JP2003177569A - 画像形成方法 - Google Patents

画像形成方法

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JP2003177569A
JP2003177569A JP2002372136A JP2002372136A JP2003177569A JP 2003177569 A JP2003177569 A JP 2003177569A JP 2002372136 A JP2002372136 A JP 2002372136A JP 2002372136 A JP2002372136 A JP 2002372136A JP 2003177569 A JP2003177569 A JP 2003177569A
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wax
molecular weight
weight
toner
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JP2002372136A
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English (en)
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Hirohide Tanigawa
博英 谷川
Masaki Uchiyama
正喜 内山
Shinji Doi
信治 土井
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Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐ブロッキング性を損なわずに、定着性、耐
オフセット性を向上でき、画像濃度の高いかぶりのない
画像が低消費量で得られる静電荷像現像用トナーを用い
た画像形成方法を提供することにある。 【解決手段】 本発明は、少なくとも結着樹脂及びワッ
クスを含有する静電荷像現像用トナーにおいて、該ワッ
クスは、1.5以下の重量平均分子量/数平均分子量
(Mw/Mn)を有していることを特徴とする静電荷像
現像用トナーを用いた画像形成方法に関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真法、静電
記録法、磁気記録法に用いられる静電荷像現像用トナー
を使用する画像形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真法としては米国特許第
2,297,691号明細書、特公昭42−23910
号公報及び特公昭43−24748号公報等に記載され
ている如く多数の方法が知られているが、一般には光導
電性物質を利用し、種々の手段により感光体上に電気的
潜像を形成し、次いで該潜像をトナーを用いて現像し、
必要に応じて紙等の転写材にトナー画像を転写した後、
加熱、圧力、加熱加圧或いは溶剤蒸気などにより定着し
複写物を得るものであり、そして感光体上に転写せず残
ったトナーは種々の方法でクリーニングされ、上述の工
程が繰り返される。
【0003】近年このような複写装置は、単なる一般に
いうオリジナル原稿を複写するための事務処理用複写機
というだけでなく、コンピュータの出力としてのプリン
ター或いは個人向けのパーソナルコピーという分野で使
われ始めた。
【0004】そのため、より小型、より軽量そしてより
高速、より高信頼性が厳しく追求されてきており、機械
は種々な点でよりシンプルな要素で構成されるようにな
ってきている。その結果、トナーに要求される性能はよ
り高度になり、トナーの性能向上が達成できなければよ
りすぐれた機械が成り立たなくなってきている。
【0005】定着補助成分としてトナーにワックスを含
有させることは知られている。例えば、特開昭52−3
304号公報、特開昭52−3305号公報、特開昭5
7−52574号公報等の技術が開示されている。
【0006】特開平3−50559号公報、特開平2−
79860号公報、特開平1−109359号公報、特
開昭62−14166号公報、特開昭61−27355
4号公報、特開昭61−94062号公報、特開昭61
−138259号公報、特開昭60−252361号公
報、特開昭60−252360号公報及び特開昭60−
217366号公報には、ワックス類を含有させる技術
が開示されている。
【0007】ワックス類は、トナーの低温時や高温時の
耐オフセット性の向上や、低温時の定着性の向上のため
に用いられている。
【0008】しかしながら、十分な低温定着性と耐ブロ
ッキング性を満足させることは困難である。
【0009】一方、電子写真技術を用いたプリンタや複
写機において、感光体(静電荷像保持体)表面を一様に
帯電する手段として或いは感光体表面上のトナー像を転
写する手段として、コロナ放電器が一般に広く用いられ
てきたが、感光体表面に直接帯電部材を、直接或いは記
録材を介して接触或いは押圧しながら外部から電圧を印
加して直接帯電・転写する方法が研究開発され、実用化
されつつある。
【0010】例えば、特開昭63−149669号公報
や特開平2−123385号公報が提案されている。こ
れらは、接触帯電方法や接触転写方法に関するものであ
るが、静電荷像保持体に導電性弾性ローラーを当接し、
該導電性ローラーに電圧を印加しながら該静電荷像保持
体を一様に帯電し、次いで露光・現像工程によってトナ
ー像を得た後、該静電荷像保持体に、電圧を印加した別
の導電性弾性ローラーを押圧しながらその間に転写材を
通過させ、該静電荷像保持体上のトナー画像を転写材に
転写した後、定着工程を経て複写画像を得ている。
【0011】このような工程に於いては、トナーを帯電
部材によって感光体上に押し付ける為、トナーが融着し
やすく定着性を向上させるワックスを用いた場合などは
その傾向が強まる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上述
のごとき問題点を解決した静電荷像現像用トナーを用い
た画像形成方法を提供することにある。
【0013】本発明の目的は、低温時の定着性、耐オフ
セット性に優れた静電荷像現像用トナーを用いた画像形
成方法を提供することにある。
【0014】本発明の目的は、耐ブロッキング性に優れ
る静電荷像現像用トナーを用いた画像形成方法を提供す
ることにある。
【0015】本発明の目的は、静電潜像担持体への融着
