JP2004256681A - 紫外線硬化型樹脂組成物及びこれを用いた光ディスク - Google Patents
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Abstract
【課題】銀又はその合金からなる薄膜に対する防食性及び密着性に優れた紫外線硬化型樹脂組成物の提供、また、銀又はその合金を光ディスクの光反射層材料とした場合であっても、金を光反射層材料とした場合と同等な、高耐久性(高信頼性)の光ディスクの提供。
【解決手段】銀又はその合金からなる光反射層の保護層硬化膜形成用材料としての紫外線硬化型樹脂組成物を、下記一般式(1)
(ここで、Aは(メタ)アクリロイル基、Oは酸素原子、R1及びR2は炭素数が1〜15のアルキレン基、Sはイオウ原子を表す)
で表される、チオエーテル化合物を含有した組成物とし、また、該組成物の使用により保護層硬化膜を形成した光ディスクとする。
【選択図】 なし
【解決手段】銀又はその合金からなる光反射層の保護層硬化膜形成用材料としての紫外線硬化型樹脂組成物を、下記一般式(1)
(ここで、Aは(メタ)アクリロイル基、Oは酸素原子、R1及びR2は炭素数が1〜15のアルキレン基、Sはイオウ原子を表す)
で表される、チオエーテル化合物を含有した組成物とし、また、該組成物の使用により保護層硬化膜を形成した光ディスクとする。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、銀又はその合金からなる光反射層とその保護層としての硬化膜とを有する光ディスクに関し、特には、該光ディスクにおける前記硬化膜の形成に好適な紫外線硬化型樹脂組成物及びそれを使用した光ディスクの耐久性改良の技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、光ディスクにおける光反射層用材料としては、金もしくはアルミニウム又はそれらの合金等が広く用いられている。
ここで、金は、光反射率と耐食性は高いが高価である。それにも拘わらず、光吸収性が大きい有機色素を記録層として使用するCD−R等の光ディスクにおいては、高反射率の光反射層を形成しなければならないという必要性から、高価な金を利用せざるを得ないという事情が有った。このため、この用途分野では、高価であるという金の欠点を解消できる、より安価な材料が望まれていた。
一方、アルミニウムは、光反射率は金に対して低いものの、耐食性が比較的良好でかつ安価である。そのため、CD−ROM等の再生専用型の光ディスクには利用できるものの、光反射率が低いという欠点のために、記録層として有機色素を使用するCD−R等の光ディスクには不向きであって、使用できなかった。
すなわち、金とアルミニウムのいずれもが、CD−R等の有機色素を記録層とする光ディスクの光反射層用材料としては、不満足な点を持っていた。
【0003】
このため、それらに代わる光反射層用材料として、近年、銀が注目され、広く使用されるようになってきている。その理由は、銀が、光反射率においては金と同等、価格においてはアルミニウム並みに安価ということに依る。
【0004】
しかしながら、銀には、耐食性が低いという欠点が存在する。そのため、銀を光反射層用材料とした光ディスクにあっては、光反射層と保護層との層間で異常が発生し易く、それが起因となり、銀を光反射層用材料とした光ディスクの耐久性は、金を材料としたものに比較して劣るという問題点があった。
【0005】
この問題点を解決するために、各種の提案が成されている。
例えば、添加剤として微量(0.001〜0.1重量%)のメルカプトベンゾイミダゾール系化合物やチオジプロピオン酸エステル系化合物等を含有させた紫外線硬化型樹脂組成物を調製し、それを用いて保護層となる硬化膜を形成して高耐久性の光ディスクとすることが開示されている(例えば、特許文献1、参照)。
しかしながら、上記公報の提案は、紫外線硬化型樹脂組成物に含有させる添加剤による銀反射膜腐食の改良であり、紫外線硬化性成分そのものによる改良ではなく、効果が不十分であった。
【0006】
【特許文献1】
特開平7−105573号公報(第2−3頁)
【0007】
また、添加剤成分ではなく、紫外線硬化性成分としてのフェニルチオエチル(メタ)アクリレート類を含有させた組成物を、銀化合物の半透明膜を有した貼り合わせ型光ディスク(DVD)用の接着剤組成物とすることで、金を半透明膜とした従来の貼り合わせ光ディスクと同等の、高い耐久性を得ることができるとの開示がある(例えば、特許文献2、参照)。
しかしながら、該アクリレート類は単官能アクリレートである。そのため、紫外線硬化性成分として該アクリレート類の含有量を増加させた場合には、紫外線照射による組成物の硬化の際に、その硬化速度を低下させるということが顕著であった。そしてまた、この硬化速度低下の影響と推定される要因により、耐薬品性(耐塩水性・等)も不十分であり、問題であった。
