JP2003171635A - 接着剤組成物 - Google Patents

接着剤組成物

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JP2003171635A JP2001373843A JP2001373843A JP2003171635A JP 2003171635 A JP2003171635 A JP 2003171635A JP 2001373843 A JP2001373843 A JP 2001373843A JP 2001373843 A JP2001373843 A JP 2001373843A JP 2003171635 A JP2003171635 A JP 2003171635A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 トルエン、キシレンを添加しないで接着性に
優れ、低揮発性・低臭気の接着剤を提供する。 【解決手段】 (A)EVA系エマルジョンの固形分1
00質量部当たり、(B)アジピン酸ジメチル、グルタ
ル酸ジメチル、コハク酸ジメチルのうち少なくとも1種
からなる化合物1〜30質量部、(C)凝固点もしくは
融点が20℃以下、大気圧での沸点が200℃以上、且
つ、SPの値が16.0〜20.5であるエステル系化
合物1〜30質量部を含有する接着剤組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は特に建材関係に使用
される接着剤組成物に関する。さらに詳しくは、合板、
MDF(中質繊維板)、パーティクルボード等の木質材
料、スレート板、珪カル板、石膏ボード等の無機質材料
と塩ビ製シート、オレフィン製シート等の化粧シートと
の貼合せに使用される接着剤である。また、プラスチッ
クフィルムや印刷等で加工された加工紙等、ワックス等
でコートされた撥水ダンボール等の撥水性材料の接着剤
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、建材、加工紙、撥水ダンボー
ル等の接着剤にはエチレン−酢酸ビニル系共重合体エマ
ルジョンを主体にした接着剤が好適に使用されている
が、特に低温での接着性の向上を目的にトルエン、キシ
レン等の環境や人体に対して好ましくない有機溶剤を含
有させている。また、トルエン、キシレンを含有させな
い技術として特開平11−209722号公報ではエチ
レン−酢酸ビニル系共重合体エマルジョン(以下「EV
A系エマルジョン」と称す)と水性ポリウレタンエマル
ジョンを必須成分として、アジピン酸ジメチル、コハク
酸ジメチル、グルタル酸ジメチルのうち少なくとも1種
を含有させたプラスチックオーバーレイ用接着剤の技術
が開示されているが、必ずしも耐水性や耐熱性が必要な
用途ばかりではなく、むしろ低温接着性の方がより重要
になる用途も多い。また、新築住宅の高気密化に伴い、
シックハウス症候群との関連で揮発性有機化合物(VO
C)の室内濃度を一層低減させることが望まれ、個々の
VOC成分に対するガイドライン値や総揮発性有機化合
物(TVOC)の指針値の設定が検討されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は環境や人体に
対して悪影響の懸念があるトルエン、キシレンを添加し
ないで、低温接着性、耐寒性、耐熱性のバランスに優れ
た水性接着剤を提供することを目的とし、さらに極力、
有機化合物の揮発性を抑制でき、低臭気の水性接着剤を
提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前記の目的
を達成すべく接着性改良剤を鋭意検討した結果(A)E
VA系エマルジョンの固形分100質量部当たり、
(B)アジピン酸ジメチル、グルタル酸ジメチル、コハ
ク酸ジメチルのうち少なくとも1種からなる化合物1〜
30質量部、(C)凝固点もしくは融点が20℃以下、
大気圧での沸点が200℃以上、且つ、SPの値が1
6.0〜20.5であるエステル系化合物1〜30質量
部を含有する接着剤組成物が低温接着性、耐寒性、耐熱
性のバランスに優れ、有機溶剤臭が少ないことを見出し
たのである。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明の(A)成分であるEVA
系エマルジョンのエチレンと酢酸ビニルとその他共重合
可能な単量体の割合は質量比で5〜40:95〜40:
0〜20、好ましくは10〜35:90〜50:0〜1
5である。その他共重合可能な単量体としては、例えば
塩化ビニル、プロピオン酸ビニル、バーサチック酸ビニ
ル、アクリル酸、メタアクリル酸、マレイン酸、イタコ
ン酸、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、ブ
チルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、
メチルメタクリレート、エチルメタアクリレート、プロ
