JP3817296B2 - 現像装置 - Google Patents
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【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機、ファクシミリ、プリンター等の画像形成装置に用いる現像装置に係り、詳しくは、内部に磁界発生手段を配置した現像剤担持体上にトナーと磁性キャリアとを含む現像剤を担持して画像形成装置の像担持体と対向する領域へ現像剤を搬送し、該像担持体に形成された潜像を現像する現像装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、トナーを用いて静電潜像を現像する方法としては、磁気ブラシ現像法(例えば米国特許第2874063号参照)に代表される二成分現像法や一成分現像法が知られている。
【0003】
上記従来の現像法のうち二成分現像法は、現像剤に含まれる比較的大きな磁性キャリアと微小なトナーとの摩擦で発生した静電気力によって該磁性キャリアの表面にトナーが保持されており、静電潜像に接近すると、静電潜像が形成する電界によるトナーに対する静電潜像方向への吸引力が、トナーと磁性キャリアとの間の結合力に打ち勝って、トナーは静電潜像上に吸引付着されて静電潜像を可視化するものである。この二成分現像法で用いる現像剤は現像によって消費したトナーを補充しながら反復使用される。
【0004】
従来、低コスト及び小型化を図るために、現像剤担持体周辺に現像剤貯溜室を有し、該現像剤担持体上の現像剤の移動により、トナーを取り込んで消費したトナーを補充する現像装置が知られている。しかし、このような現像装置においてトナー濃度を一定範囲に保つ制御を行なわないと、トナー濃度が上昇しすぎた場合に、トナー飛散、地汚れなどの異常が発生するという不具合あった。また、安定した画像濃度を得るには、磁性キャリアとトナーとの混合比(トナー濃度)を一定に保つ必要があった。
【0005】
また、上記二成分現像法において安定した画像濃度を得るためにトナー補給部材やトナー濃度センサを搭載してトナー濃度を一定に保つ制御を行う現像装置が知られているが、この種の現像装置はトナー補給部材等の設けているため大型になり、その動作機構も複雑になるという不具合があった。
【0006】
そこで、上記不具合を解決するものとしてトナー補給機構やトナー濃度センサを必要としないでトナー濃度を一定に保つ現像装置が提案されている。
【0007】
例えば、容器内で現像剤担持体上に磁性キャリア層を形成するとともに、容器内のトナー供給部においてこの磁性キャリア層に接触するようにトナーを収容し、内部に固定配置された磁石を有する現像剤担持体の回転に伴う磁性キャリア層の磁性キャリアの移動により、該トナー供給部で磁性キャリア層内にトナーを取り込み、トナーと磁性キャリアの混合された現像剤を、現像剤規制部材で層厚規制して現像領域に搬送する現像装置において、該磁石は、上記トナー補給部に対向する磁極を持たず、現像剤担持体の回転方向に関して上記トナー供給部の下流側、かつ該規制部材の上流側に磁極を持ち、上記トナー供給部の下流側、かつ上記規制部材の上流側で、該磁極の磁界が及ぶ範囲内の位置に現像剤担持体と対向して設けられ、該現像剤担持体との間に磁性キャリア層の充満した領域を形成する遮蔽部材を有する現像装置が提案されている(特公平5−67233号公報参照)。この現像装置によれば、上記規制部材の上流側の遮蔽部材と現像剤担持体とで囲まれた領域に滞留する現像剤は、トナー濃度が高く現像剤の嵩が大きい状態になると、その領域の充填率が高まって動きにくくなり、規制部材を通過する現像剤を除き、該領域の現像剤の動きはほとんどなくなる。逆に、トナーの消費によってトナー濃度が低下して現像剤の嵩が小さい状態になると、該領域の充填率が低くなって現像剤が動きやすくなり、トナーが現像剤内に取り込まれる。そして、現像剤のトナー濃度が上昇して現像剤の嵩が大きくなると、前述同様に該領域の現像剤がほとんど動かなくなり、トナーの取り込みが停止する。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
上記特公平5−67233号公報で提案されている現像装置においては、上記磁性キャリア層の充満した領域に存在する現像剤が少し多めになると、現像剤規制部材と現像剤担持体との間隙を通過するものを除き、該現像剤はほとんど動かなくなるため、少し多めのトナー消費量の画像形成を行なうと、現像に寄与する現像剤への新たなトナー補給が困難になってしまう。また、この現像装置において、必要量以上の磁性キャリアをセットすると、トナー濃度が著しく低下し、画像濃度不足となってもトナーを取り込めるような現像剤の流れが発生せず、更にトナー消費が進行するとトナー濃度がほぼ0wt%になり、所望の画像濃度が得られなくなってしまう場合があった。
【0011】
したがって、上記領域に存在する現像剤の動きを活発にするために、この現像装置の場合には少なめの現像剤をセットするのが好ましかった。ところが、上記現像剤の量が少すぎる場合にはトナー濃度が部分的に高くなりすぎ、トナーの帯電不足によって、地汚れやトナー飛散による機内汚染等の不具合が発生しやすくなるという不具合があった。
【0013】
また、現像剤を多くセットできないと、現像剤寿命が極めて短くても構わない画像形成装置(例えば数1000枚程度の画像形成が可能な画像形成装置)への使用に限定され、枚数検知手段などを用いて現像剤の交換時期を把握し、現像装置全体を交換するといった形態で現像剤を頻繁に交換しなければならないという問題点もあった。
【0014】
また、一般に現像装置にセットする前の現像剤は、製造工程で磁性キャリアとトナーを混合するときにトナーを帯電しているが、その後長時間放置されているため、自己放電によってトナー帯電量は、現像装置内のストレスを受けて立ち上がった安定した帯電レベルに比較して、大幅に低くなっている。従って、上記特公平5−67233号公報等で提案されている現像装置にセットした直後は、その低トナー帯電レベルにより現像されやすくなっており、トナー付着量が増加する傾向にある。
【0015】
また、上記特公平5−67233号公報で提案されている現像装置においては上記移動層と不動層との間で現像剤の入れ替わりがなく、該移動層の磁性キャリアが頻繁にトナー搬送に寄与するため、トナースペントや磁性キャリアの膜削れなどの現像剤劣化が激しく、現像剤の寿命が短くなってしまう。
【0016】
また、上記特公平5−67233号公報で提案されている現像装置においては、原稿面積率、すなわち原稿の中でコピーの際にトナー画像となる部分の占める割合が高いなどの理由でトナー消費量が多い場合、トナー補給不足気味になる傾向があった。そして、このトナー不足気味の状態から、原稿面積率が低い等トナー消費が少ない原稿の画像形成動作を行なわれると、上記現像剤へのトナーの取り込みによるトナー補給は追いつくようになるが、トナーの帯電不足で地汚れ、トナー飛散などの不具合が発生しやすかった。
また、上記特公平5−67233号公報で提案されている現像装置においては、現像剤担持体の表面近くに形成された磁性キャリア層は、該現像剤担持体の回動に伴って移動する現像剤担持体近傍の移動層と、該移動層の上部に位置する一見したところ動かない不動層とに完全に分離しており、この不動層の移動によりトナー補給用開口からのトナー取り込み量が制御されているため、不動層の設定が難しいという不具合がある。このため、特定の粒径の磁性キャリアに基づいて予め決定されたトナー濃度でしか使用することができず、所望の画質を制御するようにトナー濃度を設定することが難しいという問題点があった。
【0017】
また、上記特公平5−67233号公報で提案されているような現像装置に予めセットする現像剤の量は、使用する磁性キャリアの粒径によって決まってしまい、現像剤の量を増やして現像剤担持体の表面速度を高速化しようとすると、トナー濃度が制御できなくなったり、トナーを十分に帯電させることができなくなったりするという不具合が生じるため、トナー濃度の目標値を任意に設定できないという問題点もあった。
【0021】
本発明は、以上の問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、現像剤のトナー濃度を自己制御でき、しかも、画像濃度の低下や、トナー帯電不足による画像濃度の上昇、地汚れ及びトナー飛散の発生を未然に防止できるとともに現像剤の長寿命化を図ることができる現像装置を提供することである。
【0027】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1の現像装置は、トナーと磁性キャリアとを含む現像剤を担持するための現像剤担持体と、該現像剤担持体の内部に配置した磁界発生手段と、該現像剤担持体に担持した現像剤の量を規制する現像剤規制部材と、該現像剤規制部材で阻止された現像剤が滞留する現像剤滞留部を形成するように該現像剤担持体表面に対向配置された現像剤保持部材と、該現像剤滞留部に該現像剤担持体上の現像剤搬送方向の上流から隣接し、収容されているトナーが該現像剤担持体に担持されている現像剤や該現像剤滞留部の現像剤に接触するトナー補給用開口を有するトナー収容部とを備え、該トナー収容部内のトナーを該トナー補給用開口から該現像剤担持体に担持した現像剤に取り込むようにした現像装置において、該現像剤保持部材の該トナー補給用開口側の先端部を下方に延出させるとともに該現像剤担持体に対して側方から所定の間隙を持って対向させ、該現像剤滞留部内の現像剤のトナー濃度に応じて、該現像剤滞留部内で回動運動している現像剤と該現像剤担持体に担持されて移動している現像剤とが該トナー補給開口で合流する位置が、該現像剤担持体の表面側と該現像剤保持部材の先端部側との間で変化し、該合流する位置から該現像剤担持体に担持した現像剤へのトナーの取り込み状態が変化するものであり、該現像剤の合流する位置が該現像剤保持部材の先端部側に移動して該現像剤担持体に担持した現像剤へトナーが取り込まれなくなった状態で、該現像剤滞留部内の現像剤の回動運動が停止することなく持続することを特徴とするものである。
