JP2003171620A - 光記録媒体用紫外線硬化型保護膜組成物及び光記録媒体 - Google Patents

光記録媒体用紫外線硬化型保護膜組成物及び光記録媒体

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JP2003171620A
JP2003171620A JP2001374143A JP2001374143A JP2003171620A JP 2003171620 A JP2003171620 A JP 2003171620A JP 2001374143 A JP2001374143 A JP 2001374143A JP 2001374143 A JP2001374143 A JP 2001374143A JP 2003171620 A JP2003171620 A JP 2003171620A
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ultraviolet
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JP2001374143A
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Toshihiro Shoji
敏博 庄司
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DIC Corp
Original Assignee
Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 基板上に、記録層又は情報記録ピット、Ag
又はその合金からなる反射層および紫外線硬化型組成物
からなる保護層とを有する光記録媒体において、前記反
射層の耐食性を向上させる紫外線硬化型組成物を提供す
ると共に、高温高湿環境下に保存した後でも、ブロック
エラーレート(BLER)の上昇が抑制されて再生特性
の劣化が小さい、耐久性に優れた光記録媒体を提供す
る。 【解決手段】 保護層形成用の紫外線硬化型組成物を、
組成物の1質量%メタノール溶液におけるpH値が4.
5〜6.8であり、かつ光重合開始剤として、4−ベン
ゾイル−4'−メチルジフェニルサルファイドを5〜1
0質量%含有する紫外線硬化型組成物とすると共に、該
紫外線硬化型組成物の硬化膜からなる保護層を有した光
記録媒体とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光記録媒体及びそ
の媒体における保護層形成用の材料組成物、より詳しく
は、反射層がAg又はAgを主成分とする金属若しくは
合金である光記録媒体及びその保護層形成用の材料であ
る紫外線硬化型組成物の技術に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、大容量可搬型の情報記録媒体とし
て、追記型や書き換え可能型などの各種光記録媒体、特
に光記録ディスクが広く普及している。その中でも、色
素を主成分とした記録層を有する光記録ディスク(CD
−R)は、記録層を塗布により形成することができる等
により、低コストで製造することが可能となって、世界
中で、大きく伸張するという状況にある。
【0003】光記録ディスクとしては、従来、記録層上
に空気層が設けられたいわゆるエアーサンドイッチ構造
のものが用いられていたが、最近では、反射層を記録層
表面に密着させて設け、コンパクトディスク(CD)規
格に対応した再生を可能にした光記録ディスクが開発さ
れている。すなわち、この光記録ディスクは、ポリカー
ボネート等の透明基板上に、色素を主成分とする記録
層、反射層及び保護層をこの順に積層するもので、反射
層が記録層に密着して設けられているため、CDの規格
であるディスク全厚1.2mmの構成が可能となってい
るものである。さらには、より高記録密度の光記録媒体
であるDVDの規格に準拠した、同様の、貼り合わせ型
・光記録ディスクも上市されている。
【0004】このような光記録ディスクにおける反射層
としては、従来、CD反射率規格保持のため、化学的に
安定なAu(金)の薄膜を使用してきた。しかし、光記
録ディスクの普及が進むにつれ、その低価格化・低コス
ト化が要求され、より安価なディスク製造の一手段とし
て、Ag(銀)又はAgを主成分とする金属若しくは合
金からなる薄膜を反射層とするものが主流となってき
た。しかしながら、Agの薄膜には、耐食性に乏しいと
いう欠点が有る。即ち、Agは、乾燥した雰囲気中で
は、酸素中・高温下でも酸化されない化学的に安定な金
属であるにも拘わらず、通常の湿気を含んだ大気中や硫