ピルメタアクリレート、ブチルメタアクリレート、2−
エチルヘキシルメタアクリレート、2−ヒドロキシエチ
ル(メタ)アクリレート、N−ビニルピロリドン、スチ
レン、アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミドがあ
るが、これらの成分を一種類以上含有させることができ
る。また、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシ
アヌレートを併用することもできる。
【0006】本発明(A)成分のEVA系エマルジョン
において、エチレンの割合が5〜40質量%の範囲から
外れると低温接着性、初期接着性、耐熱性の少なくとも
1つの特性が損なわれる。また酢酸ビニルの割合が95
質量%を超えると低温接着性が低下し、逆に酢酸ビニル
の割合が40質量%未満になると乳化重合時のエマルジ
ョンの安定性もしくは常態接着強度が低下する傾向があ
る。その他共重合可能な単量体の割合が20質量%を超
えると低温接着性もしくは常態接着強度が低下する傾向
がある。
【0007】本発明(A)成分のEVA系エマルジョン
は通常、乳化重合により得ることができるが、EVA系
エマルジョンの固形分100質量部当たり、ポリビニル
アルコール(以下「PVA」と称す。)1〜15質量
部、特に1.5〜10質量部を保護コロイドとして含有
することが、低温接着性や初期接着性の点で好ましい。
PVAの添加量が15質量部を超えると、プラスチック
フィルムへの接着性が十分でなくなる傾向がある。PV
AはEVAエマルジョンを乳化重合により製造する際に
保護コロイドとして添加されてEVAエマルジョンに含
有されるものであっても、あるいは乳化重合の際には全
く用いないで重合後にEVAエマルジョンに添加されて
含有されるものであってもよい。
【0008】本発明におけるPVAとしては、通常使用
されているものを用いることができ、例えば、平均重合
度は200〜4500、ケン化度についても特に制限は
なく、完全ケン化PVAやケン化度65〜95%の部分
ケン化PVAが通常用いられる。また、アセトアセチル
基、スルホン基、カルボキシル基、アミド基等により変
性もしくはオレフィンと共重合されたPVAを用いても
よい。
【0009】本発明の課題達成を阻害しない範囲でPV
A以外の乳化分散剤を併用することができる。PVA以
外の乳化分散剤として、メチルセルロース、ヒドロキシ
エチルセルロース等の水溶性高分子、ポリオキシエチレ
ンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェ
ニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレ
ンブロックコポリマー等のノニオン系界面活性剤、ラウ
リル硫酸エステル、アルキルベンゼンスルホン酸塩等の
アニオン系界面活性剤が挙げられるが、好ましくは、ポ
リオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキ
シエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマー等
のノニオン系界面活性剤である。
【0010】本発明(A)成分のEVA系エマルジョン
は通常のラジカル開始剤を用いて重合することにより、
製造できる。例えば、過酸化水素、t−ブチルハイドロ
パーオキサイド等の有機過酸化物、過硫酸アンモニウ
ム、過硫酸カリウム等の過硫酸塩を使用することができ
る。また、ラジカル開始剤とナトリウムホルムアルデヒ
ドスルホキシレート、グリオキサール亜硫酸塩、L−ア
スコルビン酸(塩)、エリソルビン酸(塩)、ホルムア
ミジンスルフィン酸、硫酸第一鉄等の還元剤を併用する
レドックス触媒を用いることもできる。なかでも過硫酸
アンモニウムや過硫酸カリウムといった過硫酸塩を好適
に用いることができる。重合温度は使用するラジカル開
始剤の種類により異なるが40〜80℃が望ましい。
【0011】本発明におけるEVA系エマルジョンの重
合方法として、公知の乳化重合法が用いられ、例えば、
モノマー逐次添加法、一括仕込法、二段重合法等が挙げ
られるが、特にこれらに限定されない。
【0012】本発明の(B)成分であるアジピン酸ジメ
チル、グルタル酸ジメチル、コハク酸ジメチルのうち少
なくとも1種からなる化合物は、低温接着性の改良効果
を有するだけでなく、耐寒性においても特に優れてい
る。
【0013】(B)成分の添加量はEVA系エマルジョ
ンの固形分100質量部当たり、1〜30質量部、好ま
しくは2〜25質量部、特に好ましくは3〜20質量部
である。(B)成分の添加量が1質量部未満の場合、得
られる接着剤組成物の低温接着性や耐寒性が不十分であ
り、また、30質量部を超えると常態接着強度が低下す
る傾向がある。
【0014】本発明の(C)成分であるエステル系化合
物は、凝固点もしくは融点が20℃以下、大気圧での沸
点が200℃以上、且つ、SPの値が16.0〜20.
