JP2003178849A - 電気部品用ソケット - Google Patents

電気部品用ソケット

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JP2003178849A
JP2003178849A JP2001378980A JP2001378980A JP2003178849A JP 2003178849 A JP2003178849 A JP 2003178849A JP 2001378980 A JP2001378980 A JP 2001378980A JP 2001378980 A JP2001378980 A JP 2001378980A JP 2003178849 A JP2003178849 A JP 2003178849A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 移動板の移動力が小さくても確実にコンタク
トピンの接触部を電気部品端子との接触位置から退避さ
せることができて、ICソケット外径の小型化を図るこ
とができる電気部品用ソケットを提供する。 【解決手段】 ソケット本体13にコンタクトピン14
が配設され、コンタクトピン14がソケット本体13に
収容された「電気部品」であるICパッケージ12の
「端子」である電極パッドに接触されて電気的に接続さ
れ、コンタクトピン14が移動板16にて押圧されるこ
とにより弾性変形されて電極パッドに離接される「電気
部品用ソケット」において、コンタクトピン14に傾斜
部14dを設け、傾斜部14dを移動板16にて押圧す
ることにより、コンタクトピン14の傾斜部14dより
先端側に設けた接触部14fを、下方に変位させるよう
にした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、半導体装置(以
下「ICパッケージ」という)等の電気部品を着脱自在
に収容する電気部品用ソケット、特に、その電気部品の
端子に離接されるコンタクトピン及びこのコンタクトピ
ンを変位させる移動板等の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来からこの種のICソケットは、予
め、回路基板上に配設され、このICソケットにICパ
ッケージを収容することにより、このICパッケージと
回路基板とを電気的に接続するようにしている。
【0003】そのICパッケージとしては、例えば方形
板状のパッケージ本体の下面に多数の電極パッドが設け
られたLGA(Land Grid Array)タイプのものがあ
る。
【0004】そして、そのICパッケージがICソケッ
トに保持された状態で、ICパッケージの多数の電極パ
ッドが、ICソケットのコンタクトピンの接触部に接触
されることにより、そのICパッケージの各電極パッド
と回路基板とが各コンタクトピンにて電気的に接続され
るようになっている。
【0005】かかるLGA用のICソケットにおける電
極パッドとコンタクトピンの接触は、例えば図11に概
略的に示すように、コンタクトピン1の上端部の接触部
1aをフローティングプレート2の上面から所定高さ突
出させておき、ICパッケージ3の電極パッド4をコン
タクトピン1の位置に合わせて、このICパッケージ3
を置き、上方からこのICパッケージ3を押圧すること
により、接触させるようにしたものがあった。
【0006】しかし、かかるコンタクトピン1は図11
では簡略化して棒状に表しているが、実際は複数の部品
から構成されており高価であると共に、接圧も大きく成
り過ぎるという問題点があった。
【0007】この問題を解決するために、特公平6−7
5415号公報に開示されたように、下部をベースに固
定し、上部をフローティングプレートの挿通孔に挿通し
て、略直立状に設けたコンタクトピンの中間部を移動板
によって水平方向にスライドさせることにより、コンタ
クトピンの上端部をフローティング上面から待避させて
おき、ICパッケージをフローティングプレート上に載
置した後、移動板を元の方向へ戻し、コンタクトピン上
端部を原位置側へ復帰させて電極パッドとコンタクトピ
ンとの接触を図るものがあった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来のものにあっては、コンタクトピンの延長方向
