JP2003171722A - 溶融還元炉の操業方法 - Google Patents
溶融還元炉の操業方法Info
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Abstract
正確に把握して安定操業を可能にする溶融還元炉の操業
方法を提供することを目的としている。 【解決手段】炭素系固体還元剤の充填層に高温の酸素富
化空気を吹き込む上下少なくとも二段に設けられた羽口
を有する溶融還元炉において、粉粒状の金属酸化物含有
原料を少なくとも上段羽口から吹き込み、溶融金属を製
造する溶融還元炉の操業方法において、前記上段羽口前
のレースウェイ温度を、上段羽口への前記原料吹込みを
一時的に停止して非接触式温度計で測定すると共に、そ
の測定値が予め定めた目標値以下になるように、上段羽
口への供給熱量を下段羽口から吹き込む熱風の酸素富化
量を変更して調整する。
Description
方法に係わり、特に、炭素系固体還元剤の充填層に高温
の酸素富化空気を吹き込む上下少なくとも二段に設けら
れた羽口を有する溶融還元炉において、金属酸化物を含
有する粉粒状原料を溶融還元して溶融金属を製造する溶
融還元炉の操業方法に関する。
し、金属を回収する手段として、竪型炉タイプの溶融還
元炉が特公昭59−18452号公報に開示されてい
る。この溶融還元炉は、炉下部に設置された上下二段の
羽口のうち、少なくとも上段の羽口から粉粒状の金属酸
化物含有原料を高温空気とともに炉内に吹き込み、炉内
に充填した炭素系固体還元剤を燃焼させて溶融還元する
ものである。つまり、上段羽口および下段羽口を有する
竪型炉では、上段羽口と下段羽口との間に充填している
炭素系固体還元剤が燃焼して高温が発生する。したがっ
て、上段羽口から吹きこまれる粉粒状の金属酸化物含有
原料は、加熱されて溶融し、充填層を滴下する間に固体
炭素で直接還元されて溶融状態の金属およびスラグとな
って炉底部に溜まるのである。
口に吹き込まれた粉粒状の金属酸化物含有原料を上段羽
口前の空間部(以下、レースウェイという。〉において
溶融することが不可欠となるため、上段羽口のレースウ
ェイの温度を高温に維持することが必要となる。そのた
め、上段羽口に粉粒状の金属酸化物含有原料と共に吹き
込まれる高温空気の酸素富化率を、下段羽口に吹き込ま
れる高温空気の酸素富化率より高くすることにより、上
段羽口のレースウェイで粉粒状の金属酸化物含有原料の
溶融が可能になる温度を確保する方向で操業が行われて
いる。しかし、上記のように上段羽口での酸素富化率を
増加していった場合、炉頂から装入した炭素系固体還元
剤の降下が停止する現象、いわゆる棚吊が発生するとい
う問題が生じる。棚吊が発生すると、上部から低温の装
入物が供給されないため、炉頂温度が過剰に上昇するこ
とになる。また、棚が落ちた際の衝撃により炉内状況変
化、炉体設備損傷等の影響が出ることも懸念される。さ
らに、装入物が一気に入ってくるために、急激に炉頂温
度が低下するという問題も発生するため、棚吊発生時に
は、上下段の羽口から炉内に吹き込む送風量を低下して
装入物の降下を促進するアクションをとらざるを得なく
なるため、減産につながることになる。
理指標を上段レースウェイの温度として、この温度を一
定範囲にして操業することが考えられる。実際に測温方
法について検討を行ったところ、接触式の温度計を用い
て測定することが困難であった。そのため、羽口覗き窓
から放射温度計や二色温度計のような非接触式の温度計
で測定する方法を試みた。ところが、この場合も、炉内
へ吹き込まれる原料が邪魔になり、正確な温度を測定で
きなかった。
097618号(平成13年3月29日提出)にて、レ
ースウェイ温度(以下上段TFTと称す)を計算により
