JP2003176454A - 硬化塗膜形成方法 - Google Patents

硬化塗膜形成方法

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JP2003176454A
JP2003176454A JP2001379217A JP2001379217A JP2003176454A JP 2003176454 A JP2003176454 A JP 2003176454A JP 2001379217 A JP2001379217 A JP 2001379217A JP 2001379217 A JP2001379217 A JP 2001379217A JP 2003176454 A JP2003176454 A JP 2003176454A
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JP
Japan
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coating film
ultraviolet
light stabilizer
coating agent
cured coating
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Application number
JP2001379217A
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English (en)
Inventor
Eiichi Tadokoro
榮一 田所
Yoji Tominaga
洋二 富永
Nobuo Yamamura
信雄 山村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
GEN GIJUTSU KENKYUSHO KK
Gen Maintenance Technology Inc GMT
Original Assignee
GEN GIJUTSU KENKYUSHO KK
Gen Maintenance Technology Inc GMT
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来よりも硬化の速度が早く、かつ屋外にも
好適に適用可能な硬化塗膜の形成方法を提供する。 【解決手段】 光重合性樹脂と、光重合開始剤と、光安
定剤とを必須成分として含有する紫外線硬化型コーティ
ング剤を基材に塗布後、290nm未満の波長の紫外線
を照射して、硬化塗膜を形成する方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光重合性樹脂を用
いた硬化塗膜の形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】これまで、基材に紫外線硬化型コーティ
ング剤を塗布した後の塗膜の硬化は、高圧水銀灯を光源
として、360nm〜370nmの波長の紫外線を照射
する紫外線照射装置を用いるのが主流であった。しかし
ながら、高圧水銀灯を使用するには大きな電気容量が必
要とされ、汎用的な100V電源を使用すると小面積の
照射しかできず、作業時間が長くなってしまうという問
題がある。したがって従来、塗膜の硬化速度を向上する
ためには、高圧水銀灯のランプ出力を上げるという方法
をとっていたが、この方法では照射エネルギーの大部分
が熱および可視光となってしまい、照射を所定の時間よ
りも長く行うと基材や塗膜が焦げたり、変形して品質が
低下し易く、またまぶしく作業者が誤って火傷を負って
しまう危険があった。
【0003】一方、本出願人は、ウレタン(メタ)アク
リレート樹脂を含有する光重合性樹脂および光重合開始
剤を含む紫外線硬化型コーティング剤を基材に塗布後、
光源が低圧水銀灯である紫外線照射装置を用いて254
nmの波長の紫外線を照射して、塗膜を硬化させる方法
を提案している。この方法によれば、高圧水銀灯が光源
である紫外線照射装置を用いた場合に生じる問題(例え
ば、高電圧の必要性、基材品質の低下、作業者への危険
性など)を解決できるだけでなく、高圧水銀灯を用いた
場合と同様な性能(例えば、耐汚染性、基材との密着性
など)を有する硬化塗膜を形成でき、さらに、単位面積
あたりの塗膜硬化時間が高圧水銀灯(100V使用)を
用いた場合と比べて短い、という利点がある。しかし施
工の現場においては、硬化塗膜の形成時間は早ければ早
いほどよく、さらなる塗膜の硬化速度の向上が望まれて
いる。
【0004】また、上記の高圧水銀灯を用いた方法、低
圧水銀灯およびウレタン(メタ)アクリレート樹脂の組
合せによる方法のいずれを用いた場合であれ、屋外への
適用が困難であった。まず、従来の紫外線硬化型コーテ
ィング剤は、照射する紫外線以外の意図しない紫外線に
よって影響を受けやすく、たとえば、屋外にて日中、紫
外線硬化型コーティング剤を基材に塗布すると、該紫外
線硬化型コーティング剤は太陽光に含まれる紫外線領域
(波長:290nm〜400nm)によっても硬化する
ため、未乾のままで硬化し塗膜強度が劣化したり、また
この時、水系紫外線硬化型コーティング剤の場合には塗
膜が白化することがあった。さらにまた、太陽光により
劣化を受けて黄変したり、得られた硬化塗膜表面にクラ
ックが生じたり基材から塗膜が剥離したりすることがあ
った。このため、従来の硬化塗膜の形成方法において
は、コーティング剤が乾燥するまで(コーティング剤の
貯蔵時、塗布時を含む)は、コーティング剤が太陽光に
暴露しないようにしなければならず、屋外では夜間以外
の施工がきわめて困難であった。また上記のいずれの方