【0028】
請求項2の現像装置は、請求項1の現像装置において、上記現像剤滞留部の上記現像剤規制部材による規制位置と上記トナー補給用開口との間のほぼ中央から該トナー補給用開口までの領域に面する上記現像剤保持部材の表面の一部に現像剤が圧接しない部分を設けたことを特徴とするものである。
【0029】
請求項3の現像装置は、請求項1の現像装置において、上記現像剤規制部材による規制位置から離間した上記現像剤保持部材の一部に、通気用開口を形成したことを特徴とするものである。
【0032】
請求項4の現像装置は、請求項1の現像装置において、上記現像剤滞留部にセットする現像剤中の磁性キャリアの量を、JIS Z2504(金属粉の見掛密度試験方法)に基づいて測定した該磁性キャリアの見掛密度を用いて算出される、該現像剤滞留部を該磁性キャリアのみで充填させた場合の該磁性キャリアの量以下にしたことを特徴とするものである。
【0033】
請求項1の現像装置においては、磁界発生手段で発生した磁界により現像剤担持体に担持された現像剤滞留部の現像剤が、現像剤担持体の移動に伴って搬送される。そして、搬送された現像剤は現像剤規制部材で規制された後、像担持体と対向する現像領域に供給される。現像領域で現像に用いられなかった現像剤は、現像剤担持体の表面の移動に伴って更に搬送され、トナー補給用開口からトナーを取り込んだ後、該現像剤滞留部に戻る。一方、現像剤規制部材で規制され、現像領域に供給されなかった現像剤は、該現像剤滞留部の上方に移動し、トナーの搬送に寄与せずに該現像剤滞留部内で一見滞留したように見える現像剤滞留層を形成する。そして、この滞留層の現像剤は、現像剤規制部材で規制されて、次々に上方に移動してくる現像剤によって、強制的に現像剤担持体の表面における搬送方向とは逆方向に移動させられる。そして、現像剤担持体からの磁界の影響を受けにくくなるような位置まで達すると、該現像剤滞留部内で現像剤自身の内圧及び重力によってトナー収容部のトナー補給用開口に向けて移動する。そして、トナー補給用開口付近まで移動した現像剤滞留層は、現像剤担持体の表面で搬送されている現像剤移動層の移動にともなって、該開口部からトナーを取り込みながら現像剤規制部材側に再び搬送され、該現像剤滞留部内を循環するように回動運動をする。
【0034】
ここで、現像剤に取り込んだトナーの量が多くなってトナー濃度が高まると、それに伴って該現像剤移動層の現像剤の嵩が増加し、該現像剤がトナー補給用開口を塞ぐ位置まで移動するようになる。このように循環する現像剤でトナー補給用開口が塞がることにより、現像剤担持体上の現像剤へのトナー取り込み量が少なくなる。このトナー取り込み量の減少により、現像剤のトナー濃度が常に一定濃度以下に保たれる。
【0035】
そして、現像剤滞留部内において現像剤を緩い充填状態で滞留させた状態で、現像剤滞留部内のトナー濃度が次第に上昇して現像剤の嵩が高まり、現像剤へのトナーの取り込みが停止した場合には、現像剤滞留部内において、高トナー濃度の現像剤の回動運動を持続させてトナーの分散及び帯電を継続して進行させる。その後、トナー消費によりトナー濃度が低下して現像剤の嵩が減少し、現像剤へのトナーの取り込みを行う場合には、新たに取り込んだトナーだけでなく、現像剤滞留部内での回動運動で現像剤中に分散し且つ帯電電位が立ち上がっているトナーも、現像量域に供給する。
【0036】
請求項2の現像装置においては、上記領域に面する現像剤保持部材の表面の一部に現像剤が圧接しない部分を設けることにより、該領域での現像剤の回動運動をより確実に行わせる。
【0037】
請求項3の現像装置においては、上記現像剤規制部材による規制位置から離間した上記現像剤保持部材の一部に形成した通気用開口を介して、上記現像剤滞留部の内部と外部との間の空気の流出入を行わせて、現像剤滞留部内の気圧の上昇を抑える。
【0040】
請求項4の現像装置においては、上記現像剤滞留部にセットする現像剤中の磁性キャリアの量を、JIS Z2504(金属粉の見掛密度試験方法)に基づいて測定した該磁性キャリアの見掛密度を用いて算出される、該現像剤滞留部を該磁性キャリアのみで充填させた場合の該磁性キャリアの量以下にすることにより、その磁性キャリアの一部が現像剤担持体上に担持され、残りの磁性キャリアが、現像剤滞留部内に、トナー取り込みを十分にできる状態で充填されるようにする。
【0041】
請求項5の現像装置は、請求項1の現像装置において、上記トナー補給用開口を介してトナーが取り込まれる現像剤のトナー濃度が上限トナー濃度となった状態で、上記現像剤滞留部内に空間を有するように構成したことを特徴とするものである。
【0043】
請求項6の現像装置は、請求項5の現像装置において、上記トナー補給用開口よりも上記現像剤担持体上の現像剤搬送方向上流側に位置する上記磁界発生手段の磁極を、該現像剤担持体上に形成する現像剤の磁気ブラシが該現像剤担持体の下方に位置するケーシングに圧接する程度の磁力を有するように構成したことを特徴とするものである。
【0046】
請求項5の現像装置においては、現像剤のトナー濃度が常に一定の上限トナー濃度以下に保たれた状態において、上記現像剤滞留部内には比較的充填密度の低い空間を有するので、上記現像剤の移動により、現像剤が該空間に流れ込みやすくなる。これにより、現像剤滞留部内で現像剤の回動運動が促進され、現像剤担持体上を移動する現像剤移動層と、この移動層に接するように現像剤滞留部内に形成される現像剤滞留層との間で現像剤の入れ替わりが徐々に行なわれる。よって、現像剤滞留部内の現像剤が均一に現像に寄与するようになる。
【0048】
請求項6の現像装置においては、上記トナー補給用開口よりも上記現像剤担持体上の現像剤搬送方向上流側に位置する上記磁界発生手段の磁極により、該現像剤担持体の下方に位置するケーシングに圧接するような現像剤の磁気ブラシを形成する。このケーシングに圧接するように形成した磁気ブラシで、トナー収容部のトナーがトナー補給用開口を通って現像剤担持体とケーシングとの隙間に落下して現像装置外に出ないようにする。
【0058】
請求項7の現像装置は、請求項1乃至6のいずれかの現像装置において、上記トナーとして磁性トナーを用いたことを特徴とするものである。
請求項7の現像装置においては、上記トナーとして用いた磁性トナーが、磁性キャリアとともに、現像剤担持体内部に配設された磁界発生手段の磁力によって現像剤担持体側に引き寄せることにより、磁性キャリアを高被覆率で使用することによってトナー帯電量が低下しても、非磁性トナーを用いる場合に比してトナーが飛散しにくくなる。
【0059】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を適用可能な画像形成装置としての電子写真複写機(以下「複写機」という。)に用いる現像装置について説明する。
〔実施形態1〕
図1は本実施形態に係る現像装置の概略構成を示す部分断面図である。この現像装置は、複写機の像担持体としての円筒状の感光体ドラム1の側方に配設され、感光体ドラム1に向けて開口部が形成されたケーシング2、該開口部から一部が露出した、磁性キャリア(以下、本実施形態において「キャリア」という。)と磁性トナー(以下、本実施形態において「トナー」という。)とを含む現像剤3を表面に担持する現像剤担持体としての現像スリーブ4、現像スリーブ4の内部に固定した磁界発生手段としての固定磁石群からなる円柱状のマグネット部材5、現像スリーブ4に担持した現像剤の量を規制する現像剤規制部材としてのドクタ6等を有している。
【0060】
上記ケーシング2の内壁は、現像スリーブ4が収容される現像スリーブ収容部のほか、ドクタ6で阻止された現像剤が収容される現像剤収容部10、現像剤が保留される現像剤保留部11、現像スリーブ4上の現像剤に補給されるトナー7が収容されるトナー収容部としてのトナーホッパを区画するように形成されている。現像剤保留部11及びトナーホッパ8には、それぞれ現像剤3及びトナー3aを撹拌するためのアジテータ12,9が設けられている。上記現像剤保留部11は現像剤を一時的に保留しておくためのもので、その開口部に取り付けられた磁性体13によって現像スリーブ4から剥がされた現像剤3を取り込んでアジテータ12を回転させて混合し、再び現像スリーブ4上に戻す。これにより、現像スリーブ4上に主に担持される現像剤の損傷を最小限に抑え、現像剤の寿命を長くすることができる。特に高速機の場合に有効である。なお、現像剤保留部11の開口部のもう一つの磁性体14は、現像剤を担持することによってシールド領域を形成し、トナーホッパ8から現像剤保留部11へのトナー落ちを防止するものである。
【0061】
