JP2003170298A - 粉末成形金型及び粉末成形品の製造方法 - Google Patents

粉末成形金型及び粉末成形品の製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 筒状の成形品の寸法精度を確保する。 【解決手段】 ダイ2、コアロッド4、ロアーパンチ
7、及びアッパーパンチ6を備え、ダイ2、コアロッド
4、ロアーパンチ7間に形成される筒状の成形空所10
内に粉末成形材料を充填し、アッパーパンチ6を前記成
形空所10内に降下させて該粉末成形材料を圧縮成形す
ることにより前記成形空所10の形状に合致した成形品
11を形成する粉末成形金型において、前記コアロッド
4の前記成形空所10に面する部分を、上方に向けて漸
次拡径するテーパ状に形成したことを特徴とするもので
ある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、粉末成形金型及び
粉末成形品の製造方法に関し、特に、離型の際にスプリ
ングバックが生じる筒状の成形品の成形に有効な粉末成
形金型及び粉末成形品の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来一般に、粉末成形法により図3に示
す筒状の成形品を得るには、図7に示すような粉末成形
金型21を用い、粉末成形材料を圧縮成形することによ
り成形する。
【0003】すなわち、粉末成形金型21は、ダイ2
2、コアロッド24、アッパーパンチ26、及びロアー
パンチ27(内側ロアーパンチ28、外側ロアーパンチ
29)を備えており、この粉末成形金型21において、
ダイ22、コアロッド24、ロアーパンチ27間に成形
空所30を形成するとともに、この成形空所30内に粉
末成形材料を充填し、アッパーパンチ26を成形空所3
0内に降下させて粉末成形材料を加圧して圧縮成形する
ことにより、成形空所30の形状に合致したフランジ付
き筒状の成形品31を得る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のよう
な構成の粉末成形金型21にあっては、粉末成形材料を
成形空所30内に充填してアッパーパンチ26、ダイ2
2および外側ロアーパンチ29により圧縮成形した場合
に、成形品31にスプリングバックが生じ、フランジ面
に対する内周面の直角度のような寸法において、所期の
精度が得られないという問題があった。
【0005】また、成形品31の各部におけるスプリン
グバック量は、粉末成形材料の密度差や、成形品31の
形状に応じて、あるいは形状付与する金型の構造によっ
て異なっている。成形品31の場合、クラック対策とし
て意図的にフランジ側の密度を低くしてボス側の密度を
高くしたことにより、フランジ側よりもボス側のスプリ
ングバックが大きくなる。またダイで形状付与するフラ
ンジ部分のスプリングバック量が小さい一方、外側ロア
ーパンチで形状付与するボス側のスプリングバックが大
きくなる。
【0006】すなわち、成形品31は、密度差や成形品
の形状、金型構造の要因により下端側のスプリングバッ
クが大きくなるため、図8に示すように下端側に向けて
漸次拡径してしまうという問題があった。
【0007】本発明は、上記のような従来の問題点に鑑
みなされたものであって、成形空所の各部における粉末
成形材の密度に高い部分と低い部分とがあって、成形品
の各部にスプリングバックが生じても、定められた寸法
精度の成形品が得られる粉末成形金型及び粉末成形品の
製造方法を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、本発明は、以下のような手段を採用している。す
