回路の実施例が得られる。なお、これには少し高い(数
百mV高い)最小供給電圧が必要になる。低電力回路で
は、動作速度は普通より低く、より長いトランジスタを
用いて同じ効果が得られる。カレントミラー構成におけ
るカスコード・トランジスタの利用について、読者は、
非特許文献2(David Johns及びKen Martinによって1
997年にJohn Wiley and Sons, Inc.から刊行された
「Analog Integrated Circuit Design」の“先端的なカ
レントミラーとオペアンプ”という表題の章)を参照さ
れたい。図3に示されているような、M2A,M5A、
M3A,M6A、M4A,M7A、及びM8A,M9A
などの直列結合されたトランジスタの対の一つで一つ以
上のトランジスタをカスコード・トランジスタを用いて
強化したとき、その影響を受けてその対は一般にもはや
直接には直列に結合していないが、依然として強化する
カスコード・トランジスタを介して一般に直列に結合し
ているということは当業者には理解されるであろう。さ
らに、図3に示されているいろいろなゲート結合をいろ
いろなカスコード・トランジスタを付加して少し変更す
ることができる。カスコード・トランジスタの付加に関
連したこれらの回路変更及びその他の可能な回路変更は
当業者にはただちに明らかであろう。
【0040】本発明の回路は、遅延回路及び発振器/ク
ロック回路に多くの有益な応用がある。そのような応用
の一つは、何も外部コンポーネントがないオンチップ・
クロックである。クロック周波数の絶対値がそれほど重
要でない場合、さらにいえば低電圧のIC’sの場合
に、この回路は特に有利である。上で述べたように、こ
の回路はまた、いくつかのタイミング要素が製造時のば
らつき、回路の動作供給電圧及び/又は動作温度の変動
にも関わらず互いに追従することが必要な場合に特に有
利である。さらに、クロック周波数の精度は、バイアス
抵抗器をトリミングすれば(例えば、抵抗器アレー付き
のフューズを用いれば)向上させることができる。
【0041】この回路はまた、遅延回路の多くの用途に
おいても有利である。そのような用途の一つは、コンデ
ンサ及び/又は抵抗器のアレーを用いて作られるプログ
ラム可能な遅延回路である。以下でより詳しく述べるよ
うに、いくつかの追従する遅延回路を同じバイアス回路
から生成できる。
【0042】図4は、図3の回路構成要素の動作を説明
するタイミング図を示している。動作は、上で図2のタ
イミング図について述べたものと同様である。図4に示
されているように、時刻T0で信号NRSTは低く、信
号RAMPAは高い。時刻T1で、信号NRSTは高く
遷移し、それによって信号RAMPAは下方へ遷移し始
める。時刻T2で、信号RAMPAは電圧レベルNBI
ASを通過し、比較器を遷移させ、出力信号OUTAを
低く遷移させる。遅延時間tdは、時刻T2,T1の差
である。時刻T3で、信号NRSTは低く遷移して、信
号RAMPAに供給電圧VDDの方へ上方への遷移を開
始させる。時刻T4では、信号RAMPAは高く、供給
電圧VDDにあることが示されている。
【0043】図5は、図3の回路構成のブロック図であ
る。図に示されているように、回路は二つの基本ブロッ
クに分けられる。バイアス回路110は第1ブロックと
呼ばれ、遅延ブロック120は第2ブロックと呼ばれ
る。遅延ブロック120は、上述のように、ランプ信号
発生器210と、比較器の第1ステージ220及び第2
ステージ230とを含む。
【0044】以下でより詳しく述べるように、図5の基
本コンポーネントはいろいろな応用に容易に適合させる
ことができる。いくつかの遅延ブロックを共通のバイア
ス回路で駆動していくつかの同期したタイミング遅延出
力を生成することができる。一つの特別なケースは、二
つの遅延ブロックを用いる発振器である。多段の遅延
は、コンデンサ比及び/又は電流比を用いて、同一であ
っても、異なっていてもよい(ただし、製造時のばらつ
き、回路の動作供給電圧及び/又は動作温度の変動にも
関わらず、追従する)。バイアス電流(例えば、調節可
能な抵抗器によって)、又は遅延ブロックを(例えば、
調節可能なコンデンサ又はカレントミラーによって)変
えることによって調節可能な遅延を作り出すことができ
る。最も普通の方法は、二進加重された抵抗器とコンデ
ンサのアレーとを用いることである。所望の用途に応じ
て、異なる配置及びいろいろな並列/直列の組み合わせ
が可能であることはいうまでもない。
【0045】図6は、3ビットの制御入力を用いた調節
可能なバイアス回路の一例を示す。実使用に際しては、
制御ビット入力はずっと大きくより複雑であることはい
うまでもない。図6に示されているような調節可能なバ
イアス回路を用いて、一つから数個の遅延ブロックの遅
延を一緒に制御することができる。図6に示されている
ように、一連の三つのスイッチS3B,S2B,S1B
は、供給電圧VDDと二つのトランジスタM1B,M2
Bとの間にカレントミラー構成で直列に結合されてい
る。一連の抵抗器R1B,R2B,R3Bが、それぞれ
スイッチS3B,S2B,S1Bと並列に結合されてい
る。スイッチS1B,S2B,S3Bは、それぞれ、制
御信号IN2B,IN1B,IN0Bによって制御され
る。カレントミラートランジスタM1B,M2Bは、信
号NBIASによってバイアスされている。PMOSト
ランジスタM5Bが供給電圧VDDとトランジスタM2
Bとの間に結合され、信号PBIASによってバイアス
されている。トランジスタM5B,M2B間の節点はバ
イアス信号レベルPBIASにある。
【0046】図7は、コンデンサのアレーを用いた調節
可能な遅延ブロック120の一例を示している。この構
成により、一つの個別遅延ブロックの遅延を調節して、
他の調節可能な又は固定された遅延ブロックを追従する
ことが可能となる。図7に示されているように、三つの
スイッチS1C,S2C,S3Cは、信号レベルRAM
Pにある節点と、それぞれのコンデンサC1C,C2
C,C3Cとの間に並列に結合されている。スイッチS
1C,S2C,S3Cは、それぞれ、制御信号IN0,
IN1,IN2によって制御される。NMOSトランジ
スタM3CとPMOSトランジスタM6Cとが直列に結
合され、それぞれ、信号NBIAS,NRSTによって
制御される。トランジスタM6C,M3C間の節点は信
号レベルRAMPにある。トランジスタM4C,M7
C,M8C,M9Cは、調節可能な遅延ブロック120
の比較器の第1ステージ及び第2ステージを形成する。
【0047】図8及び図9は、遅延回路の応用を示す。
図8は、全て同じ制御信号NRSTによって制御される
三つの同期した遅延ブロックのアレーを示す。第3の遅
延ブロックは個別に調節可能な遅延ブロックである。具
体的にいうと、バイアスブロック110Dは、図8に示
されているように、三つの同期した遅延ブロック120
D1,120D2,120D3に結合されている。遅延
ブロック120D1,120D2,120D3は、それ
ぞれ、出力OUTD1,OUTD2,OUTD3を与え
る。
【0048】図9は、遅延回路の応用の第二の例を示し
ている。図9に示されているように、二つの同期した遅
延ブロック120E1,120E2に、共通の調節可能
なバイアス回路110Eが設けられる。遅延ブロック1
20E1,120E2は、それぞれ、出力OUTE1,
OUTE2を与える。遅延ブロック120E1,120
E2は両方とも制御信号NRSTを受ける。
【0049】図10は、発振器/クロック回路のブロッ
ク図である。図10に示されているように、バイアス回
路110Fと二つの遅延ブロック120F1,120F
2とは、論理フィードバック回路300を付加すること
によって発振器を構成するように配置されている。この
タイプの発振器は、何も外部コンポーネントを必要とし
ないオンチップ・クロックを作るのに用いることができ
る。
【0050】図11は、図10の発振器/クロック回路
で用いるのに適した論理回路300の典型例を示す。論
理回路300は、五つのインバータU1G,U2G,U
5G,U6G,U7Gを含む。この論理回路はまた、二
つのORゲートU3G,U4Gを含む。インバータU1
G,U2Gは、それぞれ、入力IN1G,IN2GとO
