JP2003176872A - 軸封装置及びその組み付け方法 - Google Patents

軸封装置及びその組み付け方法

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JP2003176872A
JP2003176872A JP2001375897A JP2001375897A JP2003176872A JP 2003176872 A JP2003176872 A JP 2003176872A JP 2001375897 A JP2001375897 A JP 2001375897A JP 2001375897 A JP2001375897 A JP 2001375897A JP 2003176872 A JP2003176872 A JP 2003176872A
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lip
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JP2001375897A
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Inventor
Takayuki Kato
崇行 加藤
Fuminobu Enoshima
史修 榎島
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Toyota Industries Corp
Original Assignee
Toyota Industries Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 シール性低下の原因となり得る疵付きを防止
することが可能であるとともに、構成部品のリサイクル
利用の際の分別作業が簡単な軸封装置を提供する。 【解決手段】 第1リップ部材42は、金属製の基材を
利用することなくエラストマを用いて形成されている。
支持部材41は、第1及び第2リップ部材42,43及
びバックアップリング44を収容室2Bにおいて支持固
定する。支持部材41は、第1リップ部材42が収容室
2Bに装着された状態において収容室2Bに装着可能な
構成とされている。また、第1リップ部材42は、支持
部材41が収容室2Bに装着されたことで発生した押圧
力を受けることにより収容室2Bにおいて固定される。
さらに、第1リップ部材42は、前記押圧力によって収
容室2Bの内面に圧接されることで、前記内面との間を
密封する構成とされている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、弾性材を用いて形
成されるとともに、回転機械の回転軸を封止するリップ
部材を備えた軸封装置及びその組み付け方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来より、回転機械の回転軸を封止する
ために、例えば、特開平9−303568号広報、及
び、特開2001−50397号広報に開示されたリッ
プ型シール(軸封装置)が用いられている。
【0003】すなわち、前者の構成において、エラスト
マ(弾性材)からなる主リップ部材(弾性材を用いて形
成されたリップ部材)には、金属製の外環(基材)の一
部が埋設されている。前記リップ型シールが収容される
コンプレッサ(回転機械)のハウジングの壁面と、前記
外環の外周面とによって、前記主リップ部材の一部が挟
持されることで、前記主リップ部材は前記ハウジングに
対して固定され得るようになっている。
【0004】また、後者の構成において、エラストマ製
リップ部材(弾性材を用いて形成されたリップ部材)に
は、金属製の補強環(基材)が埋設されている。さら
に、前記エラストマ製リップ部材は、合成樹脂からなる
リップ部材(前記エラストマ製リップ部材とは別の樹脂
製のリップ部材)及び、バックアップリング(バックア
ップ手段)とともに、筒状ケースに対してカシメによっ
て固定されている。前記エラストマ製リップ部材は、前
述の状態で、回転機械のハウジングに圧入固定される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述の
前者の構成では、リップ型シール(軸封装置)の構成部
品をリサイクル利用するための分別作業において、前記
外環を前記主リップ部材から取り出す作業が面倒なもの
となる。例えば、前記外環が前記主リップ部材に対して
固着された状態にある場合には、これを引き剥がす必要
が生じるため、なおさら面倒である。また、前述の後者
の構成では、前記エラストマ製リップ部材等と前記筒状
ケースとを分別するために前述のカシメを外す必要があ
り、この作業が面倒である。
【0006】さらに、前述の前者の構成では、前記リッ
プ型シールを前記ハウジングに対して組み付ける際に、
前記主リップ部材と前記ハウジングの壁面との間におい
て、この部分の密封が可能なほどの圧接力が作用した状
態で、前記主リップ部材を前記壁面に対して摺動(摺
接)させる必要がある。前記主リップ部材は、前記摺動
によって、前記壁面との間のシール性低下の原因となり
得る疵付きが発生する虞がある。
【0007】本発明の目的は、シール性低下の原因とな
り得る疵付きを防止することが可能であるとともに、構
成部品のリサイクル利用の際の分別作業が簡単な軸封装
置及びその組み付け方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の問題点を解決する
ために、請求項1に記載の発明では、軸封装置は、金属
製の基材を利用することなく弾性材を用いて形成される
とともに、回転機械の回転軸を封止するリップ部材を備
えている。また、前記軸封装置は、前記リップ部材をバ
ックアップするバックアップ手段と、少なくとも前記リ
ップ部材を前記回転機械のハウジング側に支持固定する
ための支持部材とを備えている。
【0009】前記支持部材は、前記リップ部材が前記ハ
ウジング側に装着された状態において前記ハウジングに
装着可能な構成とされている。また、前記リップ部材
は、前記支持部材が前記ハウジングに装着されたことで
発生した押圧力を受けることにより前記ハウジング側に
固定される。さらに、前記リップ部材は、前記押圧力に
よって前記ハウジングの壁面に圧接されることで、前記
壁面との間を密封する構成とされている。
【0010】この発明によれば、リップ部材は、金属製
の基材を利用することなく弾性材を用いて形成されてい
るため、リップ部材をリサイクル利用する際に、弾性材
と基材とを分別する必要がなくなる。なお、前述の「金
属製の基材を利用する」という表現には、金属製の基材
を、リップ部材の内部に設けることや、リップ部材の外
面に固着やカシメ等によって固定すること等が含まれて
いる。例えば、金属製の基材をリップ部材の内部に設け
た場合には、前記基材を前記リップ部材から取り出す作
業が、前記リサイクル利用の際の分別作業において、面
倒なものとなる。また、例えば、金属製の基材をリップ
部材の外面に固着した場合には、前記基材から前記リッ
プ部材を引き剥がす作業が同じく面倒なものとなる。
【0011】また、前記リップ部材は、支持部材がハウ
ジングに装着された(組み付けられた)ことで発生した
押圧力を受けることにより前記ハウジング側に固定され
るため、リップ部材をハウジング側(の部材)に固定す
るための接着加工等を必要としない。また、例えば、リ
ップ部材に対して金属部材をカシメ固定した状態でこれ
らの部材をハウジングに固定する構成に比較して、リッ
プ部材を金属部材に固定するためのカシメ加工を必要と
しない。つまり、軸封装置の構成部品をリサイクル利用
