JP2003177566A - 2成分現像剤、該2成分現像剤を使用する画像形成方法及び画像形成装置、画像形成プロセスユニット - Google Patents

2成分現像剤、該2成分現像剤を使用する画像形成方法及び画像形成装置、画像形成プロセスユニット

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JP2003177566A JP2001378981A JP2001378981A JP2003177566A JP 2003177566 A JP2003177566 A JP 2003177566A JP 2001378981 A JP2001378981 A JP 2001378981A JP 2001378981 A JP2001378981 A JP 2001378981A JP 2003177566 A JP2003177566 A JP 2003177566A
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麻衣子 近藤
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健善 関根
Atsushi Sanpei
敦史 三瓶
Atsuya Oojiya
篤哉 大慈彌
Kunihiro Oyama
邦啓 大山
Masayuki Yamane
正行 山根
Junichi Sano
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 磁性トナーを用いた2成分現像剤を用いた場
合でも、現像剤担持体の線速が大きい条件下でのトナー
飛散を抑制し且つ後端白抜けなどの画質劣化を防止する
ことができる現像剤を提供すること。 【解決手段】 非磁性の現像剤担持体と、潜像担持体に
対向する現像領域で該現像剤担持体上に現像剤を穂立ち
させる磁界発生手段とを備え、該現像領域で該現像剤担
持体表面に担持した現像剤で潜像担持体上の潜像を現像
する現像装置において、該現像領域で該現像剤担持体表
面の外側に発生する法線方向磁束密度の減衰率が、50
%以上であり、該現像剤が磁性体を有する磁性トナー
(A)と磁性キャリア(B)とを少なくとも含有し、磁
性トナー(A)の1000Oeの磁場中での磁化:σt
が10〜30emu/gであることを特徴とする2成分
現像剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複写機、プリンタ
ー、FAXなどの画像形成装置、該装置に用いる現像
剤、現像装置及び画像形成プロセスユニットに係り、詳
しくは、回転駆動可能な非磁性の現像剤担持体と、潜像
担持体に対向する現像領域で該現像剤担持体上にトナー
と磁性粒子とを含む現像剤を穂立ちさせる磁界を発生さ
せる磁界発生手段とを備えた現像装置、該現像装置を備
えた画像形成装置、画像形成プロセスユニット及びこれ
に用いる現像剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、複写機、プリンタ、ファクシミ
リなどの電子写真方式の画像形成装置においては、感光
体ドラムや感光体ベルトからなる潜像担持体上に、画像
情報に対応した静電潜像が形成され、現像装置によって
現像動作が実行され、可視像が得られる。かかる電子写
真方式においては、従来より、トナーのみからなる1成
分現像剤を用いる1成分現像方式と、トナーと磁性粒子
を含む2成分現像剤を用いた2成分現像方式とが知られ
ている。
【0003】2成分現像方式法に用いられる2成分現像
剤は、比較的大きな粒子表面上に微小なトナー粒子が、
両粒子の摩擦により発生した電気力により保持されてお
り、静電潜像に近接すると、静電潜像が形成する電界に
よるトナー粒子に対する潜像方向への吸引力が、トナー
粒子とキャリア粒子間の結合力に打ち勝って、トナー粒
子は静電潜像上に吸引付着されて静電潜像が可視化され
るものである。そして、現像剤は現像によって消費され
たトナーを補充しながら反復使用される。
【0004】したがって、この2成分現像方式では安定
した画像濃度を得るためにキャリアとトナーの混合比
(トナー濃度)を一定にする必要があり、そのためのト
ナー補給機構やトナー濃度センサを搭載する必要がある
ために、現像装置が大型になり、その動作機構も複雑に
なるという欠点がある。
【0005】一方、1成分現像方式法では前記2成分現
像方式のようにキャリア粒子とトナー粒子を混合した現
像剤を用いず、トナーと現像スリーブの摩擦により発生
する電気力あるいは磁性体を含有するトナーと磁石を内
蔵した現像スリーブ間の磁力により現像スリーブ上にト
ナーを保持し、静電潜像に近接すると静電潜像が形成す
る電界によるトナー粒子に対する潜像方向への吸引力
が、トナー粒子と現像スリーブ間の結合力に打ち勝っ
て、トナー粒子は静電潜像上に吸引付着されて静電潜像
が可視化されるものである。
【0006】従って、1成分現像法ではトナー濃度を制
御する必要がないために、現像装置が小型化できるとい
う利点があるが、現像領域でのトナーの粒子数が2成分
現像方式に比べて少ないために感光体上へのトナーの現
像量が充分ではなく、高速の複写機への対応が困難であ
った。
【0007】上記2成分現像方式においては、現像が行
われる現像領域において潜像担持体と現像剤担持体との
距離を近接させるほど、高い画像濃度を得やすく、また
エッジ効果も少ないことが知られている。このため潜像
担持体と現像剤担持体との距離を近接させることが望ま
しいが、両者を近接させると黒ベタ画像やハーフトーン
のベタ画像の後端部が白く抜ける、いわゆる「後端白抜
け」と呼ばれる画質劣化が発生しやすくなる。
【0008】上記「後端白抜け」の現象は、次のような
メカニズムで起こると考えられる。図10は、2成分現
像方式でネガポジ現像を行なう現像装置における現像部
の一例を示している。図10において、小さな丸はトナ
ー(3a)、大きな丸は磁性キャリア(磁性粒子)(3
b)を示している。また、図示の都合上、現像領域内の
1本の磁気ブラシだけを実線で示し、他の磁気ブラシは
破線で示すと共にトナーを省略してある。さらに、感光
体ドラム(1)上の非画像部(A)は負極性に帯電して
いるものとする。
【0009】図10において、現像剤担持体としての現
像スリーブ(4)上に担持された現像剤は、矢印(D)
方向の現像スリーブ(4)の移動により、感光体ドラム
(1)と対向する現像領域付近へと運ばれる。現像剤
は、現像領域付近で現像磁極(201)の磁力により磁
性キャリア(3b)が穂立ちし、磁気ブラシ(MB)を
形成する。一方、感光体ドラム(1)はその表面に静電
潜像を保持しつつ、矢印(C)方向に回転している。現
像領域では、感光体ドラム(1)と現像スリーブ(4)
との線速差(感光体線速<現像スリーブ線速)により、
磁気ブラシ(MB)が感光体ドラム(1)上の潜像を摺
擦し、現像電界によって画像部(B10)にトナー(3
a)が付着する。その結果、現像スリーブ移動方向にお
ける現像領域の下流側では、感光体ドラム(1)上の潜
像の画像部(B10)にトナー像が形成される。なお、
所定の画像濃度を確保するために、現像スリーブ線速
は、感光体線速よりも大きくするのが一般的である。
【0010】このような2成分現像方式の現像装置にお
いては、図11に示すようなメカニズムで後端白抜けが
生じると考えられる。図11(a)〜(c)はいずれ
も、図10の感光体ドラム(1)と現像スリーブ(4)
の対向部付近を拡大した説明図であり、左側の感光体ド
ラム(1)に対し、右側の磁気ブラシ(MB)の先端が
近づいてくる磁気ブラシの動きを、図11(a)、
(b)、(c)の時系列で表示している。図11におい
て感光体ドラム(1)と現像スリーブ(4)の対向部
は、ちょうど非画像部と黒ベタ画像との境界を現像して
いる状態、すなわち「後端白抜け」が発生する状態にあ
り、感光体回転方向下流側には現像されたばかりのトナ
ー像が形成されている。この状態の感光体ドラム(1)
に向かって現像スリーブ(4)上の1つの磁気ブラシ
(MB)が近づいてくる。ここで、感光体ドラム(1)
は実際には図中時計回りに回転しているが、上述のよう
に現像スリーブ(4)が感光体ドラム(1)よりも早く
移動しているため、磁気ブラシ(MB)は感光体ドラム
(1)を追い越していく。そのため、図11(a)〜
(c)においては感光体ドラム(1)が静止しているも
のとしてモデルを簡略化している。
【0011】図11(a)において感光体ドラム(1)
に近づいてくる磁気ブラシ(MB)は、現像すべき画像
部の後端位置(A)に至るまでの間に非画像部に対向し
て移動する。この移動の際に、マイナス電荷同士の反発
力(B11)により、トナー(3a)は次第に感光体ド
ラム(1)から離れ現像スリーブ表面側に移動していく
(以下、このトナー移動を「トナードリフト」とい
う)。このトナードリフトの結果、図11(b)のよう
に、磁気ブラシ(MB)が画像部後端位置(A11)に
到達する頃には、感光体ドラム(1)近くの磁気ブラシ
は正極性に帯電した磁性キャリア(3b)が剥き出しの
状態になっている。このため、潜像の画像部後端位置
(A)に対向する磁性キャリア表面にはトナーは存在せ
ず、画像部後端位置(A11)で磁気ブラシ(MB)か
ら感光体ドラム(1)へのトナー移動はない。さらに、
図11(c)において磁気ブラシ(MB)が画像部後端
位置(A11)から画像部の若干内側に入った画像部後
端部(C11)に到達すると、トナー(3a)と感光体
ドラム(1)との付着力が弱い場合には一度感光体ドラ
ム(1)に付着したトナー(3a)が静電気力により磁
性キャリアに再付着することもある。この結果、画像部
の非画像部に近接した画像部後端部では現像が行なわれ
ないことがあり、これが「後端白抜け」の原因となると
考えられる。
【0012】以上の「後端白抜け」発生メカニズムの説
明では、現像スリーブ(4)の回転中心軸に垂直な断面
を図示して説明してきたが、現像スリーブの長手方向
(回転中心軸方向)に沿って観察すると、各磁気ブラシ
の長さは一定ではなく、長手方向の位置でばらついてい
る。図12は、この磁気ブラシの様子を模式的に示して
いる。図12(a)は長手方向に広がる磁気ブラシ(M
B)の状態を示し、図12(b)は、図12(a)に示
す磁気ブラシ(MB)を長手方向に対して垂直な平面A
−Aで切ったときの断面図を示している。他の図との関
係が分かるようにため、図12(b)には模式的に感光
体ドラム(1)との位置関係を示しておく。図12
(a)及び図13(a)に示すように、磁気ブラシ(M
B)の高さは長手方向にばらつきが大きい。このため、
感光体への接触位置が長手方向に沿って不揃いにばらつ
く。この結果、上記トナードリフトの度合も長手方向に
ばらつき、「後端白抜け」の起こる度合は長手方向に一定
ではない。したがって、図13(b)に示すように長手
方向にぎざぎざした形の「後端白抜け」が発生すること
になる。
【0013】なお、同様なメカニズムにより、現像スリ
ーブ(4)の回転中心軸方向に延在する横細線がそれに
直交する縦細線に比べて細る「横線細り」現象や、孤立
ドットの形成が不安定になる現象も発生し、2成分現像
方式の高画質化の妨げとなっていた。
【0014】そこで、本発明者らは、上記「後端白抜
け」等の発生を防止するため、現像スリーブ上の法線方
向磁束密度分布を規定することで、現像スリーブ回転方
向における現像領域の幅(現像ニップ幅)を狭くした
り、現像領域における磁気ブラシの現像剤密度を高めた
りした現像装置を提案した(特開2000−30536
0号公報参照)。
【0015】一方、現像剤に含まれるトナーとして非磁
性トナーを用い、上述のように現像スリーブを回転させ
る場合、現像スリーブ上に担持された現像剤中のトナー
に作用する遠心力により、トナー飛散が発生しやすいと
いう問題点があった。このトナー飛散を抑制するため
に、磁性トナーを用いることが考えられる。
【0016】しかしながら、現像剤のトナーとして磁性
トナーを用いた場合は、トナーと磁性キャリアとの間
に、通常の静電的な吸引力に加えて、トナーが感光体ド
ラム側から離れる向きの磁気力が生じるため、上記「後
端白抜け」が発生し易い。特に、磁性トナーを用いた場
合、図14に示すように、感光体ドラム(1)の表面と
磁気ブラシ(MB)の先端との接触部において、トナー
(3a)が磁性キャリア(3b)の表面に対して円環状
に付着し、磁気ブラシ(MB)の先端の剥き出しとなっ
た磁性キャリア表面が感光体ドラム(1)に対向するこ
とになり、上記トナードリフトによる「後端白抜け」が
更に発生しやすくなると考えられる。また、同様なメカ
ニズムにより、横細線が縦細線に比べて細る「横線細