RゲートU3G,U4Gの入力との間に結合されてい
る。ORゲートU3G,U4Gの他の入力は、それぞ
れ、互いの出力に結合されている。ORゲートU4Gの
出力はインバータU5Gの入力に結合されている。イン
バータU5Gの出力はインバータU6G,U7Gの入力
に結合されている。出力OUTは、インバータU6Gの
出力から得られる。出力FB1は、インバータU5Gの
出力から、出力FB2は、インバータU7Gの出力から
得られる。図10の発振器/クロック回路に用いるのに
適する別の論理回路は当業者には明らかであろう。
【0051】図12は、本発明による振動子/クロック
信号発生器のある実施の形態の典型例の詳しいブロック
図である。図12に示されているように、カレントミラ
ー520は、第一のブランチで抵抗器RC1を介して電源
供給電圧VDDに結合され、カレントミラーで電流iC1
が決まる。抵抗器RC1とカレントミラー520の第一の
ブランチとの間の節点は信号NBIAS=VDD−(R
C1*iC1)を決定する。抵抗器RC1及びカレントミラー
520の第一のブランチは、電流設定回路515を形成
する。カレントミラー520の第二のブランチは、比較
器530の正側入力に結合されている。信号RAMP1
は比較器530の正側入力での信号と呼ばれる。比較器
530の正側入力はまた、スイッチSW3を介して電源
供給電圧VDDに結合されている。スイッチSW3は、
論理回路300Aからの信号FB1によって制御され
る。比較器530の正側入力はまた、コンデンサCC2
介して接地される。スイッチSW3、コンデンサCC2
及びカレントミラー520の第二のブランチは、全体で
ランプ回路525を形成する。比較器530の負側入力
は、比較器530の動作を制御し、かつそのスイッチ点
を電圧レベルNBIASに設定する信号BIASSIG
を受ける。比較器530として従来の比較器を用いる場
合、BIASSIGはNBIASで設定された基準電圧
信号である。ずっと後の方で述べる別の実施の形態の典
型例では、信号BIASSIGはスイッチング電圧と同
じでないが、スイッチング電圧は信号BIASSIGに
依存、又は信号BIASSIGと相互依存する。比較器
530の出力は論理回路300Aに供給される。
【0052】比較器540の出力も論理回路300Aに
供給される。比較器530と同様に比較器540もその
負側入力で信号BIASSIGを受ける。比較器540
の正側入力はコンデンサCC4を介して接地される。電流
源560も比較器540の正側入力に結合されている。
スイッチSW4も比較器540の正側入力を電源供給電
圧VDDに結合する。スイッチSW4は論理回路300
Aからの制御信号FB2によって制御される。比較器5
40の正側入力における信号は信号RAMP2と呼ばれ
る。論理回路300Aの出力は信号OSCOUTであ
る。スイッチSW4、コンデンサCC4、及び電流源56
0というコンポーネントがランプ回路535を形成す
る。
【0053】図13は、図12の振動子/クロック信号
発生器の動作を説明するタイミング図を示している。図
に示されているように、時刻T0では、信号RAMP
1,RAMP2の両方は高いと共に、クロック信号FB
1は低い一方クロック信号FB2は高い。時刻T0でク
ロック信号FB1は低いので、スイッチSW3は開き、
ランプ信号RAMP1は電源供給電圧VDDから直線的
な傾斜で下方へ遷移し始める。時刻T1で、ランプ信号
RAMP1は信号レベルNBIASに達し、それによっ
て比較器530の出力OUT1は遷移する。こうして時
刻T1で、論理回路300AのIN1節点における出力
OUT1が遷移することにより論理回路300Aは遷移
する。
【0054】時刻T1で、論理回路300Aは、信号F
B1を高く遷移させてスイッチSW3を閉じ、信号RA
MP1を電源供給電圧VDDに結びつける。信号FB2
も低く遷移して、スイッチSW4を開き、もって信号R
AMP2が電源供給電圧VDDから直線的な傾斜で下方
へ遷移し始めることが可能になる。
【0055】時刻T2で、ランプ信号RAMP2は信号
レベルNBIASに達し、それによって比較器540の
出力OUT2が遷移する。論理回路300AのIN2節
点における出力OUT2が遷移することによって論理回
路300Aが遷移する。こうして論理回路300Aは、
信号FB2を高く遷移させてスイッチSW4を閉じ、信
号RAMP2を電源供給電圧VDDに結びつける。信号
FB1も低く遷移してスイッチSW3を開き、もって信
号RAMP1が再び電源供給電圧VDDから直線的な傾
斜で下方へ遷移し始めることが可能になる。
【0056】時刻T3で、信号RAMP1は電圧レベル
NBIASに達し、それによって比較器540が遷移す
る。論理回路300AのIN1節点における比較器53
0の出力OUT1が遷移することによって論理回路30
0Aはその出力信号を遷移させる。したがって、論理回
路300Aは信号FB1を高く遷移させると共に、クロ
ック信号FB2を低く遷移させる。信号FB1が高く遷
移することによってスイッチSW3が閉じ、そして比較
器530の正側入力における信号RAMP1を電源供給
電圧VDDに結びつける。信号FB2が低く遷移するこ
とによってスイッチSW4が開き、もって比較器540
の入力における信号RAMP2は再び直線的な傾斜で下
方へ遷移し始めることが可能になる。
【0057】時刻T4で、時刻T2で起こったことと同
様なプロセスが繰り返される。すなわち、信号FB2が
高く遷移してスイッチSW4が閉じると信号RAMP2
は電源供給電圧VDDに遷移し、信号FB1が低く遷移
してスイッチSW3が開くと信号RAMP1は再び直線
的な傾斜で下方へ遷移し始める。上記の動作の結果とし
て、論理回路300Aは図示されているような信号OS
COUTを出力する。
【0058】図13のタイミング図はまた、図10の振
動子/クロック信号発生器の動作を説明しているという
ことは理解されるであろう。図10に関しては、信号R
AMP1及び信号RAMP2は、それぞれ、遅延ブロッ
ク120F1,120F2の内部のランプ信号を示して
いる。
【0059】図14は、図12の振動子/クロック信号
発生器420の機能を与える回路の一つの実施の形態に
係る典型例の詳しい概略図である。図14に示されてい
るように、回路のいろいろな部分は機能に関して図12
の振動子/クロック信号発生器のいろいろなコンポーネ
ントに対応している。しかし、図14で、二つのPMO
SトランジスタM17,M18、及び二つのNMOSト
ランジスタM11,M12は以下で詳しく説明するよう
に通常と異なる構成で動作して、図12に示されている
通常の比較器530によって得られる機能を与える。同
様に、二つのPMOSトランジスタM23,M24、及
び二つのNMOSトランジスタM21,M22は以下で
詳しく説明するように通常と異なる構成で動作して、図
12に示されている通常の比較器530によって得られ
る機能を与える。
【0060】ランプ回路525,535も図14に示さ
れている。図14に示されているように、ランプ回路5
25はPMOSトランジスタM15、NMOSトランジ
スタM10、及びコンデンサCC2を含む。ランプ回路5
35はPMOSトランジスタM19、NMOSトランジ
スタM20、及びコンデンサCC4を含む。
【0061】論理回路300Aも図14に示されてい
る。図に示されているように、論理回路300Aは5つ
のインバータU4,U5,U10,U11,U12、二
つのORゲートU6,U7、及びコンデンサCC3を含
む。電流設定回路515の実施の形態に係る典型例も図
14に示されているが、これは本発明のシステム及び方
法にしたがって使用できる比較器制御回路590に一体
的に結合される。比較器制御回路590(図12に示さ
れていない)は、PMOSトランジスタM13及びNM
OSトランジスタM9を含む。図に示されているよう
に、電流設定回路515は比較器制御回路590とカレ
ントミラー構成で結合されている。
【0062】図に示されているように、抵抗器RC1は、
PMOSトランジスタスイッチM3を介して電源供給電
圧VDDに、そしてNMOSトランジスタM8のゲート
とに結合されている。トランジスタM8の動作特性に基
づいて、この構成は、M8のゲートに結合された回路節
点におけるしきい値電圧NBIASと、電流設定回路5