が発生せず耐久性に優れた静電荷像現像用トナーを用い
た画像形成方法を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明は、以下
の構成によって前記目的を達成する。
【0017】さらに、本発明は、静電潜像担持体に接触
帯電手段を当接させて、該静電潜像担持体を帯電し、帯
電された静電潜像担持体に静電潜像を形成し、該静電潜
像をトナーで現像してトナー像を形成し、該静電潜像担
持体に記録材を介して接触転写手段を当接させて該トナ
ー像を記録材に転写し、該トナー像を加熱定着手段によ
り該記録材に定着する画像形成方法において、該トナー
は、少なくとも結着樹脂及びワックスを含有しており、
該ワックスは、1.5以下の重量平均分子量/数平均分
子量(Mw/Mn)を有していることを特徴とする画像
形成方法に関する。
【0018】本発明の構成に関し以下に詳細に説明す
る。
【0019】ワックス類は、耐オフセット性向上成分と
して用いられるが、その反面、耐ブロッキング性を悪化
させたり、融着を発生しやすくなったりすることがあ
る。ワックス類は、分子量分布を持った分子の集合体で
あり、その特性は、分子量に大きく依存する。一般に、
ワックス類の効果は耐高温オフセットに加え、低分子量
成分を多くすることで耐低温オフセットや低温定着に効
果が上がる。
【0020】しかしながら、性能向上のためこの成分を
増加させると更に低分子量の成分も入ってくるので、熱
的に変化しやすくなるため、耐ブロッキング性が悪化し
たり、融着を発生したりしやすくなる。このため、従来
のワックスを、低温定着性の向上、耐低温オフセット性
の向上の観点から低分子量が多くなるように採用する
と、更に低分子量の成分が増え、耐ブロッキング性、融
着などが悪化していた。
【0021】したがって、好ましい分子量成分のみを分
子量分布をシャープにすることで、低温定着性を向上さ
せ、耐オフセットを向上させながら用いることができる
ように、耐ブロッキング性や、融着の悪化を防止するこ
とが可能となる。
【0022】よって本発明に用いるワックスは、GPC
により測定される分子量分布において、重量平均分子量
/数平均分子量(Mw/Mn)1.5以下、好ましくは
1.45以下を有することにより前述の問題点を解決す
ることができる。
【0023】該ワックスのMw/Mnが1.5を超える
場合には、現像性、画像形成装置内の耐融着性、定着
性、耐オフセット性及び耐ブロッキング性の内いずれか
の特性が充分ではなくなってしまうという問題点が生じ
てしまう。
【0024】さらに、本発明で用いるワックスは、数平
均分子量(Mn)が好ましくは300〜1500、より
好ましくは400〜1200、さらに好ましくは600
〜1000を有することが良く、重量平均分子量(M
w)が好ましくは500〜2250、より好ましくは6
00〜2000、さらに好ましくは800〜1800を
有することが良い。
【0025】ワックスの数平均分子量(Mn)が300
未満或いは重量平均分子量(Mw)が500未満の場合
には、低分子量成分が多くなり、耐ブロッキング性が悪
化したり、経時、保存、耐久及び昇湿の如き要因によっ
て現像性が悪化したり、画像形成装置内に融着を生じた
りする傾向にあり、数平均分子量(Mn)が1500を
超える或いは重量平均分子量(Mw)が2250を超え
る場合には、耐低湿オフセット性及び低温定着性が低下
する傾向にある。
【0026】本発明においてワックスの分子量分布はゲ
ルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によ
り次の条件で測定される。 (GPC測定条件)装置:GPC−150C(ウォータ
ーズ社)カラム:GMH−HT30cm2連(東ソー社
製) 温度:135℃ 溶媒:o−ジクロロベンゼン(0.1%アイオノール添
加) 流速:1.0ml/min 試料:0.15%の試料を0.4ml注入 以上の条件で測定し、試料の分子量算出にあたっては単
分散ポリスチレン標準試料により作成した分子量較正曲
線を使用する。さらに、Mark−Houwink粘度
式から導き出される換算式でポリエチレン換算すること
によって算出される。
【0027】前述の如き、ワックスが1.5以下のMw
/Mnを有するように分子量分布をシャープにするため
には、プレス発汗法、溶剤法、再結晶法、真空蒸留法、
超臨界ガス抽出法或いは融液晶析法を利用してワックス
を分子量により分別することにより行うことができる。
特に分子量分布をよりシャープに分別することが可能な
超臨界ガス抽出方法(この方法は溶媒がガス態であるか
ら溶媒の分離・回収が容易で目的に応じた分子量分別体
が得られる)や、真空蒸留と、それから得られる留出物
を融液晶析及び結晶濾別する方法を用いて分別すること
によって行うことが好ましい。
【0028】すなわち、これらの方法によって低分子量
を除去したもの、低分子量を抽出したもの、これらから
低分子量を更に除去したものなどの任意の分子量領域の
みのシャープな分子量分布を持つものが得られる。
【0029】超臨界ガス抽出方法とは、特開平4−89
868号公報に記載されているように炭酸ガスを超臨界
状態(高圧状態)にして原料ワックスを超臨界状態のC
に抽出溶解させ、その抽出溶解されたワックスを含
むCOを減圧させて抽出溶解されたワックスを析出さ
せる方法である。
【0030】例えば、耐圧抽出槽にワックスを投じ、1
30℃、300気圧の超臨界状態のCOで抽出溶解さ
せ、これを250気圧に減圧して別の耐圧分離槽に移す
と、高融点部分のワックスが析出分離される。更に未分
離のワックスを含んだCOを200気圧に減圧し、他
の耐圧分離槽に移せば、次の高融点部分が分離される。
これを繰り返すことにより、減圧操作回数に応じて原料
ワックスは分子量に応じ分別される。
【0031】超臨界状態のCO圧力温度変化、特に圧
力へのワックスの抽出溶解性が大きく、しかもワッスの
分子量によってその依存性も大きく違っている。従っ
て、分離操作の数(減圧圧力の違いの数)を増大するほ
ど、または、減圧圧力の2点の圧力差を小さくするほど
分別されたワックスの分子量分布は狭くなる。
【0032】更に、最初の抽出溶解の時に、全てのワッ
クスを溶解させてもよいし、一部高融点ワックスを残す
条件である、より低圧の条件をとってもよい。
【0033】更には、抽出溶解したワックス混合ガスを
前記のように逐次減圧させる方法をとってもよいし、抽
出槽で抽出条件を逐次変えて、分別ワックスを得る方法
