JP2003175491A - 積載シートの状態判別方法及び積載シートの断裁装置 - Google Patents

積載シートの状態判別方法及び積載シートの断裁装置

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JP2003175491A
JP2003175491A JP2001380199A JP2001380199A JP2003175491A JP 2003175491 A JP2003175491 A JP 2003175491A JP 2001380199 A JP2001380199 A JP 2001380199A JP 2001380199 A JP2001380199 A JP 2001380199A JP 2003175491 A JP2003175491 A JP 2003175491A
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cutting
stacked
sheet
mark
stacked sheets
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JP2001380199A
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Hiroteru Murata
博照 村田
Masahiro Ishiwatari
政弘 石渡
Kiyoshi Yumikura
清 弓倉
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KYODO SEIKI KK
National Printing Bureau
Original Assignee
KYODO SEIKI KK
Printing Bureau Ministry of Finance
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Abstract

(57)【要約】 【課題】積載シートの傾き角度、シート全体のばらつき
の程度や方向、積載シートの反りなどを容易に検出する
ことができる積載シートの状態判定方法を提供する。 【解決手段】 積載された各シートの余白部分25に
は、直角三角形をした2つの断裁マーク26を印刷して
いる。この断裁マーク26が設けられている位置で積載
シート1をブレード19により予備断裁する。断裁され
た積載シート1の断裁面における断裁マーク26のパタ
ーンを撮像装置23で撮影して、断裁マーク26のパタ
ーンを画像として取り込む。この画像からは、ブレード
19に対する単位印刷領域24の傾きや印刷位置のばら
つき等を検出することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、積載シートの状態
判別方法及び積載シートの断裁装置に関する。特に、積
載シートの余白断裁と単位印刷領域の断裁を行うにあた
って、断裁テーブル上における積載シートの載置角度や
基準断裁位置、印刷位置のばらつきなどを判別するため
の方法と、積載シートを精度良く断裁するための装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来、印刷されたシートを積載した積載
シートの余白断裁及び単位印刷領域の断裁を行う際に
は、多くは作業者が積載シートを断裁装置に送り込み、
バックゲージに積載シートの後端面を突き当てた後、バ
ックゲージで断裁位置まで積載シートを押し出し、印刷
時に付与された断裁マークを基準として断裁を行ってい
る。
【0003】また、プッシャーで積載シートの後端面を
押して間欠的に送り出し、積載シートを小ブロックに断
裁する断裁装置も用いられている。
【0004】さらに、グリッパーを用いて積載シート前
端をクランプし、積載シートをブレードの下に通して所
要寸法引き出し、積載シートの断裁部位をブレードの直
下に位置させてブレードで断裁する装置も知られてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、積載シ
ートをバックゲージで送り出して断裁する装置や、積載
シートをプッシャーで押し出して断裁する装置などで
は、バックゲージやプッシャーで押される後端面の基準
出しを行う必要がある。すなわち、バックゲージやプッ
シャーで押す面が正規の断裁面と平行となるよう、はじ
めに余白部分を断裁する必要がある。
【0006】グリッパーを用いて積載シートを引き出し
ながら断裁する装置でも、積載シートをグリッパーに掴
ませる際に、積載シートの正規の断裁面とブレードの方
向とが平行となるように掴ませて積載シートの基準出し
を行う必要がある。
【0007】従来の断裁装置では、上方に設置されたカ