する際の分別作業において、リップ部材の前記接着部分
を引き剥がしたり、カシメを外す必要がない。
【0012】したがって、軸封装置の構成部品をリサイ
クル利用する際の分別作業が簡単になる。また、本発明
の軸封装置は、前記リップ部材と前記ハウジングの壁面
との間において、この部分を密封し得る程度の圧接力
を、前記ハウジングに対して前記支持部材を装着するこ
とによって発生させるように構成されている。つまり、
前記支持部材が未装着である状態において、前記リップ
部材と前記壁面との間の圧接力を極力抑えることが可能
になる。これによれば、前記リップ部材の前記ハウジン
グ側への組み付け作業時等において、前記リップ部材と
前記壁面との間の摩擦力を極力抑えることが可能になる
ため、前記摩擦力に起因する前記リップ部材の変形を抑
えることが可能になる。この結果、金属製の基材を利用
することなく弾性材によって形成された本発明のリップ
部材における、前記ハウジング側への組み付け作業が簡
単になり得る。また、前記作業時に前記リップ部材と前
記壁面とが摺接した場合などにおける、前記リップ部材
の疵付き防止が可能になるため、前記疵による、前記リ
ップ部材と前記壁面との間のシール性の低下を防止する
ことが可能になる。
【0013】請求項2に記載の発明では、請求項1に記
載の発明において、前記リップ部材は、前記支持部材が
前記ハウジングに対して未装着である状態において、前
記ハウジングの壁面と、これに対向する前記リップ部材
の外周面または内周面との間に、クリアランスが存在す
るように形成されている。
【0014】この発明によれば、支持部材がハウジング
に対して未装着である状態において、前記ハウジングの
壁面と、これに対向するリップ部材の外周面または内周
面との間の圧接力をゼロとすることが可能になる。これ
によれば、前記リップ部材の前記ハウジング側への組み
付け作業時等において、前記リップ部材と前記壁面との
間の摩擦力をゼロとすることが可能になるため、前記摩
擦力に起因する前記リップ部材の変形をなくすことがよ
り確実に可能になる。この結果、金属製の基材を利用す
ることなく弾性材によって形成された本発明のリップ部
材における、前記ハウジング側への組み付け作業がさら
に簡単になり得る。
【0015】請求項3に記載の発明では、請求項1また
は2に記載の発明において、前記支持部材は、前記ハウ
ジングに対して、前記回転軸の軸線方向へのスライド移
動によって装着可能な構成とされている。
【0016】この発明によれば、支持部材を、回転軸の
周方向全域において均等にリップ部材を押圧可能な一つ
の環状部材とすることが可能になる。請求項4に記載の
発明では、請求項3に記載の発明において、前記支持部
材の少なくとも一部を円筒状に形成するとともに、前記
円筒状の部分と前記バックアップ手段とで、前記リップ
部材を、前記回転軸の径方向に挟持するようにした。
【0017】この発明によれば、前記挟持によって、リ
ップ部材と、支持部材及びバックアップ手段との当接部
分の圧接力が効率よく得られる。また、前記支持部材に
対しては、前記挟持による反力が回転軸の径方向に作用
するため、この反力による前記支持部材の前記軸線方向
へのずれが生じ難い。
【0018】請求項5に記載の発明では、請求項1〜4
のいずれか一項に記載の発明において、前記ハウジング
に対して、前記支持部材を、圧入によって固定した。こ
の発明によれば、支持部材をハウジングに対して、例え
ば、サークリップ等の係止部材を用いて固定する必要が
なくなる。したがって、前記係止部材や、該係止部材を
前記ハウジングに対して係止するための凹部を前記ハウ
ジングに設けること等が不要なため、コストダウンを図
ることが可能になる。また、前記凹部が前記ハウジング
に形成されないことにより、リップ部材の前記ハウジン
グ側への組み付け作業時において、前記リップ部材が前
記凹部によって傷付けられるという虞がない。
【0019】請求項6に記載の発明では、請求項1〜4
のいずれか一項に記載の発明において、前記ハウジング
に対して、前記支持部材を、前記両者の一方に設けられ
た凹部と、他方に設けられた凸部との凹凸係合によって
固定した。
【0020】この発明によれば、例えば、ハウジングに
対して支持部材を圧入によって固定する構成に比較し
て、支持部材とハウジングとのはめ合いに関する寸法精
度を抑えることが可能になる。この結果、コストダウン
を図ることが可能になる。また、例えば、ハウジングに
対してサークリップ等の係止部材を用いて支持部材を固
定する構成に比較して、前記係止部材が不要なため、コ
ストダウンを図ることが可能になる。
【0021】請求項7に記載の発明では、請求項6に記
載の発明において、前記凸部には、テーパ面が形成され
ている。この発明によれば、前記支持部材の前記ハウジ
ングへの組み付け作業時において、前記両者を、スムー
ズに凹凸係合させることが可能になる。
【0022】請求項8に記載の発明では、請求項1〜4
のいずれか一項に記載の発明において、前記ハウジング
に対して、前記支持部材を、係止部材を用いて固定し
た。この発明によれば、例えば、ハウジングに対して支
持部材を圧入によって固定する構成に比較して、支持部
材とハウジングとのはめ合いに関する寸法精度を抑える
ことが可能になる。この結果、コストダウンを図ること
が可能になる。
【0023】請求項9に記載の発明では、請求項1〜8
のいずれか一項に記載の発明において、前記リップ部材
と前記バックアップ手段との間に、前記リップ部材とは
別の樹脂製のリップ部材を設けた。
【0024】この発明によれば、さらにシール性の向上
を図ることが可能になる。請求項10に記載の発明で
は、請求項9に記載の発明において、前記バックアップ
手段において、前記回転軸による前記樹脂製のリップ部
材の連れ回りを防止するための回転防止手段を備えた。
【0025】この発明によれば、樹脂製のリップ部材
の、回転軸による連れ回りが防止される。この結果、前
記連れ回りに起因する前記両リップ部材同士の摺動が防
止され、前記弾性材を用いて形成されたリップ部材の磨
耗が防止される。
【0026】請求項11に記載の発明では、請求項1〜
10のいずれか一項に記載の発明において、前記リップ
部材には、前記バックアップ手段を収容保持可能な収容
凹部が形成されている。
【0027】この発明によれば、前記バックアップ手段
を収容凹部に収容保持した状態で、リップ部材のハウジ
ング側への組み付け作業を行うことができるため、リッ
プ部材とバックアップ手段とをハウジング側に対して同
時に組み付けることが容易になる。
【0028】請求項12に記載の発明では、請求項1〜
10のいずれか一項に記載の発明において、前記バック
アップ手段と前記支持部材とを一体的に構成した。この
発明によれば、ハウジング側への組み付け部品点数削減
によるコストダウンを図ることが可能になる。
【0029】請求項13に記載の発明では、請求項1〜
12のいずれか一項に記載の発明において、前記回転機
械は、冷媒の圧縮を行う圧縮機である。この発明によれ
ば、冷媒の圧縮を行う圧縮機において、請求項1〜12
のいずれか一項に記載の発明の効果を得ることができ
る。
【0030】請求項14に記載の発明では、回転機械の
ハウジング側に対する組み付け方法の対象となる軸封装
置は、金属製の基材を利用することなく弾性材を用いて
形成されるとともに、回転機械の回転軸を封止するリッ
プ部材を備えている。また、前記軸封装置は、前記リッ
プ部材をバックアップするバックアップ手段と、少なく
とも前記リップ部材を前記回転機械のハウジング側に支
持固定するための支持部材とを備えている。
【0031】本発明では、前記リップ部材が前記ハウジ