り」現象や、孤立ドットの形成が不安定になる現象も更
に発生し易くなり、高画質化の妨げとなっていた。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、以上の背景のもとでなされたものであり、磁性トナ
ーを用いた2成分現像剤を用いた場合でも、現像剤担持
体の線速が大きい条件下でのトナー飛散を抑制し且つ後
端白抜けなどの画質劣化を防止することができる現像装
置、該現像装置を備えた画像形成装置、画像形成プロセ
スユニットおよびそれに用いる現像剤を提供することに
ある。
【0018】
【課題を解決するための手段】上記課題は、本発明の
(1)「回転駆動可能な非磁性の現像剤担持体と、潜像
担持体に対向する現像領域で該現像剤担持体上にトナー
と磁性粒子とを含む現像剤を穂立ちさせる磁界を発生さ
せる磁界発生手段とを備え、該現像領域で該現像剤担持
体表面に担持したブラシ状の現像剤を、該潜像担持体表
面の移動方向と同方向で且つ該潜像担持体表面よりも高
速に移動させて接触させることにより、該潜像担持体上
の潜像を現像する現像装置において、該現像領域で該現
像剤担持体表面の外側に発生する法線方向磁束密度の減
衰率が、50%以上であり、該現像剤が磁性体を有する
磁性トナー(A)と磁性キャリア(B)とを少なくとも
含有し、磁性トナー(A)の1000Oeの磁場中での
磁化:σtが10〜30emu/gであることを特徴と
する2成分現像剤」、(2)「回転駆動可能な非磁性の
現像剤担持体と、潜像担持体に対向する現像領域で該現
像剤担持体上にトナーと磁性粒子とを含む現像剤を穂立
ちさせる磁界を発生させる磁界発生手段とを備え、該現
像領域で該現像剤担持体表面に担持したブラシ状の現像
剤を、該潜像担持体表面の移動方向と同方向で且つ該潜
像担持体表面よりも高速に移動させて接触させることに
より、該潜像担持体上の潜像を現像する現像装置におい
て、該現像領域で該現像剤担持体の外周面上に発生する
法線方向磁束密度の、該現像剤担持体の回転中心軸から
みた該現像剤担持体表面移動方向におけるOmT変極点
間角度幅が、40°以下であり、該現像剤が磁性体を有
する磁性トナー(A)と磁性キャリア(B)とを少なく
とも含有し、磁性トナー(A)の1000Oeの磁場中
での磁化:σtが10〜30emu/gであることを特
徴とする2成分現像剤」、(3)「回転駆動可能な非磁
性の現像剤担持体と、潜像担持体に対向する現像領域で
該現像剤担持体上にトナーと磁性粒子とを含む現像剤を
穂立ちさせる磁界を発生させる磁界発生手段とを備え、
該現像領域で該現像剤担持体表面に担持したブラシ状の
現像剤を、該潜像担持体表面の移動方向と同方向で且つ
該潜像担持体表面よりも高速に移動させて接触させるこ
とにより、該潜像担持体上の潜像を現像する現像装置に
おいて、該現像領域で該現像剤担持体の外周面上に発生
する法線方向磁束密度の、該現像剤担持体の回転中心軸
からみた該現像剤担持体表面移動方向における半値角度
幅が、20°以下、該現像剤が磁性体を有する磁性トナ
ー(A)と磁性キャリア(B)とを少なくとも含有し、
磁性トナー(A)の1000Oeの磁場中での磁化:σ
tが10〜30emu/gであることを特徴とする2成
分現像剤」、(4)「該現像装置において、現像剤担持
体に担持され上記現像領域に向けて搬送される現像剤の
量を規制する現像剤規制部材と、該現像剤規制部材で該
現像領域に向けての搬送を規制された現像剤を収容する
現像剤収容部と、該現像剤収容部に現像剤搬送方向上流
側から隣接する位置で該現像剤担持体表面に臨むトナー
補給用開口を有するトナー収容部とを備え、該現像剤担
持体上での現像剤搬送に伴う現像剤の移動により、該現
像剤担持体上の現像剤のトナー濃度に応じて該トナー収
容部内のトナーを現像剤に取り込む現像装置であり、該
現像剤が磁性体を有する磁性トナー(A)と磁性キャリ
ア(B)とを少なくとも含有し、磁性トナー(A)の1
000Oeの磁場中での磁化:σtが10〜30emu
/gであることを特徴とする前記第(1)項乃至第
(3)項の何れか1に記載の2成分現像剤」、(5)
「磁性トナー(A)中の磁性体が実質的にケイ素又はア
ルミニウム元素を含有しない球状磁性体であることを特
徴とする前記第(1)項乃至第(4)項の何れか1に記
載の2成分現像剤」により達成される。
【0019】上記課題は、本発明の(6)「回転駆動可
能な非磁性の現像剤担持体と、潜像担持体に対向する現
像領域で該現像剤担持体上にトナーと磁性粒子とを含む
現像剤を穂立ちさせる磁界を発生させる磁界発生手段と
を備え、該現像領域で該現像剤担持体表面に担持したブ
ラシ状の現像剤を、該潜像担持体表面の移動方向と同方
向で且つ該潜像担持体表面よりも高速に移動させて接触
させることにより、該潜像担持体上の潜像を現像する現
像装置において、該現像剤が磁性体を有する磁性トナー
(A)と磁性キャリア(B)とを少なくとも含有し、磁
性トナー(A)の1000Oeの磁場中での磁化:σt
が10〜30emu/gであり、該現像領域で該現像剤
担持体表面の外側に発生する法線方向磁束密度の減衰率
が、50%以上であることを特徴とする現像装置」、
(7)「回転駆動可能な非磁性の現像剤担持体と、潜像
担持体に対向する現像領域で該現像剤担持体上にトナー
と磁性粒子とを含む現像剤を穂立ちさせる磁界を発生さ
せる磁界発生手段とを備え、該現像領域で該現像剤担持
体表面に担持したブラシ状の現像剤を、該潜像担持体表
面の移動方向と同方向で且つ該潜像担持体表面よりも高
速に移動させて接触させることにより、該潜像担持体上
の潜像を現像する現像装置において、該現像剤が磁性体
を有する磁性トナー(A)と磁性キャリア(B)とを少
なくとも含有し、磁性トナー(A)の1000Oeの磁
場中での磁化:σtが10〜30emu/gであり、該
現像領域で該現像剤担持体の外周面上に発生する法線方
向磁束密度の、該現像剤担持体の回転中心軸からみた該
現像剤担持体表面移動方向におけるOmT変極点間角度
幅が、40°以下であることを特徴とする現像装置」、
(8)「回転駆動可能な非磁性の現像剤担持体と、潜像
担持体に対向する現像領域で該現像剤担持体上にトナー
と磁性粒子とを含む現像剤を穂立ちさせる磁界を発生さ
せる磁界発生手段とを備え、該現像領域で該現像剤担持
体表面に担持したブラシ状の現像剤を、該潜像担持体表
面の移動方向と同方向で且つ該潜像担持体表面よりも高
速に移動させて接触させることにより、該潜像担持体上
の潜像を現像する現像装置において、該現像剤が磁性体
を有する磁性トナー(A)と磁性キャリア(B)とを少
なくとも含有し、磁性トナー(A)の1000Oeの磁
場中での磁化:σtが10〜30emu/gであり、該
現像領域で該現像剤担持体の外周面上に発生する法線方
向磁束密度の、該現像剤担持体の回転中心軸からみた該
現像剤担持体表面移動方向における半値角度幅が、20
°以下であることを特徴とする現像装置」により達成さ
れる。
【0020】また、上記課題は、(9)「潜像担持体、
該潜像担持体の表面を一様帯電する帯電装置、及び該潜
像担持体の表面をクリーニングするクリーニング装置の
少なくとも一つと、該潜像担持体上の潜像を現像してト
ナー像とする現像装置とを、画像形成装置本体に対して
着脱可能に一体構造物として構成した画像形成プロセス
ユニットであって、該現像装置として、前記第(6)項
乃至第(9)の何れか1に記載の現像装置を用いたこと
を特徴とする画像形成プロセスユニット」により達成さ
れる。
【0021】即ち、上記目的を達成するために、本発明
は、回転駆動可能な非磁性の現像剤担持体と、潜像担持
体に対向する現像領域で該現像剤担持体上にトナーと磁
性粒子とを含む現像剤を穂立ちさせる磁界を発生させる
磁界発生手段とを備え、該現像領域で該現像剤担持体表
面に担持したブラシ状の現像剤を、該潜像担持体表面の
移動方向と同方向で且つ該潜像担持体表面よりも高速に
移動させて接触させることにより、該潜像担持体上の潜
像を現像する現像装置において、該現像剤が磁性体を有
する磁性トナー(A)と磁性キャリア(B)とを少なく
とも含有し、磁性トナー(A)の1000Oeの磁場中
での磁化:σtが10〜30emu/gであり、該現像
領域で該現像剤担持体表面の外側に発生する法線方向磁
束密度の減衰率が、50%以上であることを特徴とする
ものである。
【0022】ここで、上記「現像領域」とは、現像剤担
持体上で穂立ちして形成されたブラシ状の現像剤が潜像
担持体と接触し、現像剤中のトナーで潜像担持体の潜像
を現像可能な領域である。また、上記「法線方向磁束密
度の減衰率」とは、現像磁極によって現像剤担持体表面
上に発生する法線方向磁束密度のピーク値をXとし、現
像剤担持体表面から径方向に1mm離れた位置での法線
方向磁束密度のピーク値をYとしたとき、下記式で求め
られる値である。
【0023】
【数1】減衰率[%]={(X−Y)/X}×100
【0024】本発明の現像装置では、磁性トナーを用い
ることにより、トナーが磁気力によって磁性キャリアに
引き付けられるので、現像剤担持体の線速を大きくした
場合でもトナー飛散が発生しにくくなる。そして、現像
領域で現像剤担持体表面の外側に発生する法線方向磁束
密度の減衰率を50%以上にすることにより、現像剤担
持体表面移動方向における現像領域の幅が狭くなり、上
記磁性トナーを用いた場合でも、前述の画像部後端部に
おける潜像担持体から現像剤担持体側に向かうトナード
リフトが発生しないようになる。更に、現像領域におい
て穂立ちしたブラシ状の現像剤の長さが短く且つ密度が
高まり、上記磁性トナーを用いた場合でも、ブラシ状の
現像剤が、現像領域の潜像担持体の表面に対して、現像
剤担持体の回転中心軸方向全体にわたって均一に接離す
るようになる。特に現像剤担持体の線速が大きい条件に
おいてこの効果が大きく、1000Oeの磁場中での磁
化:σtが10〜30emu/gとすることにより、ト
ナー飛散とトナードリフトによる「後端白抜け」の発生
を両立して防止できる。
【0025】また、本発明は、回転駆動可能な非磁性の
現像剤担持体と、潜像担持体に対向する現像領域で該現
像剤担持体上にトナーと磁性粒子とを含む現像剤を穂立
ちさせる磁界を発生させる磁界発生手段とを備え、該現
像領域で該現像剤担持体表面に担持したブラシ状の現像
剤を、該潜像担持体表面の移動方向と同方向で且つ該潜
像担持体表面よりも高速に移動させて接触させることに
より、該潜像担持体上の潜像を現像する現像装置におい
て、該現像剤が磁性体を有する磁性トナー(A)と磁性
キャリア(B)とを少なくとも含有し、磁性トナー
(A)の1000Oeの磁場中での磁化:σtが10〜
30emu/gであり、該現像領域で該現像剤担持体の
外周面上に発生する法線方向磁束密度の該現像剤担持体
の回転中心軸からみた該現像剤担持体表面移動方向にお
けるOmT変極点間角度幅が、40°以下であることを
特徴とするものである。ここで、上記「OmT変極点」
とは、現像磁極の中央から現像剤担持体表面移動方向に
遠ざかっていくときに法線方向磁束密度の値がOmTに
なる点、すなわち法線方向磁束密度の向きが反転する点
である。
【0026】本発明の現像装置では、磁性トナーを用い
ることにより、トナーが磁気力によって磁性粒子に引き
付けられるので、現像剤担持体の線速を大きくした場合
でもトナー飛散が発生しにくくなる。そして、上記法線
方向磁束密度のOmT変極点間角度幅を40°以下にす
ることにより、上記磁性トナーを用いた場合でも、現像
剤担持体表面移動方向における現像領域の幅が狭くなる
とともに、現像領域において穂立ちしたブラシ状の現像
剤の長さが短く且つ密度が高まる。特に現像剤担持体の
線速が大きい条件においてこの効果が大きく、1000
Oeの磁場中での磁化:σtが10〜30emu/gと
することにより、トナー飛散とトナードリフトによる
「後端白抜け」の発生を両立して防止できる。
【0027】また、本発明は、回転駆動可能な非磁性の
現像剤担持体と、潜像担持体に対向する現像領域で該現
像剤担持体上にトナーと磁性粒子とを含む現像剤を穂立
ちさせる磁界を発生させる磁界発生手段とを備え、該現
像領域で該現像剤担持体表面に担持したブラシ状の現像
剤を、該潜像担持体表面の移動方向と同方向で且つ該潜
像担持体表面よりも高速に移動させて接触させることに
より、該潜像担持体上の潜像を現像する現像装置におい
て、該現像剤が磁性体を有する磁性トナー(A)と磁性
キャリア(B)とを少なくとも含有し、磁性トナー
(A)の1000Oeの磁場中での磁化:σtが10〜
30emu/gであり、該現像領域で該現像剤担持体の
外周面上に発生する法線方向磁束密度の、該現像剤担持
体の回転中心軸からみた該現像剤担持体表面移動方向に
おける半値角度幅が、20°以下であることを特徴とす