【0008】
【特許文献2】
特開2002−212514号公報(第2頁)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
この様な状況に鑑み、本発明は、銀又はその合金からなる薄膜の欠点である低耐食性をカバーし得る紫外線硬化型樹脂組成物を提供し、それを使用して、銀又はその合金からなる光反射層に対する保護層としての硬化膜を形成した、光ディスクを提供するものである。
すなわち本発明の目的は、銀又はその合金からなる薄膜に対する防食性および密着性に優れた紫外線硬化型樹脂組成物の提供である。また同時に、前記紫外線硬化型樹脂組成物を使用して保護層用硬化膜を形成し、銀又はその合金を光ディスクの光反射層用材料とした場合であっても、金を光反射層材料とした場合と同等な、高耐久性(高信頼性)の光ディスクを提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは鋭意検討した結果、紫外線硬化型組成物に、分子内にチオエーテル構造を有する特定の化合物を含有させることにより、銀又はその合金からなる光反射層に対する防食性および密着性が向上し、また同時に、該組成物を使用して保護層用硬化膜を形成した光ディスクとすることにより、光反射層と硬化膜との相互間に異常発生が生じない、高耐久性(高信頼性)の光ディスクとすることができることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0011】
すなわち本発明は、銀又はその合金からなる薄膜に接する硬化膜形成用の紫外線硬化型樹脂組成物であって、下記一般式(1)
【化2】
(ここで、Aは(メタ)アクリロイル基、Oは酸素原子、R1及びR2は炭素数が1〜15のアルキレン基、Sはイオウ原子を表す)
で表される、チオエーテル化合物を含有する紫外線硬化型樹脂組成物である。
また本発明は、基板上に銀又はその合金の薄膜からなる光反射層とそれに接する硬化膜とを有する光ディスクにおいて、前記硬化膜が、上記一般式(1)で表わされるチオエーテル化合物を含有する紫外線硬化型樹脂組成物からなる硬化膜である光ディスクである。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の紫外線硬化型樹脂組成物は、特定のチオエーテル化合物と紫外線硬化性成分とを必須成分とする。
本発明の組成物に含有させるチオエーテル化合物は、下記一般式(1)
【化3】
(ここで、Aは(メタ)アクリロイル基、Oは酸素原子、R1及びR2は炭素数が1〜15のアルキレン基、Sはイオウ原子を表す)
で表される、チオエーテル構造を有した化合物である。
上記した構造のなかでも、特に好ましくは、チオジグリコールジアクリレートである。これら化合物は市販品として容易に入手可能であり、例えば、BIMAX CHEMICALS社より『チオジグリコールジアクリレート』( CH2=CHCOOCH2CH2−S−CH2CH2OCOCH=CH2 )として入手できる。
【0013】
本発明の組成物に含有させるチオエーテル化合物の含有量は、紫外線硬化型樹脂組成物に対して、5〜40質量%が好ましく、10〜35質量%がより好ましい。含有量が5質量%未満の場合は耐久性向上化に対する効果が乏しく、40質量%超過の場合は化合物中の不純物等の影響により、高温高湿環境下での環境曝露負荷後で、光ディスクのエラーレートの上昇が起こり、好ましくない。
【0014】
本発明の紫外線硬化型樹脂組成物における一方の必須成分である紫外線硬化性成分は、紫外線を照射することにより硬化する成分であれば特に制限はないが、光重合性化合物と光重合開始剤とを主成分とすることが好ましい。
光重合性化合物としては、重合性モノマーおよび重合性オリゴマーが使用できる。
【0015】
重合性モノマーとしては、各種の単官能および多官能モノマーが使用できる。単官能モノマーとしては、単官能(メタ)アクリレートや多官能(メタ)アクリレートがあり、使用できる。
【0016】
単官能(メタ)アクリレートとしては、例えば、置換基としてメチル、エチル、プロピル、ブチル、アミル、2−エチルヘキシル、オクチル、ノニル、ドデシル、ヘキサデシル、オクタデシル、ベンジル、メトキシエチル、ブトキシエチル、フェノキシエチル、ノニルフェノキシエチル、グリシジル、2−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシプロピル、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル、ジメチルアミノエチル、ジエチルアミノエチル、ノニルフェノキシエチルテトラヒドロフルフリル,カプロラクトン変性テトラヒドロフルフリル、ジシクロペンタニル,ジシクロペンテニロキシエチル等の基を有する(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0017】