もある。
【0034】抽出ガスとしては、COが好ましいがエ
タン、エチレン、プロパンなどの超臨界ガス等も採用さ
れ得る。更にこれらのガスに一部有機溶剤(トルエン
等)を加えることもできる。抽出温度は、室温〜300
℃までの範囲で行われるが、抽出効率からは、100〜
200℃が好ましい。抽出時の圧力は、その媒体(ガ
ス)臨界状態になる圧力であればよいがCOの場合
は、抽出温度によっても違うが75〜300気圧であ
る。分離時の圧力は、抽出時の圧力以下の圧力を適宜選
択すればよい。
【0035】真空蒸留と、それから得られる留出物を融
液晶析及び結晶濾別する方法とを特開平4−14510
3号公報に記載されているように、原料ワックスより、
より低分子量分を留出させ、この留出部を溶融させ、溶
融物を降温させ、結晶を部分的に晶析させ、これを濾別
する操作を順次続けることにより結晶物(すなわち、分
別ワックス)を得る方法である。
【0036】蒸留による留出物は複数にすることが好ま
しい。すなわち、最初の蒸留留出により、低分子量のも
のを留出させ、次いで留出残液をそれより高温或いはそ
れより高減圧下で、より高分子量分を留出させ、必要に
応じ、同様な処理を繰り返すことにより、順次高分子量
側を留出させることができる。
【0037】この分子量の違った留出物から各々溶融晶
析、結晶濾別を行って得られた結晶物は、一回の蒸留留
出物からの溶融晶析濾別により得られる結晶物より、分
子量分布の狭いワックスが得られる。このように原料ワ
ッスよりの留出物を複数にすることが、分子量分布を狭
くした分別ワックスを得るのに好ましい。
【0038】蒸留抽出操作は既存の装置、方法で行い得
る。例えば、第1級の蒸留は5〜8mmHg、260〜
290℃で、第2段は0.1〜0.01mmHg、25
0〜270℃で、第3段は0.01mmHg、290℃
で、第4段は0.001mmHg、290℃で行う。こ
のとき、第2〜第4段の蒸留は薄膜蒸留装置などの使用
が蒸留を効率的に行うのに好ましい。当然、この蒸留条
件は得るべき、分別ワックスにより変更される。そし
て、蒸留留出物を所定温度で加熱し溶融させる。これを
冷却していき、部分的に結晶を析出させ、結晶物と融液
をフィルタにより濾別する。濾別された第1段階結晶物
は、蒸留留出部のうち高分子量側のもの、すなわち高融
点のものである。この混合物から濾別された結晶物は、
分子量分布の狭いワックス分別物である。
【0039】一方、未結晶のフィルタを通過した融液
は、更にその温度を低下させ、前回の結晶物より低分子
量側、すなわちより低融点の第2段階の結晶が析出する
から、これを濾別分離する。ここで未結晶化の融液は更
に降温させ、同様にして晶析、濾別を行い、第3段階の
結晶物が得られる。
【0040】このような融液晶析、結晶濾別の繰り返し
により、高分子量側すなわち高融点のものから、低分子
量側すなわち低融点の分子量分布の異なったワックス分
別物を複数個得られるものである。融液よりの晶析は、
温度を連続的に低下させていき、ある温度領域での析出
結晶物を濾別する方法も採用し得る。
【0041】更に融液晶析を行うときの結晶の析出率
は、融液晶析の繰り返し数、更には分別ワックスの分子
量分布や融点に応じて違ってくる。例えば、蒸留留出分
を一回の晶析濾別で等量の2分割にするならば結晶収率
を50%にすればよい。
【0042】一般的にこの結晶収率は70%以下、好ま
しくは50%以下の方が得られる結晶物は分子量分布の
狭い分別ワックスとなる。
【0043】溶融液の晶析は、一般的に考え得る方法で
よい。すなわち、原料ワックスを容器中で加熱し溶融さ
せ、これを所定温度まで冷却し、部分的に晶析すればよ
い。このとき、必ずしも完融させなく、一部未溶融物が
あってもよい。また冷却速度は、どのような速度でもよ
いが、好ましくは徐冷がよい。
【0044】結晶を析出させるとき、結晶化助剤、例え
ばタルクなどの無機物、高級脂肪酸の金属塩、原料ワッ
クスより高融点のポリエチレンなどのポリマー等を添加
してもよい。また攪拌を加えることもよい。
【0045】析出させた結晶物と融液の濾別も一般的な
フィルタ濾過などでもよい。吸引或いは押えつけなどに
より圧力を加えればより速やかに濾別される。
【0046】更に本発明で用いるワックスは、示差走査
熱量計により測定されるDSC曲線において、昇温時の
吸熱ピークで、ピークのオンセット温度が50℃以上が
好ましく、50〜120℃の範囲内にあることが特に好
ましく、更に好ましくは50〜110℃である。更に、
最大吸熱ピークのピークトップ温度が130℃以下であ
ることが好ましく、70〜130℃の範囲内にあること
が特に好ましい。昇温時には、ワックスに熱を与えた時
の変化を見ることができワックスの転移、融解に伴う吸
熱ピークが観測される。ピークのオンセット温度が50
〜120℃の範囲内にあることにより特に好ましく現像
性、耐ブロッキング性、低温定着性を満足することがで
きる。ピークのオンセット温度が50℃未満の場合に
は、ワックスの変化温度が低過ぎ、耐ブロッキング性が
劣ったり、昇温時の現像性に劣るトナーになり易くな
る。120℃を超える場合には、ワックスの変化温度が
高過ぎ、十分な定着性を得られにくくなる傾向にある。
130℃以下に、好ましくは70〜130℃の範囲内
に、特に好ましくは85〜120℃の範囲内に最大吸熱
ピークが存在することにより、特に良好な定着性、耐オ
フセット性を満足できる。70℃未満に最大のピークの
ピーク温度が存在する場合には、ワックスの融解温度が
低過ぎ十分な耐高温オフセット性が得られず、130℃
を超える領域に最大ピークのピーク温度が存在する場合
には、ワックスの融解温度が高過ぎ十分な耐低温オフセ
ット性、低温定着性が得られにくくなる傾向にある。す
なわちこの領域に最大ピークのピーク温度が存在するこ
とで、耐オフセット性と定着性のバランスを取り易くな
る。
【0047】更に、耐高温オフセット性を向上させるた
めには、吸熱ピークの終点のオンセット温度が80℃以
上であることが好ましく、更には80〜140℃が好ま
しく、更には90〜130℃であり、100〜130℃
であることが特に好ましい。
【0048】更に、終点のオンセット温度とオンセット
温度との差が70〜5℃、好ましくは60〜10℃、更
に好ましくは50〜10℃であることが良い。
【0049】このようにすることで、低温定着性、耐オ
フセット性、耐ブロッキング性、現像性などのバランス
を取り易くなる。例えば、温度範囲がこれより広い範囲