るものである。
【0028】本発明の現像装置では、磁性トナーを用い
ることにより、トナーが磁気力によって磁性粒子に引き
付けられるので、現像剤担持体の線速を大きくした場合
でもトナー飛散が発生しにくくなる。そして、上記法線
方向磁束密度の半値角度幅を20°以下にすることによ
り、上記磁性トナーを用いた場合でも、現像剤担持体表
面移動方向における現像領域の幅が狭くなるとともに、
現像領域において穂立ちしたブラシ状の現像剤の長さが
短く且つ密度が高まる。特に現像剤担持体の線速が大き
い条件においてこの効果が大きく、1000Oeの磁場
中での磁化:σtが10〜30emu/gとすることに
より、トナー飛散とトナードリフトによる「後端白抜
け」の発生を両立して防止できる。
【0029】更に、上記発明の現像装置において、上記
現像剤担持体に担持され上記現像領域に向けて搬送され
る現像剤の量を規制する現像剤規制部材と、該現像剤規
制部材で該現像領域に向けての搬送を規制された現像剤
を収容する現像剤収容部と、該現像剤収容部に現像剤搬
送方向上流側から隣接する位置で該現像剤担持体表面に
臨むトナー補給用開口を有するトナー収容部とを備え、
該現像剤担持体上での現像剤搬送に伴う現像剤の移動に
より、該現像剤担持体上の現像剤のトナー濃度に応じて
該トナー収容部内のトナーを現像剤に取り込むことを特
徴とするものである。
【0030】本発明の現像装置では、上記トナー補給用
開口に臨む位置で現像剤担持体上に担持搬送されている
搬送現像剤に接しているトナーが、搬送現像剤と現像剤
収容部に収容されている収容現像剤との界面から引き込
まれるように現像剤に取り込まれる。そして、現像剤担
持体上の現像剤のトナー濃度が上昇すると、現像剤の嵩
が増えることにより、現像剤収容部内に収容されている
収容現像剤がトナー補給用開口を覆うように延びてき
て、トナー補給用開口におけるトナー収容部から現像剤
担持体上の現像剤へのトナー取り込みを抑制する。これ
により、トナー補給機構及びトナー濃度センサをなくて
も現像剤のトナー濃度を一定範囲内に制御することがで
きるため、小型で安価な画像型性装置を提供できる。特
に磁性トナーの1000Oeの磁場中での飽和磁化σt
が10〜30[emu/g]であることにより、トナー
取り込み時に現像剤がトナーを効率よく取り込むことが
できるため、トナー消費量の多い画像を繰り返し複写し
ても画像濃度の低下を防止できる。また、トナー自体の
磁化による現像剤担持体方向への磁気束縛力により現像
剤担持体の回転に伴うトナー飛散や地肌部分へのトナー
現像を有効に防止できる。
【0031】更に本発明は、上記トナー収容部の上記現
像剤担持体表面に臨むトナー補給用開口と上記現像剤収
容部との間に位置し、該トナー収容部のトナー補給用開
口から該現像剤収容部に向けて担持搬送されている該現
像剤担持体上の該現像剤の量を規制する第2現像剤規制
部材を備え、該現像剤担持体上の現像剤のトナー濃度上
昇に伴って該現像剤の規制量が増加するように、該第2
現像剤規制部材と該現像剤担持体表面との間隙が設定さ
れていることを特徴とするものである。
【0032】本発明の現像装置では、現像剤担持体上の
現像剤のトナー濃度が上昇すると、現像剤の層厚が増加
し、増加した現像剤の通過が第2現像剤規制部材で規制
される。この規制された現像剤が、第2現像剤規制部材
に対して現像剤搬送方向上流側から隣接するトナー補給
用開口を覆い、トナー収容部から現像剤担持体上に担持
搬送されている現像剤へのトナー取り込みを抑制する。
これにより、トナー補給機構及びトナー濃度センサをな
くても現像剤のトナー濃度を一定範囲内に制御すること
ができるため、小型で安価な画像型性装置を提供でき
る。特に磁性トナーの1000Oeの磁場中での飽和磁
化σtが10〜30[emu/g]であることにより、
トナー取り込み時に現像剤がトナーを効率よく取り込む
ことができるため、トナー消費量の多い画像を繰り返し
複写しても画像濃度の低下を防止できる。また、トナー
自体の磁化による現像剤担持体方向への磁気束縛力によ
り現像剤担持体の回転に伴うトナー飛散や地肌部分への
トナー現像を有効に防止できる。
【0033】更に本発明は、上記発明の現像装置におい
て、磁性トナー(A)中の磁性体が実質的にケイ素又は
アルミニウム元素を含有しない球状磁性体であることを
特徴とするものである。
【0034】請求項6の現像装置では、前記磁性トナー
(A)中の磁性体が実質的にケイ素又はアルミニウム元
素を含有しない球状磁性体であることにより、湿度環境
の変動によるトナーの帯電量の変化を小さくすることが
できる。
【0035】更に本発明は、上記発明の現像装置におい
て、磁性トナー(A)中の磁性体が、1000Oeの磁
場中での磁化:σmが30〜70emu/gであること
を特徴とするものである。磁性トナー(A)中の磁性体
の1000Oeの磁場中での飽和磁化が、30〜90e
mu/g、好ましくは30〜70emu/gにより、前
記トナーの磁気特性を満足することが可能となる。
【0036】更に本発明は、上記発明の現像装置におい
て、磁性トナー(A)中の磁性体の平均粒径が、0.2
〜0.4μmであることを特徴とするものである。
【0037】更に本発明は、上記発明の現像装置におい
て、磁性トナー(A)の磁性体FeO含有量が10〜3
0wt%であることを特徴とするものである。
【0038】更に本発明は、上記発明の現像装置におい
て磁性トナー(A)中の磁性体の比表面積が1〜60m
2/gであることを特徴とするものである。
【0039】更に本発明は、上記発明の現像装置におい
て、上記現像剤担持体の表面移動速度が、550mm/
sec以下であることを特徴とするものである。本発明
の現像装置では、現像剤担持体の表面移動速度を550
mm/sec以下にすることにより、トナーの磁性体量
が10〜50質量%の場合にトナー飛散を確実に防止で
きるようにする。
【0040】更に本発明は、上記発明の現像装置におい
て、上記現像剤担持体に印加する現像バイアス(VB)
と、上記潜像担持体上の地肌部電位(VD)との差の絶
対値が、400V以下であることを特徴とするものであ
る。本発明の現像装置では、現像バイアス(VB)と地
肌部電位(VD)との差の絶対値を400V以下にする
ことにより、上記トナードリフトに起因した「後端白抜
け」等の画質劣化が確実に発生しないようにする。
【0041】更に本発明は、上記発明の現像装置におい
て、上記潜像担持体の表面移動速度に対する上記現像剤
担持体の表面移動速度の比率が、3.7以下であること
を特徴とするものである。本発明の現像装置では、潜像
担持体の表面移動速度に対する現像剤担持体の表面移動
速度の比率を3.7以下にすることにより、上記トナー
ドリフトに起因した「後端白抜け」等の画質劣化が確実
に発生しないようにする。
【0042】更に本発明は、上記発明の現像装置におい
て、上記現像剤担持体に印加する現像バイアスVBが、
交流成分を含むことを特徴とするものである。本発明の
現像装置では、交流成分を含む現像バイアス(VB)を
現像剤担持体に印加することにより、ざらつき感のない
高解像度の画像が得られるとともに、地肌部に磁性粒子
が付着する確立を大幅に低減できる。
【0043】また本発明は、潜像担持体と、該潜像担持
体に潜像を形成する潜像形成手段と、該潜像担持体上の
潜像を現像してトナー像とする現像装置と、該潜像担持
体上のトナー像を転写材に転写する転写装置とを備えた
画像形成装置であって、該現像装置として、上記発明の
現像装置を用いたことを特徴とするものである。本発明
の画像形成装置では、上記現像装置を用いることによ
り、現像剤担持体の線速を大きくした場合でも、トナー
飛散を抑制することができるとともに、後端白抜けなど
の画質劣化のない画像を転写材上に形成することができ
る。
【0044】更に本発明は、潜像担持体と、該潜像担持
体に潜像を形成する潜像形成手段と、該潜像担持体上の
潜像を現像してトナー像とする現像装置と、該潜像担持
体上のトナー像が転写される中間転写体と、該潜像担持
体上のトナー像を該中間転写体に転写する1次転写装置
と、該中間転写体上のトナー像を転写材に転写する2次
転写装置とを備えた画像形成装置であって、該現像装置
として、上記発明の現像装置を用いたことを特徴とする
ものである。本発明の画像形成装置では、現像剤担持体
の線速を大きくした場合でも、トナー飛散を抑制するこ
とができるとともに、後端白抜けなどの画質劣化のない
画像を、中間転写体を介して転写材上に形成することが
できる。
【0045】また本発明は、潜像担持体、該潜像担持体
の表面を一様帯電する帯電装置、及び該潜像担持体の表
面をクリーニングするクリーニング装置の少なくとも一
つと、該潜像担持体上の潜像を現像してトナー像とする
現像装置とを、画像形成装置本体に対して着脱可能に一
体構造物として構成した画像形成プロセスユニットであ
って、該現像装置として、上記発明の現像装置を用いた
ことを特徴とするものである。本発明の画像形成プロセ
スユニットでは、上記現像装置を備えた画像形成プロセ
スユニットを画像形成装置本体に装着して用いることに
より、現像剤担持体の線速を大きくした場合でも、トナ
ー飛散を抑制することができるとともに、後端白抜けな
どの画質劣化のない画像を形成することができる。
【0046】
【発明の実施の形態】以下、本発明を電子写真式の画像
形成装置であるレーザプリンタ(以下、「プリンタ」と
いう)の現像装置に適用した実施形態について説明す
る。まず、図2を用いて本実施形態に係るプリンタの概
略について説明する。潜像担持体としての感光体ドラム
(1)は、図中矢印(A)方向に回転駆動されながら、
感光体ドラム(1)に接触してその表面を帯電する帯電
ローラ(50)により一様に帯電された後、光書き込み
ユニット(51)により画像情報に基づき走査露光され
て表面に静電潜像が形成される。本実施形態では、上記
帯電ローラ(50)及び光書き込みユニット(51)に
より潜像形成手段が構成されているが、他の種類の帯電
装置や露光装置を用いて構成してもよい。感光体ドラム
(1)上に形成された静電潜像は、後述する現像装置
(2)により現像され、感光体ドラム(1)上にトナー
像が形成される。感光体ドラム(1)上に形成されたト
ナー像は、転写装置としての転写ローラ(53)を備え
た転写ユニットにより給紙カセット(54)から給紙ロ
ーラ(55)、レジストローラ対(56)を経て搬送さ
れた転写材としての用紙(52)上に転写される。転写
終了後の用紙(52)は、定着ユニット(57)により
トナー像が定着され機外に排出される。なお、転写され
なかった感光体ドラム(1)上の残留トナーは、クリー
ニングユニット(58)により感光体ドラム(1)から
除去される。また、感光体ドラム(1)上の残留電荷は
除電ランプ(59)で除去される。
【0047】次に、本実施形態に係る現像装置の全体構
成について説明する。図1は現像装置(2)の全体の概
略構成図である。この現像装置(2)は感光体ドラム
(1)の側方に配設され、磁性トナー(3a)及び磁性
粒子(以下「磁性キャリア」という。)(3b)とを含
む二成分現像剤(以下「現像剤」という。)(3)を表
面に担持する現像剤担持体として非磁性の現像スリーブ
(4)を備えている。この現像スリーブ(4)は、ケー
シング(2a)の感光体ドラム(1)側に形成された開
口部から一部露出するように取り付けられ、図示しない
駆動装置により、感光体ドラム(1)と対向する現像領
域(D)において現像剤を下方図中矢印(B)方向)に
移動させる向きに回転駆動可能になっている。また、現
像スリーブ(4)の内部には、磁界発生手段としての固
定磁石群からなるマグネットローラ(5)が固定配置さ
れている。
【0048】また、本現像装置は、現像スリーブ(4)
上に担持され現像領域(D)に向けて搬送されている現
像剤の量を規制する現像剤規制部材としてのドクタ
(6)、該ドクタ(6)に現像剤搬送方向上流側で現像
スリーブ(4)の表面及びドクタ(6)との間に現像剤
(3)を収容する現像剤収容部(S)を形成するように
設けられた現像剤収容ケース(7)、トナー収容部とし
てのトナーホッパ(8)なども備えている。トナーホッ
パ(8)は現像スリーブ(4)上の現像剤搬送方向にお
ける現像剤収容部(S)の上流側に隣接して現像スリー
ブ表面と対向するトナー補給用開口(以下「トナー補給
口」という。)(8a)を有している。また、トナーホ
ッパ(8)の内部には、図中矢印(C)で示す時計方向
に回転しながら磁性トナー(3a)をトナー補給口(8
a)に向けて撹拌しながら送り出すトナー撹拌部材とし
てのトナーアジテータ(9)が配設されている。
【0049】上記現像剤収容ケース(7)の現像スリー