5であることを特徴とする。凝固点もしくは融点が20
℃を超えると低温接着性や耐寒性が低下し、大気圧での
沸点が200℃未満の場合、異臭の問題が発生するおそ
れがある、さらにSPの値が16.0〜20.5の範囲
を超えると接着性改良効果が低下する傾向がある。好ま
しくは、凝固点もしくは融点が10℃以下、沸点220
℃以上、且つ、SPの値が16.5〜19.5のエステ
ル系化合物であり、特に好ましくは、凝固点もしくは融
点が0℃以下、沸点230℃以上、且つ、SPの値が1
6.7〜19.0のエステル系化合物である。
【0015】本発明におけるSPの値は、下記の(1)
式を用いて計算する。
【0016】 SP=(dΣG)/M (1) (ここで、M:化合物の分子量、d:化合物の密度、
G:化合物の原子団、基に固有の定数(日本接着学会発
行「接着の技術」誌;Vol.12,No.1,199
2年版,23頁,表4.4に記載されている沖津の修正
値を採用))
【0017】本発明の(C)成分であるエステル系化合
物の具体例としては、蓚酸ジブチル、蓚酸ジペンチル、
マロン酸ジブチル、コハク酸、グルタル酸及びアジピン
酸の炭素数2〜10の脂肪族や脂環族アルコールのジエ
ステル、コルク酸、ピメリン酸、アゼライン酸及びセバ
シン酸の炭素数1〜10の脂肪族や脂環族アルコールの
ジエステル化合物、カプロン酸の炭素数4〜10の脂肪
族アルコールとのエステル、エナント酸と炭素数3〜1
0の脂肪族アルコールとのエステル、カプリル酸と炭素
数2〜10の脂肪族アルコールとのエステル、ペラルゴ
ン酸、カプリン酸、ラウリル酸、ミリスチン酸及びオレ
イン酸と炭素数1〜10の脂肪族アルコールとのエステ
ルが挙げられる。好ましくは、コハク酸ジブチル、グル
タル酸ジエチル、グルタル酸ジブチル、アジピン酸ジブ
チル、アジピン酸ジヘキシル、アジピン酸ジイソデシ
ル、アジピン酸ジn−オクチル、アジピン酸ジイソノニ
ル、アゼライン酸ジエチル、アゼライン酸ジヘキシル、
アゼライン酸ジイソオクチル、セバシン酸ジブチル、セ
バシン酸ジイソオクチル、カプロン酸ヘキシル、エナン
ト酸ヘプチル、カプリル酸ブチル、ラウリル酸エチル、
ラウリル酸ヘプチル、ミリスチン酸ブチル、ミリスチン
酸イソデシル、オレイン酸メチル、オレイン酸エチル、
オレイン酸ブチル、2,2,4−トリメチル−1,3−
ペンタンジオールモノイソブチレート、2,2,4−ト
リメチル−1,3−ペンタンジオールジイソブチレート
等であり、特に好ましくは、アジピン酸ジブチル、アジ
ピン酸ジイソノニル、セバシン酸ジブチル、セバシン酸
ジオクチル、アゼライン酸ジヘキシル、ラウリル酸ヘプ
チル、ミリスチン酸イソデシル、オレイン酸メチル、
2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモ
ノイソブチレート等であり、特に好ましくは2,2,4
−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノイソブチ
レートである。勿論、これらエステル系化合物を2種以
上併用してもよい。
【0018】本発明の(C)成分であるエステル系化合
物の添加量はEVA系エマルジョンの固形分100質量
部当たり、1〜30質量部、好ましくは2〜25質量
部、特に好ましくは3〜20質量部である。エステル系
化合物の添加量が1質量部未満の場合、得られる接着剤
組成物の低温接着性や耐寒性が不十分であり、また、3
0質量部を超えると常態接着性や耐熱性が低下する傾向
がある。
【0019】さらに本発明の(B)成分と(C)成分の
合計の添加量はEVA系エマルジョンの固形分100質
量部当たり、1〜30質量部、好ましくは2〜25質量
部、特に好ましくは3〜20質量部である。(B)成分
と(C)成分の合計の添加量が1質量部未満の場合、得
られる接着剤組成物の低温接着性や耐寒性が不十分であ
り、また、30質量部を超えると常態接着性や耐熱性が
低下する傾向がある。
【0020】本発明者らは上記の(B)成分と(C)成
分を接着性改良剤として詳細に検討した結果、(B)成
分と(C)成分を特定量併用することにより、EVA系
共重合体と良く親和して低温接着性、耐寒性、及び耐熱
クリープ性を改良し、かつそれらの優れたバランスを発
揮させることを見出した。また(B)成分と(C)成分
の大気圧での沸点が高いことが、低揮発性や低臭気に重
要であること、しかも広い範囲のエチレン組成のEVA
系エマルジョンの接着性を改良する技術を見出したので
ある。
【0021】本発明の接着剤は製法及び使用方法には特