化ガスの存在下では、変色したり光沢を失って変質する
という問題がある。このため、Ag反射層に対する保護
層形成用の材料にあっては、反射層がAu薄膜であると
き以上に、保護層としての性能向上が要求されることと
なる。
【0005】反射層とするAg薄膜の耐食性を向上させ
る技術としては、反射層そのものに対するものと保護層
となす組成物材料とに関するものとが有る。前者の反射
層に対するものの代表例としては、異種金属と合金化し
てAg薄膜を調製する手法が提案されてきた。例えば、
特開平7−3363号公報では、1〜10at%のMg
(マグネシウム)を含有させるとの提案が有る。しか
し、これらの手法による耐食性の向上効果は未だ不十分
であって、Au(金)やAl(アルミ)反射層用として
の従来からの紫外線硬化型組成物を使用してAg反射層
への保護層を形成した場合には、高温高湿環境下に保存
した後での記録・再生特性が劣化し、光記録媒体の耐久
性が劣るものになるという欠点が有った。
【0006】一方、後者の、保護層となす硬化膜形成用
の材料である紫外線硬化型組成物に関するものの代表例
としては、特定の化合物を添加して組成物を調製する方
法が提案されてきた。例えば、特開平7−105573
号公報では、トリアジンアミン系化合物やメルカプトベ
ンゾイミダゾール系化合物などを含有させるとの提案が
ある。しかしながら、これら化合物では、その溶解性が
小さいなどに起因して効果が微弱なため、高温高湿環境
下保存での光記録媒体の耐久性としては不充分であっ
て、未だ、実用に供し得ないというのが実情であった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は、先に、反
射層としてAg又はAgを主成分とする金属若しくは合
金を使用する光記録媒体においては、その保護層形成用
の材料である紫外線硬化型組成物のpH値範囲を、該組
成物の1質量%メタノール溶液で、特定の範囲になる様
に調製することにより、保護層としての機能が大幅に向
上することを見出し開示した(特開2001−2070
85号)。しかしながら、該公報における発明の保護層
を使用した光記録ディスクにあっても、ディスク耐久性
試験の環境条件(80℃/80%RH/100時間)を更に厳し
くした場合には、依然として、ディスクの信号エラーが
大きく上昇する傾向にあることが判明し、その保護層と
しての性能は未だ不十分であって、問題点となるもので
あった。
【0008】そのため、本発明の第一態様としての目的
は、光記録媒体の反射層に接して保護層となる硬化膜の
形成用材料である紫外線硬化型組成物において、前記・
反射層がAg又はAgを主成分とする金属若しくは合金
である場合に、該反射層の耐食性向上が可能となるよう
に、腐食性を改良した紫外線硬化型組成物を提供するこ
とである。また、本発明の第二態様としての目的は、前
記・腐食性を改良した紫外線硬化型組成物を使用して光
記録媒体とすることにより、高温高湿環境下に保存した
後でも、ブロックエラーレート(BLER)の上昇が抑
制できて記録再生特性の低下が小さい、高耐久性の光記
録媒体を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者は鋭意検討した
結果、光記録媒体の保護層形成用材料である紫外線硬化
型組成物を次の特定の調製物とすることにより、上記の
発明・第一態様の目的が達成できることを見出した。す
なわち、該組成物を、組成物の1質量%メタノール溶液
におけるpH値が所定の範囲にあり、かつ光重合開始剤
として含有する化合物が特定のサルファイドであるとこ
ろの調製物とする。また、該組成物を材料に使用して硬
化膜を形成し保護層とした光記録媒体とすることによ
り、上記の発明・第二態様の目的が達成できることを見
出し、本発明を完成させるに至った。
【0010】すなわち本発明は、基板上に、記録層又は
情報記録ピット、Ag又はAgを主成分とする金属若し
くは合金からなる反射層および紫外線硬化型組成物の硬
化膜からなる保護層とをこの順に有する光記録媒体にお
ける前記保護層形成用の紫外線硬化型組成物であって、
1質量%メタノール溶液のpH値が4.5〜6.8であ
り、かつ光重合開始剤として、4−ベンゾイル−4'−
メチルジフェニルサルファイドを含有する紫外線硬化型
組成物である。
【0011】また本発明は、紫外線硬化型組成物に含ま
れる光重合開始剤としての4−ベンゾイル−4'−メチ
ルジフェニルサルファイドの含有量が、5〜10質量%
の範囲である上記記載の紫外線硬化型組成物である。
【0012】さらに本発明は、上記紫外線硬化型組成物
の硬化膜からなる保護層を有する光記録媒体である。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明について図面を参照