法で得られた硬化塗膜も、得られた硬化塗膜が屋外環境
に曝されると、硬化直後の光沢(初期光沢)が400時
間〜700時間程度で20以下低下するように、耐候性
に劣る傾向にあった。
【0005】このように従来の方法では、実際上、日中
屋外での塗工作業が困難であったり、また屋外で硬化塗
膜を形成したとしても劣化が早かったりしたため、その
用途がきわめて限定されていた。しかし、屋外壁、屋根
の塗装などに使用できるような、屋外での適用可能な硬
化塗膜の形成方法が求められている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、従来
よりも硬化の速度が早く、かつ屋外にも好適に適用可能
な硬化塗膜の形成方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するため鋭意研究を行った結果、本発明を完成す
るに至った。即ち、本発明は以下のとおりである。 (1)光重合性樹脂と、光重合開始剤と、光安定剤とを
必須成分として含有する紫外線硬化型コーティング剤を
基材に塗布後、290nm未満の波長の紫外線を照射し
て、硬化塗膜を形成する方法。 (2)光安定剤が、290nm以上に紫外線吸収スペク
トルをもつ紫外線吸収剤である上記(1)に記載の方
法。 (3)光安定剤が、ヒンダードアミン系光安定剤である
上記(1)に記載の方法。 (4)光安定剤が、290nm以上に紫外線吸収スペク
トルをもつ紫外線吸収剤とヒンダードアミン系光安定剤
との混合物である、上記(1)に記載の方法。 (5)前記紫外線吸収剤が、ベンゾトリアゾール系化合
物である、上記(2)または(4)に記載の方法。 (6)光重合性樹脂が、ウレタン(メタ)アクリレート
樹脂を含有するものである、上記(1)〜(5)のいず
れかに記載の方法。
【0008】
【作用】本発明では、まず、光重合性樹脂と、光重合開
始剤と、光安定剤とを含有する紫外線硬化型コーティン
グ剤を使用する。これにより、本発明で得られた硬化塗
膜は、耐候性および/または塗工時の紫外線耐性が大幅
に改良できて、広く屋外においても好適に硬化塗膜を形
成することができ、たとえば屋外壁、屋根など、従来適
用が困難であった用途においても、好適に硬化塗膜を形
成することができる。光安定剤は、具体的には、290
nm以上の吸収スペクトルを有する紫外線吸収剤および
ヒンダードアミン系光安定剤から選ばれる少なくともい
ずれかであり、特には、光安定剤が上記紫外線吸収剤と
ヒンダードアミン系光安定剤との混合物であると、これ
らにより耐候性が相乗的に向上されるため、好ましい。
また本発明においては、紫外線硬化型コーティング剤を
硬化させて硬化塗膜を形成するために、290nm未満
の波長の紫外線を照射する。このような波長の紫外線
は、従来の高圧水銀灯を光源として用いた場合における
360nm〜370nmの波長を有する紫外線を照射し
ていた場合とは異なり、発熱が少なく、エネルギーを光
重合性樹脂の硬化に効率よく使用することができる。こ
れにより光重合性樹脂の硬化速度が従来よりも向上され
効率的に硬化塗膜の形成を行うことができる。また作業
に伴う発熱量が少ないので、従来の高圧水銀灯を光源と
して使用していた場合に起きていた問題(得られた硬化
塗膜の品質の低下、作業者への危険性など)が起こらな
い。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の硬化塗膜の形成方法にお
いて重要なことは、〔1〕光重合性樹脂と、光重合開始
剤と、光安定剤とを含有する紫外線硬化型コーティング
剤を使用すること、ならびに〔2〕コーティング剤に2
90nm未満の波長の紫外線を照射して硬化塗膜を形成
すること、である。以下、本発明について詳述する。
【0010】〔1〕光重合性樹脂と、光重合開始剤と、
光安定剤とを含有する紫外線硬化型コーティング剤を使
用すること (1)光重合性樹脂 本発明に使用する光重合性樹脂としては、特に制限はな
く、従来公知の様々な光重合性樹脂が挙げられる。この
ような光重合性樹脂としては、290nm未満の紫外線
を照射して硬化可能なものであれば特に制限はなく、た
とえば、ウレタン(メタ)アクリレート樹脂、不飽和ポ
リエステル樹脂、エポキシアクリレート樹脂などを主成
分とするものなどが例示できる。上記中でも、光沢保持
特性、耐汚染性、耐すべり性の観点からは、特には、ウ
レタン(メタ)アクリレート樹脂を主成分とする光重合
性樹脂が好ましい。
【0011】具体的なウレタン(メタ)アクリレート樹
脂としては、たとえば、エチレングリコール、ジエチレ
ングリコール、1,4−ブタンジオール、およびネオペ
ンチルグリコール、ポリカーボネートジオール、ポリカ
プロラクトンポリオール、ポリテトラメチレングリコー
ル等のポリオール成分にアジピン酸等のカルボン酸をエ
ステル化させてポリエステルポリオールとしたものと、
ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシ
アネート、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイ
ソシアネート、4,4'−ジフェニルメタンジイソシア
ネート、メチレンビス(4−シクロヘキシルイソシアネ
ート)等の有機ポリイソシアネート類と2−ヒドロキシ
エチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル
(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールモノ
(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)
アクリレートのε−カプロラクトン付加物、ペンタエス