15における条件NBIAS=VDD−(RC1*iC1
を満たす電流iC1とを決定する。図14に示されている
ように、電流iC1はNMOSトランジスタM9にミラー
される。すなわち、比較器制御回路590のトランジス
タM9に結合されたPMOSトランジスタM13を通っ
て流れる電流も電流iC1のレベルに設定される。この電
流レベルは、トランジスタM13をプログラムして、ト
ランジスタM13のゲート電圧レベルを、電流レベルi
C1及びM13に用いるトランジスタ・タイプの動作特性
に対応するレベルになるように設定する。
【0063】PMOSトランジスタM17,M23は、
トランジスタM13のサイズの2倍のサイズに設定され
ていると共に、図14に示されているように、トランジ
スタM13にカレントミラー構成で結合されており、す
なわち、2*iC1という電流レベルでプログラムされて
いる。さらに、M17に結合されているNMOSトラン
ジスタM11は、トランジスタM9のサイズの2倍のサ
イズに設定されており、トランジスタM17によって定
められる2*iC1という電流レベルでプログラムされて
いる。こうして、トランジスタM11を通る電流密度に
基づいて、トランジスタM11はNBIASというゲー
トしきい値電圧を示すように制御される。したがって、
トランジスタM11はしきい値電圧NBIASでスイッ
チする比較器の信号入力として実質的に機能する。な
お、比較器540のトランジスタM23,M24,M2
1,M22は、対応する比較器530のトランジスタM
17,M18,M11,M12と同じように機能すると
いうことは理解されるであろう。
【0064】PMOSトランジスタM10,M20も、
トランジスタM8のサイズの2倍のサイズに設定されて
いると共に、さらに図14に示されているように、トラ
ンジスタM8にカレントミラー構成で結合されており、
すなわち、2*iC1という電流レベルでプログラムされ
ている。PMOSトランジスタM10,M20は、コン
デンサCC2,CC4の放電電流iC2,iC4をそれぞれ決定
するように働く。したがって、図14のクロック回路4
20(クロック信号発生器420)という実施の形態に
係る典型例では、放電電流iC2,iC4は、それぞれ、各
々が電流設定回路515の電流iC1の2倍になるように
制御される。
【0065】上述の議論によると、各比較器のしきい値
電圧NBIASは、最終的に電流設定回路515の特性
によって決定される共通信号に基づいて制御されるとい
うことが理解されよう。これは、以下でより詳しく述べ
るように、本発明のシステム及び方法によるいろいろな
実施の形態における回路動作の著しい側面である。さら
に、トランジスタM10,M20に与えられた特定のト
ランジスタサイズに対し、放電電流iC2,iC4も、電流
設定回路515の特性によって決定されるように、NB
IASを決定する共通信号に基づいて制御されるという
ことも理解されるであろう。これも、以下でより詳しく
述べるように、本発明のシステム及び方法によるいろい
ろな実施の形態における回路動作の著しい側面である。
【0066】図14には、PMOSトランジスタM2
5、NMOSトランジスタM4,M14、インバータU
10、及びORゲートU8を含む他のいろいろなコンポ
ーネントも示されている。トランジスタM25,M4
は、インバータU10及びコンデンサCC3と合わせてク
ロックの起動時にクロックを適切に初期化するための遅
延動作を行う。
【0067】図12に示されたクロック信号発生器42
0及び図14に示されたクロック信号発生器420の実
施の形態は、それぞれ、デュアル・ランプ電流駆動発振
器である。図14について言うと、コンデンサCC2,C
C4は2*iC1という速さで放電されるので、放電速度d
v/dtは式7のようになる。
【0068】
【数6】
【0069】ここでCC=CC2,CC4の適当な方であ
る。
【0070】放電はVDDからNBIASまでの範囲に
わたって起こるものであるので、クロック周期は次式8
で与えられる。
【0071】
【数7】
【0072】例えば、RR1=2MΩ及びCC=0.5p
Fで、Tclk=1μsecである。
【0073】したがって、図14の詳細な回路は、本発
明による回路コンセプトをクロック周波数が供給電圧や
トランジスタ工程パラメータの変動に実質的に影響され
ないような、特に簡単でエレガントな実現方法であると
いうことが理解されるであろう。特に、上述のミラー技
術によって比較器530,540のトリップ点電圧、及
び比較器530及び540内のクロック・ランプ信号を
制御する放電電流は、それぞれ、供給電圧及びトランジ
スタ工程パラメータの変動が全て、正常動作の際にクロ
ック周期に実質的に影響を及ぼさない通常モード・ファ
クタとなるように共通信号に基づいて制御される。した
がって、クロック周期は上述したように該当する抵抗器
及びコンデンサのみに依存する。
【0074】図15は、図10又は図12,14の振動
子/クロック信号発生器の一つの応用を示す論理回路4
00のブロック図であり、これらの図10又は図12,
14は、論理回路400のクロック信号発生器420と
して利用される。本発明による遅延/クロック回路を組
み込んだ論理回路400は、低電圧低電力の差動入力A
DCとして用いるのに適している。この応用例のシステ
ム全体は、“低電圧低電力信号処理システム及び携帯測
定器からの差動信号入力の高精度比較方法”という表題
で同時出願中の共通に譲渡される特許文献3(米国特許
出願第09/898674号明細書)により詳しく記載
されており、これを参照することによってその全体が本
明細書に組み込まれる。
【0075】図15に示されているように、信号IN
+,IN−が論理回路400によって変換されるべき差
動信号である。信号IN+,IN−は、それぞれ、比較
器401,402の各々の正側入力に供給される。比較
器401,402の各々の負側入力には信号RAMPが
供給される。信号RAMPは電流発生器410によって
供給されるが、これについては以下で図16を参照して
より詳しく説明する。電流発生器410への入力は、基
準信号VREF及び信号ONである。基準信号VREFは、電
流発生器410を制御し、これによってランプ信号電流
を、さらにはスケールファクタ(倍率)を制御する。い
ろいろな実施の形態に係る典型例では、後に十分詳述す
るように、基準信号VREFはシステム全体の供給電源か
ら(分割器を用いて)直接に出力され、これによって、
測定システム全体のスケールファクタ(トランスジュー
サから出力される各信号のピーク・ツー・ピーク・カウ
ント値)がシステム供給電圧の変動から独立になる。
1.5Vシステムのある実施の形態では、基準信号V
REFは0.75V、すなわち、電源供給電圧の1/2で
ある。
【0076】コンデンサCRは、電流発生器410の出
力とアースとの間に結合されている。スイッチSW1
は、制御信号RSTによって制御されて信号RAMPを
信号REFLに接続する。信号RAMPは、時間(と電
流)を節約するためにアースよりもむしろ入力信号範囲
の下限端になるように選ばれた信号REFLへリセット
される。1.5Vシステムのある実施の形態において、
信号範囲における最大値が750mV(公称600m
V)である場合には、信号REFLは約375mVに設
定される。
【0077】比較器401の出力信号CMP+は、排他
的ORゲート430への入力及びDFFブロック460
への入力の両方へ信号として供給される。同様に、比較
器402の出力信号CMP−は、排他的ORゲート43
0への入力及びDFFブロック460への入力として供
給される。排他的ORゲート430の出力信号COUN
TはANDゲート440への入力として送られる。AN
Dゲート440への第二の入力はクロック信号発生器4
20から受け取る信号CLKであり、このクロック信号
発生器420は、ここに開示された原理にしたがって動
作する遅延回路が組み込まれている。クロック信号発生
器420は入力信号ONを受け取る。ANDゲート44
0の出力信号は11ビットカウンタ450に送られる。
カウンタ450の出力は信号OUTである。DFFブロ
ック460の出力は信号SIGNである。信号SIGN
はカウンタ450の11ビット出力に付加的な1ビット