しながら詳しく説明する。図1は、本発明に係る光記録
媒体のうちの光記録ディスクにおける縦断面を示す一例
である。光記録ディスク1は、基板2上に、色素を主成
分とする塗布型の記録層3を有し、記録層3に密着して
Ag又はAgを主成分とする金属若しくは合金からなる
反射層4を有し、その反射層4の上層として本発明の紫
外線硬化型組成物の硬化膜からなる保護層5を有する。
【0014】基板2は、記録光および再生光(波長60
0〜900nm程度)に対し、実質的に透明(好ましく
は透過率88%以上)な樹脂あるいはガラスから形成す
る。これによって、基板裏面側(図では下側)からの記
録および再生が可能となる。基板材質としては、樹脂を
用いることが好ましく、一般的には、ポリカーボネート
樹脂などであるが、環状ポリオレフィン樹脂も、吸水性
や複屈折性などの点で光学材料としての適性が高く本組
成物との密着性ないし接着性が良いため、好適な基板材
料である。これらの樹脂基板は、射出成形等の公知の方
法により製造できる。そしてその際、トラッキング用や
アドレス用等のために、グルーブ21等の所定パターンを
基板表面に形成することがある。なお、このグルーブ21
等は、基板2の製造後に、2P法(フォトポリマー法)
等で形成してもよい。
【0015】基板2のサイズは、通常のコンパクトディ
スク(CD)と同等であって、記録書き込み可能なCD
として用いる場合にも、厚さは1.2mm程度、直径は
80〜120mm程度である。
【0016】この基板2上に、有機色素を主成分とする
記録層3を形成する。記録層3に用いる光吸収性色素と
しては、例えばシアニン系、フタロシアニン系、ナフタ
ロシアニン系、アントラキノン系、アゾ系、トリフェニ
ルメタン系、ピリリウムないしチアピリリウム塩系、ス
クワリリウム系、クロコニウム系、ホルマザン系、金属
錯体色素系等を挙げることができる。
【0017】また、光吸収性色素には、一重項酸素クエ
ンチャーを混合して用いることができる。更に、色素カ
チオンと一重項酸素クエンチャーアニオンとのイオン結
合体を光吸収性色素とすることもできる。
【0018】クエンチャーとしては、アセチルアセトナ
ート系、ビスジチオ−α−ジケトン系やビスフェニルジ
チオール系などのビスジチオール系、チオカテコール
系、サリチルアルデヒドオキシム系、チオビスフェノレ
ート系等の金属錯体が好ましい。また、窒素のラジカル
カチオンを有するアミン系化合物やヒンダードアミン等
のアミン系のクエンチャーも好適である。
【0019】上記のように、記録層用の色素としては、
光吸収性の色素、色素とクエンチャーの混合物および色
素とクエンチャーの結合体から選択して使用できる。
【0020】記録層3の形成は、通常、スピンコート法
等により行う。すなわち、色素および有機溶剤を含有す
る塗布液を、回転する基板2上に展開塗布して形成す
る。記録層形成のための塗布液に用いる有機溶剤として
は、アルコール系、ケトン系、エステル系、エーテル
系、芳香族系、ハロゲン化アルキル系等から使用する色
素に応じて適宜選択可能であるが、一分子中に2つ以上
の官能基を有する有機溶剤が好適である。スピンコート
後、必要に応じて塗膜を乾燥させる。このようにして形
成した記録層の厚さは、目的とする反射率などに応じて
適宜設定されるものであるが、通常、100〜300n
m程度である。
【0021】次いで、記録層3上に、直接に密着させ
て、反射層4を形成する。この反射層4は、通常、スパ
ッタや蒸着等の各種気相成膜法により行なう。
【0022】次いで、反射層4上に、スピンコート法等
により紫外線硬化型組成物を塗布する。これを紫外線照
射して硬化膜とし、保護層5を形成する。この際の紫外
線源としては、高圧水銀灯、メタルハライドランプ等の
連続発光方式の紫外線照射装置やキセノンフラッシュラ
ンプ等の閃光発光方式の紫外線照射装置などを用いるこ
とができる。保護層5の厚さは、通常、4〜15μm程
度とする。保護層の厚さが薄くなると紫外線硬化型組成
物の酸素阻害による硬化不良が生じ、反射層や記録層に
対する防食性が不十分となる傾向にある。一方、厚さが
厚くなると、硬化の際の収縮によって、クラックが生じ
たりディスクに反りが発生し易くなる。さらに、この保
護膜5上には、レーベル印刷層等を設けることができ
る。
【0023】以上は、1回記録の光記録ディスク:CD
−Rの例であるが、本発明はこれ以外にも、例えば、図
2に示した、情報記録ピットを有した基板の上にAg又
はAgを主成分とする金属若しくは合金からなる薄膜を
形成して反射層としたCDやCD−ROM等の読み込み
専用の光記録ディスクにも、適用可能である。
【0024】本発明に係る保護層の形成用として使用す
