JP2003176189A - 骨灰のりん酸安定製法と肥料への活用 - Google Patents

骨灰のりん酸安定製法と肥料への活用

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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】骨灰は肥料取締法では特殊肥料となっている。
その主因は高熱処理するので、品質が不安定、製品はバ
ラツキが多いなどの懸念があるためである。骨灰の燐酸
分利用拡大のため、骨灰の肥効を確認し、複合肥料に相
応しい品質の安定を確保する。 【解決手段】CP成分(ク熔性燐酸)は800±50℃
程度が高く1000℃以上で焼成すると急激に不安定と
なり、TP(全燐酸)は増加するがCP成分は低下す
る。1300℃以上になると物性が極端に不安定になる
が、最低値CP12%(余剰成分を無視)程度は確保で
きることから、焼成炉内温度を1300℃以下で管理す
る必要がある。市販の熔成燐肥、脱膠骨粉等を対照に栽
培試験を行ったが、TPベースは少し劣るが、CPベー
スでは全く差異はなかった。以上より、一定の温度管理
で製造すると、骨灰でも複合肥料などの原料に活用でき
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】わが国の肥料取締法が制定されて以来、骨
灰は特殊肥料の分類域を越えて利用拡大することもなく
埋もれてきた。そもそも、骨灰は肥料成分価値を有して
いるが、これに類した動物肥料には蒸製骨粉、脱膠骨
粉、生骨、魚燐などがあり、普通肥料として、肥料単肥
や複合肥料の原料に利用されてきた。それ故に、だれも
骨灰を複合肥料に混合して利用することについて研究開
発をしようとしなかった。1表を見ても明らかな通り、
現在の肥料取締法の規格分類では特殊肥料に位置してい
るにも関わらず、肥料全体では極少ない生産、輸入実績
となっている。このことは、過去において肥料に利用す
る意識に疎いものであったかを示す一つの証と言える。 その点に着眼して、骨灰というりん酸資源を蘇らせるた
め、検討、研究を重ねてきた。そもそも、わが国では肥
料に馴染みの薄い商品である。中国、欧州など諸外国で
は磁器の原料として製造されており、焼成する技術は諸
外国には多く存在している。しかし、磁器用が中心であ
って、肥料の原料として利用する目的で骨を焼成するこ
とは殆どない実態である。その主因はわが国の肥料取締
法に依拠するところにもあるが、それに対抗して法改正
に向かって積極的な取り組みをしなかった。骨灰の肥料
成分が安定せず、ロット毎にバラツキが多く、使用には
困難との考えに基づくと思われる。肥料取締法上の骨灰
の定義は「骨を空気の流通下で1,000℃以上で焼成
したもの」となっている。この定義に準拠した製品の開
発に取組む経過で、骨灰に対する特徴が明らかとなって
きた。
【0002】骨を熱焼する場合、焼成温度が高く長時間
になるほど、骨は脱水し、含有物の油分や炭化物などは
灰化しTP(骨に含有する全りん酸分)が高まる。一
方、植物の生育に肥料に有効なク溶けるりん酸分(りん
酸測定の溶媒として2%ク塩酸に溶けるりん酸分:CP
と略記される)は減少していく。(参考:原因は、一
般に骨に含まれる有機結合したりん酸分が高温熱焼によ
り、分解し他の塩基物質と反応してヒドロキシアパタイ
ト等を形成することも,X線回折で明らかとなった) このようなことから、肥料成分の評価で見れば、比較的
低温で焼成する方が好都合であるが、蛋白態窒素が残る
恐れもある。蛋白態窒素が残ると、カビや微生物の繁殖
により経時変化する場合もあり腐敗や病原菌の棲息の懸
念もある。特に、蛋白プリオンが病巣と思われる狂牛病
などにも配慮せねばならない。そのために、肥料への利
用を目的の場合は、CPの高まる800℃程度で燃焼す
るのが好ましい(実験ではCPでは21〜27%が検出
した)。それより高温でも肥料の原料に利用可能なCP
は十分に確保されるが、高温になるほど肥料成分では不
安定になる。したがって、磁器用と肥料用とは焼成温度
を異にして製造管理する必要であることが、本研究で明
らかとなった。今までは、骨灰の用途目的を区分しない
ままに、りん酸を含むものとして極少量が利用されてき
たに過ぎない。現行の肥料取締法にあっては既記した通
り、特殊肥料分類であり、複合肥料(化成肥料や配合肥
料など)の原料として混合してはならないこととなって
いる。骨灰を肥料目的にあった製法で管理することによ
り、複合肥料の原料に活用できることが判明した。 注:800℃±50℃で熱処理を行うと狂牛病のプリオ
ンは不活性になる:このことは、既に精糖用あるいは飲
料浄化の活性剤として骨炭の使用が容認されている。ま
た、食品安全検査においては500℃、1時間加熱処理