一方、上記トナーホッパ8は現像剤収容部10に現像スリーブ4上の現像剤搬送方向の上流から隣接し、収容されているトナーが現像スリーブ4に担持されている第1の現像剤層の現像剤3−1及び現像剤収容部10の第2の現像剤層の現像剤3−2に接するトナー補給用開口8aを有している。このトナーホッパ8には補給トナーが収容され、必要に応じてトナーアジテータ9を回転させることによって現像スリーブ4上の現像剤が露出したトナー補給位置にトナーを搬送して、該現像剤にトナーを補給することができる。
【0062】
上記現像スリーブ4は非磁性材料からなる円筒状部材であり、その両端部で感光体ドラム1の回転軸と平行な回転軸の回りに回転自在に軸支され、図示しない駆動部により矢印方向に回転駆動される。なお、上記円筒状の現像スリーブ4に代えて、複数の支持ローラに掛け渡された無端ベルト状の現像剤担持体を用いてもよい。
【0063】
上記マグネット部材5は現像スリーブ4の回転時も動かないように現像スリーブ4の内部に固定され、現像スリーブ4側の表面がそれぞれN極(N1極,N2極)、S極(S1極,S2極)に着磁した4つの磁石から構成されている。このうちN1極を有する磁石は補給されたトナーを現像スリーブ4上の第1の現像剤層の現像剤3−1を第2の現像剤層の現像剤3−2とともにドクタ6側に搬送するためのものであり、S1極を有する磁石はドクタ6で規制された現像剤3−1を現像領域に搬送するためのものであり、N2極を有する磁石は現像領域での現像剤3−1を搬送するためのものであり、S2極を有する磁石は現像領域通過後の現像剤3−1をトナー補給位置に搬送するためのものである。なお、上記マグネット部材5の磁石群のN極とS極は逆であっても構わない。
【0064】
上記構成の現像装置において、現像スリーブ4の回転に伴って、主に現像スリーブ4の表面に層状に担持された第1の現像剤層の現像剤3−1の量がドクタ6で規制された後、感光体ドラム1と対向する現像領域に供給され、これにより、感光体ドラム1上の静電潜像の現像が行われる。そして、ドクタ6で阻止された第2の現像剤層の現像剤3−2は、現像剤収容部10内で現像剤自身の内圧及び自重により現像スリーブ4表面から離れた位置でトナー補給用開口8a側に移動する。そして、現像剤中のトナー濃度に応じて第2の現像剤層の現像剤3−2の嵩が変化し、高トナー濃度の場合には、現像領域に搬送される割合が多い現像スリーブ4上の現像剤3−1がトナーホッパ8のトナー3aと接する面積が狭くなり、現像剤3−1へのトナー取り込みが減少し、逆に低トナー濃度の場合には、現像スリーブ4上の現像剤3−1がトナーホッパ8のトナー3aと接する面積が広くなり、現像剤3−1へのトナー取り込みが増加する。このようにトナー濃度に応じて現像剤3−1へのトナー取り込みが変化することにより、現像剤3−1のトナー濃度を一定範囲内に保つことができる。このように、本実施形態の現像装置によれば、従来のようなトナー補給機構及びトナー濃度センサを必要としないで現像剤のトナー濃度の自己制御を行なうことができる。
【0065】
また、上記現像剤3−1に取り込まれたトナーはキャリアとの間で摩擦帯電されながら、ドクタ6による規制位置を通過して現像領域に供給される。一方、第2の現像剤層の現像剤3−2は現像剤収容部10内で回動運動し、この回動運動によるキャリアとトナーとの間の摩擦帯電でトナーが帯電される。
【0066】
次に、本実施形態の現像装置で使用する現像剤を構成するトナー及びキャリアについて説明する。
本実施形態で使用するトナーとしては、少なくとも結着樹脂及び磁性体からなるものを使用する。この種のトナーは従来の公知の方法で製造されたものを使用できる。例えば、結着樹脂、磁性体、着色剤及び極性制御剤よりなる混合物を熱ロールミルで溶融混練した後、冷却固化させ、これを粉砕分級して得られるものを使用できる。また、上記トナーには、必要に応じて任意の添加物を添加することができる。
【0067】
上記トナーに使用される結着樹脂としては、公知のものがすべて使用できる。例えば、ポリスチレン、ポリp−スチレン、ポリビニルトルエン等のスチレン及びその置換体の単重合体、スチレン−p−クロルスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−メタアクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタアクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタアクリル酸ブチル共重合体、スチレン−α−クロルメタアクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体等のスチレン系共重合体、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレ−ト、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアミド、エポキシ樹脂、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、フェノール樹脂、脂肪族又は脂肪族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィンワックス等を単独あるいは混合して使用できる。特に結着樹脂としてポリエステル樹脂を用いた場合には、耐塩ビマット融着性に優れ、熱ロールへの耐熱オフセット性に優れたトナーを得ることができる。
【0068】
また、上記トナーに用いられる磁性体としては、マグネタイト、ヘマタイト、フェライト等の酸化鉄、鉄、コバルト、ニッケルのような金属あるいはこれら金属とアルミニウム、コバルト、銅、鉛、マグネシウム、スズ、亜鉛、アンチモン、ベリリウム、ビスマス、カドミウム、カルシウム、マンガン、セレン、チタン、タングステン、バナジウムのような金属との合金及びそれらの混合物等が挙げられる。これらの強磁性体は平均粒径が0.1μm程度のものが望ましく、トナー中に含有させる量としては、樹脂成分100重量部に対し約20〜300重量部、特に好ましくは樹脂成分100重量部に対し30〜200部である。
【0069】
また、上記トナーに用いられる極性制御剤としては、従来より公知のものでよく、例えばモノアゾ染料の金属錯塩、ニトロフミン酸及びその塩、サリチル酸、ナフトエ酸、ジカルボン酸のCo,Cr,Fe等の金属錯体アミノ化合物、第4級アンモニウム化合物、有機染料等が挙げられる。これら極性制御剤の使用量は、結着樹脂の種類、必要に応じて使用される添加剤の有無、分散方法を含めたトナー製造方法によって決定されるもので、一義的に限定されるものではないが、好ましくは結着樹脂100重量部に対して、0.1〜20重量部の範囲で用いられる。0.1重量部未満では、トナーの帯電量が不足して実用的ではない。一方、20重量部を超える場合にはトナーの帯電量が大きすぎ、キャリアとの静電的吸引力の増大のため、現像剤の流動性低下や画像濃度の低下を招く。
【0070】
また、上記トナーには必要に応じて次に挙げるような着色剤を添加しても良い。黒色の着色剤としては、例えばカーボンブラック、アニリンブラック、ファーネスブラック、ランプブラック等が挙げられる。シアンの着色剤としては、例えばフタロシアニンブルー、メチレンブルー、ビクトリアブルー、メチルバイオレット、アニリンブルー、ウルトラマリンブルー等が挙げられる。マゼンタの着色剤としては、例えばローダミン6Gレーキ、ジメチルキナクリドン、ウォッチングレッド、ローズベンガル、ローダミンB、アリザリンレーキ等が挙げられる。イエローの着色剤としては、例えば、クロムイエロー、ベンジジンイエロー、ハンザイエロー、ナフトールイエロー、モリブデンオレンジ、キノリンイエロー、タートラジン等が挙げられる。
【0071】
また、上記トナーには必要に応じて添加剤を混合しても良い。この添加剤としては、テフロン、ステアリン酸亜鉛等の滑剤、酸化セリウム、酸化ジルコニウム、酸化ケイ素、酸化チタン、酸化アルミニウム、炭化ケイ素等の研磨剤、コロイダルシリカ、酸化アルミニウム等の流動性付与剤、ケーキング防止剤、カーボンブラック、酸化スズ等の導電性付与剤、低分子量ポリオレフィン等の定着助剤等が挙げられる。この中でも特に流動性付与剤としてはコロイダルシリカが好ましく、キャリアの表面を研磨する研磨剤としては酸化アルミニウム、炭化ケイ素が好ましい。
【0072】
また、本実施形態で使用するキャリアの核体としては従来より公知のものを用いることができ、例えば鉄、コバルト、ニッケル等の強磁性金属、マグネタイト、ヘマタイト、フェライト等の合金や化合物、上記強磁性金属と樹脂との複合体等が挙げられる。
【0073】
また、上記キャリアの表面は、耐久性を向上させるために樹脂で被覆するのが好ましい。このキャリア表面の被膜層を形成する樹脂としては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、塩素化ポリエチレン、クロロスルホン化ポリエチレン等のポリオレフィン系樹脂や、ポリスチレン、アクリル(例えばポリメチルメタクリレート)、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリ塩化ビニル、ポリビニルカルバゾール、ポリビニルエーテル、ポリビリケトン等のポリビニル及ポリビニリデン系樹脂や、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体や、スチレン−アクリル酸共重合体や、オルガノシロキサン結合からなるシリコーン樹脂またはその変成品(例えばアルキッド樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン等による変成品)や、ポリテトラフルオロエチレン、ポリ弗化ビニル、ポリ弗化ビニリデン、ポリクロロトリフルオロエチレン等の弗素樹脂や、ポリアミドや、ポリエステルや、ポリウレタンや、ポリカーボネートや、尿素−ホルムアルデヒド樹脂等のアミノ樹脂や、エポキシ樹脂等が挙げられる。これらの中でキャリア表面へのトナースペントを防止する点で好ましいのはシリコーン樹脂又はその変成品、弗素樹脂、特にシリコーン樹脂又はその変成品である。