ング側に装着された状態において前記支持部材を前記ハ
ウジングに組み付けることで、前記ハウジング側に対し
て前記リップ部材を固定可能な押圧力を発生させる。ま
た、本発明では、前記押圧力に基づく前記リップ部材と
前記ハウジングの壁面との圧接により、前記リップ部材
と前記壁面との間を密封するようにした。
【0032】この発明によれば、金属製の基材を利用す
ることなく弾性材によって形成された本発明のリップ部
材における、ハウジング側への組み付け作業が簡単にな
り得る。前記リップ部材は、金属製の基材を利用するこ
となく弾性材を用いて形成されているため、軸封装置の
構成部品をリサイクル利用する際に、前記リップ部材を
構成する弾性材と前記金属製の基材とを分別する必要が
なくなる。
【0033】
【発明の実施の形態】(第1の実施形態)以下、本発明
の第1の実施形態を図1及び図2に従って説明する。な
お、図1では、図面左方を圧縮機の前方、右方を後方と
している。
【0034】図1に示すように回転機械としての容量可
変型の圧縮機Cは、シリンダブロック1と、その前端に
接合されたフロントハウジング2と、シリンダブロック
1の後端に弁形成体3を介して接合されたリヤハウジン
グ4とを備えている。これらシリンダブロック1、フロ
ントハウジング2、弁形成体3及びリヤハウジング4
は、複数本の通しボルト10(図1では一本のみ図示)
により相互に接合固定されて圧縮機Cのハウジングを構
成する。
【0035】シリンダブロック1とフロントハウジング
2とに囲まれた領域にはクランク室5が区画されてい
る。クランク室5内には回転軸6が前後一対のラジアル
軸受け8A,8Bによって回転可能に支持されている。
シリンダブロック1の中央に形成された収容凹部内に
は、バネ7及び後側スラスト軸受け9Bが配設されてい
る。他方、クランク室5において回転軸6上にはラグプ
レート11が一体回転可能に固定され、ラグプレート1
1とフロントハウジング2の内壁面との間には前側スラ
スト軸受け9Aが配設されている。一体化された回転軸
6及びラグプレート11は、バネ7で前方付勢された後
側スラスト軸受け9Bと前側スラスト軸受け9Aとによ
ってスラスト方向(回転軸軸線方向)に位置決めされて
いる。
【0036】回転軸6の前端部は、フロントハウジング
2の前壁部に形成された挿通孔2Aを介して前記ハウジ
ングの外部に突出するように配置されている。挿通孔2
A内における後部側には、前部側に比較して内径が大き
く設定された収容室2Bが形成されている。前述のラジ
アル軸受け8Aは、収容室2Bの後部に配設されてい
る。収容室2Bにおいて、ラジアル軸受け8Aの前方に
は、軸封装置40が配設されている。軸封装置40は回
転軸6とフロントハウジング2との隙間を封止して圧縮
機Cの内部と外部とを圧力的に隔絶するようになってい
る。
【0037】回転軸6の前端部は、動力伝達機構PTを
介して外部駆動源としての車両エンジンEに作動連結さ
れている。動力伝達機構PTは、外部からの電気制御に
よって動力の伝達/遮断を選択可能なクラッチ機構(例
えば電磁クラッチ)であってもよく、又は、そのような
クラッチ機構を持たない常時伝達型のクラッチレス機構
(例えばベルト/プーリの組合せ)であってもよい。
尚、本実施形態では、クラッチレスタイプの動力伝達機
構を採用している。
【0038】図1に示すように、クランク室5内にはカ
ムプレートとしての斜板12が収容されている。斜板1
2の中央部には挿通孔が貫設され、この挿通孔を貫通し
て回転軸6が配置されている。斜板12は、連結案内機
構としてのヒンジ機構13及びラグプレート11を介し
て回転軸6に作動連結されている。ヒンジ機構13は、
ラグプレート11のリヤ面から突設された二つの支持ア
ーム14(一つのみ図示)と、斜板12のフロント面か
ら突設された二本のガイドピン15(一本のみ図示)と
から構成されている。支持アーム14とガイドピン15
との連係および斜板12の前記挿通孔内での回転軸6と
の接触により、斜板12はラグプレート11及び回転軸
6と同期回転可能であると共に回転軸6の軸線方向への
スライド移動を伴いながら回転軸6に対し傾動可能とな
っている。なお、斜板12は、回転軸6を挟んで前記ヒ
ンジ機構13と反対側にカウンタウェイト部12aを有
している。
【0039】ラグプレート11と斜板12との間におい
て回転軸6の周囲には傾角減少バネ16が設けられてい
る。この傾角減少バネ16は斜板12をシリンダブロッ
ク1に接近する方向(傾角減少方向)に付勢する。又、
回転軸6に固定された規制リング18と斜板12との間
において回転軸6の周囲には復帰バネ17が設けられて
いる。この復帰バネ17は、斜板12が大傾角状態(二
点鎖線で示す)にあるときには回転軸6に単に巻装され
るのみで斜板その他の部材に対していかなる付勢作用も
及ぼさないが、斜板12が小傾角状態(実線で示す)に
移行すると、前記規制リング18と斜板12との間で圧
縮されて斜板12をシリンダブロック1から離間する方
向(傾角増大方向)に付勢する。なお、本件では、斜板
12の傾斜角度(傾角)を、回転軸6に直交する仮想平
面と斜板12とがなす角度としている。
【0040】シリンダブロック1には、回転軸6を取り
囲んで複数のシリンダボア1a(図1では一つのみ図
示)が形成され、各シリンダボア1aのリヤ側端は弁形
成体3で閉塞されている。各シリンダボア1aには片頭
型のピストン20が往復動可能に収容されており、各シ
リンダボア1a内にはピストン20の往復動に応じて体
積変化する圧縮室1bが区画されている。各ピストン2
0の前端部は一対のシュー19を介して斜板12の外周
部に係留され、これらのシュー19を介して各ピストン
20は斜板12に作動連結されている。このため、斜板
12が回転軸6と同期回転することで、斜板12の回転
運動がその傾角に対応するストロークでのピストン20
の往復直線運動に変換される。
【0041】更に弁形成体3とリヤハウジング4との間
には、中心域に位置する吸入室21と、それを取り囲む
吐出室22とが区画形成されている。弁形成体3は、吸
入弁形成板、ポート形成板、吐出弁形成板およびリテー
ナ形成板を重合してなるものである。この弁形成体3に
は各シリンダボア1aに対応して、吸入ポート23及び
同ポート23を開閉する吸入弁24、並びに、吐出ポー
ト25及び同ポート25を開閉する吐出弁26が形成さ
れている。吸入ポート23を介して吸入室21と各シリ
ンダボア1aとが連通され、吐出ポート25を介して各
シリンダボア1aと吐出室22とが連通される。
【0042】吸入室21とクランク室5とは、抽気通路
27で接続されている。また、吐出室22とクランク室
5とは、給気通路28で接続されており、該給気通路2
8の途中には制御弁30が設けられている。
【0043】制御弁30は、ソレノイド部31と、ソレ
ノイド部31にロッドを介して作動連結された弁体32
とを備えている。図示しない制御コンピュータからの信
号に基づいて駆動回路(同じく図示なし)が出力する電
流によりソレノイド部31が駆動されて弁体32の位置
が変更され、給気通路28の開度が調節されるようにな
っている。弁体32は、前記駆動回路から給電されてい
ない状態では、給気通路28を開放する位置に配置さ
れ、給電されている状態では、給気通路28の開度を調
節するようになっている。
【0044】制御弁30の開度を調節することで給気通
路28を介したクランク室5への高圧ガスの導入量と抽
気通路27を介したクランク室5からのガス導出量との
バランスが制御され、クランク圧Pcが決定される。ク
ランク圧Pcの変更に応じて、ピストン20を介しての
クランク圧Pcとシリンダボア1aの内圧との差が変更