と移動板の移動方向とが、互いに直交しているため、所
定のコンタクトピンの鉛直方向の移動量(退避量)を確
保するのに移動板の水平方向移動量を大きく取らなけれ
ばならず、ICソケットが大型化してしまったり、コン
タクトピンを弾性変形させるために大きな力が必要とな
るといった問題点があった。すなわち、図10に示すよ
うに、コンタクトピン1の接触部1aの上下方向の移動
量(退避量)を例えば1に設定すると、コンタクトピン
接触部1aの水平方向の移動量が5となり、移動板の移
動量が大きく、それだけICソケットが大型化すると共
に、スライドプレートを移動させるのに大きな力が必要
となる。
【0009】そこで、移動板の移動力が小さくても確実
にコンタクトピンの接触部を電気部品端子との接触位置
から退避させることができて、ICソケット外径の小型
化及びスライドプレートを移動させる力を低減できる電
気部品用ソケットを提供することを課題としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】かかる課題を達成するた
めに、請求項1に記載の発明は、ソケット本体にコンタ
クトピンが配設され、該コンタクトピンが前記ソケット
本体に収容された電気部品の端子に接触されて電気的に
接続され、前記コンタクトピンが移動板にて押圧される
ことにより弾性変形されて前記電気部品端子に離接され
る電気部品用ソケットにおいて、前記コンタクトピンに
傾斜部を設け、該傾斜部を前記移動板にて押圧すること
により、前記コンタクトピンの傾斜部より先端側に設け
た接触部を、下方に変位させるようにした電気部品用ソ
ケットとしたことを特徴とする。
【0011】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の構成に加え、前記移動板は、斜め下方に移動可能に設
けられ、前記コンタクトピン傾斜部を斜め下方に押圧す
るようにしたことを特徴とする。
【0012】請求項3に記載の発明は、請求項2に記載
の構成に加え、前記ソケット本体に対して操作部材が上
下動自在に設けられると共に、前記移動板が前記ソケッ
ト本体に対して平行リンク機構により連結され、前記操
作部材を上下動させることにより、前記移動板に横方向
の力を作用させて前記平行リンク機構にて該移動板を平
行運動させ、前記移動板を斜め下方に移動可能としたこ
とを特徴とする。
【0013】請求項4に記載の発明は、請求項3に記載
の構成に加え、前記平行リンク機構は、当該リンク部材
と移動板との連結点を、当該リンク部材と前記ソケット
本体との連結点より低い位置に設定したことを特徴とす
る。
【0014】請求項5に記載の発明は、請求項2乃至4
の何れか一つに記載の構成に加え、前記コンタクトピン
の傾斜部の傾斜方向と、前記移動板の斜め下方向への移
動する移動方向とが略直交していることを特徴とする。
【0015】請求項6に記載の発明は、請求項2乃至5
の何れか一つに記載の構成に加え、前記移動板が初期位
置にある状態で、該移動板の押圧部にて前記コンタクト
ピンの傾斜部を斜め下方に押圧して弾性変形させること
により、該コンタクトピンに予圧をかけるように設定し
ていることを特徴とする。
【0016】請求項7に記載の発明は、請求項2乃至6
の何れか一つに記載の構成に加え、前記コンタクトピン
の先端部側が、略「く」の字状に折曲され、該くの字の
折曲点より上側の折曲部が、前記コンタクトピン傾斜部
の倒れる方向と反対側に倒れるように傾斜していること
を特徴とする。
【0017】請求項8に記載の発明は、請求項7に記載
の構成に加え、前記コンタクトピンの折曲部が挿入され
るフローティングプレートの挿通孔の内壁部を、前記コ
ンタクトピン折曲部の傾斜角と略同一の傾斜角としたこ
とを特徴とする。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態につ
いて説明する。
【0019】[発明の実施の形態1]図1乃至図8に
は、この発明の実施の形態1を示す。
【0020】まず構成を説明すると、図中符号11はI
Cソケットで、このICソケット11は、ICパッケー
ジ12の性能試験を行うために、このICパッケージ1
2の「端子」である電極パッドと、図示省略のIC試験
装置側の回路基板との電気的接続を図るものである。