なわち、請求項1に係る発明は、ダイ、コアロッド、ロ
アーパンチ、及びアッパーパンチを備え、ダイ、コアロ
ッド、ロアーパンチ間に形成される筒状の成形空所内に
粉末成形材料を充填し、該成形空所内の粉末成形材料を
前記アッパーパンチ、ダイ及びロアーパンチで圧縮成形
することにより前記成形空所の形状に合致した成形品を
形成する粉末成形金型において、前記コアロッドの前記
成形空所に面する部分を、上方に向けて漸次拡径するテ
ーパ状に形成したことを特徴とする。なお、ここでいう
筒状とは、断面形状が円形のものに限定するものではな
い。
【0009】この発明によれば、コアロッドの成形空所
に面する部分に対応する成形品の部分は、コアロッドの
テーパと合致したテーパに形成され、成形完了後に型開
きしたときに、成形品に生じるスプリングバックにより
成形品各部が設計通りに仕上がることになる。
【0010】請求項2に係る発明は、外周面の凹凸によ
って形成される径方向の肉厚が大きい厚肉部と該厚肉部
よりも径方向の肉厚が小さい薄肉部とを有する筒状の成
形品を、粉末成形材料を圧縮成形して形成する粉末成形
金型であって、前記成形品の内周面を成形するコアロッ
ドが、圧縮成形時の軸方向位置が前記成形品の厚肉部を
形成する部分とほぼ一致する大径部と、前記薄肉部を形
成する部分とほぼ一致する小径部とを有することを特徴
とする。
【0011】この発明によれば、たとえば成形品がフラ
ンジ(厚肉部)を有する筒状である場合、スプリングバ
ック量が大きくなりやすい成形品の薄肉部分の内周面を
厚肉部分(フランジ部分)よりも縮径させるように、コ
アロッドの成形空所に面する部分が形成されているの
で、成形完了後に型開きしたときに、成形品に生じるス
プリングバックにより成形品各部が設計通りに仕上がる
ことになる。なお、この大径部と小径部とを滑らかに連
続させることにより、内周面が滑らかに形成された成形
品を得ることができる。
【0012】請求項3に係る発明は、請求項1または2
記載の粉末成形金型において、前記コアロッドのテーパ
量または前記大径部と小径部との径差を、前記成形品に
生じるスプリングバック量の最大値と最小値との差以下
に設定したことを特徴とする。ここで、テーパ量とは、
例えば、コアロッドのテーパ部分における上方側の外径
と下方側の外径との差をいう。スプリングバック量と
は、成形品の型抜き前後の径差であらわされる。
【0013】この発明によれば、コアロッドの成形空所
に面する部分に対応する成形品の部分は、コアロッドの
テーパまたはコアロッドの拡径部および縮径部と合致し
た形状に形成され、成形完了後に型開きしたときに、過
度の変形が抑えられた上で、成形品に生じるスプリング
バックにより成形品各部が設計通りに仕上がることにな
る。
【0014】請求項4に係る発明は、請求項1または2
の粉末成形金型において、前記コアロッドの前記成形空
所に面する部分の最大外径が、前記成形品のスプリング
バック後の最小内径以下であることを特徴とする。この
発明によれば、過度の変形が抑えられた上で、スプリン
グバック後の成形品の最小内径よりもコアロッドの最大
外径の方が小さくなるので、成形品を押し広げることな
く、コアロッドから容易に離型することができる。
【0015】請求項5に係る発明は、ダイ、コアロッ
ド、ロアーパンチ、及びアッパーパンチからなる複数の
金型を用い、ダイ、コアロッド、ロアーパンチ間に筒状
の成形空所を形成し、該成形空所内に粉末成形材料を充
填し、該成形空所内の粉末成形材料を前記アッパーパン
チ及びロアーパンチで圧縮成形することにより前記成形
空所の形状に合致した成形品を製造する方法において、
前記コアロッドの前記成形空所に面する部分を、上方に