リトールトリ(メタ)アクリレート等の水酸基含有エチ
レン性不飽和化合物類を反応させたポリエステルウレタ
ン(メタ)アクリレートや、前記ジオール成分に前記イ
ソシアネートを反応させポリエーテルイソシアネートと
し、これに前記のような水酸基含有エチレン性不飽和化
合物類を反応させたポリエーテルウレタン(メタ)アク
リレートを挙げることができる。
【0012】また具体的なエポキシアクリレート樹脂と
しては、フェノールノボラックエポキシ樹脂のアクリレ
ート、o−クレゾールノボラックエポキシ樹脂のアクリ
レート、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテ
ルのアクリレート、ペンタエリスリトールテトラグリシ
ジルエーテルのテトラアクリレート、ジペンタエリスリ
トールヘキサグリシジルエーテルのヘキサアクリレー
ト、ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテルの
トリアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサグリ
シジルエーテルのペンタアクリレート、ソルビトールテ
トラグリシジルエーテルのテトラアクリレート、フェノ
ールノボラックエポキシ樹脂とアジピン酸とアクリル酸
との反応物、o−クレゾールノボラックエポキシ樹脂と
テレフタル酸とアクリル酸との反応物、トリメチロール
プロパントリグリシジルエーテルトリメリット酸とアク
リル酸との反応物、ペンタエリスリトールテトラグリシ
ジルエーテルとハイドロキノンとアクリル酸との反応
物、ジペンタエリスリトールヘキサグリシジルエーテル
とp−ノニルフェノールとアクリル酸との反応物が挙げ
られる。
【0013】本発明における光重合性樹脂としては、市
販のものを使用してもよい。ウレタン(メタ)アクリレ
ート樹脂としては、ウィナップトップコートT((株)
玄技術研究所製、ウレタンアクリレート樹脂分:80
%)、EM−92(荒川化学工業株式会社製)、ユニデ
ィック17−806(大日本インキ化学工業株式会社
製)、U−15HA(新中村化学工業株式会社製)など
が例示される。不飽和ポリエステル樹脂としては、PA
R−500(日本化薬株式会社製)などが例示される。
またエポキシアクリレート樹脂としては、EB−340
4(ダイセル・ユーシービー株式会社製)などが例示さ
れる。
【0014】(2)光重合開始剤 光重合開始剤は光重合性樹脂の硬化を開始させるために
添加され、光を吸収してラジカル又はカチオンを生じる
物質であれば特に限定はなく、290nm未満の波長の
紫外線を強く吸収するものが好ましい。最適な光重合開
始剤の選択は、当業者にとっては自明であり、容易に選
択することが可能である。
【0015】光重合開始剤としては、例えば、ベンゾイ
ル系(例えば、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニル
ケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニ
ル]−2−モルホリノプロパン−1−オン、2−ヒドロ
キシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、
2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホ
リノフェニル)−ブタン−1−オン、1−[4−(2−
ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−
2−メチル−1−プロパン−1−オン、1−(4−イソ
プロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロ
パン−1−オン、4’−イソプロピル−2−ヒドロキシ
−2−メチルプロピオフェノンなど)、ホスフィンオキ
サイド系(例えば、ビスアシルホスフィンオキサイド、
アシルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチル
ベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、2,6−
ジメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、
ベンゾイルジエトキシホスフィンオキサイド、ビス
(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリ
メチルペンチルホスフィンオキサイドなど)、ベンゾイ
ン系(例えば、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾイン
エチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベ
ンゾインイソブチルエーテル、n−ブチルベンゾインエ
ーテルなど)、アセトフェノン系(例えば、p−ter
t−ブチルトリクロロアセトフェノン、p−tert−
ブチルジクロロアセトフェノン、アセトフェノン、2,
2−ジエトキシアセトフェノン、塩素化アセトフェノ
ン、ヒドロキシアセトフェノン、α,α−ジクロロ−4
−フェノキシアセトフェノンなど)、ベンゾフェノン系
(例えば、ベンゾフェノン、4,4'−ジクロロベンゾ
フェノン、4,4'−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフ
ェノン、4,4'−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェ
ノン、3,3',4,4'−テトラ(tert−ブチルパ
ーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3'−ジメ
チル−4−メトキシベンゾフェノンなど)、チオキサン
トン類(例えば、2−クロロチオキサントン、2−メチ
ルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、
2,4−ジイソプロピルチオキサントンなど)、アント
ラキノン類(例えば、アントラキノン、2−エチルアン
トラキノン、α−クロロアントラキノン、2−tert
−ブチルアントラキノンなど)、ベンジル系(例えば、
ベンジル、4,4'−ジメトキシベンジル、4,4'−ジ
クロロベンジルなど)、安息香酸エステル系(例えば、
o−ベンゾイル安息香酸メチル、p−ジメチルアミノ安
息香酸メチルなど)、ジケトン系(例えば、ビアセチ
ル、フェニルグリオキシル酸メチル、メチルベンゾイル
ホルメートなど)、ケタール系(例えば、ベンジルジメ
チルケタール、アセトフェノンジエチルケタールな
ど)、ジベンゾシクロアルカノン系(例えば、10−ブ
チル−2−クロロアクリドン、ジベンゾスベロンな
ど)、アシロキシムエステル、カンファーキノン、3−
ケトクマリン、テトラメチルチウラムジスルフィド、
α,α'−アゾビスイソブチロニトリル、ベンゾイルパ
ーオキサイド、2,2'−ビス(o−クロロフェニル)
−4,5,4',5'−テトラフェニル−1,2'−ビイ
ミダゾール、アセナフセン、ベンザルアセトンなどが挙
げられる。上記中でも、反応開始のための量子化効率、
硬化反応速度、経時安定性の観点からは、1−ヒドロキ
シシクロヘキシルフェニルケトンおよび/または2−ヒ
ドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オ
ンを使用するのが好ましい。
【0016】本発明における光重合開始剤としては、た
とえば、ルシリンTPO(BASF社製)、ESACU
RE KIP150(Lamberti社製)、ESA
CURE TZT(Lamberti社製)、イルガキ
ュア184(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ株式会
社製)、イルガキュア651(チバ・スペシャリティ・
ケミカルズ株式会社製)、ダロキュア1173(チバ・
スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製)、イルガキュ
ア2959(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ株式会
社製)、イルガキュア369(チバ・スペシャリティ・
ケミカルズ株式会社製)、イルガキュア819(チバ・
スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製)など、市販の
ものを使用してもよい。
【0017】本発明に用いる紫外線硬化型コーティング
剤において、光重合開始剤は、光重合性樹脂の1重量%
〜20重量%配合されるが好ましく、2重量%〜10重
量%配合されるのがより好ましい。光重合開始剤が光重
合性樹脂の1重量%未満であると、光重合開始剤による
硬化反応が進みにくい傾向にあるため好ましくない。ま
た光重合開始剤が光重合性樹脂の20重量%を超える
と、塗膜の塗布適性不良や塗膜の耐久性が劣化してしま
う傾向にあるため好ましくない。
【0018】(3)光安定剤 樹脂の光劣化は太陽光中の主として紫外線、すなわち2
90nm〜400nmの波長の紫外線により惹起され
る。この領域の光を吸収する樹脂は光酸化劣化を受ける
が、本来太陽光を吸収する官能基をもたない樹脂であっ
ても、樹脂中に存在する光劣化を誘発促進する物質(光
劣化開始種)により自動酸化反応が始まり、カルボニル
基の生成、架橋や分子の切断が起こり、硬化塗膜の光沢
の低下、ひび割れ、色調の変化などの劣化現象を起こ
す。本発明においては、この光開始自動酸化反応の連鎖
を止めるために、紫外線の遮断・吸収作用、励起化
合物の消光作用、ラジカルの捕捉作用、ハイドロパ
ーオキサイドの非ラジカル的分解作用および微量金属
の捕捉作用、の少なくともいずれかの作用を有する光安
定剤を、紫外線硬化型コーティング剤に配合する。この
ような光安定剤としては、紫外線吸収剤、ヒンダードア
ミン系光安定剤(HALS:Hindered Amine Light Sta
bilizer)が挙げられる。
【0019】本発明においては、290nm以上に紫外
線吸収スペクトルをもつ紫外線吸収剤およびHALSの
うち少なくともいずれかを紫外線硬化型コーティング剤
に配合することによって、該コーティング剤の塗工時の
耐紫外線性および/または得られた硬化塗膜の耐候性を
向上し得、屋外にて適用しても良好な品質を有する硬化
塗膜を形成し得る方法を実現し得る。中でも、耐候性と
耐紫外線性が相乗的に向上され、きわめて優れた品質の
硬化塗膜を形成し得る点から、本発明にて使用する光安
定剤が、290nm以上に紫外線吸収スペクトルをもつ
紫外線吸収剤とHALSとの混合物であるのが特に好ま
しい。
【0020】(3−1)290nm以上に紫外線吸収ス
ペクトルをもつ紫外線吸収剤 本発明において光安定剤として紫外線吸収剤を使用する
場合、290nm以上に紫外線吸収スペクトルをもつ紫
外線吸収剤、換言すれば、太陽光の紫外線スペクトラム
帯域の短波長下限値以上に紫外線吸収スペクトルをもつ
紫外線吸収剤を用いる。このような紫外線吸収スペクト
ルをもつ紫外線吸収剤を配合してなる紫外線硬化型コー
ティング剤は、290nm以上の波長の紫外線を吸収
し、生じた励起一重項状態がエネルギー変換して、無害
な熱エネルギー、リン光、蛍光を放射し、コーティング