多官能(メタ)アクリレートとしては、例えば、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、トリシクロデカンジメタノール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール等のジ(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートのジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコール1モルに4モル以上のエチレンオキサイドもしくはプロピレンオキサイドを付加して得たジオールのジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパン1モルに3モル以上のエチレンオキサイドもしくはプロピレンオキサイドを付加して得たトリオールのジまたはトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールのポリ(メタ)アクリレート、等が挙げられる。
【0018】
重合性オリゴマーとして、ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート等があり、使用可能である。
【0019】
紫外線硬化性成分の一方である光重合開始剤は、用いる重合性モノマー及び/又は重合性オリゴマーに代表される紫外線硬化性化合物が硬化できる公知慣用のものがいずれも使用できる。光重合開始剤としては、分子開裂型または水素引き抜き型のものが本発明に好適である。
【0020】
本発明に使用する光重合開始剤としては、例えば、ベンゾインイソブチルエーテル、2,4−ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、ベンジル、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ベンゾインエチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン及び2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン等の分子開裂型や、ベンゾフェノン、4−フェニルベンゾフェノン、イソフタルフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチル−ジフェニルスルフィド等の水素引き抜き型の光重合開始剤を使用することができる。
【0021】
また、本発明の組成物を構成する際の任意成分としては、次のようなものが有り、本発明の効果を損わない範囲内で、使用可能である。すなわち、光重合開始剤に対する増感剤として、例えば、トリメチルアミン、メチルジメタノールアミン、トリエタノールアミン、p−ジメチルアミノアセトフェノン、p−ジメチルアミノ安息香酸エチル、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、N,N−ジメチルベンジルアミン及び4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン等であり、さらには前述光重合性化合物と付加反応を起こさないアミン類を併用することもできる。もちろん、これらは、紫外線硬化性化合物への溶解性に優れ、かつ紫外線透過性を阻害しないものを選択して用いることが好ましい。
【0022】
本発明の紫外線硬化型樹脂組成物からなる硬化膜は、銀又はその合金からなる薄膜に対する腐食性が極めて小さく、これに対して安定した保護膜を形成することができる。
また本発明の光ディスクは、上記紫外線硬化型樹脂組成物を使用して硬化膜を形成しているため、銀又はその合金からなる光反射層の耐食性が良好となり、光反射層が金からなる光ディスクに比較して同等に、耐久性および信頼性に優れた光ディスクである。
【0023】
銀又はその合金からなる光反射層とそれに接する紫外線硬化型樹脂組成物からなる硬化膜とを有する光ディスクにおいては、光反射層と硬化膜との密着性が劣る場合、次のような現象が顕著に発生する。すなわち、高温高湿環境下に所定時間曝露すると、銀又はその合金からなる光反射層と硬化膜とが剥離するという現象であって、この現象が起きると、光反射層の耐腐食性は大きく低下する。
上記剥離現象は、従来の紫外線硬化型樹脂組成物を使用した場合には顕著に起きるが、本発明のチオエーテル構造を有する特定の化合物を含有した組成物にあっては起きることがない。
この現象の発生の有無は、JIS K 54001990記載の耐塩水性試験を実施することにより、硬化膜の割れ・膨れ・剥がれを観察して評価し、判定することができる。
その結果、本発明の光ディスクは、3質量%塩化ナトリウム水溶液浸漬法で、硬化膜の外観変化が認められず、耐久性(信頼性)は極めて良好であった。
【0024】