メラで積載シートをモニターしているだけであるので、
積載シートの傾き角度の検出を精度良く行うことができ
ず、このような積載シートの基準出し作業は、作業者の
手作業により行われており、機械により自動化すること
は困難であった。
【0008】また、従来の断裁装置では、上方に設置さ
れたカメラで積載シートの断裁箇所を監視して断裁位置
をブレードに合わせているので、一番上のシートしか断
裁位置を合わせることができず、各シート間における印
刷位置のばらつきや、積載シートを断裁装置に搬入する
際のシート間のずれ等により、積載された各シート間の
印刷位置のずれが大きいと、一番上のシートの印刷位置
は断裁位置がブレードに一致していても、下のシートで
は断裁位置がブレードの位置から大きくずれてしまう恐
れがあった。
【0009】さらに、従来の断裁装置では、一番上のシ
ートしか見ることができないので、積載されたシートの
間の印刷位置のばらつきの程度や方向、グリッパーによ
る把持不良による積載シートの反りやうねりなどを検出
することができなかった。
【0010】本発明は、上記課題を解決するためになさ
れたものであって、その目的とするところは、積載シー
トの傾き角度、シート全体のばらつきの程度や方向、積
載シートの反りなどを容易に検出することができる積載
シートの状態判定方法を提供することにある。また、本
発明は、積載シートの傾き角度を検出して積載シートの
傾きを自動補正し、積載シートを精度良く断裁すること
ができる積載シートの断裁装置を提供することにある。
【0011】
【発明の開示】本発明の請求項1に係る積載シートの状
態判別方法は、積載された各シートに一方から他方に向
けて次第に幅が変化する領域を有するマークを形成して
おき、積載シートを断裁テーブルに載置して当該マーク
の形成されている位置を通るようにして積載シートを断
裁した後、積載シート断裁面における当該マークのパタ
ーンに基づいて積載シートの状態を判別することを特徴
としている。ここで、マークは、撮像装置でとらえられ
るものであればよく、例えばシートへの印刷、シートの
打ち抜きなどで形成することができる。また、マークの
幅は、一方から他方に向けて連続的に変化していること
が望ましい。さらに、積載シートの状態とは、断裁テー
ブルに載置された積載シートの傾き、積載された各シー
トのばらつきの程度やその方向、積載されたシートの反
り、断裁面と単位印刷領域の境界との距離などをいう。
【0012】請求項1に記載された積載シートの状態判
別方法にあっては、積載された各シートにマークを形成
しておき、積載シート断裁面における当該マークのパタ
ーンに基づいて積載シートの状態を判別しているので、
断裁面におけるマークのパターンから、断裁テーブルに
載置された積載シートの傾きを検出することができる。
例えば、各シートに複数のマークが形成されている場合
であれば、各マークのパターンの幅の違いに基づいて積
載シートの傾きを判定することができる。また、各シー
トに1つのマークが形成されている場合には、断裁面に
おけるマークのパターンの重心の移動から、積載シート
の傾きを判定することができる。
【0013】また、断裁面におけるマークのパターンに
基づいているので、断裁面と平行な方向における各シー
トの印刷位置のばらつきはパターンの縁のばらつきとな
って現れ、パターンのばらつきから断裁面と平行な方向
における印刷位置のばらつきの程度を判定することもで
きる。
【0014】さらに、積層されたシートに形成されてい
るマークの幅は、一方から他方に向けて次第に幅が変化
しているので、断裁面と平行な方向における印刷位置の
ばらつきだけでなく、断裁面と垂直な方向における印刷
位置のばらつきも検出することができる。すなわち、断
裁面と垂直な方向における各シートの印刷位置のばらつ
きもパターンの縁のばらつきとなって現れる。
【0015】さらには、積載シートの反りなども検出す
ることが可能になる。
【0016】しかも、本発明にあっては、断裁面におけ
るマークのパターン、すなわちブレードを基準にしたマ
ークの位置から積載シートの状態を判定することができ
るので、測定誤差が入り込みにくく、精度の高い判定を
行うことができる。
【0017】本発明の請求項2に係る実施態様は、請求
項1に記載の積載シートの状態判別方法における積載シ
ートの状態の前記判別結果に基づいて、積載シートの角
度を補正することを特徴としている。すなわち、本発明
による積載シートの状態判別方法にあっては、断裁テー
ブルの上の積載シートの傾きを検出することができるの
で、この判断結果に基づいて積載シートの傾き(ブレー
ドに対する傾き、正規の断裁方向に対する傾きなど)を
容易に補正することができる。また、積載シートの断裁
面の位置も、断裁面におけるマークのパターンの平均的