向けて漸次拡径するテーパ状に形成しておき、前記金型
の離型時に、前記コアロッドを定位置においた状態で前
記成形品の外周面に当接する金型を最初に解放させ、そ
の後前記成形品の下面に当接する金型を相対的に押し上
げて該成形品を離型させることを特徴とする。
【0016】この発明によれば、コアロッドの成形空所
に面する部分に対応する成形品の部分は、コアロッドの
テーパと合致したテーパに形成され、成形完了後に型開
きしたときに、成形品に生じるスプリングバックにより
設計上の位置に仕上がることになる。また、成形品の外
周面に当接する金型から解放しているので、成形品内に
コアロッドが配置された状態でスプリングバックを作用
させ得て、該コアロッドからの離型を容易にすることが
できる。
【0017】請求項6に係る発明は、外周面の凹凸によ
って形成される径方向の肉厚が大きい厚肉部と該厚肉部
よりも径方向の肉厚が小さい薄肉部とを有する筒状の成
形品を、粉末成形金型内で粉末成形材料を圧縮成形して
形成する粉末成形品の製造方法であって、前記成形品の
内周面を成形するコアロッドに、圧縮成形時の軸方向位
置が前記成形品の厚肉部を形成する部分近傍となる大径
部と、前記薄肉部を形成する部分近傍となる小径部とを
設けておき、前記金型の離型時に、前記コアロッドに対
して前記成形品の外周面に当接する金型を最初に解放さ
せ、その後前記成形品の下面に当接する金型を相対的に
押し上げて該成形品を離型させることを特徴とする。
【0018】この発明によれば、成形完了後に型開きし
たときに成形品に生じるスプリングバック量が密度差に
より異なることから、成形品の内周面がコアロッドの大
径部および小径部と合致した形状に形成されて、厚肉部
(たとえばフランジ部)よりも、クラック対策のため意
図的に高密度としたことによりスプリングバック量が大
きくなりやすい薄肉部(たとえばボス部)の内周面が、
厚肉部の内周面よりも小径に形成されることにより、成
形品の内周面が設計上の位置に仕上がることになる。ま
た、成形品の外周面に当接する金型から解放しているの
で、成形品内にコアロッドが配置された状態でスプリン
グバックを作用させ得て、該コアロッドからの離型を容
易にすることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、図面に示す本発明の実施の
形態について説明する。図1及び図2には、本発明によ
る粉末成形金型の一実施の形態が示されていて、この粉
末成形金型1は、ダイ2、コアロッド4、アッパーパン
チ6、及びロアーパンチ7を備えている。
【0020】ダイ2、コアロッド4、アッパーパンチ
6、及びロアーパンチ7は、成形装置に取り付けられ、
ダイ2、コアロッド4、ロアーパンチ7の間に筒状の成
形空所10が形成されるようになっている。
【0021】ダイ2、コアロッド4、アッパーパンチ
6、及びロアーパンチ7の位置関係は、ダイ2を中心と
して、ダイ2の上方にアッパーパンチ6が位置し、ダイ
2の下方にコアロッド4及びロアーパンチ7が位置する
ようになっている。
【0022】ダイ2は、板状をなすものであって、中心
部に上下方向に貫通する成形孔3が設けられ、この成形
孔3内に下方からコアロッド4及びロアーパンチ7が挿
入され、上方からアッパーパンチ6が挿入されるように
なっている。
【0023】コアロッド4は、略円柱状をなすものであ
って、ダイ2に対して相対的に接近、離間可能となって
おり、ダイ2の方向に相対的に接近したときに、ダイ2
の成形孔3の中心部を下方から上方に挿通し、ダイ2の
成形孔3の内周面との間に筒状の空間を形成するように
なっている。
【0024】ロアーパンチ7は、筒状の内側ロアーパン