【0074】
上記シリコーン樹脂としては、従来から知られているいずれのシリコーン樹脂であってもよく、次の化1で示されるオルガノシロキサン結合のみからなるストレートシリコーン及びアルキド、ポリエステル、エポキシ、ウレタン等で変成したシリコーン樹脂が挙げられる。
(以下、余白)
【化1】
【0075】
上記化1中のR1は水素基、炭素原子数1〜4のアルキル基またはフェニル基、R2及びR3は水素基、炭素原子数1〜4のアルコキシ基、フェニル基、フェノキシ基、炭素原子数2〜4のアリケニル基、炭素原子数2〜4のアルケニルオキシ基、ヒドロキシ基、カルボキシル基、エチレンオキシド基、グリシジル基または次の化2で示される基である。
【化2】
【0076】
上記化1及び化2中のR4,R5は、ヒドロキシ基、カルボキシル基、炭素原子数1〜4のアルキル基、炭素原子数1〜4のアルコキシ基、炭素原子数2〜4のアルケニル基、炭素原子数2〜4のアルケニルオキシ基、フェニル基、フェノキシ基であり、k,l,m,n,o,pは1以上の正の整数を示す。
【0077】
なお、上記各置換基は未置換のもののほか、例えばアミノ酸、ヒドロキシ基、カルボキシル基、メルカプト基、アルキル基、フェニル基、エチレンオキサイド基、グリシジル基、ハロゲン原子のような置換基を有しても良い。
【0078】
また、上記キャリアの被覆層中には、その体積固有抵抗を制御するために導電性付与剤を分散させても良い。この分散される導電性付与剤としては従来より公知のものを使用することでき、例えば鉄、金、銅等の金属や、フェライト、マグネタイト等の酸化鉄や、カーボンブラック等の顔料が挙げられる。この中でも特にカーボンブラックの一種であるファーネスブラックとアセチレンブラックの混合物を用いることにより、少量の導電性微粉末の添加で効果的に導電性の調整が可能で、更に被覆層の耐摩耗性に優れたキャリアを得ることが可能となる。これらの導電性微粉末は、粒径0.01〜10μm程度のものが好ましく、また被覆樹脂100重量部に対して2〜30重量部添加するのが好ましく、更には5〜20重量部添加するのが好ましい。
【0079】
また、上記キャリアの被覆層中には、核体粒子との接着性を向上させたり、導電性付与剤の分散性を向上させたりするためにシランカップリング剤、チタンカップリング剤等を添加させても良い。このシランカップリング剤は次の化3の一般式で示される化合物である。ここで、Xはケイ素原子に結合している加水分解基であり、クロル基、アルコキシ基、アセトキシ基、アルキルアミノ基、プロペノキシ基等がある。また、Yは有機マトリックスと反応する有機官能基であり、ビニル基、メタクリル基、エポキシ基、グリシドキシ基、アミノ基、メルカプト基等がある。また、Rは炭素数1〜20のアルキル基またはアルキレン基である。
【化3】
YRSiX3
【0080】
上記シランカップリング剤の中でも、特に負帯電性を有する現像剤を得るにはYにアミノ基を有するアミノシランカップリング剤が好ましく、正帯電性を有する現像剤を得るにはYにエポキシ基を有するエポキシシランカップリング剤が好ましい。
【0081】
上記キャリアの被覆層の形成法としては、従来と同様、キャリアの核体粒子の表面に被覆層形成液を噴霧法、浸漬法等の手段で塗布する方法を採用することができる。上記キャリアの被覆層の厚さは0.1〜20μmが好ましい。
【0082】
なお、上記実施形態で用いる現像剤のトナーとキャリアとの重量比は10:90〜50:50の範囲内に設定するのが望ましい。このような重量比を有する現像剤を用いた場合には、現像領域において現像に寄与する第1の現像剤層のキャリアのトナー保有率を高くし、該第1の現像剤層のトナー濃度を高くすることができるため、高速機での現像条件においても十分な画像濃度及び細線再現性を達成することができる。
【0083】
また、上記トナーとしては、8.0×104A/mの磁場中における飽和磁化が15〜30A・m2/kgの範囲内にあるものが望ましい。このような飽和磁化を有する磁性トナーを用いた場合には、トナー取り込み時に現像剤がトナーを効率よく取り込むことができるため、トナー消費量の多い画像を連続して複写しても画像濃度が低下することなく、良好な画像を安定して得ることができる。また、トナー自体に磁化による現像スリーブへの磁力束縛力によって、現像スリーブの回転に伴うトナー飛散や地肌部へのトナー現像(地肌汚れ)を有効に防止できる。
【0084】
また、上記キャリアとしては、トナーとの帯電量が絶対値で10〜80μC/gの範囲内にあるもので、トナーとキャリアとの重量比が10:90〜50:50の範囲において帯電量の変化量の絶対値が5μC/g以下であるものが望ましい。このように現像剤中のトナーの比率が変化しても帯電量が変化しないキャリアを使用した場合には、トナー消費量の多い画像を連続して複写しても画像濃度が低下することなく、良好な画像を安定して得ることができる。
【0085】
また、上記キャリアとしては、体積固有抵抗値が108〜1016Ωcm、好ましくは109〜1014Ωcmの範囲内にあるものが望ましい。このような抵抗値を有するキャリアを使用した場合には、現像領域における現像剤の抵抗値が低くなるために、ソリッド画像の現像においてエッジ効果がない良好な画像を得ることができる。
【0086】
また、上記キャリアとしては、8.0×104A/mの磁場中における飽和磁化が30〜90A・m2/kgの範囲内にあるものが望ましい。このような飽和磁化を有するキャリアを用いた場合には、現像領域における現像剤の現像スリーブへの磁気束縛力が大きくなるため、現像剤が現像スリーブから離脱して感光体上に付着することを防止し、良好な画像を得ることができる。特に、上記キャリアとして、バインダー樹脂(結着樹脂)中に8.0×104A/mの磁場中における飽和磁化が80〜110A・m2/kgの範囲内の磁性体微粒子を分散したバインダーキャリアを使用した場合には、現像スリーブ上での磁気ブラシを軟らかくすることができるため、良好な中間調再現性を達成できる。
【0087】
また、上記キャリアとしては、重量平均粒子径が30〜70μmの範囲内にあるものが望ましい。このように比較的粒子径の小さなキャリアを使用した場合には、現像領域において現像に寄与する第1の現像剤層のキャリアのトナー保有率を高くし、該第1の現像剤層のトナー濃度を高くすることができるため、高速機での現像条件においても十分な画像濃度及び細線再現性を達成することができる。
【0088】
以上、本実施形態によれば、現像剤のトナーとして磁性トナーを用いることにより、現像装置内部での現像スリーブ5への磁気束縛力をトナーに作用させることができるので、従来の非磁性トナーを用いた現像剤に比べてキャリアとトナーとの間の摩擦力が増し、短い撹拌時間でトナーに十分な電荷を付与することが可能となり、トナー飛散や地肌汚れのない良好な画像を得ることができる。
【0089】
次に、上記図1の現像装置に用いることができるトナー及びキャリアの具体例、並びにそれらを組み合わせた現像剤を用いて実際に画像形成を行なった結果について説明する。
【0090】
〔トナーの具体例1〕
表1に示す処方の混合物を120°Cの熱ロールで溶融混練した後、冷却して固化させ、これをジェットミルで粉砕し、分級して平均16μmの磁性トナー粒子aを得た。このトナーの8.0×104A/mの磁場中における飽和磁化は16A・m2/kgであった。
【表1】
【0091】
〔トナーの具体例2〕
表2に示す処方の混合物を120°Cの熱ロールで溶融混練した後、冷却して固化させ、これをジェットミルで粉砕し、分級して平均粒径16μmの磁性トナー粒子bを得た。このトナーの8.0×104A/mの磁場中における飽和磁化は20A・m2/kgであった。
(以下、余白)
【表2】
【0092】
〔トナーの具体例3〕
上記表2に示す処方の混合物を120°Cの熱ロールで溶融混練した後、冷却して固化させ、これをジェットミルで粉砕し、分級して平均粒径8μmの磁性トナー粒子cを得た。このトナーの8.0×104A/mの磁場中における飽和磁化は21A・m2/kgであった。
【0093】
〔トナーの具体例4〕
上記表2に示す処方の混合物を120°Cの熱ロールで溶融混練した後、冷却して固化させ、これをジェットミルで粉砕し、分級して平均粒径10μmの母体粒子を得た。この母体粒子99.5重量部とシリカ微粒子(R−972,日本アエロジル社製)0.5重量部をミキサーにて混合し、平均粒径5μmの磁性トナー粒子dを得た。このトナーの8.0×104A/mの磁場中における飽和磁化は22A・m2/kgであった。
【0094】
〔トナーの具体例5〕
表3に示す処方の混合物を120°Cの熱ロールで溶融混練した後、冷却して固化させ、これをジェットミルで粉砕し、分級して平均粒径7μmの母体粒子を得た。この母体粒子99.5重量部とシリカ微粒子(R−972,日本アエロジル社製)0.5重量部をミキサーにて混合し、平均粒径7μmの磁性トナー粒子eを得た。このトナーの8.0×104A/mの磁場中における飽和磁化は21A・m2/kgであった。なお、表中のMwは重量平均分子量であり、Tgはガラス転移点である。