【0021】このICパッケージ12は、いわゆるLG
A(Land Grid Array)と称されるもので、方形板状の
パッケージ本体12aの下面に多数の電極パッドがマト
リックス状に設けられている。
【0022】一方、ICソケット11は、大略すると、
バーンインボード等の回路基板上に装着されるソケット
本体13を有し、このソケット本体13には、電極パッ
ドに接触されるコンタクトピン14が配設されている。
【0023】そのソケット本体13には、図5に示すよ
うに、コンタクトピン14を弾性変形させる移動板16
が斜め下方(図5中矢印A方向)に移動自在に配設さ
れ、この移動板16の上側には、ICパッケージ12が
載置されるフローティングプレート17がスプリング1
8にて上方に付勢された状態で上下動自在に配設され、
更に、図1〜図3に示すように、その移動板16を斜め
方向にスライドさせる操作部材19がソケット本体13
に対して上下動自在に配設されている。
【0024】そのコンタクトピン14は、バネ性を有
し、導電性に優れた板材がプレス加工により図6に示す
ような形状に形成されている。
【0025】詳しくは、このコンタクトピン14は、下
側に基部14aが設けられ、この基部14aがソケット
本体13の貫通孔13aに圧入されて固定されると共
に、このソケット本体13から下方にリード部14bが
延長され、このリード部14bが図示省略の回路基板に
接続されるようになっている。
【0026】また、このコンタクトピン14には、その
鉛直方向に沿う基部14aの上側にR形状部14cを介
して図6,図8中右方向に傾斜する傾斜部14dが形成
されると共に、先端部(上端部)側が、略「く」の字状
に折曲され、この「く」の字の折曲点Xより上側の折曲
部14eが、傾斜部14dの倒れる方向と反対側に倒れ
るように傾斜している。この折曲部14eの先端が、I
Cパッケージ12の電極パッドに当接されて接触される
接触部14fとなっている。
【0027】一方、移動板16は、図5に示すように、
ソケット本体13に対して平行リンク機構により連結さ
れ、操作部材19を上下動させることにより、その移動
板16に横方向の外力を作用させて平行リンク機構にて
移動板16を平行運動させることにより、移動板16が
斜め下方に移動可能とされている。
【0028】すなわち、平行リンク機構は、図5に示す
ように、移動板16の左右両側に一対づつ計4つの略長
円形状のリンク部材20が設けられ、これらリンク部材
20の上部が本体側連結軸21(連結点)により、ソケ
ット本体13に立設されたポスト部13bに回動自在に
連結され、又、そのリンク部材20の下部が移動板側連
結軸22(連結点)により、移動板16に回動自在に連
結されている。これにより移動板16が、ソケット本体
13に平行運動するように支持されている。
【0029】そして、リンク部材20と移動板16との
移動板側連結軸22(連結点)が、当該リンク部材20
とソケット本体13との本体側連結軸21(連結点)よ
り低い位置に設定されている。
【0030】また、この移動板16は、操作部材19を
上下動させることにより、図2及び図7に示すX字形リ
ンク24を介してスライドされるようになっており、こ
の移動板16には、図6及び図8に示すように、コンタ
クトピン14の傾斜部14dを斜め下方に押圧して弾性
変形させる押圧部16aが形成されている。
【0031】さらに、フローティングプレート17は、
ICパッケージ12が上側に載置される載置面部17a
を有すると共に、ICパッケージ12を所定の位置に位
置決めするガイド部17bが図6に示すようにICパッ
ケージ12の周縁部に対応して設けられている。
【0032】そのX字形リンク24は、四角形の移動板
16の移動方向に沿う両側面部に対応して配設されてい
る。
【0033】具体的には、このX字形リンク24は、図
7に示すように、第1リンク部材23と第2リンク部材
25とを有し、これらが中央連結ピン27にて回動自在
に連結されている。
【0034】そして、この第1リンク部材23の下端部
23aが、図2及び図7に示すように、ソケット本体1
3に下端連結ピン29にて回動自在に連結される一方、
第2リンク部材25の下端部25aが、移動板16の移
動方向に沿う側面部の一方の端部に下端連結ピン30に
て回動自在に連結されている。また、これら第1,第2