る紫外線硬化型組成物の原料は、次のA〜Dの成分であ
る。すなわち、A:オリゴマー成分、B:モノマー成
分、C:光重合開始剤成分、D:その他の成分である。
そして、成分Aおよび成分Bの使用割合は、保護層とし
て要求される硬化膜の物性等によって決定する。
【0025】本発明の紫外線硬化型組成物としては、該
組成物の1質量%メタノール溶液におけるpH値を所定
の範囲とするために、原料組成の選定が重要である。基
本的にpH値が小さくなる酸性度の強いオリゴマー、モ
ノマー、光重合開始剤および添加剤等の原料、その逆
の、基本的にpH値が大きくなる塩基性度の強い原料を
選択して使用することは、できる限り、避けるようにす
る。但し、カルボキシル基を有するオリゴマー、モノマ
ーおよび光重合開始剤は、比較的、組成物のメタノール
溶液のpH値を所定の範囲とする上で支障とならないこ
とが多い。そのため、問題とならない範囲で性能向上剤
的に使用することができ、その含有量によっては、好ま
しい結果をもたらすことがある。
【0026】以下に、本発明の紫外線硬化型組成物の成
分について、更に詳細に説明する。先ず、A成分として
は、エポキシアクリレート、ポリウレタンアクリレー
ト、ポリエステルアクリレート、ポリエーテルアクリレ
ート等が使用できる。これらは、容易に、市販品を入手
することが可能である。
【0027】次に、B成分としては、二つの成分に分け
るのが合理的であり、組成物の硬化膜の塗膜強度をアッ
プする成分(以下、B1成分という)と組成物の粘度を
低下させる希釈成分(以下、B2成分という)とに分け
て使用する。これらは各々、上記同様、容易に、市販品
の入手が可能である。
【0028】上記B1成分としては、分子中に2個以上
の(メタ)アクリロイル基を有する化合物であることが
好ましく、特に好ましくは、3個以上の(メタ)アクリ
ロイル基を有する化合物である。分子中に2個の(メ
タ)アクリロイル基を有してB1成分として選択される
化合物としては、例えば、ジシクロペンタニルジ(メ
タ)アクリレート、エチレンオキシド(EO)やプロピ
レンオキシド等のアルキレンオキシド変性ビスフェノー
ルAジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。分子中に
3個以上の(メタ)アクリロイル基を有してB1成分と
して選択される化合物としては、例えば、トリメチロー
ルプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキシ
ド(EO)やプロピレンオキシド等のアルキレンオキシ
ド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレー
ト、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレー
ト、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタ(メ
タ)アクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトー
ルペンタ(メタ)アクリレート、アルキル変性ジペンタ
エリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエ
リスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリス
リトールテトラ(メタ)アクリレート、トリス[(メ
タ)アクリロキシエチル]イソシアヌレート、カプロラ
クトン変性トリス[(メタ)アクリロキシエチル]イソ
シアヌレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メ
タ)アクリレート等が挙げられる。
【0029】一方、上記B2成分としては、分子中に2
個または1個の(メタ)アクリロイル基を有する化合物
であることが好ましい。分子中に2個の(メタ)アクリ
ロイル基を有してB2成分として選択される化合物とし
ては、例えばトリプロピレングリコールジ(メタ)アク
リレート、1,6―ヘキサンジオールジ(メタ)アクリ
レート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレー
ト、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート等が
挙げられる。また、分子中に1個の(メタ)アクリロイ
ル基を有してB2成分として選択される化合物として
は、2−(2−エトキシエトキシ)エチル(メタ)アク
リレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレー
ト、2―ヒドロキシ(メタ)アクリレート、イソボルニ
ル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アク
リレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート等
が挙げられる。なお、N,N,−ジエチルアミノエチル
(メタ)アクリレート、アクリルモルホリン、等のアミ
ノアクリレート、N−イソプロピルアクリルアミド、
N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N,−ジメチル
アミノプロピルアクリルアミド、等のアミノアクリルア
ミド等の塩基性モノマーを含有することは、上記紫外線
硬化型組成物メタノール溶液のpH値の観点からは、あ
まり好ましくない。
【0030】さらに、C成分としては、一般の紫外線硬
化型樹脂に使用されている各種の光重合開始剤および光
重合増感剤が使用できる。
【0031】光重合開始剤は、例えば、アセトフェノン
系、ベンゾフェノン系、ベンゾイン系およびチオキサン
トン系化合物などに分類することができるが、本発明の
組成物に係る光重合開始剤も、これらに分類されるうち
の1種である。
【0032】本発明の紫外線硬化型組成物に含有させる
光重合開始剤としては、上記分類のベンゾフェノン系化
合物に該当する、4−ベンゾイル−4'−メチルジフェ
ニルサルファイド(BMDS)を必須成分として使用す
る。その含有量は、組成物全体に対して、5〜10質量
%の範囲であることが好ましい。4−ベンゾイル−4'
−メチルジフェニルサルファイドの添加量に適正な範囲
がある理由とその効果発現のメカニズム等に関しては不
明な点が多いが、光重合開始剤としての特異機能(開列
型と水素引き抜き型の2つの機能を同一分子内に持って
いる)が寄与し、それに起因しているものと推測され
る。また、本発明に係る光重合開始剤は、紫外線照射に
よりフェニルチオラジカルないしベンゾイルフェニルチ
オラジカルを発生させるが、これがAg表面に選択的に
配位して、Ag薄膜の耐腐食性を向上させる機能を果た
していることも、あわせて、推測される。なお、本発明
に係る光重合開始剤は、上記分類中の他の光重合開始剤
と、本発明の効果を損わない範囲内で、併用することが
可能である。さらにまた、光重合増感剤として、例え
ば、トリエチルアミン、メチルジエタノールアミン、ト
リエタノールアミン等の脂肪族アミン、ビス(N−メチ
ル−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニ
ル)セバケート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル
−4−ピペリジニル)セバケート、フェニル−4−ピペ
リジニルカーボネート等のHALS(ヒンダードアミ
ン)、および2−ジメチルアミノエチルベンゾエート、
p−ジメチルアミノアセトフェノン、p−ジメチルアミ
ノ安息香酸エチル、p−ジメチルアミノ安息香酸イソア
ミル等の芳香族アミンを使用することもできる。但し、
芳香族アミン以外はその塩基性が比較的強いことにより
組成物メタノール溶液のpH値を大きくする可能性が有
り、あまり好ましくない。なお、該4−ベンゾイル−
4'−メチルジフェニルサルファイド(BMDS)は、
ワードブレキンソップ社などより、市販品として入手可
能である。
【0033】上記光重合開始剤及び光重合増感剤は、そ
の使用量等によって、組成物メタノール溶液のpH値を
変動させるため、紫外線照射による組成物塗膜の硬化速
度を実用レベルに確保した上で、組成内容を決定する事
が重要である。そのような観点から、本発明に係る光重
合開始剤である4−ベンゾイル−4'−メチルジフェニ
ルサルファイドに、任意成分として、併用可能な光重合
開始剤としては、1−ヒロドキシシクロヘキシルフェニ
ルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル
プロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタール、メチ
ルフェニルグリオキシレート等を挙げることができる。
【0034】最後に、D成分としては、各種の添加剤
が、必要に応じて使用できる。例えば、組成物の保存性
を高める重合禁止剤や塗布性を改善する界面活性剤等で
ある。特に、塗布性改善のためには、大日本インキ化学
工業社製の「メガファックF-142D」、「メガファックF-
144D」、「メガファックF-150」、「メガファックF-17
1」、「メガファックF-173」、「メガファックF-17
7」、「メガファックF-183」等のフッ素系非イオン界面