次に本発明に係わる光ディスクの実施形態の例について説明する。
まず、ポリカーボネート等からなる円形透明樹脂基板上に、信号に対応するピットを形成し、さらにその上に光反射層を設けて記録層としたディスクを用意する。
ここで、ピットの代わりに有機色素、相変化記録材料等の層を設け、その上に光反射層を積層して記録層としたディスクを用いてもよい。
【0025】
前記記録層用の有機色素としては、記録に用いるレーザー光によってピットを形成することができるものであれば特に制限なく使用でき、例えば、シアニン系、フタロシアニン系、アゾ系、ナフタロシアニン系、アントラキノン系、トリフェニルメタン系、ピリリウムないしチアピリリウム塩系、スクワリリウム系、クロコニウム系、ホルマザン系、金属錯体色素系等が挙げられる。また、色素に一重項酸素クエンチャーを混合して用いるのもよい。クエンチャーとしては、アセチルアセトナート系、ビスジチオ−α−ジケトン系やビスフェニルジチオール系などのビスジチオール系、チオカテコール系、サリチルアルデヒドオキシム系、チオビスフェノレート系等の金属錯体が好ましい。また、窒素のラジカルカチオンを有するアミン系化合物やヒンダードアミン等のアミン系のクエンチャーも好適である。
他の前記記録層用材料である相変化記録材料としては、カルコゲン合金が使用でき、例えば、GeSbTe、AgInSbTe等が挙げられる。
さらに、銀又はその合金からなる光反射層は、銀又はその合金をスパッタリング、蒸着等の方法で薄膜を形成することにより得ることができる。
【0026】
次に、本発明に係る紫外線硬化型樹脂組成物を使用して、本発明の光ディスクを得る。すなわち、前記光反射層上に、スピンコート法等により、硬化後の膜厚が3〜20μmになるように前記紫外線硬化型樹脂組成物を塗布した後、紫外線を照射して硬化膜を形成することにより、光ディスクとする。
ここで、紫外線を照射する手段としては、例えば、高圧水銀灯、メタルハライドランプ等の連続照射方式の紫外線照射装置または、キセノンフラッシュ等の閃光照射方式の紫外線照射装置を使用することができる。
【0027】
なお、本発明の光ディスクは、レーザー光による情報の記録・再生を、従来のように樹脂基板を通して行うものであっても良いし、または、本発明に係る紫外線硬化型組成物の硬化膜を通して行うものであっても良い。
【0028】
(実施例)
次に実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
<実施例1,2および比較例1>
先ず、下記の表1に示した配合により、各組成材料を60℃で3時間加熱・溶解して、紫外線硬化型樹脂組成物を調製した。
【0029】
次に、厚さ1.2mm、直径120mmのポリカーボネート基板上に、フタロシアニン系色素からなる記録層、銀からなる光反射層を順に積層し、さらにその上に、実施例及び比較例の各組成物を硬化後の保護層硬化膜の厚みが7〜9μmになるよう塗布し、120W/cmの集光型高圧水銀灯(アイグラフィックス(株)製、H03−L31)を使用して光量0.25J/cm2(同社積算光量計UVPF−36)の紫外線を照射して硬化膜とし、評価用の各光ディスクサンプルを作製した。
【0030】
<評価方法>
作製した光ディスクサンプルについて、室温(25±3℃)にて、3質量%塩化ナトリウム水溶液(塩水)中に14〜18時間浸漬し、その後サンプルを引き上げて蒸留水をかけることにより洗浄したのち乾燥させ、紫外線硬化型樹脂組成物からなる硬化膜の外観状態を目視で観察して評価した。評価結果を下記の表1に示した。
評価結果は、3質量%塩化ナトリウム水溶液(塩水)に浸漬させたものと浸漬させなかったものとを比較し、硬化膜外観状態の変化の有無により、「変化なし」(「金」反射膜の変化程度と同等レベル)のときは良好、「変化有り」のときは不良とした。また、不良のときの状態を併記した。
【0031】
【表1】
表1. 実施例及び比較例の組成と評価結果
【0032】
上記の表1から明らかなように、本発明に係わる実施例1、2で得られた紫外線硬化型樹脂組成物からなる硬化膜を保護層として用いた光ディスクは、3質量%塩化ナトリウム水溶液(塩水)への浸責後も、硬化膜の外観変化は認められず、光ディスクの耐久性(信頼性)に優れることが判る。
一方、本発明のチオエーテル化合物を含有しない組成物によるサンプルである比較例1は、光ディスク内外周部において硬化膜の剥がれが発生し、光ディスクの耐久性が劣ることが判る。
【0033】
【発明の効果】
本発明の紫外線硬化型樹脂組成物は、銀又はその合金からなる薄膜に対する防食性及び密着性が良好である。そのため、本発明の紫外線硬化型樹脂組成物を使用して銀又はその合金からなる光反射層用の保護層硬化膜を形成した場合、光反射層と硬化膜との密着性が向上していることにより、光反射層と硬化膜との層間への水及び/又は溶質の浸透ないし浸入を防止することが可能となる。これにより、薬品(例えば、3質量%塩化ナトリウム水溶液(塩水)等)中に曝露した場合に光反射層と硬化膜との剥がれ等の発生を抑制でき、高耐久性(高信頼性)の光ディスクを提供することができる。
