JP4061135B2 - 微粉炭吹き込みを行う高炉の操業方法 - Google Patents

微粉炭吹き込みを行う高炉の操業方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高炉の羽口から微粉炭を吹き込む高炉の操業において、炉内の通気性を良好にし、アッシュ分に起因した凝固層(鳥の巣)の形成を抑制して高微粉炭吹き込みを可能にする微粉炭吹き込みを行う高炉の操業方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、溶銑は、高炉に製鉄原料である鉄鉱石やコークス等を装入し、鉄鉱石を還元して溶融することにより製造されている。しかし、近年、高いコークスの使用量を低減して溶銑の製造コストを低減するため、安価な微粉炭を高炉の羽口から炉内に吹き込む操業方法が採用されている。この微粉炭は、吹き込み量が少ない操業の場合、吹き込まれた微粉炭が羽口の先端に形成されるレースウェイの内部で十分に燃焼し、生成したアッシュ(灰分)も炉内を滴下するスラグに溶解し、通気性を阻害することなく安定した操業が可能である。しかし、吹き込み量が多くなると、未燃の炭素や生成したSiO2−Al23を主体とするアッシュ分が粒子間を通過する際に、融点及び粘性が高くなってレースウェイの周辺に固着層(鳥の巣)を形成し、炉内の通気性を阻害化する。その結果、微粉炭吹き込みの増加と共に操業が不安定になり、出銑が低下して、生産性が大きく阻害される。
【0003】
この対策として、特開昭60―43410号公報に記載されているように、羽口から送風する熱風と共に酸化鉄等の発熱粉体を吹き込み、炉心部の熱不足を抑制してアッシュ分等が凝固する鳥の巣を解消したり、その偏りを無くして操業を安定させることが行われている。更に、特開平5―255791号公報に記載されているように、高炉に装入する高反応性のコークスを大塊と小塊にし、大塊のコークスを炉中心に、小塊コークスをその外側の周辺に装入する際に、この大塊のコークスと小塊コークスの比率、あるいは羽口前フレーム温度をいずれかを調整して通常の冶金用のコークスを一部に使用することにより、燃料比を低下させ、高炉の生産性を高めることが提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特開昭60―43410号公報に記載された方法では、炉心位置の偏り、あるいは炉内の焼結鉱や鉄鉱石等から滴下するスラグの性状を改善するものであり、微粉炭の多量吹き込みに伴うアッシュ分の増加による鳥の巣の形成を解消し安定した高炉操業を実現することができない。
更に、発熱粉体を微粉炭と共に羽口から吹き込むため、微粉炭の吹き込み量を多くすると羽口からの吹き込み物の絶対量が増加して微粉炭量が制約を受ける。しかも、吹き込み物の増加による羽口の損耗が激しくなり、羽口の取り替え頻度が高くなる等の問題がある。
【0005】
また、特開平5―255791号公報に記載された方法では、高炉の炉内に大塊の高反応性コークスを装入して熱保存帯の温度を900〜950℃に維持し、含鉄原料の還元反応を促進し、還元効率を良好にすることができ、しかも、この還元効率を良好に維持するために羽口前フレーム温度か、あるいは大塊のコークスと小塊コークスの比率のいずれかの調整を行っており、還元効率の向上に相当するコークスの節減が可能になる。しかし、還元効率の向上に伴って炭素(C)とCO2の反応によるCOガス化のソリュウション反応(吸熱反応)が抑制され、炉熱に余裕ができ、融着帯の根が上昇することを抑制するため、周辺部に装入する含鉄原料(鉄鉱石)とコークスの比であるO/C値を上昇させており、引き続き羽口前フレーム温度を変更している。
【0006】
この場合、羽口前フレーム温度の低下は、融着帯の下部の溶解能力を低下させるので、その調整量の判断が容易でなく、高炉の操業の不安定化を招き易い。
更に、微粉炭の羽口からの吹き込みを行う高炉では、微粉炭の吹き込み量が増加することにより、熱風がコークスや微粉炭を燃焼して生成される還元性ガス(ボッシュガス)も増大する。そして、この還元性ガスに起因するコークスの燃焼時に発生するSiO主体のガス量も増加し、このガスが炉内を上昇して融着帯の低温部でSiO2主体の灰分及び微粉炭に含まれる未反応の灰分(アッシュ分)が装入物の粒子間に付着して通気性を阻害する。その結果、還元効率の低下や装入物の降下状態が悪くなり、出銑比の低下を生じ、高炉の操業が不安定になるなどの問題がある。