チ8と筒状の外側ロアーパンチ9とからなるものであっ
て、ダイ2に対し相対的に接近、離間可能となってい
る。内側ロアーパンチ8はコアロッド4の周面上にスラ
イド自在に取り付けられ、外側ロアーパンチ9は内側ロ
アーパンチ8の周面上にスライド自在に取り付けられる
ようになっている。内側ロアーパンチ8及び外側ロアー
パンチ9は、ダイ2に対して相対的に接近したときに、
先端部が前記筒状の空間内に下方からそれぞれ所定の位
置まで挿入されるようになっている。
【0025】アッパーパンチ6は、筒状をなすものであ
って、ダイ2に対して相対的に接近、離間可能となって
おり、ダイ2に対して相対的に接近したときに、先端部
が前記筒状の空間内に上方から所定の位置まで挿入され
るようになっている。
【0026】そして、ダイ2の成形孔3内にコアロッド
4を挿通させ、コアロッド4周面と成形孔3内周面との
間に筒状の空間を形成し、この空間内に下方から内側ロ
アーパンチ8及び外側ロアーパンチ9を、上方からアッ
パーパンチ6をそれぞれ挿入することで、それらの間に
成形品のフランジ部分に対応する環状部を備えた筒状の
成形空所10が形成される。
【0027】ここで、成形空所10に面するコアロッド
4の周面は、上方へ向けて漸次拡径するテーパ状のテー
パ部5とされている。この場合、テーパ部5のテーパ量
は、成形品11のスプリングバック量の最大値と最小値
との差以下となるように設定されている。
【0028】たとえば、図4(a)に示すように、鉄カ
ーボン銅系の混合粉末からなる内径が100mm、高さ
が30mm程度の大きさの成形品11を成形する場合、
成形品11に生じるスプリングバック量は、上端では最
小の径方向で0.1mmとなる一方、密度の高い下端で
最大の径方向で0.17mmとなり、スプリングバック
量の差は径方向で0.07mmとなる。そこで、図4
(b)に示すようにコアロッド4の最大外径d2をφ9
9.9mm、最小外径d1をφ99.83mmと設定す
れば、金型の拘束から解放されてスプリングバックした
後の成形品11の内径は、軸方向全長にわたってφ10
0mmとなる。またテーパ部5のテーパ量(コアロッド
4の上端の外径d2−下端の外径d1)は成形品11の
スプリングバック量の最大値と最小値との差に等しく、
成形品11の内周面を押し広げることなくコアロッド4
を抜き取ることができる。
【0029】そして、上記のように構成したダイ2、コ
アロッド4、内側ロアーパンチ8、外側ロアーパンチ9
からなる金型により、これらの間に成形空所10を形成
し、成形空所10内に粉末成形材料を充填し、アッパー
パンチ6を下降させて両ロアーパンチ8、9との間で粉
末成形材料を圧縮成形することにより、成形空所10の
形状に合致した成形品11を成形する。
【0030】そして、型開きして成形品11を取り出す
には、図2に示すように、コアロッド4と内側ロアーパ
ンチ7Aおよび外側ロアーパンチ7Bを成形時の位置関
係に保持した状態でダイ2を下降させて、ダイ2から成
形品11を抜き出した後、外側ロアーパンチ7Bを下降
させて成形品11の外周面に当接する金型から成形品1
1の外周面を解放して成形品11にスプリングバックを
生じさせた後にコアロッド4を下降させ、成形品11を
コアロッド4周面から離型させる。
【0031】この場合、コアロッド4のテーパ部5が上
方に向けて漸次拡径するため、成形品11が成形空所の
形状のままであると、成形品11の内周面にテーパ部5
の外周よりも小径の部分が形成され、テーパ部5周面か
ら上方に押し出すことが難しいが、ダイ2及び外側ロア
ーパンチ9を開いたときに、成形品11の外側が解放さ
れるので、成形品11の各部にはスプリングバックが生