【発明の属する技術分野】
本発明は、銀又はその合金からなる光反射層とその保護層としての硬化膜とを有する光ディスクに関し、特には、該光ディスクにおける前記硬化膜の形成に好適な紫外線硬化型樹脂組成物及びそれを使用した光ディスクの耐久性改良の技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、光ディスクにおける光反射層用材料としては、金もしくはアルミニウム又はそれらの合金等が広く用いられている。
ここで、金は、光反射率と耐食性は高いが高価である。それにも拘わらず、光吸収性が大きい有機色素を記録層として使用するCD−R等の光ディスクにおいては、高反射率の光反射層を形成しなければならないという必要性から、高価な金を利用せざるを得ないという事情が有った。このため、この用途分野では、高価であるという金の欠点を解消できる、より安価な材料が望まれていた。
一方、アルミニウムは、光反射率は金に対して低いものの、耐食性が比較的良好でかつ安価である。そのため、CD−ROM等の再生専用型の光ディスクには利用できるものの、光反射率が低いという欠点のために、記録層として有機色素を使用するCD−R等の光ディスクには不向きであって、使用できなかった。
すなわち、金とアルミニウムのいずれもが、CD−R等の有機色素を記録層とする光ディスクの光反射層用材料としては、不満足な点を持っていた。
【0003】
このため、それらに代わる光反射層用材料として、近年、銀が注目され、広く使用されるようになってきている。その理由は、銀が、光反射率においては金と同等、価格においてはアルミニウム並みに安価ということに依る。
【0004】
しかしながら、銀には、耐食性が低いという欠点が存在する。そのため、銀を光反射層用材料とした光ディスクにあっては、光反射層と保護層との層間で異常が発生し易く、それが起因となり、銀を光反射層用材料とした光ディスクの耐久性は、金を材料としたものに比較して劣るという問題点があった。
【0005】
この問題点を解決するために、各種の提案が成されている。
例えば、添加剤として微量(0.001〜0.1重量%)のメルカプトベンゾイミダゾール系化合物やチオジプロピオン酸エステル系化合物等を含有させた紫外線硬化型樹脂組成物を調製し、それを用いて保護層となる硬化膜を形成して高耐久性の光ディスクとすることが開示されている(例えば、特許文献1、参照)。
しかしながら、上記公報の提案は、紫外線硬化型樹脂組成物に含有させる添加剤による銀反射膜腐食の改良であり、紫外線硬化性成分そのものによる改良ではなく、効果が不十分であった。
【0006】
【特許文献1】
特開平7−105573号公報(第2−3頁)
【0007】
また、添加剤成分ではなく、紫外線硬化性成分としてのフェニルチオエチル(メタ)アクリレート類を含有させた組成物を、銀化合物の半透明膜を有した貼り合わせ型光ディスク(DVD)用の接着剤組成物とすることで、金を半透明膜とした従来の貼り合わせ光ディスクと同等の、高い耐久性を得ることができるとの開示がある(例えば、特許文献2、参照)。
しかしながら、該アクリレート類は単官能アクリレートである。そのため、紫外線硬化性成分として該アクリレート類の含有量を増加させた場合には、紫外線照射による組成物の硬化の際に、その硬化速度を低下させるということが顕著であった。そしてまた、この硬化速度低下の影響と推定される要因により、耐薬品性(耐塩水性・等)も不十分であり、問題であった。
【0008】
【特許文献2】
特開2002−212514号公報(第2頁)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
この様な状況に鑑み、本発明は、銀又はその合金からなる薄膜の欠点である低耐食性をカバーし得る紫外線硬化型樹脂組成物を提供し、それを使用して、銀又はその合金からなる光反射層に対する保護層としての硬化膜を形成した、光ディスクを提供するものである。
すなわち本発明の目的は、銀又はその合金からなる薄膜に対する防食性および密着性に優れた紫外線硬化型樹脂組成物の提供である。また同時に、前記紫外線硬化型樹脂組成物を使用して保護層用硬化膜を形成し、銀又はその合金を光ディスクの光反射層用材料とした場合であっても、金を光反射層材料とした場合と同等な、高耐久性(高信頼性)の光ディスクを提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは鋭意検討した結果、紫外線硬化型組成物に、分子内にチオエーテル構造を有する特定の化合物を含有させることにより、銀又はその合金からなる光反射層に対する防食性および密着性が向上し、また同時に、該組成物を使用して保護層用硬化膜を形成した光ディスクとすることにより、光反射層と硬化膜との相互間に異常発生が生じない、高耐久性(高信頼性)の光ディスクとすることができることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0011】