ブ(4)に近接する先端部(ひさし部)は、トナーホッ
パ(8)から磁性トナーが補給され現像剤収容部(S)
内に向かって進行しようとする現像剤の量を規制する第
2現像剤規制部材としてのプレドクタ(7a)として用
いられている。また、上記現像剤収容ケース(7)等で
形成される現像剤収容部(S)には、感光体ドラム
(1)との対向する現像領域に供給されずにドクタ
(6)で進行が阻止された現像剤が収容される。
【0050】上記マグネットローラ(5)の表面部に
は、該ローラの回転中心軸方向に沿った方向に延在する
磁極が径方向外側に向けて複数形成されるように、複数
の磁石が設けられている。具体的には、現像領域(D)
に対向する位置に現像剤を穂立ちさせて現像を行なうた
めの現像磁極(P1)N極が形成され、この現像磁極に
よる法線方向磁束密度分布の半値角度幅を狭くするため
に、現像磁極(P1)に対して現像スリーブ回転方向の
上流側及び下流側のそれぞれから隣接する位置に、現像
磁極と反対の極性の補助磁極(P1a)S極,(P1
b)S極を有している。また、上記現像剤収容部(S)
に磁界の磁力が及ぶように、プレドクタ(7a)に対向
する位置から上記現像領域に至る間に磁極(P4)N極
を有している。更に、上記マグネットローラ(5)の表
面には、一般的な現像装置と同様に、現像スリーブ
(4)上に現像剤を担持し続けながら搬送するための搬
送磁極(P2)N極,(P3)S極を有している。
【0051】なお、図1中の現像スリーブ(4)の周囲
に点線で示した曲線は、各磁極によって形成された、現
像スリーブ(4)の軸方向中央部における現像スリーブ
表面上の法線方向磁束密度分布を示している。
【0052】上記マグネットローラ(5)は、6極の磁
極が形成されているが、上記補助磁極(P1b)から補
助磁極(P1a)に至る間に磁極を更に増やし、8極や
10極で構成されるマグネットローラとしてもよい。
【0053】また、上記マグネットローラ(5)の現像
磁極(P1)は、回転中心軸に垂直な横断面における面
積(以下「横断面積」という。)が小さい磁石により構
成されている。この横断面積が小さくなると一般に磁力
は弱くなるが、現像スリーブ表面の磁力が小さくなりす
ぎると磁性キャリアを保持する力が充分ではなくなるた
めに感光体ドラム(1)への磁性キャリア付着を生じる
ことがある。そこで、この現像磁極(P1)用の磁石は
磁力の強い希土類金属合金磁石により作製した。希土類
金属合金磁石のうち代表的な鉄ネオジウムボロン合金磁
石では最大エネルギー積で358kJ/mであり、鉄
ネオジウムボロン合金ボンド磁石では最大エネルギー積
で80kJ/m前後である。これにより、従来通常用
いられていた、最大エネルギー積が36kJ/m
後、20kJ/m前後であるフェライト磁石、フェラ
イトボンド磁石等と比べ強い磁力を確保することが可能
となったため、横断面積の小さい磁石を用いても現像ス
リーブ表面の磁力を確保することが可能となった。磁力
を確保するためには、この他にサマリュウムコバルト金
属合金磁石等を用いることもできる。
【0054】また、本実施形態の現像装置において、現
像時、現像スリーブ(4)には、現像バイアス印加手段
としての現像バイアス電源(10)により、現像バイア
ス(VB)として直流電圧に交流電圧を重畳した振動バ
イアス電圧が印加されている。地肌部電位(背景部電
位)(VD)及び画像部電位(VL)はそれぞれ、上記
振動バイアス電圧(VB)の最大値と最小値の間に位置
している。この振動バイアス電圧の印加により、向きが
交互に変化する交互電界が現像領域(D)に形成され
る。この交互電界中で現像剤のトナー(3a)と磁性キ
ャリア(3b)とが激しく振動し、磁性トナー(3a)
が現像スリーブ(4)および磁性キャリア(3b)への
静電的拘束力及び磁気的拘束力に打ち勝って感光体ドラ
ム(1)の表面に形成された静電潜像に選択的に付着す
る。
【0055】上記振動バイアス電圧からなる現像バイア
ス(VB)の最大値と最小値の差(ピーク間電圧)は
0.5〜5kVが好ましく、周波数は1〜10kHzが
好ましい。振動バイアス電圧の波形としては、矩形波、
サイン波、三角波等を使用できる。振動バイアスの直流
電圧成分は、地肌部電位(VD)と画像部電位(VL)
の間の値であるが、画像部電位(VL)よりも地肌部電
位(VD)に近い値であるほうが、地肌部電位領域への
かぶりトナーの付着を防止する上で好ましい。
【0056】また、上記振動バイアス電圧の波形が矩形
波の場合、デューティ比を50%以下とすることが望ま
しい。ここで、「デューティ比」とは、振動バイアス電
圧の1周期中でトナーが感光体ドラム(1)に向かおう
とする時間の割合である。このデューティ比に設定する
ことにより、トナーが感光体ドラム(1)に向かおうと
するピーク値と現像バイアスの時間平均値との差を大き
くすることができるので、トナーの運動がさらに活発化
し、トナーが静電潜像の電位分布に忠実に付着して、現
像能力が向上し、さらにざらつき感や解像力を向上させ
ることができる。また、トナー(3a)とは逆極性の電
荷を有する磁性キャリア(3b)が感光体ドラム(1)
に向かおうとするピーク値と現像バイアスの時間平均値
との差を小さくすることができるので、磁性キャリア
(3a)の運動が沈静化することができる。これによ
り、画像後端部のトナーの攪乱を防止し、後端白抜け、
細線再現性、孤立ドット再現性が良好となる。さらに静
電潜像の地肌部に磁性キャリアが付着する確率を大幅に
低減する効果もある。
【0057】次に、図1に基づいて、上記構成の現像装
置の現像動作について説明する。現像スリーブ(4)上
の現像剤(3)は該スリーブ(4)の矢印(B)方向の
回転に伴って搬送され、ドクタ(6)により規制されて
薄層化される。薄層化された現像剤(3)は、矢印
(A)方向に回転している感光体ドラム(1)と対向す
る現像領域(D)に搬送される。この現像領域(D)
で、感光体ドラム(1)上に形成されている静電潜像に
磁性トナーが供給され、静電潜像の可視像化が行われ
る。現像領域(D)を通過した現像スリーブ(4)上の
現像剤は現像スリーブ回転に伴って更に搬送され、トナ
ー補給口(8a)と対向する位置に到達する。このトナ
ー補給口(8a)には、トナーホッパ(8)内の磁性ト
ナー(3a)がアジテータ(9)で送り出され現像スリ
ーブ(4)上の現像剤と接するように滞留している。ト
ナー補給口(8a)で新しい磁性トナー(3a)を取り
込んだ後、現像剤収容部(S)に戻る。そして、新しい
磁性トナー(3a)を含んだ現像剤(3)はドクタ
(6)による規制部で内圧が増加する。この内圧の増加
した現像剤中で磁性キャリアとの摩擦帯電によってトナ
ー帯電が行われる。一方、上記現像領域に供給されずに
ドクタ(6)で進行が阻止された現像剤(3)の一部
は、現像剤収容部(S)内で循環するように移動する。
【0058】次に、図3(a)及び(b)を用いて、本
現像装置における現像動作時の自己トナー濃度制御につ
いて説明する。なお、図3中の2点鎖線は、互いに異な
る挙動を示す現像剤同士の界面を示している。まず、現
像装置に初期剤として所定のトナー濃度及び重量を有す
る現像剤をセットして、現像スリーブ(4)を回転駆動
すると、現像剤(3)は搬送現像剤(3−1)及び収容
現像剤(3−2)の2つの部分に分かれる。搬送現像剤
(3−1)は現像スリーブ(4)の表面に磁力で担持さ
れ該表面に連れ回るように搬送される現像剤である。収
容現像剤(3−2)は現像剤収容部(S)内に収容され
上記搬送現像剤(3−1)の移動に伴って現像剤収容部
S 内で循環移動する現像剤である。現像剤収容部
(S)内では、図3(a)に示すように4つの現像剤流
(F1)、(F2)が発生する。第1の現像剤流(F
1)は、現像スリーブ(4)と剥離ローラ(11)との
間を通過するように流れる搬送現像剤(3−1)の流れ
である。第2の現像剤流(F2)は、ドクタ(6)で現
像剤がドクタ(6)の背面を上昇しドクタ(6)と剥離
ローラ(11)の間の空間で発生する収容現像剤(3
c)の循環流である。
【0059】次に、上記現像剤収容部(S)内に上記現
像剤流(F1),(F2)が発生した状態で、トナーホ
ッパー(8)に磁性トナー(3a)がセットされると、
トナー補給口(8a)より現像スリーブ(4)に担持さ
れた搬送現像剤(3−1)に磁性トナー(3a)が供給
される。磁性トナーが供給された現像スリーブ(4)上
の現像剤は、磁性トナーと共に現像剤収容部(S)へ搬
送される。そして、搬送途中で、搬送現像剤(3−1)
に供給された磁性トナーは現像スリーブ(4)の軸中心
方向へ若干入り込む。磁性トナーが供給された搬送現像
剤(3−1)は、プレドクタ(7a)による規制位置を
通過した後、その一部は収容現像剤(3−2)との間で
混合される。この現像剤の混合により、両現像剤同士の
入れ替え、現像剤内でのトナーの分散撹拌による均一
化、磁性トナーと磁性キャリアとの摩擦帯電によるトナ
ー帯電等が行なわれる。
【0060】次に、上記磁性トナーの補給により現像剤
(3)中のトナー濃度が次第に上昇していくと、搬送現
像剤(3−1)の嵩が増大していくことにより、トナー
補給口(8a)に対向する位置からドクタ(6)による
規制位置に至る区間で現像スリーブ(4)上の搬送現像
剤(3−1)の層厚が厚くなっていく。それとともに、
現像スリーブ(4)上の搬送現像剤(3−1)内の磁性
キャリアの比率が低下することにより、搬送現像剤(3
−1)に対する磁力が弱くなっていくため、搬送現像剤
(3−1)の移動速度が低下していき、上記区間での現
像スリーブ(4)上の搬送現像剤(3−1)の層厚がま
すます厚くなっていく。この層厚が厚くなった搬送現像
剤(3−1)は、上記ドクタ(6)から受ける搬送を阻
止する向きの力(ブレーキ力)を強く受けるようにな
り、搬送現像剤(3−1)の移動速度はますます低下し
ていく。そして、トナー補給口(8a)に対向する位置
で層厚が厚くなった搬送現像剤(3−1)の上層部は、
上記プレドクタ(7a)で掻き取られ、図3(a)に示
すようにプレドクタ(7a)の現像剤搬送方向上流側に
滞留していく。以下、この滞留した現像剤を「滞留現像
剤」(3−3)という。この滞留現像剤(3−3)は、
それに接する搬送現像剤(3−1)の移動に伴って循環
運動を行なっている。トナー補給口(8a)に送り込ま
れた磁性トナー(3a)は、搬送現像剤(3−1)の露
出している部分に引き付けられるとともに、搬送現像剤
(3−1)と滞留現像剤(3−3)との合流点(P)か
ら引き込まれるようにして、現像剤中に取り込まれる。
【0061】さらに現像剤(3)のトナー濃度が上昇し
ていくと、図3(b)に示すようにトナー補給口(8
a)における滞留現像剤(3−3)の量が増え、滞留現
像剤(3−3)で磁性トナーに接している搬送現像剤
(3−1)の露出面が塞がれ、両現像剤の合流点(P)
もトナー補給口(8a)の現像剤搬送方向上流端まで移
動する。それとともに、上記トナー補給口(8a)の滞
留現像剤(3−3)自体の循環移動速度も低下する。こ
の時点で、現像剤への磁性トナーの取り込みがほぼ終了
し、トナー濃度がそれ以上上昇しなくなる。
【0062】上記磁性トナーが取り込まれプレドクタ
(7a)と現像スリーブ(4)との間のギャップを通過
した搬送現像剤(3−1)の一部(上層部)は、収容現
像剤(3−2)と混合撹拌され、その一部は再び現像ス
リーブ(4)上に担持される。現像スリーブ(4)とド
クタ(6)との間のギャップを通過した搬送現像剤(3
−1)は、感光体ドラム(1)と対向する現像領域
(D)に搬送される。そして、現像領域(D)では、感
光体ドラム(1)上に形成されている静電潜像に磁性ト
ナーが供給され、静電潜像の現像に用いられる。
【0063】上記感光体ドラム(1)の静電潜像の現像
により現像スリーブ(4)上の磁性トナーが消費される
と、この部分のトナー濃度が減少し、現像スリーブ
(4)によって現像剤に作用する搬送力が増加するとと
もに、この部分の現像剤の嵩も減少する。そして、上記
プレドクタ(7a)の先端部によって規制される搬送現
像剤(3−1)の層厚が低下し、トナー補給口(8a)
付近に溜まっていた滞留現像剤(3−3)の量が減少
し、滞留現像剤(3−3)の循環移動速度も上昇してく
る。そして、トナー補給口(8a)において、現像スリ
ーブ(4)により搬送される搬送現像剤(3−1)とト
ナーホッパ(8)内からの磁性トナー(3a)とが接触
することとなり、再度磁性トナーが取り込まれて上述の
ように現像剤(3)のトナー濃度が増加する。
【0064】以上のように、現像スリーブ(4)上のト
ナー濃度の変化に応じて、現像スリーブ(4)上の搬送
現像剤(3−1)の上記プレドクタ(7a)による規制