に及ぶ場合には、低温定着性、耐オフセット性が得られ
ても耐ブロッキング性が劣るようなことが生じる。
【0050】本発明においてDSC測定では、ワックス
の熱のやり取りを測定しその挙動を観測するので、測定
原理から、高精度の内熱式入力補償型の示差走査熱量計
で測定することが好ましい。例えば、パーキンエルマー
社製のDSC−7が利用できる。
【0051】測定方法は、ASTM D3418−82
に準じて行う。本発明に用いられるDSC曲線は、1回
昇温、降温させ前履歴を取った後、温度速度10℃/m
inで、昇温させた時に測定されるDSC曲線を用い
る。各温度の定義は次のように定める。
【0052】・吸熱ピークのオンセット温度 昇温時のDSC曲線の微分値が最初に極大となる点にお
ける曲線の接線とベースラインとの交点の温度。
【0053】・最大ピークのピークトップの温度 ベースラインからの高さが最も高いピークのピークトッ
プ温度。
【0054】・吸熱ピークの終点のオンセット温度 昇温時曲線の微分値が最後に極小となる点における曲線
の接線とベースラインとの交点の温度。
【0055】本発明に用いられるワックスは、次のよう
なワックスから得られるものである。パラフィンワック
ス及びその誘導体、モンタンワックス及びその誘導体、
マイクロクリスタルワックス及びその誘導体、フィッシ
ャートロプシュワックス及びその誘導体、ポリオレフィ
ンワッス及びその誘導体が挙げられ、誘導体には酸化物
や、ビニル系モノマとのブロック共重合物、グラフト変
性物を含む。
【0056】その他のワックスとしては、アルコール及
びその誘導体、脂肪酸及びその誘導体、酸アミド、エス
テル、ケトン、硬化ひまし油及びその誘導体、植物系ワ
ックス、動物系ワックス、鉱物系ワックス、ペトロラク
タムも利用できる。前記誘導体には、ケン化物、塩、ア
ルキレンオキサイド付加物、エステルが含まれる。
【0057】中でも好ましく用いられるワックスは、オ
レフィンを高圧下でラジカル重合或いはチーグラー触媒
を用いて重合した低分子量のポリオレフィン及びこの時
の副生成物;高分子量のポリオレフィンを熱分解して得
られる低分子量のポリオレフィン;一酸化炭素及び水素
からなる合成ガスから触媒を用いて得られる合成炭化水
素の蒸留残分、或いはこれらを水素添加して得られる合
成炭化水素;から得られるワックスが用いられ、酸化防
止剤が添加されていてもよい。或いは、直鎖状のアルコ
ール、アルコール誘導体、脂肪酸、酸アミド、エステル
或いは、モンタン系誘導体である。更に、脂肪酸の不純
物を予め除去してあるものも好ましい。
【0058】特に好ましいものは、チーグラー触媒でエ
チレンの如きオレフィンを重合したもの及びこの時の副
生成物、フィッシャトロプシュワックスの如き炭素数が
数千、特に千ぐらいまでの炭化水素を母体とするものが
良い。
【0059】更に、前述の方法によるワックスの分別後
に分別したワックスを酸化したものや、ブロック共重合
したもの、グラフト変性したものを用いることも可能で
ある。
【0060】ワッスのその他の物性としては、25℃に
おける針入度が、10.0以下であることが好ましく、
5.0以下であることが特に好ましい。更に、140℃
における溶融粘度が200cP以下であることが好まし
い。針入度は、JIS K−2207に準拠し測定され
る値であり、溶融粘度は、ブルックフィールド型粘度計
を用いて測定される値である。
【0061】本発明のトナーにおいては、これらのワッ
クスの含有量は、結着樹脂100重量部に対し、20重
量部以内で用いられ、0.5〜10重量部で用いるのが
効果的である。更に、他のワックス類と併用しても構わ
ない。
【0062】本発明のトナーに使用される結着樹脂とし
ては、下記の結着樹脂の使用が可能である。
【0063】例えば、ポリスチレン、ポリ−p−クロル
スチレン、ポリビニルトルエンの如きスチレン及びその
置換体の単重合体;スチレン−p−クロルスチレン共重
合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−
ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸エス
テル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合
体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合
体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−
ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルエチ
ルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共
重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イ
ソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−イン
デン共重合体の如きスチレン系共重合体;更にはポリ塩
化ビニル、フェノール樹脂、天然変性フェノール樹脂、
天然樹脂変性マレイン酸樹脂、アクリル樹脂、メタクリ
ル樹脂、ポリ酢酸ビニール、シリコーン樹脂、ポリエス
テル樹脂、ポリウレタン、ポリアミド樹脂、フラン樹
脂、エポキシ樹脂、キシレン樹脂、ポリビニルブチラー
ル、テルペン樹脂、クマロンインデン樹脂、石油系樹脂
が使用できる。好ましい結着物質としては、スチレン系
共重合体もしくはポリエステル樹脂が挙げられる。
【0064】スチレン系共重合体のスチレンモノマーに
対するコモノマーとしては、例えば、アクリル酸、アク
リル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、
アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸
−2−エチルヘキシル、アクリル酸フェニル、メタクリ
ル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタ
クリル酸ブチル、メタクリル酸オクチル、アクリロニト
リル、メタクリロニトリル、アクリルアミドのような二
重結合を有するモノカルボン酸もしくはその置換体;例
えば、マレイン酸、マレイン酸ブチル、マレイン酸メチ
ル、マレイン酸ジメチルのような二重結合を有するジカ