を付加し、もって論理回路400の出力は全体で12ビ
ットになる。
【0078】図15で特定される論理回路400の実施
の形態において、カウンタ450は、トグルの数を最小
にするので、普通は電流消費が小さいリップル・カウン
タであってもよい。レジスタの数を最小にするために、
カウント値はカウンタ自身に格納される。減算回路は不
要であるということも注意すべきである。符号信号SI
GNは別のレジスタに格納される。こうした設計選択の
結果として、最終的に小型及び低電力消費という両面で
きわめて効率的な回路が得られる。しかし、これは単に
実施の形態の典型例にすぎず、他の設計選択も明らかに
可能であるということは理解されるであろう。
【0079】図15の論理回路400の実施の形態にお
いて、また、比較器は低電圧低電力動作に適するもので
あればいかなるもので実現してもよい。例えば、低電力
演算増幅器タイプの比較器、あるいはダイナミック比較
器を用いてもよい。読者は、非特許文献1(David John
s及びKen Martinによって1997年にJohn Wiley and
Sons, Inc.から刊行された「Analog Integrated Circui
t Design」の“比較器”という表題の章)を参照された
い。切り替えコンデンサ入力を有する比較器は入力コン
デンサ上に入力電圧を格納するという利点を有し、それ
によって、アナログ信号処理回路構成の前ステージを遮
断でき、電力を節約し、比較器オフセットの解消を促進
する。内部切り替えコンデンサ入力を有する比較器を用
いる好ましい実施の形態では、そのコンデンサは、リセ
ット段階で入力された信号入力に内部的に切り替え可能
に接続され、入力信号の変換の直前に、入力された信号
入力が切り替え可能に接断され、ランプ信号が入力信号
変換の開始時にコンデンサ入力に切り替え可能に接続さ
れる。一般に、各比較器は同一構成であるので、いかな
る遅延及び寄生的効果も精度に悪影響を及ぼすことはな
く、低電圧低電力比較器の設計は重要ではない。
【0080】図10及び図12は、図15のクロック信
号発生器420として使用できる回路のブロック図であ
り、図16は、図15の電流発生器410として使用で
きるブロック図である。これらの回路の設計で、いくつ
かのコンポーネントは、工程パラメータに対するシステ
ム全体の感度を低下させるように選ばれる。具体的に言
うと、ランプ信号発生器及びクロック信号発生器におい
て同じタイプのコンデンサを用い、それらを測定された
バイアス電流で充電することによってそのシステムのス
ケールファクタが工程パラメータに依存しないようにさ
せる。
【0081】図16は、ADCランプ信号を発生するた
めの図15の電流発生器として使用できる回路のブロッ
ク図である。演算増幅器510はその正側入力端子で基
準信号VREFを受ける。増幅器510の出力はカレント
ミラー512に供給される。カレントミラー512はま
た、電源供給電圧VDDを受け取る。カレントミラー5
12は抵抗器RRを介して接地され、また抵抗RRとカレ
ントミラー512との間の節点が増幅器510の負側入
力に接続される。カレントミラー512の出力OUT
は、抵抗器RRを通る電流IRをミラーするIR1に等しい
電流レベルを供給する。カレントミラー512からの出
力OUTはコンデンサに結合される。出力OUTはま
た、スイッチSW5を介して基準信号REFLに結合さ
れる。出力信号OUTはランプ信号RAMPを提供す
る。
【0082】図17(a),(b)は、図15の論理回
路400の動作を説明するタイミング図である。図17
(a)は正のカウンタ出力値の例を示し、図17(b)
は負のカウンタ出力値の例を示している。
【0083】図17(a)に示されているように、時刻
T0では、全ての信号が低い。時刻T1で、信号ONは
高く遷移し、信号RSTも高く遷移する。図15を参照
すると、信号ONは、電流発生器410とクロック信号
発生器420とを活性化する。信号RSTは、スイッチ
SW1を閉じて電流発生器410の出力、ひいては信号
RAMPを信号レベルREFLに結合する。これによっ
て、信号RAMPは信号レベルREFLへ上昇する。
【0084】時刻T2で、信号RSTは低く遷移する。
図15を参照すると、これによってスイッチSW1が開
き、信号RAMPが電流発生器410による駆動にした
がって直線的なレートで増加することが可能になる。時
刻T3で、信号RAMPは、比較器402の入力信号I
N−のレベルを通過し、比較器402の出力信号CMP
−が高く遷移する。この遷移はまた、排他的ORゲート
430の出力COUNTを高く遷移させる。このシーケ
ンスが、クロック信号発生器出力信号CLKと組み合わ
されて、カウンタ450にカウントを開始させる。
【0085】時刻T4で、信号RAMPは比較器401
の入力信号IN+のレベルを通過する。これによって比
較器401の出力は高く遷移し、したがって排他的OR
ゲート430の出力COUNTを低く遷移させ、それが
ANDゲート440を介してカウンタ450にカウント
を停止させる。時刻T5で、信号ONが低く遷移し、信
号RAMPは上昇を停止する。
【0086】上述のように、図17(a)に示されたシ
ーケンスによって、カウンタ450は信号IN+,IN
−のアナログ・レベルの差を表すディジタル値を生成す
る。DFFブロック460の出力からの信号SIGNが
低レベルにとどまるということは、ディジタル出力が正
のカウンタ出力値を表しているということを示す。この
方法は、二つの差動アナログ信号の差であるディジタル
出力を達成する一つの方法を提供する。
【0087】図17(b)は、負のカウンタ出力値に関
する回路の機能を説明していることを除き、図17
(a)と同様である。信号レベルは、信号IN+,IN
−のレベルが交換されている以外は、全て図17(a)
の場合と同じである。したがって、時刻T3で、信号R
AMPは、信号IN+のレベルを通過し、もって比較器
401の出力信号CMP+を高く遷移させカウンタ45
0をスタートさせる。時刻T4で、信号RAMPは、信
号IN−のレベルを通過し、これによって比較器401
のCMP+の出力を高く遷移させる。これは、排他的O
Rゲート430の出力COUNTを低く遷移させ、カウ
ンタ450を停止させる。図17(a),(b)間の重
要な差異は、時刻T4で、図17(b)では、DFFブ
ロック460の出力SIGNが高く遷移することであ
る。信号SIGNが高いということは、カウンタ450
からのディジタル値が負のカウンタ出力値を表している
という示唆を論理回路に提供する。
【0088】タイミング図17(a),(b)と合わせ
た図15の実現方法は、一時的な動作のためにオン/オ
フできる発振器の始動回路及び停止機能を示している。
このタイプの一時的な動作は電力消費を最小にするのに
有利である。
【0089】クロック信号発生器のコンポーネントに関
する計算の他に、図15の適用例のシステムと方法によ
るADCの全体的なスケールファクタに関する式を検討
することも有益である。まず第一に、図16の電流発生
器410に関して言うと、いろいろな実施の形態におい
て、アナログ/ディジタル変換器の単一ランプ信号の充
電速度はバイアス回路抵抗器RR、電圧レベルVREF、及
びランプ・コンデンサCRによって設定される。
【0090】関連した単一ランプ充電速度を算出する式
9を下記に示す。
【0091】
【数8】
【0092】図14で例示されたクロック回路420を
例示された単一ランプ電流発生器410と一緒に用いる
場合、全体的なADCスケールファクタは次の式10の
ようになる。
【0093】
【数9】
【0094】上記の式に示されているような、クロック
周期、単一ランプ充電速度、及び全体的なADCスケー
ルファクタに関する関係は二つの重要な効果がある。第
一に、クロック信号の抵抗器及びコンデンサ、並びにA
DCランプ信号発生器の抵抗器及びコンデンサが単一集
積回路で同様な仕方で構成されるならば、装置の特性は
一般に比例的に釣り合い、スケールファクタは製造時の
工程のばらつきから独立する。さらに、上述のように、
スケールファクタを決定した装置動作特性も一般に装置
の設計と製造にしたがって比例的に釣り合うので、回路
が動作しているときにスケールファクタは環境的な変動