【表3】
【0095】
〔トナーの具体例6〕
表4に示す処方の混合物を120°Cの熱ロールで溶融混練した後、冷却して固化させ、これをジェットミルで粉砕し、分級して平均粒径7μmの母体粒子を得た。この母体粒子99.5重量部とシリカ微粒子(R−972,日本アエロジル社製)0.5重量部をミキサーにて混合し、比較例として用いる平均粒径7μmの磁性トナー粒子fを得た。このトナーの8.0×104A/mの磁場中における飽和磁化は0A・m2/kgであった。
【表4】
【0096】
〔キャリアの具体例1〕
湿式法により作成したマグネタイト100重量部、ポリビニルアルコール2重量部及び水60重量部をボールミルに入れ、12時間混合してマグネタイトのスラリーを調整した。このスラリーをスプレードライヤーにて噴霧造粒し、平均粒径84μmの球形粒子とした。この球形粒子を窒素雰囲気中で1000°Cの温度にて3時間焼成した後、冷却して核体粒子1を得た。そして、表5に示す処方の混合物をホモミキサーで20分間分散し、被覆層形成液1を調整した。この被覆層形成液1を流動床型コーティング装置を用いて、1000重量部の核体粒子1の表面にコーティングして、シリコーン樹脂被膜キャリアAを得た。このシリコーン樹脂被膜キャリアAの平均粒径は87μm、飽和磁化は65A・m2/kgであった。
【表5】
【0097】
〔キャリアの具体例2〕
湿式法により作成したマグネタイト100重量部、ポリビニルアルコール2重量部及び水60重量部をボールミルに入れ、12時間混合してマグネタイトのスラリーを調整した。このスラリーをスプレードライヤーにて噴霧造粒し、平均粒径60μmの球形粒子とした。この球形粒子を窒素雰囲気中で1000°Cの温度にて3時間焼成した後、冷却して核体粒子2を得た。そして、上記具体例1と同様な被覆層形成液1を流動床型コーティング装置を用いて、1000重量部の核体粒子2の表面にコーティングして、シリコーン樹脂被膜キャリアBを得た。このシリコーン樹脂被膜キャリアBの平均粒径は63μm、飽和磁化は66A・m2/kgであった。
【0098】
〔キャリアの具体例3〕
上記具体例1と同様な被覆層形成液1を流動床型コーティング装置を用いて、1000重量部の還元鉄粉(TEFV 200/300,パウダーテック社製)の表面にコーティングして、シリコーン樹脂被膜キャリアCを得た。このシリコーン樹脂被膜キャリアCの平均粒径は52μm、飽和磁化は79A・m2/kgであった。
【0099】
〔キャリアの具体例4〕
上記具体例1と同様な被覆層形成液1を流動床型コーティング装置を用いて、1000重量部のフェライト(F−150,パウダーテック社製)の表面にコーティングして、シリコーン樹脂被膜キャリアDを得た。このシリコーン樹脂被膜キャリアDの平均粒径は78μm、飽和磁化は55A・m2/kgであった。
【0100】
〔キャリアの具体例5〕
表6に示す処方の混合物を溶融混練後、粉砕、分級して、キャリアEを得た。このキャリアEの平均粒径は53μm、飽和磁化は32A・m2/kgであった。
【表6】
【0101】
〔キャリアの具体例6〕
湿式法により作成したマグネタイト100重量部、ポリビニルアルコール2重量部及び水60重量部をボールミルに入れ、12時間混合してマグネタイトのスラリーを調整した。このスラリーをスプレードライヤーにて噴霧造粒し、平均粒径31μmの球形粒子とした。この球形粒子を窒素雰囲気中で1000°Cの温度にて3時間焼成した後、冷却して核体粒子3を得た。そして、表7に示す処方の混合物をホモミキサーで20分間分散し、被覆層形成液2を調整した。この被覆層形成液2を流動床型コーティング装置を用いて、1000重量部の核体粒子3の表面にコーティングして、シリコーン樹脂被膜キャリアFを得た。このシリコーン樹脂被膜キャリアFの平均粒径は34μm、飽和磁化は69A・m2/kgであった。
【表7】
【0102】
そして、本発明に係る実施例1〜実施例10として、表8に示すように、上記具体例に基づいて製造したトナー及びキャリアを混合して現像剤1−1,1−2,1−3...10−3を作成し、これらの現像剤のうちトナー濃度が20wt%の現像剤1−2,2−2,...10−2を用いた図1の現像装置を(株)リコー社製の複写機FT2200に組み込み、画像出し試験を行ない、画像濃度、地肌汚れ、キャリア現像の有無、中間調再現性、画像濃度制御性を評価した。
【0103】
例えば、実施形態1では、上記キャリアB:100重量部に対してトナーa:11重量部、25重量部、100重量部をボールミルで混合し、3種類の現像剤1−1、1−2、1−3を作成した。このときの帯電量はそれぞれ、現像剤1−1が19μC/g、現像剤1−2が13μC/g、現像剤1−3が11μC/gであった。そして、この3種類の現像剤のうちトナー濃度が20wt%のものを用いた図1の現像装置を(株)リコー社製の複写機FT2200に組み込み、画像出し試験を行ない、画像濃度、地肌汚れ及びキャリア現像の有無の程度、中間調再現性、並びに画像濃度制御性を評価した。
【0104】
また、表8に示すように、非磁性トナーを含む現像剤を用いた上記実施例1〜実施例10に対する比較試験(比較例1)も行なった。この比較例1では、上記実施例1〜5の場合と同じキャリアB:100重量部に対して上記トナーの具体例6の非磁性トナーf:11重量部、25重量部、100重量部をボールミルで混合し、3種類の現像剤11−1、11−2、11−3を作成した。このときの帯電量はそれぞれ、現像剤11−1が7μC/g、現像剤11−2が1μC/g、現像剤11−3が0μC/gであった。そして、この3種類の現像剤のうちトナー濃度が20wt%の現像剤11−2について上記同様な評価を行なった。
【0105】
表8は、上記実施例1〜実施例10及び比較例1における、帯電量、画像濃度、地肌汚れ及びキャリア現像の有無の程度、中間調再現性、並びに画像濃度制御性の評価結果である。この評価の結果の中で、記号◎、○、△及び×はそれぞれ「非常に良好」、「良好」、「並」及び「悪い」という結果を表している。この表8からわかるように、本発明の実施例1〜実施例10においては、画像濃度、地汚れ及びキャリア現像の有無の程度、中間調再現性、並びに画像濃度制御性のいずれについても、良好あるいは非常に良好な評価結果が得られた。
【表8】
【0106】
〔実施形態2〕
次に、本発明の他の実施形態について説明する。
図2は、本実施形態に係る現像装置の概略構成を示す部分断面図である。この現像装置は像担持体としての円筒状の感光体ドラム1の側方に配設され、感光体ドラム1に向けて開口部が形成されたケーシング2、該開口部から一部が露出した、トナー及び磁性キャリア(以下、本実施形態において「キャリア」という。)を含む現像剤3を表面に担持する現像剤担持体としての現像スリーブ4、現像スリーブ4の内部に固定配置した磁界発生手段としての固定磁石群からなるマグネット部材5、現像スリーブ4上に担持されて搬送されている現像剤3の量を規制する現像剤規制部材としてのドクタ6、現像スリーブ4上方で該スリーブ4の表面との間に現像剤3の現像剤滞留部10を形成するように設けられた現像剤保持部材としてのドクタ前ヒサシ7、トナー収容部としてのトナーホッパ8などを備えている。なお、図2中の現像スリーブ4の内部に、マグネット部材5の表面の主要な磁極5aを図示している。
【0107】
上記ドクタ前ヒサシ7は、現像スリーブ4との間に、感光体ドラム1との対向部の現像位置に供給されずにドクタ6で進行が阻止された現像剤3が滞留する現像剤滞留部10を形成している。この現像剤滞留部10のドクタ6に隣接する部分に対向する現像スリーブ4の内側にはマグネット部材5の磁極5aが配置されている。また、トナーホッパ8は、現像剤滞留部10に現像剤搬送方向上流側から隣接して現像スリーブ4表面と対向するトナー補給用開口8aを有し、該トナー補給用開口8aに隣合ったスペースには、トナーホッパ8内のトナー3aをトナー補給用開口8aに向けて撹拌しながら送り出すトナー撹拌搬送部材としてのトナーアジテータ9が配設されている。
【0108】
また、上記マグネット部材5の構成で重要となる磁極は図2中の磁極5aであり、ドクタ6近傍のドクタ前ヒサシ7の凸部に対向配置されている。そして、現像剤滞留部10内の現像剤3の動きに、重力が十分関与できる程度、すなわち、トナー補給用開口8a側のドクタ前ヒサシの先端部7aに磁力があまり及ばない程度の磁力分布としている。なお、本実施形態では、上記磁力分布とするために、磁極5aの極角度としては、上記ドクタ前ヒサシ7の凸部に対向する位置を基準に、現像スリーブ4の回転軸を中心に±10°の範囲の現像スリーブ4上における磁束密度が50〜80mT、該磁束密度の半値幅が20°乃至60°となるように設定している。また、その他の設定条件としては、キャリアの飽和磁束密度を50乃至90Am2/kg(50乃至90emu/g)、現像スリーブ4の表面とドクタ前ヒサシ7の内面との間の最大距離を10mm以上としている。
【0109】