剤中の不純物の光励起、光化学反応が抑制され、劣化が
防止される。このように本発明に使用する紫外線硬化型
コーティング剤は、上述のような紫外線吸収剤を含有す
ることにより、塗膜に有害な紫外線を吸収し、表面光沢
の低下、クラックの発生などを防止し、塗膜の未乾燥時
の紫外線に対する耐性が改良される。本発明において、
光安定剤としてこのような紫外線吸収剤を使用すると、
塗膜の未乾燥時の太陽紫外線に対する耐性が改良され、
塗膜強度が大幅に改良でき、かつ日中屋外での照射作業
がきわめて容易となり、かつ硬化塗膜の耐候性が向上さ
れる。特に、水系の紫外線硬化型コーティング剤におい
ては白化欠陥が大幅に改良でき、日中屋外での照射作業
がきわめて容易となる。
【0021】本発明における紫外線吸収剤としては、2
90nm以上に紫外線吸収スペクトルをもつならば特に
制限はなく、従来公知の種々の紫外線吸収剤を使用すれ
ばよい。このような紫外線吸収剤としては、たとえば、
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外
線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、サリシレー
ト系紫外線吸収剤、蓚酸アニリド系紫外線吸収剤から選
ばれる少なくとも1種が挙げられ、中でも、紫外線の吸
収領域が太陽光の紫外線領域とほぼ一致すること、耐汚
染性、樹脂に対する相溶性、塗膜の光沢を高くできるこ
と、さらに経時安定性、耐候性がよい、という理由か
ら、ベンゾトリアゾール系の紫外線吸収剤を使用するの
が好ましい。
【0022】ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤として
は、具体的には、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチ
ルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロ
キシ−3’,5’−ビス(α,α−ジメチルベンジル)
フェニル]ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキ
シ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)ベンゾトリ
アゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル
−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾ
ール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−
ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2
−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−アミル)
ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−
t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2,2’
−メチレンビス[4−(1,1,3,3−テトラメチル
ブチル)−6−(2N−ベンゾトリアゾール−2−イ
ル)フェノール]などが例示される。
【0023】トリアジン系紫外線吸収剤としては、具体
的には、2−[4−[(2−ヒドロキシ−3−ドデシル
オキシプロピル)オキシ]−2−ヒドロキシフェニル]
−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,
3,5−トリアジンなどが例示される。
【0024】ベンゾフェノン系紫外線吸収剤としては、
具体的には、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2
−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒド
ロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン
酸、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノ
ン、2−ヒドロキシ−4−n−ドデシルオキシベンゾフ
ェノン、2−ヒドロキシ−4−ベンジルオキシベンゾフ
ェノン、ビス(5−ベンゾイル−4−ヒドロキシ−2−
メトキシフェニル)メタン、2,2’−ジヒドロキシ−
4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ
−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2,2’,
4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、4−ドデ
シルオキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒド
ロキシ−4−メトキシ−2’−カルボキシベンゾフェノ
ン、2−ヒドロキシ−4−(2−メタクリロイルオキシ
エトキシ)ベンゾフェノンなどが例示される。
【0025】サリシレート系紫外線吸収剤としては、具
体的には、フェニルサリシレート、4−t−ブチルフェ
ニルサリシレート、2,4−ジ−t−ブチルフェニル−
3,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシルベンゾ
エート、4−t−オクチルフェニルサリシレートなどが
例示される。