ルボン酸及びその置換体;例えば塩化ビニル、酢酸ビニ
ル、安息香酸ビニルのようなビニルエステル類:例えば
エチレン、プロピレン、ブチレンのようなエチレン系オ
レフィン類;例えばビニルメチルケトン、ビニルヘキシ
ルケトンのようなビニルケトン類;例えばビニルメチル
エーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエ
ーテルのようなビニルエーテル類;の如きビニル単量体
が単独もしくは2つ以上用いられる。
【0065】スチレン系重合体またはスチレン系共重合
体は架橋されていてもよく、混合樹脂でもかまわない。
【0066】結着樹脂の架橋剤としては、主として2個
以上の重合可能な二重結合を有する化合物を用いること
ができる。例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタ
レンのような芳香族ジビニル化合物;例えばエチレング
リコールジアクリレート、エチレングリコールジメタク
リレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレートの
ような二重結合を2個有するカルボン酸エステル;ジビ
ニルアニリン、ジビニルエーテル、ジビニルスルフィ
ド、ジビニルスルホンのジビニル化合物;及び3個以上
のビニル基を有する化合物;が単独もしくは混合物とし
て用いられる。
【0067】本発明の現像剤には荷電制御剤を現像剤粒
子に配合(内添)、または現像剤粒子と混合(外添)し
て用いることが好ましい。荷電制御剤によって、現像シ
ステムに応じた最適の荷電量コントロールが可能とな
り、特に本発明では粒度分布と荷電とのバランスをさら
に安定したものとすることが可能である。正荷電制御剤
としては、ニグロシン及び脂肪酸金属塩等による変性
物;トリブチルベンジルアンモニウム−1−ヒドロキシ
−4−ナフトスルフォン酸、テトラブチルアンモニウム
テトラフルオロボレートの如き四級アンモニウム塩、及
びこれらの類似体であるホスホニウム塩等のオニウム塩
及びこれらのレーキ顔料、トリフェニルメタン染料及び
これらのレーキ顔料、(レーキ化剤としては、りんタン
グステン酸、りんモリブデン酸、りんタングステンモリ
ブデン酸、タンニン酸、ラウリン酸、没食子酸、フェリ
シアン化物、フェロシアン化物が挙げられる)高級脂肪
酸の金属塩;ジブチルスズオキサイド、ジオクチルスズ
オキサイド、ジシクロヘキシルスズオキサイドなどのジ
オルガノスズオキサイド;ジブチルスズボレート、ジオ
クチルスズボレート、ジシクロヘキシルスズボレートの
如きジオルガノスズボレート類;これらの単独或いは2
種類以上組合せて用いることができる。これらの中で
も、ニグロシン系、四級アンモニウム塩、トリフェニル
メタン顔料の如き荷電制御剤が特に好ましく用いられ
る。
【0068】更に、下記一般式
【外1】
【0069】[R:H、CH、R:置換また
は未置換のアルキル基(好ましくはC 〜C)]で表
されるモノマーの単重合体:前述したスチレン、アクリ
ル酸エステル、メタクリル酸エステルの如き重合性モノ
マーとの共重合体を正荷電性制御剤として用いることが
できる。この場合、これらの荷電制御剤は結着樹脂(の
全部または一部)としての作用をも有する。
【0070】トナーを負荷電性に制御するものとして下
記物質が挙げられる。
【0071】例えば有機金属錯体、キレート化合物が有
効であり、モノアゾ金属錯体、アセチルアセトン金属錯
体、芳香族ハイドロキシカルボン酸、芳香族ダイカルボ
ン酸系の金属錯体がある。他には、芳香族ハイドロキシ
カルボン酸、芳香族モノ及びポリカルボン酸及びその金
属塩、無水物、エステル類、ビスフェノールの如きフェ
ノール誘導体類がある。
【0072】上述した荷電制御剤(結着樹脂としての作
用を有さないもの)は、微粒子状として用いることが好
ましい。この場合、この荷電制御剤の個数平均粒径は、
具体的には、4μm以下(更には3μm以下)が好まし
い。
【0073】現像剤に内添する際、このような荷電制御
剤は、結着樹脂100重量部に対して0.1〜20重量
部(更には0.2〜10重量部)用いることが好まし
い。
【0074】本発明のトナーに於ては、帯電安定性、現
像性、流動性、耐久性向上の為、シリカ微粉末を添加す
ることが好ましい。
【0075】本発明に用いられるシリカ微粉末は、BE
T法で測定した窒素吸着による比表面積が30m/g
以上(特に50〜400m/g)の範囲内のものが良
好な結果を与える。トナー100重量部に対してシリカ
微粉体0.01〜8重量部、好ましくは0.1〜5重量
部使用するのが良い。
【0076】本発明に用いられるシリカ微粉末は、必要
に応じ、疎水化、帯電性コントロールの目的でシリコー
ンワニス、各種変性シリコーンワニス、シリコーンオイ
ル、各種変性シリコーンオイル、シランカップリング
剤、官能基を有するシランカップリング剤、その他の有
機ケイ素化合物等の処理剤で、或いは種々の処理剤で併
用して処理されていることも好ましい。
【0077】更に、トナーへの他の添加剤としては、例
えばテフロン(R)粉末、ステアリン酸亜鉛粉末、ポリ
弗化ビニリデン粉末の如き滑剤粉末、中でもポリ弗化ビ
ニリデンが好ましい。或いは酸化セリウム粉末、炭化ケ
イ素粉末、チタン酸ストロンチウム粉末の如き研磨剤、
中でもチタン酸ストロンチウムが好ましい。或いは例え
ば酸化チタン粉末、酸化アルミニウム粉末の如き流動性
付与剤、中でも特に疎水性のものが好ましい。ケーキン
グ防止剤、或いは例えばカーボンブラック粉末、酸化亜
鉛粉末、酸化アンチモン粉末、酸化スズ粉末の如き導電
性付与剤、また逆極性の白色微粒子及び黒色微粒子を現
像性向上剤として少量用いることもできる。
【0078】さらに本発明のトナーは、二成分系現像剤
として用いる場合には、キャリア粉と混合して用いられ
る。この場合には、トナーとキャリア粉との混合比はト
ナー濃度として好ましくは0.1〜50重量%、より好
ましくは0.5〜10重量%、更に好ましくは3〜10
重量%が良い。
【0079】本発明に使用しうるキャリアとしては、公
知のものが使用可能であり、例えば鉄粉、フェライト
粉、ニッケル粉の如き磁性を有する粉体、ガラスビーズ
及びこれらの表面をフッ素系樹脂、ビニル系樹脂或いは
シリコーン系樹脂で処理したものが挙げられる。
【0080】さらに本発明のトナーは更に磁性材料を含
有させ磁性トナーを用いた一成分系現像剤としても使用
しうる。この場合、磁性材料は着色剤の役割をかねるこ
ともできる。本発明において、磁性トナー中に含まれる