状態が変化し、上記磁性トナーが消費された部分の現像
剤のトナー濃度が所定の濃度範囲になるように自己制御
される。これにより、現像スリーブ(4)上の搬送現像
剤(3−1)のトナー濃度が常にほぼ一定濃度の範囲と
なるように保たれる。このため、トナー濃度センサやト
ナー補給部材などの複雑なトナー濃度制御機構が不要と
なる。
【0065】なお、現像スリーブ(4)上の搬送現像剤
(3−1)の一部を剥離して現像剤収容部(S)内の収
容現像剤(3−2)と混合するための剥離部材を、現像
剤収容部(S)内で現像ローラ(4)の表面に対向する
ように設けてもよい。この剥離部材を設けた場合は、搬
送現像剤(3−1)と収容現像剤(3−2)との入れ替
えが促進されるので、現像剤(3)中の磁性キャリアの
帯電能力低下による現像剤(3)の早期劣化を防止する
ことができる。また、上記搬送現像剤(3−1)と収容
現像剤(3−2)との混合により、現像剤のトナーが分
散撹拌され現像剤搬送方向と直交する画像幅方向に関し
てトナー濃度が均一化されるので、現像濃度ムラのない
良好な現像を行なうことができる。
【0066】次に、本実施形態で用いる現像剤について
説明する。本発明に用いられる磁性トナーは、1000
Oeの磁場中での磁化が10〜30[emu/g]、好
ましくは15〜25[emu/g]が良い。10[em
u/g]より小さいと、トナーの磁気バイアス効果が小
さくなるため、トナー飛散や地肌汚れが発生し、また、
30[emu/g]より大きいと、トナーの磁気バイア
ス効果が大きくなるため、画像濃度が低くなる。さら
に、本発明に用いられる磁性トナーの磁性体はFeO含
有量が10〜25wt%、好ましくは15〜25wt%
で、比表面積が1〜60m2/g、好ましくは3〜20
2/gであることが好ましい。この範囲のFeO含有
量及び比表面積とすることにより、トナーの抵抗と帯電
性を両立することができるため、画像濃度の高く地肌汚
れのない画像を得ることができる。
【0067】本発明に使用するトナーとしては、従来の
公知の方法で製造されたものを使用できる。具体的に
は、結着樹脂、磁性体、極性制御剤、必要に応じて任意
の添加剤より成る混合物を熱ロールミルで溶融混練した
後、冷却固化せしめ、これを粉砕分級し、必要に応じて
外添剤を混合して得られる。
【0068】この結着樹脂としては、公知のものがすべ
て使用できる。例えば、ポリスチレン、ポリ−p−クロ
ルスチレン、ポリビニルトルエンの如きスチレン及びそ
の置換体の単重合体;スチレン−p−クロルスチレン共
重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン
−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸エ
ステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重
合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合
体、スタレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−
ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルエチ
ルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共
重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イ
ソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−イソ
プレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデ
ン共重合体の如きスチレン系共重合体;ポリ塩化ビニ
ル、フェノール樹脂、天然変性フェノール樹脂、天然樹
脂変性マレイン酸樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹
脂、ポリ酢酸ビニル、シリコーン樹脂、ポリエステル樹
脂、ポリウレタン、ポリアミド樹脂、フラン樹脂、エポ
キシ樹脂、キシレン樹脂、ポリビニルブチラール、ロジ
ン、変性ロジン、テルペン樹脂、クマロインデン樹脂、
脂肪族又は脂肪族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩
素化パラフィン、パラフィンワックスなどが単独である
いは混合して使用できる。
【0069】特に加熱加圧定着方式においては、結着樹
脂としてポリエステル樹脂を用いることにより、耐塩ビ
マット融着性に優れ、熱ロールへの耐オフセット性に優
れたトナーを得ることができる。加圧定着方式を用いる
場合には、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ
メチレン、ポリウレタンエラストマー、エチレン−エチ
ルアクリレート共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合
体、アイオノマー樹脂、スチレン−ブタジエン共重合
体、スチレン−イソプレン共重合体、線状飽和ポリエス
テル、パラフィンなどがある。
【0070】トナーには荷電制御剤をトナー粒子に内
添、又はトナー粒子に外添して用いることが好ましい。
荷電制御剤によって、現像システムに応じた最適の荷電
量コントロールが可能となり、特に本発明では荷電制御
剤を用いることにより前記のトナー濃度を制御しない現
像方法に用いた場合、有効である。
【0071】トナーに用いられる極性制御剤としては従
来より公知のものでよく、正極性制御剤としては、ニグ
ロシン及び脂肪酸金属塩等による変性物;トリブチルベ
ンジルアンモニウム−1−ヒドロキシ−4−ナフトスル
フォン酸塩、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロ
ボレートなどの四級アンモニウム塩;ジブチルスズオキ
サイド、ジオクチルスズオキサイド、ジシクロヘキシル
スズオキサイドなどのジオルガノスズオキサイド;ジブ
チルスズボレート、ジオクチルスズボレート、ジシクロ
ヘキシルスズボレートなどのジオルガノスズボレートを
単独であるいは2種類以上組み合わせて用いることがで
きる。これらの中でも、ニグロシン系化合物、有機四級
アンモニウム塩の如き極性制御剤が特に好ましく用いら
れる。負極性制御剤としては、例えば有機金属化合物、
キレート化合物が有効である。その例としてはアルミニ
ウムアセチルアセトナート、鉄(II)アセチルアセト
ナート、3,5−ジタ−シャリ−ブチルサリチル酸クロ
ム等があり、特にアセチルアセトン金属錯体、モノアゾ
金属錯体、ナフトエ酸あるいはサリチル酸系の金属錯体
又は塩が好ましく、特にサリチル酸系金属錯体、モノア
ゾ金属錯体又はサリチル酸系金属塩が好ましい。
【0072】前記の極性制御剤は、微粒子状として用い
ることが好ましく、具体的には、3μm以下の個数平均
粒径が好ましい。トナーに使用される極性制御剤の使用
量は、結着樹脂の種類、必要に応じて使用される添加剤
の有無、分散方法を含めたトナー製造方法によって決定
されるもので、一義的に限定されるものではないが、好
ましくは結着剤100重量部に対して、0.1〜20重
量部の範囲、好ましくは0.2〜10重量部で用いられ
る。0.1重量部未満では、トナーの帯電量が不足し実
用的でない。また20重量部を越える場合にはトナーの
帯電量が大きすぎ、キャリアとの静電的吸引力の増大の
ため、現像剤の流動性低下や、画像濃度の低下を招く。
【0073】本発明の磁性トナーに用いられる磁性体と
しては、マグネタイト、ヘマタイト、フェライト等の磁
性酸化鉄、鉄、コバルト、ニッケルの如き磁性金属;酸
化鉄又は磁性金属と、コバルト、スズ、チタン、銅、
鉛、亜鉛、マグネシウム、マンガン、アルミニウム、珪
素の如き金属との複合金属酸化物合金又は、混合物が使
用される。また、これらの表面にシランカップリング剤
を結着剤としてカーボンブラック等の着色剤を被覆して
も良い。シランカップリング剤の量は磁性酸化鉄粒子に
対し0.3〜3.0重量%、好ましくは0.3〜1.5
重量%で用いられる。0.3重量%未満では着色剤が磁
性酸化鉄粒子に強固に付着しないために、トナー製造時
に磁性体の分散工程において磁性体表面の着色剤が脱離
してしまい、カブリ等の問題が発生する。また、3重量
%を超えると、酸化鉄粒子表面の着色剤が被覆層が不均
一となり、トナー中への分散性が悪くなったり、極端に
なると複合酸化鉄粒子自体が造粒してしまい、問題とな
る。
【0074】更に、着色剤の量は磁性酸化鉄粒子に対
し、3〜20重量%、好ましくは5〜15重量%であ
る。5重量%未満では、磁性体自体の着色度に劣るた
め、出力した画像の濃度が低いという問題が発生する。
また、20重量%を超えると磁性体の流動性が低下しト
ナー製造時の磁性体分散性に劣る結果となり、更に磁性
体からのカーボンブラックの脱離が起こりやすくなるた
め、地カブリ等の異常画像となる。磁性酸化鉄粒子粉末
の粒子表面のシランカップリング剤による被覆は、磁性
酸化鉄粒子にシランカップリング剤の溶液を噴霧しなが
ら混合攪拌すればよい。
【0075】結着剤に用いられるシランカップリング剤
としては、例えばヘキサメチルジシラザン、トリメチル
シラン、トリメチルクロルシラン、トリメチルエトキシ
シラン、ジメチルジクロルシラン、メチルトリクロルシ
ラン、アリルジメチルクロルシラン、アリルフェニルジ
クロルシラン、ベンジルメチルクロルシラン、プロムメ
チルジメチルクロルシラン、α−クロルエチルトリクロ
ルシラン、β−クロルエチルトリクロルシラン、クロル
メチルジメチルクロルシラン、トリオルガノシランメチ
ルカプタン、トリメチルシリルメルカプタン、トリオル
ガノシリルアクリレート、ビニルジメチルアセトキシシ
ラン、ジメチルエトキシシラン、ジメチルジメトキシシ
ラン、ジフェニルジエトキシシラン、ヘキサメチルジシ
ロキサン、1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサ
ン、1,3−ジフェニルテトラメチルジシロキサンが挙
げられる。
【0076】本発明で用いられる磁性体としては、特に
磁性酸化鉄であるマグネタイトが好ましく、公知の製造
方法で作られる。例えば、硫酸鉄水溶液をアルカリ性水
溶液で中和し、水酸化鉄を得る。その後pHを10以上
に調整した水酸化鉄懸濁液を酸素を含有するガスで酸化
しマグネタイトスラリーを得る。次いで、該スラリーを
水洗、濾過、乾燥、解砕しマグネタイト粒子が得られ
る。これらの強磁性体の好ましい態様としては、実質的
にケイ素を含有しない球状磁性体で、平均粒子が0.2
〜0.4μm、好ましくは0.2〜0.3μmのものが
よい。磁性トナー中に含有させる量としてはトナーに対
し好ましくは5〜80wt%、特に好ましくはトナー対
し10〜30wt%が良い。磁性体の粒子の形状として
は、8面体、6面体、球形、針状、鱗片状があるが、球
形の異方性の少ないものが好ましい。
【0077】本発明の磁性トナーには必要に応じて顔料
や染料等の着色剤を添加しても良い。顔料としては、例
えば黒色の着色剤として、カーボンブラック、アニリン
ブラック、ファーネスブラック、ランプブラック等が使
用できる。シアンの着色剤として例えば、フタロシアニ
ンブルー、メチレンブルー、ビクトリアブルー、メチル
バイオレット、アニリンブルー、ウルトラマリンブルー
等が使用できる。マゼンタの着色剤として例えば、ロー
ダミン6Gレーキ、ジメチルキナクリドン、ウォッチン
グレッド、ローズベンガル、ローダミンB、アリザリン
レーキ等が使用できる。イエローの着色剤として例え
ば、クロムイエロー、ベンジジンイエロー、ハンザイエ
ロー、ナフトールイエロー、モリブデンオレンジ、キノ
リンイエロー、タートラジン等が使用でき、その使用量
は、樹脂100重量部に対し0.1〜20重量部、好ま
しくは2〜10重量部の添加量が良い。染料としては例
えば、アゾ系染料、アントラキノン系染料、キサンテン
系染料、メチン系染料等があり、樹脂100重量部に対
し、0.05〜10重量部、好ましくは0.1〜3重量
部の添加量が良い。
【0078】本発明のトナーには帯電安定性、現像性、
流動性、耐久性向上のために、添加剤を用いることが好
ましい。これら添加剤としては例えば、酸化セリウム、
酸化ジルコニウム、酸化ケイ素、酸化チタン、酸化アル
ミニウム、酸化亜鉛、酸化アンチモン、酸化錫等の金属
酸化物や炭化ケイ素、窒化ケイ素等の微粉末等の流動性
向上剤や、例えばフッ素系樹脂微粒子、シリコーン系樹
脂微粒子、アクリル系樹脂微粒子等の樹脂微粒子やステ
アリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸
アルミニウム、ステアリン酸マグネシウム等の金属石鹸
系滑剤等のクリーニング助剤が挙げられる。この中でも
特に流動性向上剤としては酸化ケイ素、酸化チタンが好
ましく、クリーニング助剤としては、ステアリン酸亜鉛
が好ましい。
【0079】本発明に用いられる流動性向上剤は、必要
に応じシリコーンワニス、各種変性シリコーンワニス、
シリコーンオイル、各種変性シリコーンオイル、シラン
カップリング剤、官能基を有するシランカップリング
剤、その他の有機ケイ素化合物等の処理剤、あるいは種
々の処理剤で併用して処理されていることが好ましい。
【0080】本発明のトナーには定着時の離型性を良く
する目的で離型剤を含有させても良い。離型剤としては
公知のものが使用でき、例えば低分子量ポリエチレン、
低分子量ポリプロピレン、マイクロクリスタリンワック
ス、フィッシャートロプシュワックス、カルナバワック
ス、サゾールワックス、パラフィンワックス等およびそ
の誘導体をバインダー樹脂100重量%に対し0.1〜
10重量%を磁性トナーに加えることが好ましい。
【0081】本発明に係る二成分現像剤を作製する方法
の一例としては、先ず、前述した結着樹脂、着色剤とし
ての顔料又は染料、荷電制御剤、滑剤、その他の添加剤
等をヘンシェルミキサ−の如き混合機により充分に混合
した後、バッチ式の2本ロ−ル、バンバリ−ミキサ−や
連続式の2軸押出し機、例えば神戸製鋼所社製KTK型
2軸押出し機、東芝機械社製TEM型2軸押出し機、K
CK社製2軸押出し機、池貝鉄工社製PCM型2軸押出
し機、栗本鉄工所社製KEX型2軸押出し機や、連続式
の1軸混練機、例えばブッス社製コ・ニーダ等の熱混練
機を用いて構成材料を良く混練し、冷却後、ハンマ−ミ
ル等を用いて粗粉砕する。また、カラートナーの場合、
顔料の分散を向上させる目的で、結着樹脂の一部と顔料
を予め溶融混練して得られるマスタ−バッチを着色剤と
して使用することが一般的である。更に、これら粗粉砕
物をジェット気流を用いた微粉砕機や機械式粉砕機を単
独或いは併用して微粉砕する。次に得られた微粉際粒子
を旋回気流を用いた分級機やコアンダ効果を用いた分級
機により所定の粒度に分級する。本発明の粒径分布を有
するトナーを得るためにはこの中でも、コアンダ効果を
利用した分級機が好適に用いられる。更に、流動性付与
剤とヘンシェルミキサーの如き混合機により充分混合
し、250メッシュ以上の篩を通過させ、粗大粒子、凝
集粒子を除去する。
【0082】本発明において現像剤を構成するキャリア
としては、1000[Oe]の磁場中における飽和磁化
を30〜120[emu/g]、好ましくは40〜10
0[emu/g]とすることにより、現像領域における
現像剤の現像スリーブへの磁気束縛力が大きくなるため
に、感光体上へのキャリアの現像が有効に防止され、良
好な画像が得られる。また、本発明において現像剤を構
成するキャリアとしては、重量平均粒子径が20〜10
0μm、好ましくは20〜80μmとすることにより、
現像領域における現像剤層のトナー濃度を高くすること
ができるため、高速機での現像条件においても画像濃度
の高い良好な画像が得られる。
【0083】本発明において現像剤を構成するキャリア
の核体粒子としては、公知のものでよく例えば鉄、コバ
ルト、ニッケル等の強磁性金属;マグネタイト、ヘマタ
イト、フェライトなどの合金や化合物;前記強磁性体微
粒子と樹脂との複合体等が挙げられる。これら本発明で
用いられるキャリアはより耐久性を長くする目的で、表
面を樹脂で被覆することが好ましい。
【0084】被覆層を形成する樹脂としては、例えばポ
リエチレン、ポリプロピレン、塩素化ポリエチレン、ク
ロロスルホン化ポリエチレン等のポリオレフィン系樹
脂;ポリスチレン、アクリル(例えばポリメチルメタク
リレート)、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアセテ
ート、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、
ポリ塩化ビニル、ポリビニルカルバゾール、ポリビニル
エーテル、ポリビリケトン等のポリビニル及びポリビニ
リデン系樹脂;塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体;オル
ガノシロキサン結合からなるシリコーン樹脂又はその変
成品(例えばアルキッド樹脂、ポリエステル樹脂、エポ
キシ樹脂、ポリウレタン等による変成品);ポリテトラ
フルオロエチレン、ポリ弗化ビニル、ポリ弗化ビニリデ
ン、ポリクロロトリフルオロエチレン等の弗素樹脂;ポ
リアミド;ポリエステル;ポリウレタン;ポリカーボネ
ート;尿素−ホルムアルデヒド樹脂等のアミノ樹脂;エ
ポキシ樹脂等が挙げられる。中でもトナースペントを防
止する点で好ましいのはシリコーン樹脂又はその変成
品、弗素樹脂、特にシリコーン樹脂又はその変成品であ
る。
【0085】シリコーン樹脂としては、従来から知られ
ているいずれのシリコーン樹脂であってもよく、下記式
(1)で示されるオルガノシロキサン結合のみからなる
ストレートシリコーン及びアルキド、ポリエステル、エ
ポキシ、ウレタンなどで変成したシリコーン樹脂が挙げ
られる。
【化1】 上記式中Rは水素原子、炭素原子1〜4のアルキル基
又はフェニル基、R及びRは水素基、炭素原子数1
〜4のアルコキシ基、フェニル基、フェノキシ基、炭素
原子数2〜4のアリケニル基、炭素原子数2〜4のアル
ケニルオキシ基、ヒドロキシ基、カルボキシル基、エチ
レンオキシド基、グリシジル基又は下記式(2)で示さ
れる基である。
【化2】 上記式中R4、R5はヒドロキシ基、カルボキシル基、炭
素原子数1〜4のアルキル基、炭素原子数1〜4のアル
コキシ基、炭素原子数2〜4のアルケニル基、炭素原子
数2〜4のアルケニルオキシ基、フェニル基、フェノキ
シ基、k、l、m、n、o、pは1以上の整数を示す。
上記各置換基は未置換のもののほか、例えばアミノ基、
ヒドロキシ基、カルボキシル基、メルカプト基、アルキ
ル基、フェニル基、エチレンオキサイド基、グリシジル
基、ハロゲン原子のような置換基を有してもよい。
【0086】また本発明で用いられるキャリアは、その
体積固有抵抗を制御するために被覆層中に導電性付与材
料を分散しても良い。分散される導電性材付与は従来よ
り公知のものでよく、例えば鉄、金、銅等の金属;フェ
ライト、マグネタイト等の酸化鉄;カーボンブラック等
の顔料が挙げられる。この中でも特にカーボンブラック
の一つであるファーネスブラックとアセチレンブラック
の混合物を用いることにより、少量の導電性微粉末の添
加で効果的に導電性の調整が可能で、更に被覆層の耐摩
耗性に優れたキャリアを得ることが可能となった。これ
らの導電性微粉末は、粒径0.01〜10μm程度のも
のが好ましく、被覆樹脂100重量部に対して2〜30
重量部添加されることが好ましく、さらには5〜20重
量部が好ましい。また、キャリア被覆層中には核体粒子
との接着性を向上させたり導電性付与剤の分散性を向上
させる目的でシランカップリング剤、チタンカップリン
グ剤等を添加しても良い。本発明用いるシランカップリ
ング剤としては下記一般式で示される化合物である。
【0087】
【化3】YRSiX (3) (前式中、Xはけい素原子に結合している加水分解基
で、例えばクロル基、アルコキシ基、アセトキシ基、ア
ルキルアミノ基、プロペノキシ基、Yは有機マトリック
スと反応する有機官能基で、例えばビニル基、メタクリ
ル基、エポキシ基、グリシドキシ基、アミノ基、メルカ
プト基などが挙げられる。Rは炭素数1〜20のアルキ
ル基又はアルキレン基である。前記シランカップリング
剤の中でも、特に負帯電性を有する現像剤を得るにはY
にアミノ基を有するアミノシランカップリング剤が好ま
しく、正帯電性を有する現像剤を得るにはYにエポキシ
基を有するエポキシシランカップリング剤が好ましい。
被覆層の形成法としては、従来と同様、キャリア核体粒
子の表面に被覆層形成液を噴霧法、浸漬法等の手段で塗
布すればよい。被覆層の厚さは0.1〜20μmが好ま
しい。
【0088】
【実施例】以下、本発明をトナー製造例、キャリアの製
造例、及び実施例により具体的に説明する。 (トナー製造例1) ポリエステル樹脂 100重量部 カーボンブラック 5重量部 含クロムアゾ染料 3重量部 マグネタイト微粒子 70重量部 (平均粒径:0.20μm、FeO含有量:20wt%、比表面積:8.0m/g、磁化 :61emu/g) 上記処方の混合物をヘンシェルミキサーにて混合後、1
40℃に設定した混練押し出し機によって混練した後、
冷却固化せしめ、これをカッターミルにて粗粉砕後、機
械式粉砕機を使用して微粉砕し、得られた微粉砕物をコ
アンダ効果を利用した多分割分級機を使用してジェット
ミルで粉砕し、分級して平均7.0μmの母体粒子を得
た。この母体粒子100重量部に対して、疎水化処理さ
れたコロイダルシリカ:0.6重量部、疎水化処理され
た酸化チタン:0.3重量部を加え、ヘンシェルミキサ
ーにて混合しトナー粒子aを得た。このトナーの100
0Oeの磁場中での飽和磁化は24emu/gであっ
た。
【0089】(トナー製造例2〜13)上記製造例1と
同様にトナーを作成し、表1に示す特性のトナー粒子b
〜mを得た。
【0090】
【表1】
【0091】キャリアの製造例を以下に示す。 (キャリア製造例1)湿式法により作成したマグネタイ
ト100重量部に対してポリビニルアルコール2重量
部、水60重量部をボールミルに入れ12時間混合して
マグネタイトのスラリーを調整した。このスラリーをス
プレードライヤーにて噴霧造粒し、平均粒径54μmの
球形粒子とした。この粒子を窒素雰囲気中で1000℃
の温度で3時間焼成後冷却し核体粒子1を得た。 シリコーン樹脂溶液 100重量部 トルエン 100重量部 γ−アミノプロピルトリメトキシシラン 6重量部 カーボンブラック 10重量部 上記混合物をホモミキサーで20分間分散し、被覆層形
成液1を調整した。この被覆層形成液を流動床型コーテ
ィング装置を用いて核体粒子1を1000重量部の表面
にコーティングして、シリコーン樹脂被覆キャリアAを
得た。このキャリア粒子の特性は以下のとおりであっ
た。 平均粒子径 :58μm 飽和磁化 :65emu/g
【0092】(キャリア製造例2)CuO:24mol
%、ZnO:25mol%、Fe23:51mol%に
水を加え、湿式ボールミルにて12時間粉砕混合し、ス
ラリーを得た。このスラリーを乾燥し粉砕した後100
0℃の温度で仮焼成を行なった。仮焼成後さらに湿式ボ
ールミルにて10時間粉砕し、分散剤及びバインダーを
加えて、次いでスプレードライヤーにより造粒、乾燥
し、電気炉にて1100℃で3時間焼成した後、粉砕
し、さらに分級して、平均粒径51μmの核体粒子2を
得た。この核体粒子に対して、製造例14と同様の方法
で被覆層を形成し、キャリアBを得た。このキャリア粒
子の特性は以下のとおりであった。 平均粒子径 :55μm 飽和磁化 :51emu/g
【0093】 (キャリア製造例3) ポリエステル樹脂 30重量部 マグネタイト微粒子(平均粒子径:0.8μm) 70重量部 上記混合物を溶融混練後、粉砕、分級して平均粒径53
μmのキャリア粒子Cを得た。このキャリア粒子の特性
は以下のとおりであった。 平均粒子径 :53μm 飽和磁化 :42emu/g
【0094】(現像剤製造例1)製造例で作成されたキ
ャリアA:100重量部に対してトナーa:10重量部
をそれぞれ加え、ターブラーミキサーで混合し現像剤1
を得た。
【0095】(現像剤製造例2〜19)現像剤製造例1
と同様にして表2に示すトナー及びキャリアの組み合せ
で現像剤を作成した。
【0096】
【表2】
【0097】図4は、感光体ドラム(1)と磁性トナー
(3a)と磁性キャリア(3b)との間に発生する力を
示している。磁性トナー(3a)には、感光体ドラム
(1)との間に電界による力(Fe)と、磁性キャリア
(3b)との間に静電的な力(Fs)と、現像スリーブ
(4)側に引き付ける磁気的な力(Fb)とがそれぞれ
矢印の方向に働いている。前述のトナードリフトによる
力は、静電的な力(Fs)の増加分(α)として考える
ことができ、トナードリフトの発生している状態では、
(Fs)は(Fs)+αとなり、磁性キャリア(3b)
に引き戻され易くなる。また、非磁性トナーの場合は磁
気的な力(Fb)はない。よって、磁性トナーは非磁性
トナーと比べて、磁気的な力(Fb)が存在するため、
前記のようにベタ画像やハーフトーン画像の後端部、細
線、孤立ドットの再現性は不利になる。