【0026】本発明において紫外線吸収剤を使用する場
合、市販のものを使用してもよい。ベンゾトリアゾール
系紫外線吸収剤としては、たとえば、チヌビン928
(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製)、チ
ヌビン328(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ株式
会社製)、チヌビン384−2(チバ・スペシャリティ
・ケミカルズ株式会社製)、チヌビン900(チバ・ス
ペシャリティ・ケミカルズ株式会社製)、チヌビン11
30(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社
製)、Sanduvor PT21 Disp.(クラ
リアントジャパン(株)製)、SEESORB704
(シプロ化成(株)製)、Sumisorb130(住
友化学工業(株)製)などが挙げられる。トリアジン系
紫外線吸収剤としては、たとえば、チヌビン400(チ
バ・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製)などが挙
げられる。ベンゾフェノン系紫外線吸収剤としては、た
とえばMARK1413(アデカ・アーガス化学(株)
製)、SEESORB102(シプロ化成(株)製)、
SEESORB103(シプロ化成(株)製)、San
duvor3041 Disp.(クラリアントジャパ
ン(株)製)などが挙げられる。蓚酸アニリド系紫外線
吸収剤としては、たとえば、Sanduvor VSU
pdr(クラリアントジャパン(株)製)、Sand
uvor3206(クラリアントジャパン(株)製)な
どが挙げられる。
【0027】紫外線吸収剤を使用する場合、その種類お
よび添加量は、光重合性樹脂の種類、量、光重合開始剤
の種類および添加量、さらには所望するコーティング剤
の塗布厚などに応じて、適宜選択すればよく、特に制限
はない。紫外線吸収による効果的な白化防止、耐候性の
向上、基材の変色防止の観点からは、上記紫外線吸収剤
の添加量(複数種使用する場合には、その総量)は、コ
ーティング剤中、固形分として0.01重量%〜5重量
%であるのが好ましく、0.05重量%〜4.5重量%
であるのがより好ましい。紫外線吸収剤がコーティング
剤中、固形分として0.01重量%未満であると、紫外
線の吸収効果が少なく基材の変色を防止できず、白化し
やすくなる傾向にあるためであり、またコーティング剤
中、固形分として5重量%を超えると、塗膜の光沢の低
下、耐汚染性の低下、塗膜の硬化性の低下、塗膜の耐磨
耗性の低下などがみられる傾向にあるためである。
【0028】(3−2)ヒンダードアミン系光安定剤
(HALS) 本発明において光安定剤としてHALSを添加する場
合、従来公知の種々のHALSを特に制限なく使用する
ことができる。具体的には、フェニル−4−ピペリジニ
ルカーボネート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル
−4−ピペリジニル)セバケート、ビス(N−メチル−
2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)セ
バケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−
4−ピペリジル)−2−(3,5−ジ−t−ブチル−4
−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチルマロネート、
1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルメ
タクリレート、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピ
ペリジルメタクリレートなどが例示される。HALS
は、1種類単独で使用してもよく、2種以上を混合して
使用してもよい。HALSは、それ自体紫外線を吸収し
ないが、これが添加された紫外線硬化型コーティング剤
において、自動酸化反応に関わる有害なラジカルを触媒
的に捕捉することにより、結果的に、得られた硬化塗膜
の耐候性を向上させる。
【0029】本発明においてHALSを使用する場合、
たとえば、チヌビン111FD(チバ・スペシャリティ
・ケミカルズ株式会社製)、チヌビン123(チバ・ス
ペシャリティ・ケミカルズ株式会社製)、チヌビン14
4(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製)、
チヌビン292(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ株
式会社製)などの市販のものを使用してもよい。
【0030】HALSを使用する場合、その種類および
添加量も、光重合性樹脂の種類、量、光重合開始剤の種
類および添加量、さらには所望するコーティング剤の塗
布厚などに応じて、適宜選択すればよく、特に制限はな
い。得られた硬化塗膜に耐候性を効果的に付与し得、基
材の変色を防止し、かつ良好な塗布性を得る観点から
は、上記HALSの添加量(複数種使用する場合には、
その総量)は、コーティング剤中、固形分として0.0
1重量%〜5重量%であるのが好ましく、0.05重量
%〜4.5重量%であるのがより好ましい。HALSが
コーティング剤中、固形分として0.01重量%未満で
あると、耐候性の改良効果が少ない、基材が変色する、
クラックが発生するなどの傾向があるためであり、また
コーティング剤中、固形分として5重量%を超えると、
塗布性に劣る(発泡、スクラッチの発生)、耐磨耗性が
低下する、また硬化塗膜の光沢が低下する傾向にあるた