な値から判定することができるので、当該断裁位置を基
準として余白や単位印刷領域を断裁する際、断裁位置の
ずれが小さくなる。よって、補正された状態を基準にし
て余白断裁や単位印刷領域の断裁を行うことにより積載
シートを精度良く断裁することが可能になる。
【0018】本発明の請求項3に係る実施態様は、請求
項1に記載の積載シートの状態判別方法における積載シ
ートの状態の前記判別結果に基づいて、積載シートの断
裁を中止することを特徴としている。すなわち、本発明
による積載シートの状態判別方法にあっては、積載シー
ト全体の印刷位置のばらつきを判断することができるの
で、この判断結果により、印刷位置のばらつきが所定基
準以上であった場合には、積載シートの断裁を中止する
ことにより、無駄な断裁作業を省いたり、あるいは、積
載シートを再度揃え直したりすることができる。
【0019】本発明の請求項4に係る実施態様は、請求
項1、2又は3に記載の積載シートの状態判別方法にお
ける前記マークが、各積載シートに複数形成されている
ことを特徴としている。各シートにマークを複数形成し
てあれば、断裁テーブル上において積載シートが傾いて
いる場合には、断裁面における各マークの幅が互いに異
なるので、積載シートの傾きの検出がより容易になり、
積載シートの傾きの補正をより容易かつ高精度に行え
る。
【0020】本発明の請求項5に係る実施態様は、請求
項1、2、3又は4に記載の積載シートの状態判別方法
における前記マークが、三角形をしていることを特徴と
している。一方から他方に向けて次第に幅が変化する領
域を有するマークとして三角形のマークを用いれば、マ
ークの幅と断裁位置との関係が線形になるので、断裁位
置のずれや積載シートの傾きの判定がより容易になる。
【0021】本発明の請求項6に係る実施態様は、請求
項1、2、3、4又は5に記載の積載シートの状態判別
方法における前記マークが、正規の断裁方向と直交する
辺を有していることを特徴としている。マークが正規の
断裁方向(ブレードと平行にすべき方向)と直交する辺
は、シートの印刷位置が正規の断裁方向にずれると同じ
ようにずれるが、シートの印刷位置が正規の断裁方向と
直交する方向にずれてもずれないので、印刷位置のばら
つきの方向を判別することが可能になる。
【0022】本発明の請求項7に係る積載シートの断裁
装置は、各シートにマークを施された積載シートの余白
断裁及び単位印刷領域の断裁を行う断裁装置であって、
回転機構を備えた断裁テーブルと、断裁テーブルの上に
載置された積載シートを断裁するためのブレードと、前
記ブレードによって断裁された積載シートの断裁面を撮
影する撮像装置と、前記撮像装置により撮影された、積
載シートの断裁面における前記マークのパターンの画像
に基づいて積載シートの状態を判別する手段とを備えた
ことを特徴としている。
【0023】本発明の請求項7に記載された積載シート
の断裁装置にあっては、積載シートの断裁面におけるマ
ークのパターンの画像に基づいて積載シートの傾きやば
らつき具合等を判別した後、当該判別結果を利用して断
裁テーブルを回転又は移動させ、積載シートを自動的に
正規の状態に補正することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】(第1の実施形態)図1(a)
(b)は、本発明の一実施形態による積載シートの断裁
装置を示す平面図及び断面図である。これは、作業者に
よる人手作業を省いた自動断裁装置となっている。図1
(a)(b)に示すように、本発明の積載シートの断裁
装置は、搬入された積載シート1を支持するための、略
円盤状をした回転テーブル2を備えている。回転テーブ
ル2は、移動テーブル3内に埋め込むように設置されて
おり、回転テーブル2の上面と移動テーブル3の上面と
は同じ高さで平坦に(すなわち、面一に)形成されてい
る。図2は移動テーブル3内に納められた回転テーブル
2を示す拡大断面図である。回転テーブル2は、回転駆
動機構により回転駆動され、載置された積載シート1と
断裁部4との角度調整を行うようになっている。回転テ
ーブル2を回転駆動するための機構は、テーブル駆動用
のサーボモータ5と、該モータ5の動力を減速して出力
させる駆動ボックス6と、駆動ボックス6からの回転出
力を伝達して回転テーブル2を回転させるためのギヤ7
とからなり、回転テーブル2は回転軸Pを中心として回
転する。
【0025】また、回転テーブル2には、回転テーブル
2の上面に載置された積載シート1の縁を掴んで固定す
るためのグリッパー機構8a、8b、8cが複数設けら
れている。図2に示すように、グリッパー機構8bは、
グリッパー架台9、下側流体シリンダー10、グリッパ
ー11、上側流体シリンダー12より構成されており、