【0007】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、多量の微粉炭を高炉の羽口から吹き込んで羽口先端のフレーム温度を高めて微粉炭の燃焼を促進すると共に、生成した還元性ガスに含まれるSiOガスや微粉炭中の灰分に起因する通気性の阻害を抑制して高炉の操業を安定させ、吹き込みに伴う羽口の損耗を抑制して安定した高出銑比を可能にする微粉炭吹き込みを行う高炉の操業方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記目的に沿う本発明に係る微粉炭の吹き込みを行う高炉の操業方法は、高炉に含鉄原料とコークスを装入して羽口から6000〜7000Nm 3 /minの熱風と共に、160kg/溶銑トン以上の微粉炭を吹き込む高炉の操業方法において、羽口先端の燃焼温度を2050℃以上にし、装入するコークス比を340kg/溶銑トン以下とし、かつ前記含鉄原料に焼結鉱を用い該焼結鉱の被還元指数JIS−RIを67%以上にし、前記焼結鉱は含まれるスラグ成分であるAl 2 3 が1.6質量%以下とし、出銑比が2.0 t /d/m 3 以上である微粉炭吹き込みを行う高炉の操業方法にある。
この方法により、微粉炭を吹き込む際の羽口先端のフレーム温度を2050℃以上にしているので、羽口先端部に形成されるレースウェイ内部で微粉炭を十分に燃焼させることができ、しかも、レースウェイ内部の温度を高く維持して微粉炭から混入するアッシュ分を滴下するスラグに溶融させることができる。
【0009】
そして、装入物の粒子間に付着するアッシュ分や未燃焼の炭素分などを抑制して通気性を良好にして高微粉炭吹き込み時の操業を安定させることができる。
なお、羽口先端のフレーム温度が2050℃未満になると、炉内の溶解能力が低下し、粒子間を良好に滴下するスラグの生成が阻害され、熱不足に起因する微粉炭の灰分や増加する未燃焼の炭素分が粒子間に付着し、炉内の通気性を大幅に悪化させることになる。その結果、凝固層(鳥の巣)が形成され易くなり、この傾向は微粉炭の吹き込み量が多くなる程より顕著になる。また、微粉炭の吹き込み量が160kg/溶銑トン未満の領域で、出銑量が2.0トン/d/m3 未満では、羽口先端のフレーム温度が2050℃未満であっても、微粉炭そのものの絶対量が少ないので、急激な熱不足を招く事が少なく、所定量の通気性を維持して程々の出銑比を確保した高炉の操業を行うことができる。
【0010】
ここで、前記装入するコークス比を340kg/溶銑トン以下とすると良い。これにより、コークスに使用量を低減して炉内の通気性を維持し、高炉内のガス中心流を確保でき、高炉に装入するコークス比を低減しても炉内の通風抵抗を少なくしてレースウェイからのガス流を良好にすることができる。高炉に装入するコークス比を340kg/溶銑トンを超えて多くなると、微粉炭を吹き込んだ量に見合う入熱量を節減できないので微粉炭の吹き込み効果が減少する。
【0011】
更に、前記含鉄原料に焼結鉱を用い該焼結鉱の被還元指数JIS−RIを67%以上にし、含まれるスラグ成分であるAl23を1.6質量%以下にすることが好ましい。これにより、高強度で高被還元性焼結鉱を用いるので、低コークス比における炉内の還元効率を高めると共に、スラグ成分を少なくし、スラグの低融点化によりスラグの融液性を良好にして炉下部の通気性を改善して高炉の操業を安定させることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。
図1は、本発明の形態に係る高炉の操業方法に用いる微粉炭吹き込みを行う高炉の説明図である。この図1に示すように、微粉炭吹き込みを行う高炉1は、高炉炉体2の下部周辺に設けた羽口3に微粉炭をそれぞれ供給する供給管4と、供給管4に微粉炭を分配する分配器5と、先端部が羽口3に嵌入して供給管4から送られてくる微粉炭を熱風と共に羽口3から高炉炉体2内に吹き込むブロー管6とを有している。分配器5には、石炭を破砕して製造した微粉炭が図示しない気体圧送装置により圧送管7を介して圧送され、分配器5から溢れ出た微粉炭が供給管4に分配される。
【0013】