により、蛋白質は完全に炭化するとも言われている。骨
類の加熱によるりん酸分のバラツキ分布を整理したのが
参考資料です。 温度が高くなるに従って、りん酸分の最高、最低成分の
巾が大きくなる特性を有していることが明確となった。
肥料で利用するには問題である。一方、磁器ではりん酸
や他の塩基類とより強固に結合することにより、磁器の
硬度や光沢が確保されるとの観点から、より高温で焼成
されてきた。肥料とは異なりCP分は軽視され、りん酸
−カルシュームの結合形態を中心に骨灰が製造・販売さ
れている。磁器用の骨灰ではりん酸ベースでは玉石混合
となり、この結果、磁器用の骨灰では肥効の評価がなさ
れ難く、作物の栽培にも不安を残してきた。その点から
今まで、骨灰のりん酸は堆肥程度にしか利用されず、特
殊肥料の範疇に留まり、複合肥料に利用拡大できなかっ
たと思われる。
【0003】肥料目的で骨灰を求めるなら、りん酸分の
安定が重要であり、そのためには、III表に示される
ように、動物の種類によっても焼成した場合に肥料に有
効なCPが異なることも判明した。 牛など哺乳動物に対して家禽類は有効なりん酸分が少な
い。骨灰についても同様のことが言える。肥料用の骨灰
で高い成分のりん酸分を求めるなら、豚牛、低い成分で
もよいなら、家禽類の骨でもよいと思われる。肥料用の
安定した骨灰を確保するには、焼成前の原骨では動物の
種類別に骨灰の製品化をすることが望ましい。
【0004】肥料の原料である天然の燐鉱石の産地が縮
小ないし枯渇しつつある今日、りん酸質は植物の栄養で
は必須要素成分だけに、骨灰の用途拡大は大切である。
骨灰が複合肥料の原料に利用できれば、肥料製造業者は
原料の選択巾が広がり複合肥料の製造や需要者のニーズ
にあった銘柄への対応がしやすくなる。また、肥料需要
者の農家などは、作物栽培に最適な銘柄を得やすくな
る。特に、環境負荷軽減が農業にも求められており、肥
培管理面では適正施肥が不可避であり、複合肥料の銘柄
は多様化している。複合肥料原料に骨灰を活用するため
には何が問題か検討し、焼成温度の管理がもっとも大き
な課題との結論を得た。 加熱ともに成分のTPは上昇するが、肥料に有効なCP
は低下する。III表のように、一般に行われている製
法は、油分、膠質を除去する過程を経た骨類(脱膠骨、
蒸製骨類)では1300℃以上の高熱では有効成分のC
Pは相当低下することが分かった。また、生骨から天日
乾燥程度の原骨の場合は、上記のように事前の加熱がな
いので、100℃程度温度を上回っても比較的安定的で
あるが、1300℃以上では同様に不安定となった。そ
れ故に、少なくとも1250〜1300℃以下で焼成維
持することでないと、複合肥料の原料骨灰が確保され難
くなる。複合肥料に使用する原料として「肥料の適正成
分が確保され、バラツキも少ないこと」の条件は、骨灰
でも求められる。これ以下の温度管理でないと、肥料の
原料に利用できる成分(余剰成分を考慮すると最低値C
P13%以上)が確保されないことになることを発見し
た。この研究成果から肥料用の骨灰に関して投下熱量
(熱量×時間)について検討したのが下記の表IVであ
る。 燃焼炉の機種によって、原骨を炉に投入して後、一定温
度に達するまでに、加熱がなされ、一概に投下熱量を確
定するまで至らないが、いずれの炉でも1300℃以上
になると骨灰のCP成分は低下と極端に不安定になるこ
とが判明した。1300℃以上で焼成した骨灰は複合肥
料の原料に余り適正ではなかった。
【0005】骨灰の成分CPが実際の植物栄養に供する
効果について確認試験を行った栽培試験成績を表Vに示
した。骨灰を供試区、普通肥料の熔成りん肥、脱膠骨粉
等を対照区とする比較試験を実施した。要素成分の施肥
量は同量としたが、全く肥効に遜色がないことが確認で
きた。 今まで骨灰は肥料取締法の分類では特殊肥料に位置付け
られてきたが、殆ど利用されてこなかった。そこで骨灰
の燐酸分が複合肥料の原料に使用できないか栽培試験を
行った。骨灰のTPは普通肥料と同等の効果を得るのは
難しいが、CPベースでは十分利用が可能と評価を得る
ことができた。以上の植物栽培試験結果からも骨灰が複
合肥料の原料として利用できることが確認された。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】骨灰を複合肥料の原料として使用すること
  2. 【請求項2】複合肥料の原料として使用する目的で13
    00℃以下で焼成した骨灰及びク溶性燐酸含有率12%
    以上有する骨灰を製造したり販売すること
  3. 【請求項3】骨灰を複合肥料の原料とした肥料を製造、
    またはその肥料を販売すること
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