別な限定はなく、必要ならば可塑剤、沈殿防止剤、増粘
剤、流動性改良剤、防腐剤、防錆剤、消泡剤、充填剤、
湿潤剤、着色剤等を所定量、任意の順序、方法で混合す
ることにより製造することができる。なお、接着剤組成
物中の固形分濃度は35〜85質量%、好ましくは40
〜80質量%である。
【0022】
【実施例】以下更に詳細に実施例をもって説明するが、
本発明はこれらの実施例に限定されるものでない。な
お、本発明記載の部及び%は特に記載がなければ、いず
れも質量基準で示したものである。以下に実施例及び比
較例において使用した(A)EVA系エマルジョン、
(B)成分、及び(C)成分のエステル系化合物、PV
A、その他の添加剤等及び評価方法を示す。
【0023】接着性改良のための添加剤として、使用し
た化合物を次に示す。キシレン(Xylと略す)、グル
タル酸ジメチル(以下GDMと略す)、コハク酸ジメチ
ル、グルタル酸ジメチル、アジピン酸ジメチルがそれぞ
れ17%、66%、17%の混合物(DBEと略す)、
アジピン酸ジイソノニル(ADNと略す)、セバシン酸
ジn−ブチル(SBDBと略す)、オレイン酸メチル
(OLMと略す)、2,2,4−トリメチル−1,3−
ペンタンジオールモノイソブチレート(TMPmと略
す)、ステアリン酸ブチル(StBと略す)。尚、表に
は記載していないが、GDMの凝固点は−37℃、沸点
は210℃、SPの値は21.0であり、Xylの凝固
点は−25℃、沸点は140℃、SPの値は17.8で
ある。PVAとして、電気化学工業株式会社製のデンカ
ポバールB−05(平均重合度600、ケン化度88
%)及びB−17(平均重合度1700、ケン化度88
%)を使用した。
【0024】<EVA系エマルジョンの製造例>攪拌機
付の高圧重合缶に酢酸ビニル80部、1.6部のB−0
5、1.6部のB−17、酢酸ソーダ0.2部、ロンガ
リット(ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレー
ト、住友精化社製)0.12部、硫酸第一鉄・七水和物
0.004部、エチレンジアミン4酢酸4ナトリウム
0.008部を72部の水に溶解した水溶液を攪拌下仕
込み、窒素で重合缶内部を置換した後、エチレン20部
を充填した。温度を55℃とした後、5%の過硫酸アン
モニウム水溶液を添加し重合を行った。未反応の酢酸ビ
ニルモノマー量が2%未満となった時点で残存するエチ
レンをパージしEVAエマルジョンを得た。生成したE
VAエマルジョン中の未反応の酢酸ビニルモノマーを減
圧下除去し、未反応の酢酸ビニルモノマーが0.5重量
%以下、エチレン含有率19%、固形分55.0%のE
VA系エマルジョンを得た。以下、Em−1と略す。酢
酸ビニル71部、エチレン29部に変更した以外は、上
記と同様にして、未反応の酢酸ビニルモノマーが0.5
重量%以下、エチレン含有率27%、固形分55.2%
のEVA系エマルジョンを得た。以下、Em2−と略
す。同様にエチレン含有率10%、固形分55.0%の
EVA系エマルジョンをEm−3、エチレン含有率18
%、固形分55.4%のEVA系エマルジョンをEm−
4として試験に供した。
【0025】<接着剤組成物の調整>上記で得られたE
VA系エマルジョンの固形分100部に対し、表1〜2
に記載した量の添加剤((B)成分、(C)成分、その
他)を均一に混合して、接着剤組成物を得た。
【0026】<不揮発分、粘度>JIS K 6828
に準じて評価した。 <エチレン含有率>プロトンNMRを使用し、酢酸ビニ
ルとエチレンに由来するピーク強度の積分値より算出し
た。 装置 :BRUKER製 AVANCE300 観測周波数:1H 300MHz 測定溶媒:重クロロホルム 濃度:約5g/100cm3 測定温度:55℃
【0027】<低温接着性>接着特性はパーティクルボ
ード(10mm厚)と半硬質塩化ビニルシートで評価し
た。2℃雰囲気下で接着剤組成物と試験片を1日間保持
して冷却し、2℃の温度条件で接着剤組成物を半硬質塩
化ビニルシート上にバーコーターで90g/m2(we
t)塗布し、パーティクルボードと貼り合わせ、2kg
のゴムローラーで脱気後、そのまま2℃で1日放置した
後、手で強制剥離して破壊状態を判定した。10個のう
ちパーティクルボード表面が破壊した(木破)割合を示
すが、この数値が大きいほど低温接着性が良好である。
【0028】<耐寒性>上記の試験体を−20℃雰囲気
下、1日放置後、鋸で切断し切断面を以下の規準で判定