また、図2中で、現像スリーブ4の回転中心Pからドクタ前ヒサシ7の先端部7aの端面に向かって引いた補助線PQ、現像スリーブ4の回転中心Pからドクタ6の側面に沿って鉛直方向に引いた補助線PR、補助線PQと補助線PRとのなす角の1/2となるように引いた補助線PSのうち、現像剤滞留部10において、補助線PS及び補助線PQを、それぞれ現像スリーブ4の軸方向に延ばした面、現像スリーブ4の表面、及びドクタ前ヒサシ7の現像スリーブ4に対向する面で囲まれた領域の容積をVとし、実際に該領域(容積V)に存在する現像剤3の量をW、JIS Z2504(金属粉の見掛密度試験方法)に基づいて測定した現像剤3の見掛密度をρD(通常1.4〜2.2g/cm3の範囲)としたとき、実際の現像剤3の量Wが該領域の容積Vと該密度ρDとの積よりも小さくなるような関係が成立するように、該領域の容積Vを決めるドクタ前ヒサシ7の形状、及び現像剤滞留部10に収容する現像剤3の量Wなどを設定している。
【0110】
上記構成の現像装置において、現像スリーブ4上の現像剤3は、該スリーブ4の矢印方向の回転に伴って搬送され、ドクタ6により規制されて薄層化される。薄層化された現像剤3は、矢印方向に回転している感光体ドラム1と対向する現像領域に搬送される。そして、現像領域では、感光体ドラム1上に形成されている静電潜像にトナーが供給され、該静電潜像の可視像化が行われる。この可視像化に使用されなかった現像剤3は、現像スリーブ4の回転に伴って搬送され、トナーアジテータ9で送り出されてトナー補給用開口8aから供給された新しいトナー3aを取り込んだ後、現像剤滞留部10に戻る。そして、新しいトナー3aを含んだ現像剤3はドクタ6による規制で内圧が増加し、これにより、現像剤3のトナーの帯電が行われる。この様に現像剤滞留部10のドクタ6側における現像剤3の内圧により、現像スリーブ4上の現像剤3中のトナーを帯電することができるので、パドルやスクリュウ等の現像剤3を帯電あるいは撹拌するための複雑な撹拌機構が不要となる。
【0111】
一方、上記現像領域に供給されずにドクタ6で進行が阻止された現像剤3の一部は、現像剤滞留部10内で現像剤3自身の内圧及び重力によってトナーホッパ8のトナー補給用開口8aに向かって移動する。トナー補給用開口8a付近まで移動してきた現像剤滞留層の現像剤3は、現像スリーブ4の回転に伴う現像剤移動層の移動とともにドクタ6側に搬送されて循環するように回動運動をする。
【0112】
図3(a)乃至(c)は、現像剤滞留部10における現像剤3の回動運動を、高速ビデオを用いた側面拡大観察により、現像剤中へ異色トナーを取り込む様子を、200コマ/秒、10倍速程度で撮影することにより観察したものである。ドクタ6に突き当たるように現像スリーブ4の回転方向下流側に搬送される現像剤滞留部10の現像剤3の一部は、マグネット部材5によって形成される磁界、及び重力によって現像スリーブ4の上方をドクタ前ヒサシ7方向へ流れ、現像剤滞留部10内で回動運動をするようになる。
【0113】
トナーホッパ8内のトナーは、図3(a)中の記号aで示す流れと記号bで示す流れとの合流点付近から現像剤3中に取り込まれる。このときの現像剤移動層は現像スリーブ4の表面近傍を約100mm/secで移動しており、また、現像剤滞留部10にはまだ十分な空隙が存在しているので、現像剤滞留層の回動速度は約10mm/secである。
【0114】
次に、図3(b)示すように、次第にトナー濃度が増して現像剤移動層が膨張すると、該合流点が徐々に現像スリーブ4の表面近傍から遠ざかるとともに、現像スリーブ4の表面近傍のa方向の現像剤の流速も低下し、現像剤3は該表面近傍を約65mm/secの速度で移動し、現像剤滞留層の回動速度は約5mm/secとなっている。
【0115】
次に、図3(c)示すように、現像剤3に補給されたトナーが多くなってトナー濃度が更に高まると、それにともなって現像剤3の嵩が増加し、現像剤滞留部10に空隙がなくなってくるため、現像剤3の流動性は次第に悪くなる。このため、現像剤移動層が膨張するにつれて、上記合流点がドクタ前ヒサシ7の先端部7aへ近づいてくる。これにより、もはや現像剤3にはトナーが取り込まれなくなる。このとき、現像剤滞留層の回動速度は約1mm/secとなっている。しかしながら、現像剤滞留層には、まだゆるい充填状態で現像剤が滞留している部分があり、この部分の現像剤3は他の部分よりも比較的トナー濃度が高く、非常に遅い流れの速度にはなっているが回動運動が続いており、そこでは、現像剤中へのトナー分散及び帯電の立ち上げが進行している。
【0116】
そして、現像によってトナーが消費されて現像剤滞留部10内のトナー濃度が低下し、現像剤3の嵩が減少してくると、図3(a)の状態に戻るので、再び現像剤中へのトナー取り込みを始めるようになる。
【0117】
このように、トナーの取り込み状態に応じて現像剤滞留部10内の現像剤3の容積が変動することによってトナー濃度が自己制御されるので、現像剤3のトナー濃度が常にほぼ一定濃度の範囲となるように保たれる。このため、トナー濃度センサやトナー補給部材などの複雑なトナー濃度制御機構が不要となる。
【0118】
またこのとき、新たに現像剤3中に取り込んだトナー3aだけでなく、上述したように現像剤滞留部10内で回動しながら現像剤3中に分散し、かつ帯電電荷が立ち上がっているトナーも当然現像領域に搬送される。
【0119】
以上、本実施形態によれば、現像に供される帯電済みのトナー量が多くなり、現像剤3中に多量のトナーをホッパ8から取り込んだ場合であっても、現像剤滞留層内で回動しながら該現像剤3中に分散し、かつ帯電電荷が立ち上がっているトナーも現像領域に搬送されるので、上記特公平5−67233号公報記載の装置のように、トナーの帯電不足に起因して地汚れやトナー飛散などがひどくなるといった問題は発生しにくくなる。
【0120】
また、本実施形態によれば、上記特公平5−67233号公報記載の装置に比して現像剤滞留部10内の現像剤と現像スリーブ4上の現像剤が入れ替わる比率が高く、同等量の現像剤をセットした場合で比較すると、現像スリーブ4上の現像剤3中のキャリアのコート膜削れやトナー構成物質のキャリア表面へのスペントが進行しにくく、現像剤の劣化に伴うトナー帯電能力の低下によるトナー飛散及び地汚れの発生、並びに現像剤の電気抵抗の低下によるキャリア付着といった問題が生じにくい。すなわち、本実施形態の現像装置は、現像剤の寿命に関して上記特公平5−67233号公報記載の装置よりも有利であるということがいえる。
【0121】
なお、上記実施形態において、図4に示すように現像スリーブ4の表面とドクタ前ヒサシ7の内面との間の距離が最大になっている部分に、現像剤3がほとんどなくドクタ前ヒサシ7の内面に圧接しない空隙15を形成するのが好ましい。この構成の場合には、上記現像剤滞留部10での現像剤3の回動運動を確実に行わせることができる。ここで、図4のように空隙15を形成するための現像スリーブ4の表面とドクタ前ヒサシ7の内面との間の距離は、上記磁極5aで形成する磁界の強さによって変化し、その磁界の強さが弱いほど上記距離は短くても良い。
【0122】
また、上記実施形態の現像装置において、図5に示すように、ドクタ前ヒサシ7の一部に通気用開口を設け、該開口にエアー抜きフィルタ16を取り付けても良い。このフィルタ16を取り付けた通気用開口により、現像剤滞留部10内の空気圧の高まりを防止できるので、上記図2及び図4の現像装置の構成例に比較して現像領域の現像剤中の空気圧も低くなり、トナー飛散による機内汚染を低減できる。
【0123】
また、上記実施形態の現像装置において、現像剤滞留部10のドクタ6による規制位置とトナー補給用開口8aとの間のほぼ中央からトナー補給用開口8aまでの領域における現像剤の平均密度を、JIS Z2504(金属粉の見掛密度試験方法)に基づいて測定した該密度の見掛密度以下にするする代わりに、又はその構成に加えて、上記現像剤滞留部10にセットする現像剤のトナー濃度を、現像スリーブ4上に担持された現像剤に安定して含有される上限の飽和トナー濃度以下にしてもよい。図6(a)、(b)及び(c)はそれぞれ、現像剤のトナー濃度を上記飽和トナー濃度以下の低めにした場合(●)、上記飽和トナー濃度以下にしなかった場合(×)の、トナー濃度TCの変化、トナー帯電量Q/Mの変化及び現像トナー付着量M/Aの変化の測定データを示している。この図5からわかるように、上記現像剤滞留部10にセットする現像剤のトナー濃度を上記飽和トナー濃度以下の低めにした場合には、現像剤のセット直後から、トナー帯電量を経時安定レベルと同等にすることができるので、トナー帯電量不足による画像濃度の上昇を防止できる。なお、上記現像剤滞留部10にセットする現像剤のトナー濃度は、上記飽和トナー濃度の20%以上にすることが好ましい。例えば、上記飽和トナー濃度を20wt%にする現像剤を用いる場合に、該現像剤のトナー濃度を4wt%以上、より好ましくは10乃至15wt%にする。これにより、現像剤のセット直後の現像スリーブ4上のトナー濃度を、所定の下限レベル以下にならないようにし、感光体ドラム1へのキャリアの付着を回避できる。
【0124】
また、上記実施形態の現像装置において、現像剤滞留部10のドクタ6による規制位置とトナー補給用開口8aとの間のほぼ中央からトナー補給用開口8aまでの領域における現像剤の平均密度を、JIS Z2504(金属粉の見掛密度試験方法)に基づいて測定した該密度の見掛密度以下にする代わりに、又はその構成に加えて、上記容積Vの現像剤滞留部10にセットする現像剤3中のキャリアの量を、JIS Z2504(金属粉の見掛密度試験方法)に基づいて測定したキャリアの見掛密度(ρC)を用いて算出される、該現像剤滞留部10を該キャリアのみで充填させた場合の該キャリアの量(Mc=ρC・V)以下にしてもよい。この場合には、キャリアの一部(5乃至20wt%)が現像スリーブ4上に担持され、残りのキャリアが、現像剤滞留部10内に、トナー取り込みを十分にできる状態で充填されるので、画像濃度不足を防止できる。なお、現像剤滞留部10にセットする現像剤3中のキャリアの量を、上記現像剤滞留部10を該キャリアのみで充填させた場合の該キャリアの量と同程度にした場合は、図7の符号Eで示すようにトナー濃度が著しく低下し、コピー濃度不足の状態になっても現像剤滞留部10内が現像剤で充満しているため、トナー補給用開口8aからトナーを取り込めるような現像剤3の流れが発生せず、トナー消費が進行するとトナー濃度が0wt%になり得る。