リンク部材23,25の上端部23b,25bが操作部
材19に上端連結ピン33,34にて回動自在に連結さ
れている。この第1リンク部材23の上端部23bには
長孔23cが設けられ、この長孔23cを介して、上端
連結ピン33により、第1リンク部材23が操作部材1
9に連結されている。
【0035】さらに、下端連結ピン30は、図5及び図
6に示すように、遊挿孔16bに挿通されて上下方向に
移動可能となっている。
【0036】そして、操作部材19が最上昇位置(初期
位置)では、図5に示すように、リンク部材20は、鉛
直方向に対して所定の角度だけ傾けて配置され、この位
置から操作部材19が下降されることにより、X字形リ
ンク24を介して、下端連結ピン30が矢印B方向に移
動し、この力により、リンク部材20が反時計回り(矢
印C方向)に回転する。
【0037】これで、移動板16が斜め下方に移動され
るようになっている。この移動板16の斜め下方向に移
動する移動方向と、コンタクトピン14の傾斜部14d
の傾斜方向とは略直交している。
【0038】なお、その移動板16は初期位置で、この
移動板16の押圧部16aにてコンタクトピン14の傾
斜部14dを斜め下方に押圧して弾性変形させることに
より、このコンタクトピン14に予圧をかけるように設
定されている。
【0039】また、フローティングプレート17には、
図6に示すように、コンタクトピン14の折曲部14e
が挿入される挿通孔17cが形成され、この挿通孔17
cの内壁部17dが、コンタクトピン14の折曲部14
eの傾斜角と略同一の傾斜角に形成されている。
【0040】さらに、操作部材19は、図1等に示すよ
うに、ICパッケージ12が挿入可能な大きさの開口1
9aを有し、この開口19aを介してICパッケージ1
2が挿入されて、フローティングプレート17の載置面
部17a上の所定位置に載置されるようになっている。
また、この操作部材19は、ソケット本体13に対して
上下動自在に配設され、スプリング36により上方に付
勢されると共に、一対の開閉部材38を回動させる図示
省略の作動部が形成されている。
【0041】これら一対の開閉部材38には、図1及び
図3に示すように、ICパッケージ12のチップ部に当
接してこの部分の熱を放散させるヒートシンク40が配
設されている。このヒートシンク40は、例えばアルミ
ダイキャスト製で、熱伝導率が良好なものである。
【0042】さらに、ソケット本体13にはラッチ部材
41が回動自在に設けられ、このラッチ部材41に開閉
部材38が係止されることにより、この開閉部材38の
閉状態が維持されるようになっている。
【0043】次に、このように構成されたICソケット
11の動作について説明する。
【0044】まず、ICパッケージ12をICソケット
11にセットするには、操作部材19を下方に押し下げ
る。
【0045】すると、X字形リンク24にて下端連結ピ
ン30が図5中矢印B方向に移動されることにより、移
動板16に矢印B方向の力が作用する。この力により、
移動板16は、リンク部材20を介して平行運動を行
い、リンク部材20が反時計回りに回転することによ
り、移動板16は斜め下方(矢印A方向)に移動する。
【0046】これにより、この移動板16の押圧部16
aにてコンタクトピン14の傾斜部14dが斜め下方に
押圧されて弾性変形され、コンタクトピン折曲部14e
がフローティングプレート17の載置面部17aから下
方に退避される。
【0047】このようにコンタクトピン14に傾斜部1
4dを形成し、この傾斜部14dを移動板16の押圧部
16aで押圧したため、コンタクトピン14を退避させ
るのに必要な移動板16の水平方向の移動量を少なくす
ることができ、ICソケット11の外形の小型化及び操
作部材19に対する操作力の低減を図ることができる。
【0048】すなわち、図10に示すように、コンタク
トピン14の上下方向の移動量(退避量)を例えば1と
すると、移動板16の水平方向の移動量が0.9とな
り、従来と比較すると水平方向の移動量が極めて小さく
なり、それだけICソケット11の小型化を図ることが
できる。
【0049】また、この押圧時には、移動板16を斜め
下方に移動させて、コンタクトピン傾斜部14dを斜め
下方に押圧するようにしているため、退避させるのに必