回転テーブル2の上に積載シート1が載置されると、下
側流体シリンダー10がグリッパー架台9を押し上げ、
グリッパー11が積載シート1の上面より高くなる位置
までグリッパー架台9を上昇させる。ついで、積載シー
ト1の縁をグリッパー架台9の基準面に突き当てて積載
シート1の縁を位置決めした後、上側流体シリンダー1
2によりグリッパー11を積載シート1が押さえられる
位置まで押し出し、下側流体シリンダー10によりグリ
ッパー架台9を下降させ、グリッパー11で積載シート
1の縁を押さえて固定する。また、下側流体シリンダー
10でグリッパー11を上昇させれば、固定していた積
載シート1を解放することができる。図示しないが、他
のグリッパー機構8a、8cもグリッパー機構8bと同
様な構造を有しており、同様な動作を行う。
【0026】移動テーブル3は、回転テーブル2の上に
載置された積載シート1の前後方向の位置調整を行う。
移動テーブル3は、断裁機架台13に堅固に固定された
ガイドレール14上を移動するスライドベアリング(図
示しない)に固定されている。また、移動テーブル3の
下方には送りネジ15が設置されており、移動テーブル
3と送りネジ15は、支持金具16により連結されい
る。送りネジ15は、サーボモータ17と、該モータ1
7に接続された駆動ボックス18により正逆どちらの方
向にも回転可能であり、送りネジ15を回転させること
により移動テーブル3を前後いずれの方向にも移動させ
ることができる。
【0027】移動テーブル3の通過領域の上方には、積
載シート1を断裁するための断裁部4が設置されてい
る。断裁部4は、断裁用のブレード19と断裁クランプ
20とを備えている。
【0028】移動テーブル3の上方には、積載シート1
を上方から撮影して搬入された積載シート1の位置を読
み取るCCDカメラのような撮像装置21が設置されて
いる。この撮像装置21からの信号は制御装置22に送
られ、積載シート1に印刷されている断裁マークの位置
を読み取ることによって、積載シート1の位置を検出す
る。
【0029】また、移動テーブル3の前方には、積載シ
ート1の断裁面における断裁マークのパターンを読み取
るCCDカメラ等の撮像装置23が設置されている。こ
れらの撮像装置23からの信号は制御装置22に送ら
れ、予め制御装置22に記憶させてあるプログラムに従
って断裁マークのパターンから断裁面の位置や積載シー
ト1の角度が演算される。
【0030】図3は、複数枚のシートを揃えて積載した
積載シート1を示す平面図である。積載されている各シ
ートには、断裁して個々に切り離される単位印刷領域2
4毎に印刷(例えば、同一の印刷)が施されており、単
位印刷領域24の前後左右には余白部分25が設けられ
ている。各シートの一方端部(例えば、前端部)に位置
する余白部分25には、直角三角形状をした断裁マーク
26が左右2箇所に印刷されている。断裁マーク26
は、単位印刷領域24の印刷と同時に印刷されており、
断裁マーク26と単位印刷領域24とは、予め定められ
た所定の位置関係と所定の距離を保っている。また、左
右の断裁マーク26は左右対称に形成されており、断裁
マーク26の一辺26aは、正規の断裁方向(単位印刷
領域24の一対の縁24aに平行な方向)と平行になっ
ており、隣接する別な一辺26bは、正規の断裁方向と
直交する方向(単位印刷領域の別な一対の縁24bに平
行な方向)と平行になっている。
【0031】次に、上記断裁装置により積載シート1を
断裁する工程を、図4〜図7に従って説明する。図4
(a)に示すように積載シート1が断裁装置に搬入され
ると、積載シート1は、矢印イ方向へ送られて回転テー
ブル2の上に載置され、図4(b)に示すように、2箇
所のグリッパー機構8a、8bで固定され、グリッパー
機構8a、8bのグリッパー架台9(図2に図示)で2
辺を位置決めされる。ついで、上方の撮像装置21(図
1に図示)で積載シート1が撮影され、断裁マーク26
の位置が認識される。断裁マーク26が認識されると、
移動テーブル3が断裁部4(図1に図示)の方向ロへ移
動し、断裁マーク26がブレード19の真下に達したこ
とが撮像装置21によって確認されると、移動テーブル
3が停止する。
【0032】断裁マーク26がブレード19の真下とな
った状態で積載シート1が停止すると、図5に示すよう
に、断裁クランプ20が下降して断裁位置で積載シート
1の余白部分25を押さえ付け、ついで、ブレード19
が降下して断裁マーク26の位置(図6(a)の一点鎖
線の位置)で積載シート1を予備断裁する。こうして予
備断裁された積載シート1の断裁面Cには、図6(b)
に示すように、断裁マーク26の端(切り口)が露出
し、断裁マーク26のパターンが現れる。
【0033】このとき、積載された各シートの印刷が正