磁性材料としては、マグネタイト、ヘマタイト、フェラ
イトの酸化鉄;鉄、コバルト、ニッケルのような金属或
いはこれらの金属のアルミニウム、コバルト、銅、鉛、
マグネシウム、スズ、亜鉛、アンチモン、ベリリウム、
ビスマス、カドミウム、カルシウム、マンガン、セレ
ン、チタン、タングステン、バナジウムのような金属の
合金及びその混合物が挙げられる。
【0081】これらの強磁性体は平均粒子が2μm以
下、好ましくは0.1〜0.5μm程度のものが好まし
い。トナー中に含有させる量としては樹脂成分100重
量部に対し、好ましくは約20〜200重量部、特に好
ましくは40〜150重量部が良い。
【0082】更に、磁性材料は、10Kエルステッド印
加での磁気特性が抗磁力比(Hc)20〜300エルス
テッド、飽和磁比(σs)50〜200emu/g、残
留磁比(σr)2〜20emu/gのものが好ましい。
【0083】本発明のトナーに使用し得る着色剤として
は、任意の適当な顔料又は染料が挙げられる。トナーの
着色剤としては、例えば顔料としてカーボンブラック、
アニリンブラック、アセチレンブラック、ナフトールイ
エロー、ハンザイエロー、ローダミンレーキ、アリザリ
ンレーキ、ベンガラ、フタロシアニンブルー、インダン
スレンブルーがある。これらは定着画像の光学濃度を維
持するのに必要充分な量が用いられ、好ましくは樹脂1
00重量部に対し0.1〜20重量部、より好ましくは
0.2〜10重量部の添加量が良い。
【0084】更に、同様の目的で、更に染料が用いられ
る。例えばアゾ系染料、アントラキノン系染料、キサン
テン系染料、メチン系染料があり、これらは好ましくは
樹脂100重量部に対し、0.1〜20重量部、より好
ましくは0.3〜10重量部の添加量が良い。
【0085】本発明に係る静電荷像現像用トナーを作製
するには結着樹脂及びワッス、金属塩ないしは金属錯
体、着色剤としての顔料又は染料、磁性体、更に必要に
応じて他のトナー構成成分である荷電制御剤、その他の
添加剤を、ヘンシェルミキサー、ボールミルの如き混合
機により充分混合してから加熱ロール、ニーダー、エク
ストルーダーの如き熱混練機を用いて溶融混練して樹脂
類を互いに相溶せしめた中に金属化合物、顔料、染料、
磁性体を分散又は溶解せしめ、冷却固化後粉砕及び分級
を行って本発明に係るトナーを得ることができる。
【0086】更に必要に応じ所望の添加剤をヘンシェル
ミキサーの如き混合機により充分混合し、本発明に係る
静電荷像現像用トナーを得ることができる。
【0087】次に本発明の接触帯電手段及び接触転写手
段を有する画像形成方法の一例について、図1の概略構
成図を基に説明する。
【0088】1は回転ドラム型の静電潜像担持体(以
下、感光体と記す)であり、該感光体1はアルミニウム
の如き導電性基層1bと、その外面に形成した光導電層
1aとを基本構成層とするものであり、図面上時計方向
に所定の周速度(プロセススピード)で回転される。
【0089】2は接触帯電手段としての帯電ローラーで
あり、中心の芯金2bとその外周を形成した導電性弾性
層とを基本構成とするものである。帯電ローラー2は、
感光体1面に押圧力をもって圧接され、感光体1の回転
に伴い従動回転する。3は帯電ローラー2に電圧を印加
するための帯電バイアス電源であり、帯電ローラー2に
バイアスが印加されることで感光体1の表面が所定の極
性・電位に帯電される。次いで画像露光4によって静電
潜像が形成され、トナーを保有する現像手段5によりト
ナー画像として順次可視化されていく。
【0090】6は接触転写手段としての転写ローラーで
あり、中心の芯金6bとその外周を形成した導電性弾性
層6aとを基本構成とするものである。転写ローラー6
は、感光体1面に少なくとも転写時に記録材8を介して
押圧力をもって圧接され、感光体1の周速度と等速度或
は周速度に差をつけて回転させる。記録材8は感光体1
と転写ローラー6との間に搬送されると同時に、転写ロ
ーラー6にトナーのトリボ電荷と逆極性のバイアスを転
写バイアス電源7から印加することによって感光体1上
のトナー画像が記録材8の表面側に転写される。
【0091】次いで記録材8は、ハロゲンヒータを内蔵
させた加熱ローラー11aとこれと押圧力をもって圧接
された弾性体の加圧ローラー11bとを基本構成とする
定着器11へ搬送され、11aと11b間を通過するこ
とによってトナー像が定着される。トナー画像転写後の
感光体1面では転写残りトナーの如き付着汚染物質を、
感光体1にカウンター方向に圧接した弾性クリーニング
ブレードを具備したクリーニング装置で洗浄面化され、
更に除電露光装置10により除電されて、繰り返して作
像される。さらに、フィルムを介してヒーターにより定
着する方法を用いてもよい。
【0092】この様な接触帯電手段或は接触転写手段を
有する画像形成装置では、コロナ帯電或はコロナ転写と
比べて、比較的低電圧のバイアスで感光体の均一な帯電
と十分な転写が可能となるため、放電器自体の小型化や
オゾンの如きコロナ放電生成物の抑制の点で優れてい
る。
【0093】この他の接触帯電手段としては、帯電ブレ
ードを用いる方法や、導電性ブラシを用いる方法があ
る。これらの接触帯電手段は、高電圧が不必要になった
り、オゾンの発生が低減するといった効果がある反面、
一般的には部材が直接感光体に接触するがゆえにトナー
融着という弊害が生じやすいが、本発明のトナーを用い
ればそのような問題点が生じないため好ましい。本発明
は、適用される接触帯電手段がどんな方法で、どんな作
用効果を有するかといったことを限定するものではな
く、部材を直接感光体に接触させて帯電させる方法であ
ればすべて本発明に適用可能である。
【0094】帯電ローラーを用いた時の好ましいプロセ
ス条件としては、ローラーの当接圧が5〜500g/c
mで、直流電圧に交流電圧を重畳したものを用いた時に
は、交流電圧=0.5〜5kVpp、交流周波数=50
〜5kHz、直流電圧=±0.2〜±1.5kVであ
り、直流電圧を用いた時には、直流電圧=±0.2〜±
5kVである。
【0095】帯電ローラー及び帯電ブレードの材質とし
ては、導電性ゴムが好ましく、その表面に離型性被膜を
設けても良い。離型性被膜としては、ナイロン系樹脂、
PVDF(ポリフッ化ビニリデン)、PVDC(ポリ塩
化ビニリデン)などが適用可能である。
【0096】本発明に適用可能な転写用回転体の材質と
しては、帯電ローラーと同様のものを用いることがで
き、好ましい転写のプロセス条件としては、ローラーの