活性剤が有効である。
【0035】A成分およびB1成分の使用割合は、(A
+B1)成分として、50質量%以上とすることが硬化膜
の塗膜強度の面で好ましく、90質量%以下とすることが
組成物粘度からは好ましい。またB2成分の使用割合
は、5質量%以上とするのが希釈効果の面から好まし
く、40質量%以下とすることが塗膜強度からは好まし
い。
【0036】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に具体的に説
明するが、本発明はこれらによって限定されるものでは
ない。
【0037】<実施例1および比較例1〜4>下記の
「表.1 実施例と評価結果のまとめ」に、本発明に係
る実施例および比較例に関する紫外線硬化型組成物の内
容およびそれらを用いて得た光記録ディスクサンプルの
評価結果(総合判定も含む)を示した。
【0038】<紫外線硬化型組成物の調製>表.1にお
ける各実施例および比較例の組成物組成に原料を配合
し、それぞれ、60±5℃で2時間、攪拌下に溶解して調
製し、pH値測定用および光記録ディスクサンプルにお
ける保護層形成用の紫外線硬化型組成物サンプルを作製
した。
【0039】<紫外線硬化型組成物の1質量%メタノー
ル溶液のpH値測定方法>上記で作製した紫外線硬化型
組成物サンプルを室温にてメタノールに溶解させて各々
の1質量%メタノール溶液を調製し、pH値測定用サン
プルとした。ここで、メタノールは、試薬1級のものを
用いた。次に、電気化学計器社製pH計COM−8、タ
イプ6155pH複合電極を使用し、液温25±2℃に
て、各サンプルのpH値を測定した。測定結果は、下記
の表.1にまとめて記載した。
【0040】<ブロックエラーレート(BLER)測定
用・光記録ディスクサンプルの作製>図1に示した構成
の光記録ディスクサンプル(追記型コンパクトディス
ク:CD−R)を作製した。まず、渦巻状の連続グルー
ブ21を有する直径120mm、厚さ1.2mmのポリカ
ーボネート樹脂基板2 上に、フタロシアニン系色素を
含有する厚さ200nmの記録層3を形成した。
【0041】次に、記録層3上に、Ag(銀)の反射層4
をスパッタ法により形成した。反射層の厚さは80nm
とした。反射層4上に、前記作製の各紫外線硬化型組成
物サンプルを平均7μmの厚さになるようにスピンコー
トで塗布し、紫外線を120W/cmの高圧水銀灯(ア
イグラフィックス社製H03−L31)で500mJ/
cm2 (アイグラフィックス社製UV光量計UVPF−
36)照射することにより、組成物を硬化膜として保護
層5を形成し、記録未入力の、光記録ディスク1の各サ
ンプル(追記型コンパクトディスク:CD−R)を得
た。
【0042】上記で得た光記録ディスク1の各サンプル
(追記型コンパクトディスク:CD−R)に、CBC社
製CD−R書き込み装置AD−1050にて、ROMデ
ータを書き込み、再生可能な記録入力済みで、ブロック
エラーレート(BLER)測定用の光記録ディスクサン
プルを作製した。
【0043】<サンプルの環境試験とブロックエラーレ
ート(BLER)の測定>以上のようにして作製した光
記録ディスクの各サンプルを、高温高湿環境下に保存
(80℃、95%RH、500時間・曝露)する環境試
験に供し、環境試験前後でのブロックエラーレート(B
LER)測定を行った。ブロックエラーレート(BLE
R)の測定は、光記録ディスクサンプルの内周部分につ
き15分間測定を行い、1秒間あたりのC1エラーの平
均個数(Counts/sec)を求めた。測定結果は、下記の
表.1にまとめて記載した。
【0044】<ブロックエラーレート(BLER)測定
結果の評価方法>現在、市場におけるCD、CD−Rで
のBLER規格は、BLER≦220Counts/secであ
る。そのため本願では、その10分の1以下、すなわち、
BLER=22Counts/sec以下を目標とし、それをクリ
アーした場合、評価を良好とした。
【0045】
【表1】表.1 実施例と評価結果のまとめ
【0046】ここで、表.1における紫外線硬化型組成
物の原料組成に用いた原料略字は、それぞれ、以下の物
質を示す。 BF-TMP:トリメチロールプロパントリアクリレート ETA-300:EO変性トリメチロールプロパントリアクリ
レート APG-200:トリプロピレングリコールジアクリレート β-HEMA:2−ヒドロキシプロピルメタクリレート BP:ベンゾフェノン Irg.184:1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケト
ン BMDS:4−ベンゾイル−4'−メチルジフェニルサルフ
ァイド F-173:大日本インキ化学工業社製非イオン系フッ素界