めである。
【0031】上述したように本発明に使用する光安定剤
は、上記290nm以上に紫外線吸収スペクトルを有す
る紫外線吸収剤と、HALSとの混合物であるのが好ま
しい。紫外線吸収剤とHALSとでは安定化機構が異な
るため、併用によって耐候性が相乗的に付与される。こ
のように光安定剤が290nm以上に紫外線吸収スペク
トルを有する紫外線吸収剤とHALSとの混合物である
場合、その添加量としては、混合物の総量がコーティン
グ剤中固形分で0.02重量%〜10重量%であって、
そのうち紫外線吸収剤とHALSとの混合比(重量比)
が1.0:0.25〜1.0:1.5であるのが好まし
い。
【0032】本発明に使用する紫外線硬化型コーティン
グ剤は、上述した光重合性樹脂、光重合開始剤および光
安定剤に加えて、従来公知の反応性希釈剤やその他の添
加物(たとえば、着色剤、顔料、艶消し剤、消泡剤、脱
泡剤、湿潤剤、レベリング剤、帯電防止剤、粘度調整
剤、貯蔵安定剤、抗菌剤、防腐剤、滑り止め剤、塗膜ひ
び割れ防止剤、密着促進剤、分散剤、界面活性剤、体質
顔料、離型剤、シランカップリング剤、安定剤、難燃剤
など)が配合されていてもよい。
【0033】本発明に使用する紫外線硬化型コーティン
グ剤は、基材へ塗布する際、無溶剤でもよいが、塗布適
正を与えるために、有機溶剤や水などを加えたものを用
いても良い。有機溶剤の例としては、例えば、キシレ
ン、トルエンのような芳香族系、酢酸エチル、酢酸ブチ
ルのようなエステル系、メタノール、エタノールのよう
なアルコール系等が挙げられる。水を溶剤として用いた
場合、その形態には限定はなく、例えば、エマルショ
ン、分子分散、ディスパーション等が挙げられる。作業
者の健康と環境への負荷を考慮して、溶剤を用いる場合
は水を溶剤としたこれらの形態とするのが好ましい。
【0034】〔2〕コーティング剤に290nm未満の
波長の紫外線を照射して硬化塗膜を形成すること 本発明において上述したような紫外線硬化型コーティン
グ剤の硬化には、その波長が290nm未満の紫外線を
使用する。本発明の硬化塗膜の形成方法では、上記のよ
うに紫外線硬化型コーティング剤に光安定剤が配合され
ているので、290nm未満の紫外線を塗膜の硬化に使
用しても紫外線硬化型コーティング剤中の光重合性樹脂
が不所望に劣化してしまうことが防止され、上記波長の
紫外線を使用した硬化塗膜の形成が可能となる。これに
よって、従来の高圧水銀灯を光源とする紫外線の場合と
は異なり、照射エネルギーが熱や可視光になりにくく該
エネルギーを効率的に塗膜の硬化に利用し得るため、塗
膜の硬化速度を向上させることができ、かつ被照射基材
の加熱昇温や作業中の作業者の火傷を抑制することがで
きる。中でも、さらなる塗膜の硬化速度の向上の観点か
らは、さらに短波長の紫外線を使用するのがより好まし
い。光重合性樹脂の硬化は、樹脂の種類、光重合開始剤
の種類、量、その塗布厚などによって大きく変化する
が、一般的な硬化に必要な照射量は、0.1mJ/cm
2〜5000mJ/cm2程度である。
【0035】本発明の硬化塗膜の形成方法の手順として
は、たとえば、次のとおりである。まず上述の紫外線硬
化型コーティング剤を基材に塗布する。必要に応じて、
基材に紫外線硬化型コーティング剤を塗布する前に、プ
ライマー(アンダーコート剤)を基材に塗布してもよ
い。アンダーコート剤には、必要に応じて光安定剤や紫
外線吸収剤を添加して使用してもよい。プライマーとし
ては、特に制限はなく、従来公知のものを適宜使用する
ことができる。コーティング剤の塗布方法としては、公
知の方法に従って行えば良く、例えば、エアスプレー、
エアレススプレー、ムートン、刷毛、ローラー、モッ
プ、静電・電着塗装等により塗布すればよい。コーティ
ング剤を乾燥させた後、290nm未満の波長を有する
紫外線を照射し、塗膜を硬化させて、硬化塗膜を形成す
る。乾燥は、自然乾燥によってもまた適宜の乾燥用の器
具を使用してもよい。なお塗膜は、基材上に複数層形成
してもよい(たとえば、塗膜を乾燥した上から、コーテ
ィング剤を塗布し、乾燥後、紫外線を照射して、複数層
の塗膜を硬化させる。)。なお、本発明で使用する29
0nm未満の波長を有する紫外線にて略均一に塗膜の硬
化を行える観点からは、形成する硬化塗膜の厚み(複数
層の塗膜を一度に硬化させる場合においては、各層の厚
みの合計)は、1μm〜100μmであるのが好まし
い。
【0036】本発明の硬化塗膜の形成方法における基材
としては、壁、階段、床、家具などの屋内にあるものは
勿論のこと、従来適用が困難であった、屋外壁、屋根、
自動車など屋外もしくは屋外で使用される構造体であっ
てもよい。本発明によれば、上記の一連の作業を、使用
する紫外線以外の太陽光などの紫外線による悪影響に留
意する必要なく、たとえば日中、屋外であっても好適に
施工することができる。さらに、得られた塗膜が高い耐
候性を有するため、壁、屋根、自動車などのためのコー
ティング剤として、極めて好ましい。
【0037】
〔光重合開始剤〕
A:ルシリンTPO(BASF社製) B:ダロキュア1173(チバ・スペシャリティ・ケミ
カルズ株式会社製) 〔光安定剤〕 <紫外線吸収剤> A:チヌビン928(チバ・スペシャリティ・ケミカル
ズ株式会社製、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤) B:チヌビン400(チバ・スペシャリティ・ケミカル
ズ株式会社製、トリアジン系紫外線吸収剤) <HALS> C:チヌビン111FD(チバ・スペシャリティ・ケミ
カルズ株式会社製) D:チヌビン123(チバ・スペシャリティ・ケミカル