され、斜板12の傾角が変更される結果、ピストン20
のストロークすなわち冷媒吐出容量(冷媒循環量)が調
節される。
【0045】なお、斜板12の最大傾角は、斜板12の
カウンタウェイト部12aがラグプレート11に当接す
ることで規制される。他方、最小傾角は、ピストン20
を介してのクランク圧Pcとシリンダボア1aの内圧と
の差が傾角減少方向にほぼ最大化した状態のもとでの傾
角減少バネ16と復帰バネ17との付勢力バランスを支
配的要因として決定される。
【0046】なお、本実施形態の圧縮機Cにおいては、
斜板12の前記傾角が前記最小傾角となった状態では、
前記冷媒吐出容量がほぼゼロとなるように構成されてい
る。リヤハウジング4には、外部冷媒回路35から吸入
室21へ冷媒を導入する際の入口となる吸入口21Aが
設けられている。また、リヤハウジング4には、吐出室
22の冷媒を外部冷媒回路35へ吐出する際の出口とな
る吐出口22Aが設けられている。吸入口21Aと吐出
口22Aとは、外部冷媒回路35を介して互いに接続さ
れている。
【0047】車両エンジンEから動力伝達機構PTを介
して回転軸6に動力が供給されると、回転軸6とともに
斜板12が回転する。斜板12の回転に伴って各ピスト
ン20が斜板12の傾角に対応したストロークで往復動
され、各シリンダボア1aにおいて冷媒の吸入、圧縮及
び吐出が順次繰り返される。
【0048】例えば、冷房負荷が大きい場合には、前記
制御コンピュータは、前記駆動回路に対して、ソレノイ
ド部31への供給電流値を大きくするように指令信号を
発する。この信号に基づく前記駆動回路からの電流値の
変化により、ソレノイド部31は弁体32が給気通路2
8の開度をより小さくするように付勢力を増加させる。
その結果、弁体32が移動して給気通路28の開度が小
さくなる。これにより、吐出室22から給気通路28を
経由してクランク室5へ供給される高圧冷媒ガスの量が
少なくなり、クランク室5の圧力が低下し、斜板12の
傾角が大きくなって、圧縮機Cの吐出容量が大きくな
る。給気通路28が全閉した状態となると、クランク室
5の圧力が大きく低下し、斜板12の傾角が最大となっ
て圧縮機Cの冷媒吐出容量(冷媒循環量)は最大とな
る。
【0049】逆に、冷房負荷が小さい場合には、ソレノ
イド部31は弁体32が給気通路28の開度をより大き
くするように付勢力を減少させる。その結果、弁体32
が移動して給気通路28の開度が大きくなる。これによ
り、クランク室5の圧力が上昇し、斜板12の傾角が小
さくなって、圧縮機Cの冷媒吐出容量(冷媒循環量)が
小さくなる。給気通路28が全開した状態となると、ク
ランク室5の圧力が大きく上昇し、斜板12の傾角が最
小となって圧縮機Cの冷媒吐出容量は最小となる。
【0050】図2に示すように、軸封装置40は、環状
の金属製の支持部材41、弾性材を用いて形成されたリ
ップ部材としての第1リップ部材42、前記リップ部材
とは別の樹脂製のリップ部材としての第2リップ部材4
3、及び、バックアップ手段としての金属製のバックア
ップリング44を備えている。軸封装置40を構成する
前述の各部品は、収容室2Bにおいて後方から前方に向
かって前述の順に並ぶように配置されている。
【0051】第1リップ部材42は、略円筒状に形成さ
れた基部42Aと、基部42Aの後端において前記径方
向の内側かつ後方に湾曲して延在された環状のリップ部
42Bとを有している。第1リップ部材42は、金属製
の基材を利用することなくエラストマ(弾性材)を用い
て形成されている。基部42Aの前半部分の外周面は、
後半部分に比較して外径が大きく、かつ、収容室2Bの
内周面2C(ハウジングの壁面を構成する)と密着して
前記両面の間を密封する外周シール面42Cとして機能
する。また、基部42Aの前端面は、後方を臨む収容室
2Bの環状の奥面2D(ハウジングの壁面を構成する)
と密着して前記両面の間を密封する前端シール面42D
として機能する。
【0052】第1リップ部材42は、リップ部42Bの
先端部を以って回転軸6の外周面と摺接される。第2リ
ップ部材43は、例えば、PTFE(ポリテトラフルオ
ロエチレン)等のフッ素樹脂によって形成されている。
第2リップ部材43は、第1リップ部材42のリップ部
42Bの基端側に重合される環状の基部43Aと、該基
部43A側から前記径方向の内側かつ後方に湾曲して延
在された環状のリップ部43Bとを有している。第2リ
ップ部材43は、リップ部43Bの先端部を以って回転
軸6の外周面と摺接される。
【0053】バックアップリング44は、円筒状に形成
された筒状部44Aと、該筒状部44Aの後端において
前記径方向の内側かつ後方に湾曲して延在された環状の
バックアップ部44Bとを有している。バックアップリ
ング44は、バックアップ部44Bを以って第2リップ
部材43の前面に当接することで、第2リップ部材43
をバックアップする。これにより、第2リップ部材43
ひいては第1リップ部材42の回転軸6に対する接触姿
勢が安定され、第1及び第2リップ部材42,43によ
る回転軸6の封止が安定して行われるようになる。
【0054】バックアップリング44においてバックア
ップ部44Bの後面には、第2リップ部材43側に突出
する回転防止手段としての凸部44Cが形成されてい
る。凸部44Cは、第2リップ部材43において凸部4
4Cと対向する部分に形成された凹部と凹凸係合するこ
とで、回転軸6による第2リップ部材43の連れ回りを
防止するようになっている。
【0055】支持部材41は、円筒状に形成された筒状
部41Aと、該筒状部41Aの後端において回転軸6の
径方向の内側に延在されたフランジ部41Bとを有して
いる。支持部材41は、挿通孔2A(収容室2B)に対
して、筒状部41Aを以って圧入された状態で固定され
ている。
【0056】本実施形態において、支持部材41は、第
1及び第2リップ部材42,43、及び、バックアップ
リング44が収容室2Bに装着された状態において収容
室2Bに装着されるようになっている。なお、第1リッ
プ部材42は、支持部材41が装着されていない状態に
おいて、外周シール面42Cと、収容室2Bの内周面2
Cとの間に、クリアランスが存在するように形成されて
いる。
【0057】第1リップ部材42は、支持部材41が収
容室2Bに装着されることで発生した押圧力を受けるこ
とにより、収容室2Bにおいて固定されるとともに、前
記押圧力によって収容室2Bの内面に圧接されること
で、前記内面との間を密封するようになっている。すな
わち、第1リップ部材42は、支持部材41を後方から
回転軸6の軸線方向にスライド移動させることによっ
て、支持部材41の筒状部41Aが基部42Aの後半部
分の外周側に押し込まれるとともにフランジ部41Bに
よって基部42A近傍が前方に押し付けられることで、
収容室2Bの内面に圧接される。これにより、外周シー
ル面42Cと内周面2Cとの当接部分、及び、前端シー
ル面42Dと奥面2Dとの当接部分には、前記各当接部
分を密封し得る程度の圧接力が作用するようになってい
る。
【0058】なお、このとき、第1リップ部材42と第
2リップ部材43とバックアップリング44との相互間
の圧接力も上昇し、これら各部材が収容室2Bにおいて
安定して固定されるようになる。
【0059】本実施形態では、以下のような効果を得る
ことができる。 (1) 第1リップ部材42は、金属製の基材を利用す
ることなく弾性材を用いて形成されている。このため、
リップ部材をリサイクル利用する際に、弾性材と基材と
を分別する必要がなくなる。また、第1リップ部材42
は、支持部材41が前記ハウジングに装着された(組み
付けられた)ことで発生した押圧力を受けることにより