【0098】そこで、本実施形態では、現像磁極(P
1)によって現像スリーブの外側に発生する法線方向磁
束密度のピーク値の減衰率を50%以上にすることによ
り、現像領域(D)の現像スリーブ表面移動方向の幅
(現像ニップ幅)を狭くし、トナードリフトによる(F
s)の増加分のαを0(ゼロ)もしくはかなり小さくで
きた。更に、現像領域(D)における磁気ブラシの密度
を高めるとともに、図5(a)に示すように現像スリー
ブの回転中心軸方向全体にわたって現像剤を均一に穂立
ちさせて感光体ドラム(1)の表面に接離させることが
できた。これにより、図5(b)に示すように後端白抜
けのないベタ画像を形成することができ、磁性トナーを
用いた場合の画質改善ができるようになった。なお、図
5(b)中のライン(E)は、画像部の後端である。
【0099】図6は、本実施形態における感光体ドラム
(1)と現像スリーブ(4)の現像領域付近を拡大した
上記画質改善のメカニズムを説明するための説明図であ
り、左側の感光体ドラム(1)に対し、右側の磁気ブラ
シ(MB)の先端が近づいてくる磁気ブラシの動きを表
示している。図6(a)に示すように、本実施形態で
は、磁気ブラシが感光体ドラム(1)に摺擦する時間が
短いため、磁気ブラシ先端から現像スリーブ表面側にト
ナー(3a)が移動するトナードリフトが低減される。
このトナードリフトの低減により、図6(b)に示すよ
うに画像部後端に対向する位置(A)においてもトナー
が存在し、磁気ブラシ先端部の磁性キャリア表面がむき
出しにならない。従って、図6(c)に示すように、磁
気ブラシ先端の磁性キャリア表面がむき出しになってい
ないため、感光体ドラム(1)上の画像部に一旦トナー
が磁気ブラシ先端部の磁性キャリアに再付着することも
ないので、後端白抜け、横線細り、孤立ドット形状のば
らつき等の画質劣化を低減することができる。
【0100】なお、上記法線方向磁束密度の減衰率を規
定する代わりに、現像磁極(P1)によって現像スリー
ブ(4)上に発生する法線方向磁束密度(Bn)のOm
T変極点間角度幅θ1(図7(a)参照)や、現像磁極
(P1)によって現像スリーブ(4)上に発生する法線
方向磁束密度(Bn)の現像スリーブ表面移動方向にお
ける半値角度幅θ2(図7(b)参照)を規定すること
により、上記トナードリフトを低減し、後端白抜けなど
の画質低下を防止するように構成してもよい。具体的に
は、上記OmT変極点間角度幅θ1を40°以下にし、
あるいは、上記半値角度幅θ2を20°以下にする。
【0101】次に、上記構成の現像装置を用いた実施例
について説明する。 (実施例1)本実施例における実験条件は、次の表3の
ように設定した。ここで、磁束密度の測定に使用した計
測装置は、ADS社製ガウスメーター(HGM 830
0)並びにADS社製A1型アキシャルプローブであ
り、円チャートレコーダにて記録した。以下の実施例に
ついても、同様な実験条件で行なった。
【0102】
【表3】
【0103】表3の条件下で、現像剤1を用いて、上述
の現像磁極(P1)によって現像スリーブの外側に発生
する法線方向磁束密度(Bn)のピーク値の減衰率
[%]を変化させ、ベタ画像の後端白抜け量とライン幅
縦横比を測定した。ここで、後端白抜け量が0〜0.4
mmの場合を、良好な範囲とした。また、上記ライン幅
縦横比は、原稿上で同じ幅の縦横のライン画像について
画像形成を行なったときの、出力画像における縦方向
(現像スリーブ表面移動方向)のライン画像の幅を、横
方向(現像スリーブの回転中心軸方向)のライン画像の
幅で除した値である。この値が大きいほど、「横線細
り」の程度が大きいことになる。
【0104】表4に、本実施例における実験結果を示
す。
【0105】
【表4】
【0106】(比較例1)現像剤として現像剤12を用
いて実施例(1)と同様にして現像磁極(P1)によっ
て現像スリーブの外側に発生する法線方向磁束密度(B
n)のピーク値の減衰率[%]を変化させ、ベタ画像の
後端白抜け量とライン幅縦横比を測定した。結果を表4
に示す。この結果から、1000Oeの磁場中での磁
化:σtが10〜30emu/gである磁性トナーを用
いた場合は、法線方向磁束密度Bnのピーク値の減衰率
を50%以上にすることにより、後端白抜け量及び横線
細りの程度が少なく良好な画像品質が得られることがわ
かる。
【0107】(実施例2)表3の条件下で、現像剤1を
用いて、上記OmT変極点間角度幅θ1を変化させ、ベ
タ画像の後端白抜け量及びライン幅縦横比を評価した。
結果を表5に示す。
【0108】
【表5】
【0109】(比較例2)現像剤として現像剤12を用
いて実施例2と同様にしてOmT変極点間角度幅θ1を
変化させ、ベタ画像の後端白抜け量及びライン幅縦横比
を評価した。結果を表5に示す。この結果から、100
0Oeの磁場中での磁化:σtが10〜30emu/g
である磁性トナーを用いた場合は、法線方向磁束密度の
OmT変極点間角度幅θ1を40%以下にすることによ
り、後端白抜け量及び横線細りの程度が少なく良好な画
像品質が得られることがわかる。
【0110】(実施例3)表3の条件下で、現像剤1を
用いて、上記現像磁極による法線方向磁束密度分布の半
値角度幅θ2を変化させ、ベタ画像の後端白抜け量及び
ライン幅縦横比を評価した。結果を表6に示す。
【0111】
【表6】
【0112】(比較例3)現像剤として現像剤12を用
いて実施例2と同様にして現像磁極による法線方向磁束
密度分布の半値角度幅θ2を変化させ、ベタ画像の後端
白抜け量及びライン幅縦横比を評価した。結果を表6に
示す。この結果から、1000Oeの磁場中での磁化:
σtが10〜30emu/gである磁性トナーを用いた
場合は、上記法線方向磁束密度の半値角度幅θ2を20
%以下にすることにより、後端白抜け量及び横線細りの
程度が少なく良好な画像品質が得られることがわかる。
【0113】(実施例4)現像剤として現像剤1を用
い、表3において現像スリーブ線速を変化させ現像スリ
ーブ線速とトナー飛散との関係を調べた。図14に示す
本実施例の実験結果から、1000Oeの磁場中での磁
化:σtが10〜30emu/gである磁性トナーを用
いた場合は、現像スリーブ線速を550mm/sec以
下にすることにより、トナー飛散を確実に防止すること
がわかる。
【0114】(比較例4)現像剤として現像剤12を用
いて実施例4と同様にして現像スリーブ線速を変化させ
現像スリーブ線速とトナー飛散との関係を調べた。結果
を表6に示す。この結果から、現像スリーブ線速が20
0mm/secを超えたところでトナー飛散がひどくな
っている。なお、図8におけるトナー飛散量の「良好範
囲」の上限は、トナー飛散が現像装置及びその周辺のみ
に発生し、現像装置上にトナーの堆積はあるものの、通
常の使用時には問題がないという程度のトナー飛散量で
ある。この良好範囲内にあれば、現像装置から機内の気
流にのったり現像装置に堆積したトナーが落ちたりして
他の部分(帯電器や面板など)にトナーが付着すること
はなく、画像上に飛散したトナーが出現することもな
い。また、排気装置等におけるフィルターは多少汚れる
ことはあるが、トナーが機外に放出されることもほとん
どない。
【0115】(実施例5)現像剤として現像剤1を用
い、表3において地肌部電位(VD)と現像バイアス
(VB)を変化させ、地肌部電位(VD)と現像バイア
ス(VB)との差の絶対値である地肌ポテンシャルと、
ベタ画像の後端白抜け量及びライン幅縦横比を評価し
た。結果を表7に示す。
【0116】
【表7】 本実施例の実験結果から、1000Oeの磁場中での磁
化:σtが10〜30emu/gである磁性トナーを用
いた場合は、地肌ポテンシャルを400V以下にするこ
とにより、後端白抜け量及び横線細りの程度を確実に許
容範囲内まで低減できることがわかる。
【0117】(比較例5)現像剤として現像剤12を用
いて実施例5と同様にして地肌部電位(VD)と現像バ
イアス(VB)を変化させ、地肌部電位(VD)と現像
バイアス(VB)との差の絶対値である地肌ポテンシャ
ルと、ベタ画像の後端白抜け量及びライン幅縦横比を評
価した。表7に示す本比較例の実験結果から、非磁性ト
ナーを用いた場合、地肌ポテンシャルが100Vを超え
たところで後端白抜けがひどくなり、200Vを超えた
ところで横線細りがひどくなっている。
【0118】(実施例6)現像剤として現像剤1を用
い、表3において感光体ドラム線速に対する現像スリー
ブ線速の比である現像スリーブ線速比を変化させ、ベタ
画像の後端白抜け量及びライン幅縦横比を評価した。結
果を表8に示す。
【0119】
【表8】 本実施例の実験結果から、1000Oeの磁場中での磁
化:σtが10〜30emu/gである磁性トナーを用
いた場合は、現像スリーブ線速比を3.7以下にするこ
とにより、後端白抜け量及び横線細りの程度を確実に許
容範囲内まで低減できることがわかる。
【0120】(比較例6)現像剤として現像剤12を用
いて実施例6と同様にして現像スリーブ線速比を変化さ
せ、ベタ画像の後端白抜け量及びライン幅縦横比を評価
した。表8に示す本比較例の実験結果から、非磁性トナ
ーを用いた場合、現像スリーブ線速比が1.5を超えた
ところで後端白抜けおよび横線細りがひどくなってい
る。
【0121】(実施例7)表3の条件下で、現像剤2を
用いて画像出し試験を行ない、下記評価試験法により、
画像濃度、地肌汚れ、中間調再現性、画像濃度制御性を
評価した。結果を表9に示す。
【0122】評価試験法 (画像濃度)画像の上部、中部、下部からそれぞれ3カ
所、計9カ所の位置の画像濃度をマクベス反射濃度計で
測定した。 (地肌汚れ)非画像部の地肌汚れを5段階のランク評価
を行ない、ランク3以上を許容レベルとした。 (中間調再現性)コダック社グレースケール(No.Q
−13)を複写して階調可能な数を評価した。評価基準
は次のとおりとした。 ◎ :13以上 ○ :10〜12 △ : 7〜9 × : 5〜 7 ××: 5以下 (画像濃度制御性)原稿濃度が1.6の100%ソリッ
ド画像を20枚連続複写し、画像濃度の変化を評価し
た。評価基準は次のとおりとした。 ◎:画像濃度差が0.1未満 ○:0.1以上0.2未満 △:0.2以上0.5未満 ×:0.5以上
【0123】(実施例8〜実施例14、比較例7〜9)
実施例7と同様にして表7に示す現像剤を用い、実施例
7と同様の方法で同様の評価を行なった。
【0124】
【表9】
【0125】なお、上記実施形態のプリンタにおいて、
感光体ドラム(1)、帯電ローラ(50)、及びクリー
ニング装置(58)の少なくとも一つと、現像装置
(2)とを、プリンタ本体に対して着脱可能に一体構造
物として構成し、画像形成プロセスユニット(プロセス
カートリッジ)としてもよい。図9は、画像形成プロセ
スユニット(プロセスカートリッジ)(60)の一構成
例であり、感光体ドラム(1)、帯電ローラ(50)、
クリーニング装置(58)及び現像装置(2)をすべ
て、プリンタ本体に対して着脱可能に一体構造物として
構成している。
【0126】また、上記実施形態では、感光体上に形成
したトナー像を転写紙に直接転写する場合について説明
したが、本発明は、感光体上のトナー像を一旦中間転写
体に転写し、その後、該中間転写体上のトナー像を転写
紙に転写する画像形成装置及びそれに用いる現像装置に
も適用できるものである。例えば、一つの感光体上に各
色ごとのトナー像を順次形成し、該感光体上の各色トナ
ー像を一次転写装置で中間転写体としての中間転写ベル
トに重ね合わせて転写し、該中間転写ベルト上の重ねト
ナー像を2次転写装置で転写紙に一括転写するカラー画
像形成装置及び該装置に用いる現像装置にも適用するこ
とができる。
【0127】また例えば、中間転写体としての中間転写
ベルトの直線状の移動経路部分に沿って感光体を含む画
像形成ユニットを複数組並べて配置し、各画像形成ユニ
ットの感光体上に互いに異なる色のトナー像を形成し、
各感光体上のトナー像を一次転写装置で該中間転写ベル
ト上に重ね合わせて転写し、該中間転写ベルト上の重ね
トナー像を2次転写装置で転写紙に一括転写するタンデ
ム型のカラー画像形成装置及び該装置に用いる現像装置
にも適用することができる。
【0128】また、上記実施形態では、プリンタ及びそ
れに用いる現像装置の場合について説明したが、本発明
は、複写機やFAXなど他の画像形成装置及びそれに用
いる現像装置にも適用できるものである。
【0129】
【発明の効果】以上、詳細かつ具体的な説明から明らか
なように、本発明の磁性トナーを用いた2成分現像剤を
用いた場合でも、現像剤担持体の線速が大きい条件下で
のトナー飛散を抑制し且つ後端白抜けなどの画質劣化を
防止することができる現像装置、該現像装置を備えた画