面活性剤 PM-2:EO変性リン酸ジメタクリレート
【0047】表.1の結果より、実施例1の光記録ディ
スクサンプルでは、環境試験後のC1エラー測定値が1
0Counts/secであって目標をクリアーしていて、環境試
験前後での変化量も小さいことから、実用上、十分な性
能を有した高耐久性の光記録ディスクであることが判
る。一方、比較例1〜3のディスクサンプルでは、紫外
線硬化型組成物の1質量%メタノール溶液のpH値が
4.5〜6.8の範囲に入っているにも拘わらず、環境
試験後のC1エラー測定値は55〜90Counts/secとな
って、その悪化程度は、未だ、かなり大きく、本願にお
ける目標を下回るものであった。また、比較例4の、p
H値が所定の範囲に無く(pH値=2.2)かつ本発明
に係る光重合開始剤である4−ベンゾイル−4'−メチ
ルジフェニルサルファイドを含有しない組成物によって
保護層を形成したものでは、C1エラー≧2,000Cou
nts/secであって、C1エラーの悪化程度が著しく大き
く、光記録媒体としての機能を喪失しているに等しい劣
悪なものに変化した。すなわち、組成物1質量%メタノ
ール溶液でのpH値が4.5〜6.8の範囲であって、
且つ光重合開始剤の一部として、4−ベンゾイル−4'
−メチルジフェニルサルファイドを5〜10質量%の範
囲で含有する組成物を調製し、それを使用して光記録媒
体における反射層の保護層を形成してやることにより、
反射層がAg又はAgを主成分とする金属若しくは合金
からなる薄膜を反射層とする光記録媒体にあっても、そ
の耐久性が大幅に向上していることが判る。
【0048】
【発明の効果】本発明によれば、Ag又はAgを主成分
とする金属若しくは合金を反射層とする光記録媒体を、
その耐久性が大幅に向上したものとすることができる。
すなわち、本発明の光記録ディスクは、現存の光記録デ
ィスクに対してはその性能ないし機能を逸失させてしま
う条件である、高温高湿環境下に保存・曝露した場合で
あっても、現状のBLER(C1エラー)規格を大幅に
クリアーすることができて、高耐久性と評価できる光記
録媒体である。このことは、酸化腐食等による変質が起
きて耐食性に不安定な側面が有るとされるAg(銀)を
素材とする反射層を、耐食性等に問題はないが高価であ
るために市場要求に合わず問題となる、Au(金)の反
射層に代替えて安定的に使用することを可能にするもの
であって、高耐久性・高品質かつ低価格である光記録媒
体の提供を可能にするという大きな効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る光記録ディスクの縦断面を示す
図である。
【図2】 本発明に係る光記録ディスク別例の縦断面を
示す図である。
【符号の説明】
1 光記録ディスク 2 基板 21 グルーブ 22 ピット 3 記録層 4 反射層 5 保護層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G11B 7/24 538 G11B 7/24 538E Fターム(参考) 4J011 SA54 SA61 SA75 SA78 SA82 SA83 UA01 VA01 WA02 4J038 FA111 FA151 FA161 FA251 FA261 FA271 JA18 JC09 KA03 KA06 MA06 PA07 PA17 PB11 5D029 LA03 MA13

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に、記録層又は情報記録ピット、
    Ag又はAgを主成分とする金属若しくは合金からなる
    反射層および紫外線硬化型組成物の硬化膜からなる保護
    層とをこの順に有する光記録媒体における前記保護層形
    成用の紫外線硬化型組成物であって、1質量%メタノー
    ル溶液のpH値が4.5〜6.8であり、かつ光重合開
    始剤として、4−ベンゾイル−4'−メチルジフェニル
    サルファイドを含有することを特徴とする紫外線硬化型
    組成物。
  2. 【請求項2】 紫外線硬化型組成物に含まれる光重合開
    始剤としての4−ベンゾイル−4'−メチルジフェニル
    サルファイドの含有量が、5〜10質量%の範囲である
    請求項1に記載の紫外線硬化型組成物。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載の紫外線
    硬化型組成物の硬化膜からなる保護層を有することを特
    徴とする光記録媒体。
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