前記ハウジング側に固定される。このため、リップ部材
をハウジング側(の部材)に固定するための接着加工等
を必要としない。また、例えば、リップ部材に対して金
属部材をカシメ固定した状態でこれらの部材をハウジン
グに固定する構成に比較して、リップ部材を金属部材に
固定するためのカシメ加工を必要としない。つまり、軸
封装置の構成部品をリサイクル利用する際の分別作業に
おいて、リップ部材の前記接着部分を引き剥がしたり、
カシメを外す必要がない。したがって、軸封装置の構成
部品をリサイクル利用する際の分別作業が簡単になる。
【0060】(2) 第1リップ部材42と前記ハウジ
ング側(収容室2Bの内面)との間において、この部分
を密封し得る程度の圧接力を、前記ハウジングに対して
支持部材41を装着することによって発生させるように
した。つまり、支持部材41が未装着である状態におい
て、第1リップ部材42と収容室2Bの内面との間の圧
接力を極力抑えることが可能になる。これによれば、第
1リップ部材42の収容室2Bへの組み付け作業時等に
おいて、第1リップ部材42と収容室2Bの内周面2C
との間の摩擦力を極力抑えることが可能になる。このた
め、例えば、リップ部材が柔軟な材料のみを用いて形成
されていたとしても、前記摩擦力に起因する前記リップ
部材の変形を抑えることが可能になる。したがって、金
属製の基材を利用することなくエラストマによって形成
された第1リップ部材42における、収容室2Bへの組
み付け作業が簡単になり得る。また、前記作業時に第1
リップ部材42と内周面2Cとが摺接した場合などにお
ける、外周シール面42Cの疵付き防止が可能になるた
め、前記疵による、第1リップ部材42と内周面2Cと
の間のシール性の低下を防止することが可能になる。
【0061】さらに、本実施形態の第1リップ部材42
は、支持部材41が収容室2Bに対して未装着である状
態において、外周シール面42Cと内周面2Cとの間に
クリアランスが存在するように形成されている。このた
め、支持部材41が収容室2Bに対して未装着である状
態において、外周シール面42Cと内周面2Cとの間の
圧接力をゼロとすることが可能になる。すなわち、外周
シール面42Cと内周面2Cとの間の摩擦力をゼロとす
ることが可能になるため、前述の摩擦力に起因する第1
リップ部材42の変形抑制等の効果がさらに大きくな
る。
【0062】(3) 支持部材41は、回転軸6の軸線
方向へのスライド移動によって、前記ハウジングに対し
て装着可能な構成とされている。これによれば、支持部
材を、回転軸6の周方向全域において均等に第1リップ
部材42を押圧可能な、一つの環状部材とすることが可
能になる。また、第1リップ部材42に対して押圧力を
付加する動作と、支持部材41を所定の装着位置(図2
の位置)に移動させる動作とを同一の動作(前記スライ
ド移動動作)とすることが比較的容易に可能となり、組
立性がよくなる。
【0063】(4) 前記ハウジングに対して、支持部
材を、圧入によって固定した。これによれば、支持部材
をハウジングに対して、例えば、サークリップ等の係止
部材を用いて固定する必要がなくなる。したがって、前
記係止部材や、該係止部材を前記ハウジングに対して係
止するための凹部を内周面2Cに設けること等が不要な
ため、コストダウンを図ることが可能になる。また、前
記凹部が内周面2Cに形成されないことにより、リップ
部材の前記ハウジング側への組み付け作業時において、
前記リップ部材が前記凹部によって傷付けられるという
虞がない。
【0064】(5) 第1リップ部材42とバックアッ
プリング44との間に、前記第1リップ部材42とは別
の樹脂製の第2リップ部材43を設けた。これによれ
ば、第2リップ部材43自身による回転軸6の封止、及
び、第1リップ部材42のリップ部42Bの回転軸6に
対する姿勢安定化の促進が図られ、さらなるシール性の
向上を図ることが可能となる。
【0065】(6) バックアップリング44おいて、
回転軸6による第2リップ部材43の連れ回りを防止す
るための回転防止手段(凸部44C)を設けた。したが
って、凸部44Cとの前記凹凸係合により、回転軸6の
回転に基づく第2リップ部材43の連れ回りが防止され
る。この結果、前記連れ回りに起因する第1リップ部材
42と第2リップ部材43との摺動が防止され、第1リ
ップ部材42等の磨耗が防止される。
【0066】(第2の実施形態)この第2の実施形態
は、前記第1の実施形態において軸封装置40の構成を
変更したものであり、その他の点では第1の実施形態と
同様の構成になっている。従って、第1の実施形態と共
通する構成部分については図面上に同一符号を付して重
複した説明を省略する。
【0067】図4に示すように、本実施形態の第2リッ
プ部材43の基端側(外周側)には、前方に向けて延在
するように円筒状部43Cが一体形成されている。円筒
状部43Cの前端面は、バックアップリング44の筒状
部44Aの前端面とともに収容室2Bの奥面2Dに当接
されている。第1リップ部材42の基部42Aは、その
外径及び内径がそれぞれ前後方向に亘って一定に設定さ
れた円筒状をなしている。第1リップ部材42は、支持
部材41が収容室2Bに装着されていない状態におい
て、基部42Aの外周面と収容室2Bの内周面2Cとの
間に若干のクリアランス(支持部材41の筒状部41A
の前記径方向の厚さよりも小さい)が存在するように形
成されている。
【0068】本実施形態の支持部材41は、第1の実施
形態の支持部材41と比較して、筒状部41Aの前後方
向の寸法が長く設定されている。筒状部41Aは、第1
リップ部材42の基部42Aの外周面をほぼ全域に亘っ
て覆うように形成されている。支持部材41の収容室2
Bへの組み付け作業時において、支持部材41は、筒状
部41Aを基部42Aの外周面と収容室2Bの内周面2
Cとの間に押し込むように、かつ、フランジ部41Bが
第1リップ部材42の外周側を前方に押し付けるように
前方に向けてスライド移動される。このとき発生した、
支持部材41の筒状部41Aとバックアップリング44
の筒状部44Aとによる、前記径方向の挟持力によっ
て、第1及び第2リップ部材42,43は、収容室2B
において安定して固定されるようになっている。
【0069】また、第1リップ部材42の基部42Aと
支持部材41の筒状部41Aとの当接部分においては、
前記挟持によって、この部分を密封し得る程度の前記径
方向の圧接力が発生するとともに、この圧接力は前記径
方向の前記挟持によって効率よく得られる。また、第1
リップ部材42の基部42Aの前端面(シール面)と収
容室2Bの奥面2Dとの間においては、第1リップ部材
42が支持部材41によって前方に押圧されることによ
って、この部分を密封し得る程度の圧接力が発生する。
【0070】本実施形態では、上記の(1)〜(6)と
同様の効果の他に、以下のような効果を得ることができ
る。 (7) ともに金属製の部材である支持部材41とバッ
クアップリング44とによる前記挟持によって、両リッ
プ部材42,43と、支持部材41及びバックアップリ
ング44との当接部分の圧接力が効率よく得られる。
【0071】(8) 支持部材41に対しては、前記挟
持による反力が回転軸6の径方向に作用するため、この
反力による支持部材41の前記軸線方向へのずれが生じ
難い。
【0072】(第3の実施形態)この第3の実施形態
は、前記第1の実施形態において、主に、挿通孔2A及
び軸封装置40の構成を変更したものであり、その他の
点では第1の実施形態と同様の構成になっている。従っ
て、第1の実施形態と共通する構成部分については図面
上に同一符号を付して重複した説明を省略する。
【0073】図6に示すように、本実施形態において、