像形成装置、画像形成プロセスユニットおよびそれに用
いる現像剤を提供できるという極めて優れた効果を奏す
るものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る現像装置の概略構成図
を示す図である。
【図2】本発明の現像装置を備えたプリンタの概略構成
図を示す図である。
【図3】本発明の現像装置における自己トナー制御機構
の説明図である。
【図4】磁気ブラシ先端部のトナーに作用する力の説明
図である。
【図5】本発明の現像領域における現像スリーブ軸方向
の磁気ブラシ分布の説明図、及び本実施形態のプリンタ
で出力したベタ画像の説明図である。
【図6】本発明における後端白抜けの低減メカニズムの
説明図である。
【図7】本発明における現像磁極による法線方向磁束密
度BnのOmT変極点間角度幅θ1の説明図、及び現像
磁極による法線方向磁束密度(Bn)の現像スリーブ表
面移動方向における半値角度幅θ2の説明図である。
【図8】実施例4及び比較例4における現像スリーブ線
速とトナー飛散量との関係を示すグラフである。
【図9】本発明におけるプロセスカートリッジの概略構
成図を示した図である。
【図10】2成分現像方式でネガポジ現像を行なう現像
装置における現像部の説明図である。
【図11】従来技術における後端白抜けの発生メカニズ
ムの説明図である。
【図12】従来技術に係る現像装置の現像領域における
現像スリーブ軸方向の磁気ブラシ分布の説明図、および
従来技術の現像領域における現像スリーブ表面移動方向
の磁気ブラシ分布の説明図である。
【図13】従来技術に係る現像装置の現像領域における
現像スリーブ軸方向の磁気ブラシ分布の説明図および、
後端白抜けが発生したベタ画像の説明図である。
【図14】従来技術における磁気ブラシ先端部における
磁性トナーの分布の説明図である。
【符号の説明】
1 感光体ドラム 2 現像装置 2a ケーシング 3 現像剤 3a 磁性トナー 3b 磁性キャリア 3−1 搬送現像剤 3−2 収容現像剤 3−3 滞留現像剤 4 現像スリーブ 5 マグネットローラ 6 ドクタ 7 現像剤収容ケース 7a プレドクタ 8 トナーホッパ 8a トナー補給口 9 トナーアジテータ 10 現像バイアス電源 50 帯電ローラ 51 光書き込みユニット 52 用紙 53 転写ローラ 54 カセット 55 給紙ローラ 56 レジストローラ対 57 定着ユニット 58 クリーニングユニット 59 除電ランプ 201 現像磁極 A11 画像部後端位置 A−A’ 垂直平面 B10 画像部 B11 反発力 Bn 法線方向磁束密度 C10 方向 C11 画像部後端部 D 現像領域 E 画像部後端 Fb 磁気的な力 Fe 電界による力 Fs 静電的な力 P1 N極 P1a S極 P1b S極 P2 N極 P3 S極 S 現像剤収容部 VB 現像バイアス VD 地肌部電位
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小池 寿男 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 近藤 麻衣子 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 関根 健善 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 三瓶 敦史 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 大慈彌 篤哉 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 大山 邦啓 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 山根 正行 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 佐野 潤一 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 Fターム(参考) 2H005 AA02 BA02 BA03 BA06 CA12 EA02 FA02 2H031 AC19 AC20 AD01 BA06 BA09 BB01 CA11 FA01

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転駆動可能な非磁性の現像剤担持体
    と、潜像担持体に対向する現像領域で該現像剤担持体上
    にトナーと磁性粒子とを含む現像剤を穂立ちさせる磁界
    を発生させる磁界発生手段とを備え、該現像領域で該現
    像剤担持体表面に担持したブラシ状の現像剤を、該潜像
    担持体表面の移動方向と同方向で且つ該潜像担持体表面
    よりも高速に移動させて接触させることにより、該潜像
    担持体上の潜像を現像する現像装置において、該現像領
    域で該現像剤担持体表面の外側に発生する法線方向磁束
    密度の減衰率が、50%以上であり、該現像剤が磁性体
    を有する磁性トナー(A)と磁性キャリア(B)とを少
    なくとも含有し、磁性トナー(A)の1000Oeの磁
    場中での磁化:σtが10〜30emu/gであること
    を特徴とする2成分現像剤。
  2. 【請求項2】 回転駆動可能な非磁性の現像剤担持体
    と、潜像担持体に対向する現像領域で該現像剤担持体上
    にトナーと磁性粒子とを含む現像剤を穂立ちさせる磁界
    を発生させる磁界発生手段とを備え、該現像領域で該現
    像剤担持体表面に担持したブラシ状の現像剤を、該潜像
    担持体表面の移動方向と同方向で且つ該潜像担持体表面
    よりも高速に移動させて接触させることにより、該潜像
    担持体上の潜像を現像する現像装置において、該現像領
    域で該現像剤担持体の外周面上に発生する法線方向磁束
    密度の、該現像剤担持体の回転中心軸からみた該現像剤
    担持体表面移動方向におけるOmT変極点間角度幅が、
    40°以下であり、該現像剤が磁性体を有する磁性トナ
    ー(A)と磁性キャリア(B)とを少なくとも含有し、
    磁性トナー(A)の1000Oeの磁場中での磁化:σ
    tが10〜30emu/gであることを特徴とする2成
    分現像剤。
  3. 【請求項3】 回転駆動可能な非磁性の現像剤担持体
    と、潜像担持体に対向する現像領域で該現像剤担持体上
    にトナーと磁性粒子とを含む現像剤を穂立ちさせる磁界
    を発生させる磁界発生手段とを備え、該現像領域で該現
    像剤担持体表面に担持したブラシ状の現像剤を、該潜像
    担持体表面の移動方向と同方向で且つ該潜像担持体表面
    よりも高速に移動させて接触させることにより、該潜像
    担持体上の潜像を現像する現像装置において、該現像領
    域で該現像剤担持体の外周面上に発生する法線方向磁束
    密度の、該現像剤担持体の回転中心軸からみた該現像剤
    担持体表面移動方向における半値角度幅が、20°以
    下、該現像剤が磁性体を有する磁性トナー(A)と磁性
    キャリア(B)とを少なくとも含有し、磁性トナー
    (A)の1000Oeの磁場中での磁化:σtが10〜
    30emu/gであることを特徴とする2成分現像剤。
  4. 【請求項4】 該現像装置において、現像剤担持体に担
    持され上記現像領域に向けて搬送される現像剤の量を規
    制する現像剤規制部材と、該現像剤規制部材で該現像領
    域に向けての搬送を規制された現像剤を収容する現像剤
    収容部と、該現像剤収容部に現像剤搬送方向上流側から
    隣接する位置で該現像剤担持体表面に臨むトナー補給用
    開口を有するトナー収容部とを備え、該現像剤担持体上
    での現像剤搬送に伴う現像剤の移動により、該現像剤担
    持体上の現像剤のトナー濃度に応じて該トナー収容部内
    のトナーを現像剤に取り込む現像装置であり、該現像剤
    が磁性体を有する磁性トナー(A)と磁性キャリア
    (B)とを少なくとも含有し、磁性トナー(A)の10
    00Oeの磁場中での磁化:σtが10〜30emu/
    gであることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1に
    記載の2成分現像剤。
  5. 【請求項5】 磁性トナー(A)中の磁性体が実質的に
    ケイ素又はアルミニウム元素を含有しない球状磁性体で
    あることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1に記載
    の2成分現像剤。
  6. 【請求項6】 回転駆動可能な非磁性の現像剤担持体
    と、潜像担持体に対向する現像領域で該現像剤担持体上
    にトナーと磁性粒子とを含む現像剤を穂立ちさせる磁界
    を発生させる磁界発生手段とを備え、該現像領域で該現
    像剤担持体表面に担持したブラシ状の現像剤を、該潜像
    担持体表面の移動方向と同方向で且つ該潜像担持体表面
    よりも高速に移動させて接触させることにより、該潜像
    担持体上の潜像を現像する現像装置において、該現像剤
    が磁性体を有する磁性トナー(A)と磁性キャリア
    (B)とを少なくとも含有し、磁性トナー(A)の10
    00Oeの磁場中での磁化:σtが10〜30emu/
    gであり、該現像領域で該現像剤担持体表面の外側に発
    生する法線方向磁束密度の減衰率が、50%以上である
    ことを特徴とする現像装置。
  7. 【請求項7】 回転駆動可能な非磁性の現像剤担持体
    と、潜像担持体に対向する現像領域で該現像剤担持体上
    にトナーと磁性粒子とを含む現像剤を穂立ちさせる磁界
    を発生させる磁界発生手段とを備え、該現像領域で該現
    像剤担持体表面に担持したブラシ状の現像剤を、該潜像
    担持体表面の移動方向と同方向で且つ該潜像担持体表面
    よりも高速に移動させて接触させることにより、該潜像
    担持体上の潜像を現像する現像装置において、該現像剤
    が磁性体を有する磁性トナー(A)と磁性キャリア
    (B)とを少なくとも含有し、磁性トナー(A)の10
    00Oeの磁場中での磁化:σtが10〜30emu/
    gであり、該現像領域で該現像剤担持体の外周面上に発
    生する法線方向磁束密度の、該現像剤担持体の回転中心
    軸からみた該現像剤担持体表面移動方向におけるOmT
    変極点間角度幅が、40°以下であることを特徴とする
    現像装置。
  8. 【請求項8】 回転駆動可能な非磁性の現像剤担持体
    と、潜像担持体に対向する現像領域で該現像剤担持体上
    にトナーと磁性粒子とを含む現像剤を穂立ちさせる磁界
    を発生させる磁界発生手段とを備え、該現像領域で該現
    像剤担持体表面に担持したブラシ状の現像剤を、該潜像
    担持体表面の移動方向と同方向で且つ該潜像担持体表面
    よりも高速に移動させて接触させることにより、該潜像
    担持体上の潜像を現像する現像装置において、該現像剤
    が磁性体を有する磁性トナー(A)と磁性キャリア
    (B)とを少なくとも含有し、磁性トナー(A)の10
    00Oeの磁場中での磁化:σtが10〜30emu/
    gであり、該現像領域で該現像剤担持体の外周面上に発
    生する法線方向磁束密度の、該現像剤担持体の回転中心
    軸からみた該現像剤担持体表面移動方向における半値角
    度幅が、20°以下であることを特徴とする現像装置。
  9. 【請求項9】 潜像担持体、該潜像担持体の表面を一様
    帯電する帯電装置、及び該潜像担持体の表面をクリーニ
    ングするクリーニング装置の少なくとも一つと、該潜像
    担持体上の潜像を現像してトナー像とする現像装置と
    を、画像形成装置本体に対して着脱可能に一体構造物と
    して構成した画像形成プロセスユニットであって、該現
    像装置として、請求項6乃至9の何れか1に記載の現像
    装置を用いたことを特徴とする画像形成プロセスユニッ
    ト。
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JP2017122870A (ja) * 2016-01-08 2017-07-13 キヤノン株式会社 トナー

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