確に揃っており、また、図6(a)に示すように、積載
シート1の正規の断裁方向がブレード19と平行に揃っ
ている場合には、図6(b)に示すように、断裁面Cに
おける断裁マーク26のパターンは、縁の揃ったきれい
な長方形となり、かつ、左右のパターン幅が等しくな
る。
【0034】このように断裁面における断裁マーク26
のパターン幅が等しいことからは、単位印刷領域24の
縁24a(正規の断裁方向)がブレード19と平行にな
っていることを確認できるので、積載シート1の角度
(左右の傾き)を補正する必要のないことが分かる。ま
た、断裁面における断裁マーク26のパターン幅Wから
は、断裁マーク26の断裁位置(断裁面Cの位置)を知
ることができるので、断裁面Cと単位印刷領域24の端
までの距離Lを演算することができる。よって、移動テ
ーブル3を演算距離Lだけ前進させて単位印刷領域24
の前方の縁24aをブレード19の直下に合わせ、再度
ブレード19で積載シート1を断裁することにより、図
7(a)に示すように、前方の余白部分25を正確に除
去して単位印刷領域24の端で積載シート1を断裁する
ことができる。
【0035】ついで、回転テーブル2を正確に90度回
転させて単位印刷領域24の右の縁24bをブレード1
9と平行に揃える。そして、単位印刷領域24の右の縁
24bがブレード19の直下に位置するように移動テー
ブル3を移動させ、図7(b)に示すように、ブレード
19で積載シート1を断裁し、右方の余白部分25を除
去する。単位印刷領域24の右の縁24bをブレード1
9の位置に合わせる方法としては、上方の撮像装置21
でモニターしながら移動テーブル3を移動させて位置合
わせする方法と、断裁面Cにおける断裁マーク26のパ
ターンから単位印刷領域24の縁24bの位置を求める
方法とがある。後者の方法は、積載シート1の右側の端
から断裁マーク26のパターンの内側の縁までの距離g
を画像から求め、その距離gを用いて積載シート1の右
側の端から単位印刷領域24の右の縁24bまでの距離
eを求め(単位印刷領域24の縁24bと断裁マーク2
6の一辺26bとの距離をfとすれば、e=g−fであ
る。)、積載シート1の右の端から距離eの位置にブレ
ード19を合わせる方法である。
【0036】次に、回転テーブル2を正確に90度回転
させて単位印刷領域24の後方の縁24aをブレード1
9と平行に揃え、グリッパー機構8cで積載シート1の
右側の縁を固定すると共にグリッパー機構8bを解放さ
せる。そして、単位印刷領域24の後方の縁24aをブ
レード19の位置に合わせ、図7(c)に示すように、
積載シート1の後端部を断裁して後方の余白部分25を
除去する。ブレード19を合わせる位置の決め方として
は、例えば、前端を断裁された積載シート1の前端面か
ら所定距離(例えば、単位印刷領域24全体の長さ)に
ある位置とすればよい。
【0037】次に、回転テーブル2を正確に90度回転
させて単位印刷領域24の左の縁24bをブレード19
と平行に揃え、グリッパー機構8bで積載シート1の後
方の縁を固定すると共にグリッパー機構8aを解放させ
る。そして、単位印刷領域24の左の縁24bをブレー
ド19の位置に合わせ、図7(d)に示すように、積載
シート1の左端を断裁して左側の余白部分25を除去す
る。ブレード19を合わせる位置の決め方としては、例
えば、右側の余白部分25を断裁した場合と同様にすれ
ばよい。
【0038】この後、回転テーブル2を正確に90度回
転させ、図7(e)に示すように、左右のグリッパー機
構8a、8cを解放して後方のグリッパー機構8bだけ
で積載シート1の後端部を固定する。そして、移動テー
ブル3で順次積載シート1を送り出しながら、単位印刷
領域24を1つずつ断裁していく。
【0039】次に、回転テーブル2に搬入された積載シ
ート1の角度やシート間の印刷位置ばらつき等が存在す
る場合に、それらの不具合を判定する方法と、不具合を
補正して積載シート1を断裁する方法について説明す
る。
【0040】図8(a)は、積載シート1の前部が左に
傾いている状態を表しており、図8(b)は、撮像装置
23で撮影された断裁面Cの様子を表している。また、
図9(a)は積載シート1の前部が右に傾いている状態
を表しており、図9(b)はそのときの断裁面Cの様子
を表している。このように積載シート1がブレード19
に対して傾いている場合には、断裁面Cにおける左右の
断裁マーク26のパターン幅は等しくならず、一方が他
方よりも幅広になるので、積載シート1が傾いていると
判断することができる。また、右の断裁マーク26のパ
ターン幅と左の断裁マーク26のパターン幅とを比較す
ることによって傾いている方向を判別することもでき、
図8(b)のように右の断裁マーク26のパターン幅W
1が左の断裁マーク26のパターン幅W2よりも大きい