した。 シートが木と密着し、界面剥離が見られない:○ シートと木が一部界面剥離する :△ シートと木とが大部分、界面剥離する :×
【0029】<臭気>密閉した容器に添加剤を添加した
接着剤組成物を入れ、所定の温度で2時間以上放置後、
開栓し迅速に4名が直接嗅ぎ、以下の基準で判定した。
なお、放置する温度は、通常の使用条件を想定した20
℃及び夏期の高温下を想定し、より厳しい温度である4
0℃の両方で行った。 不快な臭が感じられない :○ 不快な臭がややある :△ 不快な臭いがある :× <耐熱性;耐熱クリープ>接着特性はパーティクルボー
ド(10mm厚)と半硬質塩化ビニルシートで評価し
た。20℃で接着剤組成物を半硬質塩化ビニルシート上
にバーコーターで90g/m2(wet)塗布し、パー
ティクルボードと貼り合わせ、2kgのゴムローラーで
脱気後、そのまま20℃で1日放置した後、長さ300
mm、幅25mmに切断した接着試験片を作成した。こ
の試験片を半硬質塩化ビニルシートを下側にして両端を
固定した状態で水平に置き、60℃のギヤーオーブン中
に1時間放置した。雰囲気温度60℃、90度剥離の状
態で500g/25mmの静荷重をかけ、30分後の剥
離長さを測定した。以上の評価結果を表1、2に示す。
【0030】
【表1】
【0031】
【表2】
【0032】表1及び2から、アジピン酸ジメチル、グ
ルタル酸ジメチル、コハク酸ジメチルのうち少なくとも
1種からなる化合物と凝固点が20℃以下、大気圧での
沸点が200℃以上、且つ、SPが16.0〜20.5
のエステル系化合物を含有した接着剤は低温接着性、耐
寒性、耐熱クリープのバランスに優れ、低臭気である。
【0033】
【発明の効果】本発明の(A)エチレン−酢酸ビニル系
共重合体エマルジョンの固形分100質量部当たり、
(B)アジピン酸ジメチル、グルタル酸ジメチル、コハ
ク酸ジメチルのうち少なくとも1種からなる化合物1〜
30質量部、(C)凝固点もしくは融点が20℃以下、
大気圧での沸点が200℃以上、且つ、SPの値が1
6.0〜20.5であるエステル系化合物1〜30質量
部を含有する接着剤組成物は低温接着性、耐寒性、耐熱
性のバランスに優れ、揮発性有機物質(VOC)が少な
い。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J040 DA051 DD022 DE031 HB31 HB32 JA03 KA23 KA38 LA06 LA08 LA11 MA01 MA06 MA08 MA09 MA10 MA11 NA07 NA12 NA13

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)エチレンと酢酸ビニルを必須成分
    とするエチレン−酢酸ビニル系共重合体エマルジョンの
    固形分100質量部当たり、(B)アジピン酸ジメチ
    ル、グルタル酸ジメチル、コハク酸ジメチルのうち少な
    くとも1種からなる化合物1〜30質量部、(C)凝固
    点もしくは融点が20℃以下、大気圧での沸点が200
    ℃以上、且つ下記(1)式で求めたSPの値が16.0
    〜20.5であるエステル系化合物1〜30質量部を含
    有することを特徴とする接着剤組成物。 SP=(dΣG)/M (1) (ここで、M:化合物の分子量、d:化合物の密度、
    G:化合物の原子団、基に固有の定数)
  2. 【請求項2】 請求項1記載の(B)成分と(C)成分
    の合計量が(A)の固形分100質量部当たり1〜30
    質量部であることを特徴とする請求項1記載の接着剤組
    成物。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のエチレン−酢酸ビニル系
    共重合体エマルジョンがポリビニルアルコールを保護コ
    ロイドとして含有することを特徴とする請求項1または
    2記載の接着剤組成物。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の(C)成分が2,2,4
    −トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノイソブチ
    レートであることを特徴とする請求項1〜3記載の接着
    剤組成物。
  5. 【請求項5】 トルエン、キシレンを含まないことを特
    徴とする請求項1〜4記載の接着剤組成物。
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