収容室2Bは、挿通孔2A内における前部側に形成され
ている。すなわち、挿通孔2A内における前部側には、
後部側に比較して内径が大きく設定された収容室2Bが
形成されている。したがって、収容室2Bには、前方を
臨む環状の奥面2Dが形成されている。
【0074】第1リップ部材42の基部42Aの後半部
分の外周面は、前半部分に比較して外径が大きく、か
つ、収容室2Bの内周面2Cと密着して前記両面の間を
密封する外周シール面42Cとして機能する。また、第
1リップ部材42の外周側の後端面は、奥面2Dと密着
して前記両面の間を密封する後端シール面42Eとして
機能する。
【0075】本実施形態において、第1リップ部材42
は、支持部材41を前方から回転軸6の軸線方向にスラ
イド移動させることによって、支持部材41の筒状部4
1Aが基部42Aの前半部分の外周側に押し込まれると
ともにフランジ部41Bによって基部42Aが後方に押
し付けられることで、収容室2Bの内面に圧接される。
これにより、外周シール面42Cと内周面2Cとの当接
部分、及び、後端シール面42Eと奥面2Dとの当接部
分には、前記各当接部分を密封し得る程度の圧接力が作
用するようになっている。
【0076】本実施形態では、支持部材41が収容室2
Bに対して、それぞれに設けられた凸部と凹部との凹凸
係合によって固定されるようになっている。すなわち、
支持部材41の前端部の外周面上には、回転軸6の径方
向の外側に突出する環状の凸部41Cが形成されてい
る。収容室2Bにおいて内周面2Cには、凸部41Cと
対向する位置に、凸部41Cと凹凸係合可能な環状の凹
部2Eが形成されている。支持部材41は、凸部41C
と凹部2Eとの凹凸係合によって、収容室2Bに対して
固定されるようになっている。
【0077】なお、凸部41Cにおいては、後側に比較
して前側の外径が大きいテーパ面41Dが形成されてい
る。本実施形態では、上記の(1)〜(3)、(5)及
び(6)と同様の効果の他に、以下のような効果を得る
ことができる。
【0078】(9) 軸封装置40を収容するための収
容室2Bを、挿通孔2Aにおいて前部側に形成した。こ
れによれば、例えば、回転軸6が前記ハウジングに装着
された状態において、軸封装置40を前記ハウジングの
外部から組み付けることが可能になる。
【0079】(10) 支持部材41を、収容室2Bに
対して、それぞれに設けた凸部と凹部との凹凸係合によ
って固定した。これによれば、例えば、ハウジングに対
して支持部材を圧入によって固定する構成に比較して、
支持部材とハウジングとのはめ合いに関する寸法精度を
抑えることが可能になる。この結果、コストダウンを図
ることが可能になる。また、例えば、ハウジングに対し
てサークリップ等の係止部材を用いて支持部材を固定す
る構成に比較して、前記係止部材が不要なため、コスト
ダウンを図ることが可能になる。
【0080】(11) 凸部41Cにおいて、テーパ面
41Dを形成した。これによれば、ハウジングに対する
支持部材の組み付け作業時において、前記両者を、スム
ーズに凹凸係合させることが可能になる。
【0081】(第4の実施形態)この第4の実施形態
は、前記第1の実施形態において軸封装置40及び収容
室2Bの構成を変更したものであり、その他の点では第
1の実施形態と同様の構成になっている。従って、第1
の実施形態と共通する構成部分については図面上に同一
符号を付して重複した説明を省略する。
【0082】図8に示すように、本実施形態において、
第1リップ部材42は、略円筒状に形成された基部42
Aと、基部42Aの前後方向における中間部に、前記径
方向の内側かつ後方に湾曲して延在された環状のリップ
部42Bとを有している。基部42Aの前記中間部より
もやや後半部分の外周面上には、環状の突出部42Fが
形成されている。突出部42Fの外周面は、収容室2B
の内周面2Cと密着して前記両面の間を密封する外周シ
ール面42Cとして機能する。また、基部42Aの前端
面は、収容室2Bの奥面2Dと密着して前記両面の間を
密封する前端シール面42Dとして機能する。
【0083】本実施形態のバックアップリング44にお
いては、第1の実施形態のバックアップリング44にお
いて設けられていた筒状部44Aに相当する部分は設け
られていない。すなわち、本実施形態のバックアップリ
ング44は、第2リップ部材43をバックアップするバ
ックアップ部44Bのみによって構成されている。
【0084】本実施形態において、第1リップ部材42
の基部42Aの前端部には、前記径方向の内側に延在さ
れた環状のフランジ形状部42Gが形成されている。す
なわち、第1リップ部材42には、基部42Aの内周面
と、リップ部42Bの基端部分の前面と、フランジ形状
部42Gの後面とで囲まれた環状の収容凹部42Hが形
成されている。第2リップ部材43及びバックアップリ
ング44の基端部分(外周側の部分)は、互いに重合さ
れた状態で収容凹部42H内に収容保持されている。
【0085】支持部材41は、円筒状に形成された筒状
部41Aと、該筒状部41Aの後端において前記径方向
の外側に延在されたフランジ部41Bと、筒状部41A
の前端において前記径方向の内側に延在されたフランジ
部41Eとを有している。支持部材41は、収容室2B
に対して、フランジ部41Bの外周部(凸部)と、収容
室2Bの内周面2Cにおいて前記外周部と対向する部分
に形成された環状の凹部2Eとの凹凸係合によって固定
されている。
【0086】本実施形態において、第1リップ部材42
は、支持部材41が装着されていない状態において、外
周シール面42Cと、収容室2Bの内周面2Cとの間
に、クリアランスが存在するように形成されている。
【0087】第1リップ部材42は、支持部材41を後
方から前記軸線方向にスライド移動させることによっ
て、支持部材41の筒状部41A及びフランジ部41E
が基部42Aの後半部分の内周側に押し込まれること
で、突出部42Fの外周シール面42Cが収容室2Bの
内周面2Cに圧接される。
【0088】また、第1リップ部材42は、前記スライ
ド移動に基づいて、フランジ部41Bによって基部42
Aが、さらに、フランジ部41Eによってリップ部42
Bの基端部分が前方に押し付けられることで、前端シー
ル面42Dが収容室2Bの奥面2Dに圧接される。な
お、フランジ部41Eによる前述の押圧力は、リップ部
42B、第2リップ部材43及びバックアップリング4
4の基端部分を介して、フランジ形状部42Gに伝達さ
れる。また、このとき、第1リップ部材42と第2リッ
プ部材43とバックアップリング44との相互間の圧接
力も上昇し、これら各部材が収容室2Bにおいて安定し
て固定されるようになる。
【0089】本実施形態では、上記の(1)〜(3)、
(5)、(6)、(10)及び(11)と同様の効果の
他に、以下のような効果を得ることができる。 (12) 支持部材41の筒状部41A及びフランジ部
41Eが基部42Aの後半部分の内周側に押し込まれる
ことで、突出部42Fの外周シール面42Cが収容室2
Bの内周面2Cに圧接される。つまり、第1リップ部材
42は、支持部材41と収容室2Bの内周面2Cとによ
る前記径方向の挟持によって、前記ハウジングに対する
前記径方向への圧接力を得る。したがって、この構成に
よれば、前記圧接力を効率よく得ることが可能である。
【0090】(13) 第1リップ部材42には、第2
リップ部材43及びバックアップリング44を収容保持
可能な収容凹部42Hが形成されている。これによれ
ば、第2リップ部材43及びバックアップリング44を
収容凹部42Hに収容保持した状態で、第1リップ部材
42の収容室2Bへの組み付け作業を行うことができ