供給管4の先端部には、先端がブロー管6内に突出する吹き込みノズル8が設けられ、途中には吹き込みノズル8への微粉炭の供給量を加減する調整弁9が備えられている。ブロー管6は、炉内に熱風を供給(送風)する送風管10から分岐した送風枝管11に連通している。これ等の羽口3、ブロー管6及び供給管4、ブロー管6、吹き込みノズル8は、高炉炉体2の下部の周囲を囲むように20〜30個程度を配置している。また、高炉炉体2内に、上方から製鉄原料である鉱石(Ore)やコークス(Coke)を装入する装入ベル12を備えている。更に、高炉炉体2の底底13には、温度計T1 とT2 とを耐火煉瓦中に埋設している。
【0014】
次に、本発明に形態に係る高炉の操業方法について微粉炭吹き込みを行う高炉1を用いて説明する。高炉炉体2内に装入ベル12を介して鉱石とコークスが交互に装入され、炉内にこの鉱石とコークスの充填層が形成されており、送風管10及び送風枝管11を介して、羽口3から6000〜7000Nm3 /minの1100〜1300℃の熱風を吹き込みを行った。そして、羽口3の先端にレースウェイを形成し、更に、高温になった熱風により装入物を昇熱を行い、コークスによる還元反応によって酸化鉄を還元して溶解し、コークスの粒子間を滴下させて溶銑を製造する。
【0015】
この酸化鉄を還元に使用するコークスを極力低減し、安価な石炭を代替の熱源や還元に活用するため、ブロー管6の先端に取り付けた吹き込みノズル8から微粉炭を吹き込み操業が行われる。しかし、吹き込みノズル8から吹き込む微粉炭の量が多くなると、羽口3の先端に形成されるレースウェイから装入物の粒子間を熱風が通過する際、微粉炭に含まれるアッシュ分や未燃の炭素分が十分に滴下するスラグに溶解せず、粒子間に付着して凝固層(鳥の巣)を形成し、通気性が大きく阻害され、高炉の出銑比の低下や操業の不安定化を生じる。
【0016】
そこで、発明者等は、高出銑比を維持しながら羽口3からの微粉炭の吹き込み量を160〜200kg/溶銑トン以上にした際、如何なる操業管理を行えば安定した操業が可能にできるか研究を行った結果、羽口3の先端フレーム温度を所定の範囲に調整することにより、炉内の溶解能力を高め、還元反応に必要な熱を十分に供給し、更に、スラグの生成量を抑制することにより、安定した操業が可能であること、しかも、装入する含鉄原料である焼結鉱の被還元性であるRI値を67%以上のものを使用することで、炉内の還元効率を高めることができ、高い微粉炭の吹き込み安定操業が可能であることを知見できたことにある。
【0017】
高炉の羽口3から供給される熱は、送風管10を経て送風管10を通る熱風と、ブロー管6から羽口を介して吹き込まれる微粉炭とが燃焼し、同時に装入されたコークスの燃焼した熱が炉熱として供給され、装入物の溶解と、還元反応による吸熱を保障して凝固層の形成を抑制し、炉内の還元効率を高めた操業が行われている。この炉熱は、羽口3の先端近傍に形成されるレースウェイ内で、熱風と吹き込まれた微粉炭の燃焼や装入されたコークスの燃焼による熱によって決まり、その羽口先端に形成される先端フレーム温度(羽口前フレーム温度)は、熱風と共に供給する熱風中の湿分や富化酸素濃度(酸素量)より変化する。
【0018】
この羽口前フレーム温度Tfは、以下の条件により定義することができる。
Tf=1.659+0.839×TB−0.633×FM−0.3010/VB×PCR+4972/VB/O2 … (1)
ここで、Tfは羽口先端の理論燃焼温度(℃)、TBは送風温度(℃)、FMは送風湿度(g/Nm3)、VBは送風流量(Nm3/dry/溶銑トン)、PCRは微粉炭吹き込み量(kg/溶銑トン)、O2は酸素富化流量(Nm3/dry/溶銑トン)である。
【0019】
この羽口先端のフレーム温度を2050℃以上にすることにより、微粉炭の吹き込み量を160kg/溶銑トン以上にした際、羽口先端部に形成されるレースウェイ内で微粉炭を十分に燃焼させることができ、しかも、レースウェイ内部の温度を高く維持し、炉下部に熱を十分に付与できる。また、炉下部の入熱の状況は、炉底13の温度計T1 とT2 により計測される。そして、微粉炭から混入するアッシュ分を滴下するスラグに溶融させること共に、還元反応による吸熱を補足して還元効率を高めることがができ、装入物の粒子間に付着するアッシュ分や未燃焼の炭素分などを抑制して通気性を良好にして高微粉炭吹き込み時の操業を安定させることができる。しかし、羽口先端のフレーム温度が2050℃未満になると、炉内の溶解能力が低下し、熱不足に起因して粒子間を滴下するスラグの生成が阻害されたり、その流動性が悪くなり、微粉炭の灰分や増加する未燃焼の炭素分が粒子間に付着し易くなる。