から顕著に独立しているということが理解されるであろ
う。
【0095】図18は、調節可能な周波数発振器のブロ
ック図を示す。抵抗器の値及びコンデンサの値は集積回
路の工程によって変わるので、用途によっては、工程の
ばらつきによる公称周波数の変動を該周波数をトリミン
グすることによって制限することが望ましい。普通、こ
れはフューズ又はある種のPROM/EEPROMによ
って行うことができる。レーザーによる抵抗器のトリミ
ングも可能であるが、それほど多く利用されていない。
図18の発振器回路は、図10のものと同様であるが、
周波数調節制御信号FADJUST(2−0)をさらに
含み、バイアス回路110Hがそれを受け取るという点
が異なる。この回路はまた、二つの遅延ブロック120
H1,120H2、及び論理回路300Hを含む。
【0096】図19は、電圧制御型発振器のバイアス回
路の概略図である。電圧制御型発振器はオンチップ発振
器の別のよく見られるものの応用である。このタイプの
回路は周波数を制御するのに電圧入力を必要とする。こ
れは、バイアス抵抗器を直線領域で動作するPMOSト
ランジスタで置き換えることによって電圧制御型抵抗器
として振る舞うことによって達成される。図19に示さ
れているように、バイアス抵抗器がPMOSトランジス
タM3Iに置き換えられており、それが制御信号VCT
Lを受ける。トランジスタM3Iは、普通、直線形又は
三極真空管形の領域で動作する細長いトランジスタであ
る。図19に示されているように、バイアス回路110
IはカレントミラーNMOSトランジスタM1I,M2
Iと、PMOSトランジスタM4Iとを含む。
【0097】図20は、図19のバイアス回路110I
を利用して得られる電圧制御型発振器を示す。図20の
回路構成は、バイアス・ブロック110Iが受ける制御
信号が信号VINであることを除き、図18の回路と同
様である。この回路も二つの遅延ブロック120I1,
120I2と、論理回路300Iとを含む。
【0098】図21は、本発明にしたがって構成される
基本遅延回路50Jの別の実施の形態のブロック図であ
る。回路構成は、図1の遅延回路50の回路構成と同様
である。しかし、図1と異なり、カレントミラー52J
は、図1のカレントミラー52の構成で用いられたもの
と逆の極性のトランジスタを用いて構成されている。し
たがって、カレントミラー52Jは、供給端子で供給電
圧VDDに結合され、その入力は抵抗器R1Jを介して
回路アースに結合されている。その結果、カレントミラ
ーの第一ブランチで電流i1Jが定められる。抵抗器R1
Jとカレントミラー52Jの入力との間の節点が信号V
BIASを決定する。カレントミラー52Jの第二ブラ
ンチは比較器54Jの正側入力に結合されている。信号
RAMPは比較器54Jの正側入力における信号と呼ば
れる。比較器54Jの正側入力はまた、スイッチS1J
を介して接地される。比較器54Jの正側入力はまた、
コンデンサC1Jの第一の端子に結合されている。コン
デンサC1Jの第二の端子は接地されている。スイッチ
S1Jは信号RESETによって制御される。スイッチ
S1J、コンデンサC1J、及びカレントミラー52J
の第二ブランチが全部でランプ回路を形成している。以
下でより詳しく説明するように、比較器54Jの負側入
力は、比較器54Jのトリップ点又はスイッチ点を決定
する信号BIASSIGを受ける。
【0099】ランプ信号は、コンデンサC1Jを電流i
2Jで充電することによって生成される。基準電流i1J
バイアス抵抗器R1Jによって設定される。カレントミ
ラー入力電圧は電圧VBIASに保たれる。こうして、
カレントミラーは、i1J(の倍数)と同一な動作電流i
2Jを出力する。比較器54Jは、コンデンサ信号RAM
Pが比較器54Jの動作を制御するバイアス信号BIA
SSIGによって決定されるスイッチング電圧VSWI
TCHに達したときにトリップ又はスイッチする。比較
器54Jとして、従来の比較器を用いた場合、スイッチ
ング電圧VSWITCHは、信号BIASSIGとして
比較器に供給される基準電圧に等しい。さらに後の方で
述べる別の実施の形態に係る典型例では、信号BIAS
SIGはスイッチング電圧VSWITCHと同じではな
いが、スイッチング電圧VSWITCHは、信号BIA
SSIGに依存又は信号BIASSIGと相互依存す
る。
【0100】遅延時間tdは、リセット信号の降下端か
ら比較器出力(OUT)の上昇端までに経過した時間に
よって定義され、式11で表される。
【0101】
【数10】
【0102】遅延時間tdは、回路パラメータの関数と
して次の式12のように表すことができる。
【0103】
【数11】
【0104】本発明のある態様によると、回路設計によ
って電圧VSWITCH,VBIASが同じ値に近づく
度合いに応じて、その遅延回路によって決定された遅延
時間区間は供給電圧の変動に対して安定化され易くな
る。さらに、電圧VSWITCH,VBIASを等しく
することによって、遅延時間tdは次の式13のよう
に、抵抗器の値、コンデンサの値、及びカレントミラー
比kだけに依存するようになる。
【0105】
【数12】
【0106】このようにして、図1の遅延回路50と同
様に、遅延回路50Jにおける遅延時間が受動コンポー
ネントR1J,C1J、及びカレントミラー比kにのみ
依存するようにされる。さらに、カレントミラー比kに
おけるファクタであるトランジスタが共通の工程で製造
されるときには、それらの動作特性は互いに追従するよ
うになり、遅延回路によって決定された遅延時間区間は
遅延回路の動作温度の変動に対してさらに安定化される
傾向になる。これによって、回路を簡単なトランジスタ
・ステージによって実現しても、供給電圧や温度の変化
によって過大な変動を持ち込まないようにすることがで
きる。さらに、いろいろな実施の形態に係る典型例で
は、受動コンポーネントR1J,C1Jも共通の工程で
製造される。これは、いくつかの遅延回路及びそれらに
関連するタイミング要素が互いに追従することが必要で
ある回路において特に有利である。それらを全て同じ構
成の抵抗器やコンデンサを用いて生成することができる
からである。このように、遅延回路50について前述し
た全ての利点と特徴が遅延回路50Jによって達成され
る。図22は、図21の遅延回路50Jの動作を説明す
るタイミング図を示す。図に示されているように、時刻
T0で、信号RAMPは低く、信号RESETは高い。
時刻T1で、信号RESETは低く遷移し、それによっ
てランプ信号RAMPはグラウンド電圧から直線的な傾
斜で上方へ遷移し始める。時刻T2で、ランプ信号RA
MPは信号レベルVSWITCHに達し、それによって
比較器54Jの出力OUTは低から高へ遷移する。遅延
時間tdは、時刻T2,T1の差に等しい。時刻T3
で、信号RESETは高く遷移し、スイッチS1Jを閉
じ、信号RAMPをグラウンド電圧に結びつける。こう
して、信号RAMPは、グラウンド電圧に向かって下方
に遷移し、時刻T4ではグラウンド電圧に見られる。
【0107】図23は、図21の遅延回路のある実施の
形態の概略図である。図23に示されているように、遅
延回路100Jは、バイアス回路110Jと遅延ブロッ
ク120Jとを含む。遅延ブロック120Jは、本発明
のある態様によるランプ信号発生器210Jと、第1ス
テージ220J及び第2ステージ230Jを有するバイ
アスされるトランジスタ比較器とを含む。
【0108】バイアス回路110Jは、カレントミラー
構成で結合された二つのPMOSトランジスタM1J,
M2Jを含む。カレントミラーの第一のブランチは、供
給電圧VDDから抵抗器R1Jを介して流れる電流i1J
を受ける。カレントミラーの第二のブランチは、NMO
SトランジスタM5Jを介してグラウンド電圧に結合さ
れる。抵抗器R1Jとカレントミラーの第一のブランチ
との間の節点が信号PBIASを決定する。トランジス
タM5J,M2J間の節点が信号NBIASを決定す
る。
【0109】ランプ信号発生器210Jは、PMOSト
ランジスタM3Jを含み、それは信号PBIASによっ
てバイアスされる。トランジスタM3Jは、供給電圧V
DDに結合されると共に、トランジスタM6Jと直列に
結合されて接地する。トランジスタM6Jは信号RST