る。つまり、第1及び第2リップ部材42,43及びバ
ックアップリング44を、収容室2Bに対して同時に組
み付けることが容易になる。
【0091】実施の形態は前記に限定されるものではな
く、例えば、以下の様態としてもよい。 ○ 前記実施形態において、第1リップ部材42を構成
するエラストマ(弾性体)の硬度は、Hs80以上が好
ましく、さらには、Hs85以上がより好ましい。この
場合、金属製の基材を利用することなく形成された第1
リップ部材42の、前記ハウジング側への組み付け作業
時等における変形が、前述の硬度が保たれることで、よ
り良好に抑制される。
【0092】○ 第3及び第4の実施形態において、支
持部材41に設けられた凸部(41C、フランジ部41
Bの外周部)には、テーパ面41Dが形成されていなく
てもよい。
【0093】○ 第1の実施形態では、支持部材をハウ
ジングに対して、圧入によって固定するようにしたが、
ハウジング及び支持部材の一方に凹部を設けるとともに
他方に凸部を設け、これら凹部と凸部との凹凸係合によ
って固定するようにしてもよい。この場合、例えば、図
3に示すように構成される。すなわち、支持部材41の
筒状部41Aの外周面上には、回転軸6の径方向の外側
に突出する凸部41Cが形成されている。収容室2Bに
おいて内周面2Cには、凸部41Cと対向する位置に、
凸部41Cと凹凸係合可能な凹部2Eが形成されてい
る。支持部材41は、凸部41Cと凹部2Eとの凹凸係
合によって、ハウジングに対して固定されるようになっ
ている。なお、前記凸部(凸部41C)において、例え
ば図3に示すように、テーパ面41Dを形成してもよ
い。また、凸部41C及び凹部2Eは、回転軸6の周方
向に延在するように環状に形成されていてもいなくても
どちらでもよい。
【0094】○ 第1の実施形態において、バックアッ
プリング44(バックアップ手段)は、フロントハウジ
ング2に対して一体形成されていてもよい。これによれ
ば、ハウジング側への組み付け部品点数削減によるコス
トダウンを図ることが可能になる。この場合、フロント
ハウジング2に対して一体形成されたバックアップリン
グ44の筒状部44Aの外周面は、前記ハウジングの壁
面を構成する。すなわち、前記外周面と当接する第1リ
ップ部材42の基部42Aの内周面は、第1リップ部材
42と前記壁面との間を密封するためのシール面を構成
する。なお、バックアップリング44とフロントハウジ
ング2とが互いに一体形成された状態のみならず、別個
の部材とされた前記両者を互いに固定した状態(一体的
に構成した状態)としてもよい。さらに、バックアップ
手段とハウジングとを一体形成した構成において、図2
に示すような、バックアップリング44の筒状部44A
の外周面とこれに対向する収容室2Bの内周面2Cとの
間の部分に相当する空間(図2においては、第1リップ
部材42の基部42Aの前端部が配置されている)をな
くしてもよい。この場合、例えば、図5に示すように構
成される。すなわち、収容室2Bの最前部には、内周面
2C側から前記径方向の内側かつ後方に湾曲して延在さ
れた環状のバックアップ部2F(バックアップ手段)が
形成されている。バックアップ部2Fの後面は、後方を
臨む収容室2Bの奥面2Gの一部を構成している。バッ
クアップ部2Fは、その後面を以って第2リップ部材4
3の前面に当接することで、第2リップ部材43をバッ
クアップする。第1リップ部材42においては、第1の
実施形態の第1リップ部材42に比較して前後方向に短
く形成された基部42Aの前端面が、奥面2Gに対して
当接されている。この前端面(シール面)と奥面2Gと
の間においては、第1リップ部材42が支持部材41に
よって前方に押圧されることによって、この部分を密封
し得る程度の圧接力が発生する。なお、支持部材41
は、収容室2Bに対して、筒状部41Aを以って圧入さ
れた状態で固定されている。なお、図5の構成において
は、支持部材41、第1及び第2リップ部材42,4
3、及び、バックアップ部2Fによって軸封装置40が
構成されている。
【0095】○ 第3の実施形態では、支持部材41に
設けた凸部41Cと、収容室2Bの内周面2Cに設けた
凹部2Eとの凹凸係合によって、支持部材41を収容室
2Bに対して固定するようにした。これに対して、支持
部材に設けた凹部と、ハウジングに設けた凸部との凹凸
係合によって、前記支持部材を前記ハウジングに対して
固定するようにしてもよい。
【0096】○ 第3の実施形態では、凸部41C及び
凹部2Eを、それぞれ環状に形成したが、環状に形成さ
れていなくてもよい。つまり、回転軸6の周方向の全域
に亘るように形成されていなくてもよい。
【0097】○ 支持部材を、ハウジングに対して、前
記支持部材及び前記ハウジングとは別体の係止部材(例
えば、サークリップ等)を用いて固定してもよい。これ
によれば、例えば、ハウジングに対して支持部材を圧入
によって固定する構成に比較して、支持部材とハウジン
グとのはめ合いに関する寸法精度を抑えることが可能に
なる。この結果、コストダウンを図ることが可能にな
る。
【0098】○ バックアップ手段と支持部材とを、互
いに一体的に構成してもよい。なお、「一体的に構成」
した状態とは、一体形成された状態のみならず、別個の
部材を互いに固定した状態をも意味している。これによ
れば、ハウジング側への組み付け部品点数削減によるコ
ストダウンを図ることが可能になる。この場合、例え
ば、図7に示すように構成される。すなわち、図7に示
すように、略円筒状の支持部材41には、その後端から
前記径方向の内側かつ後方に湾曲して延在されたバック
アップ部44B(バックアップ手段)が一体形成されて
いる。第1リップ部材42は、基部42Aの前端面が支
持部材41の後端面41Fに圧接されている。バックア
ップ部44Bは、その後面を以って第2リップ部材43
をバックアップしている。なお、支持部材41(バック
アップ部44Bを含む)は、係止部材としてのサークリ
ップ45によって係止されることで、収容室2Bに固定
されるようになっている。また、図9に示すように構成
してもよい。すなわち、支持部材41は、円筒状に形成
された筒状部41Aと、該筒状部41Aの前端において
前記径方向の外側に延在されたフランジ部41Bとを有
している。また、支持部材41は、筒状部41Aの後端
から前記径方向の内側かつ後方に湾曲して延在されたバ
ックアップ部44B(バックアップ手段)を有してい
る。筒状部41A、フランジ部41B及びバックアップ
部44Bは、互いに一体形成されている。支持部材41
は、収容室2Bに対して、フランジ部41Bの外周部
(凸部)と、収容室2Bの内周面2Cにおいて前記外周
部と対向する部分に形成された環状の凹部2Eとの凹凸
係合によって固定されている。第1リップ部材42は、
基部42Aの前端面がフランジ部41Bの後面に圧接さ
れるとともに、基部42Aの内周面の一部が筒状部41
Aの外周面に圧接されている。バックアップ部44B
は、その後面を以って第2リップ部材43をバックアッ
プしている。なお、リップ部42Bと第2リップ部材4
3との間には、リップ部42Bを直接的にバックアップ
するためのバックアップリング46が設けられている。
【0099】○ 前記実施形態において、回転軸6によ
る第2リップ部材43の連れ回りを防止するための回転
防止手段(凸部44C)は、設けられていなくてもよ
い。 ○ 前記実施形態において、第2リップ部材43を省略
してもよい。
【0100】○ 前記実施形態では、第1リップ部材4
2は、支持部材41が前記ハウジングに対して未装着で
ある状態において、前記ハウジングの壁面と、これに対
向する第1リップ部材42の外周面または内周面との間