要な移動板16の水平方向の移動量をより少なくできる
ので、コンタクトピン14を弾性変形させるのに必要な
操作力を小さくすることができる。
【0050】さらに、その移動板16を平行リンク機構
にて、平行運動させることにより、より確実に、且つ、
円滑に移動させることができる。
【0051】しかも、平行リンク機構は、リンク部材2
0と移動板16との本体側連結軸21(連結点)を、リ
ンク部材20とソケット本体13との移動板側連結軸2
2(連結点)より低い位置に設定したため、リンク部材
20と移動板16との本体側連結軸21を、リンク部材
20とソケット本体13との移動板側連結軸22より高
い位置に設定した場合に比べて、移動板16を水平方向
に移動させるために必要な水平力P(下端連結ピン30
からの力)を低減できる。
【0052】すなわち、この実施の形態の作用の説明を
図8に、又、連結点の取付関係を上下逆転させた他の実
施の形態の作用の説明を図9に示し、両者を比較して、
図8に示す実施の形態の方が水平力Pを低減できること
を以下に説明する。
【0053】多数のコンタクトピン14からの反力F及
び水平力P(下端連結ピン30からの力)が移動板側連
結軸22に作用しており、その反力Fは、リンク部材2
0を時計回りに回動させようとする力F1成分と、リン
ク部材20軸方向に沿うF2成分とに分解される。ま
た、水平力Pは、リンク部材20を反時計回りに回動さ
せようとする力P1成分と、リンク部材20軸方向に沿
うP2成分とに分解される。この場合、力のつり合いか
ら力F1と力P1とは等しい。従って、リンク部材20
を図8の(a),(b),(c)の順で、リンク部材2
0を反時計回りに回動させて行くと、本来、反力Fは大
きく成って行くが、ここでは、反力Fを一定と考え、水
平力Pの大きさの変化を見ると、水平力Pは徐々に小さ
くなっていることが分かる。
【0054】これに対して、図9に示す他の実施の形態
では、図9の(a),(b),(c)の順で、リンク部
材20を時計回りに回動させて行くと、水平力Pは大き
くなっていることが分かる。
【0055】また、コンタクトピン14の傾斜部14d
の傾斜方向と、移動板16の斜め下方向に移動する移動
方向とが略直交しているため、力の損失が無く、最も効
率的にコンタクトピン14を押圧できる。
【0056】なお、コンタクトピン14の基部14aと
傾斜部14dとの間にR形状部14cを設け、このR形
状部14cの基部14a側の端部をソケット本体13の
上面に合わせるように、コンタクトピン14をソケット
本体13に取り付けると、応力緩和が図られてコンタク
トピン14の作動耐久性を向上させることができる。
【0057】また、そのコンタクトピン14の先端部側
が、略「く」の字状に折曲され、このくの字の折曲点X
より上側の折曲部14eが、コンタクトピン傾斜部14
dの倒れる方向と反対側に倒れるように傾斜しているた
め、コンタクトピン14の先端部がフローティングプレ
ート17の挿通孔17cの内壁部17dに引っ掛かるこ
となく上下動させることができる。
【0058】しかも、その挿通孔17cの内壁部17d
が、コンタクトピン折曲部14eの傾斜角と略同一の傾
斜角とされているため、挿通孔17cのフローティング
プレート17の上面側の孔径を小さくすることができ、
ゴミ、半田屑等の異物の侵入を抑制することができる。
【0059】また、これと同時に、操作部材19の下降
により、ラッチ部材41が開閉部材38から外れ、これ
ら開閉部材38が回動して開かれる。そして、操作部材
19の下降限位置では、ICパッケージ12の挿入範囲
から開閉部材38が待避することとなる(図4参照)。
【0060】この状態で、ICパッケージ12がフロー
ティングプレート17の載置面部17a上に、ガイド部
17bにガイドされて所定位置に載置され、ICパッケ
ージ12の各電極パッドが、フローティングプレート1
7の各挿通孔17cに対応した位置に配置される。
【0061】その後、操作部材19の下方への押圧力を
解除すると、この操作部材19がスプリング36の付勢
力で、上昇されることにより、開閉部材38が閉じられ
てICパッケージ12が押圧されると共に、ラッチ部材
41が開閉部材38に係止されて、開閉部材38の閉状
態が維持される。
【0062】そして、操作部材19が上昇されることに
より、コンタクトピン14の弾性力にて、その移動板1