によって制御される。トランジスタM3Jを通る電流は
2Jと呼ばれる。コンデンサC1JはトランジスタM6
Jと並列に接続される。コンデンサC1Jの節点は信号
RAMPJと呼ばれる。
【0110】比較器の第1ステージ220Jも第2ステ
ージ230Jも、供給電圧VDDとアースとの間に直列
に結合された一つのPMOSトランジスタと一つのNM
OSトランジスタとを含む。第1ステージ220Jで
は、PMOSトランジスタM4Jは信号RAMPJによ
って制御され、一方NMOSトランジスタM7Jは信号
NBIASによってバイアスされる。トランジスタM4
J,M7J間の節点は、第2ステージ230JのPMO
SトランジスタM8Jのゲートに接続されている。トラ
ンジスタM4JとトランジスタM7Jとの間の電流はi
3Jと呼ばれる。第2ステージ230Jはまた、NMOS
トランジスタM9Jを含み、それには信号NBIASに
よってバイアスされる。トランジスタM8J,M9J間
の節点は出力OUTJと呼ばれる。
【0111】図23の回路構成を分析すると、まずバイ
アス電流i1Jは抵抗器R1JとトランジスタM1Jとに
よって定められることが分かる。電圧レベルPBIAS
がトランジスタM1Jをバイアス電流i1Jで駆動するた
めに必要なゲート電圧になる。PMOSトランジスタM
2J(及びM3J)はバイアス電流i1Jをミラーする。
こうして、レベルi1Jにミラーされた電流がまた、NM
OSトランジスタM5Jを流れ、トランジスタM5Jの
動作特性に基づいて信号NBIASを決定する。次に、
信号NBIASは、トランジスタM7J,M9Jに、バ
イアスされるトランジスタ比較器のステージで同じバイ
アス電流をミラーさせる。なお、全てのNMOS及びP
MOSトランジスタがそれぞれ同じ寸法である(k=
1)と仮定している。実際に実施される場合には、電力
を節約するためにバイアスステージはより低い電流で動
作するが、カレントミラー・トランジスタは全て同じ電
流密度で動作する(k>1)。回路の記述を簡単にする
ために、我々はk=1であると仮定する。別のいろいろ
な場合は当業者には明らかであろう。
【0112】ランプ信号発生器210Jでは、トランジ
スタM6Jが導通していないとき、トランジスタM3J
がバイアス電流i1Jに等しい電流i2JでコンデンサC1
Jを充電する。トランジスタM6Jは、アクティブな高
信号RST(図22のRESET)によって駆動される
リセット・スイッチである。
【0113】本発明に係る動作のある態様によると、こ
の遅延回路が式13で議論されたような挙動をするため
には、トランジスタ比較器が電圧PBIASでトリップ
することが必要である。これは、信号NBIASをトラ
ンジスタM7J(及びM9J)に印加することによって
遂行され、同じバイアス電流がさらにバイアスされるト
ランジスタ比較器のステージにおいてトランジスタM1
Jと同じ電流密度でトランジスタM4Jをバイアスする
ためにミラーされる。信号RAMPJが低いとき、トラ
ンジスタM4Jはオンになり、トランジスタM7Jによ
って駆動/制御され(カレントミラー出力)、i3J=i
1Jである。
【0114】コンデンサC1Jが充電するとき、信号R
AMPJは直線的に増加する。信号RAMPJが信号P
BIASと同じ電圧に達すると、トランジスタM4Jが
オフになり、バイアスされるトランジスタ比較器がトリ
ップする。したがって、信号PBIASが図21におけ
る電圧VBIASと同様であり、信号NBIASが図2
1における信号BIASSIGと同様であることが理解
されよう。さらに、この回路構成によると、与えられた
動作特性の組に対して、信号NBIASは信号PBIA
Sによって決定されるということが理解されよう。これ
は本発明による動作の一つの態様を達成する、すなわ
ち、式13の条件を満たすような仕方で比較器のスイッ
チング電圧がバイアス電圧PBIASと同じであること
が保証される。普通、トランジスタM8J,M9Jが第
2ステージを形成して、ゲインを増大し、出力信号OU
TJを整頓にする。
【0115】上述したように、上記のバイアスされるト
ランジスタ比較器は、従来のような比較器ではなく、従
来の基準電圧によって制御されるものではないというこ
とが理解すべきである。したがって、従来の基準電圧回
路は、エネルギーを散逸する抵抗器や独立な回路変型と
共に、不要になる。さらに、比較器のようなスイッチン
グは、一つのバイアスされるトランジスタ(例えば、ト
ランジスタM7J)と一つのスイッチングされるトラン
ジスタ(例えば、トランジスタM4J)というわずかな
コンポーネントで遂行される。したがって、この回路
は、非常に低い供給電圧で動作することができると共
に、非常に高速なスイッチングを可能とする。図21乃
至図23に示された遅延回路の実施の形態は、それぞ
れ、図1乃至図3に示された遅延回路の実施の形態と類
似していることが理解されるであろう。したがって、図
1乃至図3に示された遅延回路の実施の形態に関して、
図6乃至図20で示された遅延回路の実施の形態のいろ
いろな変型や応用は、図21乃至図23に示された遅延
回路の実施の形態に関する類似の変型や応用に対応する
ということは当業者にはただちに明らかであろう。
【0116】図1乃至図3に示された遅延回路の実施の
形態は、ランプ信号発生器及び比較器のステージの入力
にNMOSトランジスタを用いており、比較器のステー
ジをバイアスするカレントミラーにPMOSトランジス
タを用いている。図21乃至図23に示された遅延回路
の実施の形態は、上述のように反対の極性のトランジス
タを用いて実施されている。図1乃至図3の実施の形態
の方が高速の応用に適している。それは、NMOSトラ
ンジスタの方がスピードが速いので比較器の入力に優れ
ており、PMOSトランジスタはカレントミラー(又は
負荷)として用いるのに優れているからである。その結
果、比較器のステージでの伝播の遅れが少なくなるので
より正確な遅延回路が得られる。しかし、図21乃至図
23の実施の形態及び関連した変更や応用は、図1乃至
図20の実施の形態について前述したような低電圧低電
力動作及び安定な動作という全ての利点を備えている。
【0117】図1乃至図23に関して上述した回路の全
部又は一部は、単一の集積回路として全体を製造するの
に適しているということは理解されるであろう。さら
に、図1乃至図23に関して上述した回路は低電圧低電
力動作に特に有利なものであるが、本発明のシステムと
方法による回路は、高い電圧レベルで動作するように製
造されたときにも利点を保持するということは理解され
よう。さらに、より低電圧レベル、例えば1.35ボル
ト、1.5ボルト、3ボルト、又は3.5ボルトなどに
ある低電圧電源からの供給によって動作できる本発明の
システム及び方法による回路の実施の形態は、普通、少
なくとも3倍乃至5倍高い電圧レベルでも動作すること
ができ、電圧レベルの制限は、回路を製造するのに用い
る工程の電圧制限のみである。さらに、ここで述べたい
くつかのコンセプトや回路部は、別々にもいろいろな組
み合わせによっても有利に利用することができ、本発明
の好ましい実施の形態及び限られた数のその他の実施の
形態に係る典型例や変型についても図示して説明した
が、本発明の精神と範囲から逸脱することなくいろいろ
な変更をそれらに加えることができるということは言う
までもない。
【0118】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明に係
る遅延回路によれば、低電圧低電力デバイスで用いられ
るCMOS集積回路用の、供給電圧及び動作温度の妥当
な変動によって比較的影響されない汎用の小型遅延回路
を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の動作原理を説明する基本的な遅延回路
のブロック図である。
【図2】図1の回路構成要素の動作を説明するタイミン
グ図である。
【図3】図1の遅延回路のある実施の形態を示す概略図
である。
【図4】図3の回路構成要素の動作を説明するタイミン
グ図である。
【図5】図3のバイアス回路構成及び遅延回路構成を表
すブロック図である。
【図6】遅延回路で用いられる調節可能な遅延回路の一
つの実施の形態を示す概略図である。
【図7】遅延回路で用いられる調節可能な遅延ブロック