じ、(密度の高い)下端部のスプリングバックの量が最
大となって図2及び図3に示すように成形品11の内周
面が軸方向にストレートとなるように修正され、正規の
寸法を有する成形品11が得られることになる。これに
より、テーパ部5のテーパ量が、成形品11のスプリン
グバック量の最大値と最小値との差以下に設定されてい
るので、テーパ部5から確実に成形品11を押し上げて
抜き取ることができる。
【0032】つぎに、図5に、本発明による粉末成形金
型の別の実施の形態を示す。本実施形態の粉末成形金型
41は、筒状部材の軸方向中央部近傍にフランジ部を有
する成形体51を形成するものであって、第1実施形態
同様に、ダイ42、コアロッド44、アッパーパンチ4
6、及びロアーパンチ47を備えている。
【0033】ロアーパンチ47は、筒状の内側ロアーパ
ンチ47Aと筒状の外側ロアーパンチ47Bとからなる
ものであって、ダイ42に対し相対的に接近、離間可能
となっている。内側ロアーパンチ47Aはコアロッド4
4の周面上にスライド自在に取り付けられ、外側ロアー
パンチ47Bは内側ロアーパンチ47Aの周面上にスラ
イド自在に取り付けられるようになっている。内側ロア
ーパンチ47A及び外側ロアーパンチ47Bは、ダイ4
2に対して相対的に接近したときに、先端部が前記筒状
の空間内に下方からそれぞれ所定の位置まで挿入される
ようになっている。
【0034】アッパーパンチ46は、筒状の内側アッパ
ーパンチ46Aと筒状の外側アッパーパンチ46Bとか
らなるものであって、ダイ42に対して相対的に接近、
離間可能となっている。外側アッパーパンチ46Bはダ
イの周面上にスライド自在に取り付けられ、内側アッパ
ーパンチ46Aは外側アッパーパンチ46Bの周面上に
スライド自在に取り付けられるようになっている。外側
アッパーパンチ46Bおよび内側アッパーパンチ46A
は、ダイ42に対して相対的に接近したときに、先端部
が前記筒状の空間内に上方からそれぞれ所定の位置まで
挿入されるようになっている。
【0035】そして、ダイ42の成形孔43内にコアロ
ッド44を挿通させ、コアロッド44周面と成形孔43
内周面との間に筒状の空間を形成し、この空間内に下方
から内側ロアーパンチ47A及び外側ロアーパンチ47
Bを、上方から内側アッパーパンチ46および外側アッ
パーパンチ46Bをそれぞれ挿入することで、それらの
間に成形品51のフランジ部(厚肉部)51Aに対応す
る環状部50Aを備えた筒状の成形空所50が形成され
る。
【0036】ここで、成形空所50に面するコアロッド
44の周面には、圧縮成形時の軸方向位置が成形品51
のフランジ部分51Aを形成する環状部50Aと一致す
る大径部44aと、成形品51の筒状部(薄肉部)51
Bを形成する筒状空所50Bと一致する小径部44bと
が形成されている。なお、この実施形態では大径部44
aをストレートな筒状に形成し、小径部44bをテーパ
状に形成しているが、必ずしもストレートな筒状部分を
設ける必要はなく、たとえば曲面やテーパ面によって、
最も外径が大きい部分をフランジ部分51Aの内周側に
対応させるように全体を滑らかに連続させて形成しても
よい。
【0037】この大径部44aと小径部44bとの径差
は、成形品51のスプリングバック量の最大値と最小値
との差以下となるように設定されていて、また、コアロ
ッド44の成形空所50に面する部分の最大外径d3
が、成形品41のスプリングバック後の最小内径d4以
下となるように設定されている。
【0038】例えば、鉄カーボン銅系の混合粉末による
成形品の場合、内径がφ100mm、高さが30mm程
度の成形品であると、スプリングバックにより軸方向中
央部に位置する厚肉のフランジ部51Aが径方向で0.