6が斜め上方に移動され、コンタクトピン接触部14f
が、ICパッケージ12の電極パッドに接触されて電気
的に接続される。
【0063】この際には、予めコンタクトピン14に予
圧をかけてあるので、移動板16の移動量を少なくして
も所定の接圧を得ることができる。
【0064】このようにして、ICパッケージ12の電
極パッドと基板とがコンタクトピン14を介して電気的
に接続されることとなる。
【0065】なお、上記実施の形態では、移動板を斜め
下方に移動させるようにしているが、これに限らず、水
平方向又は垂直方向に移動させてコンタクトピン傾斜部
を押圧して接触部を退避させるようにすることもでき
る。また、上記実施の形態では、平行リンク機構により
移動板を斜め下方に移動させるようにしているが、これ
に限らず、他の機構により移動させるようにしても良い
ことは勿論である。
【0066】
【発明の効果】以上説明してきたように、請求項1に記
載の発明によれば、コンタクトピンに傾斜部を設け、こ
の傾斜部を移動板にて押圧することにより、コンタクト
ピンの傾斜部より先端側に設けた接触部を、下方に変位
(退避)させるようにしたため、コンタクトピンを退避
させるのに必要な移動板の水平方向の移動量を少なくす
ることができ、ICソケット外形の小型化及びコンタク
トピンを弾性変形させるための移動板の操作力の低減を
図ることができる。
【0067】請求項2に記載の発明によれば、上記効果
に加え、移動板は、斜め下方に移動可能に設けられ、コ
ンタクトピン傾斜部を斜め下方に押圧するようにしたた
め、コンタクトピン接触部を退避させるのに必要な移動
板の水平方向の移動量をより少なくできる。
【0068】請求項3に記載の発明によれば、上記効果
に加え、ソケット本体に対して操作部材が上下動自在に
設けられると共に、移動板がソケット本体に対して平行
リンク機構により連結され、操作部材を上下動させるこ
とにより、移動板に横方向の外力を作用させて平行リン
ク機構にて該移動板を平行運動させることにより、移動
板を斜め下方に移動可能としたため、移動板の移動動作
を円滑に行うことができる。
【0069】請求項4に記載の発明によれば、上記効果
に加え、平行リンク機構は、当該リンク部材と移動板と
の連結点を、当該リンク部材とソケット本体との連結点
より低い位置に設定したため、移動板を水平方向に移動
させるために必要な力を低減できる。
【0070】請求項5に記載の発明によれば、上記効果
に加え、コンタクトピンの傾斜部の傾斜方向と、移動板
の斜め下方向に移動する移動方向とが略直交しているた
め、力の損失が無く、最も効率的にコンタクトピンを押
圧できる。
【0071】請求項6に記載の発明によれば、上記効果
に加え、移動板が初期位置にある状態で、この移動板の
押圧部にてコンタクトピンの傾斜部を斜め下方に押圧し
て弾性変形させることにより、このコンタクトピンに予
圧をかけるように設定しているため、予めコンタクトピ
ンに予圧をかけてあるので、移動板のスライド量を少な
くしても所定の接圧を得ることができる。
【0072】請求項7に記載の発明によれば、上記効果
に加え、コンタクトピンの先端部側が、略「く」の字状
に折曲され、該くの字の折曲点より上側の折曲部が、コ
ンタクトピン傾斜部の倒れる方向と反対側に倒れるよう
に傾斜しているため、コンタクトピンの先端部がフロー
ティングプレートの内壁部に引っ掛かることなく上下動
できる。
【0073】請求項8に記載の発明によれば、上記効果
に加え、コンタクトピンの折曲された先端部が挿入され
るフローティングプレートの挿通孔の内壁部を、コンタ
クトピン先端部の折曲部の傾斜角と略同一の傾斜角とし
たため、挿通孔のフローティングプレート上面側の孔径
を小さくすることができ、ゴミ、半田屑等の異物の侵入
を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態に係るICソケットの平
面図で、上半分は開閉部材を開いた状態、下半分は開閉
部材を閉じた状態の平面図である。
【図2】同実施の形態に係るICソケットの正面図であ
る。
【図3】同実施の形態に係る図1の右側面図である。
【図4】同実施の形態に係る操作部材を押し下げた状態
を示す正面図である。
【図5】同実施の形態に係る移動板、フローティングプ