の一つの実施の形態を示す概略図である。
【図8】三つの同期した遅延ブロックを用いた遅延回路
のブロック図である。
【図9】二つの同期した遅延ブロックを用いた遅延回路
のブロック図である。
【図10】二つの遅延ブロックを用いた振動子/クロッ
ク信号発生器のブロック図である。
【図11】図10の発振器論理ブロックのある実施の形
態を示すブロック図である。
【図12】本発明による振動子器/クロック信号発生器
の詳しいブロック図である。
【図13】図10及び図12の振動子/クロック信号発
生器の動作を説明するタイミング図である。
【図14】図12の振動子/クロック信号発生器のある
実施の形態の詳しい概略図である。
【図15】遅延回路を用いるアナログ/ディジタル変換
器の一つの差動チャンネルの論理回路のブロック図であ
る。
【図16】図15の電流発生器のブロック図である。
【図17】(a)は、正のカウンタ出力値での図15の
論理回路の動作を説明するタイミング図であり、(b)
は、負のカウンタ出力値での図15の論理回路の動作を
説明するタイミング図である。
【図18】調節可能な周波数発振器のブロック図であ
る。
【図19】電圧制御型発振器の概略図である。
【図20】図19の電圧制御型発振器を用いる発振器/
クロック回路のブロック図である。
【図21】本発明の動作原理を説明する基本的遅延回路
の別の実施の形態のブロック図である。
【図22】図21の回路構成要素の動作を説明するタイ
ミング図である。
【図23】図21の遅延回路のある実施の形態を示す概
略図である。
【符号の説明】
50,100 遅延回路 52,512,520 カレントミラー 54,401,402,530,540 比較器 110 バイアス回路 120 遅延ブロック 210,525,535 ランプ信号発生器 220 第1ステージ 230 第2ステージ 300,400 論理回路 410 電流発生器 420 振動子/クロック信号発生器 430 排他的ORゲート 440 ANDゲート 450 カウンタ 510 増幅器 515 電流設定回路 525,535 ランプ回路 560 電流源
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5J001 AA04 BB08 BB13 BB14 BB21 BB25 DD05 5J098 AA03 AA11 AA14 AB11 AB13 AB15 AB36 AC04 AC20 AD24 AD26 FA03

Claims (30)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 遅延時間区間を決定する低電圧低電力の
    遅延回路であって、 第一及び第二のバイアス信号を発生するバイアス回路部
    と、 少なくとも一つのコンデンサ、及び該少なくとも一つの
    コンデンサの第一の端子に結合された第一のトランジス
    タを含み、電圧ランプ信号を発生するランプ信号発生器
    部であって、該電圧ランプ信号は、その電圧変化速度が
    該第一のトランジスタの電流レベルによって制御され、
    該第一のトランジスタは、その電流レベルが該第一のバ
    イアス信号によって制御されるように該バイアス回路部
    に結合されたゲートを有するランプ信号発生器部と、 該電圧ランプ信号を受けるべく結合されたゲートを有す
    る第二のトランジスタを含む比較器部であって、該第二
    のトランジスタのゲートにおけるスイッチングしきい値
    電圧が公称で該第一のバイアス電圧レベルと同じであ
    り、該スイッチングしきい値電圧は、該第二のトランジ
    スタに直列に結合されている第三のトランジスタの電流
    レベルによって制御され、該第三のトランジスタは、そ
    の電流レベルが該第二のバイアス信号によって制御され
    るように該バイアス回路部に結合されたゲートを有する
    比較器部とを備え、 該電圧ランプ信号の電圧変化速度と該スイッチングしき
    い値電圧との間の関係を、該遅延回路によって決定され
    た遅延時間区間が正常動作時に該遅延回路に供給される
    供給電圧の変動に対して安定化する傾向になるように、
    該第一及び第二のバイアス信号によって少なくとも部分
    的に制御することを特徴とする遅延回路。
  2. 【請求項2】 該電圧ランプ信号の電圧が該スイッチン
    グしきい値電圧と一致したときに、該第二及び第三のト
    ランジスタ間の回路節点における信号の遷移が該遅延回
    路によって決定された遅延時間区間の最後に行われるこ
    とを特徴とする請求項1記載の遅延回路。
  3. 【請求項3】 該第二及び第三のトランジスタは少なく
    とも一つの動作的に結合されたカスコード・トランジス
    タを介して結合されていることを特徴とする請求項1記
    載の遅延回路。
  4. 【請求項4】 該比較器部は、さらに直列に結合された
    第四及び第五のトランジスタを含み、該第五のトランジ
    スタは、その電流レベルが該第二のバイアス信号によっ
    て制御されるように該バイアス回路部に結合されたゲー
    トを有し、該第四のトランジスタのゲートは該第二及び
    第三のトランジスタ間の回路節点に結合されていること
    を特徴とする請求項1記載の遅延回路。
  5. 【請求項5】 該第四及び第五のトランジスタは、少な
    くとも一つの動作的に結合されたカスコード・トランジ
    スタを介して結合されていることを特徴とする請求項4
    記載の遅延回路。
  6. 【請求項6】 該電圧ランプ信号の電圧が該スイッチン
    グしきい値電圧と一致したときに、該第四及び第五のト
    ランジスタ間の回路節点での信号の遷移が該遅延回路に
    よって決定された遅延時間区間の最後に行われることを
    特徴とする請求項4記載の遅延回路。
  7. 【請求項7】 該ランプ信号発生器部は、さらに、該第
    一のトランジスタと直列に結合されたリセット信号で動
    作するスイッチを含み、該スイッチの第一の端子が該コ
    ンデンサの第一の端子及び該第一のトランジスタに結合
    され、該リセット信号の遷移が該遅延回路によって決定
    された遅延時間区間の最初に行われることを特徴とする
    請求項1記載の遅延回路。
  8. 【請求項8】 該電圧ランプ信号の電圧変化速度を該第
    一のバイアス信号によって少なくとも部分的に制御し、
    該スイッチングしきい値電圧を該第二のバイアス信号に
    よって少なくとも部分的に制御し、該第一及び第二のバ
    イアス信号の関係を、該遅延回路によって決定された遅
    延時間区間が正常動作時に該遅延回路に供給される供給
    電圧の変動に実質的に影響されないように制御すること
    を特徴とする請求項1記載の遅延回路。
  9. 【請求項9】 該バイアス回路部はカレントミラーを含
    み、該カレントミラーは、 少なくとも一つの他の基準肢コンポーネントに直列に結
    合された基準肢トランジスタを含む基準電流肢であっ
    て、該基準肢トランジスタのゲートが、その電圧が該基
    準肢トランジスタを流れる電流によって決定されるよう
    に接続されている基準電流肢と、 該基準肢トランジスタとカレントミラー構成で結合され
    たミラートランジスタと、該ミラートランジスタと直列
    に結合された負荷トランジスタとを含むミラーカレント
    肢であって、該負荷トランジスタのゲートは、その電圧
    が該負荷トランジスタを流れる電流によって決定される
    ように接続されたゲートを有するミラーカレント肢とを
    備え、 該第一のバイアス信号は該基準肢トランジスタのゲート
    に存在する信号であり、該第二のバイアス信号は該負荷
    トランジスタのゲートに存在する信号であることを特徴
    とする請求項8記載の遅延回路。
  10. 【請求項10】 該第一のトランジスタのゲートは該基
    準肢トランジスタのゲートに結合され、該第三のトラン
    ジスタのゲートは該負荷トランジスタのゲートに結合さ
    れ、該ミラートランジスタ、該第一のトランジスタ、及