【0020】
その結果、炉内の通気性が大幅に阻害され、凝固層(鳥の巣)が形成され易くなり、微粉炭の吹き込み量が多くなる程、この傾向はより顕著になるからである。この微粉炭の吹き込み量の増加に伴う灰分や未燃焼の炭素分の増加に起因する炉内の溶解能力の低下や還元効率の低下、炉下部の熱不足を抑制するには、羽口先端のフレーム温度が2050℃以上に維持すると共に、被還元指数を67%以上を有し、焼結鉱に含まれるAl23の含有量を1.6質量%以下にした焼結鉱を装入することにより、O/C比を高くしても焼結鉱の還元効率を高く維持し、しかも、不純物が溶融したスラグ成分の抑制と生成したスラグ融点を低くして微粉炭の吹き込みに随伴するアッシュ分を滴下する溶融スラグと融化して装入物の粒子間に付着するのを防止することができる。この効果は、微粉炭の吹き込み量が170kg/溶銑トン以上になるとより顕著に発現することができる。
【0021】
そして、粒子間を滴下する溶融スラグと微粉炭から混入するアッシュ分や未燃の炭素分との接触を良好にし、吹き込まれたアッシュ分を溶融してスラグ化を促進するので、アッシュ分や未燃の炭素分等がコークス等の粒子間に付着するのが抑制され、アッシュ分等に起因した凝固層(鳥の巣)が形成されるのを抑制することができる。更に、焼結鉱に含まれるスラグ成分として、鉄鉱石の銘柄やダストなどの配合量を調整してAl23の含有量を1.6質量%以下になるようにしているが、Al23の他に、同時に、SiO2やTiO2等の不純物も少なくして総合的なスラグ成分の混入量を抑制し、高炉のスラグとして10〜20kg/溶銑トン程度を少なくすることにより、より安定した高炉操業を実現することができる。この焼結鉱の強度(RI)は、整粒鉱を900℃のガス雰囲気内で180分間の還元試験を行った場合の還元率を表し、値が高くなる程、高炉に装入された際のコークスによる還元性が良好になる。
【0022】
このように、微粉炭を160kg/溶銑トン以上の吹き込む高微粉炭吹き込み操業を行う際に、羽口先端のフレーム温度を2050℃以上にし、且つ焼結鉱の被還元指数を67%以上で、しかも、焼結鉱に含まれるAl23の含有量を1.6質量%以下にすることにより、微粉炭の燃焼性の改善による未燃チャー量の低減と鉱石由来のスラグの粘性の低下が達成でき、レースウェイ近傍を含む高炉炉下部の通液性と通気性を改善することが可能となる。また、焼結鉱の被還元性を向上させた効果により、羽口先端のフレーム温度が上昇する場合に問題となる羽口先端近傍での吸熱反応であるカーボンソリューションロス反応量の増加を抑制でき、高炉の溶銑温度等の熱条件を安定化させることが可能である。
【0023】
更に、上記した条件を満たすことにより、レースウェイ近傍を含む高炉炉下部の通液性と通気性の改善と吸熱反応の安定化等の効果により、2.0t/d/m3以上の出銑比を長期に亘り安定して継続できる。なお、これらの理由から羽口先端のフレーム温度は、高い程好ましいが、先端のフレーム温度が2400℃を超えると、羽口先端近傍での吸熱反応であるカーボンソリューションロス反応の増加に伴う溶銑温度の不安定化、羽口先端部のガスエネルギー増加に伴うガス流の不安定化などが生じるために2050〜2300℃にすると良い。そして、上記の作用により、通気性が良好になり、還元効率の向上と共に、炉下部への熱の供給を促進して炉下部を活性にすることができ、160kg/溶銑トン以上の高微粉炭の吹き込み、且つ高い出銑比である2.0t/d/m3以上、好ましくは2.2t/d/m3以上の安定した高出銑操業を行うことができる。
【0024】
【実施例】
次に、本発明の一実施の形態に係る微粉炭吹き込みを行う高炉操業方法の実施例について説明する。
実施例1は、高炉の微粉炭の吹き込みノズルから165kg/溶銑トンの微粉炭を羽口から6500〜6200Nm3/分の熱風と共に吹き込み、この時のコークス比を330kg/溶銑トンとし、羽口先端の燃焼温度を2050℃以上にし、高炉の出銑比を2.0t/d/m3以上にして操業を行った場合であり、微粉炭の増量吹き込みにもかかわらず高炉内の中心部に良いガス流が形成でき、装入物の炉内降下も良好であり、図2に示すように、安定した操業を達成することができた。