1mm(スプリングバック量0.1mm)、このフラン
ジ部51Aの上下に位置する薄肉の筒状部51Bが径方
向で0.17mm(スプリングバック量0.17mm)
拡径する。つまり、大径部44aの外径をφ99.9m
m、小径部44bの外径をφ99.83mmに設定する
と、スプリングバック後の成形体の内径は軸方向全長に
わたりφ100mmとなる。
【0039】そして、上記のように構成したダイ42、
コアロッド44、内側ロアーパンチ47A、外側ロアー
パンチ47Bからなる金型により、これらの間に成形空
所50を形成し、成形空所50内に粉末成形材料を充填
し、内側アッパーパンチ46A、外側アッパーパンチ4
6Bを下降させて両ロアーパンチ47A、47Bとの間
で粉末成形材料を圧縮成形することにより、成形空所5
0の形状に合致した成形品51を成形する。
【0040】そして、型開きして成形品51を取り出す
には、図6に示すように、コアロッド44と内側ロアー
パンチ47Aおよび外側ロアーパンチ47Bを成形時の
位置関係に保持した状態で相対的に上方に移動させてダ
イ42から抜き出した後、外側ロアーパンチ47Bを下
降させて、成形品51の外周面に当接する金型から成形
品51の外周面を解放して成形品51にスプリングバッ
クを生じさせた後にコアロッド44を下降させ、成形品
51をコアロッド44周面から離型させる。
【0041】この場合、コアロッド44の大径部44a
が小径部44bよりも上方に位置しているため、成形品
51が成形空所5の形状のままであると、成形品51の
内周面に大径部分と小径部分が形成されてしまうが、ダ
イ42及び外側ロアーパンチ47Bから取り出されたと
きに、成形品51の外周面が解放されるので、成形品5
1の各部にはスプリングバックが生じ、密度の高い筒状
部51Bのスプリングバックの量が最大となって成形品
51の内周面が軸方向にストレートとなるように修正さ
れ、正規の寸法を有する成形品51が得られることにな
る。また、コアロッド44の大径部44aが、成形品5
1のスプリングバック後の最小内径より小に設定されて
いるので、大径部44aからコアロッド44を確実に抜
き取ることができる。
【0042】なお、前記の実施の形態において、粉末成
形品を成形する場合、焼結状態、焼結後の矯正(サイジ
ング)を考慮して本発明を適用してよいことは勿論のこ
とである。さらに、前記の説明においては、肉厚が軸方
向に異なるフランジ付き筒状の成形品11、51の成形
に適用したが、フランジを有しない筒状の成形品に適用
した場合であっても、同様の効果が得られるのは勿論の
ことである。
【0043】
【発明の効果】以上、説明したように、本発明による粉
末成形金型及び粉末成形法によれば、筒状の成形空所に
面するコアロッドの部分が上方に向けて漸次拡径するテ
ーパ状に形成されているので、成形空所内に成形される
成形品の内周面はコアロッドのテーパに合致するテーパ
状に形成され、このテーパは離型の際に成形品の各部に
生じるスプリングバックによって外方に拡がることにな
る。従って、正規の寸法を有する成形品を容易に得るこ
とができる。
【0044】また、たとえば成形品がフランジ(厚肉
部)を有する筒状である場合、スプリングバック量が大
きくなりやすい成形品の薄肉部分の内周面を厚肉部分
(フランジ部分)よりも縮径させるように、コアロッド
の成形空所に面する部分が形成されているので、成形完
了後に型開きしたときに、成形品に生じるスプリングバ
ックにより成形品各部が設計通りに仕上がることにな
る。従って、正規の寸法を有する成形品を容易に得るこ
とができる。
【0045】また、コアロッドのテーパ量をスプリング
バック量の最大値と最小値との差以下とすることによ
り、または、コアロッドの最大外径をスプリングバック
後の成形品の最小内径以下とすることにより、コアロッ
ドから確実に成形品を離型させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による粉末成形金型の一実施の形態を
示した概略断面図であって、圧縮成形時の状態を示した
説明図である。
【図2】 本発明による粉末成形金型の型開きの状態を
示した概略断面図である。
【図3】 成形品の一例を示した断面図である。
【図4】 成形品のスプリングバックを説明する図
(a)およびコアロッドの形状を説明する図(b)であ
る。
【図5】 本発明による粉末成形金型の他の実施の形態