【0125】
〔実施形態3〕
次に、本発明の更に他の実施形態について説明する。
図8は、本実施形態に係る現像装置の概略構成を示す部分断面図である。この現像装置は画像形成装置に用いられる像担持体である円筒状の感光体ドラム1の側方に配設され、感光体ドラム1に向けて開口部が形成されたケーシング2、該開口部から一部が露出した、トナー及び磁性キャリア(以下、本実施形態において「キャリア」という。)を含む現像剤3を表面に担持する現像剤担持体としての現像スリーブ4、現像スリーブ4の内部に固定配置した磁界発生手段としての固定磁石群からなるマグネット部材5、現像スリーブ4上に担持されて搬送されている現像剤の量を規制する現像剤規制部材としてのドクタ6、現像スリーブ4上方に滞留する現像剤を収容する空間を形成する現像剤保持部材としてのドクタ前ヒサシ7、トナー収容部としてのトナーホッパ8などを備えている。なお、図8中の現像スリーブ4の内部に、マグネット部材5表面の磁極の極性を図示している。
【0126】
上記ドクタ前ヒサシ7のうち、現像スリーブ4の回転方向上流側の端部7aは、現像スリーブ4に沿って現像スリーブ4との間に所定の間隔を持って延出しており、現像スリーブ4との間に、感光体ドラム1との対向部の現像位置に供給されずにドクタ6で進行が阻止された現像剤が滞留する現像剤滞留部10を形成している。この現像剤滞留部10に対向する現像スリーブ4の内側にはマグネット部材5の磁極5aが配置している。また、トナーホッパ8は、現像剤滞留部10に現像剤搬送方向上流側から隣接して現像スリーブ4表面と対向するトナー補給用開口8aを有し、該トナー補給用開口8aに隣合ったスペースには、トナー3aをトナー補給用開口8aに向けて撹拌しながら送り出すトナーアジテータ9が配設されている。
【0127】
上記構成の現像装置において、現像スリーブ4上の現像剤3は、該スリーブ4の矢印方向の回転に伴って搬送され、ドクタ6により規制されて薄層化される。薄層化された現像剤3は、矢印方向に回転している感光体ドラム1と対向する現像領域に搬送される。そして、現像領域では、感光体ドラム1上に形成されている静電潜像にトナーが供給され、該静電潜像の可視像化が行われる。この可視像化に使用されなかった現像剤3は現像スリーブ4の回転に伴って搬送され、後述するように現像スリーブ4上の現像剤と現像剤滞留部10の現像剤との界面部から、トナーアジテータ9で送り出されてトナー補給用開口8aから供給された新しいトナー3aが取り込まれる。そして、トナーホッパ8内の新しいトナー3aを含んだ現像剤3はドクタ6の規制により内圧が増加し、現像剤3のトナー分散とトナー帯電とが行われる。このように現像剤の内圧増加により、現像スリーブ4上の現像剤3中のトナーを帯電することができるので、パドルやスクリュウ等の現像剤3を帯電あるいは撹拌するための複雑な撹拌機構が不要となる。
【0128】
一方、上記現像領域に供給されずにドクタ6で進行が阻止された現像剤3の一部は、現像剤滞留部10内で現像剤3自身の内圧及び重力によってトナーホッパ8のトナー補給用開口8aに向かって移動する。トナー補給用開口8a付近まで移動してきた現像剤3は、現像スリーブ4の回転に伴ってドクタ6側に循環するように搬送される。
【0129】
図9(a)乃至(c)は、上記現像剤滞留部10における現像剤3の移動状態を示したものである。ドクタ6に突き当たるように現像スリーブ4の回転方向下流側に搬送される現像剤3の一部は、現像スリーブ4の上方をヒサシ7方向へ流れ、現像剤滞留部10内で回動運動をするようになる。
なお、この回動運動は、高速ビデオを用いた側面拡大観察により、現像剤中へ異色トナーを取り込む様子を、200コマ/秒、10倍速程度で撮影することにより観察できる。
【0130】
トナーホッパ8内のトナーは、図9(a)中の記号aで示す流れと記号bで示す流れとの合流点c付近から現像剤中に取り込まれる。このときの現像剤は現像スリーブ4の表面近傍を約100mm/secで移動しており、また、現像剤滞留部10にはまだ十分な空隙が存在しているので、現像剤滞留層の回動速度は約10mm/secである。
【0131】
図9(b)は、トナーの取り込みが開始された状態を示している。キャリアにトナーが取り込まれるにつれて、次第にトナー濃度、及び現像剤容積が上昇すると、現像剤移動層が膨張し、該合流点cが徐々に現像スリーブ4の表面近傍から遠ざかるとともに、現像スリーブ4の表面近傍の現像剤の流速aも低下する。このとき、現像剤3は該表面近傍を約65mm/secの速度で移動しており、現像剤滞留層の回動速度は約5mm/secである。
【0132】
次に、図9(c)示すように、現像剤3に補給されたトナーが多くなってトナー濃度が高まるとともに現像剤3の嵩が増加し、現像剤滞留部10に空隙がなくなってくるため、現像剤3の流動性は次第に悪くなる。このため、現像剤移動層が膨張するにつれて、該合流点cがヒサシ先端部7aの内部へ近づいてくる。これにより、もはや現像剤3にはトナーが取り込まれなくなる。このとき、現像剤滞留層の回動速度は約1mm/secとなっている。しかしながら、現像剤滞留層には、まだゆるい充填状態で現像剤が滞留している部分があり、この部分の現像剤3は他の部分よりも比較的トナーコンテンツが高く、非常に遅い流れの速度にはなっているが回動運動が続いており、そこでは、現像剤中へのトナー分散及び帯電の立ち上げが進行している。
【0133】
そして、現像によってトナーが消費され、現像剤滞留部10内のトナー濃度が低下し、現像剤3の嵩が減少してくると、図9(a)の状態に戻るので、再び現像剤中へのトナー取り込みを始めるようになる。このとき、新たに現像剤中に取り込んだトナーだけでなく、上述したように現像剤滞留部10内で回動しながら該現像剤中に分散し、かつ帯電電荷が立ち上がっているトナーも当然現像領域に搬送されるので、現像に供されるトナー量が多く、現像剤中に多量のトナーを取り込んだ場合であっても、上記特公平5−67233号公報記載の装置のように、トナーの帯電不足に起因して地汚れやトナー飛散などがひどくなるといった問題は発生しにくくなる。
【0134】
そして、現像剤3のトナー濃度が低くなると現像剤3の嵩が減少するため、現像剤3がトナー補給用開口8aを塞がなくなるので、現像スリーブ4上の現像剤3へ所定量のトナーが取り込まれ、現像剤3のトナー濃度が常に一定濃度以上に保たれる。このようにトナー濃度の上限をコントロールできるので、トナー濃度センサやトナー補給部材などを用いた複雑なトナー濃度制御機構が不要となる。
【0135】
図10は、本実施形態の現像装置において、現像剤滞留部10内に収容する現像剤中のキャリアの量と、このキャリア中に取り込まれるトナーの上限量との関係を示したものである。図中破線で示す特性線aは、キャリアとして粒径が50μmのものを用いたときの上記関係を示し、図中実線で示す特性線bは、キャリアとして粒径が60μmのものを用いたときの上記関係を示している。この図によれば、キャリアの粒径によって取り込まれるトナー量が異なること、及び現像剤滞留部10内に収容するキャリアの量によって任意のトナー濃度に調整できることが判る。これにより、例えば、粒径が60μmのキャリアを用い、所望の上限トナー濃度を20wt%で制御したいときは、現像剤滞留部10内に、あらかじめ80gのキャリアを収容しておけば良いことになる。
【0136】
図11は、本実施形態に係る現像装置において、キャリアとして粒径が50μmのものを用いたときの条件のもとで1万回の現像動作試験を行ない、トナー濃度を測定したものである。これによれば、トナー濃度調整のための撹拌手段などを特別に設けなくても、上限トナー濃度がほぼ一定の20wt%で自己制御されていることが判る。
【0137】
以上、本実施形態によれば、現像剤滞留部10内で現像剤が回動することにより、従来装置のように現像スリーブ4近傍に形成される現像剤層のみが頻繁に現像に寄与することがないので、現像剤の長寿命化を図ることができる。また、現像剤滞留部10内のトナー濃度が一定に保たれるので、非常に安定した品質の現像像を得ることができる。更に、現像剤滞留部10内で現像剤が回動する間にトナーが十分帯電されるので、現像剤量を多く必要とする高速機にも十分対応できる。
【0138】
なお、本実施形態の現像装置において、上記ドクタ前ヒサシ7は、図12に示すように、ヒサシの先端部7aがドクタ6の自由端先端位置よりも下方に位置するように延出させて形成するのが好ましい。この構成の場合は、現像スリーブ4表面を搬送された現像剤3が、ドクタ6で規制され、ヒサシの先端部7a側に戻ってきても、現像剤3を先端部7aの壁面で受けて、現像剤3を確実にマグネット部材5の磁力の及ぶ範囲内に納めることができ、トナーの搬送に寄与させることができる。
【0139】