場合には図8(a)のように積載シート1が左に傾いて
いると判断され、図9(b)のように左の断裁マーク2
6のパターン幅W2が右の断裁マーク26のパターン幅
W1よりも大きい場合には図9(a)のように積載シー
ト1が右に傾いていると判断される。
【0041】また、図10(a)に示すように、三角形
をした断裁マーク26の先端から後方へ向かって計った
距離をy、距離yの位置における断裁マーク26の幅を
xとすれば、このxとyとの間には、 x=ky …(1) の関係がある。ただし、kは断裁マーク26の形状によ
って決まる定数である。いま、図10(b)に示すよう
に、断裁面Cにおける右の断裁マーク26のパターン幅
がW1、左の断裁マーク26のパターン幅W2であった
とすると、上記(1)式によれば、右の断裁マーク26の
断裁位置は当該断裁マーク26の先端から後方へW1/
k、左の断裁マーク26の断裁位置は当該断裁マーク2
6の先端から後方へW2/kであることが分かる。よっ
て、左右の断裁マーク26の間の距離(例えば、重心間
の距離)をdとすれば、積載シート1の傾きθは、 より求めることができる。
【0042】よって、断裁面における断裁マーク26の
パターン幅W1、W2から積載シート1の傾きが検出さ
れた場合には、上記(2)式で表される角度θだけ回転テ
ーブル2を傾きと反対方向へ回転させることにより、単
位印刷領域24の縁24aがブレード19に対して平行
となるように補正することができる。
【0043】こうして積載シート1の角度を補正した後
は、上記図7(a)〜(e)と同様な工程を経て積載シ
ート1を個々の単位印刷領域24に切り離していく。
【0044】図11(a)は各シートの印刷位置が前後
にずれてばらついている積載シート1を表しており、図
11(b)はその断裁面Cにおける断裁マーク26のパ
ターンを示している。このような場合には、図11
(b)に表されているように、断裁面Cにおける断裁マ
ーク26のパターンの一方の縁(断裁マーク26の斜辺
に対応する側の縁)がばらつきによってギザギザになる
ので、このパターンの縁のギザギザの程度(高低差)に
よって積載シート1の前後方向へのばらつきの程度を評
価することができる。
【0045】そして、断裁面Cにおける断裁マーク26
のパターンの縁から求めた積載シート1のばらつきの程
度が大きく、基準以上であった場合には、この積載シー
ト1は断裁することなく、不良として排出する。
【0046】また、ばらつきが基準以下である場合に
は、図11(b)に示すように、断裁マーク26のパタ
ーン幅の平均値Wを計測し、この平均値Wから単位印刷
領域24の縁24aまでの距離Lを演算して単位印刷領
域24の縁24aを再度断裁する。
【0047】なお、上方の撮像装置23で撮影した画像
からも断裁面Cにおける断裁マーク26の幅Wvを求め
ることができる。しかし、この場合には、一番上の断裁
マーク26しか見ることができないので、図11(a)
(b)に示すように、撮像装置23の画像から求めた断
裁面Cにおける断裁マーク26の幅Wvは、積載シート
1全体の平均的な断裁マーク26のパターン幅Wとは大
きく異なる恐れがある。そして、そのような場合には、
その断裁マーク26の幅Wvを用いて再度断裁した積載
シート1では、個々に断裁された単位印刷領域24にお
ける印刷位置の偏りが大きくなる恐れがある。これに対
し、本発明の方法では、断裁面Cにおける画像から、断
裁マーク26のパターン幅の平均値Wを計測することが
できるので、断裁された単位印刷領域24の印刷位置の
偏りを小さくすることができる。
【0048】図12(a)は各シートの印刷位置が左右
にずれてばらついている積載シートを表しており、図1
2(b)はその断裁面Cにおける断裁マーク26のパタ
ーンを示している。このような場合には、図12(b)
に表されているように、断裁面Cにおける断裁マーク2
6のパターンの左右両側の縁がばらつきによってギザギ
ザになる。よって、このパターンの縁のギザギザの程度
(高低差)によって積載シート1の左右方向へのばらつ
きの程度を評価することができ、断裁面Cにおける断裁
マーク26のパターンの縁から求めた積載シート1のば
らつきの程度が大きく、基準以上であった場合には、こ
の積載シート1は断裁することなく、不良として排出す
る。
【0049】なお、一般的な三角形の断裁マーク26で
あれば、左右方向のばらつきによる断裁マーク26のパ
ターンのギザギザと、前後方向のばらつきによる断裁マ
ーク26のパターンのギザギザとが重畳して分離が困難
であるが、上記のような直角三角形の断裁マーク26で
あれば、左右方向のばらつきと前後方向のばらつきとを
分離することができる。すなわち、内側のギザギザ(断
裁マーク26の断裁方向と直交する一辺26bに対応す