求め、その上段レースウェイ温度を目標範囲内に管理し
て棚吊を防止する操業方法を提案した。
願2001−097618号による提案技術も、棚吊り
を完全に防止するには不十分であった。上段レースウエ
イ温度を計算で求める際には、幾つかの操業条件を一定
と仮定するが、表1に示すように、計算温度が実際の温
度と著しく離れてしまうことがあるからである。
ウェイの温度を従来より正確に把握して安定操業を可能
にする溶融還元炉の操業方法を提供することを目的とし
ている。
成するため測温方法について鋭意研究し、その成果を本
発明に具現化した。
充填層に高温の酸素富化空気を吹き込む上下少なくとも
二段に設けられた羽口を有する溶融還元炉で、粉粒状の
金属酸化物含有原料を少なくとも上段羽口から吹き込
み、溶融金属を製造する溶融還元炉の操業方法におい
て、前記上段羽口前のレースウェイ温度を、上段羽口へ
の前記原料吹込みを一時的に停止して非接触式温度計で
測定すると共に、その測定値が予め定めた目標値以下に
なるように、上段羽口への供給熱量を下段羽口から吹き
込む熱風の酸素富化量を変更して調整することを特徴と
する溶融還元炉の操業方法である。
止からほぼ5分以内に行ったり、及び/又は前記目標値
を2000℃とするのが好ましい。
算を行わず、上段羽口前のレースウエイ温度の実測値を
用いるようにしたので、操業管理が行い易くなる。その
結果、装入物の棚吊り頻度が従来より減少し、溶融還元
炉を安定させて操業できるようになった。
まじえ、本発明の実施の形態を説明する。
を実施する炉は、図2に示すように、上段羽口1u及び
下段羽口1sを有する竪型の溶融還元炉1であって、そ
の他に、該溶融還元炉1内で充填層を形成する炭素系固
体還元剤3を投入するためのホッパ2、上下段の羽口1
u,1sから炉内に粉粒状の金属酸化物含有原料を吹き
込むための原料吹込装置4、上下段羽口1u、1sから
炉内に高温の空気を吹き込むための熱風炉5、熱風炉5
から上下段羽口1u、1sに送られる高温空気に酸素を
供給するための酸素供給源6及び出銑口7が備えられて
いる。
口1u,1sを有する炭剤充填層型溶融還元炉1でのS
iの移行反応について考察を重ねた結果、以下のことを
知見した。すなわち、溶融還元炉1において、上段羽口
1uから炉内に吹き込まれた粉粒状の金属酸化物含有原
料が溶融還元される際の炉内温度が高い場合、溶副還元
炉1の安定操業を阻害する下記(1)式に示す反応が生
じるため、コークスアッシュ中および生成したスラグか
らSiOガスが揮発することになる。
るため、SiO2の蒸発量が大きくなってより多くのS
iOガスが発生することになる。上段羽口1uで生成し
たSiOガスは炉頂に向かって上昇していくが、途中の
シャフト部において温度の低下に伴い、SiO2として
凝縮することになる。そして、この凝縮量が多くなる
と、これらがコークス間およびコークスと炉壁とを接着
することになり、その結果、炭素系固体還元剤の降下が
妨げられ、棚吊が発生すると考えられる。よって、溶融
還元炉1の安定操業の阻害を抑制するための棚吊の防止
については、上段羽口1uでのSiO2の蒸発を抑制で
きるように上段羽口1u前のレースウェイ温度を管理す
れば良いと考えられる。そして、具体的には、酸素供給
源6から上段羽口1u側に供給される酸素の量を調整し
て、棚吊の発生しない安定した溶融還元炉の操業を確保
するようにしている。なお、上段羽口1u側に供給する
酸素量を減少させる際には、溶融還元炉の総熱量の低下
に至ることがあり、その場合には、上段羽口1u側で減
少させた酸素を下段羽口1s側の増分酸素として加える
操業を行う。
載した技術に基づき発明者が計算で求めたレースウェイ
温度(以下、上段TFTという)を管理指標にして操業
し、その間に生じた棚吊り頻度を度数分布として図3に
示す。