【0025】
実施例2は、高炉の微粉炭の吹き込みノズルから165kg/溶銑トンの微粉炭を羽口から6500〜6200Nm3/分の熱風と共に吹き込み、この時のコークス比を330kg/溶銑トン以下とし、羽口先端の燃焼温度を2050℃以上にし、高炉の出銑比を2.1t/d/m3以上にし、同時に、焼結鉱Al2 3 を1.6重量%以下、焼結鉱JIS−RIを67%以上に改善した操業を行った場合であり、低コークス比かつ高微粉炭比操業にも関わらず、高炉内の中心部に良いガス流が形成でき、炉底底盤流を活性維持することが可能となり、図3に示すように、より安定した操業を行うことができた。
【0026】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明は、上記した形態に限定されるものでなく、要旨を逸脱しない条件の変更等は全て本発明の範囲である。例えば、高炉の羽口先端の燃焼温度は、熱風の湿分や酸素濃度の他に、微粉炭と他の燃料を混合したり、微粉炭に酸化鉄などの酸素源を添加することにより調整することができる。更に、微粉炭の吹き込みは、1つの羽口を用いて説明したが、炉体11の周囲に配置された30〜38個の羽口から行う場合、及び30〜38個の羽口の内の複数を選択して使用することができる。
【0027】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明による微粉炭吹き込みを行う高炉の操業方法での高炉に含鉄原料とコークスを装入して羽口から熱風と共に、微粉炭を吹き込む微粉炭吹き込みを行う高炉の操業方法において、羽口先端の燃焼温度を2050℃以上にし、該羽口から160kg/溶銑トン以上の微粉炭を吹き込むので、羽口先端部に形成されるレースウェイ内で微粉炭を十分に燃焼させ、レースウェイ内部の温度を高く維持して微粉炭から混入するアッシュ分を滴下するスラグに溶融させることができ、装入物の粒子間に付着するアッシュ分や未燃焼の炭素分などを抑制して高炉内部の通気性を良好にして安定した高炉操業を実現することができる。そして、高価なコークスを節減でき、高出銑の操業を行い、溶銑の製造コストを低減することができる。
【0028】
特に、微粉炭吹き込みを行う高炉操業方法においては、装入するコークス比を340kg/溶銑トン以下とするので、高価なコークスの使用量を低減し、溶銑の製造コストを低減することができる。また、微粉炭吹き込みを行う高炉操業方法においては、含鉄原料に焼結鉱を用い該焼結鉱の被還元指数JIS−RIを67%以上にし、含まれるスラグ成分であるAl23を1.6質量%以下にするので、低コークス比における炉内の還元効率を高めると共に、スラグ成分を少なくし、スラグの低融点化によりスラグの融液性を良好にして炉下部の通気性を改善してより高出銑の高炉の操業を安定して行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の形態に係る高炉の操業方法に用いる微粉炭吹き込みを行う高炉の説明図である。
【図2】本発明の一実施の形態に係る微粉炭吹き込みを行う高炉の操業方法の操業推移図である。
【図3】同微粉炭吹き込みを行う高炉の操業方法で低アルミナの焼結鉱を併用した時の操業推移図である。
【符号の説明】
1 微粉炭吹き込みを行う高炉
2 高炉炉体
3 羽口
4 微粉炭の供給管
5 分配器
6 ブロー管
7 圧送管
8 吹き込みノズル
9 調整弁
10 送風管
11 送風枝管
12 装入ベル
13 炉底
1 、T2 温度計

Claims (1)

  1. 高炉に含鉄原料とコークスを装入して羽口から6000〜7000Nm 3 /minの熱風と共に、160kg/溶銑トン以上の微粉炭を吹き込む高炉の操業方法において、羽口先端の燃焼温度を2050℃以上にし、装入するコークス比を340kg/溶銑トン以下とし、かつ前記含鉄原料に焼結鉱を用い該焼結鉱の被還元指数JIS−RIを67%以上にし、前記焼結鉱は含まれるスラグ成分であるAl23 1.6質量%以下とし、出銑比が2.0 t /d/m 3 以上であることを特徴とする微粉炭吹き込みを行う高炉の操業方法。
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