当接圧が5〜500g/cmで、直流電圧が±0.2〜
±10kVである。
【0097】
【実施例】以下具体的実施例によって、本発明を説明す
るが、本発明はなんらこれらに限定されるものではな
い。
【0098】本発明に用いられるワックスの分子量を、
表1に各特性を表2に記す。
【0099】表中のワッス名の−1が元のワックスであ
り、−2、−3及び−4が分別後のワックスである。C
は、チーグラー触媒によりエチレンを主成分としてポリ
エチレンを重合する時の副生成物である低分子量ポリエ
チレンである。
【0100】A−2、A−3、B−2、C−3、D−
2、F−2、G−2は、超臨界ガス抽出方法によって分
別したワックスであり、B−3、C−2、E−2は真空
蒸留とそれから得られる留出物を融液晶析及び結晶濾別
する方法によって分別したワックスであり、B−4は再
結晶方法により分別したワックスである。
【0101】(ワックスA−2、A−3、B−2、C−
3、D−2、F−2及びG−2の調製)超臨界ガス抽出
方法を用いて、耐圧抽出槽にワックスA−1を投入し、
130℃、300気圧の超臨界状態のCOで抽出溶解
させ、これを200気圧に減圧して別の耐圧分離槽に移
して高融点部分のワックスを析出分離し、表1及び2で
示す物性を有するワックスA−2を得た。更に、このワ
ックス原料、析出気圧及び分割回数を適宜変更して表1
及び表2で示す特性を有するワックスA−3、B−2、
C−3、D−2、F−2及びG−2をそれぞれ得た。
【0102】(ワックスB−3、C−2及びE−2の調
製)ワックスB−1を用いて第1段の蒸留を3mmH
g、180〜300℃で行い、第2段の蒸留を0.2m
mHg、250℃で行い、第3段の蒸留を0.02mm
Hg、280℃で行い、第4段の蒸留を0.01mmH
g、280℃で行った後、その留出物を融液晶析及び結
晶濾別して表1及び2で示す物性を有するワックスB−
3を得た。更に、このワックス原料、蒸留圧力、蒸留温
度及び蒸留回数を適宜変更して表1及び2で示す物性を
有するワックスC−2及びE−2をそれぞれ得た。
【0103】(ワックスB−4の調製)ワックスB−1
を、再結晶方法によって表1及び表2で示す物性値を有
するワックスB−4を得た。
【0104】
【表1】
【0105】
【表2】
【0106】実施例1 ・スチレン−ブチルアクリレート共重合体 100重量
部 ・磁性酸化鉄 80重量部 ・ニグロシン 2重量部 ・ワックス(A−2) 4重量部 上記材料を予備混合した後、130℃に設定した、2軸
混練押し出し機によって溶融混練を行った。混練物を冷
却後、粗粉砕し、ジェット気流を用いた粉砕機によって
微粉砕し、更に風力分級機を用いて分級し、重量平均粒
径8μmのトナー粒子を得た。これら上記のトナー粒子
100重量部に対し正帯電疎水性コロイダルシリカ0.
6重量部を外添してトナーを得、これを一成分系現像剤
とした。
【0107】市販の電子写真複写機NP−6030(キ
ヤノン社製、接触帯電手段及び接触転写手段を使用)を
用いて種々の評価を行った。その結果を表3に記す。
【0108】(定着性試験)ファーストコピー試験で、
定着性を評価した。定着性の評価は画像をシルボン紙
で、往復10回、約100g荷重でこすり、画像のはが
れを反射濃度の低下率(%)で評価した。
【0109】(オフセット試験)B5の転写紙を200
枚連続で取った後すぐにA3の転写紙でコピーし、端部
昇温による高温オフセットを画像汚染が発生するかで評
価した。
【0110】(耐久性試験)A4縦送りで10000枚
の耐久試験を行い、画像濃度、かぶり、融着を評価し
た。ここで利用率とは、消費されたトナーの内、画像上
に転写されるトナーの割合で、次の式より求められる。
この数値が大きい時は、トナーが効果的に使用されてお
り、廃トナーが少なく、少ないトナー消費量で、画像濃
度の高い複写物が得られるということである。 {(消費されたトナー量−クリーナ中の廃トナー量)/
(消費されたトナー量)}×100 (ブロッキング試験)約20gの現像剤を100ccポ
リコップに入れ、50℃で3日放置した後、目視で評価
した。 優:凝集物は見られない 良:凝集物が見られるが容易に崩れる 可:凝集物が見られるが振れば崩れる 不可:凝集物をつかむ事ができ容易に崩れない 実施例2 ・スチレン−ブチルアクリレート共重合体 100重量
部 ・磁性酸化鉄 80重量部 ・ニグロシン 2重量部 ・ワックス(A−3) 4重量部 上記材料を用い、実施例1と同様にして、一成分系現像
剤を調製し、評価を行った。その結果を表3に示す。
【0111】実施例3 ・スチレン−ブチルアクリレート共重合体 100重量
部 ・磁性酸化鉄 80重量部 ・ニグロシン 2重量部 ・ワックス(B−2) 4重量部 上記材料を用い、実施例1と同様にして、一成分系現像
剤を調製し、評価を行った。その結果を表3に示す。
【0112】実施例4 ・スチレン−ブチルアクリレート共重合体 100重量
部 ・磁性酸化鉄 80重量部 ・ニグロシン 2重量部 ・ワックス(B−3) 4重量部 上記材料を用い、実施例1と同様にして、一成分系現像
剤を調製し、評価を行った。その結果を表3に示す。
【0113】実施例5 ・スチレン−ブチルアクリレート共重合体 100重量
部 ・磁性酸化鉄 80重量部 ・ニグロシン 2重量部 ・ワックス(C−2) 4重量部 上記材料を用い、実施例1と同様にして、一成分系現像
剤を調製し、評価を行った。その結果を表3に示す。
【0114】実施例6 ・スチレン−ブチルアクリレート共重合体 100重量
部 ・磁性酸化鉄 80重量部 ・ニグロシン 2重量部 ・ワックス(C−3) 4重量部 上記材料を用い、実施例1と同様にして、一成分系現像
剤を調製し、評価を行った。その結果を表3に示す。
【0115】実施例7 ・スチレン−ブチルアクリレート共重合体 100重量
部 ・磁性酸化鉄 80重量部 ・ニグロシン 2重量部 ・ワックス(D−2) 4重量部 上記材料を用い、実施例1と同様にして、一成分系現像
剤を調製し、評価を行った。その結果を表3に示す。
【0116】実施例8 ・スチレン−ブチルアクリレート共重合体 100重量
部 ・磁性酸化鉄 80重量部 ・ニグロシン 2重量部 ・ワックス(E−2) 4重量部 上記材料を用い、実施例1と同様にして、一成分系現像
剤を調製し、評価を行った。その結果を表3に示す。
【0117】実施例9 ・スチレン−ブチルアクリレート共重合体 100重量