に、クリアランスが存在するように形成された。しか
し、第1リップ部材42と前記ハウジングの壁面との間
を密封し得るだけの圧接力が発生しない程度であれば、
前記クリアランスが存在しないように構成されていても
よい。
【0101】○ 軸封装置40は、圧縮機Cのような、
片頭型のピストンに圧縮動作を行なわせる片側式の圧縮
機にではなく、クランク室を挟んで前後両側に設けられ
たシリンダボアにおいて両頭型のピストンに圧縮動作を
行なわせる両側式の圧縮機に設けられていてもよい。
【0102】○ 圧縮機Cを、カムプレート(斜板1
2)が回転軸6と一体回転する構成に代えて、カムプレ
ートが回転軸に対して相対回転可能に支持されて揺動す
るタイプ、例えば、揺動(ワッブル)式圧縮機としても
よい。
【0103】○ 圧縮機Cは、回転軸6の一回転あたり
の冷媒吐出容量をほぼゼロに変更可能な構成とされてい
るが、ほぼゼロまでには変更できない構成であってもよ
い。 ○ 圧縮機Cは、ピストン20のストロークが一定とさ
れた固定容量タイプであってもよい。
【0104】○ 前記実施形態において、ピストンが往
復動を行うピストン式圧縮機の適用例を示したが、スク
ロール型圧縮機等の回転型圧縮機に適用してもよい。 ○ 前記実施形態において、圧縮機の適用例を示した
が、回転軸を備えるとともに該回転軸を封止することが
必要な回転機械であれば、どのようなものに適用しても
よい。
【0105】次に、前記実施形態から把握できる技術的
思想について以下に記載する。 (1) 前記バックアップ手段と前記ハウジングとを、
互いに一体的に構成した請求項1〜10のいずれか一項
に記載の軸封装置。
【0106】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1〜13に
記載の発明によれば、軸封装置において、シール性低下
の原因となり得る疵付きを防止することが可能であると
ともに、構成部品のリサイクル利用の際の分別作業が簡
単になる。また、請求項14に記載の発明によれば、請
求項1〜13に記載の軸封装置を回転機械において組み
付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態の圧縮機の概要を示す模式断面
図。
【図2】同じく軸封装置を示す模式拡大断面図。
【図3】別例の軸封装置を示す模式拡大断面図。
【図4】第2の実施形態の軸封装置を示す模式拡大断面
図。
【図5】別例の軸封装置を示す模式拡大断面図。
【図6】第3の実施形態の軸封装置を示す模式拡大断面
図。
【図7】別例の軸封装置を示す模式拡大断面図。
【図8】第4の実施形態の軸封装置を示す模式拡大断面
図。
【図9】別例の軸封装置を示す模式拡大断面図。
【符号の説明】
2E…凹部、40…軸封装置、41…支持部材、41C
…凸部、41D…テーパ面、42…弾性材を用いて形成
されるリップ部材としての第1リップ部材、42H…収
容凹部、43…樹脂製のリップ部材としての第2リップ
部材、44…バックアップ手段としてのバックアップリ
ング、44C…回転防止手段としての凸部、45…係止
部材としてのサークリップ、C…回転機械としての圧縮
機。

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属製の基材を利用することなく弾性材
    を用いて形成されるとともに、回転機械の回転軸を封止
    するリップ部材と、 前記リップ部材をバックアップするバックアップ手段
    と、 少なくとも前記リップ部材を前記回転機械のハウジング
    側に支持固定するための支持部材とを備え、前記支持部
    材は、前記リップ部材が前記ハウジング側に装着された
    状態において前記ハウジングに装着可能な構成とされ、
    前記リップ部材は、前記支持部材が前記ハウジングに装
    着されたことで発生した押圧力を受けることにより前記
    ハウジング側に固定されるとともに、前記押圧力によっ
    て前記ハウジングの壁面に圧接されることで、前記壁面
    との間を密封する構成とされている軸封装置。
  2. 【請求項2】 前記リップ部材は、前記支持部材が前記
    ハウジングに対して未装着である状態において、前記ハ
    ウジングの壁面と、これに対向する前記リップ部材の外
    周面または内周面との間に、クリアランスが存在するよ
    うに形成されている請求項1に記載の軸封装置。
  3. 【請求項3】 前記支持部材は、前記ハウジングに対し
    て、前記回転軸の軸線方向へのスライド移動によって装
    着可能な構成とされている請求項1または2に記載の軸
    封装置。
  4. 【請求項4】 前記支持部材の少なくとも一部を円筒状
    に形成するとともに、前記円筒状の部分と前記バックア
    ップ手段とで、前記リップ部材を、前記回転軸の径方向
    に挟持するようにした請求項3に記載の軸封装置。
  5. 【請求項5】 前記ハウジングに対して、前記支持部材
    を、圧入によって固定した請求項1〜4のいずれか一項
    に記載の軸封装置。
  6. 【請求項6】 前記ハウジングに対して、前記支持部材
    を、前記両者の一方に設けられた凹部と、他方に設けら
    れた凸部との凹凸係合によって固定した請求項1〜4の
    いずれか一項に記載の軸封装置。
  7. 【請求項7】 前記凸部には、テーパ面が形成されてい
    る請求項6に記載の軸封装置。
  8. 【請求項8】 前記ハウジングに対して、前記支持部材
    を、係止部材を用いて固定した請求項1〜4のいずれか
    一項に記載の軸封装置。
  9. 【請求項9】 前記リップ部材と前記バックアップ手段
    との間に、前記リップ部材とは別の樹脂製のリップ部材
    を設けた請求項1〜8のいずれか一項に記載の軸封装
    置。
  10. 【請求項10】 前記バックアップ手段において、前記
    回転軸による前記樹脂製のリップ部材の連れ回りを防止
    するための回転防止手段を備えた請求項9に記載の軸封
    装置。
  11. 【請求項11】 前記リップ部材には、前記バックアッ
    プ手段を収容保持可能な収容凹部が形成されている請求
    項1〜10のいずれか一項に記載の軸封装置。
  12. 【請求項12】 前記バックアップ手段と前記支持部材
    とを一体的に構成した請求項1〜10のいずれか一項に
    記載の軸封装置。
  13. 【請求項13】 前記回転機械は、冷媒の圧縮を行う圧
    縮機である請求項1〜12のいずれか一項に記載の軸封
    装置。
  14. 【請求項14】 金属製の基材を利用することなく弾性
    材を用いて形成されるとともに、回転機械の回転軸を封
    止するリップ部材と、 前記リップ部材をバックアップするバックアップ手段
    と、 少なくとも前記リップ部材を前記回転機械のハウジング
    側に支持固定するための支持部材とを備えた軸封装置
    を、前記ハウジング側に対して組み付けるための、軸封
    装置の組み付け方法であって、 前記リップ部材が前記ハウジング側に装着された状態に
    おいて前記支持部材を前記ハウジングに組み付けること
    で、前記ハウジング側に対して前記リップ部材を固定可
    能な押圧力を発生させるとともに、前記押圧力に基づく
    前記リップ部材と前記ハウジングの壁面との圧接によ
    り、前記リップ部材と前記壁面との間を密封するように
    したことを特徴とする軸封装置の組み付け方法。
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