る辺)からは単位印刷領域24の左右のばらつきを評価
することができる。また、外側のギザギザには、単位印
刷領域24の左右のばらつきと前後方向のばらつきとが
含まれているので、ここから左右方向のばらつきを除く
ことによって前後方向のばらつきも評価することができ
る。
【0050】さらに、断裁面Cにおける断裁マーク26
のパターンによれば、積載シート1の反りやうねり(波
打ち)も検出することができる。例えば、図13(a)
のように積載シート1が下方へ反っている場合には、図
13(b)に示すように断裁マーク26のパターンが台
形になり、図13(c)のように積載シート1が上方へ
反っている場合には、図13(d)に示すように断裁マ
ーク26のパターンが逆台形になるので、断裁面Cにお
ける断裁マーク26のパターンから積載シート1の反り
やうねりなどを検出することができ、その程度を評価す
ることもできる。
【0051】なお、上記実施形態では、積載シート1の
1辺のみに断裁マーク26を設けたが、積載シート1の
隣接する2辺に断裁マーク26を設けてもよい。また、
3辺以上に断裁マーク26を設けておいてもよい。
【0052】
【発明の効果】本発明の積載シートの状態判別方法によ
れば、積載された各シートにマークを形成しておき、積
載シート断裁面における当該マークのパターンに基づい
て積載シートの状態を判別しているので、断裁面におけ
るマークのパターンから、断裁テーブルに載置された積
載シートの傾きや前後左右における印刷位置のばらつき
やその程度などを判別することができる。
【0053】しかも、本発明にあっては、断裁面におけ
るマークのパターンによって積載シートの状態を判別し
ているので、一番上のシートの状態だけでなく、積載さ
れているシート全体の様子を判別することができる。さ
らには、ブレードを基準にしたマークの断裁位置から積
載シートの状態を判定することができるので、測定誤差
が入り込みにくく、精度の高い判定を行うことができ
る。
【0054】よって、本発明の積載シートの状態判別方
法によれば、積載されているシート全体の状態を高精度
に判別することができ、積載シートの積載不良のものを
検出したり、積載シートの状態や断裁位置を補正したり
することができる。
【0055】例えば、本発明にあっては、断裁テーブル
の上の積載シートの傾きを検出することができるので、
この判別結果に基づいて積載シートの傾きを容易に補正
することができる。また、積載シートの断裁面の位置
も、断裁面におけるマークのパターンの平均的な値から
判定することができるので、当該断裁位置を基準として
余白や単位印刷領域を断裁する際、断裁位置のずれが小
さくなる。よって、補正された状態を基準にして余白断
裁や単位印刷領域の断裁を行うことにより積載シートを
精度良く断裁することが可能になる。
【0056】あるいは、判別結果により、印刷位置のば
らつきが所定基準以上であった場合には、積載シートの
断裁を中止することにより、無駄な断裁作業を省いた
り、あるいは、積載シートを再度揃え直したりすること
ができる。
【0057】本発明の別な実施態様にあっては、各積載
シートに複数形成されているので、断裁テーブル上にお
いて積載シートが傾いている場合には、断裁面における
各マークの幅が互いに異なるので、積載シートの傾きの
検出がより容易になり、積載シートの傾きの補正をより
容易かつ高精度に行える。
【0058】本発明のさらに別な実施態様にあっては、
前記マークが三角形をしているので、マークの幅と断裁
位置との関係が線形になるので、断裁位置のずれや積載
シートの傾きの判定がより容易になる。
【0059】本発明のさらに別な実施形態にあっては、
前記マークが正規の断裁方向と直交する辺を有している
ので、正規の断裁方向と平行な方向のずれと、正規の断
裁方向と直交する方向のずれとを判別することができ、
印刷位置のばらつきの方向を判別することが可能にな
る。
【0060】本発明に係る積載シートの断裁装置は、各
シートにマークを施された積載シートの余白断裁及び単
位印刷領域の断裁を行う断裁装置であって、回転機構を
備えた断裁テーブルと、断裁テーブルの上に載置された
積載シートを断裁するためのブレードと、前記ブレード
によって断裁された積載シートの断裁面を撮影する撮像
装置と、前記撮像装置により撮影された、積載シートの
断裁面における前記マークのパターンの画像に基づいて
積載シートの状態を判別する手段とを備えているので、
積載シートの断裁面におけるマークのパターンの画像に
基づいて積載シートの傾きやばらつき具合等を判別した
後、当該判別結果を利用して断裁テーブルを回転又は移
動させ、積載シートを自動的に正規の状態に補正するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)(b)は、本発明の一実施形態による積