部 ・磁性酸化鉄 80重量部 ・ニグロシン 2重量部 ・ワックス(F−2) 4重量部 上記材料を用い、実施例1と同様にして、一成分系現像
剤を調製し、評価を行った。その結果を表3に示す。
【0118】実施例10 ・スチレン−ブチルアクリレート共重合体 100重量
部 ・磁性酸化鉄 80重量部 ・ニグロシン 2重量部 ・ワックス(G−2) 4重量部 上記材料を用い、実施例1と同様にして、一成分系現像
剤を調製し、評価を行った。その結果を表3に示す。
【0119】比較例1 ・スチレン−ブチルアクリレート共重合体 100重量
部 ・磁性酸化鉄 80重量部 ・ニグロシン 2重量部 ・ワックス(A−1) 4重量部 上記材料を用い、実施例1と同様にして、一成分系現像
剤を調製し、評価を行った。その結果を表3に示す。
【0120】比較例2 ・スチレン−ブチルアクリレート共重合体 100重量
部 ・磁性酸化鉄 80重量部 ・ニグロシン 2重量部 ・ワックス(B−1) 4重量部 上記材料を用い、実施例1と同様にして、一成分系現像
剤を調製し、評価を行った。その結果を表3に示す。
【0121】比較例3 ・スチレン−ブチルアクリレート共重合体 100重量
部 ・磁性酸化鉄 80重量部 ・ニグロシン 2重量部 ・ワックス(D−1) 4重量部 上記材料を用い、実施例1と同様にして、一成分系現像
剤を調製し、評価を行った。その結果を表3に示す。
【0122】比較例4 ・スチレン−ブチルアクリレート共重合体 100重量
部 ・磁性酸化鉄 80重量部 ・ニグロシン 2重量部 ・ワックス(E−1) 4重量部 上記材料を用い、実施例1と同様にして、一成分系現像
剤を調製し、評価を行った。その結果を表3に示す。
【0123】比較例5 ・スチレン−ブチルアクリレート共重合体 100重量
部 ・磁性酸化鉄 80重量部 ・ニグロシン 2重量部 ・ワックス(B−4) 4重量部 上記材料を用い、実施例1と同様にして、一成分系現像
剤を調製し、評価を行った。その結果を表3に示す。
【0124】
【表3】
【0125】実施例11 実施例1で用いた一成分系現像剤を用いて市販の電子写
真複写機NP−4080(キヤノン社製、コロナ帯電手
段及びコロナ転写手段使用)によって種々の評価を行っ
た。その結果を表4に記す。
【0126】(定着性試験)ファーストコピー試験で、
定着性を評価した。定着性の評価は画像をシルボン紙
で、往復10回、約100g荷重でこすり、画像のはが
れを反射濃度の低下率(%)で評価した。
【0127】(オフセット試験)B5の転写紙を200
枚連続で取った後すぐにA3の転写紙でコピーし、端部
昇温による高温オフセットを画像汚染が発生するかで評
価した。
【0128】(耐久性試験)10000枚の耐久試験を
行い、画像濃度、かぶり、融着、利用率を評価した。
【0129】実施例12−20 実施例2−10で用いた一成分系現像剤を用いて実施例
10と同様にして評価を行った。その結果を表4に示
す。
【0130】
【表4】
【0131】
【発明の効果】前述の如く、本発明のトナーは、1.5
以下のMw/Mnを有する分子量分布の非常にシャープ
なワックスを用いているため、耐ブロッキング性を損な
わずに、定着性、耐オフセット性を向上させることがで
き、融着が発生せず耐久性に優れた画像形成方法が得ら
れる。更に、転写性に優れ、利用率の良いトナーとする
ことができ、画像濃度の高いかぶりのない画像が低消費
量で得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る接触帯電手段及び接触転写手段を
画像形成方法を説明するための概略構成図を示す。
【符号の説明】 1 静電荷像保持体(感光体) 2 帯電ローラー 3 帯電バイアス印加電源 4 画像露光 5 現像手段 6 転写ローラー 7 転写バイアス印加電源 8 転写材 9 クリーニング手段 10 除電露光 11 定着手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 土井 信治 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノ ン株式会社内 Fターム(参考) 2H005 AA06 AB02 CA14 EA03 EA06

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】静電潜像担持体に接触帯電手段を当接させ
    て、該静電潜像担持体を帯電し、帯電された静電潜像担
    持体に静電潜像を形成し、該静電潜像をトナーで現像し
    てトナー像を形成し、該静電潜像担持体に記録材を介し
    て接触転写手段を当接させて該トナー像を記録材に転写
    し、該トナー像を加熱定着手段により該記録材に定着す
    る画像形成方法において、 該トナーは、少なくとも結着樹脂及びワッスを含有して
    おり、該ワッスは、1.5以下の重量平均分子量/数平
    均分子量(Mw/Mn)を有していることを特徴とする
    画像形成方法。
  2. 【請求項2】該ワッスは、分子量で分別することによっ
    て、重量平均分子量/数平均分子量(Mw/Mn)を
    1.5以下にしたワックスであることを特徴とする請求
    項1記載の画像形成方法。
  3. 【請求項3】 該ワックスは、示差走査熱量計により測
    定されるDSC曲線において、昇温時の吸熱ピークのオ
    ンセット温度が50℃以上にあることを特徴とする請求
    項1又は2記載の画像形成方法。
  4. 【請求項4】 該ワックスは、示差走査熱量計により測
    定されるDSC曲線において、昇温時の最大吸熱ピーク
    のピークトップ温度が130℃以下にあることを特徴と
    する請求項1又は2記載の画像形成方法。
  5. 【請求項5】 該ワックスは、300〜1500の数平
    均分子量(Mn)及び1.45以下の重量平均分子量/
    数平均分子量(Mw/Mn)を有していることを特徴と
    する請求項1記載の画像形成方法。
  6. 【請求項6】 該ワックスは、一酸化炭素及び水素から
    なる合成ガスから得られた合成炭化水素、或いはそれに
    水素添加して得られた合成炭化水素であり、且つ300
    〜1500の数平均分子量(Mn)及び1.45以下の
    重量平均分子量/数平均分子量(Mw/Mn)を有して
    いることを特徴とする請求項1記載の画像形成方法。
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