すなわち本発明は、銀又はその合金からなる薄膜に接する硬化膜形成用の紫外線硬化型樹脂組成物であって、下記一般式(1)
【化2】
(ここで、Aは(メタ)アクリロイル基、Oは酸素原子、R1及びR2は炭素数が1〜15のアルキレン基、Sはイオウ原子を表す)
で表される、チオエーテル化合物を含有する紫外線硬化型樹脂組成物である。
また本発明は、基板上に銀又はその合金の薄膜からなる光反射層とそれに接する硬化膜とを有する光ディスクにおいて、前記硬化膜が、上記一般式(1)で表わされるチオエーテル化合物を含有する紫外線硬化型樹脂組成物からなる硬化膜である光ディスクである。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の紫外線硬化型樹脂組成物は、特定のチオエーテル化合物と紫外線硬化性成分とを必須成分とする。
本発明の組成物に含有させるチオエーテル化合物は、下記一般式(1)
【化3】
(ここで、Aは(メタ)アクリロイル基、Oは酸素原子、R1及びR2は炭素数が1〜15のアルキレン基、Sはイオウ原子を表す)
で表される、チオエーテル構造を有した化合物である。
上記した構造のなかでも、特に好ましくは、チオジグリコールジアクリレートである。これら化合物は市販品として容易に入手可能であり、例えば、BIMAX CHEMICALS社より『チオジグリコールジアクリレート』( CH2=CHCOOCH2CH2−S−CH2CH2OCOCH=CH2 )として入手できる。
【0013】
本発明の組成物に含有させるチオエーテル化合物の含有量は、紫外線硬化型樹脂組成物に対して、5〜40質量%が好ましく、10〜35質量%がより好ましい。含有量が5質量%未満の場合は耐久性向上化に対する効果が乏しく、40質量%超過の場合は化合物中の不純物等の影響により、高温高湿環境下での環境曝露負荷後で、光ディスクのエラーレートの上昇が起こり、好ましくない。
【0014】
本発明の紫外線硬化型樹脂組成物における一方の必須成分である紫外線硬化性成分は、紫外線を照射することにより硬化する成分であれば特に制限はないが、光重合性化合物と光重合開始剤とを主成分とすることが好ましい。
光重合性化合物としては、重合性モノマーおよび重合性オリゴマーが使用できる。
【0015】
重合性モノマーとしては、各種の単官能および多官能モノマーが使用できる。単官能モノマーとしては、単官能(メタ)アクリレートや多官能(メタ)アクリレートがあり、使用できる。
【0016】
単官能(メタ)アクリレートとしては、例えば、置換基としてメチル、エチル、プロピル、ブチル、アミル、2−エチルヘキシル、オクチル、ノニル、ドデシル、ヘキサデシル、オクタデシル、ベンジル、メトキシエチル、ブトキシエチル、フェノキシエチル、ノニルフェノキシエチル、グリシジル、2−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシプロピル、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル、ジメチルアミノエチル、ジエチルアミノエチル、ノニルフェノキシエチルテトラヒドロフルフリル,カプロラクトン変性テトラヒドロフルフリル、ジシクロペンタニル,ジシクロペンテニロキシエチル等の基を有する(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0017】
多官能(メタ)アクリレートとしては、例えば、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、トリシクロデカンジメタノール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール等のジ(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートのジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコール1モルに4モル以上のエチレンオキサイドもしくはプロピレンオキサイドを付加して得たジオールのジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパン1モルに3モル以上のエチレンオキサイドもしくはプロピレンオキサイドを付加して得たトリオールのジまたはトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールのポリ(メタ)アクリレート、等が挙げられる。
【0018】
重合性オリゴマーとして、ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート等があり、使用可能である。