載シートの断裁装置を示す平面図及び断面図である。
【図2】同上の断裁装置を構成する移動テーブルの内部
に納められた回転テーブルを示す拡大断面図である。
【図3】複数枚のシートを揃えて積載した積載シートを
示す平面図である。
【図4】(a)(b)は、図1の断裁装置により積載シ
ートを断裁する工程を説明する概略図である。
【図5】断裁クランプが下降して断裁位置で積載シート
の余白部分を押さえ付けている様子を示す斜視図であ
る。
【図6】(a)は断裁時におけるブレードの位置を示す
図、(b)は予備断裁された積載シートの断裁面の様子
を示す図である。
【図7】(a)〜(e)は、予備断裁の後で、各辺の余
白部分を断裁する工程を説明する概略図である。
【図8】(a)は積載シートの前部が左に傾いている状
態を表わす図、(b)は予備断裁された積載シートの断
裁面の様子を表した図である。
【図9】(a)は積載シートの前部が右に傾いている状
態を表わす図、(b)は予備断裁された積載シートの断
裁面の様子を表した図である。
【図10】(a)は断裁マークの先端からの距離yと断
裁マークの幅xの定義を示す図、(b)は断裁マーク
の、ブレードに対する傾きを求める方法を説明する原理
図である。
【図11】(a)は各シートの印刷位置が前後にずれて
ばらついている積載シートを表した図、(b)は予備断
裁された積載シートの断裁面の様子を表した図である。
【図12】(a)は各シートの印刷位置が左右にずれて
ばらついている積載シートを表した図、(b)は予備断
裁された積載シートの断裁面の様子を表した図である。
【図13】(a)は積載シートが反っている様子を示す
概略側面図、(b)はそのときの断裁面の様子を表した
図、(c)は積載シートが反対向きに反っている様子を
示す概略側面図、(d)はそのときの断裁面の様子を表
した図である。
【符号の説明】
1 積載シート 2 回転テーブル 3 移動テーブル 8a、8b、8c グリッパー機構 19 ブレード 20 断裁クランプ 21 撮像装置 22 制御装置 23 撮像装置 24 単位印刷領域 25 余白部分 26 断裁マーク
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石渡 政弘 神奈川県小田原市酒匂六丁目4番20号 財 務省印刷局研究所内 (72)発明者 弓倉 清 大阪府東大阪市菱江307番地 株式会社共 同精機内 Fターム(参考) 3C024 FF02 FF04 3C027 JJ09

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 積載された各シートに一方から他方に向
    けて次第に幅が変化する領域を有するマークを形成して
    おき、積載シートを断裁テーブルに載置して当該マーク
    の形成されている位置を通るようにして積載シートを断
    裁した後、積載シート断裁面における当該マークのパタ
    ーンに基づいて積載シートの状態を判別することを特徴
    とする積載シートの状態判別方法。
  2. 【請求項2】 積載シートの状態の前記判別結果に基づ
    いて、積載シートの角度を補正することを特徴とする、
    請求項1に記載の積載シートの状態判別方法。
  3. 【請求項3】 積載シートの状態の前記判別結果に基づ
    いて、積載シートの断裁を中止することを特徴とする、
    請求項1に記載の積載シートの状態判別方法。
  4. 【請求項4】 前記マークは、各積載シートに複数形成
    されていることを特徴とする、請求項1、2又は3に記
    載の積載シートの状態判別方法。
  5. 【請求項5】 前記マークは、三角形をしていることを
    特徴とする、請求項1、2、3又は4に記載の積載シー
    トの状態判別方法。
  6. 【請求項6】 前記マークは、正規の断裁方向と直交す
    る辺を有していることを特徴とする、請求項1、2、
    3、4又は5に記載の積載シートの状態判別方法。
  7. 【請求項7】 各シートにマークを施された積載シート
    の余白断裁及び単位印刷領域の断裁を行う断裁装置であ
    って、 移動機構及び回転機構を備えた断裁テーブルと、 断裁テーブルの上に載置された積載シートを断裁するた
    めのブレードと、 前記ブレードによって断裁された積載シートの断裁面を
    撮影する撮像装置と、 前記撮像装置により撮影された、積載シートの断裁面に
    おける前記マークのパターンの画像に基づいて積載シー
    トの状態を判別する手段とを備えた積載シートの断裁装
    置。
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