また、図12中符号5aで示す磁極、すなわちトナー補給用開口8aよりも、現像スリーブ4の回転方向上流側に位置するP3極の磁石として、磁力によって形成される磁気ブラシがケーシング2を圧接する程度の磁束密度を有する磁石を用いることが好ましい。この構成の場合は、磁気ブラシが現像スリーブ4とケーシングとの隙間を塞ぐので、トナーがトナー補給用開口8aから該開口部8aの上流側に落下あるいは飛散することを確実に防止できる。
【0140】
また、本実施形態のトナー及びキャリアは、それぞれトナー粒径7.5μmの磁性トナー、及び粒径が50μmあるいは60μmのマグネタイトキャリアを用いている。トナーについては、非磁性のトナーを用いても磁性の場合とほぼ同様の挙動を示すが、磁性トナーを用いる方がトナーの挙動をマグネット部材5の磁力の及ぶ範囲内に納めることができるので、非磁性トナーを用いる場合よりもトナー飛散が少なくなるという利点がある。ここで、磁性トナーとしては、例えば上記実施形態1で例示したものを使用することができる。
【0160】
【発明の効果】
請求項1乃至7の発明によれば、現像剤滞留部内において、現像剤を緩い充填状態で滞留させ、現像剤滞留部内のトナー濃度が次第に上昇して現像剤の嵩が高まり、現像剤へのトナーの取り込みが停止した場合に、高トナー濃度の現像剤の回動運動を持続させてトナーの分散及び帯電を継続して進行させている。そして、トナー消費によりトナー濃度が低下して現像剤の嵩が減少し、現像剤へのトナーの取り込みを行う場合に、新たに取り込んだトナーだけでなく、現像剤滞留部内での回動運動で現像剤中に分散し且つ帯電電位が立ち上がっているトナーを、現像領域に供給することができるため、トナー供給不足による画像濃度低下や、トナー帯電不足による地汚れ、トナー飛散を防止できるという効果がある。
【0161】
特に、請求項2の発明によれば、上記領域に面する現像剤保持部材の表面の一部に現像剤が圧接しない部分を設けることにより、上記領域での現像剤の回動運動をより確実に行わせることができるという効果がある。
【0162】
特に、請求項3の発明によれば、上記現像剤規制部材による規制位置から離間した上記現像剤保持部材の一部に形成した通気用開口を介して、上記現像剤滞留部の内部と外部との間の空気の流出入を行わせて、現像剤滞留部内の気圧の上昇を抑えることができるので、トナー飛散を防止できるという効果がある。
【0165】
請求項4の発明によれば、上記現像剤滞留部にセットする現像剤中の磁性キャリアの量を、JIS Z2504(金属粉の見掛密度試験方法)に基づいて測定した該磁性キャリアの見掛密度を用いて算出される、該現像剤滞留部を該磁性キャリアのみで充填させた場合の該磁性キャリアの量以下にすることにより、磁性キャリアが、現像剤滞留部内に、トナー取り込みを十分にできる状態で充填されるので、画像濃度不足を防止できるという効果がある。
【0166】
請求項5及び6の現像装置によれば、現像剤滞留部内での現像剤の回動運動が促進されるので、確実にトナーが帯電される。また、上記現像剤担持体上の現像剤移動層と該移動層に接するように形成される現像剤滞留層との間で現像剤の入れ替わりが徐々に行なわれ、現像剤滞留部に収容された現像剤全てを有効に現像に寄与させるので、現像剤滞留部内に存在する現像剤のうち現像剤担持体の表面移動とともに搬送される現像剤移動層の現像剤のみが現像に寄与する従来の装置に比して、現像剤の早期劣化を防止することができるという効果がある。
【0168】
特に、請求項6の現像装置によれば、上記トナー補給用開口よりも上記現像剤担持体上の現像剤搬送方向上流側に位置する上記磁界発生手段の磁極により、該現像剤担持体の下方に位置するケーシングに圧接するような現像剤の磁気ブラシを形成し、この磁気ブラシで、トナー収容部のトナーがトナー補給用開口を通って現像剤担持体とケーシングとの隙間に落下して現像装置外に出るのを抑えるので、トナー飛散を確実に防止することができるという効果がある。
【0173】
請求項7の現像装置によれば、上記トナーとして用いた磁性トナーが、磁性キャリアとともに、現像剤担持体内部に配設された磁界発生手段の磁力によって現像剤担持体側に引き寄せることにより、磁性キャリアを高被覆率で使用することによってトナー帯電量が低下しても、非磁性トナーを用いる場合に比してトナーが飛散しにくくなるようにするので、地肌汚れを生じにくくなり、良好な現像像を得ることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態1に係る現像装置の概略構成を示す部分断面図。
【図2】実施形態2に係る現像装置の概略構成を示す部分断面図。
【図3】(a)は、キャリアへのトナー取り込み開始前の状態を示す説明図。
(b)は、キャリアへのトナー取り込み過程を示す説明図。
(c)は、キャリアへのトナー取り込みを終了した状態を示す説明図。
【図4】変形例に係る現像装置の概略構成を示す正面図。
【図5】他の変形例に係る現像装置の概略構成を示す正面図。
【図6】(a)は、他の変形例に係る現像装置を用いた複写機におけるコピー枚数とトナー濃度TCとの関係を示す特性図。
(b)は、同複写機におけるコピー枚数とトナー帯電量Q/Mとの関係を示す特性図。
(c)は、同複写機におけるコピー枚数とトナー付着量M/Aとの関係を示す特性図。
【図7】現像剤中のキャリア量と現像位置の現像スリーブ上のトナー濃度最小値との関係を示す特性図。
【図8】実施形態3に係る現像装置の概略構成を示す部分断面図。
【図9】(a)は、現像剤へのトナー取り込み開始前の状態を示す説明図。
(b)は、現像剤へのトナー取り込み過程を示す説明図。
(c)は、現像剤へのトナー取り込みを終了した状態を示す説明図。
【図10】同現像装置における、現像剤滞留部内の現像剤の磁性キャリア量とこの現像剤にトナーを取り込んだときの上限トナー濃度との関係を示す説明図。
【図11】同現像剤滞留部内の現像剤の上限トナー濃度と、コピー枚数との関係を示す説明図。
【図12】変形例に係る現像装置の概略構成を示す部分断面図。
【符号の説明】
1 感光体ドラム
2 ケーシング
3 現像剤
3a トナー
3b キャリア
4 現像スリーブ
5 マグネット部材
5a 磁極
6 ドクタ
7 ドクタ前ヒサシ
7a ドクタ前ヒサシの先端部
8 トナーホッパ
8a トナー補給用開口
9 トナーアジテータ
10 現像剤滞留部
11 現像剤保留部
12 アジテータ
13,14 磁性体
15 現像剤滞留部内の空隙
16 エアー抜きフィルタ
Claims (7)
- トナーと磁性キャリアとを含む現像剤を担持するための現像剤担持体と、該現像剤担持体の内部に配置した磁界発生手段と、該現像剤担持体に担持した現像剤の量を規制する現像剤規制部材と、該現像剤規制部材で阻止された現像剤が滞留する現像剤滞留部を形成するように該現像剤担持体表面に対向配置された現像剤保持部材と、該現像剤滞留部に該現像剤担持体上の現像剤搬送方向の上流から隣接し、収容されているトナーが該現像剤担持体に担持されている現像剤や該現像剤滞留部の現像剤に接触するトナー補給用開口を有するトナー収容部とを備え、該トナー収容部内のトナーを該トナー補給用開口から該現像剤担持体に担持した現像剤に取り込むようにした現像装置において、
該現像剤保持部材の該トナー補給用開口側の先端部を下方に延出させるとともに該現像剤担持体に対して側方から所定の間隙を持って対向させ、
該現像剤滞留部内の現像剤のトナー濃度に応じて、該現像剤滞留部内で回動運動している現像剤と該現像剤担持体に担持されて移動している現像剤とが該トナー補給開口で合流する位置が、該現像剤担持体の表面側と該現像剤保持部材の先端部側との間で変化し、該合流する位置から該現像剤担持体に担持した現像剤へのトナーの取り込み状態が変化するものであり、
該現像剤の合流する位置が該現像剤保持部材の先端部側に移動して該現像剤担持体に担持した現像剤へトナーが取り込まれなくなった状態で、該現像剤滞留部内の現像剤の回動運動が停止することなく持続することを特徴とする現像装置。 - 請求項1の現像装置において、
上記現像剤滞留部の上記現像剤規制部材による規制位置と上記トナー補給用開口との間のほぼ中央から該トナー補給用開口までの領域に面する上記現像剤保持部材の表面の一部に、現像剤が圧接しない部分を設けたことを特徴とする現像装置。 - 請求項1の現像装置において、
上記現像剤規制部材による規制位置から離間した上記現像剤保持部材の一部に、通気用開口を形成したことを特徴とする現像装置。 - 請求項1の現像装置において、
上記現像剤滞留部にセットする現像剤中の磁性キャリアの量を、JIS Z2504(金属粉の見掛密度試験方法)に基づいて測定した該磁性キャリアの見掛密度を用いて算出される、該現像剤滞留部を該磁性キャリアのみで充填させた場合の該磁性キャリアの量以下にしたことを特徴とする現像装置。 - 請求項1の現像装置において、
上記トナー補給用開口を介してトナーが取り込まれる現像剤のトナー濃度が上限トナー濃度となった状態で、上記現像剤滞留部内に空間を有するように構成したことを特徴とする現像装置。 - 請求項5の現像装置において、
上記トナー補給用開口よりも上記現像剤担持体上の現像剤搬送方向上流側に位置する上記磁界発生手段の磁極を、該現像剤担持体上に形成する現像剤の磁気ブラシが該現像剤担持体の下方に位置するケーシングに圧接する程度の磁力を有するように構成したことを特徴とする現像装置。 - 請求項1乃至6のいずれかの現像装置において、
上記トナーとして磁性トナーを用いたことを特徴とする現像装置。
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