ズ株式会社製) 〔希釈剤〕 A:酢酸エチル B:水 〔照射装置〕 A:主として高圧水銀灯より発生する紫外線を利用した
照射装置(アイグラフィックス(株)製、L100相
当)(照射能力:40〜50m2/時間) B:主とし低高圧水銀灯より発生する紫外線(254n
m)を利用した照射装置(アイグラフィックス(株)
製、W100相当)(照射能力:250〜300m2
時間) C:主としてエキシマレーザより発生する紫外線(19
3nm)を利用した照射装置(スキャニング機能付き)
(照射能力:1000〜1200m2/時間) D:主としてNdYAGレーザに波長変換素子(ボレー
ト系結晶)を利用し、それにより変換された紫外線(2
66nm)を利用した照射装置(スキャニング機能付
き)(照射能力:1000〜1200m2/時間) 以下、各組み合わせおよび配合量を表に示す。なお表
中、光重合性樹脂、光重合開始剤、光安定剤、希釈剤の
配合の単位は、「重量部」である。
【0038】
【表1】
【0039】
【表2】
【0040】
【表3】
【0041】
【表4】
【0042】
【表5】
【0043】
【表6】
【0044】
【表7】
【0045】
【表8】
【0046】
【表9】
【0047】〔評価試験〕(1)耐候性 DPWL−5(スガ試験機(株)製)を使用して、実施
例1〜60および比較例1〜26で得られた各硬化塗膜
の光沢の変化を測定し、耐候性の評価を行った。初期光
沢より20低下するまでの時間〔時間〕を測定した。
【0048】(2)耐紫外線性(太陽光による白化) 実施例1〜60および比較例1〜26の各コーティング
剤を基材に塗布後、太陽光により白化しなくなるまでに
要した太陽光紫外線に暴露しない環境下での乾燥時間を
測定し、下記のように耐紫外線性の評価を行った。 ◎:0分 ○:5分以下 △:5分を超えて10分以下 ×:10分以上
【0049】(3)耐汚染性 実施例1〜60および比較例1〜26で得られた硬化塗
膜にPILOT INK(RED)を滴下後、3時間放
置して、59%メタノールで拭き取って、残ったインク
を目視にて観察して、下記のように評価した。 ◎:全く残らない ○:少し残る ×:大部分残る
【0050】(4)硬化速度 上記(3)の試験において、耐汚染性がその配合におい
て最良となるまでの最短の照射時間を測定した。
【0051】以下、評価試験の結果を、表に示す。
【0052】
【表10】
【0053】
【表11】
【0054】
【表12】
【0055】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明に
よれば、従来よりも硬化の速度が早く、かつ屋外にも好
適に適用可能な硬化塗膜の形成方法を提供することがで
きる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山村 信雄 愛知県津島市神守町字中ノ折73番地 株式 会社玄技術研究所内 Fターム(参考) 4J011 AA01 AA03 AC04 PA43 PB24 QB12 QB20 QB24 SA01 SA02 SA04 SA06 SA07 SA14 SA15 SA16 SA17 SA21 SA25 SA26 SA27 SA31 SA34 SA41 SA46 SA47 SA61 SA63 SA64 SA72 SA75 SA77 SA79 SA83 SA84 UA01 WA02 4J027 AB36 AE01 AG03 AG04 AG09 AG13 AG14 AG23 AG24 CD08 4J038 DB211 DD181 DG111 DG121 DG131 DG191 DG271 DG281 JB02 JB35 KA12 NA03 PA17 PB05

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光重合性樹脂と、光重合開始剤と、光安
    定剤とを必須成分として含有する紫外線硬化型コーティ
    ング剤を基材に塗布後、290nm未満の波長の紫外線
    を照射して、硬化塗膜を形成する方法。
  2. 【請求項2】 光安定剤が、290nm以上に紫外線吸
    収スペクトルをもつ紫外線吸収剤である請求項1に記載
    の方法。
  3. 【請求項3】 光安定剤が、ヒンダードアミン系光安定
    剤である請求項1に記載の方法。
  4. 【請求項4】 光安定剤が、290nm以上に紫外線吸
    収スペクトルをもつ紫外線吸収剤とヒンダードアミン系
    光安定剤との混合物である、請求項1に記載の方法。
  5. 【請求項5】 前記紫外線吸収剤が、ベンゾトリアゾー
    ル系化合物である、請求項2または4に記載の方法。
  6. 【請求項6】 光重合性樹脂が、ウレタン(メタ)アク
    リレート樹脂を含有するものである、請求項1〜5のい
    ずれかに記載の方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003277692A (ja) * 2002-01-15 2003-10-02 Gen Gijutsu Kenkyusho:Kk 水性光硬化型コーティング剤および硬化塗膜
JP2012241319A (ja) * 2011-05-16 2012-12-10 Asire Inc 金属パネルの改修方法
WO2014003139A1 (ja) * 2012-06-29 2014-01-03 ソマール株式会社 エネルギー線硬化型樹脂組成物及びこれを利用した耐候性ハードコートフィルム
CN113755094A (zh) * 2019-03-12 2021-12-07 浙江纳美新材料股份有限公司 一种木器专用uv色浆

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