000℃を超えた場合に棚吊が頻発している。これによ
り、上段TFTを2000℃以下に保つことにより、上
段羽口1uでのSiO2の蒸発が抑制されて該棚吊の発
生を防止できると考えられる。ところが、上段TFTを
2000℃以下に設定してさらに操業を続けると、まだ
棚吊りが起きる日があった。これは、上段TFTの目標
値を2000℃に設定したこと、あるいは計算で求めた
上段TFTが正しく評価できていないことのいずれかに
原因があると考えられた。
は、前記表1に示したような操業条件の仮定に基づく問
題を抱えていることから、以前には失敗している該上段
TFTの非接触式温度計による実測を再度検討すること
にした。そして、種々の試みを行った結果、図1に示す
ように、上段羽口から吹き込む金属酸化物含有原料の吹
き込みを一次停止し、その停止からほぼ5分間以内まで
に測温すると、測定に際し外乱のない信頼できる上段T
FTが得られることがわかった。管理値として使用でき
れば良いので、測定値が正確な温度である必要がないと
考えたのである。
上段TFTを用い、実際に目標温度を2000℃に設定
して試験操業を行った。その結果、棚吊りの発生が皆無
になったので、これを要件に本発明を完成した。
規模の溶融還元炉を用いた操業を行った。使用した金属
酸化物含有原料は、電気炉工場から発生する電気炉ダス
トであり、鉄、亜鉛等の金属酸化物を含む。上段羽口前
理論燃焼温度を2000℃以下で操業を継続した際の上
段TFTの計算値及び棚吊回数の推移を図4(b)及び
図4(a)に示す。図4より、この期間では時々柵吊が
発生しており、期間平均の棚吊発生率は0.5回/日で
あることが明らかである。
て、上段羽口温度を2色光温度計により測定した。その
温度は、2030℃であった。そこで、上段羽口への富
化酸素量を310Nm3/hrから270Nm3/hrま
で低下させて操業した。この変更後、上段羽口温度を2
色光温度計により測定したところ1950℃であった
(図5(b)参照)。なお、溶融還元炉トータルでの供
給熱量低下が懸念されるため、下段羽口への富化酸素量
を50Nm3/hrから90Nm3/hrに増加させた。
この条件下では、図5(a)に示すように、10日間の
操業において一度も棚吊が発生しなかった。また、出銑
状況、炉内圧力も安定しており、操業上の問題は全く発
生しなかった。
還元炉の上段羽口前レースウエイの温度を、実測で従来
より正確に把握できるようになる。その結果、操業が棚
吊を恐れることなく円滑に実施できるようになった。
示す図である。
一例を示す図である。
T)と棚吊発生頻度との関係を示す図である。
T)を管理基準とした操業結果を示す図であり、(a)
は棚吊り回数、(b)はTFTの設定値である。
吊り回数、(b)はTFTの設定値である。
Claims (3)
- 【請求項1】 炭素系固体還元剤の充填層に高温の酸素
富化空気を吹き込む上下少なくとも二段に設けられた羽
口を有する溶融還元炉で、粉粒状の金属酸化物含有原料
を少なくとも上段羽口から吹き込み、溶融金属を製造す
る溶融還元炉の操業方法において、 前記上段羽口前のレースウェイ温度を、上段羽口への前
記原料吹込みを一時的に停止して非接触式温度計で測定
すると共に、その測定値が予め定めた目標値以下になる
ように、上段羽口への供給熱量を下段羽口から吹き込む
熱風の酸素富化量を変更して調整することを特徴とする
溶融還元炉の操業方法。 - 【請求項2】 前記測定を、前記原料吹込み停止からほ
ぼ5分以内に行うことを特徴とする請求項1記載の溶融
還元炉の操業方法。 - 【請求項3】 前記目標値を2000℃とすることを特
徴とする請求項1又は2記載の溶融還元炉の操業方法。
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