【0019】
紫外線硬化性成分の一方である光重合開始剤は、用いる重合性モノマー及び/又は重合性オリゴマーに代表される紫外線硬化性化合物が硬化できる公知慣用のものがいずれも使用できる。光重合開始剤としては、分子開裂型または水素引き抜き型のものが本発明に好適である。
【0020】
本発明に使用する光重合開始剤としては、例えば、ベンゾインイソブチルエーテル、2,4−ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、ベンジル、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ベンゾインエチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン及び2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン等の分子開裂型や、ベンゾフェノン、4−フェニルベンゾフェノン、イソフタルフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチル−ジフェニルスルフィド等の水素引き抜き型の光重合開始剤を使用することができる。
【0021】
また、本発明の組成物を構成する際の任意成分としては、次のようなものが有り、本発明の効果を損わない範囲内で、使用可能である。すなわち、光重合開始剤に対する増感剤として、例えば、トリメチルアミン、メチルジメタノールアミン、トリエタノールアミン、p−ジメチルアミノアセトフェノン、p−ジメチルアミノ安息香酸エチル、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、N,N−ジメチルベンジルアミン及び4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン等であり、さらには前述光重合性化合物と付加反応を起こさないアミン類を併用することもできる。もちろん、これらは、紫外線硬化性化合物への溶解性に優れ、かつ紫外線透過性を阻害しないものを選択して用いることが好ましい。
【0022】
本発明の紫外線硬化型樹脂組成物からなる硬化膜は、銀又はその合金からなる薄膜に対する腐食性が極めて小さく、これに対して安定した保護膜を形成することができる。
また本発明の光ディスクは、上記紫外線硬化型樹脂組成物を使用して硬化膜を形成しているため、銀又はその合金からなる光反射層の耐食性が良好となり、光反射層が金からなる光ディスクに比較して同等に、耐久性および信頼性に優れた光ディスクである。
【0023】
銀又はその合金からなる光反射層とそれに接する紫外線硬化型樹脂組成物からなる硬化膜とを有する光ディスクにおいては、光反射層と硬化膜との密着性が劣る場合、次のような現象が顕著に発生する。すなわち、高温高湿環境下に所定時間曝露すると、銀又はその合金からなる光反射層と硬化膜とが剥離するという現象であって、この現象が起きると、光反射層の耐腐食性は大きく低下する。
上記剥離現象は、従来の紫外線硬化型樹脂組成物を使用した場合には顕著に起きるが、本発明のチオエーテル構造を有する特定の化合物を含有した組成物にあっては起きることがない。
この現象の発生の有無は、JIS K 54001990記載の耐塩水性試験を実施することにより、硬化膜の割れ・膨れ・剥がれを観察して評価し、判定することができる。
その結果、本発明の光ディスクは、3質量%塩化ナトリウム水溶液浸漬法で、硬化膜の外観変化が認められず、耐久性(信頼性)は極めて良好であった。
【0024】
次に本発明に係わる光ディスクの実施形態の例について説明する。
まず、ポリカーボネート等からなる円形透明樹脂基板上に、信号に対応するピットを形成し、さらにその上に光反射層を設けて記録層としたディスクを用意する。
ここで、ピットの代わりに有機色素、相変化記録材料等の層を設け、その上に光反射層を積層して記録層としたディスクを用いてもよい。
【0025】
前記記録層用の有機色素としては、記録に用いるレーザー光によってピットを形成することができるものであれば特に制限なく使用でき、例えば、シアニン系、フタロシアニン系、アゾ系、ナフタロシアニン系、アントラキノン系、トリフェニルメタン系、ピリリウムないしチアピリリウム塩系、スクワリリウム系、クロコニウム系、ホルマザン系、金属錯体色素系等が挙げられる。また、色素に一重項酸素クエンチャーを混合して用いるのもよい。クエンチャーとしては、アセチルアセトナート系、ビスジチオ−α−ジケトン系やビスフェニルジチオール系などのビスジチオール系、チオカテコール系、サリチルアルデヒドオキシム系、チオビスフェノレート系等の金属錯体が好ましい。また、窒素のラジカルカチオンを有するアミン系化合物やヒンダードアミン等のアミン系のクエンチャーも好適である。