を示した概略断面図であって、圧縮成形時の状態を示し
た説明図である。
【図6】 図5に示す粉末成形金型の型開きの状態を示
した概略断面図である。
【図7】 従来の粉末成形金型の一例を示した概略断面
図であって、圧縮成形時の状態を示した説明図である。
【図8】 従来の粉末成形金型によって成形された成形
品を示した断面図である。
【符号の説明】
1、41 粉末成形金型 2、42 ダイ 4、44 コアロッド 5 テーパ 6、46 アッパーパンチ 46A 内側アッパーパンチ 46B 外側アッパーパンチ 7、47 ロアーパンチ 8、47A 内側ロアーパンチ 9、47B 外側ロアーパンチ 10、50 成形空所 11、51 成形品

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ダイ、コアロッド、ロアーパンチ、及び
    アッパーパンチを備え、ダイ、コアロッド、ロアーパン
    チ間に形成される筒状の成形空所内に粉末成形材料を充
    填し、該成形空所内の粉末成形材料を前記アッパーパン
    チ、ダイ及びロアーパンチで圧縮成形することにより前
    記成形空所の形状に合致した成形品を形成する粉末成形
    金型において、 前記コアロッドの前記成形空所に面する部分を、上方に
    向けて漸次拡径するテーパ状に形成したことを特徴とす
    る粉末成形金型。
  2. 【請求項2】 外周面の凹凸によって形成される径方向
    の肉厚が大きい厚肉部と該厚肉部よりも径方向の肉厚が
    小さい薄肉部とを有する筒状の成形品を、粉末成形材料
    を圧縮成形して形成する粉末成形金型であって、 前記成形品の内周面を成形するコアロッドが、圧縮成形
    時の軸方向位置が前記成形品の厚肉部を形成する部分近
    傍となる大径部と、前記薄肉部を形成する部分近傍とな
    る小径部とを有することを特徴とする粉末成形金型。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の粉末成形金型
    において、 前記コアロッドのテーパ量または前記大径部と小径部と
    の径差を、前記成形品に生じるスプリングバック量の最
    大値と最小値との差以下に設定したことを特徴とする粉
    末成形金型。
  4. 【請求項4】 請求項1または2に記載の粉末成形金型
    において、 前記コアロッドの前記成形空所に面する部分の最大外径
    が、前記成形品のスプリングバック後の最小内径以下で
    あることを特徴とする粉末成形金型。
  5. 【請求項5】 ダイ、コアロッド、ロアーパンチ、及び
    アッパーパンチからなる複数の金型を用い、ダイ、コア
    ロッド、ロアーパンチ間に筒状の成形空所を形成し、該
    成形空所内に粉末成形材料を充填し、該成形空所内の粉
    末成形材料を前記アッパーパンチ及びロアーパンチで圧
    縮成形することにより前記成形空所の形状に合致した成
    形品を製造する方法において、 前記コアロッドの前記成形空所に面する部分を、上方に
    向けて漸次拡径するテーパ状に形成しておき、前記金型
    の離型時に、前記コアロッドに対して前記成形品の外周
    面に当接する金型を最初に解放させ、その後前記成形品
    の下面に当接する金型を相対的に押し上げて該成形品を
    離型させることを特徴とする粉末成形品の製造方法。
  6. 【請求項6】 外周面の凹凸によって形成される径方向
    の肉厚が大きい厚肉部と該厚肉部よりも径方向の肉厚が
    小さい薄肉部とを有する筒状の成形品を、粉末成形金型
    内で粉末成形材料を圧縮成形して形成する粉末成形品の
    製造方法であって、 前記成形品の内周面を成形するコアロッドに、圧縮成形
    時の軸方向位置が前記成形品の厚肉部を形成する部分と
    ほぼ一致する大径部と、前記薄肉部を形成する部分とほ
    ぼ一致する小径部とを設けておき、 前記金型の離型時に、前記コアロッドに対して前記成形
    品の外周面に当接する金型を最初に解放させ、その後前
    記成形品の下面に当接する金型を相対的に押し上げて該
    成形品を離型させることを特徴とする粉末成形品の製造
    方法。
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