レート及びリンク部材等を示す正面図である。
【図6】同実施の形態に係るコンタクトピン、移動板及
びフローティングプレート等を示す断面図である。
【図7】同実施の形態に係るX字形リンクの作用を示す
説明図である。
【図8】同実施の形態に係る移動板やリンク部材等の作
用を示す概略説明図である。
【図9】他の実施の形態に係る図8に相当する概略説明
図である。
【図10】この発明及び従来例のコンタクトピンの動き
等を示す説明図である。
【図11】従来例を示す概略図である。
【符号の説明】
11 ICソケット 12 ICパッケージ(電気部品) 12a パッケージ本体 13 ソケット本体 14 コンタクトピン 14a 基部 14b リード部 14c R形状部 14d 傾斜部 14e 折曲部 14f 接触部 16 移動板 16a 押圧部 17 フローティングプレート 17a 載置面部 17c 挿通孔 17d 内壁部 19 操作部材 20 リンク部材 21 本体側連結軸(連結点) 22 移動板側連結軸(連結点)
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成15年1月17日(2003.1.1
7)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項1
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項3
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項4
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正内容】
【0010】
【課題を解決するための手段】かかる課題を達成するた
めに、請求項1に記載の発明は、ソケット本体にコンタ
クトピンが配設され、該コンタクトピン前記ソケット
本体に収容された電気部品の端子に接触される接触部が
形成され、前記コンタクトピンがソケット本体に対して
移動可能に形成された移動板にて押圧されることにより
弾性変形されて前記接触部が変位される電気部品用ソケ
ットにおいて、前記コンタクトピンに傾斜部を設け、該
傾斜部を前記移動板にて押圧することにより、前記コン
タクトピンの接触部を変位させるようにした電気部品用
ソケットとしたことを特徴とする。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正内容】
【0012】請求項3に記載の発明は、請求項2に記載
の構成に加え、前記ソケット本体に対して操作部材が上
下動自在に設けられると共に、前記移動板が前記ソケッ
ト本体に対して平行リンク機構により連結され、前記操
作部材を上下動させることにより、前記平行リンク機構
にて前記移動板を前記ソケット本体に対して斜め下方に
移動可能としたことを特徴とする。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正内容】
【0013】請求項4に記載の発明は、請求項3に記載
の構成に加え、前記平行リンク機構は、前記移動板と前
記ソケット本体とに回転可能に連結されるリンク部材に
よって形成され、当該リンク部材と前記移動板との連結
点を、当該リンク部材と前記ソケット本体との連結点よ
り低い位置に設定したことを特徴とする。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0066
【補正方法】変更
【補正内容】
【0066】
【発明の効果】以上説明してきたように、請求項1に記
載の発明によれば、コンタクトピンに傾斜部を設け、こ
の傾斜部を移動板にて押圧することにより、コンタクト
ピンの接触部を変位(退避)させるようにしたため、コ
ンタクトピンを退避させるのに必要な移動板の水平方向
の移動量を少なくすることができ、ICソケット外形の
小型化及びコンタクトピンを弾性変形させるための移動
板の操作力の低減を図ることができる。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0068
【補正方法】変更
【補正内容】
【0068】請求項3に記載の発明によれば、上記効果
に加え、ソケット本体に対して操作部材が上下動自在に
設けられると共に、移動板がソケット本体に対して平行