    び該第二のトランジスタは、p−型及びn−型トランジ
    スタの一方であり、該負荷トランジスタ及び該第三のト
    ランジスタがp−型及びn−型トランジスタの他方であ
    ることを特徴とする請求項9記載の遅延回路。
  11. 【請求項11】 該第三のトランジスタ及び負荷トラン
    ジスタは、所定のゲート電圧に対して互いに同じ電流密
    度で動作するような動作特性を有し、該ミラートランジ
    スタ、該第一のトランジスタ、及び該第二のトランジス
    タは、所定のゲート電圧に対して同じ電流密度で動作す
    るような動作特性を有することを特徴とする請求項10
    記載の遅延回路。
  12. 【請求項12】 該少なくとも一つの他の基準肢コンポ
    ーネントは抵抗器を含み、該基準肢トランジスタは該抵
    抗器の第一の端子に直列に結合されており、該基準肢ト
    ランジスタのゲートは該抵抗器の該第一の端子に接続さ
    れていることを特徴とする請求項9記載の遅延回路。
  13. 【請求項13】 該基準肢トランジスタが少なくとも一
    つの動作的に接続されたカスコード・トランジスタを通
    して該抵抗器の該第一の端子に直列に結合されているこ
    とを特徴とする請求項12記載の遅延回路。
  14. 【請求項14】 該負荷トランジスタは少なくとも一つ
    の動作的に接続されたカスコード・トランジスタを介し
    て該ミラートランジスタに直列に結合されていることを
    特徴とする請求項9記載の遅延回路。
  15. 【請求項15】 該少なくとも一つの動作的に接続され
    たカスコード・トランジスタは該負荷トランジスタと関
    連しており、該負荷トランジスタのゲートは該少なくと
    も一つの動作的に接続されたカスコード・トランジスタ
    と該ミラートランジスタとの間の回路節点に接続されて
    いることを特徴とする請求項14記載の遅延回路。
  16. 【請求項16】 該少なくとも一つの動作的に接続され
    たカスコード・トランジスタは該ミラートランジスタと
    関連しており、該負荷トランジスタのゲートは該負荷ト
    ランジスタと該少なくとも一つの動作的に接続されたカ
    スコード・トランジスタとの間の回路節点に接続されて
    いることを特徴とする請求項14記載の遅延回路。
  17. 【請求項17】 該バイアス回路部は、該遅延回路の遅
    延時間区間を調整するのに使用できる調整可能なバイア
    ス回路を含むことを特徴とする請求項1記載の遅延回
    路。
  18. 【請求項18】 該ランプ信号発生器部は、該遅延時間
    区間を調整するのに使用できる調整可能なランプ信号発
    生器部を含むことを特徴とする請求項1記載の遅延回
    路。
  19. 【請求項19】 該少なくとも一つのコンデンサは、該
    第一のトランジスタに調整可能に結合できる第一の端子
    を有する複数のコンデンサを含むことを特徴とする請求
    項18記載の遅延回路。
  20. 【請求項20】 該遅延回路は、第一の遅延時間区間を
    決定すると共に、さらに、付加的なランプ信号発生器部
    と付加的な比較器部とを含む少なくとも一つの遅延ブロ
    ックを含み、該少なくとも一つの遅延ブロックは少なく
    とも第二の遅延時間区間を決定し、該遅延回路は、該第
    一の遅延時間区間及び該決定された少なくとも第2の遅
    延時間区間の組み合わせに基づいて決定される少なくと
    も一つの信号を提供することを特徴とする請求項1記載
    の遅延回路。
  21. 【請求項21】 該第一の遅延時間区間及び該決定され
    た少なくとも第2の遅延時間区間は、逐次的な遅延時間
    区間であり、該少なくとも一つの信号は少なくとも部分
    的に逐次的な遅延時間区間の累積に基づいて決定される
    ことを特徴とする請求項20記載の遅延回路。
  22. 【請求項22】 該第一の遅延時間区間及び該決定され
    た少なくとも第2の遅延時間区間は、同期した遅延時間
    区間であり、該少なくとも一つの信号は、複数であっ
    て、複数の同期した遅延信号を含むことを特徴とする請
    求項20記載の遅延回路。
  23. 【請求項23】 該第一の遅延時間区間及び該決定され
    た少なくとも第2の遅延時間区間の組み合わせに基づい
    て決定される少なくとも一つの信号が反復クロック信号
    を含むことを特徴とする請求項20記載の遅延回路。
  24. 【請求項24】 該反復クロック信号を、アナログ/デ
    ィジタル変換器におけるディジタル値を決定する基礎と
    してカウントする計数回路を含むことを特徴とする請求
    項23記載の遅延回路。
  25. 【請求項25】 該遅延回路は選択された周期のスター
    ト時に動作を開始し、選択された周期の終わりに動作を
    停止することによって電力を節約するように制御可能で
    あることを特徴とする請求項1記載の遅延回路。
  26. 【請求項26】 該第一のトランジスタは、少なくとも
    一つの動作的に接続されたカスコード・トランジスタを
    介して該コンデンサの該第一の端子に結合されているこ
    とを特徴とする請求項1記載の遅延回路。
  27. 【請求項27】 該電圧ランプ信号の電圧変化速度とス
    イッチングしきい値電圧との関係を、該遅延回路によっ
    て決定された遅延時間区間が正常動作時に該遅延回路に
    供給される供給電圧の変動に実質的に影響されないよう
    に、該第一及び第二のバイアス信号によって少なくとも
    部分的に制御することを特徴とする請求項1記載の遅延
    回路。
  28. 【請求項28】 該第一のトランジスタは該バイアス回
    路部にカレントミラー構成で結合されており、該第三の
    トランジスタも該バイアス回路部にカレントミラー構成
    で結合されていることを特徴とする請求項1記載の遅延
    回路。
  29. 【請求項29】 該第一のトランジスタは、該第一のト
    ランジスタの電流レベルが該第一のバイアス信号によっ
    て制御されるように、該バイアス回路部にカレントミラ
    ー構成で結合されていることを特徴とする請求項1記載
    の遅延回路。
  30. 【請求項30】 遅延時間区間を決定する低電圧低電力
    の遅延回路であって、 第一及び第二のバイアス信号を発生するバイアス回路部
    と、 コンデンサ、及び該コンデンサの第一の端子に結合され
    た第一のトランジスタを含み、電圧ランプ信号を発生す
    るランプ信号発生器部であって、該電圧ランプ信号は、
    その電圧変化速度が該第一のトランジスタの電流レベル
    によって制御され、該第一のトランジスタは、その電流
    レベルが該第一のバイアス信号によって制御されるよう
    に該バイアス回路部に結合されたゲートを有するランプ
    信号発生器部と、 該電圧ランプ信号を受けるべく結合されたゲートを有す
    る第二のトランジスタを含む比較器部であって、該第二
    のトランジスタのゲートにおけるスイッチングしきい値
    電圧が公称で該第一のバイアス信号の電圧レベルと同じ
    であり、該スイッチングしきい値電圧は、該第二のトラ
    ンジスタに結合された第三のトランジスタの電流レベル
    によって制御され、該第三のトランジスタは、その電流
    レベルが該第二のバイアス信号によって制御されるよう
    に該バイアス回路部に結合されたゲートを有する比較器
    部とを備え、 該電圧ランプ信号の電圧変化速度と該スイッチングしき
    い値電圧との間の関係を、該遅延回路によって決定され
    た遅延時間区間が、少なくとも該第一、第二、及び第三
    のトランジスタの動作特性において温度で誘発される変
    動に対して正常動作時に安定化する傾向になるように、
    該第一及び第二のバイアス信号によって少なくとも部分
    的に制御することを特徴とする遅延回路。
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