他の前記記録層用材料である相変化記録材料としては、カルコゲン合金が使用でき、例えば、GeSbTe、AgInSbTe等が挙げられる。
さらに、銀又はその合金からなる光反射層は、銀又はその合金をスパッタリング、蒸着等の方法で薄膜を形成することにより得ることができる。
【0026】
次に、本発明に係る紫外線硬化型樹脂組成物を使用して、本発明の光ディスクを得る。すなわち、前記光反射層上に、スピンコート法等により、硬化後の膜厚が3〜20μmになるように前記紫外線硬化型樹脂組成物を塗布した後、紫外線を照射して硬化膜を形成することにより、光ディスクとする。
ここで、紫外線を照射する手段としては、例えば、高圧水銀灯、メタルハライドランプ等の連続照射方式の紫外線照射装置または、キセノンフラッシュ等の閃光照射方式の紫外線照射装置を使用することができる。
【0027】
なお、本発明の光ディスクは、レーザー光による情報の記録・再生を、従来のように樹脂基板を通して行うものであっても良いし、または、本発明に係る紫外線硬化型組成物の硬化膜を通して行うものであっても良い。
【0028】
(実施例)
次に実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
<実施例1,2および比較例1>
先ず、下記の表1に示した配合により、各組成材料を60℃で3時間加熱・溶解して、紫外線硬化型樹脂組成物を調製した。
【0029】
次に、厚さ1.2mm、直径120mmのポリカーボネート基板上に、フタロシアニン系色素からなる記録層、銀からなる光反射層を順に積層し、さらにその上に、実施例及び比較例の各組成物を硬化後の保護層硬化膜の厚みが7〜9μmになるよう塗布し、120W/cmの集光型高圧水銀灯(アイグラフィックス(株)製、H03−L31)を使用して光量0.25J/cm2(同社積算光量計UVPF−36)の紫外線を照射して硬化膜とし、評価用の各光ディスクサンプルを作製した。
【0030】
<評価方法>
作製した光ディスクサンプルについて、室温(25±3℃)にて、3質量%塩化ナトリウム水溶液(塩水)中に14〜18時間浸漬し、その後サンプルを引き上げて蒸留水をかけることにより洗浄したのち乾燥させ、紫外線硬化型樹脂組成物からなる硬化膜の外観状態を目視で観察して評価した。評価結果を下記の表1に示した。
評価結果は、3質量%塩化ナトリウム水溶液(塩水)に浸漬させたものと浸漬させなかったものとを比較し、硬化膜外観状態の変化の有無により、「変化なし」(「金」反射膜の変化程度と同等レベル)のときは良好、「変化有り」のときは不良とした。また、不良のときの状態を併記した。
【0031】
【表1】
表1. 実施例及び比較例の組成と評価結果
【0032】
上記の表1から明らかなように、本発明に係わる実施例1、2で得られた紫外線硬化型樹脂組成物からなる硬化膜を保護層として用いた光ディスクは、3質量%塩化ナトリウム水溶液(塩水)への浸責後も、硬化膜の外観変化は認められず、光ディスクの耐久性(信頼性)に優れることが判る。
一方、本発明のチオエーテル化合物を含有しない組成物によるサンプルである比較例1は、光ディスク内外周部において硬化膜の剥がれが発生し、光ディスクの耐久性が劣ることが判る。
【0033】
【発明の効果】
本発明の紫外線硬化型樹脂組成物は、銀又はその合金からなる薄膜に対する防食性及び密着性が良好である。そのため、本発明の紫外線硬化型樹脂組成物を使用して銀又はその合金からなる光反射層用の保護層硬化膜を形成した場合、光反射層と硬化膜との密着性が向上していることにより、光反射層と硬化膜との層間への水及び/又は溶質の浸透ないし浸入を防止することが可能となる。これにより、薬品(例えば、3質量%塩化ナトリウム水溶液(塩水)等)中に曝露した場合に光反射層と硬化膜との剥がれ等の発生を抑制でき、高耐久性(高信頼性)の光ディスクを提供することができる。
Claims (3)
- 一般式(1)の化合物の含有量が、組成物に対して、5〜40質量%である請求項1記載の紫外線硬化型樹脂組成物。
- 基板上に銀又はその合金の薄膜からなる光反射層とそれに接する硬化膜とを有する光ディスクにおいて、前記硬化膜が、請求項1又は請求項2に記載の紫外線硬化型樹脂組成物からなる硬化膜であることを特徴とする光ディスク。
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JP2003049061A JP2004256681A (ja) | 2003-02-26 | 2003-02-26 | 紫外線硬化型樹脂組成物及びこれを用いた光ディスク |
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- 2003-02-26 JP JP2003049061A patent/JP2004256681A/ja active Pending
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