リンク機構により連結され、操作部材を上下動させるこ
とにより、平行リンク機構にて移動板をソケット本体に
対して斜め下方に移動可能としたため、移動板の移動動
作を円滑に行うことができる。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0069
【補正方法】変更
【補正内容】
【0069】請求項4に記載の発明によれば、上記効果
に加え、平行リンク機構は、前記移動板と前記ソケット
本体とに回転可能に連結されるリンク部材によって形成
され、当該リンク部材と前記移動板との連結点を、当該
リンク部材とソケット本体との連結点より低い位置に設
定したため、移動板を水平方向に移動させるために必要
な力を低減できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2G003 AG01 AG12 AH07 2G011 AC14 AC21 AF02 5E024 CA18 CB04

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ソケット本体にコンタクトピンが配設さ
    れ、該コンタクトピンが前記ソケット本体に収容された
    電気部品の端子に接触されて電気的に接続され、前記コ
    ンタクトピンが移動板にて押圧されることにより弾性変
    形されて前記電気部品端子に離接される電気部品用ソケ
    ットにおいて、 前記コンタクトピンに傾斜部を設け、該傾斜部を前記移
    動板にて押圧することにより、前記コンタクトピンの傾
    斜部より先端側に設けた接触部を、下方に変位させるよ
    うにしたことを特徴とする電気部品用ソケット。
  2. 【請求項2】 前記移動板は、斜め下方に移動可能に設
    けられ、前記コンタクトピン傾斜部を斜め下方に押圧す
    るようにしたことを特徴とする請求項1記載の電気部品
    用ソケット。
  3. 【請求項3】 前記ソケット本体に対して操作部材が上
    下動自在に設けられると共に、前記移動板が前記ソケッ
    ト本体に対して平行リンク機構により連結され、前記操
    作部材を上下動させることにより、前記移動板に横方向
    の力を作用させて前記平行リンク機構にて該移動板を平
    行運動させ、前記移動板を斜め下方に移動可能としたこ
    とを特徴とする請求項2記載の電気部品用ソケット。
  4. 【請求項4】 前記平行リンク機構は、当該リンク部材
    と移動板との連結点を、当該リンク部材と前記ソケット
    本体との連結点より低い位置に設定したことを特徴とす
    る請求項3記載の電気部品用ソケット。
  5. 【請求項5】 前記コンタクトピンの傾斜部の傾斜方向
    と、前記移動板の斜め下方向への移動方向とが略直交し
    ていることを特徴とする請求項2乃至4の何れか一つに
    記載の電気部品用ソケット。
  6. 【請求項6】 前記移動板が初期位置にある状態で、該
    移動板の押圧部にて前記コンタクトピンの傾斜部を斜め
    下方に押圧して弾性変形させることにより、該コンタク
    トピンに予圧をかけるように設定していることを特徴と
    する請求項1乃至5の何れか一つに記載の電気部品用ソ
    ケット。
  7. 【請求項7】 前記コンタクトピンの先端部側が、略
    「く」の字状に折曲され、該くの字の折曲点より上側の
    折曲部が、前記コンタクトピン傾斜部の倒れる方向と反
    対側に倒れるように傾斜していることを特徴とする請求
    項1乃至6の何れか一つに記載の電気部品用ソケット。
  8. 【請求項8】 前記コンタクトピンの折曲部が挿入され
    るフローティングプレートの挿通孔の内壁部を、前記コ
    ンタクトピン折曲部の傾斜角と略同一の傾斜角としたこ
    とを特徴とする請求項7記載の電気部品用ソケット。
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WO2018199403A1 (ko) * 2017-04-28 2018-11-01 아주야마이찌 전기공업(주) 반도체 장치 검사용 소켓

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